説明

ポイント付与システム

【課題】複数の企業が各々管理運営する種々の自動販売機のいずれにおいても同じ種類のサービスポイントを付与することができ、以って客が受けるサービスを拡充することができるポイント付与システムを提供する。
【解決手段】情報取得端末がカードIDを読み取り、且つ自動販売機から販売情報を受信した場合、これらの情報を関連付けて購入情報を生成する。この生成された購入情報は情報中継端末12を介して情報中継サーバ13へ送られる。情報中継サーバ13は購入情報に基づいてカードIDに対する点数情報を生成しこれを管理サーバ14へ送る。管理サーバは、データベースに記憶されたカードIDに対して点数情報に基づいてポイントを付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機を利用する客にサービスポイントを付与するポイント付与システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を購入する客が所持するポイントカードにサービスポイントを付与する自動販売機がある(例えば、特許文献1〜3参照)。この自動販売機は、カードリーダライタを備え、商品を販売する際に、予め客に発行しておいたポイントカードにサービスポイントを記憶する。客は、ポイントカードに記憶されたサービスポイントを利用することで、割引等の種々のサービスを受けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−297881号公報
【特許文献2】特開2000−259898号公報
【特許文献3】特開2001−084436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなサービスポイントを付与するシステムは、自動販売機を市場に展開し運営している管理業者や自動販売機で販売する商品のメーカー等が自動販売機による売上の向上を図る目的を持つものであり、客が受けられるサービスは、サービスポイントを付与するシステムを運用する企業が定める範囲であり、狭い範囲に限られていた。
【0005】
上記の客が受けられるサービスを拡充するには、1種類のサービスポイントが複数の産業にまたがって複数の企業から発行され且つポイント使用時に複数の企業からサービスを受けられるようにすることが考えられる。しかし、産業、企業が複数種類になると、産業別企業別の都合によって、既に運営している自動販売機の数量や種類、これらによって1種類のサービスポイントの運用ができない。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、産業別企業別の都合に対応可能で、複数の企業が各々管理運営する種々の自動販売機のいずれにおいても同じ種類のサービスポイントを付与することができる自動販売機への変更を低コストで実現することができ、以って客が受けるサービスを拡充することができるポイント付与システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、第1記憶媒体であるポイントカードに記憶された記憶媒体の識別情報に対してサービスポイントを付与するポイント付与システムであって、
商品販売時、該商品の販売に関する情報からなる販売情報を生成して出力する自動販売機と、
前記自動販売機に接続され、該自動販売機が出力した前記販売情報を受信する通信部と、前記第1記憶媒体から前記識別情報を読み取る読取部と、前記第1記憶媒体から前記識別情報を読み取り、且つ前記自動販売機から販売情報を受信した時、前記読取部が読み取った前記識別情報と前記自動販売機から受信した販売情報とを関連付けた情報からなる購入情報を生成する購入情報生成部と、該購入情報生成手段が生成した購入情報を記憶して蓄積する情報蓄積部と、携帯可能な第2記憶媒体と接続し前記情報蓄積部が蓄積した前記購入情報を、該第2記憶媒体に書き込む書出部を備える情報取得端末と、
前記第2記憶媒体に書き込まれた前記購入情報を読み出す読出収集部と、該読出収集部が読み出した該購入情報が記憶される記憶部を備えるとともに通信回線に接続された情報中継端末と、
前記通信回線に接続された装置であって、該通信回線を介して前記情報中継端末から受信した前記購入情報に含まれる販売情報に基づいて前記サービスポイントの点数を算出し、該点数を該購入情報に関連付けた情報からなる点数情報を生成する点数情報作成部と、を備える情報中継サーバと、
前記通信回線に接続された装置であって、複数の識別情報と各識別情報に対応するサービスポイントの点数を関連付けて記憶する記憶部と、前記情報中継サーバから前記通信回線を介して受信した前記各点数情報に含まれる前記サービスポイントの点数を、該点数情報に含まれた各識別情報と一致する該記憶部に記憶された識別情報に対応するサービスポイントの点数にそれぞれ加算して記憶部を更新する点数付与部とを備える管理サーバと、
を備えることを特徴とする、ポイント付与システムである。
【0008】
本発明によれば、点数情報作成部が、自動販売機から収集された購入情報に基づき、サービスポイントの点数を算出するので、キャンペーン等によって、商品の種類や購入数や金額に応じてサービスポイントの付与率や付与条件に変更が生じた場合であっても、点数情報作成部の設定を変更することで容易に対応できる。すなわち、自動販売機の設定を変更する必要がなく、低コストで迅速に対応できる。したがって自動販売機をネットワーク(通信回線)に接続する必要もない。このため、サービスポイントの付与率や付与条件に変更が生じるようなキャンペーンを容易に実施することが可能となる。また、産業別企業別の都合に対応可能で、複数の企業が各々管理運営する種々の自動販売機のいずれにおいても同じ種類のサービスポイントを付与することができる。ひいては、客が受けるサービスを拡充できる。
【0009】
(2)本発明はまた、前記情報取得端末は、前記書出部が前記購入情報を前記第2記憶媒体に書き出す時、
前記第2記憶媒体に対して初めて書き出される購入情報に対して、書き出す日時を追加して情報蓄積部に記憶し、次に前記情報蓄積部に蓄積された該書き出す日時を追加した購入情報を含む全ての前記購入情報をコピーして、該コピーした該購入情報を前記第2記憶媒体に書き出し、購入情報を情報蓄積部に記憶する時は、前記第2記憶媒体に書き出した日時が関連付けて蓄積されていない前記購入情報に対して新たな前記購入情報を上書きすることを特徴とする、上記(1)に記載のポイント付与システムである。
【0010】
