説明

ポイントシステム

【課題】ポイントを正確に管理しつつ、ポイントとスタンプとを併用する。
【解決手段】ポイントシステム(1)は、電磁的方法により読取可能なカード識別情報(311)を夫々格納する複数の第1カード(31a〜31d)と、前記カード識別情報を有しない複数の第2カード(32a、32b)と、端末識別情報(211)を夫々格納する複数の店舗端末手段(20a〜20c)と、ポイント情報を、カード識別情報毎及び端末識別情報毎に格納すると共に、ポイント発行条件情報(111)を格納し、複数の店舗端末手段の各々にネットワーク(40)を介して接続されるサーバ手段(10)とを備える。サーバ手段は、第1カードにポイントを発行される場合、発行されたポイントをカード識別情報毎及び端末識別情報毎に格納し、第2カードにポイントが発行される場合、発行されたポイントを端末識別情報毎に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば商店街で商品を購入した際に発行又は回収されるポイントを管理するポイントシステムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のポイントシステムとして、店舗端末機及びセンターサーバ装置が相互にインターネットを介して接続された商店街ポイントシステムが提案されている。ここでは特に、加盟店が独自に購買金額に対するポイント発行レートを変更する技術が記載されている(特許文献1参照)。或いは、インターネット常時接続サービスを利用して、消費者が取得又は還元したポイント情報をポイントサービスサーバに記憶させ、IDカードやICカード内へのポイント情報の記憶を不要とする商店街Webポイントシステムが提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
また、商店街では、固定客獲得のために、ポイントシステムに代えて、購買金額に応じてスタンプを配布し、スタンプが所定数貯まった場合に、例えば割引券として利用できるサービスを行うことがある。例えば、特許文献3には、算出したポイントをレシートへスタンプとして印刷する技術が記載されている。或いは、特許文献4には、購買実績ポイントをカードにハート型のマークとして印字する技術が記載されている。
【0004】
尚、特許文献5には、予め前払いしたバスや鉄道等の交通機関の乗車料金(乗車料金バリュー)を記憶する領域を有するICカードに、乗車割引ポイントを発行した商店と、その商店が発行した乗車割引ポイント数とを記憶する技術が記載されている。また、特許文献6には、電子購買システムにおいて、サーバとクライアントとの間のインターネットを介する情報のやりとりに、安全確保のために、盗聴及び改竄防止可能な暗号を用いた通信を行う技術が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−279273号公報
【特許文献2】特開2003−233747号公報
【特許文献3】特開平9−44748号公報
【特許文献4】特開平5−174250号公報
【特許文献5】特開2003−108898号公報
【特許文献6】特開2001−344487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば1日の決まった時刻に、店舗端末機に蓄積されたポイント取引データを、センターサーバ装置に転送し、ポイント収支記録の更新をしている。すると、何らかの不具合が生じた場合、発行又は回収されたポイントを正確に管理することが極めて困難になるという技術的問題点がある。また、特許文献2に記載の技術では、消費者が購買金額を店舗端末機に入力しなければならないという技術的問題点がある。
【0007】
また、一つの商店街又は店舗においてポイントとスタンプとの両方を取り扱う場合、ポイント利用者とスタンプ利用者とを別個に扱わなければならず、例えば発行されたポイントに応じて支払うべき金額の請求等の手続き等が煩雑になるという技術的問題点がある。また、特許文献3乃至6に記載の技術では、上記問題点を解決することは極めて困難であるという技術的問題点がある。
【0008】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、発行又は回収されたポイントを正確に管理しつつ、ポイントとスタンプとを併用することができるポイントシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のポイントシステムは、上記課題を解決するために、電磁的方法により読取可能なカード識別情報を夫々格納する複数の第1カードと、前記カード識別情報を有しない複数の第2カードと、端末識別情報を夫々格納する複数の店舗端末手段と、ポイント情報を、前記カード識別情報毎及び前記端末識別情報毎に格納すると共に、ポイントを発行する条件を示すポイント発行条件情報を格納し、前記複数の店舗端末手段の各々にネットワークを介して接続されるサーバ手段とを備え、前記複数の第1カードのうち一の第1カードに前記ポイントを発行する場合、前記複数の店舗端末手段のうち一の店舗端末手段は、前記一の第1カードに格納されているカード識別情報を読み取り、更に、前記サーバ手段に対し、前記読み取られたカード識別情報、前記一の第1カードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す第1購買金額情報及び前記一の店舗端末手段に格納されている端末識別情報を前記ネットワークを介して夫々送信し、前記サーバ手段は、前記格納されたポイント発行条件情報及び前記送信された第1購買金額情報に基づいて前記ポイントを発行し、更に、前記発行されたポイントを示す第1発行ポイント情報に基づいて、前記送信されたカード識別情報に対応するポイント情報を更新すると共に、前記送信された端末識別情報に対応するポイント情報を更新し、前記複数の第2カードのうち一の第2カードに前記ポイントを発行する場合、前記一の店舗端末手段は、前記サーバ手段に対し、前記一の第2カードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す第2購買金額情報及び前記一の店舗端末手段に格納されている端末識別情報を前記ネットワークを介して夫々送信し、前記サーバ手段は、前記格納されたポイント発行条件情報及び前記送信された第2購買金額情報に基づいて前記ポイントを発行し、更に、前記発行されたポイントを示す第2発行ポイント情報に基づいて、前記送信された端末識別情報に対応するポイント情報を更新すると共に、前記一の店舗端末手段に対し、前記第2発行ポイント情報を前記ネットワークを介して送信し、前記一の店舗端末手段は、前記送信された第2発行ポイント情報により示されるポイントを、前記一の第2カードに対するスタンプとして発行する。
【0010】
本発明のポイントシステムによれば、当該ポイントシステムは、カード識別情報を夫々格納する複数の第1カードと、カード識別情報を有しない、例えばスタンプ台紙等である複数の第2カードと、例えばカードリーダ付きキャッシュレジスタ等である複数の店舗端末手段と、例えばメモリ、プロセッサ、大容量記憶装置等を備えて構成されるサーバ手段と、例えばインターネット等であるネットワークとを備えている。
