説明

ポイント処理装置、ポイント処理システム、及びポイント処理方法

【課題】 クレジットカードの利用者がポイントの交換対象を選ぶことができるポイント処理装置、ポイント処理システム、及びポイント処理方法を提供する。
【解決手段】
クレジットカードの利用に応じてクレジットカード利用者が獲得するポイントの処理を実行するポイント処理装置1は、インターネット100を介して端末装置2からポイント交換対象の希望商品に関する希望商品情報を受信し、その受信した希望商品情報により特定される希望商品と交換するために必要となる交換ポイントを算出し、その算出した交換ポイントに関する交換ポイント情報を端末装置2に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードの利用に応じて利用者に対して付与されるポイントを処理するためのポイント処理装置、ポイント処理システム、及びポイント処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードを利用した場合に、その利用額に応じたポイントを利用者が獲得することができるポイントサービスが広く普及している。このポイントは、クレジットカード会社において予め用意された各種の商品(市場で取引される財及びサービス)と交換することができる。そのため、利用者は、ポイントの獲得を目的として、現金支払いではなくクレジットカードの利用を選択する場合がある。このように、ポイントサービスは、クレジットカードの利用に対するインセンティブを付与する制度として機能するため、多くのクレジットカード会社で採用されている。
【0003】
しかしながら、上記のとおり、通常のポイントサービスにおいてはクレジットカード会社が予め用意した商品のみしか交換対象とならないため、選択の幅が狭く、利用者によっては希望する商品がない場合がある等の問題があった。そこで、利用者の選択の幅を拡大すべく、一のポイント発行サイトが発行するポイントと他のポイント発行サイトが発行するポイントとを所定のレートで交換可能とすることによって、他のポイント発行サイトで取り扱っている商品をもポイントの交換対象とすることができるポイント取扱システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−74218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のポイント取扱システムの場合、ポイントの交換対象となる商品が増えることにはなるものの、ポイントの発行者において予め用意された商品に限定される点では、通常のポイントサービスと変わりはない。そのため、依然として利用者の選択の幅が狭いという問題があった。
【0006】
また、ポイントサービスではポイントに一律の有効期限(例えば、ポイントを獲得した翌年の年度末又は月末等)を設けていることが多く、その有効期限の直前にポイント交換の申込が集中することがあり、当該ポイント交換に係る事務手続が一時的に急増するという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上述した課題を解決することができるポイント処理装置、ポイント処理システム及びポイント処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様のポイント処理装置は、通信ネットワークを介して端末装置と通信可能に接続され、クレジットカードの利用に応じてクレジットカード利用者が獲得するポイントの処理を実行するポイント処理装置において、前記端末装置から、ポイント交換対象の希望商品に関する希望商品情報を受信する希望商品情報受信手段と、前記希望商品情報受信手段によって受信された希望商品情報により特定される希望商品と交換するために必要となる交換ポイントを算出する交換ポイント算出手段と、前記交換ポイント算出手段によって算出された交換ポイントに関する交換ポイント情報を前記端末装置に対して送信する交換ポイント情報送信手段とを備える。
【0009】
前記態様のポイント処理装置において、前記交換ポイント算出手段が、前記交換ポイントを獲得するまでの目標期間を複数設定し、当該複数の目標期間毎に前記交換ポイントを算出するように構成されていてもよい。
【0010】
また、前記態様のポイント処理装置において、前記交換ポイント算出手段が、前記目標期間が短いほど前記交換ポイントが少なくなるように前記交換ポイントを算出すべく構成されていてもよい。
【0011】
また、前記態様のポイント処理装置が、前記交換ポイント算出手段によって算出された交換ポイント及び前記目標期間に応じて、クレジットカードの利用によりクレジットカード利用者に付与されるポイント付与率を変更するポイント付与率変更手段を更に備えていてもよい。
【0012】
また、前記態様のポイント処理装置が、通信ネットワークに接続されている外部装置に記憶されている商品の価格に関する商品価格情報を、当該通信ネットワークを介して収集する商品価格情報収集手段と、前記商品価格情報収集手段によって収集された商品価格情報を蓄積した商品価格情報データベースとを更に備え、前記交換ポイント算出手段が、前記希望商品情報により特定される希望商品に係る商品価格情報を前記商品価格情報データベースから抽出し、抽出した商品価格情報に示されている商品の価格に基づいて前記交換ポイントを算出するように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記態様のポイント処理装置において、前記交換ポイント算出手段が、過去のクレジットカード利用額に応じて定められた割引条件に基づいて前記交換ポイントを算出するように構成されていてもよい。
【0014】
また、前記態様のポイント処理装置が、前記希望商品を示す画像情報を前記端末装置に対して送信する画像情報送信手段と、前記交換ポイント算出手段によって算出された交換ポイントの獲得状況に応じて前記希望商品の表示が変化するように、前記画像情報送信手段によって送信される画像情報を修正する画像情報修正手段とを更に備えていてもよい。
【0015】
また、前記態様のポイント処理装置において、前記画像情報修正手段が、前記交換ポイントの獲得状況に応じて前記希望商品の一部が非表示となるように、前記画像情報送信手段によって送信される画像情報を修正すべく構成されていてもよい。
【0016】