上記発明によれば、商品を補充する作業員が所持する第2記憶媒体に書き出されていない購入情報が、新たな購入情報の上書きによって消去されることを防止できる。
【0011】
(3)本発明はまた、前記購入情報は、前記客が購入した商品の個数を含み、前記管理サーバの前記点数生成部は、前記客が購入した商品の個数が2個以上の場合、該商品の個数が1個の場合と比較して付与率の高い前記点数を生成することを特徴とする、上記(1)〜(2)のいずれかに記載のポイント付与システムである。
【0012】
上記発明によれば、まとめ買いをする客の便益を向上できる。ひいては、客が受けるサービスを更に拡充できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の上記(1)〜(3)に記載のポイント付与システムによれば、客が受けるサービスを拡充できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るポイント付与システムの構成および処理の流れを示す概念図である。
【図2】図1に示す自動販売機の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す情報取得端末の情報蓄積部が蓄積する購入情報のリストを示すテーブルである。
【図4】図1に示す情報中継端末の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す情報中継サーバの構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示す管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示す自動販売機における処理の第1例を示すシーケンス図であり、現金投入前にカードIDを読み取らせる態様を示す。
【図8】図1に示す自動販売機における処理の第2例を示すシーケンス図であり、現金投入後にカードIDを読み取らせる態様を示す。
【図9】図1に示す自動販売機における処理の第3例を示すシーケンス図であり、複数の客によって商品が続けて購入される態様を示す。
【図10】図1に示す自動販売機における処理の第4例を示すシーケンス図であり、投入されている現金について返却操作される態様を示す。
【図11】図1に示す自動販売機における処理の第5例を示すシーケンス図であり、カードIDが読み取られてから所定時間現金が投入されない態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係るポイント付与システム10について詳細に説明する。なお、本発明が以下の実施形態にて説明するポイント付与システム10の構成および作用に限定されるものではない。
【0016】
まず、図1〜図6を用いて、ポイント付与システム10の構成について説明する。図1は、ポイント付与システム10の構成および処理の流れを示す概念図である。図2は、自動販売機11の構成を示すブロック図である。図3は、情報取得端末18の情報蓄積部35が蓄積する購入情報のリストを示すテーブルである。図4は、情報中継端末12の構成を示すブロック図である。図5は、情報中継サーバ13の構成を示すブロック図である。図6は、管理サーバ14の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すポイント付与システム10は、自動販売機11で商品を購入する客にサービスポイントを付与するシステムである。
【0018】
このポイント付与システム10は、予め顧客に対して発行したポイントカード等の第1記憶媒体XA1の識別情報(以下、「カードID」という)を、後述する管理サーバ14のデータベースに登録している。
【0019】
そして、客が自動販売機において商品を購入する時に、自動販売機に搭載された後述する情報取得端末18が当該客の所持する第1記憶媒体XA1のカードIDを読み取った場合に、管理サーバ14が、該読み取ったカードIDと一致する管理サーバ内のデータベースに登録されたカードIDに対しサービスポイントを付与するとともに、データベース内に予め登録されていた点数に対して新たに付与したポイントを加算してデータベースを更新するものである。
【0020】
尚、このポイント付与システム10は、従来から実施されているポイントを使った決済サービスを提供するシステムと組み合わせて運用することで、本ポイント付与システム10が付与したポイントが、決済に利用できるようになる。
【0021】
商品が購入されてからサービスポイントが付与されるまでに一週間程度を要するが、サービスポイントが付与された後であれば、付与されたサービスポイントを商品の割引等に利用することが可能となる。自動販売機11には、サービスポイントが付与されるまでに一週間程度を要する旨の注意書を表示しておくことが好ましい。
【0022】
具体的に、ポイント付与システム10は、複数の自動販売機11と、これら複数の自動販売機11を管理する業者(以下、「自販機管理業者」という。)の営業所等の拠点に配置される複数の情報中継端末12と、自販機管理業者の本社等の主要拠点に配置される情報中継サーバ13と、サービスポイントを管理する業者(以下、「ポイント管理業者」という。)の拠点に配置される管理サーバ14と、を備えている。
【0023】
以下、上記各構成について説明する。なお、本実施形態では、客が所持する第1記憶媒体XA1として磁気ストライプカードを採用している場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1記憶媒体XA1として、全面磁気カード、接触式ICカード、非接触式ICカード、あるいは、ICチップを内蔵する非接触式の携帯情報端末等を採用してもよい。第1記憶媒体XA1以外の構成についても、第1記憶媒体XA1の種別に応じて適宜変更したものを採用すればよい。
【0024】
図2に示すように、各自動販売機11は、当該自動販売機11の主制御ユニット17と、商品を収納する商品収納庫19と、この商品収納庫19の温度を管理し、温めたり冷やしたり制御する収納庫温/冷装置20と、商品収納庫19から商品を払い出す商品払出部21と、金額情報および販売可能か否かを表示する表示器22と、硬貨を受け付け、その硬貨を返却したり釣銭を払い出したりする硬貨処理装置23と、紙幣を受け付け、その紙幣を返却する紙幣処理装置24を備える。
【0025】
さらに、本実施例に係る自動販売機には、第1記憶媒体XA1からカードIDを読み取る情報取得端末18が搭載されている。
【0026】
