ポケットティッシュとその製造方法
【課題】袋から取り出して直ぐに使用できるだけでなく、袋から取り出した状態で既に適度な大きさと厚みとをもった使用感に優れたティッシが得られるポケットティッシュを提供する。
【解決手段】ティッシュペーパー7を積層してなる長方形のティッシュ3の長手方向の寸法L1を120〜300mm、短手方向の寸法L2を60〜150mm(ただし、L2<L1)とし、その目付け量を32〜100g/m2 に設定する。そして、各ティッシュ3を、その短辺と平行な方向の折り目8・9・10・11にのみ沿って折り畳み、その折り目8・9・10・11の方向とティッシュ取出口5の方向とが平行となる状態で、袋2内に収納する。
【解決手段】ティッシュペーパー7を積層してなる長方形のティッシュ3の長手方向の寸法L1を120〜300mm、短手方向の寸法L2を60〜150mm(ただし、L2<L1)とし、その目付け量を32〜100g/m2 に設定する。そして、各ティッシュ3を、その短辺と平行な方向の折り目8・9・10・11にのみ沿って折り畳み、その折り目8・9・10・11の方向とティッシュ取出口5の方向とが平行となる状態で、袋2内に収納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平な袋内にティッシュペーパーを折り畳んだ状態で収納したポケットティッシュとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポケットティッシュは、例えば特許文献1に記載されているように公知である。そこには、長方形の扁平な袋内に複数枚のティッシュペーパーを折り畳んだ状態で収容し、その袋の一方の面にティッシュペーパーの取り出し口となる破線切込部(ミシン目)を設けたポケットティッシュが記載されている。
【0003】
このようなポケットティッシュにおけるティッシュ(通常は薄いティッシュペーパーを2枚重ねにしたもの)は、所定の状態に折り畳まれたうえで袋内に収納されるのが通例であるが、その場合の折り畳み形態としては、図11および図12に示すような形態が一般的である。すなわち、図11に示すような長方形のティッシュ3’を、その短手方向に延びる左右一対の折り目8’・9’およびその外側に位置する左右一対の折り目10’・11’に沿って、左右で逆方向に順次折り畳み、これをその長手方向に延びる短手方向中央部の折り目15’に沿って折り畳むことによって、最終的には図12に示すように短手方向および長手方向のいずれの方向にも折り畳んだ形態としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−49326号公報(図11、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなポケットティッシュによると、袋内に収納されているティッシュが短手方向および長手方向のいずれの方向にも折られて複雑な折り畳み形態となっているため、袋内からティッシュを取り出した状態のままでは使用面積が小さく、使いづらい。そのため、袋から取り出したティッシュを広げたうえで、例えば二つ折りや四つ折りにして使用する場合があるが、このようにティッシュを一端広げて再度折り直すのは面倒であるという問題があった。
【0006】
この場合、ティッシュを広げたままで使用することも考えられるが、袋から取り出される一回分のティッシュでは広げたときの厚みが比較的薄いために、使用中に穴が開くことがあった。また、ティッシュの半分側だけ或いは一部分だけを広げて使用する場合もあるが、そのような態様もしくは形態では使用しづらいだけでなく、ティッシュの一部分しか使用しないために、結果的に未使用部分を多く残したまま捨ててしまう場合も多かった。
【0007】
本発明は、上記のような問題に対処するもので、袋から取り出して直ぐに使用できるだけでなく、袋から取り出した状態で既に適度な大きさと厚みと使いやすい形状と方向性とをもった使用感に優れたティッシュが得られるポケットティッシュを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、図1〜図4に示すように、ティッシュペーパー7を積層してなる長方形のティッシュ3と、この長方形のティッシュ3が所定の形態に折り畳まれて複数組重ねられた状態で収納される長方形または正方形の扁平な袋2と、ティッシュ3を取り出すために袋2の少なくとも一方の面側のほぼ中央部に設けられて当該袋の一辺の方向と平行な方向に延びるティッシュ取出口5とを具備するポケットティッシュ1において、次のように構成したことを特徴とする。
【0009】