また、本発明の一の態様のポイント処理システムは、通信ネットワークを介して通信可能に接続される端末装置とクレジットカードの利用に応じてクレジットカード利用者が獲得するポイントの処理を実行するポイント処理装置とを備えるポイント処理システムにおいて、前記端末装置が、ポイント交換対象の希望商品に関する希望商品情報を前記ポイント処理装置に対して送信する希望商品情報送信手段を具備し、前記ポイント処理装置が、 前記端末装置から前記希望商品情報を受信する希望商品情報受信手段と、前記希望商品情報受信手段によって受信された希望商品情報により特定される希望商品と交換するために必要となる交換ポイントを算出する交換ポイント算出手段と、前記交換ポイント算出手段によって算出された交換ポイントに関する交換ポイント情報を前記端末装置に対して送信する交換ポイント情報送信手段とを具備し、前記端末装置が更に、前記ポイント処理装置から前記交換ポイント情報を受信する交換ポイント情報受信手段と、前記交換ポイント情報受信手段によって受信された交換ポイント情報を表示する交換ポイント情報表示手段とを具備する。
【0017】
前記態様のポイント処理システムにおいて、前記端末装置が、前記交換ポイント情報に係る交換ポイントを承諾するか否かを示す承諾情報の入力を受け付ける承諾情報受付手段と、前記承諾情報受付手段によって入力が受け付けられた承諾情報を前記ポイント処理装置に対して送信する承諾情報送信手段とを更に備え、前記ポイント処理装置が、前記端末装置から前記承諾情報を受信する承諾情報受信手段を更に備えていてもよい。
【0018】
さらに、本発明の一の態様のポイント処理方法は、通信ネットワークを介して端末装置と通信可能に接続され、クレジットカードの利用に応じてクレジットカード利用者が獲得するポイントの処理を実行するコンピュータが、前記端末装置から、ポイント交換対象の希望商品に関する希望商品情報を受信するステップと、前記コンピュータが、受信した前記希望商品情報により特定される希望商品と交換するために必要となる交換ポイントを算出するステップと、前記コンピュータが、算出した前記交換ポイントに関する交換ポイント情報を前記端末装置に対して送信するステップとを有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るポイント処理装置、ポイント処理システム及びポイント処理方法によれば、クレジットカードの利用者が希望する商品をポイントの交換対象に設定することできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係るポイント処理システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係るポイント処理装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態のポイント処理装置に設けられた商品情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態のポイント処理装置が記憶している割引情報テーブルの一例を示す図。
【図5】本発明の実施の形態のポイント処理装置に設けられた算出ポイント情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置及び端末装置が実行する希望商品受付処理の手順を示すフローチャート。
【図7A】本発明の実施の形態のポイント処理システムが備える端末装置の表示装置上に表示される希望商品受付画面の一例を示す図。
【図7B】本発明の実施の形態のポイント処理システムが備える端末装置の表示装置上に表示される希望商品受付画面の一例を示す図。
【図8】端末装置の表示装置上に表示される希望商品申請画面の一例を示す図。
【図9】本発明の実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置が実行する交換基本ポイント算出処理の手順を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置が実行する交換必要ポイント算出処理の手順を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置及び端末装置が実行するポイント宣言受付処理の手順を示すフローチャート。
【図12】端末装置の表示装置上に表示されるポイント宣言受付画面の一例を示す図。
【図13】本発明の実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置1が実行するポイント付与率算出処理の手順を示すフローチャート。
【図14】本発明の実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置及び端末装置が実行する希望商品表示処理の手順を示すフローチャート。
【図15】端末装置の表示装置上に表示される利用状況確認画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0022】
[ポイント処理システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るポイント処理システムの構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、本実施の形態のポイント処理システムは、クレジットカードの利用に応じて利用者(カード会員)に付与されるポイントの処理を行うポイント処理装置1、利用者が操作するパーソナルコンピュータおよび携帯型電話機などの端末装置2,2,…と、クレジットカードの利用に関する各種の処理を実行するコンピュータで構成されるカードシステム3とを備えている。ポイント処理装置1及び端末装置2,2,…は、インターネット100を介して通信可能に接続されている。また、ポイント処理装置1及びカードシステム3は、公知の通信プロトコルを用いて通信可能に接続されている。
【0023】
[ポイント処理装置の構成]
以下、上述したポイント処理装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るポイント処理装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、ポイント処理装置1は、CPU10と、そのCPU10に接続された主記憶装置11、補助記憶装置12、入力装置13及び通信インタフェース(I/F)14とを備えている。これらのCPU10、主記憶装置11、補助記憶装置12、入力装置13及び通信I/F14は、バス15を介して接続されている。
【0024】
CPU10は、補助記憶装置12に記憶されているコンピュータプログラムを実行する。これにより、ポイント処理装置1は、各種のデバイスの動作を制御しながら、後述する各種の処理を実行することが可能になる。
【0025】
主記憶装置11は、SRAMまたはDRAM等によって構成されており、補助記憶装置12に記憶されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、主記憶装置11は、CPU10がコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0026】