主制御ユニット17は、CPU29と、売上情報、売切れ情報等の各種情報を一時的に記憶するRAM30と、当該主制御ユニット17の各部を一体的に接続して通信を行う配線となるバス31と、等を備えている。この主制御ユニット17は、自動販売機11の各部を、JVMA(Japan Vending Machine Manufacturers Association、日本自動販売機工業会)準拠のシリアル通信形式で接続している。
【0027】
また、自動販売機11の主制御ユニット17は、商品の販売時に自動販売機11の自販機NO.と、その自動販売機11のロケーションNO.と、購入された商品の名称と、購入された商品の個数と、購入された商品の代金からなる販売情報を生成し後述する情報取得端末18に対して出力する販売情報生成部としての機能を備える。
【0028】
情報取得端末18は、自動販売機のバス27に接続された通信インターフェイスボードからなる通信部39と、第1記憶媒体XA1(磁気ストライプカード)の情報を読み取る磁気カードリーダからなる読取部32と、この読取部32がカードIDを読み取ったか否かを表示して当該事項を客に報せる表示部33と、通信部39が受信した販売情報や読取部32が読み取ったカードIDを、一時的に記憶するRAM34と、第1記憶媒体XA1からカードIDを読み取り後、前記自動販売機から販売情報を受信した時、このRAM34に一時的に記憶されているカードIDと販売情報とを関連付けた情報からなる購入情報を生成して、この購入情報を情報蓄積部35(フラッシュメモリ)へと書き込む制御部38(購入情報生成部)と、この情報蓄積部35が蓄積した購入情報をコピーして、ルートマンが所持するUSBメモリ等のフラッシュメモリを備えた第2記憶媒体XA2に書き出すUSB端子等の書出部36と、当該情報取得端末18の各部を一体的に接続して通信を行う配線となるバス37を備えている。
【0029】
表示部33は、読取部32がカードIDを読み取った場合に、「読取りOK」と緑色で点灯表示し、読取部32がカードIDを読み取ることができなかった場合に、「読取れませんでした」と赤色で点灯表示する。この表示部33は、読取部32によるカードIDの読取りが可能な場合に、カードIDが「読取り可能」であることを報知するランプを点灯し、当該読取りが可能ではない場合に、カードIDが「読取り可能」であることを報知するランプを消灯する。また、表示部33は、購入情報が情報蓄積部35に蓄積された場合に、そのことを報知するランプを点灯する。
【0030】
制御部38は、RAM34に一時的に記憶していたカードIDを、商品の取引が終了したことを契機に消去する。商品の取引は、1個の商品が販売されたタイミングで強制的に終了するようにしたり、現金が投入されている状態で、かつ、自動販売機11が操作されない状態が、予め設定されている時間継続したタイミングで終了するようにしたり、あるいは、カードIDが読み取られた後、現金が投入されない状態が、予め設定されている時間継続したタイミングで終了するようにしたりする等、終了するタイミングは、適宜設定される。
【0031】
情報蓄積部35は、いわゆるリングバッファであり、複数件の購入情報を蓄積できる。具体的に、情報蓄積部35は、複数のエリアに区画されていると共に、それぞれのエリアにインデックスとなる添え数が付与されている。この情報蓄積部35には、添え数が小さいエリアから順番に購入情報が一つずつ記録される。全てのエリアに購入情報が記録された場合には、再び、添え数が小さいエリアから順番に、新たな購入情報が古い購入情報に上書きされて記録される。例えば、エリアの添え数が1から24,000までの場合、エリアの順番は、1→2→・・・→24,000→1→2→・・・→24,000→1→2→・・・となる。
【0032】
ただし、制御部38は、情報蓄積部35内の後述するコピー日時が購入情報に関連付けて記録されていないエリアには、新たな購入情報を古い購入情報に上書きして記録することを禁止している。具体的には、制御部38は、上書きして記録しようとしているエリアについて、コピー日時が購入情報に関連付けて記録されているか否かの判断をする。そして、コピー日時が購入情報に関連付けて記録されていると判断した場合には、新たな購入情報を古い購入情報に上書きして記録する。一方、コピー日時が購入情報に関連付けて記録されていないと判断した場合には、新たな購入情報を古い購入情報に上書きして記録することはない。すなわち、上書きして記録することが禁止されているエリアを抜かした順番の別のエリアに購入情報が記録される。
【0033】
情報蓄積部35の各エリアに記録された複数の購入情報は、書出部36に第2記憶媒体XA2が差し込まれると制御部38の制御により第2記憶媒体XA2に対して全ての購入情報がコピーされて書き込まれる。
【0034】
この時、制御部38は、情報蓄積部35に記憶された購入情報の内、前記第2記憶媒体に対して初めて書き出す(コピーする)購入情報を特定して、特定した購入情報に対して書き出す日時(以下コピー日時と云う)を追加で書き込む。言い換えると、コピー日時が無い購入情報にのみコピー日時を追加する。次にコピー日時と共に全ての購入情報がコピーされて当該第2記憶媒体XA2に書き込む。したがって第2記憶媒体XA2には、初めて書き込んだ(コピーした)購入情報の他に過去に書き込んだ(コピーした)購入情報も記憶されることになる。
【0035】
また、情報蓄積部35の各エリアに記録された購入情報は、新たな購入情報が上書きされた時、コピー日時と共に消去される。
【0036】
尚、一般的にルートマンは1週間おきに複数の自動販売機を巡回して商品を補充し、売上を回収するものである。本実施例ではこの売上の回収時に、USBメモリ(第2記憶媒体XA2)を情報取得端末18の書出部36に差し込んで、情報蓄積部35に蓄積した販売情報のコピーを回収するものである。ルートマンは複数の自動販売機を巡回する為、複数のUSBメモリを所持することになる。あるいは、一つのUSBメモリに複数の自動販売機の購入情報を記憶してもよい。
【0037】
情報蓄積部35が蓄積できる購入情報の件数は、当該情報蓄積部35に区画されているエリアの数に依存する。一つの自動販売機11において、毎日800件の取引がある場合であっても、ひと月分の購入情報を蓄積できるようにしたい場合には、情報蓄積部35を24,000個のエリアに区画すればよい。
【0038】