【0011】
ここに、本発明に係る「ポイント」とは、当該ポイントシステムの加盟店において、商品等と交換可能な(即ち、仮想マネー等として機能する)、或いは特典(例えば商品券、割引券、記念品等)と交換可能な値を意味する。このようなポイントは、加盟店における商品の購買金額や来店回数等に応じて、所定の条件(例えば購買金額500円毎に1ポイント、来店回数1回につき0.1ポイント等)で発行される。或いは、加盟店において、所定の条件(例えば1ポイント1円、1000ポイントで1000円分の商品券等)で商品や特典等と交換(即ち、回収)される。
【0012】
本発明に係る「ポイント情報」とは、このようなポイントを示す電子化された情報を意味する。特に、発行されたポイントを示すポイント情報を「発行ポイント情報」と称し、回収されたポイントを示すポイント情報を「回収ポイント情報」と称する。また、「ポイント情報」は、その内容が各段階で更新、格納、発行等され得る性質であるため、例えば、「カード識別情報に対応するポイント情報」(即ち、一の第1カードが保有しているポイントを示す情報)や、「端末識別情報に対応するポイント情報」(即ち、一の店舗端末手段が設置されている店舗が発行又は回収したポイントを示す情報)がある。
【0013】
本発明に係る「ポイント発行条件」とは、ポイントを発行するか否か、及びポイントを発行する場合には何ポイント発行するかを決定する条件であり、予め固定条件として又は何らかのパラメータ(例えば保有ポイント数等)に応じた可変条件として設定されている条件である。
【0014】
また、「ポイント発行条件情報」とは、ポイント発行条件を示す情報を意味する。このポイント発行条件情報により示されるポイント発行条件は、店舗端末手段毎に(即ち、店舗毎に)相互に独立に設定されていてもよいし、当該ポイントシステム全体として一律に設定されていてもよい。
【0015】
本発明に係る「第1カード」は、カード識別情報を格納する又は含む、例えばバーコード、磁気ストライプ、半導体メモリ等を有しており、店舗端末手段がカード識別情報を電磁的方法により読取可能なカードを意味する。ここに、「電磁的方法」とは、電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によっては認識できない方法を意味する。
【0016】
尚、第1カードは、当該ポイントシステム専用のカードに限らず、例えばICチップ付き電子マネーカードやICチップ付き交通機関乗車券等の他のシステム又はサービスにおいて使用されているカードであってもよい。即ち、当該ポイントシステムにおいて、他のカードから識別可能であり、且つ店舗端末手段がカードを認識可能である限り、いかなるカードであってもよい。
【0017】
また、カードが本発明でいうところのカード機能を有していれば、その形状自体はカード状或いは平板状でなくてもよい。更に、携帯電話、モバイル機器等に内蔵又は付加されているものも、広義にはここにいう「第1カード」に含まれる。但し、第1カードは、狭義には、例えば名刺大であり、電源を必要としないカードを意味し、その方がカードとしての使い勝手が良い。
【0018】
他方、本発明に係る「第2カード」は、店舗端末手段がカード識別情報を電磁的方法により読取不可能なカードを意味する。尚、「前記カード識別情報を有しない」とは、電磁的方法により読取可能なカード識別情報を有しないという意味である。従って、第2カードには、電磁的方法により読取不可能な態様であれば、例えばシリアルナンバー、カード発行日時、発行店名等の相互から識別可能とするための情報が印刷又は押印されていてもよい。
【0019】
本発明に係る「カード識別情報」とは、個々のカード(即ち、個々の顧客に手渡されたカード等)を相互から識別可能とするためにユニークに割り当てられた識別ID或いはID番号等の識別情報である。
【0020】
複数の第1カードのうち一の第1カードにポイントを発行する場合、先ず、複数の店舗端末手段のうち一の店舗端末手段(典型的には、一の第1カードを所有する消費者が商品を購入する店舗に備えられている店舗端末手段)は、一の第1カードに格納されているカード識別情報を読み取る。
【0021】
次に、一の店舗端末手段は、サーバ手段に対し、読み取られたカード識別情報、一の第1カードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す第1購買金額情報及び一の店舗端末手段に格納されている、端末識別情報をネットワークを介して夫々送信する。
【0022】
ここに「端末識別情報」とは、個々の店舗端末手段(即ち、個々の店舗に配備されたパソコン、ワークステーション等)を相互から識別可能とするためにユニークに割り振られた識別ID或いはID番号等の識別情報である。尚、本発明に係る「商品」は、例えば食品や衣料等の物に限らず、例えば法律相談や情報等のサービスを含んでよい。
【0023】
次に、サーバ手段は、格納されたポイント発行条件情報及び送信された第1購買金額情報に基づいてポイントを発行する。具体的には例えば、ポイント発行条件情報により示されるポイント発行条件が「購買金額300円毎に1ポイント発行」であり、第1購買金額情報により示される購買金額が「1680円」である場合、サーバ手段は、典型的には、端数を切り捨てて「5ポイント」発行する。
【0024】
続いて、サーバ手段は、発行されたポイントを示す第1発行ポイント情報に基づいてカード識別情報に対応するポイント情報を更新すると共に、第1発行ポイント情報に基づいて端末識別情報に対応するポイント情報を更新する。尚、サーバ手段に、カード識別情報に対応するポイント情報が格納されていない場合、典型的には、サーバ手段は、該カード識別情報に対応するポイント情報を、新たに生成して格納する。この新たに生成されるポイント情報が示すポイントは、ゼロであってもよいし、所定の値(例えば、新規登録特典として500ポイント等)であってもよい。
【0025】
複数の第2カードのうち一の第2カードにポイントを発行する場合、先ず、一の店舗端末手段は、サーバ手段に対し、一の第2カードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す第2購買金額情報及び一の店舗端末手段に格納されている端末識別情報をネットワークを介して夫々送信する。
【0026】
次に、サーバ手段は、格納されたポイント発行条件情報及び送信された第2購買金額情報に基づいてポイントを発行する。続いて、サーバ手段は、発行されたポイントを示す第2発行ポイント情報に基づいて端末識別情報に対応するポイント情報を更新する。続いて、サーバ手段は、一の店舗端末手段に対し、第2発行ポイント情報をネットワークを介して送信する。
【0027】
