説明

ポイント付与装置、ポイント付与方法、ポイント付与プログラム、および記録媒体

【課題】遊技者の遊技に対するのめり込みを防止しながら、遊技者に対するポイント付与のサービスをおこなうこと。
【解決手段】ホストコンピュータ120は、取得部501と、決定部503と、付与部504と、設定部505とを備える。取得部501は、遊技機Mにおける遊技者の遊技によって発生し、遊技媒体の貸出金額などに関する情報を含む遊技情報を取得する。設定部505には、査定テーブル、健全度テーブル、およびポイントテーブルが設定される。決定部503は、設定部505に設定される査定テーブルおよび健全度テーブルを用い、遊技情報に含まれる貸出金額などに関する情報に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定する。付与部504は、設定部505に設定されるポイントテーブルを用い、健全度に応じたポイントを付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サービス提供用のポイントを付与するポイント付与装置、ポイント付与方法、およびポイント付与プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ遊技機や回胴式遊技機(いわゆるスロット遊技機)などを設置した遊技場においては、顧客である遊技者を固定化するため、サービスの向上を目的とした会員登録がおこなわれている。会員登録に際しては、たとえば、遊技者を特定するための遊技者特定情報(会員ID)が記録された会員カードが発行される。そして、遊技者が会員カードを遊技機などに挿入して遊技することにより、会員カードには来店や遊技内容に合わせたポイントが付与される。そして、遊技者は、付与されたポイント数に応じて種々のサービスが受けられるようになっている。
【0003】
このようなポイントを付与するポイント付与装置には、来店回数や遊技時間などに応じてポイントを付与するだけでなく、遊技者に対しておもしろみを感じさせることのできるものなどが種々提案されている。たとえば、大当たり図柄や、リーチ演出キャラクタなどの演出に対応して付与させるポイントを設定するとともに、当該設定したポイント値を適宜変更可能にした技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−141687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の技術は、遊技者に対して一律にポイントを付与し、投資金額や遊技時間など、遊技者の遊技に比例してポイントが付与されるものであるため、遊技者の遊技に対するのめり込みを助長するおそれがあるといった問題がある。一方で、店舗側にしてみれば、遊技者に対してポイントを付与し、所定のサービスを提供することにより、遊技者を満足させたいといった要望がある。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、遊技者に対するポイント付与のサービスをおこなうことを実現しながら、遊技者の遊技に対するのめり込みを防止することができるポイント付与装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるポイント付与装置は、遊技者を特定し、当該遊技者に対して所定のサービスを提供するためのポイントを付与するポイント付与装置において、遊技機における遊技者の遊技によって発生し、遊技媒体の貸出金額または貸出数量に関する情報を含む遊技情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された遊技情報に含まれる前記貸出金額または前記貸出数量に関する情報に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された前記健全度に応じた前記ポイントを付与する付与手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、遊技者の健全度に応じたポイントを付与することができる。
【0009】
また、上記発明において、前記取得手段によって取得された遊技情報に含まれる前記貸出金額または前記貸出数量を基に、所定期間における前記貸出金額または前記貸出数量の平均値を算出する算出手段をさらに備え、前記決定手段は、前記算出手段によって算出された所定期間における前記貸出金額または前記貸出数量の平均値に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定するようにしてもよい。
【0010】
この発明によれば、貸出金額または貸出数量の平均値に基づいて、健全度を特定することができる。
【0011】
また、上記発明において、前記算出手段は、前記取得手段によって取得された遊技情報に含まれる前記貸出金額または前記貸出数量を用い、所定期間における前記遊技者の遊技成績を算出し、前記決定手段は、前記算出手段によって算出された前記遊技者の遊技成績に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定するようにしてもよい。
【0012】
この発明によれば、遊技者の遊技成績に基づいて、健全度を特定することができる。
【0013】
また、上記発明において、前記貸出金額の平均値、前記貸出数量の平均値、または前記遊技成績の少なくともいずれか一つに対応する査定値が予め設定される査定テーブルを有する設定手段をさらに備え、前記決定手段は、前記設定手段に設定される査定テーブルを用い、前記貸出金額の平均値、前記貸出数量の平均値、または前記遊技成績の少なくともいずれか一つに対応して設定される査定値に基づいて、前記健全度を決定するようにしてもよい。
【0014】
この発明によれば、予め設定された査定テーブルを用い、査定値に応じた健全度を決定することができる。
【0015】
また、上記発明において、前記設定手段は、所定期間における遊技者の来店回数または遊技時間に対応した査定値が設定される査定テーブルを備えてもよい。
【0016】
この発明によれば、予め設定された査定テーブルを用い、来店回数または遊技時間に基づいて特定された査定値に基づいて、健全度を決定することができる。
【0017】
また、上記発明において、前記設定手段は、前記査定値の範囲ごとに、複数の段階の前記健全度が予め設定される健全度テーブルを有し、前記決定手段は、前記設定手段に設定される健全度テーブルを用い、前記査定値に基づいて、前記健全度を決定するようにしてもよい。
【0018】
この発明によれば、予め設定された健全度テーブルを用い、査定テーブルを用いて特定された査定値に基づいて、健全度を決定することができる。
【0019】
また、上記発明において、前記設定手段は、前記健全度に対応する前記ポイントが予め設定されるポイントテーブルを有し、前記付与手段は、前記設定手段に設定されるポイントテーブルを用い、前記ポイントに対応して設定される前記健全度に基づいて、前記ポイントを付与するようにしてもよい。
【0020】
この発明によれば、予め設定されたポイントテーブルを用い、健全度に対応するポイントを付与することができる。
【0021】
また、上記発明において、前記ポイントテーブルは、前記健全度に対応し、異なるポイントが設定される複数のランクを有し、前記付与手段は、前記ポイントテーブルを用い、前記複数のランクの中から、抽選により一つを選択し、選択したランクのポイントに対応して設定される前記健全度に基づいて、ポイントを付与するようにしてもよい。
【0022】
この発明によれば、複数のランクが予め設定されたポイントテーブルを用い、複数のランクの中からランダムにランクを一つ選択し、選択したランクのポイントを付与することができる。