なお、情報蓄積部35の全てのエリアに購入情報が上書き禁止の状態で記録されている場合には、当該情報蓄積部35に新たな購入情報を蓄積することができない。すなわち、ポイント付与システム10としては、新たにサービスポイントを付与することができない。この場合であっても、自動販売機11による商品の販売は継続される。この場合、表示部33は、カードIDが読み取れずサービスポイントが付与されないことを表示して、当該事項を客に報せる。
【0039】
図3に示すように、購入情報は、情報取得端末18が搭載されている自動販売機11の自販機NO.と、その自動販売機11のロケーションNO.と、購入された商品の名称と、購入された商品の個数と、購入された商品の代金からなる販売情報と、読取部32によって読み取られたカードIDと、そのカードIDを読み取った日時(読取日時)と、からなり、これらが互いに関連付けて情報蓄積部35に蓄積されている。この購入情報が書出部36によって前記第2記憶媒体にコピーされる際には、さらにコピーの前に、上述したコピー日時が購入情報に追加される。
【0040】
図2に戻って説明する。各情報中継端末12は、通信回線NWに接続されたパーソナルコンピュータであり、ルートマン等のオペレータによって操作される。各情報中継端末12は、ルートマンが、複数の自動販売機を回って収集してきた第2記憶媒体XA2に記憶された複数の購入情報を、一括して所定のデータ形式(例えば、CSVファイル形式)に変換してから情報中継サーバ13に転送する役割を担う。なお、購入情報のデータ形式の変換は、自動または人手を介して行われる。
【0041】
図4に示すように、各情報中継端末12は、CPU38と、RAM39と、ROM40と、HDD41と、モニタ42と、マンマシンインタフェイス43と、USB端子等の読出収集部44と、入出力インタフェイス45と、バス46と、を備えている。
【0042】
CPU38は、いわゆる中央演算処理装置であり、マンマシンインタフェイス43からの信号に基づいて各種プログラムが実行されて情報中継端末12の各種機能を実現する。RAM39は、CPU38の作業領域として使用される。ROM40は、CPU38で実行される基本OSを記憶している。HDD41には、購入情報等の各種情報が記憶される。モニタ42は、各種ウィンドウを表示する。マンマシンインタフェイス43は、キーボードおよびマウスであり、オペレータによる操作によって各種信号が入力される。
【0043】
入出力インタフェイス45は、インターネット回線や電話回線等の通信回線NWを介して情報中継サーバ13と接続されている。バス46は、CPU38、RAM39、ROM40、HDD41、モニタ42、マンマシンインタフェイス43、読出収集部44、入出力インタフェイス45を一体的に接続して通信を行う配線となる。
【0044】
情報中継端末12は、オペレータ等の操作によって読出収集部44に差し込まれた第2記憶媒体XA2から複数の購入情報読み出して、HDD41に記憶する。HDD41には複数の自動販売機11に搭載されたから各情報中継端末12から回収された購入情報が記憶されることになる。
【0045】
また、オペレータ等の操作によって複数の自動販売機11から集められHDD41に記憶された複数の購入情報は、FTP(File Transfer Protocol、ファイル転送プロトコル)等により、通信回線を介してまとめて情報中継サーバ13に送信される。
【0046】
図2に戻って説明する。情報中継サーバ13は、通信回線に接続されたパーソナルコンピュータであり、オペレータによって操作される。この情報中継サーバ13は、複数の情報中継端末12から送信された購入情報を受信し、購入情報に含まれる販売情報に基づいてサービスポイントの点数を算出し、算出した点数と購入情報を関連付けた情報からなる点数情報を生成し、生成した点数情報を管理サーバ14へと送信する役割を担う。
【0047】
ただし、自動販売機11に組み込まれた情報取得端末18の情報蓄積部35に蓄積された購入情報が、第2記憶媒体XA2の紛失やルートマンによる収集漏れ等によって情報中継サーバ13に収集されないことを防止するために、情報中継サーバ13に一度収集された購入情報が、二度、三度と繰り返して収集されるようにしてある。すなわち、同じ購入情報が重複して収集される。そこで、情報中継サーバ13は、過去に点数を算出したことのある購入情報以外の購入情報(すなわち新しく収集した購入情報)を特定してこの特定した購入情報に対してのみサービスポイントの点数を算出する。そしてこの新たに算出した点数と購入情報を関連付けた情報からなる点数情報だけを管理サーバ14へと送信する。これにより同じ購入情報に基づいてサービスポイントが複数回付与されることを防止している 。
【0048】
また、全ての自販機11を管理する自販機台帳ファイルと、収集された複数の購入情報(特に、自販機No.)を、人手やプログラムによって比較し、さらに購入情報のコピー日時を確認することで、第2記憶媒体XA2の紛失やルートマンによる収集漏れ等を発見できる。このような発見をした場合には、該当する自動販売機11に組み込まれた情報取得端末18の情報蓄積部35から、購入情報を収集することで、サービスポイントが付与されないという不具合を未然に防止することができる。
【0049】
図5に示すように、情報中継サーバ13は、CPU47と、RAM49と、ROM50と、HDD等の記録部51と、モニタ52と、マンマシンインタフェイス53と、入出力インタフェイス54と、バス55と、を備えている。
【0050】
CPU48は、いわゆる中央演算処理装置であり、情報中継端末12から送信された購入情報に含まれるカードIDに付与するサービスポイントの点数を算出し、当該点数を購入情報に関連付けた点数情報を作成する点数情報作成部48の機能を備える。RAM49は、CPU47の作業領域として使用される。ROM50は、CPU47で実行される基本OSを記憶している。記録部51(HDD)は、購入情報や点数情報等の各種情報を記録する。
【0051】
モニタ52は、各種ウィンドウを表示する。マンマシンインタフェイス53は、キーボードおよびマウスであり、オペレータによる操作によって各種信号が入力される。
【0052】
入出力インタフェイス54は、各情報中継端末12から送信された購入情報を受信してHDD51に記憶すると共に、点数情報作成部48で作成した点数情報を、FTP(File Transfer Protocol、ファイル転送プロトコル)等により通信回線 を介して管理サーバ14に出力する。バス55は、CPU47、RAM49、ROM50、HDD51、モニタ52、マンマシンインタフェイス53、入出力インタフェイス54を一体的に接続して通信を行う配線となる。