次に、一の店舗端末手段は、送信された第2発行ポイント情報により示されるポイントを一の第2カードに対するスタンプとして発行する。ここに「スタンプ」とは、当該ポイントシステムにおいて発行されたポイントを証明するものを意味し、「スタンプとして発行する」とは、一の第2カード(を所有する消費者)に対して発行されたポイントをポイント情報としてサーバ手段に格納する代わりに、発行されたポイントを証明するスタンプを一の第2カードに(又は該一の第2カードとは異なる記録媒体に)記録することを意味する。尚、一の店舗端末手段は、一の第2カードにスタンプを印刷することによって発行してもよいし、一の第2カードとは別の媒体(例えば領収書、裏糊付き用紙等)にスタンプを印刷することによって発行してもよい。
【0028】
本願発明者の研究によれば、例えば1日の決まった時刻に、店舗端末手段に蓄積されたポイント情報が、サーバ手段に送信され、サーバ手段がポイント情報を更新するポイントシステムでは、例えば店舗端末手段の故障等の何らかの不具合が生じた場合に、ポイントを正確に管理することが極めて困難になる。更に、店舗端末手段は、比較的頻繁に人が立ち入る場所に、十数〜数十台、或いは百台以上設置されている。すると、店舗端末手段に不具合が生じる確率は、一又は数台しか設置されないサーバ手段に比べ、格段に大きくなる。
【0029】
また、ポイントとスタンプとの両方を取り扱う場合、ポイント利用者とスタンプ利用者とを別個に扱わなければならない。特に、複数枚綴りのスタンプシートを用いる場合、店舗の経営者は、例えばシステム管理会社等に予め所定の金額を支払って、スタンプシートを取得しなければならない。すると、比較的多額の初期費用が必要となると共に、例えば1日又は1月に発行したポイント(即ち、消費者に配布したスタンプの数)を把握することが困難になることが判明している。
【0030】
しかるに本発明では、上述の如く、第1カードにポイントを発行する場合及び第2カードにポイントを発行する場合のいずれの場合においても、第1又は第2発行ポイント情報に基づいて、端末識別情報に対応するポイント情報が更新される。このため、端末識別情報に対応するポイント情報を参照すれば、店舗が発行したポイント及び配布したスタンプの数を把握することができる。
【0031】
加えて、サーバ手段に格納されているポイント情報を参照すれば、比較的容易にして、例えば1日又は1月に発行されたポイント及び配布されたスタンプの数を把握することができる。この結果、当該ポイントシステムの管理会社は、例えば月毎に、ポイント発行及びスタンプ配布に係る金額を店舗に一括して請求することができる。他方、店舗の経営者は、ポイント発行及びスタンプ配布に係る金額を当該ポイントシステムの管理会社に後払いすればよいので、スタンプ配布に係る初期費用を抑制することができる。
【0032】
尚、本発明では、典型的には、一の第2カードにポイントが発行された後に、一の店舗端末手段により、発行されたポイント分だけスタンプを発行されるので、店舗が、例えばスタンプシートを予め用意する必要がなく、スペースを削減するこができる。加えて、スタンプが不正に発行又は取得されることによって、他の店舗及び当該ポイントシステム管理会社に不測の不利益を与えることを防止することができる。
【0033】
更に、スタンプであれば、例えば第1カードに格納されているカード識別情報等、消費者に係る情報が不要であるので、例えば自身に係る情報が流出又は悪用等されるのではないかという消費者の不安を軽減又は取り除くことができる。この結果、より多くの消費者を固定客として取り込むことができ、実用上非常に有利である。
【0034】
また、本発明では、上述の如く、常にサーバ手段に格納されているポイント情報を更新している(即ち、ポイント情報をサーバ手段で一元管理している)。これにより、仮に、店舗端末手段に不具合が生じても、ポイント情報を正確に管理することができる。
【0035】
尚、サーバ手段に格納されているポイント情報のバックアップを逐次取得すれば、或いは、複数のサーバ手段で同一のポイント情報を管理すれば、仮にサーバ手段(或いは、複数のサーバ手段のうちの一のサーバ手段)に不具合が生じても、ポイント情報を正確に管理することができる。また、ポイントシステムが複数のサーバ手段を備えている場合、複数のサーバ手段各々を相互に異なる建物又は地域に設置すれば、例えば火災や震災等に対しても強固なシステムを提供することができる。
【0036】
加えて、当該ポイントシステムでは、典型的には、第1カードを店舗端末手段に(具体的には例えば、カードリーダに)接触させ又は挿入すれば、或いは、所定範囲内に近づければ、店舗端末手段は、第1カードに格納されているカード識別情報を読取可能であるので、例えば消費者が識別情報を入力する場合等に比べて、消費者の負担を軽減することができると共に、例えば順番待ちの待ち時間等を減少することができる。
【0037】
また、他のシステム又はサービスで使用されているカードを流用又は併用すれば、消費者が複数枚のカードを所持しなければならないという煩わしさを解消することができる。この結果、新規加入者やリピータの確保を期待することができる。加えて、当該ポイントシステムの加盟店が、当該ポイントシステム専用のカードの不要な在庫を持たなくてよく、コストを低減することができると共に、カードの保管スペースを削減することができ、実用上非常に有利である。
【0038】
尚、上述の如く、店舗端末手段は、第1カードに格納されているカード識別情報を読み取るだけであり、例えば発行されたポイント等を第1カードに記録しない(即ち、第1カードに格納されている情報の変更や更新は行わない)。このため、第1カードに当該ポイントシステムに係るポイント情報を格納する領域を設定する必要がないので(即ち、第1カードのメモリを消費しないので)、他のシステム又はサービスで使用されているカードを流用又は併用しても、他のシステム又はサービスに何らの影響を与えることはない。
【0039】
また、第1カードにポイントを発行する場合、例えば領収書等に保有ポイントを印字するように、店舗端末手段を構成すれば、第1カードを所有する消費者が比較的容易にして保有ポイントを確認することができ、実用上非常に有利である。
【0040】
本発明のポイントシステムの一態様では、前記一の第2カードに前記ポイントを発行する場合、前記一の店舗端末手段は、前記スタンプを前記一の第2カードとは異なる媒体に印刷する。
【0041】
この態様によれば、一の第2カードを所有する消費者が、一の第2カードを所持せずに、一の店舗端末手段が設置されている店舗で商品を購入した際にも、発行されたポイント分だけスタンプが発行されるので、実用上非常に有利である。尚、「媒体」は、典型的には、紙を意味するが、例えばプラスチックやアルミホイル等であってもよい。
【0042】
本願発明者の研究によれば、スタンプの配布を希望する消費者の多くは、配布されたスタンプを、例えばスタンプ台紙に貼るという行為を楽しみにしていることが判明している。スタンプを一の第2カードとは異なる媒体に印刷することによって、スタンプを貼るという行為を楽しみにしている消費者を満足させることができ、実用上非常に有利である。
【0043】
本発明のポイントシステムの他の態様では、前記ポイント発行条件情報は、複数のポイント発行条件を含んでおり、前記複数のポイント発行条件は、前記複数の店舗端末手段に夫々対応していると共に、前記複数の店舗端末手段各々において、相互に独立に設定可能である。
【0044】