【0023】
また、上記発明において、前記付与手段は、前記決定手段によって決定された前記健全度が高いほど、高いポイントを付与するようにしてもよい。
【0024】
この発明によれば、健全度に比例したポイントを付与することができる。
【0025】
また、上記発明において、前記取得手段は、遊技者が遊技した1日分の遊技情報を取得するようにしてもよい。
【0026】
この発明によれば、一括して遊技情報を取得できるので、1日に1回、健全度の決定またはポイントの付与をおこなうことができる。
【0027】
また、上記発明において、前記付与手段によって付与された前記ポイントを通知する通知手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0028】
また、上記発明において、前記通知手段は、前記健全度を通知するようにしてもよい。
【0029】
これらの発明によれば、ポイントまたは健全度を通知することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明にかかるポイント付与装置によれば、遊技者に対するポイント付与のサービスを実現しながら、遊技者の遊技に対するのめり込みを防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるポイント付与装置、ポイント付与方法、ポイント付与プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0032】
(遊技システム100のシステム構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる遊技システム100のシステム構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる遊技システム100のシステム構成図である。図1において、遊技システム100は、複数の遊技機M−1〜M−nと、複数の遊技媒体貸出装置110−1〜110−nと、ホストコンピュータ120とを備え、それぞれをインターネット、LANおよびWANなどのネットワークを介して接続したものである。
【0033】
遊技機M−1〜M−nは、遊技場に設置されるパチンコ遊技機である。なお、遊技機M−1〜M−nは、回胴式遊技機(いわゆるスロット遊技機)であってもよい。また、遊技の進行にともなって発生する遊技情報を外部のコンピュータ装置(たとえば、遊技媒体貸出装置110−1〜110−n)に配信する機能を有している。遊技情報とは、図柄の変動開始、リーチ演出の発生、大当たりの発生、確率変動状態の発生、スタート回数などを示す情報などのほか、発射された遊技媒体の数(アウト玉数)や、遊技機M−1〜M−nが払い出した遊技媒体の数(セーフ玉数)などを示す情報である。
【0034】
遊技媒体貸出装置110−1〜110−nは、それぞれ隣接する遊技機M−1〜M−nと一対一で設置/接続されており、その遊技機M−1〜M−nの遊技に使用される遊技球や遊技メダルなどの遊技媒体を貸し出すコンピュータ装置である。この遊技媒体貸出装置110−1〜110−nは、遊技中の入金額、遊技媒体の貸出金額、遊技媒体の貸出数量としての貸し玉数、再リプレイ玉数、遊技時間などの遊技情報をホストコンピュータ120に配信する機能を有している。
【0035】
また、遊技媒体貸出装置110−1〜110−nは、隣接する遊技機M−1〜M−nの種別を特定するための遊技機情報を送信する機能を有している。さらに、遊技媒体貸出装置110−1〜110−nは、後述する会員カードを基に、遊技者を特定するための遊技者情報を送信する機能を有している。本実施の形態においては、遊技媒体貸出装置110−1〜110−nによって上述した各機能を実現しているが、遊技機M−1〜M−nごとに設置される台コンピュータによってその機能を実現してもよい。
【0036】
なお、上述したように、遊技情報は、遊技機M−1〜M−nからのアウト玉数やセーフ玉数などの情報や、遊技媒体貸出装置110−1〜110−nからの貸出金額、貸し玉数、遊技時間などの情報等、遊技に関する情報である。
【0037】
ホストコンピュータ120は、管理DB(データベース)121を備え、各遊技者に対して所定のサービスを提供するためのポイントを付与し、付与したポイント情報を管理するコンピュータ装置である。このポイントは、各遊技者の遊技情報に含まれる、貸出金額、貸し玉数、後述する遊技成績としての収支金額、来店回数、または遊技時間などに対応して決定される健全度を基に、付与されるものである。そして、このポイントおよび健全度は、遊技情報(会員情報)に基づく遊技者に対応付けられて管理DB121に格納される。また、ホストコンピュータ120は、公衆回線によって接続されたWebサーバを用いることも可能である。
【0038】
(管理DB121のデータ構造)
つぎに、管理DB121のデータ構造について説明する。図2は、管理DB121のデータ構造を示す説明図である。図2において、管理DB121には、遊技場の会員ごとに付与されているポイントを集計したポイント情報200が格納されている。
【0039】
具体的には、管理DB121には、ポイント情報200として、会員番号210ごとに、健全度220と、累積ポイント230とが格納されている。会員番号210は、遊技者ごとに割り当てられた遊技者を特定するための番号である。健全度220は、後述する健全度テーブル(図7参照)に設定される値であり、遊技者が遊技に対して、のめり込んでいないことを示す度合いを示したものである。この健全度220は、たとえば、10段階に設定されており、貸出金額などに応じて、10段階の段階内で、適宜、変動する値である。また、健全度220は、たとえば、貸出金額を例に挙げると、所定期間における貸出金額が少ない遊技者ほど、その値は高くなる。
【0040】
ここで、会員番号210のうち「P−0001」を例に挙げて説明すると、健全度220が10段階のうち「5」として格納されている。つまり、会員「P−0001」が標準的な健全度220であることを示している。また、累積ポイント230が「352」として格納されている。累積ポイント230は、今までに付与されたポイントの合計である。1回に付与されるポイントは、健全度220に応じて変動する。具体的には、健全度220が変動すれば、付与されるポイントも変動する。管理DB121には、他の会員についても、このような健全度220および累積ポイント230が同様に格納されている。
【0041】
(遊技媒体貸出装置110の外観)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる遊技媒体貸出装置110−1〜110−n(以下、単に「遊技媒体貸出装置110」と表記する)の外観について説明する。図3は、遊技媒体貸出装置110の一例を示す外観図である。図3において、遊技媒体貸出装置110は、紙幣投入口301と、ディスプレイ302と、操作ボタン303と、会員カード投入口304と、精算コイン投入口305と、精算コイン返却口306と、第1のアンテナ307と、第2のアンテナ308とを備えている。
【0042】
紙幣投入口301は、遊技媒体の借り入れに使用される紙幣の投入を受け付ける。ディスプレイ302は、紙幣投入口301に投入された紙幣の投入金額やポイント情報などを表示する。操作ボタン303は、機能設定に関する各種の入力や遊技者による暗証番号入力などを受け付ける。
【0043】
会員カード投入口304は、遊技場の会員に対して発行される会員カード(後述する可搬型ICタグ522に相当)の挿入を受け付け、また、挿入された会員カードの返却をおこなう。精算コイン投入口305は、たとえば、会員以外の遊技者、いわゆるビジターである遊技者が使用する精算コインの投入を受け付ける。精算コイン返却口306は、遊技終了時などに、残額のある精算コインを返却する。
