説明

ポイントカード

【課題】
顧客がポイントカードを書換え時に、ポイントの集積数に応じて付与される最新の景品と、その景品を交換できる期間(有効期限)を確認でき、ポイントを集積する意欲を湧かせて、ポイントカード発行者の商店等に買い物を集中させる効果をもたらすポイントカードを提供することを課題とする。
【解決手段】
表示領域14にポイントの集積数に応じて付与される景品情報を表示する景品表示領域15と、また、景品表示領域15には、ポイントの集積数に応じて付与される景品の景品名を表示した景品名表示領域17と、景品表示領域15を最後に書換えした年月日を表示する最終更新日表示領域18と、景品表示領域15の表示の内容がいつまでが保証できる有効期限なのかを表示する有効期限表示領域19と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書換え可能な表示領域を備えたリライトカードに係り、特に使用回数や使用金額等に応じて付与されるポイントと、そのポイントの集積数を表示し、記憶するポイントカードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商店街やショッピングセンター、又はフランチャイズ企業やチェーン店、或いは個人商店などにおける顧客勧誘用のカードとして、使用回数や使用金額等に応じてポイントを与え、ポイントの集積数が一定単位量に達したら、その集積数に応じて景品と引換えることができるポイントカードがある。
【0003】
このポイントカードは、表面に情報を表示する表示領域の素材として有効な熱可逆性材料を使用するもので、この熱可逆性材料は、有機低分子物質と樹脂を利用し、加熱により透明状態と白濁状態とが可逆的に変化し、更に、常温でもその2形態を維持するという特質を備えている。また、裏面には磁気記録層が形成されており、情報を記録できるようになっている。
【0004】
図3および図4は、それぞれ従来のポイントカードの正面図および断面図を示すもので、図面において、ポイントカード1は、ポリエステル樹脂、硬質塩化ビニル樹脂等のカード基材2の表面にアルミ蒸着層3が真空蒸着、スパッタリング蒸着等により形成されており、更にその上層に熱可逆性感熱記録層4が積層形成されている。
【0005】
そして、熱可逆性感熱記録層4の上層には、表示領域5と印刷領域6とに区画されており、表示領域5は、使用回数や使用金額等に応じて付与されるポイントを表示するポイント表示領域7と、そのポイントの集積数を表示するポイント集積数表示領域8が形成されている。また、印刷領域6は、白色印刷9およびこの白色印刷9の上層にカラー印刷10が施されている。
【0006】
また、カード基材2の裏面には、ポイントやポイントの集積数等のデータを書込みおよび消去可能な磁気記録層11が形成されている。
【0007】
また、このポイントカード1の表示領域への印字方法として、図示しないカードプリンタのサーマルヘッドの発熱作用により透明状態にある熱可逆性感熱記録層4に白濁部分を形成し、表示領域5にポイントやポイントの集積数を印字する。
また、表示領域の印字の消去方法として、図示しないカードプリンタの熱板を熱可逆性感熱記録層4に押し付けることにより、熱可逆性感熱記録層4をすべて透明化させて、表示領域5に印字されているポイントやポイントの集積数を消去する。
【0008】
また、このポイントカード1における磁気記録層11の記録方法として、図示しないカードプリンタの磁気ヘッドにより磁気記録層に記録されたポイントやポイントの集積数等のデータを読取ったり、データの書込みや消去を行う。
【0009】
熱可逆性感熱記録層4は図5に示すように白濁部分12と透明部分13とに分けられ、透明部分13において、アルミ蒸着層3の銀色が表示領域5の地色となり、白濁部分12に対応する部分がポイントやポイントの集積数として白抜き状に浮かび上がる。このように、カードプリンタの熱板により、熱可逆性感熱記録層に印字されているポイントやポイントの集積数を消去し、サーマルヘッドを操作することにより、ポイントやポイントの集積数を印字し、書換えを行っている。
また、カードプリンタの熱板とサーマルヘッドによってポイントカード1の熱可逆性感熱記録層4の書換えを行い、磁気ヘッドにより磁気記録層11に印字した情報と同一のポイントやポイントの集積数のデータの書換えを行う。
【0010】
上述したポイントカード1を、ポイントカード発行者である商店等で、ポイントカード所持者である顧客はポイントの集積数を確認して、そのポイントの集積数の範囲内の景品に交換している。
【0011】
しかしながら、従来のポイントカード1はポイントの情報として、使用回数や使用金額等に応じて付与されるポイント表示領域7のポイントと、ポイント集積数表示領域8のポイントの集積数しか表示されていなかったため、例えば顧客がポイントカードのポイントの集積数がある一定量になったと判断した際、そのポイントの集積数で交換できる景品を確認しようとする時は、商店等に問い合わせるか若しくは商店等の宣伝、広告、インターネットのホームページ等に記載されている景品に交換できるポイントの集積数の情報を確認することによってしか知り得ることができなかった。