この態様によれば、ポイント発行条件を、複数の店舗端末手段各々において(典型的には、加盟店毎に)、相互に独立に設定することができるので、取扱商品の単価の違いによる不均衡を解消することができる。特に、店舗端末手段において設定可能であるので、ポイント発行条件の変更を即時反映させることができ、実用上非常に有利である。
【0045】
具体的には例えば、ポイント発行条件が、ポイントシステム全体として一律に設定されている場合(例えば購買金額500円毎に1ポイント等)、例えば電気屋等、比較的商品単価の高い店舗では、商品を購入する度にポイントが発行され、比較的容易にリピータを確保できる可能性がある。他方、例えば八百屋等、比較的単価の低い店舗では、商品を購入してもポイントが発行されることが少なく、リピータの確保が困難になる可能性がある。
【0046】
これに対して、ポイント発行条件が、店舗端末手段毎に設定されている場合、比較的単価の低い店舗において、ポイント発行条件を、例えば購買金額100円毎に0.2ポイント等と設定すれば、商品を購入する度にポイントが発行される可能性が高くなり、比較的容易にリピータを確保できる。
【0047】
本発明の作用及びその他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明に係るポイントシステムの実施形態を、図1乃至図15を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、本発明に係るポイントシステムの一例として、複数の店舗が集合して形成される商店街におけるポイントシステムを挙げる。
【0049】
(ポイントシステムの構成)
先ず、本実施形態に係るポイントシステムの全体構成について、図1を参照して説明する。ここに、図1は、本実施形態に係るポイントシステムの全体構成を示す模式図である。
【0050】
図1において、ポイントシステム1は、サーバ10と、複数の店舗端末20a〜20cと、複数の消費者50a〜50d各々が所有する複数のICカード31a〜31dと、複数の消費者50e及び50f各々が所有する複数のスタンプカード32a及び32bとを備えて構成されている。サーバ10と複数の店舗端末20a〜20cの各々とは、インターネット40を介して、相互に接続されている。尚、本実施形態に係る「サーバ10」、「複数の店舗端末20a〜20c」、「複数のICカード31a〜31d」、「複数のスタンプカード32a及び32b」並びに「インターネット40」は、夫々、本発明に係る「サーバ手段」、「複数の店舗端末手段」、「複数の第1カード」、「複数の第2カード」並びに「ネットワーク」の一例である。
【0051】
次に、サーバ10の構成について、図2を参照して説明する。ここに、図2は、本実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【0052】
図2において、サーバ10は、記憶部110、表示部120、通信部130、暗号化・復号化処理部140、演算処理部150、入力処理部160及び制御部170を備えて構成されている。
【0053】
記憶部110には、ポイント発行条件情報111、ポイント回収条件情報112、保有ポイント情報113及び端末ポイント情報114が格納されている。
【0054】
ここで、ポイント発行条件は、店舗端末20a〜20c毎に(図1参照)、例えば店舗端末20a〜20cを夫々備える店舗の経営者等によって、設定されている。従って、サーバ10は、店舗端末20a〜20c毎に設定されたポイント発行条件を、一括してポイント発行条件情報111として格納している。
【0055】
尚、本実施形態に係る「保有ポイント情報113」及び「端末ポイント情報114」は、夫々、本発明に係る「カード識別情報に対応するポイント情報」及び「端末識別情報に対応するポイント情報」の一例である。
【0056】
また、サーバ10の表示部120及び入力処理部160は、主に、例えばサーバ管理者等によるサーバ10(又は、サーバ10を含むポイントシステム1)のメンテナンス時等に使用される。
【0057】
次に、店舗端末20aの構成について、図3を参照して説明する。ここに、図3は、本実施形態に係る店舗端末の構成を示すブロック図である。尚、図1に示した店舗端末20b及び20c各々の構成は、店舗端末20aと同様の構成であるので説明を省略する。
【0058】
図3において、店舗端末20aは、記憶部210、表示部220、通信部230、暗号化・復号化処理部240、演算処理部250、入力処理部260、制御部270、カード読取部280及び印字部290を備えて構成されている。記憶部210には、端末識別情報211が予め格納されていると共に、後述するポイント発行処理又はポイント回収・発行処理において、利用ポイント情報212、購買金額情報213等が一時的に格納される。
【0059】
尚、本実施形態に係る「購買金額情報213」は、本発明に係る「第1購買金額情報」及び「第2購買金額情報」の一例である。
【0060】
次に、ICカード31aの構成について、図4を参照して説明する。ここに、図4は、本実施形態に係るICカードの構成を示すブロック図である。尚、図1に示したICカード31b〜31d各々の構成は、ICカード31aと同様の構成であるので説明を省略する。
【0061】
図4において、ICカード31aは、例えばICチップである記憶部310を備えて構成されている。記憶部310には、電磁的方法により読取可能なカード識別情報311が格納されている。
【0062】
次に、スタンプカード32aについて、図5を参照して説明する。ここに、図5は、本実施形態に係るスタンプカードの一例を示す概念図である。尚、図1に示したスタンプカード32bは、スタンプカード32aと同様であるので説明を省略する。
【0063】
図5に示すように、スタンプカード32aは、後述するポイント発行処理又はポイント回収・発行処理において発行されるスタンプを貼り付け可能な貼付スペース321を有している。
【0064】
(ICカードを利用する場合のポイント確認処理)
次に、以上のように構成されたポイントシステム1において、消費者50a(図1参照)が、店舗端末20a(図1参照)を備える店舗で商品を購入する際に実行されるポイント確認処理を、図6のタイミングチャートを参照して説明する。
【0065】
図6において、先ず、消費者50aが購入しようとする商品を所持して、例えばレジカウンター等に行き、消費者50a又は店員(図示せず)が所有するICカード31aを店舗端末20aのカード読取部280(図3参照)に、例えば接触等させると、カード読取部280に含まれているカード検知部(図示せず)は、ICカード31aを検知する。
【0066】
続いて、制御部270(図3参照)は、ICカード31aの記憶部310(図4参照)に格納されているカード識別情報311を読み取るようにカード読取部280を制御する(ステップS101)。尚、本実施形態に係る「店舗端末20a」及び「ICカード30a」は、夫々、本発明に係る「一の店舗端末手段」及び「一の第1カード」の一例である。
【0067】