すなわち、前記ティッシュペーパー7を積層してなる長方形のティッシュ3の長手方向(x−x’方向)の寸法L1を120〜300mm、短手方向(y−y’方向)の寸法L2を60〜150mmとし、その目付け量を32〜100g/m2 に設定する。そして、各ティッシュ3を、その短辺3bと平行な方向の折り目8・9・10・11にのみ沿って折り畳み、その折り目8・9・10・11の方向とティッシュ取出口5の方向とが平行となる状態で、袋2内に収納する。ここで、上記のL1とL2については、L1>L2を満たすように設定する。例えば、L1=120mmとした場合には、L2<120mmに設定する。また、携帯性と使用性(使用のしやすさ)の両方を考慮すると、L1=140〜220mm、L2=70〜130mmの範囲とするのが好ましい。
【0010】
具体的には、各ティッシュ3は、その長手方向(x−x’方向)において、それぞれ、両側部分をまず短手方向に延びる左右一対の第1の折り目8・9でそれぞれ内側に折り、次いで当該折られた部分の端部側を同じく短手方向に延びる左右一対の第2の折り目10・11でそれぞれ外側に向けて更に折った状態で、袋2内に収納することができる。その場合、左右一対の第2の折り目10・11間に0.5〜10mmの隙間12を設け、この隙間12をティッシュ取出口5に対応位置させるのが望ましい。
【0011】
長方形のティッシュ3は、同形のティシュペーパー7を複数枚(例えば4枚)積層したものでもよいし、当該ティッシュ3と短手方向の寸法が同じで長手方向の寸法が当該ティッシュの長手方向の寸法の2倍または4倍であるティッシュペーパーを、その長手方向中央部で短手方向に沿って半分(2分の1)に折るか、または同様にして更に半分(4分の1)に折ることによって形成したものでもよい。また、ティッシュ3は、通常のドライタイプのティッシュでもよいし、グリセリンや保湿剤等を含浸させていわゆるしっとり感をもたせたウエットタイプのティッシュでもよい。
【0012】
本発明のポケットティッシュ1は、ティッシュペーパーの原反ロールからティッシュペーパー(ウェブ)を引き出して一方向に搬送しながら所定の加工を施すことによって製造することができる。
【0013】
具体的には、図7に示すように、機械生産流れ方向(MD方向)と直交する幅方向(CD方向)の寸法が120〜300mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール51を使用し、この原反ロール51から引き出された積層状態のティッシュペーパー52を機械生産流れ方向に沿って折り畳む工程(折り畳み工程)61と、この折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー52をその機械生産流れ方向の長さ寸法が60〜150mmとなるように切断して折り畳み状態のティッシュ53を形成する工程62と、形成された折り畳み状態のティッシュ53を複数組重ねる工程63と、この重ねられた複数組のティッシュ53を、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋54内に収納した状態にする工程64とからなる方法によって製造することができる。
【0014】
ここで、上記の幅方向(CD方向)の寸法と機械生産流れ方向(MD方向)の寸法については、先に述べたティッシュ3(図2参照)の長手方向(x−x’方向)の寸法L1と短手方向(y−y’方向)の寸法L2との関係と同様、前者が後者よりも大となるように設定する。下記の場合も同様である。
【0015】
また、図8に示すように、機械生産流れ方向(MD方向)と直交する幅方向(CD方向)の寸法が120〜300mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール51を複数個使用し、各原反ロール51から引き出された積層状態のティッシュペーパー52を機械生産流れ方向に沿ってそれぞれ折り畳む工程(折り畳み工程)61と、これらの折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー52を、これらが順次重なるように同一の方向に搬送しながら、その機械生産流れ方向(MD方向)の長さ寸法が60〜150mmとなるように切断することにより、折り畳み状態のティッシュ53を複数組重ねた状態で形成する工程62と、この重ねられた複数組のティッシュ53を、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋54内に収納した状態にする工程64とからなる方法によっても製造することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のポケットティッシュ1によれば、各ティッシュ3がその短辺3bと平行な方向の折り目8・9・10・11にのみ沿って折り畳まれており、その折り目の方向8・9・10・11とティッシュ取出口5の方向とが平行となる状態で袋2内に収納されているので、図5および図6に示すように、ティッシュ取出口5から袋2内に指を入れて、最上部に位置するティッシュ部分をつまんで外部に引き出したときに、当該ティッシュ3はその折り畳み状態が解除される方向(折り目8・9・10・11と直交するティッシュ長手方向(x−x’方向))に引き出されることとなる。その結果、ティッシュ3は袋2外に取り出されたときにはすでにその略全体が広げられた状態になっており、長手方向の寸法L1が120〜300mmで短手方向の寸法L2が60〜150mm(ただし、L2<L1)である長方形、またはこれに近い状態(指で掴んでいる部分のみが折り畳まれたまま残っている状態)となっている。