補助記憶装置12は、フラッシュメモリ又はハードディスクなどの不揮発性記憶装置によって構成されており、CPU10に実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等を記憶している。また、補助記憶装置12には、商品情報データベース(DB)12A、割引情報テーブル12B、算出ポイント情報データベース(DB)12C、及び会員情報データベース(DB)12Dが設けられている。これら商品情報DB12A、割引情報テーブル12B、算出ポイント情報DB12C及び会員情報DB12Dの詳細については後述する。
【0027】
入力装置13は、キーボード及びマウス等から構成され、オペレータがこの入力装置13を操作することにより、ポイント処理装置1に各種のデータを入力することが可能になる。
【0028】
通信I/F14は、外部の各種の装置と通信をするためのインタフェース装置である。上述したように、ポイント処理装置1は、インターネット100を介して端末装置2,2,…と通信し、また、カードシステム3とも別途通信する。これらの通信は、この通信I/F14を介して行われる。
【0029】
次に、上述した商品情報DB12A、割引情報テーブル12B、算出ポイント情報DB12C、及び会員情報DB12Dについて説明する。
【0030】
(A)商品情報DB12A
図3は、本実施の形態のポイント処理装置1に設けられた商品情報DB12Aのレイアウトの一例を示す図である。図3に示すように、商品情報DB12Aは、商品を識別するためのJAN(Japanese Article Number)コードが格納されるJANコードフィールド101、商品名が格納される商品名フィールド102、商品を製造するメーカーの会社名が格納されるメーカー名フィールド103、商品の販売価格が格納される販売価格フィールド104、後述するようにしてポイント処理装置1により提示されたポイント制度を利用することを利用者が宣言(以下、「ポイント宣言」という)した数である宣言数が格納される宣言数フィールド105、及び補助記憶装置12における商品の画像データの記憶位置を示す情報(以下、「画像データ記憶位置」という)が格納される画像フィールド106を有している。
【0031】
ポイント処理装置1は、上述したJANコード、商品名、メーカー名及び販売価格を、インターネット100に接続されたウェブサーバ等から取得して、商品情報DB12Aに蓄積する。また、ポイント処理装置1は、画像データも同様にしてウェブサーバ等から取得して補助記憶装置12の所定領域に記憶する。より具体的には、ポイント処理装置1が、各ウェブサイトのウェブページ中に含まれるリンクを辿ることによってウェブページに関するウェブページ情報を収集するクロール処理を実行するクローラ(検索ロボット)として機能し、そのウェブページ情報から商品名、JANコード及び画像データ等の各種の情報を抽出することにより商品情報の取得を行う。商品情報をウェブページ情報から抽出する処理は、JANコード及び/又は商品名等のリストを予め用意しておき、当該リストとウェブページ情報とを照らし合わせること等により実行することができる。
【0032】
なお、ポイント処理装置1が収集した商品情報を人手により適宜修正した上で商品情報DB12Aに蓄積するようにしてもよい。例えば、販売価格等の特定の情報を自動的に入手できなかった場合に、人手により当該情報を調査した上で商品情報DB12Aに登録すること等が考えられる。また、図3に示す情報以外にも、例えば商品のサイズ及び色等の他の情報が商品情報に含まれていてもよい。以下の説明では、商品情報に商品のサイズに関する情報が含まれているものとする。
【0033】
ポイント処理装置1は、上述したようにウェブサーバ等から取得する以外の方法で商品情報を取得して商品情報DB12Aを形成するようにしてもよい。具体的には、例えばクレジットカード会社が各メーカーから商品情報を取得し、その商品情報を人手により商品情報DB12Aに登録すること等が想定される。
【0034】
(B)割引情報テーブル12B
図4は、本実施の形態のポイント処理装置1が記憶している割引情報テーブル12Bの一例を示す図である。図4に示すように、割引情報テーブル12Bでは、クレジットカードのカード種別及び前年のクレジットカードの利用額別に交換ポイントの調整率(以下、「ポイント調整率」という)が規定されている。後述するように、このポイント調整率の値がマイナスの場合は交換ポイントが割り引かれることになる。
【0035】
図4では、「一般」・「ゴールド」・「プラチナ」の3種類のカード種別が存在しており、これらのカード種別毎に、前年のクレジットカードの利用額が「500,000円以下」・「500,001円〜800,000円」・「800,001円〜1,000,000円」・「1,000,001円以上」の場合のポイント調整率が規定されている例が示されている。また、過去3年間に引き落とし延滞があった場合には、規定されたポイント調整率に“1%”をプラスするというルールが例示されている。この場合、例えばカード種別が「一般」の場合であって前年の利用額が500,000円以下の場合、最終的なポイント調整率が割増しとなってしまうため1%プラスするというルールを適用しない等の運用も考えられる。
【0036】
上記の内容の割引情報テーブル12Bを用いた場合、クレジットカード会社への貢献度(ロイヤルティ)に応じて交換ポイントの割引を行うことができる。そのため、クレジットカードの利用者に対して、当該貢献度に応じた利益の還元を行うこと等が可能になる。
【0037】
なお、割引情報テーブル12Bは必要に応じて適宜変更することが可能である。例えば、クレジットカード会社の収益状況に応じて変更したり(来期は目標売上を達成できそうになく、交換ポイントを割り引いてでもポイント宣言の参加者を増やしたいため、ポイント調整率を一律1%マイナスする等)、販売促進キャンペーンの実施状況に応じて変更したり(新社会人がカード入会する時期であり、交換ポイントを割り引いてでもポイント宣言の参加者を増やしたいため、カード種別が「一般」の場合のポイント調整率を3%マイナスする等)すること等が想定される。
【0038】
(C)算出ポイント情報DB12C
算出ポイント情報DB12Cには、後述するようにして算出された交換ポイントに関する算出ポイント情報が格納される。