次に、店舗端末20aの制御部270は、読み取られたカード識別情報311、及び記憶部210(図3参照)に格納されている端末識別情報211を、例えばSSL(Secure Socket Layer)等の所定の方式で夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240(図3参照)を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230(図3参照)及びインターネット40(図1参照)を介して、暗号化されたカード識別情報311及び端末識別情報211を夫々送信する(ステップS102)。
【0068】
次に、サーバ10の制御部170(図2参照)は、通信部130(図2参照)を介して受信されたカード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140(図2参照)を制御する。続いて、制御部170は、例えば図7に示すような保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する(ステップS103)。
【0069】
ここに、図7は、本実施形態に係る保有ポイント情報の一例を示す概念図である。尚、図7に示すように、保有ポイント情報113には、氏名、住所等の個人を特定可能な情報は含まれていない。このため、新規入会の際に消費者に、例えば氏名、住所等が記載された申込用紙の提出を求めなくてよく、消費者の負担を一層軽減することができる。加えて、消費者に、個人を特定可能な情報を提供しなくてよいという安心感を与えることができる。
【0070】
次に、サーバ10の制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報を暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報を送信する(ステップS104)。
【0071】
尚、端末識別情報211は、保有ポイント情報を送信すべき店舗端末を特定することに限らず、例えばポイントシステム1に正規に登録された店舗端末であるか否かを判定することに利用してもよい。
【0072】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報を復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報を表示部220(図3参照)に表示して一旦処理を終了する(ステップS105)。
【0073】
消費者50aは、表示部220に表示された保有ポイント情報を確認して、ポイントを利用するか否かを判断する。或いは、店員が、消費者50aに、表示された保有ポイント情報を伝えて、ポイントを利用するか否かを確認する。
【0074】
(ICカードを利用する場合のポイント発行処理)
次に、ポイントを利用しない場合に実行されるポイント発行処理について、図8のタイミングチャートを参照して説明する。
【0075】
図8において、先ず、店員が、例えばテンキー等の入力手段(図示せず)を操作することによって、消費者50aが購入しようとする商品の情報(例えば商品の名称又は種類、単価、数量等)が入力される。
【0076】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された情報から金額に係る情報を抽出するように入力処理部260(図3参照)を制御する。続いて、制御部270は、抽出された金額に係る情報に基づいて、購買金額を演算するように演算処理部250(図3参照)を制御する。続いて、制御部270は、演算された購買金額を示す購買金額情報213を一旦記憶部210に格納する(ステップS201)。
【0077】
次に、店舗端末20aの制御部270は、格納された購買金額情報213、ステップS101(図5参照)において読み取られたカード識別情報311及び端末識別情報211を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230及びインターネット40を介して、暗号化された購買金額情報213、カード識別情報311及び端末識別情報211を夫々送信する(ステップS202)。
【0078】
次に、サーバ10の制御部170は、通信部130を介して、受信された購買金額情報213、カード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、例えば図9に示すようなポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件を特定する(ステップS203)。ここに、図9は、本実施形態に係るポイント発行条件情報の一例を示す概念図である。
【0079】
次に、サーバ10の制御部170は、復号化された購買金額情報213及び特定されたポイント発行条件に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150(図2参照)を制御する(ステップS204)。
【0080】
次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイント及び復号化されたカード識別情報311に基づいて、保有ポイント情報111を更新する(ステップS205)と共に、演算されたポイント及び復号化された端末識別情報211に基づいて、例えば図10に示すような店舗ポイント情報114を更新する(ステップS206)。
【0081】
ここに、図10は、本実施形態に係る店舗ポイント情報の一例を示す概念図である。尚、店舗ポイント情報114は、ポイントシステム1の管理者又は管理会社と各店舗との間の精算に利用される。
【0082】
次に、サーバ10の制御部170は、更新された保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する。続いて、制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報及び演算されたポイントを示す発行ポイント情報を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。
【0083】
続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を夫々送信する(ステップS207)。
【0084】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を表示部220に夫々表示する(ステップS208)。
【0085】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、復号化された保有ポイント情報及び発行ポイント情報を、消費者50aが購入した商品の情報と共に、例えば領収書等に夫々印字するように印字部290(図3参照)を制御すると共に(ステップS209)、格納された購入金額情報213に基づいて、例えば売買記録情報(図示せず)を更新して一旦処理を終了する。
【0086】
(ICカードを利用する場合のポイント回収・発行処理)
次に、ポイントを利用する場合に実行されるポイント回収・発行処理について、図11のタイミングチャートを参照して説明する。
【0087】
図11において、先ず、店員が、例えばテンキー等の入力手段(図示せず)を操作することによって、消費者50aが購入しようとする商品の情報が入力される。