【0017】
このようなティッシュ3の大きさは、例えば鼻をかんだりするのに丁度良い大きさであると言える。その場合、袋2から引き出したときにその引き出した方向に長い長方形、つまり横長の形状となっているので、まずその横長状態のまま使用して鼻をかみ、次いでその長手方向(x−x’方向)の中央部で2つ折りにして更に鼻をかむというような使い方ができる。しかも、鼻を中心として顔面の横方向の比較的広い範囲を横長のティッシュ3で覆うことができるから、使用者は安心して鼻をかむことができる。
【0018】
こうして本発明のポケットティッシュ1によれば、袋2から取り出すだけで、すでに使用しやすい大きさと形状と方向性とを具備しているから、袋2から取り出したティッシュ3を使用前に広げたりさらには2つ折りや4つ折りにしたりしないでも、袋2から取り出した状態のまま直ぐに使用することができる。
【0019】
また、この場合、各ティッシュ3は、ティッシュペーパー7を積層した構成で、その目付け量が32〜100g/m2 に設定されていることにより、使用中の穴開きを回避できる適度な厚みと、良好な手触り感・使用感とを備えたものとなっている。
【0020】
各ティッシュ3が、その長手方向(x−x’方向)において、それぞれ、両側部分がまず左右一対の第1の折り目8・9でそれぞれ内側に折られ、次いで当該折られた部分の端部側がさらに左右一対の第2の折り目10・11でそれぞれ外側に向けて折られた状態で、袋内に収納された構成とした場合には、袋2のティッシュ取出口5を挟む両側部分をこれと直交する方向に親指等で押し広げたときに、その部分から最上部にあるティッシュ3の長手方向(x−x’方向)の両端部分を掴んで外部に引き出しやすくなるだけでなく、引き出す際に折り畳み状態がスムーズに解除されることとなる。
【0021】
このとき、左右一対の第2の折り目10・11間に0.5〜10mmの隙間12を設けて、この隙間12をティッシュ取出口5に対応位置させておくと、ティッシュ取出口5から前記ティッシュ3の両端部分を掴みやすくなるから、ティッシュ3の取り出しが一層容易に行えることとなる。
【0022】
図9に示すように、長方形のティッシュ3を、これと短手方向(y−y’方向)の寸法が同じで長手方向(x−x’方向)の寸法が当該ティッシュ3の長手方向(x−x’方向)の寸法の2倍または4倍であるティッシュペーパー7を、その長手方向中央部で短手方向に沿って半分(2分の1)に折るか、または同様にして更に半分(4分の1)に折ることによって形成する構成とした場合には、所定幅の帯状のティッシュペーパー素材(ウェブ)をその長手方向に沿って折っていくだけで、所定のティッシュとするためのティッシュペーパーの積層体を得ることができる。
【0023】
一方、本発明のポケットティッシュの製造方法によれば、図7または図8に示すように、ティッシュペーパーの原反ロール51からティッシュペーパー(ウェブ)52を引き出して一方向に搬送しながら所定の加工を施すことによってポケットティッシュを製造するに当たり、ティッシュペーパー52を折り畳む工程としては、その流れ方向(MD方向)に折り畳む工程62のみを含んでおり、これと直交する幅方向(CD方向)に折り畳む工程を含んでいないので、その分だけ効率よくポケットティッシュを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例に係るポケットティッシュの斜視図である。
【図2】ティッシュを展開した状態(広げた状態)で示す斜視図である。
【図3】ティッシュの折り畳み形態を説明すたるために使用した図である。
【図4】ポケットティッシュの部分断面図である。
【図5】ポケットティッシュの使用状態を示す図である。
【図6】ポケットティッシュの袋からティッシュを取り出しときの状態を示す図である。
【図7】本発明のポケットティッシュの製造方法の一例を示す工程図である。
【図8】本発明のポケットティッシュの製造方法の他の例を示す工程図である。
【図9】ティッシュの他の構成例を示す斜視図である。
【図10】ティッシュの折り畳み形態の各例を示す断面図である。
【図11】従来のポケットティッシュにおけるティッシュの折り畳み前の状態を示す斜視図である。
【図12】従来のポケットティッシュにおけるティッシュの折り畳み後の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係るポケットティッシュ1の外観を示すものである。同図に示すように、このポケットティッシュ1は、長方形の扁平な袋2内に、これと略相似形で且つ僅かに小さい長方形のティッシュ3を複数組(図示例では5組)重ねた状態で収納した構成である。