図5は、本実施の形態のポイント処理装置1に設けられた算出ポイント情報DB12Cのレイアウトの一例を示す図である。図5に示すように、算出ポイント情報DB12Cは、クレジットカードを識別するためのカードIDが格納されるカードIDフィールド111、交換対象となる商品のJANコードが格納されるJANコードフィールド112、及び当該商品の商品名が格納される商品名フィールド113を有している。さらに、算出ポイント情報DB12Cは、交換ポイントを獲得するまでの3段階の目標期間の最終日がそれぞれ格納される第1目標期間フィールド114、第2目標期間フィールド116及び第3目標期間フィールド118と、これらの3段階の各目標期間に対して設定される交換ポイントがそれぞれ格納される第1ポイントフィールド115、第2ポイントフィールド117及び第3ポイントフィールド119とを有している。以下では、目標期間の最終日が後のもの(すなわち、目標期間が長いもの)から順に第1目標期間、第2目標期間及び第3目標期間と呼び、それらがそれぞれ第1目標期間フィールド114、第2目標期間フィールド116及び第3目標期間フィールド118に格納されるものとする。
【0039】
(D)会員情報DB12D
会員情報DB12Dには、クレジットカードの会員であるカード会員に関する会員情報が格納される。具体的には、カード会員の氏名及び連絡先等(住所・電話番号・電子メールアドレス・パスワード等)、クレジットカードのカードID、カード種別及び有効期限、並びに前年のクレジットカードの利用額及び過去3年間における引き落とし延滞の有無を示す情報等が格納される。この会員情報は、カードシステム3等と連携して適宜更新される。
【0040】
[ポイント処理システムの動作]
次に、上述したように構成されたポイント処理システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態のポイント処理システムが実行する主な処理には、(1)カード会員がポイント交換を希望する商品をポイント処理装置1が受け付けるための希望商品受付処理、(2)交換ポイントの計算のベースとなる交換基本ポイントを算出するための交換基本ポイント算出処理、(3)交換基本ポイントに基づいて実際に商品交換に必要となる交換ポイントである交換必要ポイントを算出するための交換必要ポイント算出処理、(4)カード会員がポイント宣言するためのポイント宣言受付処理、(5)ポイント宣言後にカード会員に付与されるポイントの付与率を算出するためのポイント付与率算出処理、及び(6)ポイントの交換対象となっている希望商品の画像を表示するための希望商品表示処理がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0041】
(1)希望商品受付処理
図6は、本実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置1及び端末装置2が実行する希望商品受付処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の希望商品受付処理を実行する前に、カードID及びパスワード等を用いた公知のカード会員の認証処理が行われたものとする。
【0042】
カード会員は、端末装置2を操作し、ポイントの交換対象となる商品の申請を行うことを示す申請希望情報をポイント処理装置1に対して送信するよう端末装置2に指示する。当該指示を受け付けた端末装置2は、図6に示すとおり、申請希望情報をポイント処理装置1に対して送信する(S101)。
【0043】
ポイント処理装置1は、端末装置2から送信された申請希望情報を受信した場合(S111)、カード会員がポイントの交換対象として希望する商品に関する情報の入力を受け付けるための希望商品受付画面を含む希望商品受付画面情報を端末装置2に対して送信する(S112)。
【0044】
端末装置2は、ポイント処理装置1から送信された希望商品受付画面情報を受信した場合(S102)、その希望商品受付画面情報に含まれている希望商品受付画面を液晶ディスプレイ等の表示装置上に表示する(S103)。
【0045】
図7A及び図7Bは、端末装置2の表示装置上に表示される希望商品受付画面の一例を示す図である。図7Aに示すとおり、この希望商品受付画面1001には、希望商品の商品名又はその略称等、商品名を特定するためのキーワードとなる商品名キーワードを入力するための第1入力欄1001Aと、希望商品のJANコードを入力するための第2入力欄1001Bと、入力した情報をポイント処理装置1に対して送信するための送信ボタン1001Cとが設けられている。カード会員は、端末装置2を操作して、第1入力欄1001Aに対する商品名キーワードの入力及び第2入力欄1001Bに対するJANコードの入力の何れかを行った後、送信ボタン1001Cをクリックする。図7Bには、第1入力欄1001Aに商品名キーワードが入力された場合の希望商品受付画面が例示されている。
【0046】
図6に戻り、端末装置2は、カード会員による商品名キーワード又はJANコードの入力を受け付けた場合(S104)、送信ボタン1001Cがクリックされた後に、その商品名キーワード又はJANコードを含む希望商品情報をポイント処理装置1に対して送信する(S105)。
【0047】
ポイント処理装置1は、端末装置2から送信された希望商品情報を受信した場合(S113)、その希望商品情報に含まれている商品名キーワード又はJANコードを検索キーとして商品情報DB12Aを検索する(S114)。ここで検索に失敗した場合、ポイント処理装置1は商品情報が見つからなかったことを示す情報を端末装置2に対して送信することになる。ここでは、検索に成功したものとして以下説明する。ポイント処理装置1は、検索した商品情報に含まれている商品名及びメーカー名等の情報並びに当該商品情報に含まれている画像データ記憶位置に記憶されている画像データを用いて、カード会員が希望商品の申請を行うための希望商品申請画面を生成し、その希望商品申請画面を含む希望商品申請画面情報を端末装置2に対して送信する(S115)。
【0048】
端末装置2は、ポイント処理装置1から送信された希望商品申請画面情報を受信した場合(S106)、その希望商品申請画面情報に含まれている希望商品申請画面を表示装置上に表示する(S107)。
【0049】
図8は、端末装置2の表示装置上に表示される希望商品申請画面の一例を示す図である。図8に示すとおり、希望商品申請画面2001には、希望商品の商品名、メーカー名、サイズ及び画像データが表示される。また、この希望商品申請画面2001には、希望商品の申請をポイント処理装置1に通知するための申請ボタン2001Aが設けられている。カード会員は、商品名及び画像データ等を参照して希望商品であると判断した場合、端末装置2を操作して申請ボタン2001Aをクリックする。
【0050】
図6に戻り、端末装置2は、申請ボタン2001Aがクリックされた場合、希望商品を申請することを示す申請情報をポイント処理装置1に対して送信する(S108)。このようにして送信された申請情報をポイント処理装置1が受信し(S116)、希望商品受付処理が終了する。
【0051】
(2)交換基本ポイント算出処理