【0088】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された情報から金額に係る情報を抽出するように入力処理部260を制御する。続いて、制御部270は、抽出された金額に係る情報に基づいて、購買金額を演算するように演算処理部250を制御する。続いて、制御部270は、演算された購買金額を示す購買金額情報213を一旦記憶部210に格納する(ステップS301)。
【0089】
次に、店員が、入力手段を操作することによって、消費者50aが利用するポイントを示す利用ポイント情報212が入力される。続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された利用ポイント情報212を一旦記憶部210に格納する(ステップS302)。
【0090】
次に、店舗端末20aの制御部270は、格納された購買金額情報213、格納された利用ポイント情報212、ステップS101(図5参照)において読み取られたカード識別情報311及び端末識別情報211を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230及びインターネット40を介して、暗号化された購買金額情報213、利用ポイント情報212、カード識別情報311及び端末識別情報211を夫々送信する(ステップS303)。
【0091】
次に、サーバ10の制御部170は、通信部130を介して、受信された購買金額情報213、利用ポイント情報212、カード識別情報311及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、例えば図12に示すようなポイント回収条件情報112から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント回収条件を特定する(ステップS304)。
【0092】
ここに、図12は、本実施形態に係るポイント回収条件情報の一例を示す概念図である。尚、図12に示すポイント回収条件情報112では、ポイント回収条件が店舗端末毎に設定されているが、当該ポイントシステム1全体として一律に設定されていてもよい。
【0093】
次に、サーバ10の制御部170は、特定されたポイント回収条件、復号化された利用ポイント情報212及び復号化された購買金額情報213に基づいて、請求すべき金額を演算するように演算処理部150を制御する(ステップS305)。ここで、「請求すべき金額」とは、購買金額情報213により示される購買金額から、利用ポイント情報212により示されるポイントを特定されたポイント回収条件により換算した金額を、差し引くことにより求まる金額を意味する。
【0094】
続いて、制御部170は、ポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件を特定する(ステップS306)。続いて、制御部170は、演算された請求すべき金額及び特定されたポイント発行条件に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150を制御する(ステップS307)。尚、上記ステップS305において、演算された請求すべき金額がゼロである場合、典型的には、上記ステップS306及びS307の処理は省略される。
【0095】
次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイント、復号化された利用ポイント情報212及び復号化されたカード識別情報311に基づいて、保有ポイント情報113を更新する(ステップS308)と共に、演算されたポイント、復号化された利用ポイント情報212及び復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗ポイント情報114を更新する(ステップS309)。
【0096】
次に、サーバ10の制御部170は、更新された保有ポイント情報113から、復号化されたカード識別情報311に基づいて、該当する保有ポイントを特定する。続いて、制御部170は、特定された保有ポイントを示す保有ポイント情報、演算されたポイントを示す発行ポイント情報及び演算された請求すべき金額を示す請求金額情報を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。
【0097】
続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報を夫々送信する(ステップS310)。
【0098】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報、並びに格納された利用ポイント情報212を表示部220に夫々表示する(ステップS311)。
【0099】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、復号化された保有ポイント情報、発行ポイント情報及び請求金額情報、並びに格納された利用ポイント情報212を、消費者50aが購入した商品の情報と共に、例えば領収書等に夫々印字するように印字部290を制御すると共に(ステップS312)、格納された購入金額情報213に基づいて、例えば売買記録情報(図示せず)を更新して一旦処理を終了する。
【0100】
(スタンプカードを利用する場合のポイント発行処理)
次に、スタンプカードを利用する場合において、スタンプにより示されるポイントを利用しない場合に実行されるポイント発行処理について、図13のタイミングチャートを参照して説明する。
【0101】
図13において、先ず、店員によって消費者50e(図1参照)が購入しようとする商品の情報が入力される。続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された情報から金額に係る情報を抽出するように入力処理部260を制御する。続いて、制御部270は、抽出された金額に係る情報に基づいて、購買金額を演算するように演算処理部250を制御する。続いて、制御部270は、演算された購買金額を示す購買金額情報213を一旦記憶部210に格納する(ステップS401)。
【0102】
次に、店舗端末20aの制御部270は、格納された購買金額情報213及び端末識別情報211を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230及びインターネット40を介して、暗号化された購買金額情報213及び端末識別情報211を夫々送信する(ステップS402)。
【0103】
次に、サーバ10の制御部170は、通信部130を介して、受信された購買金額情報213及び端末識別情報211を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、ポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件を特定する(ステップS403)。
【0104】