【0053】
点数情報作成部48は、情報中継端末12から送信されて記録部51に記録した購入情報に基づいて、当該購入情報に含まれるカードIDに付与するサービスポイントの点数を算出する。具体的に、点数情報作成部48は、第1例および第2例のように点数を算出する。
【0054】
まず、第1例について説明する。点数情報作成部48は、購入された商品の代金の100円未満を切り捨てた残りの金額について、100円毎に1ポイントを算出する。1本150円のペットボトル飲料が1本購入されて、購入された商品の代金が150円の場合、100円未満の50円を切り捨てた残りの金額が100円であるので、点数情報作成部48は、1ポイントを算出する。1本150円のペットボトル飲料が2本まとめて購入されて、購入された商品の代金が300円の場合、100円未満の0円を切り捨てた残りの金額が300円であるので、点数情報作成部48は、3ポイントを算出する。すなわち、2本のペットボトル飲料が別々に1本ずつ購入された場合には、合計で2ポイントが算出されるのに対し、2本のペットボトル飲料がまとめて購入された場合には、3ポイントが算出される。商品1個の価格にもよるが、客は、2本のまとめ買いをした場合、1本の場合と比較して付与率の高いサービスポイントが付与されるという恩恵を享受できる。結果、この恩恵を求める客が増加して、2本のペットボトル飲料がまとめ買いされる回数が増加し、自販機管理業者や商品のメーカー等は、売上を伸ばすことができる。
【0055】
続いて、第2例について説明する。点数情報作成部48は、客が購入した商品の個数が2個以上の場合、当該商品の個数が1個の場合と比較して付与率の高い点数を算出する。購入された商品の個数が1個の場合には、第1例と同様、点数情報作成部48は、購入された商品の代金の100円未満を切り捨てた残りの金額について、100円毎に1ポイントを算出する。1本140円の缶飲料が1本購入されて、購入された商品の代金が140円の場合、100円未満の40円を切り捨てた残りの金額が100円であるので、点数情報作成部48は、1ポイントを算出する。
【0056】
一方、購入された商品の個数が2個以上の場合には、点数情報作成部48は、購入された商品の代金の100円未満を切り捨てた残りの金額について、100円毎に1ポイントを算出すると共に、まとめ買いの特典として、更に1ポイントを算出する。1本140円の缶飲料が2本購入されて、購入された商品の代金が280円の場合、100円未満の80円を切り捨てた残りの金額が200円であるので、点数情報作成部48は、2ポイントを算出すると共に、まとめ買いの特典として、更に1ポイントを算出し、合計で3ポイントを算出する。1本140円の缶飲料が3本購入されて、購入された商品の代金が420円の場合、100円未満の20円を切り捨てた残りの金額が400円であるので、点数情報作成部48は、4ポイントを算出すると共に、まとめ買いの特典として、更に1ポイントを算出し、合計で5ポイントを算出する。商品1個の価格にもよるが、客は、2本のまとめ買いをした場合、1本の場合と比較して付与率の高いサービスポイントが付与され、また、3本のまとめ買いをした場合、2本のまとめ買いの場合と比較して付与率の高いサービスポイントが付与されるという恩恵を享受できる。この恩恵を求める客が増加して、2本の缶飲料がまとめ買いされる回数が増加し、また、3本の缶飲料がまとめ買いされる回数が増加し、自販機管理業者や商品のメーカー等は、売上を伸ばすことができる。
【0057】
そして、点数情報作成部48は、算出した点数を当該購入情報に関連付けた点数情報を作成して記録部51に記録すると共に、当該点数情報を作成した点数情報作成履歴を当該購入情報に関連付けて記録部51に記憶する。これにより、点数情報作成部48は、記録部51に記録されている購入情報に点数情報作成履歴が関連付けて記録されているか否かを判断し、点数情報作成履歴が関連付けて記録されていない購入情報に対してのみ点数情報を生成する。
【0058】
図2に戻って説明する。管理サーバ14は、通信回線に接続された業務用コンピュータであり、予めポイントカードの発行時に登録したカードIDと、カードIDに関連付けられたサービスポイントの点数と購入した商品等をデータベース化して記憶している。この管理サーバ14は、情報中継サーバ13から送信された点数情報に含まれる点数を、データベースに記憶されたカードIDに対して付与するとともに、該カードIDに予め関連づけられて記憶されているサービスポイントの点数に対して該付与した点数を加算してデータベースの情報を更新する役割を担う。
【0059】
図6に示すように、管理サーバ14は、CPU57と、RAM59と、ROM60と、HDD等の記憶部61と、モニタ62と、マンマシンインタフェイス63と、入出力インタフェイス64と、バス65と、を備えている。
【0060】
CPU57は、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて管理サーバ14の各種機能を実現する。CPU57は、情報中継サーバ13から受信した点数情報に含まれるカードIDに一致するデータベース内のカードIDに対して該受信した当該点数情報に含まれる点数を付与するともに、データベース内のカードIDに関連づけて記憶されているサービスポイントの点数に対して付与した点数を加算しデータベースを更新する点数付与部58として機能する。RAM59は、CPU57の作業領域として使用される。
【0061】
ROM60は、CPU57で実行される基本OSを記憶している。記憶部61は上記したカードIDやサービスポイントの点数等が記憶されたデータベースであって、点数付与部58が付与し、加算した点数がカードIDに関連付けて記憶される。モニタ62は、各種ウィンドウを表示する。マンマシンインタフェイス63は、キーボードおよびマウスであり、オペレータによる操作によって各種信号が入力される。入出力インタフェイス64は、情報中継サーバ13から送信された点数情報を受信して記憶部61に記憶する。バス65は、CPU57、RAM59、ROM60、記憶部61、モニタ62、マンマシンインタフェイス63、入出力インタフェイス64を一体的に接続して通信を行う配線となる。
【0062】
次に、ポイント付与システム10における処理の流れについて、すなわち、自動販売機11で商品が購入されてから管理サーバ14でサービスポイントが付与されるまでの流れについて、図1を参照しながら説明する。
【0063】