【0044】
第1のアンテナ307は、会員カード投入口304と精算コイン投入口305との間の装置内部に配設されており、会員情報などを読み取る読取部521(図5参照)に接続されている。この第1のアンテナ307は、会員カード投入口304に挿入された会員カード、および精算コイン投入口305に投入された精算コインから電波を受信する機能を有している。
【0045】
第2のアンテナ308は、装置本体に配線されており、上記読取部521に接続されている。この第2のアンテナ308は、遊技機内部の部品に貼付された非接触ICタグ531(図5参照)の近傍に配設され、非接触ICタグ531からの電波を受信する機能を有している。また、第2のアンテナ308は、遊技機M−1〜M−n(以下、単に「遊技機M」と表記する)が入れ替えられると、非接触ICタグ531の近傍から取り外され、入れ替えられた遊技機Mの非接触ICタグ531の近傍に再度取り付けられる。
【0046】
(コンピュータ装置のハードウェア構成)
つぎに、図1に示したコンピュータ装置(遊技媒体貸出装置110およびホストコンピュータ120)のハードウェア構成について説明する。図4は、コンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、コンピュータ装置は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、音声I/F(インタフェース)408と、スピーカ409と、入力デバイス410と、映像I/F411と、ディスプレイ412と、通信I/F413とを備えている。また、各構成部401〜413はバス420によってそれぞれ接続されている。
【0047】
CPU401は、コンピュータ装置全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラム、通信プログラム、データ解析プログラムなどのプログラムを記録している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。
【0048】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって、磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、たとえば、HD(ハードディスク)や、FD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0049】
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって、光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク407は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク407のほかに、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0050】
音声I/F408は、音声出力用のスピーカ409に接続される。スピーカ409は、音声を出力する。入力デバイス410は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
【0051】
映像I/F411は、ディスプレイ412と接続される。映像I/F411は、具体的には、たとえば、ディスプレイ412全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ412を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0052】
ディスプレイ412には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、または文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ412は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。通信I/F413は、ネットワークに接続され、CPU401とのインタフェースとして機能する。
【0053】
(ホストコンピュータ120の機能的構成)
つぎに、この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ120の機能的構成について説明する。図5は、この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ120の機能的構成を示すブロック図である。図5において、ホストコンピュータ120は、遊技媒体貸出装置110と、遊技媒体貸出装置110を介して遊技機Mとに接続されている。
【0054】
ホストコンピュータ120は、取得部501と、算出部502と、決定部503と、付与部504と、設定部505と、通知部506とを備えて構成される。これら各機能501〜506は、ROM402やRAM403などのメモリに格納された当該機能に関するプログラムをCPU401に実行させることにより、当該機能を実現することができる。
【0055】
取得部501は、遊技機Mにおける遊技者の遊技によって発生する遊技情報を、遊技媒体貸出装置110の外部出力制御部520から取得する。遊技情報は、貸出金額、貸し玉数、遊技開始時間、遊技終了時間、遊技した情報(来店した情報)などである。なお、取得部501は、遊技機Mの外部出力制御部532から送信される、アウト玉数、セーフ玉数などの遊技情報を、遊技媒体貸出装置110を介して取得する。また、取得部501は、たとえば、遊技者が台を移動するごとに、つまり、会員カードの出し入れがおこなわれるごとに、その都度、遊技情報を取得してもよいし、たとえば、閉店後に1日分の遊技情報を一括して取得してもよい。なお、閉店後に遊技者の1日分の遊技情報を一括して取得する場合は、たとえば、遊技者の遊技した台ごとの遊技情報を管理DB121に格納しておき、閉店後に管理DB121から一括して取得すればよい。
【0056】
また、取得部501は、遊技者を特定するための遊技者情報(会員番号)を読取部521から取得する。遊技者情報は、遊技場の会員に発行される会員カードなどの可搬型ICタグ522に記録されている。この遊技者情報は、会員カードが会員カード投入口304(図3参照)に挿入されると、第1のアンテナ307を介して、読取部521により読み取られるものである。
【0057】
また、取得部501は、遊技機Mを特定するための遊技機情報を読取部521から取得する。遊技機情報は、遊技機Mを特定するための遊技機Mの台番号、機種名、メーカ名を示す情報が含まれている。
【0058】
また、本実施の形態において、取得部501は、遊技媒体貸出装置110を介して遊技情報を取得するようにしているが、遊技機Mから直接、遊技情報を取得してもよい。さらに、取得部501は、遊技機Mの遊技情報を収集する他のコンピュータ装置(たとえば、データカウンタ)を介して、遊技機Mの遊技情報を取得してもよい。
【0059】
算出部502は、取得部501が取得した遊技情報に含まれる貸出金額について、所定期間(たとえば、直近1ヶ月)における平均値(平均貸出金額)を算出する。具体的には、算出部502は、直近1ヶ月間における1回の来店(1日)あたりの貸出金額を算出する。なお、平均貸出金額は、1台の遊技機Mに対する1回の遊技における平均貸出金額であってもよい。また、算出部502は、取得部501が取得した遊技情報に含まれる貸し玉数について、平均値(平均貸し玉数)を算出してもよい。