次に、サーバ10の制御部170は、復号化さえた購買金額情報213及び特定されたポイント発行条件に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理日150を制御する(ステップS404)。次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイント及び復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗ポイント情報114を更新する(ステップS405)。
【0105】
次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイントを示す発行ポイント情報を暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された発行ポイント情報を送信する(ステップS406)。
【0106】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された発行ポイント情報を復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部は、復号化された発行ポイント情報を表示部220に表示する(ステップS407)。
【0107】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、例えば図14に示すように、復号化された発行ポイント情報により示されるポイントに相当するスタンプ610を、消費者50eが購入した商品の情報と共に、本発明に係る「第2カードとは異なる媒体」の一例である領収書60に印字するように印字部290を制御する(ステップS408)。制御部270は、更に、格納された購入金額情報213に基づいて、例えば売買記録情報(図示せず)を更新して一旦処理を終了する。
【0108】
ここに、図14は、本実施形態に係る領収書の一例を示す概念図である。尚、スタンプ610は、ポイントに応じて模様や色彩が相互に異なっていてもよい。具体的には例えば、1ポイントであれば、白地に「1pt」の文字が記載されたスタンプ、5ポイントであれば、黒地に「☆5pt☆」の白抜き文字が記載されたスタンプ等であってよい。
【0109】
(スタンプカードを利用する場合のポイント回収・発行処理)
次に、スタンプカードを利用する場合において、スタンプにより示されるポイントを利用する場合に実行されるポイント回収・発行処理について、図15のタイミングチャートを参照して説明する。
【0110】
図15において、先ず、店員によって、消費者50eが購入しようとする商品の情報が入力される。続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された情報から金額に係る情報を抽出するように入力処理部260を制御する。続いて、制御部270は、抽出された金額に係る情報に基づいて、購買金額を演算するように演算処理部250を制御する。続いて、制御部270は、演算された購買金額を示す購買金額情報213を一旦記憶部210に格納する(ステップS501)。
【0111】
次に、消費者50eが所有するスタンプカード32aが提示されると共に消費者50eが利用するポイント数を店員に告げ、店員が入力手段を操作することによって、消費者50eが利用するポイントを示す利用ポイント情報212が入力される。続いて、店舗端末20aの制御部270は、入力された利用ポイント情報212を一旦記憶部210に格納する(ステップS502)。
【0112】
尚、店員は、例えばポイントとして利用したスタンプに「済」と押印したり、斜線を引いたりすることによって、或いは、スタンプに孔を開けることによって、スタンプをポイントとして利用したか否かが判別できるようにすればよい。
【0113】
次に、店舗端末20aの制御部270は、格納された端末識別情報211、利用ポイント情報212及び購買金額情報213を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、サーバ10に対し、通信部230及びインターネット40を介して、暗号化された端末識別情報211、利用ポイント情報212及び購買金額情報213を夫々送信する(ステップS503)。
【0114】
次に、サーバ10の制御部170は、通信部130を介して、受信された端末識別情報211、利用ポイント情報212及び購買金額情報213を復号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。続いて、制御部170は、ポイント回収条件情報112から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント回収条件を特定する(ステップS504)。
【0115】
次に、サーバ10の制御部170は、特定されたポイント回収条件、復号化された利用ポイント情報212及び復号化された購買金額情報213に基づいて、請求すべき金額を演算するように演算処理部150を制御する(ステップS505)。
【0116】
続いて、制御部170は、ポイント発行条件情報111から、復号化された端末識別情報211に基づいて、該当するポイント発行条件を特定する(ステップS506)。続いて、制御部170は、演算された請求すべき金額及び特定されたポイント発行条件に基づいて、発行すべきポイントを演算するように演算処理部150を制御する(ステップS507)。尚、上記ステップS505において、演算された請求すべき金額がゼロである場合、典型的には、上記ステップS506及びS507の処理は省略される。
【0117】
次に、サーバ10の制御部170は、演算されたポイント、復号化された利用ポイント情報212及び復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗ポイント情報114を更新する(ステップS508)。続いて、制御部170は、演算されたポイントを示す発行ポイント情報及び演算された請求すべき金額を示す請求金額情報を夫々暗号化するように暗号化・復号化処理部140を制御する。
【0118】
続いて、サーバ10の制御部170は、復号化された端末識別情報211に基づいて、店舗端末20aに対し、通信部130及びインターネット40を介して、暗号化された発行ポイント情報及び請求金額情報を夫々送信する(ステップS509)。
【0119】
次に、店舗端末20aの制御部270は、通信部230を介して受信された発行ポイント情報及び請求金額情報を夫々復号化するように暗号化・復号化処理部240を制御する。続いて、制御部270は、復号化された発行ポイント情報及び請求金額情報、並びに格納された利用ポイント情報212を表示部220に夫々表示する(ステップS510)。
【0120】
続いて、店舗端末20aの制御部270は、復号化された発行ポイント情報により示されるポイントに相当するスタンプ610を、復号化された請求金額情報、格納された利用ポイント情報212及び消費者50eが購入した商品の情報と共に、領収書60に印字するように印字部290を制御する(ステップS511)。制御部270は、更に、格納された購入金額情報213に基づいて、例えば売買記録情報(図示せず)を更新して一旦処理を終了する。