【0026】
袋2は、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等の熱融着可能な可撓性素材で形成されている。具体的には、前記複数組のティッシュ3をその長手方向から包むように可撓性素材を筒状に形成して、ティッシュ3の短辺の外側に位置する可撓性素材の重合部分4・4を熱融着(ヒートシール)して封止した構成である。
【0027】
袋2の表面側には、ティッシュ3を取り出すためのティッシュ取出口5(図5および図6参照)となるミシン目6が形成されている。このミシン目6は、袋2の短手方向(図1においてX−X’方向)の中央部において長手方向(図1においてY−Y’方向)に延びるように形成されており、このミシン目6を開裂させることで図5や図6に示すようにティッシュ取出口5が形成されるようになっている。
【0028】
袋2内に複数組重ねた状態で収納されている長方形のティッシュ3は、図2に示すように、この実施例では、同形の4枚のティッシュペーパー7を積層した構成である。各ティッシュ3は、本発明では、その長手方向(x−x’方向)の寸法(長辺3aの長さ)L1が120〜300mmで、短手方向(y−y’方向)の寸法(短辺3bの長さ)L2が60〜150mm(ただし、L2<L1とする)であり、その目付け量(W)が32〜100g/m2 の範囲に設定される。この実施例では、L1=200mm、L2=110mm、W=50g/m2 (1枚のティッシュペーパー7の目付け量が12.5g/m2 )である。
【0029】
そして、これらのティッシュ3が、本発明では、その短辺3bと平行な方向の折り目8・9・10・11にのみ沿って折り畳まれており、これらの折り目8・9・10・11の方向と前記ティッシュ取出口5(ミシン目6)の方向とが平行となる状態で、袋2内に収納されている。
【0030】
すなわち、この実施例における各ティッシュ3は、図3の(a)〜(c)に示すように、その長手方向(x−x’方向)において、両側部分をまず左右一対の第1の折り目8・9でそれぞれ内側に折り、次いで当該折った部分の端部側をさらに左右一対の第2の折り目10・11でそれぞれ外側に向けて折り畳んだ状態で、袋2内に収納されている。この場合において、左右一対の第2の折り目10・11間には、図4に示すように隙間12が設けられている。この隙間12は、袋2のティッシュ取出口5(ミシン目6)に対応位置している。隙間12の寸法Sは、本発明では0.5〜10mmの範囲に設定されている。この実施例では、S=2mmとされている。
【0031】
上記のように構成されたポケットティッシュ1を使用するに当たっては、まず袋2の表面側に形成されているミシン目6を開裂させてティッシュ取出口5とする。そのうえで、図5に示すように、ティッシュ取出口5から袋2内に指を挿入して最上部にあるティッシュ3の折り畳み部分を摘んで外部に引き出す。このとき、最上部に位置するティッシュ3の左右一対の第2の折り目10・11間には隙間12が設けられており、この隙間12が袋2のティッシュ取出口5(ミシン目6)の内側に対応位置しているから、この隙間12を利用して当該ティッシュ3の第2の折り目10(または11)の近傍部分を指で容易に掴むことができる。
【0032】
また、ティッシュ3はその短辺3aと平行な方向の第1および第2の各折り目8〜11にのみ沿って折り畳まれており、これらの折り目8〜11の方向とティッシュ取出口5の方向とが平行となる状態で袋2内に収納されているので、上記のようにして最上部にあるティッシュ3の折り畳み部分を摘んで外部に引き出すと、当該ティッシュ3はその折り畳み状態が解除される方向、つまり折り目8〜11と直交する長手方向(x−x’方向)に引き出されることとなる。このため、ティッシュ3はティッシュ取出口5から袋2外に引き出される過程で折り畳み状態が順次解除されていき、図6に示すように、外部に完全に引き出されたときには既にその略全体が展開した状態(広げられた状態)となっている。したがって、使用者は、袋2内に収納されているティッシュ3をティッシュ取出口5から外部に引き出すだけで、適度なサイズおよび形状を有するティッシュ3を使用しやすい横長形状の状態で直ぐに使用できる。言い換えると、従来のポケットティッシュのように袋から取り出した折り畳み状態のティッシュを使用前に広げたり、さらに使用しやすいサイズとするために2つ折りあるいは4つ折りにしたりするといった手間を省くことができる。
【0033】
こうして本発明のポケットティッシュ1によれば、袋2から取り出すだけで、すでに使用しやすい大きさと形状と方向性とを具備しているから、袋2から取り出した長方形のティッシュ3を使用前に広げたりさらには2つ折りや4つ折りにしたりしないでも、袋2から取り出した状態で直ぐに使用できるだけでなく、心理的には安心感のある横長状態のまま使用することができる。
【0034】