まず、自動販売機11に組み込まれた情報取得端末18の読取部32が第1記憶媒体XA1からカードIDを読み取と、読取部32によって読み取られたカードIDは、バス37を介してRAM34に送信されて一時的に記憶される。
【0064】
自動販売機に貨幣が投入されると自動販売機の主制御ユニット17は、商品の取引開始を情報取得端末18へ通知する。次に自動販売機11が商品を販売すると、自動販売機の主制御ユニット17は、販売情報を情報取得端末18へ送信する。
【0065】
情報取得端末18は、受信した販売情報をRAM34へ記憶する。ここで情報取得端末18の制御部38(購入情報生成部)は、カードIDを読み取り後、所定の時間内に商品の取引開始の通知を受け、さらに販売情報を受信した場合にRAM34に記憶したカードIDと販売情報とを関連付けて購入情報として情報蓄積部35に蓄積する。尚、商品の購入は、不特定複数の客によって何回も行われるので、情報蓄積部35には複数の購入情報が蓄積される。
【0066】
情報取得端末18の書出部36に自動販売機11の商品補充時等にルートマンによって第2記憶媒体XA2が差し込まれると、制御部38は、情報蓄積部35に記憶されている全ての購入情報の内コピー日時の記録が無い購入情報に対してコピー日時を記録する。次に、全ての購入情報をコピーして第2記憶媒体XA2記憶する。
【0067】
購入情報が記憶された第2記憶媒体XA2は、ルートマンによって、情報中継端末12が配置された自販機管理業者の拠点に持ち帰られる。なお、自販機管理業者の各拠点は、商品を補充する自動販売機11のルートを複数設定している。
【0068】
自販機管理業者の各拠点に配置された情報中継端末12は、ルートマンによって持ち帰られた第2記憶媒体XA2が読出収集部44に差し込まれると当該第2記憶媒体XA2に記憶されている購入情報を読み出す。読出収集部44によって読み出された購入情報は、バス46を介してHDD41に送信されて当該HDD41に記憶される。
【0069】
HDD41に記憶された購入情報は、オペレータの操作等によって所定のデータ形式に変換される。そして、所定のデータ形式に変換された購入情報は、FTP(File Transfer Protocol、ファイル転送プロトコル)等により、入出力インタフェイス45を介して、自販機管理業者の主要拠点に配置された情報中継サーバ13に送信される。
【0070】
自販機管理業者の主要拠点に配置された情報中継サーバ13の入出力インタフェイス54は、各情報中継端末12から送信された購入情報を受信する。入出力インタフェイス54によって受信さした購入情報は、バス55を介して記録部51に送信されて当該記録部51に記録される。
【0071】
点数情報作成部48は、記録部51に記録された購入情報に基づいて、当該購入情報に含まれるカードIDに付与するサービスポイントの点数を算出し、当該点数をカードIDに関連付けた情報からなる点数情報を生成する。
【0072】
生成された点数情報は、FTP(File Transfer Protocol、ファイル転送プロトコル)等により入出力インタフェイス54を介して、ポイント管理業者の拠点に配置された管理サーバ14に送信される。
【0073】
ポイント管理業者の拠点に配置された管理サーバ14の入出力インタフェイス64は、情報中継サーバ13から送信された点数情報を受信する。点数付与部58は、入出力インタフェイス64が受信した点数情報に基づいてデータベースに登録されたカードIDに、当該点数情報に含まれる点数を付与し、付与した点数をカードIDに関連付けて記憶されたサービスポイントの点数に対して加算して、データベースを更新する。
【0074】
次に、自動販売機11における処理の流れについて、第1例〜第5例を挙げて説明する。
【0075】
まず、第1例について、図7を用いて説明する。図7は、自動販売機11における処理の第1例を示すシーケンス図であり、商品の販売に際して現金投入前にカードIDを読み取った場合の処理の例である。
【0076】
自動販売機11に組み込まれた情報取得端末18の表示部33が、カードIDが「読取り可能」であることを報知するランプを点灯している場合、客は、カードIDが「読取り可能」であることを認識できる。ここで、客による操作によって所持する第1記憶媒体XA1のカードIDが情報取得端末18の読取部32によって読み取られると、表示部33の、カードIDが「読取り可能」であることを報知するランプが消灯する。読取部32によって読み取られたカードIDは、RAM34に一時的に記憶される。表示部33には、「読取りOK」と緑色で点灯表示される。これにより、客は、カードIDが正常に読み取られたことを認識できる。
【0077】
ここで、客によって現金が投入されると、自動販売機11の主制御ユニット17は、現金の受入を確認して商品の取引を開始し、情報取得端末18に対して商品の取引開始を通知する。
【0078】
客によって、商品を選択するスイッチ25が押下されると主制御ユニット17は、商品の選択を確認して、商品を販売する。すなわち、代金を収容して、商品収納庫19から商品払出部32に商品を払い出す。そして、主制御ユニット17は、客が購入した商品に関する情報である販売情報を生成して情報取得端末18に送信する。
【0079】
情報取得端末18の制御部38は、カードIDを読み取ってから所定の時間(例えば30秒)以内に、商品の取引開始の通知を受け、なおかつ、販売情報を受信した場合に、販売情報とカードIDとを関連付けて購入情報として情報蓄積部35に蓄積する。表示部33には、購入情報が情報蓄積部35に蓄積されたことを報知するランプが点灯する。
【0080】
なお、自動販売機から販売情報が連続して送られてきた場合(すなわち顧客が商品のまとめ買をした場合)、制御部38(購入情報生成部)は、カードIDに対して複数の販売情報を関連づけた購入情報を生成する。制御部38は購入情報の生成を、商品の取引終了の通知を受けると終了し、RAM34に記憶されたカードIDや販売情報を消去する。
【0081】
情報取得端末18は、商品の取引が終了の通知を受けた場合、RAM34に一時的に記憶していたカードIDと販売情報を消去する。表示部33は、「読取りOK」との表示を消灯すると共に、購入情報が情報蓄積部35に蓄積されたことを報知するランプを消灯し、さらに、カードIDが「読取り可能」であることを報知するランプを点灯する。これにより、次の客との商品の取引に備える。
【0082】