【0012】
また、顧客が景品に交換できるポイントの集積数の情報を知っていたとしても、商店等の都合で景品に変更がある場合又は月ごとに景品の内容が変更する場合等の理由によって、顧客は、現在所持しているポイント集積数で、どのような景品と交換できるのかを確認することはできないという問題点があった。
【0013】
上述した理由により、所定のポイントの集積数まで達していても交換できる景品を知ることに手間がかかり、交換できる景品を容易に確認できないため、現在所持しているポイントの集積数で、どのような景品と交換できるのか明らかにならず、景品と交換することなくポイントカードを廃棄する場合も少なくなかった。
また、所定のポイントの集積数でどのような景品と交換できるのかが明らかになっていないため、商店等が顧客にポイントカードを発行したとしても、顧客にポイントを集積する意欲を湧かすことはできず、よって、顧客をポイントカード発行者の商店等に買い物を集中させることも困難で、結局、顧客の勧誘用カードとしては効果が薄かった。
【特許文献1】特開平05-233957
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであって、顧客がポイントカードを書換え時に、ポイントの集積数に応じて付与される最新の景品と、その景品を交換できる期間(有効期限)を確認でき、ポイントを集積する意欲を湧かせて、ポイントカード発行者の商店等に買い物を集中させる効果をもたらすポイントカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るポイントカードは、書換え可能な表示領域を備えたカードであって、表示領域に使用回数や使用金額等に応じて付与されるポイントを表示するポイント表示領域と、ポイントの集積数を表示するポイント集積数表示領域と、ポイントの集積数に応じて付与される景品情報を表示する景品表示領域と、を有することを特徴とする。
また、景品表示領域には、ポイントの集積数に応じて付与される景品の景品名を表示した景品名表示領域と、景品表示領域を最後に書換えした年月日を表示する最終更新日表示領域と、を有することもできる。
また、景品表示領域には、景品表示領域の表示を保証できる有効期限を表示する有効期限表示領域を有することもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るポイントカードは、書換え可能な表示領域を備えたカードであって、表示領域に使用回数や使用金額等に応じて付与されるポイントを表示するポイント表示領域と、ポイントの集積数を表示するポイント集積数表示領域と、ポイントの集積数に応じて付与される景品情報を表示する景品表示領域を有するため、所持しているポイントの集積数およびこのポイントの集積数で交換できる景品情報を確認することができる。
また、景品表示領域には、ポイントの集積数に応じて付与される景品の景品名を表示した景品名表示領域と、景品表示領域を最後に書換えした年月日を表示する最終更新日表示領域を有するため、ポイントの集積数に応じて交換できる景品の景品名および景品表示領域に表示された情報がいつの情報であるかを確認することができる。
また、景品表示領域には、景品表示領域の表示を保証できる有効期限を表示する有効期限表示領域を有するため、いつまでが景品を交換できる有効期限なのかを確認でき、顧客にポイントを集積する意欲を湧かせて、ポイントカード発行者の商店等に買い物を集中させる効果をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るポイントカード1の実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1および図2は、それぞれ本発明に係るポイントカード1の平面図および断面図を示すものである。尚、上述した構成要素と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0019】
ポイントカード1は、ポリエステル樹脂、硬質塩化ビニル樹脂等のカード基材2の表面に書換え可能でかつ目視可能な表示領域14と、白色印刷9およびこの白色印刷の上層にカラー印刷10が施されている印刷領域6と、裏面にポイントやポイントの集積数及び景品情報を記録する磁気記録層11と、を有する。
【0020】
表示領域14には、会員番号、名前、来店日や特売日やカードの有効期限等の情報を表示する印字内容領域16と、商店等での買い物時等に使用回数や使用金額等に応じて付与されるポイントを表示するポイント表示領域7と、ポイントの集積数を表示するポイント集積数表示領域8と、ポイントの集積数に応じて付与される景品の情報を表示する景品表示領域15と、が書換え可能に形成されている。
【0021】
印字内容領域16には、会員番号、名前、来店日や特売日やカードの有効期限等の情報を表示している。また、通常時よりポイントを2倍付与するキャンペーン情報を表示しても良い。
【0022】
景品表示領域15は、景品名表示領域17と、最終更新日表示領域18と、有効期限表示領域19と、を有する。