次に、上述した希望商品受付処理が終了した後に所定のタイミングで実行される交換基本ポイント算出処理について説明する。
図9は、本実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置1が実行する交換基本ポイント算出処理の手順を示すフローチャートである。図9に示すとおり、ポイント処理装置1は、希望商品受付処理により受信した申請情報に係る希望商品のJANコード及び/又は商品名を検索キーとして商品情報DB12Aを検索し、当該希望商品の商品情報を商品情報DB12Aから抽出する(S201)。
【0052】
次に、ポイント処理装置1は、抽出した商品情報に含まれているメーカー名、販売価格及び宣言数に対して所定の算出ルールを適用することにより交換基本ポイントを算出する(S202)。この算出ルールとしては、例えば次のようなものが挙げられる。
(a)1円=1ポイント等の所定の換算率に従って販売価格から交換基本ポイントを算出する。
(b)仕入れ価格を低減することができるメーカーの商品の場合、上記(a)にしたがって算出された交換基本ポイントに所定の割引率を乗じる。
(c)宣言数が所定の閾値以上の場合は仕入れ価格を低減することが可能になることがあるため、上記(a)にしたがって算出された交換基本ポイントに所定の割引率を乗じる。
ポイント処理装置1は、上記の換算率、割引率及び閾値等を予め記憶しておき、適宜これらの値を参照することによって交換基本ポイントを算出する。
【0053】
なお、上述したようにしてポイント処理装置1により算出された交換基本ポイントを、例えば人手により修正するようにしてもよい。例えば、ポイント処理装置1によって自動的に算出された交換基本ポイントを担当者が確認し、相場と比べて高すぎる又は低すぎる等と判断した場合に、相場に沿った値となるように当該担当者が交換基本ポイントを修正すること等が想定される。また、ポイント処理装置1以外のコンピュータ又は担当者が、上記の算出ルール(a)乃至(c)等を用いて交換基本ポイントを算出し、その算出した交換基本ポイントをポイント処理装置1に与えることも考えられる。
【0054】
ポイント処理装置1は、上述したようにして算出した交換基本ポイントを、補助記憶装置12の適宜の領域に記憶しておく。ポイント処理装置1は、このようにして記憶した交換基本ポイントを適宜参照しながら、以下で説明する各種の処理を実行する。
【0055】
(3)交換必要ポイント算出処理
次に、上述した交換基本ポイント算出処理が終了した後に所定のタイミングで実行される交換必要ポイント算出処理について説明する。なお、ここでは、この交換必要ポイント算出処理が、上記の交換基本ポイント算出処理に引き続き行われる場合を例として説明する。
【0056】
図10は、本実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置1が実行する交換必要ポイント算出処理の手順を示すフローチャートである。図10に示すとおり、ポイント処理装置1は、会員情報DB12Dを参照することにより、希望商品の申請を行ったカード会員が所有するクレジットカードのカード種別及び過去3年間における引き落とし延滞の有無を判別し(S301)、さらに当該クレジットカードの前年の利用額を特定する(S302)。
【0057】
次に、ポイント処理装置1は、割引情報テーブル12Bを参照した上で、上記ステップS301及びS302の処理結果に基づいて、当該クレジットカードに対して適用されるポイント調整率を特定する(S303)。そして、ポイント処理装置1は、その特定したポイント調整率を上述した交換基本ポイント算出処理により算出された交換基本ポイントに乗ずることによって、第1目標期間の交換必要ポイントを算出する(S304)。
【0058】
次に、ポイント処理装置1は、算出した第1目標期間の交換必要ポイントに対して所定の割引率(例えば1%)を乗じて第2目標期間の交換必要ポイントを算出し、さらにその第2目標期間の交換必要ポイントに対して所定の割引率(例えば1%)を乗じて第3目標期間の交換必要ポイントを算出する(S305)。
【0059】
次に、ポイント処理装置1は、希望商品の申請が行われた時期よりも所定期間(例えば2年)経過した日を第1目標期間の最終日とし、その第1目標期間よりも所定期間(例えば1年)前の日を第2目標期間の最終日とし、さらにその第2目標期間よりも所定期間(例えば6ヶ月)前の日を第3目標期間の最終日とすることにより、第1乃至第3目標期間を設定する(S306)。
【0060】
最後に、ポイント処理装置1は、設定された第1乃至第3目標期間と、それぞれの目標期間毎に算出された交換必要ポイントと、カードID、JANコード及び商品名とから構成される算出ポイント情報を算出ポイント情報DB12Cに登録する(S307)。
【0061】
本実施の形態のように、複数の目標期間を適宜設定することによって、従来のように有効期限の直前にポイント交換の申込が集中して事務手続が一時的に急増する等の事態を回避することができる。
【0062】
(4)ポイント宣言受付処理
次に、上述した交換必要ポイント算出処理により算出された交換必要ポイントの獲得を目指すか否か、すなわちポイント宣言をするか否かをカード会員が決定し、その決定をポイント処理装置1が受け付けるポイント宣言受付処理について説明する。
【0063】
図11は、本実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置1及び端末装置2が実行するポイント宣言受付処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下のポイント宣言受付処理を実行する前に、カードID及びパスワード等を用いた公知のカード会員の認証処理が行われたものとする。
【0064】
カード会員は、端末装置2を操作し、ポイント処理装置1によって算出された交換必要ポイントの確認を行うことを示すポイント確認情報をポイント処理装置1に対して送信するよう端末装置2に指示する。当該指示を受け付けた端末装置2は、図11に示すとおり、ポイント確認情報をポイント処理装置1に対して送信する(S401)。
【0065】
ポイント処理装置1は、端末装置2から送信されたポイント確認情報を受信した場合(S411)、上記の認証処理の際に用いられたカードIDを検索キーとして算出ポイント情報DB12Cを検索する(S412)。ここで検索に失敗した場合、ポイント処理装置1は算出ポイント情報が見つからなかったことを示す情報を端末装置2に対して送信することになる。ここでは、検索に成功したものとして以下説明する。ポイント処理装置1は、検索した算出ポイント情報に含まれている第1乃至第3目標期間及びそれらの目標期間毎に算出された交換必要ポイントと、所定の領域に記憶している交換基本ポイントと、商品情報に含まれる商品名及びメーカー名等の情報並びに当該商品情報に含まれている画像データ記憶位置に記憶されている画像データとを用いて、カード会員がポイント宣言を行うためのポイント宣言受付画面を生成し、そのポイント宣言受付画面を含むポイント宣言受付画面情報を端末装置2に対して送信する(S413)。