なお、情報取得端末18の制御部38は、カードIDを読み取ってから所定の時間(例えば30秒)以内に、商品の取引開始の通知を受けなかった場合には、RAM34に記憶したカードIDを消去する。また商品の取引開始の通知を受けた後、販売情報を受けずに、商品の取引の終了の通知を受けた場合、RAM34に記憶したカードIDを消去する。
【0083】
続いて、第2例について、図8を用いて説明する。図8は、自動販売機11における処理の第2例を示すシーケンス図であり、現金投入後にカードIDを読み取った場合の処理の例である。
【0084】
客によって現金が投入されることで、自動販売機11の主制御ユニット17は、現金の受入を確認して商品の取引を開始し、情報取得端末18に対して商品の取引開始を通知する。
【0085】
情報取得端末18は、商品の取引開始を受けると、表示部33に、カードIDが「読取り可能」であることを報知するランプを点灯させる。これにより、客は、カードIDが「読取り可能」であることを認識できる。
【0086】
ここで、客の操作によって客の所持する第1記憶媒体XA1のカードIDが情報取得端末18の読取部32によって読み取られると、表示部33のカードIDが「読取り可能」であることを報知するランプが消灯する。読取部32によって読み取られたカードIDは、RAM34に一時的に記憶される。表示部33には、「読取りOK」と緑色で点灯表示される。これにより、客は、カードIDが正常に読み取られたことを認識できる。
【0087】
その後、客によって、商品を選択するスイッチ25が押下されることになるが、これ以降の処理は、第1例と同じであるのでその説明を省略する。
【0088】
また、第3例について、図9を用いて説明する。図9は、自動販売機11における処理の第3例を示すシーケンス図であり、複数の客によって商品が続けて購入された場合の処理の例である。
【0089】
一人目の客Aによって商品が購入される一連の処理は、現金投入前にカードIDを読み取らせる第1例と同じであるのでその説明を省略する。なお、当該処理は、現金投入前にカードIDを読み取る第1例と同じであることに代えて、現金投入後にカードIDを読み取らせる第2例と同じであることにしてもよい。
【0090】
一人目の客Aによる商品の取引終了後、二人目の客Bが、第1記憶媒体XA1を情報取得端末に読み取らせることなく、現金を投入した場合、自動販売機11の主制御ユニット17は、現金の受入を確認して、二人目の客Bとの商品の取引を開始する。
【0091】
その後、客Bによって、商品を選択するスイッチ25が押下されることで、主制御ユニット17は、商品の選択を確認して、商品収納庫19から商品払出部32に商品を払い出す。これにより、客Bは、商品払出部32から商品を取り出すことができる。その後、主制御ユニット17は、二人目の客Bとの商品の取引を終了する。これにより、次の客との商品の取引に備える。
【0092】
二人目の客Bによって商品が購入される時、二人目の客Bは、第1記憶媒体XA1を情報取得端末18に読み取らせていないので、RAM34にはカードIDの記憶が無い。したがって、制御部38は、自動販売機から販売情報を受信したとしても、二人目の客Bによる商品の購入対して販売情報を生成しない。またすでに、一人目の客Aが情報取得端末18の読取部32に読み取らせてRAM34に一時的に記憶されていたカードIDは、消去されているので、二人目の客Bの商品に関する販売情報が一人目の客AのカードIDに対して関連付けられた購入情報が生成されることもない。
【0093】
さらに、第4例について、図10を用いて説明する。図10は、自動販売機11における処理の第4例を示すシーケンス図であり、投入されている現金について返却操作された場合の処理の例である。
【0094】
カードIDが読み取られてから現金投入までの一連の処理は、第1例と同じであるのでその説明を省略する。なお、第1例と同じである当該処理に代えて、現金投入後にカードIDを読み取らせる第2例と同じ処理にしてもよい。
【0095】
自動販売機11の主制御ユニット17が現金の受入を確認して商品の取引を開始し、情報取得端末18に対して商品の取引開始を通知した後に、客によって、投入されている現金について返却操作されると、主制御ユニット17は、硬貨処理装置23に対し、受け付けていた硬貨を返却させ、紙幣処理装置24に対し、受け付けていた紙幣を返却させる。
【0096】
その後、主制御ユニット17は、情報取得端末18へ商品の取引終了を通知して商品の取引を終了する。情報取得端末18の制御部38は、商品の取引終了の通知を受けるとRAM34に一時的に記憶していたカードIDを消去する。また表示部33の「読取りOK」の表示は消灯し、カードIDが「読取り可能」であることを報知するランプが点灯する。これにより、次の客との商品の取引に備える。
【0097】
なお、投入されている現金について返却操作された場合に商品の取引を終了する第4例に代えて、自動販売機11が操作されない状態が予め設定されている時間継続(例えば30秒以上継続)した場合に商品の取引を終了するようにしてもよい。
【0098】
次いで、第5例について、図11を用いて説明する。図11は、自動販売機11における処理の第5例を示すシーケンス図であり、カードIDが読み取られてから所定時間現金が投入されない場合の処理の例である。
【0099】
カードIDが読み取られるまでの一連の処理は、第1例と同じであるのでその説明を省略する。
【0100】
自動販売機11に組み込まれた情報取得端末18がカードIDを読み取って、表示部33に、「読取りOK」と緑色で点灯表示した後、現金が投入されない状態が続き、予め設定されている時間継続(たとえば30秒以上)しても商品の取引開始を示す通知も、販売情報も受信しなかった場合、制御部38は、RAM34に一時的に記憶していたカードIDを消去する。また表示部33の「読取りOK」との表示を消灯すると共に、カードIDが「読取り可能」であることを報知するランプを点灯する。これにより、次の客との商品の取引に備える。
【0101】
その後、客によって現金が投入されて、自動販売機11の主制御ユニット17が、現金の受入を確認して商品の取引を開始すると情報取得端末18には。カードIDは記憶されていないので、購入情報は生成されない。したがって当該客にサービスポイントが付与されることはない。
【0102】