しかも、各ティッシュ3は、4枚のティッシュペーパー7を積層した構成で、各ティッシュ3の目付け量が50g/m2 に設定されているので、使用中の穴開きが生じにくい適度な厚みと、良好な手触り感とを備えたものとなっている。したがって、使用者は袋から取り出したティッシュ3を快適に使用できる。
【0035】
なお、図5や図6に示した例では、ティッシュ3における一方の第2の折り目11の両側部分を指で掴んでいるために、その部分のみが折り畳まれた状態のまま残っているが、ティッシュ3の長手方向(x−x’方向)の端部3c側を指で掴めば、ティッシュ3の引き出し時に全ての折り畳み状態が解除されるようになる。
【0036】
上記のようなポケットティッシュ1は、ティッシュペーパーの原反ロールからティッシュペーパー(ウェブ)を引き出して一方向に搬送しながら所定の加工を施すことによって製造することができる。
【0037】
具体的には、例えば図7に示すように、機械生産流れ方向(MD方向)と直交する幅方向(CD方向)の寸法が200mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール51を使用し、この原反ロール51から引き出された積層状態のティッシュペーパー52を機械生産流れ方向に沿って折り畳む工程(折り畳み工程)61と、この折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー52をその機械生産流れ方向の長さ寸法が110mmとなるように切断して折り畳み状態のティッシュ53を形成する工程62と、形成された折り畳み状態のティッシュ53を複数組重ねる工程63と、この重ねられた複数組のティッシュ53を、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋54内に収納した状態にする工程64とからなる方法によって製造することができる。
【0038】
また、例えば図8に示すように、機械生産流れ方向(MD方向)と直交する幅方向(CD方向)の寸法が200mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール51を複数個使用し、各原反ロール51から引き出された積層状態のティッシュペーパー52を機械生産流れ方向に沿ってそれぞれ折り畳む工程(折り畳み工程)61と、これらの折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー52を、これらが順次重なるように同一の方向に搬送しながら、その機械生産流れ方向の長さ寸法が110mmとなるように切断することにより、折り畳み状態のティッシュ53を複数組重ねた状態で形成する工程62と、この重ねられた複数組のティッシュを、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋54内に収納した状態にする工程64とからなる方法によっても製造することができる。
【0039】
これらの製造方法においては、ティッシュペーパー52を折り畳む工程として、その機械生産流れ方向(MD方向)に折り畳む工程のみを含んでおり、これと直交する幅方向(CD方向)に折り畳む工程を含んでいないので、その分だけ効率よくポケットティッシュを製造することができる。
【0040】
(他の実施例)
図9に、長方形のティッシュ3の他の構成例を示す。このティッシュ3は、これと短手方向(y−y’方向)の寸法が同じで長手方向(x−x’方向)の寸法が当該ティッシュ3の長手方向の寸法の2倍であるティッシュペーパー7を2枚重ねとし、その長手方向中央部3dで短手方向に沿って半分(2分の1)に折って所定の長方形としたものである。
【0041】
図10の(a)〜(e)は、ティッシュ3の他の折り畳み形態例をそれぞれ示す。このうち、(a)に示すティッシュ3は、その長手方向の両側をまず左右の折り目81・91で裏表逆向きに折り、次いで表側(上部側)および裏側(下部側)にそれぞれ位置する部分を折り目111、101で外側に折り畳んだ構成である。
【0042】
同図の(b)に示すティッシュ3は、その長手方向の両側を、その端部が対向するように左右の折り目82・92で表側に折り畳んだものである。同図の(c)に示すティッシュ3は、その長手方向の両側を、左右の折り目83・93で一方は表側に、他方は裏側にそれぞれ折り畳んだものである。同図の(d)に示すティッシュ3は、折り目84・94でつづら折りにして三層としたもので、下部側は中間部と完全に完全に重なり、上部側は中間部と長手方向において略半分だけ重なるようにしたものである。同図の(e)に示すティッシュ3は、長手方向の一方の端部側を、当該端部が表側の略中央部に位置するように折り目95で折り畳んだものである。
【符号の説明】
【0043】
1 ポケットティッシュ
2 袋
3 ティッシュ
7 ティッシュペーパー
5 ティッシュ取出口
8・9 第1の折り目
10・11 第2の折り目
81〜84、91〜94 折り目
X−X’ 袋の長手方向