【0060】
また、算出部502は、直近1ヶ月における、遊技者の来店回数の累計を算出する。具体的には、算出部502は、当日1回目の遊技において、遊技した旨の情報を1日1回カウントすることにより、1ヶ月間に何回(何日)来店したかを算出する。また、算出部502は、遊技時間を算出してもよく、この場合、取得部501が取得した遊技終了時間から開始時間を減じることにより、遊技時間を算出する。また、この場合、算出部502は、たとえば、直近1ヶ月における遊技者の1日あたりの平均遊技時間を算出すればよい。
【0061】
また、算出部502は、遊技成績としての収支金額を算出する。さらに、算出部502は、所定期間として、たとえば、直近1ヶ月における収支金額の累計を算出する。ここで、収支金額について説明する。たとえば、遊技球が1球あたり4円で貸し出される場合、1000円分の貸出金額に対して、遊技球は250球貸し出されることになる。そして、遊技により、後述する獲得玉数が、1000球になったとする。この獲得玉数は、たとえば、1球あたり4円分の景品と交換できる遊技場の場合、4000円に相当する景品と交換できる。このような場合、収支金額をプラス3000円とする。
【0062】
また、たとえば、1球あたり3円分の景品と交換できる遊技場の場合、1000球の獲得玉数は3000円に相当する景品と交換できる。このような場合、収支金額をプラス2000円とする。つまり、収支金額は、遊技媒体を景品交換した際の当該景品に相当する金額と、貸出金額との収支であり、1球あたり何円分の景品に交換できるかによって、遊技場ごとに異なる値である。
【0063】
算出部502による収支金額の算出手法としては、取得部501が取得した遊技情報のうち、たとえば、アウト玉数、セーフ玉数、貸し玉数、貸出金額などに基づいておこなわれる。具体的には、たとえば、セーフ玉数から、アウト玉数および貸し玉数を減じた獲得玉数を導き、当該獲得玉数を景品に交換した際の当該景品に相当する金額分と、貸出金額との差から、収支金額を算出すればよい。また、このほかにも、収支金額の算出手法としては、遊技媒体貸出装置110からの貸出金額と、ホール内に設置される景品交換用コンピュータからの景品交換時における当該景品に相当する金額とに基づいて、収支金額を算出してもよい。
【0064】
決定部503は、算出部502によって算出された平均貸出金額、収支金額、および来店回数に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定する。なお、本実施の形態においては、平均貸出金額、収支金額、および来店回数に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定するようにするが、これに限られるものではなく、上述した平均貸し玉数や、遊技時間に基づいて、健全度を決定してもよい。
【0065】
付与部504は、決定部503によって決定された健全度に応じたポイントを付与する。なお、決定部503による健全度の決定、および付与部504によるポイントの付与の詳細については、それぞれ図6〜図8を用いて、後述する。
【0066】
通知部506は、付与部504によって付与されたポイント、または決定部503によって決定された健全度を通知する情報を出力する。通知部506から出力される情報は、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302によって表示される。ディスプレイ302に表示される表示画面は、具体的には、図12および図13に示す表示画面であり、詳細については後述する。また、通知部506は、ホストコンピュータ120のディスプレイ412によって実現してもよいし、たとえば、遊技機Mの上方に取り付けられ、遊技情報を表示出力するデータカウンタによって実現してもよいし、遊技中の遊技者から見やすい位置に配置されてテレビなどの表示画面を出力する他のディスプレイなどによって実現してもよい。
【0067】
設定部505には、以下、図6〜図8に示す各種テーブルが設定される。なお、図5に図示した遊技機Mおよび遊技媒体貸出装置110の詳細については、後述する。
【0068】
(設定部505に設定される査定テーブル600の一例)
ここで、決定部503による健全度の決定について、図6および図7を用いて、詳細に説明する。はじめに、図6を用いて、設定部505に設定される査定テーブル600の一例について説明する。図6は、設定部505に設定される査定テーブル600の一例を示す説明図である。この査定テーブル600は、健全度の決定の前段階で用いられる査定値を特定するためのテーブルである。
【0069】
図6に示す査定テーブル600には、平均貸出金額601と、収支金額602と、来店回数603とが記載されている。平均貸出金額601と、収支金額602と、来店回数603は、それぞれ独立したテーブルであり、それぞれに対応して査定値604が設定されている。また、平均貸出金額601、収支金額602、来店回数603に限られるものではなく、平均貸し玉数や、遊技時間に対応した査定値を設定してもよい。
【0070】
平均貸出金額601は、直近1ヶ月における遊技者の貸出金額の平均である。収支金額602は、直近1ヶ月における遊技者の収支の累計である。来店回数603は、直近1ヶ月における遊技者の遊技場への来店回数を示したものである。査定値604は、平均貸出金額601、収支金額602、および来店回数603を10段階に数値化するとともに、健全度を決定するに際して用いられる値である。
【0071】
平均貸出金額601は、5,000円以下のときに、査定値604が「10」になっており、平均貸出金額601が5,000円を超えるごとに、段階的に査定値604が1ずつ下がっている。そして、平均貸出金額601が50,001円以上になると、査定値604が「0」になる。具体例を挙げると、たとえば、ある遊技者の平均貸出金額601が27,000円であった場合、この査定テーブル600に当てはめると、符号610に示すように、査定値604は「5」となる。このように、査定テーブル600は、平均貸出金額601は少ないほど、査定値604が高くなることを示している。
【0072】
また、収支金額602は、プラスおよびマイナスを含む値である。収支金額602がマイナスとは、いわゆる負け金額であり、収支金額602がプラスとは、いわゆる勝ち金額である。この収支金額602は、5,000円以下のときに、査定値604が「10」になっており、収支金額602が所定の金額を超えるごとに、段階的に査定値604が1ずつ下がるようになっている。
【0073】
そして、収支金額602が300,001円以上になると、査定値604が「0」になる。具体例を挙げると、たとえば、収支金額602が29,000円であった場合、この査定テーブル600に当てはめると、符号611に示すように、査定値604は「6」となる。このように、査定テーブル600は、収支金額602は少ないほど、具体的には、負け金額および勝ち金額が小さいほど、査定値604が高くなることを示している。
【0074】
また、来店回数603は、直近1ヶ月における遊技者の来店回数であり、31回以上のときに査定値604が「10」になっており、30回以下から3回のスパンで、段階的に査定値604が1ずつ下がるようになっている。そして、来店回数が「1〜3回」になると、査定値604が「0」になる。具体例を挙げると、たとえば、来店回数603が13回であった場合、この査定テーブル600に当てはめると、符号612に示すように、査定値604は「4」となる。このように、この査定テーブル600は、来店回数が多いほど、査定値604が高くなることを示している。
【0075】