このように、ポイント付与システム10によれば、情報中継サーバ13の点数情報作成部48において、自動販売機11から収集された購入情報に基づき、サービスポイントの点数を算出するので、キャンペーン等によってサービスポイントの付与率や付与条件に変更が生じた場合であっても、点数情報作成部48の設定を変更することで対応できる。すなわち、自動販売機11の設定を変更する必要がなく、低コストで迅速に対応できる。この場合において、自動販売機11を通信回線に接続する必要もない。このため、サービスポイントの付与率や付与条件に変更が生じるようなキャンペーンを容易に実施することが可能となる。また、産業別企業別の都合に対応可能で、複数の企業が各々管理運営する種々の自動販売機11のいずれにおいても同じ種類のサービスポイントを付与することができる。ひいては、客が受けるサービスを拡充できる。
【0103】
そして、コピー日時が関連付けて記憶されていない購入情報に対して新たな購入情報を上書きして記憶することを禁止しているので、ルートマンが所持する第2記憶媒体XA2に書き出されていない購入情報が、新たな購入情報の上書きによって消去されることを防止できる。
【0104】
また、読取部32がカードIDを読み取ったか否かを表示する表示部33を備えているので、客は、自身が所持する第1記憶媒体XA1のカードIDが読み取られたか否かを把握できる。このため、第1記憶媒体XA1のカードIDが読み取られていない状態で商品が購入されることを防止でき、ひいては、サービスポイントが付与されないという客にとって不本意な結果になることを防止できる。
【0105】
さらに、点数情報作成履歴が関連付けて記憶されている購入情報に基づいて再度点数情報が作成されることを禁止しているので、点数情報を一度作成した購入情報に基づいて再度点数情報が作成されることを防止できる。
【0106】
次いで、客が購入した商品の個数が複数の場合、一個の場合と比較して付与率の高い点数を生成するので、まとめ買いをする客の便益を向上できる。ひいては、客が受けるサービスを更に拡充できる。
【0107】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0108】
すなわち、上記実施形態において、第2の記憶端末に記憶された購入情報を、営業所等の拠点に配置される複数の情報中継端末12を介さずに、例えばルートマンが所持する携帯電話等に第2の記憶端末を接続し、携帯電話等を介して直接情報中継サーバ13に送信することも可能である。
【0109】
あるいは、第2の記憶媒体を、電話回線やインターネット回線と接続可能な端末(携帯電話やパソコン)とし、第2の記憶媒体に記憶した購入情報を第2の記憶媒体を備えた端末が備える通信手段によって情報中継サーバ13へ送信することも可能である。
【符号の説明】
【0110】
10 ポイント付与システム
11 自動販売機
12 情報中継端末
13 情報中継サーバ
14 管理サーバ
18 情報取得端末
32 読取部
33 表示部
35 情報蓄積部
36 書出部
38 制御部(販売情報生成部)
39 通信部
44 読出収集部
48 点数情報作成部(点数情報作成部)
51 記録部
61 記憶部
XA1 第1記憶媒体(磁気ストライプカード)
XA2 第2記憶媒体(USBメモリ)
NW 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1記憶媒体であるポイントカードに記憶された記憶媒体の識別情報に対してサービスポイントを付与するポイント付与システムであって、
商品販売時、該商品の販売に関する情報からなる販売情報を生成して出力する自動販売機と、
前記自動販売機に接続され、該自動販売機が出力した前記販売情報を受信する通信部と、
前記第1記憶媒体から前記識別情報を読み取る読取部と、前記第1記憶媒体から前記識別情報を読み取り、且つ前記自動販売機から販売情報を受信した時、前記読取部が読み取った前記識別情報と前記自動販売機から受信した販売情報とを関連付けた情報からなる購入情報を生成する購入情報生成部と、該購入情報生成手段が生成した購入情報を記憶して蓄積する情報蓄積部と、携帯可能な第2記憶媒体と接続し前記情報蓄積部が蓄積した前記購入情報を、該第2記憶媒体に書き込む書出部を備える情報取得端末と、
前記第2記憶媒体に書き込まれた前記購入情報を読み出す読出収集部と、該読出収集部が読み出した該購入情報が記憶される記憶部を備えるとともに通信回線に接続された情報中継端末と、
前記通信回線に接続された装置であって、該通信回線を介して前記情報中継端末から受信した前記購入情報に含まれる販売情報に基づいて前記サービスポイントの点数を算出し、該点数を該購入情報に関連付けた情報からなる点数情報を生成する点数情報作成部と、を備える情報中継サーバと、
前記通信回線に接続された装置であって、複数の識別情報と各識別情報に対応するサービスポイントの点数を関連付けて記憶する記憶部と、前記情報中継サーバから前記通信回線を介して受信した前記各点数情報に含まれる前記サービスポイントの点数を、該点数情報に含まれた各識別情報と一致する該記憶部に記憶された識別情報に対応するサービスポイントの点数にそれぞれ加算して記憶部を更新する点数付与部とを備える管理サーバと、
を備えることを特徴とする、ポイント付与システムである。
【請求項2】
前記情報取得端末は、前記書出部が前記購入情報を前記第2記憶媒体に書き出す時、
前記第2記憶媒体に対して初めて書き出される購入情報に対して、書き出す日時を追加して情報蓄積部に記憶し、次に前記情報蓄積部に蓄積された該書き出す日時を追加した購入情報を含む全ての前記購入情報をコピーして、該コピーした該購入情報を前記第2記憶媒体に書き出し、購入情報を情報蓄積部に記憶する時は、前記第2記憶媒体に書き出した日時が関連付けて蓄積されていない前記購入情報に対して新たな前記購入情報を上書きすることを特徴とする請求項1記載のポイント付与システム。
【請求項3】
前記購入情報は、前記客が購入した商品の個数を含み、前記管理サーバの前記点数情報作成部は、前記客が購入した商品の個数が2個以上の場合、該商品の個数が1個の場合と比較して付与率の高い前記点数を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポイント付与システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−77261(P2013−77261A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218084(P2011−218084)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(307003777)株式会社日本コンラックス (140)
【Fターム(参考)】