【0066】
なお、本実施の形態では、上述したように端末装置2からのリクエストを受けてポイント処理装置1がポイント宣言受付画面情報を端末装置2に対して送信しているが、それ以外の態様でポイント宣言受付画面情報を送信することも可能である。具体的には、例えば、ポイント処理装置1が、会員情報DB12Dに格納されている電子メールアドレス宛にポイント宣言受付画面を含む電子メールを送信するようにしてもよい。
【0067】
端末装置2は、ポイント処理装置1から送信されたポイント宣言受付画面情報を受信した場合(S402)、その受信したポイント宣言受付画面情報に含まれているポイント宣言受付画面を表示装置上に表示する(S403)。
【0068】
図12は、端末装置2の表示装置上に表示されるポイント宣言受付画面の一例を示す図である。図12に示すとおり、ポイント宣言受付画面3001には、希望商品の商品名、メーカー名、サイズ及び画像データが表示される。また、このポイント宣言受付画面3001には、交換基本ポイント、ポイント調整率に基づいて割り引かれた割引ポイント、及びこれら交換基本ポイントと割引ポイントとの小計が表示される。なお、割引ポイントが発生しない場合は、交換基本ポイントのみが表示されることになる。さらに、ポイント宣言受付画面3001には、第1目標期間及び第1目標期間に対して算出された交換必要ポイントを表示するための第1表示欄3001A、第2目標期間及び第2目標期間に対して算出された交換必要ポイントを表示するための第2表示欄3001B、第3目標期間及び第3目標期間に対して算出された交換必要ポイントを表示するための第3表示欄3001Cが設けられている。なお、これらの第1表示欄3001A、第2表示欄3001B及び第3表示欄3001Cは、クリック可能なボタンとして機能する。
【0069】
カード会員は、第1表示欄3001A、第2表示欄3001B及び第3表示欄3001Cを参照し、何れを選択するのか又は何れも選択しないのかを判断する。本実施の形態の場合、目標期間が短い場合は交換必要ポイントが少なくなり、目標期間が長い場合は交換必要ポイントが多くなっている。目標期間が短い場合、カード会員はそれだけ早く希望商品を取得することができるため、カード会員のポイント獲得の意欲を高めることができ、クレジットカードの利用の促進を図ることができる。
【0070】
ポイント宣言受付画面を参照したカード会員は、交換対象の商品を取得するためにどの程度の頻度及び金額でクレジットカードを利用するのかを検討することになる。カード会員は、ポイント処理装置1によって提案されている目標期間及び交換必要ポイントの何れかを選択する(ポイント宣言する)と判断した場合、端末装置2を操作して当該選択に係る表示欄をクリックする。
【0071】
図11に戻り、端末装置2は、第1表示欄3001A、第2表示欄3001B及び第3表示欄3001Cの何れかがクリックされた場合、何れが選択されたのかを示す情報を含むポイント宣言情報をポイント処理装置1に対して送信する(S404)。
【0072】
ポイント処理装置1は、端末装置2から送信されたポイント宣言情報を受信した場合(S414)、受信したポイント宣言情報及び会員情報DB12Dに格納されている会員情報に基づいて、どのクレジットカードに対してポイント宣言がなされたのか並びにそのポイント宣言に係る目標期間及び交換必要ポイントを示すポイント宣言関連情報を生成し、その生成したポイント宣言関連情報をカードシステム3に対して送信する(S416)。これにより、カードシステム3は、特定のクレジットカードについてポイント宣言がされたことを確認することができる。
【0073】
また、ポイント処理装置1は、ポイント宣言に係る商品の商品情報を商品情報DB12Aから抽出し、その商品情報における宣言数を1つ増やすことによって商品情報DB12を更新する(S416)。これにより、ポイント宣言受付処理が終了する。
【0074】
このポイント宣言受付処理の結果、カード会員が希望する商品がポイントの交換対象に設定される。このように、本実施の形態のポイント処理システムによれば、ポイントの交換対象が従来のようにクレジットカード会社によって予め用意された商品に限定されず、広く一般に流通している商品を交換対象とすることができるため、カード会員による選択の幅が拡大することになる。
【0075】
(5)ポイント付与率算出処理
上述したようにしてポイント宣言をしたカード会員に対しては、クレジットカードの利用に対するインセンティブを与える目的で、ポイントの付与率を通常よりも割増することが考えられる。この場合、一律5%増し等のルールを適用したり、割増率を可変にしたりすることが想定される。以下では、割増率を可変にする場合に実行されるポイント付与率算出処理について説明する。
【0076】
図13は、本実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置1が実行するポイント付与率算出処理の手順を示すフローチャートである。図13に示すとおり、ポイント処理装置1は、宣言された交換必要ポイント及び目標期間から1か月当たりの獲得目標ポイント数を算出する(S501)。次に、ポイント処理装置1は、算出した1か月当たりの獲得目標ポイント数に応じてポイント付与率を算出する(S502)。ここでは、1か月当たりの獲得目標ポイント数が多いほどポイント付与率の割増率が高くなるようにする。具体的には、例えば1か月当たりの獲得目標ポイント数が200のカード会員に対しては通常のポイント付与率よりも3%割増、同じく500のカード会員に対しては5%割増、同じく1000のカード会員に対しては10%割増する等が想定される。これにより、ポイント宣言を行ったカード会員に対して、クレジットカードをより短期間により多く利用することを促すことができる。
【0077】
最後に、ポイント処理装置1は、ステップS502にて算出したポイント付与率をカードシステム3に対して送信する(S503)。カードシステム3は、ポイント宣言したカード会員が目標期間中にクレジットカードを利用した場合、通常のポイント付与率ではなく、ポイント処理装置1から受信したポイント付与率を適用するようにする。その場合、カードシステム3は、ポイント宣言したカード会員に対して付与されたポイント数、すなわち当該カード会員が目標期間中に獲得したポイント数をポイント処理装置1に対して送信する。ポイント処理装置1は、このようにしてカードシステム3から通知された獲得ポイント数をカードIDと対応付けて補助記憶装置12の所定の領域に記憶しておき、後述する希望商品表示処理の際に利用する。