景品名表示領域17には、景品情報としての景品名および景品に対応するポイントの集積数を表示し、図1において例えば景品名としてごみ袋(20枚)、景品に対応するポイントの集積数として100ポイントを表示している。
最終更新日表示領域18には、景品表示領域15の表示が、いつ時点の情報なのかが分かるように、景品表示領域15を最後に書換えした年月日を表示している。
有効期限表示領域19には、商店等の都合による景品の変更等も考慮して、商店等が景品表示領域に表示の内容について、いつまでが保証できる有効期限なのかを年月日で表示している。
【0023】
印刷領域6には、商店等のポイントカード発行者の店名や住所、電話番号等を印字している。
また、表示領域14の書換えをしない表示については印刷領域に表示することもできる。
【0024】
磁気記録層11は、ポイント、ポイントの集積数、景品情報、景品表示領域を最後に書換えした年月日、景品表示領域14に表示された内容を保証できる有効期限等のデータを、磁気ヘッドを用いて読取り、消去、或いは新しいデータの書込みを行う。
【0025】
このように、本発明によれば、例えば、商店で買い物した際に、ポイントカードに今回の買い物で発生したポイント15ポイントをポイント表示領域7に、過去の集積したポイントの集積数に今回の買い物で発生した15ポイントを加算した280ポイントをポイント集積数表示領域8に書換え可能に表示すると共に、所定のポイントの集積数で交換できる景品名を景品名表示領域16に書換え可能に表示できるため、顧客が所定のポイントの集積数で交換できる景品を、ポイントカード1を見るだけで容易に確認できる。
また、最終更新日表示領域18に、景品表示領域15を最後に書換えした年月日を表示したため、景品表示領域15の景品情報がいつ時点の情報なのか確認できる。
また、有効期限表示領域19に、景品表示領域15に表示の内容について、商店等がいつまでが保証できる有効期限なのかを年月日で表示したため、景品表示領域に表示された景品について交換する期限を逃すことなく交換できる。
【0026】
上記のポイントカードの使用形態としては、商店等の店頭でポイントカードの表示領域14の印字をカードプリンタの熱板により消去して、サーマルヘッドによって印字し、書換えを行うとともに、同様に磁気ヘッドによって磁気記録層11内に記録されているポイント、ポイントの集積数、景品情報、景品表示領域5を最後に書換えした年月日、景品表示領域5の表示を保証できる有効期限等のデータを、読取り、消去、或いは新しいデータの書込みを行う。
【0027】
なお、本発明が上記実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施の形態は適宜変更可能である。また、上記構成要件の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るポイントカードの実施の形態を示す平面図である。
【図2】本発明に係るポイントカードの実施の形態を示す断面図である。
【図3】従来のポイントカードの平面図である。
【図4】従来のポイントカードの断面図である。
【図5】従来のポイントカードの熱可逆性感熱記録層の詳細図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ポイントカード
2 カード基材
3 アルミ蒸着層
4 熱可逆性感熱記録層
5 表示領域
6 印刷領域
7 ポイント表示領域
8 ポイント集積数表示領域
9 白色印刷
10 カラー印刷
11 磁気記録層
12 白濁部分
13 透明部分
14 表示領域
15 景品表示領域
16 印字内容領域
17 景品名表示領域
18 最終更新日表示領域
19 有効期限表示領域





























【特許請求の範囲】
【請求項1】
書換え可能な表示領域を備えたカードであって、
表示領域に使用回数や使用金額等に応じて付与されるポイントを表示するポイント表示領域と、
ポイントの集積数を表示するポイント集積数表示領域と、
ポイントの集積数に応じて付与される景品情報を表示する景品表示領域と、を有することを特徴とするポイントカード。
【請求項2】
景品表示領域には、ポイントの集積数に応じて付与される景品の景品名を表示した景品名表示領域と、景品表示領域を最後に書換えした年月日を表示する最終更新日表示領域と、を有することを特徴とする請求項1記載のポイントカード
【請求項3】
景品表示領域には、景品表示領域の表示を保証できる有効期限を表示する有効期限表示領域を有することを特徴とする請求項1記載のポイントカード。
























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−281557(P2006−281557A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103462(P2005−103462)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】