なお、上述した査定テーブル600は、査定値604を「0」〜「10」の段階としたが、これに限られるものではなく、他の段階としてもよい。また、平均貸出金額601、収支金額602、来店回数603は、それぞれ、任意に設定した値であり、他の値を設定することは勿論可能である。
【0076】
(設定部505に設定される健全度テーブル700の一例)
つぎに、図7を用いて、設定部505に設定される健全度テーブル700の一例について、説明する。図7は、設定部505に設定される健全度テーブル700の一例を示す説明図である。図7において、健全度701は、「0〜9」の複数の段階に設定されている。査定合計値702は、図6に示した、平均貸出金額601の査定値604、収支金額602の査定値604、および来店回数603の査定値604を、それぞれ合計したものである。
【0077】
つまり、図6における各査定値604は、「0〜10」であるため、図7に示す査定合計値702は、「0〜30」となる。この査定合計値702を「3」ごとに区切り(ピッチ)、段階的に設定したものが健全度701となる。具体的には、査定合計値702が「0〜2」のときは健全度701が「0」となり、査定合計値702が「3〜5」のときは健全度701が「1」となり、以降段階的に、査定合計値702が「27〜30」のときは健全度701が「9」となる。
【0078】
具体例を挙げると、たとえば、図6において、平均貸出金額601が27000円(査定値604=「5」)であり、収支金額602が29000円(査定値604=「6」)であり、来店回数603が13回(査定値604=「4」)であった場合、査定合計値702が「15(5+6+4)」となる。そして、図7に示す健全度テーブル700に当てはめると、符号710に示すように、査定合計値702の「15〜17」に対応する健全度701として「5」となる。このようにして、決定部503による健全度701の決定がおこなわれる。
【0079】
なお、この健全度テーブル700では、査定合計値702を0〜30とし、健全度701に対する査定合計値702の幅を、符号703に示すピッチ「3」として、10段階の健全度701としたが、ピッチ703の値や、健全度701の段階など、他の値を用いることは勿論可能である。
【0080】
(設定部505に設定されるポイントテーブル800の一例)
つぎに、図8を用いて、設定部505に設定されるポイントテーブル800の一例について、説明する。図8は、設定部505に設定されるポイントテーブル800の一例を示す説明図である。図8において、ポイントテーブル800には、健全度701、およびランク801にそれぞれ対応するポイントが記載されている。ポイントテーブル800内に記載される数字は、付与されるポイントである。
【0081】
健全度701は、図7に示した健全度701(「0〜9」)である。ランク801は、たとえば、a〜eまでの5段階に設定されている。このランク801に設定されるa〜eの中から、抽選により一つが選択され、選択されたランク801のポイントが付与される。付与されるポイントは、ランクaのポイントに対して、ランクbが2倍の値となり、ランクcが3倍の値となり、ランクdが4倍の値となり、ランクeが5倍の値となっている。
【0082】
具体的に、健全度701が「5」の場合を例に挙げて説明すると、符号810に示すように、ランクa〜eに対応して、付与されるポイントが「6,12,18,24,30」になっており、抽選により、いずれか一つのポイントが付与される。また、付与されるポイントは、健全度701が高くなるにつれて、高くなっており、たとえば、ランクcを例に挙げて説明すると、符号811に示すように、健全度701が「0〜9」に対応して、付与されるポイントはそれぞれ「3,6,…,27,30」となっている。なお、合計802は、各健全度701の各ランク801において付与されるポイントを合計したものである。また、期待値803は、得られるポイントの見込みを示す値である。
【0083】
(設定部505に設定されるポイントテーブル900の他の一例)
つぎに、図9を用いて、設定部505に設定されるポイントテーブル900の他の一例について、説明する。図9は、設定部505に設定されるポイントテーブル900の他の一例を示す説明図である。図9に示すポイントテーブル900は、図8に示したポイントテーブル800と同様に、健全度701と、ランク801とに、それぞれ対応するポイントが記載されているが、図8に示したポイントテーブル800と比較して、付与されるポイント数が2倍になっている点で、図8と異なる。
【0084】
このポイントテーブル900は、たとえば、イベント時などに付与されるポイントを示したものである。このように、付与されるポイントは、イベント時など、日によって適宜変更することが可能である。また、ランク801についても、5段階に限らず、他の複数段階を用いることは勿論可能である。
【0085】
ここで、図5に戻り、遊技媒体貸出装置110、および遊技機Mについて説明する。遊技媒体貸出装置110の読取部521は、遊技者を特定するための遊技者情報が記録された可搬型ICタグ522から、当該遊技者情報を読み取る機能を有する。可搬型ICタグ522は、任意に持ち運びが可能な記録媒体であり、たとえば、上述した会員カードに相当する。可搬型ICタグ522には、遊技者情報や有価価値が付与された有価情報などが記録されたICタグが埋め込まれている。
【0086】
遊技者情報には、可搬型ICタグ522を識別するためのタグIDや遊技場の会員を識別するための会員IDなどが含まれている。また、有価情報には、遊技媒体の借り入れに使用可能な残額を示す残額情報、および、獲得された遊技媒体数(いわゆる、「貯玉情報」)などが含まれている。本実施の形態において、ポイント情報は、管理DB121にて一括管理されるものとして説明しているが、可搬型ICタグ522に記録される有価情報にポイント情報を含ませることは勿論可能である。
【0087】
この可搬型ICタグ522は、内部に埋設されている送受信アンテナ(不図示)を介して遊技媒体貸出装置110と非接触型の通信をおこなう。たとえば、図3に示した会員カード投入口304に可搬型ICタグ522(会員カード)が挿入されると、可搬型ICタグ522と遊技媒体貸出装置110との間で無線通信がおこなわれ、可搬型ICタグ522に対する各種情報の読み取りや書き込みがおこなわれる。
【0088】
具体的には、会員カード投入口304に可搬型ICタグ522が挿入されると、読取部521によって可搬型ICタグ522から遊技者情報が読み取られる。読取部521によって読み取られた遊技者情報は、遊技機Mの遊技情報とともに、遊技媒体貸出装置110からホストコンピュータ120の取得部501に送信される。なお、会員を識別するためには、上述した会員カードによる認証のほかにも、携帯電話などの情報端末を利用した認証や、指紋認証、静脈認証、虹彩認証などの生体認証を用いてもよい。また、この可搬型ICタグ522には、読み取られた日時が記録され、たとえば、当日1回目の読み取りがおこなわれたことが識別できるようになっている。
【0089】
また、読取部521は、遊技機Mに設けられた非接触ICタグ531の所定範囲内に配設された第2のアンテナ308を用いて、非接触ICタグ531から遊技機Mを特定するための遊技機情報を読み取る機能を有する。非接触ICタグ531は、電磁誘導または電波を利用して非接触通信をおこなうICタグであり、たとえば、遊技機Mの制御を司る主基板、当該主基板に実装されているROM、または当該主基板を被覆する基板ケースなどに貼付されている。識別情報は、非接触ICタグ531に一意的に割り当てられ、たとえば、遊技機Mを識別するための遊技機ID、遊技場を識別するための遊技場ID、および遊技機Mのメーカを特定するためのメーカIDなどを含んでいる。読取部521によって読み取られた識別情報は、遊技機Mの遊技機情報として遊技媒体貸出装置110からホストコンピュータ120の取得部501に送信される。