Y−Y’ 袋の短手方向
x−x’ ティッシュの長手方向
y−y’ ティッシュの短手方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平な袋内にティッシュペーパーを折り畳んだ状態で収納したポケットティッシュとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポケットティッシュは、例えば特許文献1に記載されているように公知である。そこには、長方形の扁平な袋内に複数枚のティッシュペーパーを折り畳んだ状態で収容し、その袋の一方の面にティッシュペーパーの取り出し口となる破線切込部(ミシン目)を設けたポケットティッシュが記載されている。
【0003】
このようなポケットティッシュにおけるティッシュ(通常は薄いティッシュペーパーを2枚重ねにしたもの)は、所定の状態に折り畳まれたうえで袋内に収納されるのが通例であるが、その場合の折り畳み形態としては、図11および図12に示すような形態が一般的である。すなわち、図11に示すような長方形のティッシュ3’を、その短手方向に延びる左右一対の折り目8’・9’およびその外側に位置する左右一対の折り目10’・11’に沿って、左右で逆方向に順次折り畳み、これをその長手方向に延びる短手方向中央部の折り目15’に沿って折り畳むことによって、最終的には図12に示すように短手方向および長手方向のいずれの方向にも折り畳んだ形態としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−49326号公報(図11、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなポケットティッシュによると、袋内に収納されているティッシュが短手方向および長手方向のいずれの方向にも折られて複雑な折り畳み形態となっているため、袋内からティッシュを取り出した状態のままでは使用面積が小さく、使いづらい。そのため、袋から取り出したティッシュを広げたうえで、例えば二つ折りや四つ折りにして使用する場合があるが、このようにティッシュを一端広げて再度折り直すのは面倒であるという問題があった。
【0006】
この場合、ティッシュを広げたままで使用することも考えられるが、袋から取り出される一回分のティッシュでは広げたときの厚みが比較的薄いために、使用中に穴が開くことがあった。また、ティッシュの半分側だけ或いは一部分だけを広げて使用する場合もあるが、そのような態様もしくは形態では使用しづらいだけでなく、ティッシュの一部分しか使用しないために、結果的に未使用部分を多く残したまま捨ててしまう場合も多かった。
【0007】
本発明は、上記のような問題に対処するもので、袋から取り出して直ぐに使用できるだけでなく、袋から取り出した状態で既に適度な大きさと厚みと使いやすい形状と方向性とをもった使用感に優れたティッシュが得られるポケットティッシュを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、図1〜図4に示すように、ティッシュペーパー7を積層してなる長方形のティッシュ3と、この長方形のティッシュ3が所定の形態に折り畳まれて複数組重ねられた状態で収納される長方形または正方形の扁平な袋2と、ティッシュ3を取り出すために袋2の少なくとも一方の面側のほぼ中央部に設けられて当該袋の一辺の方向と平行な方向に延びるティッシュ取出口5とを具備するポケットティッシュ1において、次のように構成したことを特徴とする。
【0009】
すなわち、前記ティッシュペーパー7を積層してなる長方形のティッシュ3の長手方向(x−x’方向)の寸法L1を120〜300mm、短手方向(y−y’方向)の寸法L2を60〜150mmとし、その目付け量を32〜100g/m2 に設定する。そして、各ティッシュ3を、その短辺3bと平行な方向の折り目8・9・10・11にのみ沿って折り畳み、その折り目8・9・10・11の方向とティッシュ取出口5の方向とが平行となる状態で、袋2内に収納する。ここで、上記のL1とL2については、L1>L2を満たすように設定する。例えば、L1=120mmとした場合には、L2<120mmに設定する。また、携帯性と使用性(使用のしやすさ)の両方を考慮すると、L1=140〜220mm、L2=70〜130mmの範囲とするのが好ましい。
【0010】
具体的には、各ティッシュ3は、その長手方向(x−x’方向)において、それぞれ、両側部分をまず短手方向に延びる左右一対の第1の折り目8・9でそれぞれ内側に折り、次いで当該折られた部分の端部側を同じく短手方向に延びる左右一対の第2の折り目10・11でそれぞれ外側に向けて更に折った状態で、袋2内に収納することができる。その場合、左右一対の第2の折り目10・11間に0.5〜10mmの隙間12を設け、この隙間12をティッシュ取出口5に対応位置させるのが望ましい。
【0011】