【0078】
なお、本実施の形態では上述したポイント付与率算出処理をポイント処理装置1が実行しているが、同様の処理をカードシステム3が実行するようにしてもよい。この場合、上記のステップS503は省略されることになる。
【0079】
(6)希望商品表示処理
上述した各処理を実行した後に端末装置2からポイント処理装置1へのアクセスがなされた場合、ポイント処理装置1は、ポイント宣言後の目標期間におけるポイントの獲得状況等を示す情報を端末装置2へ送信する。このとき、下記の希望商品表示処理が実行されることになる。
【0080】
図14は、本実施の形態のポイント処理システムが備えるポイント処理装置1及び端末装置2が実行する希望商品表示処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の希望商品表示処理を実行する前に、カードID及びパスワード等を用いた公知のカード会員の認証処理が行われたものとする。
【0081】
カード会員は、端末装置2を操作し、自らのクレジットカードの利用状況の確認を希望することを示す利用状況確認情報をポイント処理装置1に対して送信するよう端末装置2に指示する。当該指示を受け付けた端末装置2は、図14に示すとおり、利用状況確認情報をポイント処理装置1に対して送信する(S601)。
【0082】
ポイント処理装置1は、端末装置2から送信された利用状況確認情報を受信した場合(S611)、上記の認証処理の際に用いられたカードIDと対応付けて記憶されている獲得ポイント数を参照する(S612)。次に、ポイント処理装置1は、商品情報に含まれている画像データ記憶位置に記憶されている希望商品の画像データを読み出し、その画像データを獲得ポイント数に応じて修正する(S613)。
【0083】
以下、上記のステップS613における画像データの修正処理の詳細について説明する。ポイント処理装置1は、獲得ポイント数が交換必要ポイントの一部のみの場合は希望商品の一部のみが表示され、獲得ポイント数が交換必要ポイントに到達した場合には希望商品のすべてが表示されるように画像データの修正を行う。具体的には、例えば獲得ポイント数が交換必要ポイントの10%の場合は希望商品の10%程度が表示されるよう画像データを修正する等の処理を実行する。この場合、希望商品の10%程度のみが鮮明に表示されて残りがまったく表示されないように修正したり、希望商品の全体が10%程度の鮮明度で表示されるように修正したりする等の処理が行われる。その他にも、獲得ポイント数が交換必要ポイントに到達するまでは希望商品が白黒で表示され、到達した場合にカラーで表示されるように修正する等、様々な態様があり得る。
【0084】
次に、ポイント処理装置1は、ステップS613により修正された希望商品の画像データ並びに交換必要ポイント及び獲得ポイント数等の情報が含まれた利用状況確認画面を生成し、その利用状況確認画面を含む利用状況確認画面情報を端末装置2に対して送信する(S614)。
【0085】
端末装置2は、ポイント処理装置1から送信された利用状況確認画面情報を受信した場合(S602)、その受信した利用状況確認画面情報に含まれている利用状況確認画面を表示装置上に表示する(S603)。
【0086】
図15は、端末装置2の表示装置上に表示される利用状況確認画面の一例を示す図である。図15に示すとおり、利用状況確認画面4001には、目標期間、交換必要ポイント、獲得ポイント数、商品名、メーカー名、サイズ及び修正された画像データが表示される。この図15に示す例では、画像データ表示欄4001Aに希望商品の一部のみが鮮明に表示されるように修正された画像データが表示されている。
【0087】
上述したように獲得ポイント数に応じて希望商品の画像データを修正した場合、獲得ポイント数が増えるにしたがって希望商品の表示が完全なものに近付いていくことになる。そのため、カード会員が目標の到達に近付いていることを実感することができ、希望商品を取得することの期待度を高めることができる。
【0088】
このように希望商品の画像を修正した上でポイント宣言をしたカード会員に通知する以外にも、例えばクレジットカードの券面又は利用控え(レシート)に希望商品を表示したり、特別な専用のクレジットカードを発行したりすること等によって、カード会員に対してポイント宣言を行っていることを意識させるとともにクレジットカードの利用を促すようにしてもよい。
【0089】
なお、ポイント宣言を行ったカード会員が目標期間内に獲得したポイントが交換必要ポイントに達しなかった場合、それまでに獲得したポイントをすべて没収して慈善団体に寄付したり、それまでに獲得したポイントの例えば30%を没収した上で目標期間の延長を認めたりする等のペナルティを課すようにしてもよい。これにより、ポイント宣言を行ったカード会員に目標期間内の達成を促すことができる。また、ポイント宣言後にそのポイント宣言を撤回したり、希望商品を変更したりする場合についても同様のペナルティを課すことが考えられる。
【0090】
他方、ポイント宣言を行ったカード会員の獲得ポイント数が目標期間よりも早く交換必要ポイントに到達した場合、獲得したポイントの一部を当該カード会員に返還するようにしてもよい。この場合、早く到達すればするほど多くのポイントが返還されるようにすることが考えられる(例えば、目標期間よりも1か月早い場合は交換必要ポイントの5%のポイントを、3か月早い場合は同じく10%のポイントを返還する等)。これにより、当該カード会員がその後もポイント宣言を行うことを促すことがでる。
【0091】
また、同一商品の希望者であって、しかも同時期に目標達成を目指す者が多い場合、上述したようにして算出された交換必要ポイントを減ずる処理を行ってもよい。この場合、カード会員が、当初よりも早期に交換必要ポイントに到達できるとの期待感を持つことになるため、クレジットカードの利用をより一層促進することができる。
【0092】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、目標期間をポイント処理装置1が自動的に設定しているが、目標期間がこれ以外の態様で設定されてもよい。例えば、カード会員が6か月〜3年の間から1か月単位で選ぶことができる等、カード会員が所望の期間を目標期間として設定することができるようにしてもよい。この場合でも、ポイント処理装置1は、上記の実施の形態のとおり、目標期間が短いほど交換必要ポイントが少なくなるように交換必要ポイントの算出を実行する。これにより、クレジットカードの利用を促進することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明のポイント処理装置、ポイント処理システム及びポイント処理方法は、クレジットカードの利用に応じて付与されるポイントを処理するためのポイント処理装置、ポイント処理システム及びポイント処理方法等として有用である。