【0090】
また、設定情報は、遊技機Mに設けられた非接触ICタグ531に記録されている識別情報と対応付けて設定される情報であり、ROM402やRAM403などのメモリに予め記憶されている。具体的には、設定情報は、識別情報(正規の非接触ICタグ531に記録されている識別情報)を含む情報(遊技機ID、遊技場ID、およびメーカIDなど)である。このように、設定情報および識別情報を用いることにより、遊技機Mを特定することができるだけでなく、たとえば、設定情報と識別情報の各IDが異なる場合に、遊技機Mの入れ替えがあったことを検出することや、ROMの不正改造や裏ロムに交換されるなどの不正行為を検出することができる。
【0091】
(ホストコンピュータ120によるポイント付与処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ120によるポイント付与処理手順について説明する。図10は、この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ120によるポイント付与処理手順を示すフローチャートである。図10に示すフローチャートは、閉店後にホストコンピュータ120にておこなわれるポイント付与処理を示している。
【0092】
図10において、まず、取得部501が、1日分の遊技情報を取得する(ステップS1001)。遊技情報は、上述したように、貸出金額、貸し玉数、アウト玉数、セーフ玉数といった情報である。そして、取得した情報を集計する(ステップS1002)。ステップS1002における集計は、具体的には、取得した貸出金額、アウト玉数、セーフ玉数、来店した情報などを基に、貸出金額、収支金額、来店回数の、それぞれ直近1ヶ月の平均値または累計値を算出する。そして、集計した各値を基に、査定テーブル600(図6参照)を用いて、査定値を特定する(ステップS1003)。
【0093】
さらに、特定した査定値を基に、健全度テーブル700(図7参照)を用いて、健全度を決定する(ステップS1004)。そして、ポイントテーブル800(図8参照)のランクa〜eの中から、抽選によってランクを選択する(ステップS1005)。そして、ポイントテーブル800を用い、選択したランクと、決定した健全度を基に、ポイントを付与する(ステップS1006)。このあと、管理DB121に、ポイントを累計化した累積ポイントと健全度を更新し(ステップS1007)、一連の処理を終了する。
【0094】
なお、上述した処理は、閉店後におこなわれる処理として説明したが、これに限られるものではなく、遊技がおこなわれるごとに、つまり、遊技者が遊技機Mを変えるごとに、その都度、上述した処理をおこなってもよい。また、上述した処理を途中で区切り、具体的には、たとえば、閉店後に上述したステップS1004(健全度の決定)までの処理をおこない、つぎに来店した際に、ステップS1005(ランクの選択)以降の処理をおこなってもよい。以下、図11を基に、つぎに来店した際に、ステップS1005(ランクの選択)以降の処理をおこなう場合について、遊技媒体貸出装置110の処理、および遊技機Mの処理と併せて、相対的に説明する。
【0095】
(ホストコンピュータ120による他のポイント付与処理手順)
図11は、この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ120による他のポイント付与処理手順を示すシーケンス図である。図11に示すシーケンス図は、昨日、閉店後に取得した1日分の遊技情報を基に決定した健全度に基づき、翌日、遊技媒体貸出装置110に会員カードが挿入された際におこなわれるポイント付与処理である。つまり、前提として、ホストコンピュータ120では、図10におけるステップS1004(健全度の決定)までの処理がおこなわれているものとする。
【0096】
図11において、遊技媒体貸出装置110は、会員カードが挿入されるまで待機状態にあり(ステップS1101:Noのループ)、会員カードが挿入されると(ステップS1101:Yes)、会員番号の読み取りをおこなう(ステップS1102)。そして、台番号と会員番号をホストコンピュータ120に送信する(ステップS1103)。
【0097】
一方、遊技機Mでは、遊技開始の状態となる(ステップS1104)。また、ホストコンピュータ120は、台ごとの遊技情報を更新する(ステップS1105)。なお、ステップS1105における台ごとの遊技情報の更新は、具体的には、遊技開始時間の更新である。そして、当日の遊技が1回目か否かを判断する(ステップS1106)。なお、ステップS1106における判断は、たとえば、当日初めて遊技開始時刻の更新をしたか否かに基づいておこなってもよいし、会員カードに記録される1回目の遊技か否かの情報に基づいておこなってもよい。ステップS1106において、当日の遊技が1回目であると判断した場合(ステップS1106:Yes)、昨日、閉店後に決定された健全度を基に、ポイントテーブル800(図8参照)のランクa〜eの中から、抽選によりランクを選択する(ステップS1107)。
【0098】
そして、選択したランクに対応するポイントを付与し(ステップS1108)、累積ポイントを更新する(ステップS1109)。そして、遊技媒体貸出装置110へ、付与された付与ポイントおよび累積ポイントの情報を送信する(ステップS1110)。
【0099】
一方、遊技媒体貸出装置110では、ステップS1103にて、台番号と会員番号をホストコンピュータ120に送信したあと、たとえば、会員カードに記録される情報により、当日の遊技が1回目か否かを判断する(ステップS1111)。ステップS1111において、当日の遊技が1回目であると判断した場合(ステップS1111:Yes)、ステップS1110にてホストコンピュータ120から送信された付与ポイントおよび累積ポイントを表示する(ステップS1112)。なお、ステップS1112における表示は、たとえば、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される。表示される表示画面は、具体的には、図12に示す表示画面であり、詳細については後述する。
【0100】
このあと、会員カードが排出されるまで待機状態にあり(ステップS1113:Noのループ)、ステップS1113において、会員カードが排出されると(ステップS1113:Yes)、遊技機Mから遊技媒体貸出装置110に対して、アウト玉数、セーフ玉数などの遊技情報が送信される(ステップS1114)。そして、遊技媒体貸出装置110は、ホストコンピュータ120へ、台番号、会員番号、および遊技情報を送信し(ステップS1115)、一連の処理を終了する。なお、ステップS1115において送信される遊技情報は、遊技機Mからのアウト玉数、セーフ玉数などの遊技情報のほか、遊技媒体貸出装置110からの貸出金額や貸し玉数などの情報である。
【0101】
そして、ホストコンピュータ120は、台ごとの遊技情報を更新し(ステップS1116)、一連の処理を終了する。また、遊技機Mは、ステップS1114にて、遊技情報を送信した後、遊技終了の状態となり(ステップS1117)、一連の処理を終了する。
【0102】
また、ホストコンピュータ120では、ステップS1106において、当日の遊技が1回目ではないと判断した場合(ステップS1106:No)、ステップS1116に移行する。また、遊技媒体貸出装置110では、ステップS1111において、当日の遊技が1回目ではないと判断した場合(ステップS1111:No)、ステップS1113に移行する。