長方形のティッシュ3は、同形のティシュペーパー7を複数枚(例えば4枚)積層したものでもよいし、当該ティッシュ3と短手方向の寸法が同じで長手方向の寸法が当該ティッシュの長手方向の寸法の2倍または4倍であるティッシュペーパーを、その長手方向中央部で短手方向に沿って半分(2分の1)に折るか、または同様にして更に半分(4分の1)に折ることによって形成したものでもよい。また、ティッシュ3は、通常のドライタイプのティッシュでもよいし、グリセリンや保湿剤等を含浸させていわゆるしっとり感をもたせたウエットタイプのティッシュでもよい。
【0012】
本発明のポケットティッシュ1は、ティッシュペーパーの原反ロールからティッシュペーパー(ウェブ)を引き出して一方向に搬送しながら所定の加工を施すことによって製造することができる。
【0013】
具体的には、図7に示すように、機械生産流れ方向(MD方向)と直交する幅方向(CD方向)の寸法が120〜300mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール51を使用し、この原反ロール51から引き出された積層状態のティッシュペーパー52を機械生産流れ方向に沿って折り畳む工程(折り畳み工程)61と、この折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー52をその機械生産流れ方向の長さ寸法が60〜150mmとなるように切断して折り畳み状態のティッシュ53を形成する工程62と、形成された折り畳み状態のティッシュ53を複数組重ねる工程63と、この重ねられた複数組のティッシュ53を、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋54内に収納した状態にする工程64とからなる方法によって製造することができる。
【0014】
ここで、上記の幅方向(CD方向)の寸法と機械生産流れ方向(MD方向)の寸法については、先に述べたティッシュ3(図2参照)の長手方向(x−x’方向)の寸法L1と短手方向(y−y’方向)の寸法L2との関係と同様、前者が後者よりも大となるように設定する。下記の場合も同様である。
【0015】
また、図8に示すように、機械生産流れ方向(MD方向)と直交する幅方向(CD方向)の寸法が120〜300mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール51を複数個使用し、各原反ロール51から引き出された積層状態のティッシュペーパー52を機械生産流れ方向に沿ってそれぞれ折り畳む工程(折り畳み工程)61と、これらの折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー52を、これらが順次重なるように同一の方向に搬送しながら、その機械生産流れ方向(MD方向)の長さ寸法が60〜150mmとなるように切断することにより、折り畳み状態のティッシュ53を複数組重ねた状態で形成する工程62と、この重ねられた複数組のティッシュ53を、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋54内に収納した状態にする工程64とからなる方法によっても製造することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のポケットティッシュ1によれば、各ティッシュ3がその短辺3bと平行な方向の折り目8・9・10・11にのみ沿って折り畳まれており、その折り目の方向8・9・10・11とティッシュ取出口5の方向とが平行となる状態で袋2内に収納されているので、図5および図6に示すように、ティッシュ取出口5から袋2内に指を入れて、最上部に位置するティッシュ部分をつまんで外部に引き出したときに、当該ティッシュ3はその折り畳み状態が解除される方向(折り目8・9・10・11と直交するティッシュ長手方向(x−x’方向))に引き出されることとなる。その結果、ティッシュ3は袋2外に取り出されたときにはすでにその略全体が広げられた状態になっており、長手方向の寸法L1が120〜300mmで短手方向の寸法L2が60〜150mm(ただし、L2<L1)である長方形、またはこれに近い状態(指で掴んでいる部分のみが折り畳まれたまま残っている状態)となっている。
【0017】
このようなティッシュ3の大きさは、例えば鼻をかんだりするのに丁度良い大きさであると言える。その場合、袋2から引き出したときにその引き出した方向に長い長方形、つまり横長の形状となっているので、まずその横長状態のまま使用して鼻をかみ、次いでその長手方向(x−x’方向)の中央部で2つ折りにして更に鼻をかむというような使い方ができる。しかも、鼻を中心として顔面の横方向の比較的広い範囲を横長のティッシュ3で覆うことができるから、使用者は安心して鼻をかむことができる。
【0018】