【0121】
<変形例>
次に、本実施形態に係るポイントシステムの変形例について、図16を参照して説明する。ここに、図16は、図4と同趣旨の、変形例に係るICカードの構成を示すブロック図である。尚、図1に示したカード31b〜31d各々の構成は、ICカード31aと同様の構成であるので説明を省略する。
【0122】
図16に示すように、ICカード31aの記憶部310には、カード識別情報311及び乗車料金バリュー312が格納されている。このように、本変形例に係るICカード31a〜31dは、典型的には、SF(Stored Fare)方式、所謂プリペイド方式のICカードである。即ち、ICカード31a〜31d各々における記憶部310に、予め所定の金額分だけ乗車料金を電子マネーとして充填し(図16中の「乗車料金バリュー312」)、該充填された電子マネーで乗車料金を精算するものである。
【0123】
本変形例では、交通機関で使用されているカードを、当該ポイントシステム1の一部として使用することができるので、新たに加入する消費者に対し、別途カードを発行する必要がなく、実用上非常に有利である。
【0124】
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うポイントシステムもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施形態に係るポイントシステムの全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る店舗端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るICカードの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係るスタンプカードの一例を示す概念図である。
【図6】本発明の実施形態に係るICカードを利用する場合のポイント確認処理を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る保有ポイント情報の一例を示す概念図である。
【図8】本発明の実施形態に係るICカードを利用する場合のポイント発行処理を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るポイント発行条件情報の一例を示す概念図である。
【図10】本発明の実施形態に係る店舗ポイント情報の一例を示す概念図である。
【図11】本発明の実施形態に係るICカードを利用する場合のポイント回収・発行処理を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係るポイント回収条件情報の一例を示す概念図である。
【図13】本発明の実施形態に係るスタンプカードを利用する場合のポイント発行処理を示すタイミングチャートである。
【図14】本発明の実施形態に係る領収書の一例を示す概念図である。
【図15】本発明の実施形態に係るスタンプカードを利用する場合のポイント回収・発行処理を示すタイミングチャートである。
【図16】本発明の実施形態の変形例に係るICカードの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0126】
1…ポイントシステム、10…サーバ、20a〜20c…店舗端末、31a〜31d…ICカード、32a、32b…スタンプカード、40…インターネット、50a〜50f…消費者、111…ポイント発行条件情報、112…ポイント回収条件情報、113…保有ポイント情報、114…端末ポイント情報、211…端末識別情報、311…カード識別情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁的方法により読取可能なカード識別情報を夫々格納する複数の第1カードと、
前記カード識別情報を有しない複数の第2カードと、
端末識別情報を夫々格納する複数の店舗端末手段と、
ポイント情報を、前記カード識別情報毎及び前記端末識別情報毎に格納すると共に、ポイントを発行する条件を示すポイント発行条件情報を格納し、前記複数の店舗端末手段の各々にネットワークを介して接続されるサーバ手段と
を備え、
前記複数の第1カードのうち一の第1カードに前記ポイントを発行する場合、
前記複数の店舗端末手段のうち一の店舗端末手段は、前記一の第1カードに格納されているカード識別情報を読み取り、更に、前記サーバ手段に対し、前記読み取られたカード識別情報、前記一の第1カードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す第1購買金額情報及び前記一の店舗端末手段に格納されている端末識別情報を前記ネットワークを介して夫々送信し、
前記サーバ手段は、前記格納されたポイント発行条件情報及び前記送信された第1購買金額情報に基づいて前記ポイントを発行し、更に、前記発行されたポイントを示す第1発行ポイント情報に基づいて、前記送信されたカード識別情報に対応するポイント情報を更新すると共に、前記送信された端末識別情報に対応するポイント情報を更新し、
前記複数の第2カードのうち一の第2カードに前記ポイントを発行する場合、
前記一の店舗端末手段は、前記サーバ手段に対し、前記一の第2カードを所有する消費者が購入した商品の金額を示す第2購買金額情報及び前記一の店舗端末手段に格納されている端末識別情報を前記ネットワークを介して夫々送信し、
前記サーバ手段は、前記格納されたポイント発行条件情報及び前記送信された第2購買金額情報に基づいて前記ポイントを発行し、更に、前記発行されたポイントを示す第2発行ポイント情報に基づいて、前記送信された端末識別情報に対応するポイント情報を更新すると共に、前記一の店舗端末手段に対し、前記第2発行ポイント情報を前記ネットワークを介して送信し、
前記一の店舗端末手段は、前記送信された第2発行ポイント情報により示されるポイントを、前記一の第2カードに対するスタンプとして発行する
ことを特徴とするポイントシステム。
【請求項2】
前記一の第2カードに前記ポイントを発行する場合、前記一の店舗端末手段は、前記スタンプを前記一の第2カードとは異なる媒体に印刷することを特徴とする請求項1に記載のポイントシステム。
【請求項3】
前記ポイント発行条件情報は、複数のポイント発行条件を含んでおり、
前記複数のポイント発行条件は、前記複数の店舗端末手段に夫々対応していると共に、前記複数の店舗端末手段各々において、相互に独立に設定可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のポイントシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−295085(P2009−295085A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150431(P2008−150431)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(508172959)JASPAS株式会社 (4)
【Fターム(参考)】