【0103】
上述した処理のあと、ホストコンピュータ120では、ステップS1116にて更新された遊技情報を基に、閉店後に、図10に示したステップS1004(健全度の決定)までの処理がおこなわれる。そして、遊技者がつぎに来店したときに、ポイントの付与がおこなわれる。
【0104】
(ディスプレイ302に表示される表示画面の一例)
つぎに、この発明の実施の形態において、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される表示画面の一例について説明する。図12は、この発明の実施の形態において、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図12に示す説明図は、図11のステップS1112に示した表示処理における、表示画面を示したものである。このように、ポイントが付与された際には、その内容が表示されるようになっている。
【0105】
(ディスプレイ302に表示される表示画面の一例)
つぎに、この発明の実施の形態において、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される表示画面の一例について説明する。図13は、この発明の実施の形態において、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図13に示す説明図は、遊技者の健全度が低い場合に表示される画面である。なお、このような画面は健全度が普通の場合や、健全度が高い場合にも表示される。このように、ディスプレイ302には、健全度に応じた表示画面が表示されることにより、遊技者に対して健全な遊技を促すことができるとともに、健全な遊技者は健全に遊技していることを認識することができる。
【0106】
以上説明したように、この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータ120は、遊技情報に含まれる貸出金額に関する情報に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定し、決定された健全度に応じたポイントを付与するようにした。したがって、遊技者に対するポイント付与のサービスを実現しながら、遊技者の遊技に対するのめり込みを防止することができる。これにより、健全な遊技者を増やすことも可能になる。
【0107】
また、本実施の形態では、所定期間における平均貸出金額を算出するようにし、算出された平均貸出金額に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定するようにした。このように、平均値を用いることにより、遊技者の遊技状況をばらつきなく数値化することができ、健全度の信頼性を上げることができる。
【0108】
また、本実施の形態では、所定期間における収支金額の累計を算出するようにし、算出された収支金額の累計に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定するようにした。このように、収支金額を用いることにより、遊技者の遊技状況をより詳細に数値化することができるので、健全度の信頼性を上げることができる。
【0109】
また、本実施の形態では、平均貸出金額、収支金額、および来店回数に対応する査定値が予め設定される査定テーブル600(図6参照)を用い、平均貸出金額、収支金額、および来店回数に対応して設定される査定値に基づいて、健全度を決定するようにした。このように、予め設定される査定テーブルを用いることにより、簡単に健全度を決定することができる。
【0110】
また、本実施の形態では、平均貸出金額、収支金額、および来店回数のそれぞれの査定値を加算した査定値の範囲ごとに、複数の段階の健全度が予め設定される健全度テーブル700(図7参照)を用いた。このように、複数の要素(平均貸出金額、収支金額、および来店回数)の査定値を合計し、この合計した査定値に基づいて、簡単に健全度を決定できる。
【0111】
また、本実施の形態では、健全度に対応するポイントが予め設定されるポイントテーブル800(図8参照)を用い、ポイントに対応して設定される健全度に基づいて、ポイントを付与するようにした。したがって、健全度に対応するポイントを簡単に付与することができる。
【0112】
また、本実施の形態では、ポイントテーブル800に、健全度に対応し、複数の異なるポイントが設定された複数のランクを具備させ、当該ポイントテーブル800を用い、複数のランクの中から、抽選により一つを選択し、選択したランクのポイントに対応して設定される健全度に基づいて、ポイントを付与するようにした。このように、抽選を行うことにより、付与されるポイントが遊技者によって推測され難くなるとともに、遊技者は娯楽性やゲーム性を享受することができる。
【0113】
また、本実施の形態では、健全度が高いほど、高いポイントを付与するようにした。本構成は、代表的且つ望ましい構成であり、健全度とポイントとの関係を簡単に表すことができる。
【0114】
また、本実施の形態では、閉店後に、遊技者が遊技した1日分の遊技情報を取得するようにした。このような構成によれば、各遊技者に対する健全度の決定およびポイントの付与を、閉店後に一括しておこなうことができる。したがって、1日に1回、健全度の決定やポイントの付与をおこなうことができる。本構成は、遊技者にとってみれば、ポイントの付与や、累積ポイントの変更は1日に1回確認できれば十分であるということに基づくものであり、累積ポイントの変更やポイントの付与の回数を抑えることができる。
【0115】
また、本実施の形態では、ポイントを通知するようにした。これにより、遊技者は、付与されたポイント、および累積ポイントを知ることができる。
【0116】
また、本実施の形態では、健全度を通知するようにした。これにより、遊技者は、健全度を知ることができ、健全度が低い場合には、健全な遊技に努めることができ、遊技へののめり込みを防止することができる。
【0117】
以上説明したように、ポイント付与装置、ポイント付与方法、ポイント付与プログラム、および記録媒体によれば、健全度に応じたポイントを付与することができるので、遊技者に対するポイント付与のサービスを実現しながら、遊技者の遊技に対するのめり込みを防止することができる。
【0118】
なお、本実施の形態で説明したポイント付与方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上のように、本発明にかかるポイント付与装置、ポイント付与方法、ポイント付与プログラム、および記録媒体は、パチンコ遊技機、スロット遊技機、その他各種遊技機に有用であり、特に、会員制を取り入れ、会員遊技者に対してポイントを付与するようにしたパチンコホールやゲームセンター(プレイランド)での設置、使用に適している。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】この発明の実施の形態にかかる遊技システムのシステム構成図である。
【図2】管理DBのデータ構造を示す説明図である。
【図3】遊技媒体貸出装置の一例を示す外観図である。
【図4】コンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータの機能的構成を示すブロック図である。
【図6】設定部に設定される査定テーブルの一例を示す説明図である。
【図7】設定部に設定される健全度テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】設定部に設定されるポイントテーブルの一例を示す説明図である。