【符号の説明】
【0094】
1 ポイント処理装置
2 端末装置
3 カードシステム
11 主記憶装置
12 補助記憶装置
12A 商品情報データベース
12B 割引情報テーブル
12C 算出ポイント情報データベース
12D 会員情報データベース
13 入力装置
14 通信インタフェース
15 バス
100 インターネット
101 JANコードフィールド
102 商品名フィールド
103 メーカー名フィールド
104 販売価格フィールド
105 宣言数フィールド
106 画像フィールド
111 カードIDフィールド
112 JANコードフィールド
113 商品名フィールド
114 第1目標期間フィールド
115 第1ポイントフィールド
116 第2目標期間フィールド
117 第2ポイントフィールド
118 第3目標期間フィールド
119 第3ポイントフィールド
1001 希望商品受付画面
2001 希望商品申請画面
3001 ポイント宣言受付画面
4001 利用状況確認画面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して端末装置と通信可能に接続され、クレジットカードの利用に応じてクレジットカード利用者が獲得するポイントの処理を実行するポイント処理装置において、
前記端末装置から、ポイント交換対象の希望商品に関する希望商品情報を受信する希望商品情報受信手段と、
前記希望商品情報受信手段によって受信された希望商品情報により特定される希望商品と交換するために必要となる交換ポイントを算出する交換ポイント算出手段と、
前記交換ポイント算出手段によって算出された交換ポイントに関する交換ポイント情報を前記端末装置に対して送信する交換ポイント情報送信手段と
を備えることを特徴とする、ポイント処理装置。
【請求項2】
前記交換ポイント算出手段が、前記交換ポイントを獲得するまでの目標期間を複数設定し、当該複数の目標期間毎に前記交換ポイントを算出するように構成されている、請求項1に記載のポイント処理装置。
【請求項3】
前記交換ポイント算出手段が、前記目標期間が短いほど前記交換ポイントが少なくなるように前記交換ポイントを算出すべく構成されている、請求項2に記載のポイント処理装置。
【請求項4】
前記交換ポイント算出手段によって算出された交換ポイント及び前記目標期間に応じて、クレジットカードの利用によりクレジットカード利用者に付与されるポイント付与率を変更するポイント付与率変更手段を更に備える、請求項2又は3に記載のポイント処理装置。
【請求項5】
通信ネットワークに接続されている外部装置に記憶されている商品の価格に関する商品価格情報を、当該通信ネットワークを介して収集する商品価格情報収集手段と、
前記商品価格情報収集手段によって収集された商品価格情報を蓄積した商品価格情報データベースと
を更に備え、
前記交換ポイント算出手段が、前記希望商品情報により特定される希望商品に係る商品価格情報を前記商品価格情報データベースから抽出し、抽出した商品価格情報に示されている商品の価格に基づいて前記交換ポイントを算出するように構成されている、請求項1乃至4の何れかに記載のポイント処理装置。
【請求項6】
前記交換ポイント算出手段が、過去のクレジットカード利用額に応じて定められた割引条件に基づいて前記交換ポイントを算出するように構成されている、請求項1乃至5の何れかに記載のポイント処理装置。
【請求項7】
前記希望商品を示す画像情報を前記端末装置に対して送信する画像情報送信手段と、
前記交換ポイント算出手段によって算出された交換ポイントの獲得状況に応じて前記希望商品の表示が変化するように、前記画像情報送信手段によって送信される画像情報を修正する画像情報修正手段と
を更に備える、請求項1乃至6の何れかに記載のポイント処理装置。
【請求項8】
前記画像情報修正手段が、前記交換ポイントの獲得状況に応じて前記希望商品の一部が非表示となるように、前記画像情報送信手段によって送信される画像情報を修正すべく構成されている、請求項7に記載のポイント処理装置。
【請求項9】
通信ネットワークを介して通信可能に接続される端末装置とクレジットカードの利用に応じてクレジットカード利用者が獲得するポイントの処理を実行するポイント処理装置とを備えるポイント処理システムにおいて、
前記端末装置が、
ポイント交換対象の希望商品に関する希望商品情報を前記ポイント処理装置に対して送信する希望商品情報送信手段
を具備し、
前記ポイント処理装置が、
前記端末装置から前記希望商品情報を受信する希望商品情報受信手段と、
前記希望商品情報受信手段によって受信された希望商品情報により特定される希望商品と交換するために必要となる交換ポイントを算出する交換ポイント算出手段と、
前記交換ポイント算出手段によって算出された交換ポイントに関する交換ポイント情報を前記端末装置に対して送信する交換ポイント情報送信手段と
を具備し、
前記端末装置が更に、
前記ポイント処理装置から前記交換ポイント情報を受信する交換ポイント情報受信手段と、
前記交換ポイント情報受信手段によって受信された交換ポイント情報を表示する交換ポイント情報表示手段と
を具備することを特徴とする、ポイント処理システム。
【請求項10】
前記端末装置が、
前記交換ポイント情報に係る交換ポイントを承諾するか否かを示す承諾情報の入力を受け付ける承諾情報受付手段と、
前記承諾情報受付手段によって入力が受け付けられた承諾情報を前記ポイント処理装置に対して送信する承諾情報送信手段と
を更に備え、
前記ポイント処理装置が、
前記端末装置から前記承諾情報を受信する承諾情報受信手段
を更に備える、請求項9に記載のポイント処理システム。
【請求項11】
通信ネットワークを介して端末装置と通信可能に接続され、クレジットカードの利用に応じてクレジットカード利用者が獲得するポイントの処理を実行するコンピュータが、前記端末装置から、ポイント交換対象の希望商品に関する希望商品情報を受信するステップと、
前記コンピュータが、受信した前記希望商品情報により特定される希望商品と交換するために必要となる交換ポイントを算出するステップと、
前記コンピュータが、算出した前記交換ポイントに関する交換ポイント情報を前記端末装置に対して送信するステップと
を有する、ポイント処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−83885(P2012−83885A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228439(P2010−228439)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)