【図9】設定部に設定されるポイントテーブルの他の一例を示す説明図である。
【図10】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータによるポイント付与処理手順を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態にかかるホストコンピュータによる他のポイント付与処理手順を示すシーケンス図である。
【図12】この発明の実施の形態において、遊技媒体貸出装置のディスプレイに表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態において、遊技媒体貸出装置のディスプレイに表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0121】
100 遊技システム
110,110−1〜110−n 遊技媒体貸出装置
120 ホストコンピュータ
121 管理DB
200 ポイント情報
210 会員番号
220 健全度
230 累積ポイント
302 ディスプレイ
304 会員カード投入口
307 第1のアンテナ
308 第2のアンテナ
501 取得部
502 算出部
503 決定部
504 付与部
505 設定部
506 通知部
520 外部出力制御部
521 読取部
522 可搬型ICタグ
531 非接触ICタグ
532 外部出力制御部
600 査定テーブル
601 平均貸出金額
602 収支金額
603 来店回数
604 査定値
700 健全度テーブル
701 健全度
702 査定合計値
800 ポイントテーブル
801 ランク
900 ポイントテーブル
M,M−1〜M−n 遊技機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者を特定し、当該遊技者に対して所定のサービスを提供するためのポイントを付与するポイント付与装置において、
遊技機における遊技者の遊技によって発生し、遊技媒体の貸出金額または貸出数量に関する情報を含む遊技情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された遊技情報に含まれる前記貸出金額または前記貸出数量に関する情報に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された前記健全度に応じた前記ポイントを付与する付与手段と、
を備えることを特徴とするポイント付与装置。
【請求項2】
前記取得手段によって取得された遊技情報に含まれる前記貸出金額または前記貸出数量を基に、所定期間における前記貸出金額または前記貸出数量の平均値を算出する算出手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記算出手段によって算出された所定期間における前記貸出金額または前記貸出数量の平均値に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定することを特徴とする請求項1に記載のポイント付与装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記取得手段によって取得された遊技情報に含まれる前記貸出金額または前記貸出数量を用い、所定期間における前記遊技者の遊技成績を算出し、
前記決定手段は、前記算出手段によって算出された前記遊技者の遊技成績に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定することを特徴とする請求項2に記載のポイント付与装置。
【請求項4】
前記貸出金額の平均値、前記貸出数量の平均値、または前記遊技成績の少なくともいずれか一つに対応する査定値が予め設定される査定テーブルを有する設定手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記設定手段に設定される査定テーブルを用い、前記貸出金額の平均値、前記貸出数量の平均値、または前記遊技成績の少なくともいずれか一つに対応して設定される査定値に基づいて、前記健全度を決定することを特徴とする請求項2または3に記載のポイント付与装置。
【請求項5】
前記設定手段は、所定期間における遊技者の来店回数または遊技時間に対応した査定値が設定される査定テーブルを有することを特徴とする請求項4に記載のポイント付与装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記査定値の範囲ごとに、複数の段階の前記健全度が予め設定される健全度テーブルを有し、
前記決定手段は、前記設定手段に設定される健全度テーブルを用い、前記査定値に基づいて、前記健全度を決定することを特徴とする請求項4または5に記載のポイント付与装置。
【請求項7】
前記設定手段は、前記健全度に対応する前記ポイントが予め設定されるポイントテーブルを有し、
前記付与手段は、前記設定手段に設定されるポイントテーブルを用い、前記ポイントに対応して設定される前記健全度に基づいて、前記ポイントを付与することを特徴とする請求項6に記載のポイント付与装置。
【請求項8】
前記ポイントテーブルは、前記健全度に対応し、異なるポイントが設定される複数のランクを有し、
前記付与手段は、前記ポイントテーブルを用い、前記複数のランクの中から、抽選により一つを選択し、選択したランクのポイントに対応して設定される前記健全度に基づいて、ポイントを付与することを特徴とする請求項7に記載のポイント付与装置。
【請求項9】
前記付与手段は、前記決定手段によって決定された前記健全度が高いほど、高いポイントを付与することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のポイント付与装置。
【請求項10】
前記取得手段は、遊技者が遊技した1日分の遊技情報を取得することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のポイント付与装置。
【請求項11】
前記付与手段によって付与された前記ポイントを通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のポイント付与装置。
【請求項12】
前記通知手段は、前記健全度を通知することを特徴とする請求項11に記載のポイント付与装置。
【請求項13】
遊技者を特定し、当該遊技者に対して所定のサービスを提供するためのポイントを付与するポイント付与方法において、
遊技機における遊技者の遊技によって発生し、遊技媒体の貸出金額または貸出数量に関する情報を含む遊技情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された遊技情報に含まれる前記貸出金額または前記貸出数量に関する情報に基づいて、遊技者の遊技の健全度を決定する決定工程と、
前記決定工程によって決定された前記健全度に応じた前記ポイントを付与する付与工程と、
を含むことを特徴とするポイント付与方法。
【請求項14】
請求項13に記載のポイント付与方法をコンピュータに実行させることを特徴とするポイント付与プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のポイント付与プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−50450(P2009−50450A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219734(P2007−219734)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】