こうして本発明のポケットティッシュ1によれば、袋2から取り出すだけで、すでに使用しやすい大きさと形状と方向性とを具備しているから、袋2から取り出したティッシュ3を使用前に広げたりさらには2つ折りや4つ折りにしたりしないでも、袋2から取り出した状態のまま直ぐに使用することができる。
【0019】
また、この場合、各ティッシュ3は、ティッシュペーパー7を積層した構成で、その目付け量が32〜100g/m2 に設定されていることにより、使用中の穴開きを回避できる適度な厚みと、良好な手触り感・使用感とを備えたものとなっている。
【0020】
各ティッシュ3が、その長手方向(x−x’方向)において、それぞれ、両側部分がまず左右一対の第1の折り目8・9でそれぞれ内側に折られ、次いで当該折られた部分の端部側がさらに左右一対の第2の折り目10・11でそれぞれ外側に向けて折られた状態で、袋内に収納された構成とした場合には、袋2のティッシュ取出口5を挟む両側部分をこれと直交する方向に親指等で押し広げたときに、その部分から最上部にあるティッシュ3の長手方向(x−x’方向)の両端部分を掴んで外部に引き出しやすくなるだけでなく、引き出す際に折り畳み状態がスムーズに解除されることとなる。
【0021】
このとき、左右一対の第2の折り目10・11間に0.5〜10mmの隙間12を設けて、この隙間12をティッシュ取出口5に対応位置させておくと、ティッシュ取出口5から前記ティッシュ3の両端部分を掴みやすくなるから、ティッシュ3の取り出しが一層容易に行えることとなる。
【0022】
図9に示すように、長方形のティッシュ3を、これと短手方向(y−y’方向)の寸法が同じで長手方向(x−x’方向)の寸法が当該ティッシュ3の長手方向(x−x’方向)の寸法の2倍または4倍であるティッシュペーパー7を、その長手方向中央部で短手方向に沿って半分(2分の1)に折るか、または同様にして更に半分(4分の1)に折ることによって形成する構成とした場合には、所定幅の帯状のティッシュペーパー素材(ウェブ)をその長手方向に沿って折っていくだけで、所定のティッシュとするためのティッシュペーパーの積層体を得ることができる。
【0023】
一方、本発明のポケットティッシュの製造方法によれば、図7または図8に示すように、ティッシュペーパーの原反ロール51からティッシュペーパー(ウェブ)52を引き出して一方向に搬送しながら所定の加工を施すことによってポケットティッシュを製造するに当たり、ティッシュペーパー52を折り畳む工程としては、その流れ方向(MD方向)に折り畳む工程62のみを含んでおり、これと直交する幅方向(CD方向)に折り畳む工程を含んでいないので、その分だけ効率よくポケットティッシュを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例に係るポケットティッシュの斜視図である。
【図2】ティッシュを展開した状態(広げた状態)で示す斜視図である。
【図3】ティッシュの折り畳み形態を説明すたるために使用した図である。
【図4】ポケットティッシュの部分断面図である。
【図5】ポケットティッシュの使用状態を示す図である。
【図6】ポケットティッシュの袋からティッシュを取り出しときの状態を示す図である。
【図7】本発明のポケットティッシュの製造方法の一例を示す工程図である。
【図8】本発明のポケットティッシュの製造方法の他の例を示す工程図である。
【図9】ティッシュの他の構成例を示す斜視図である。
【図10】ティッシュの折り畳み形態の各例を示す断面図である。
【図11】従来のポケットティッシュにおけるティッシュの折り畳み前の状態を示す斜視図である。
【図12】従来のポケットティッシュにおけるティッシュの折り畳み後の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係るポケットティッシュ1の外観を示すものである。同図に示すように、このポケットティッシュ1は、長方形の扁平な袋2内に、これと略相似形で且つ僅かに小さい長方形のティッシュ3を複数組(図示例では5組)重ねた状態で収納した構成である。
【0026】
袋2は、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等の熱融着可能な可撓性素材で形成されている。具体的には、前記複数組のティッシュ3をその長手方向から包むように可撓性素材を筒状に形成して、ティッシュ3の短辺の外側に位置する可撓性素材の重合部分4・4を熱融着(ヒートシール)して封止した構成である。
【0027】
袋2の表面側には、ティッシュ3を取り出すためのティッシュ取出口5(図5および図6参照)となるミシン目6が形成されている。このミシン目6は、袋2の短手方向(図1においてX−X’方向)の中央部において長手方向(図1においてY−Y’方向)に延びるように形成されており、このミシン目6を開裂させることで図5や図6に示すようにティッシュ取出口5が形成されるようになっている。
【0028】
袋2内に複数組重ねた状態で収納されている長方形のティッシュ3は、図2に示すように、この実施例では、同形の4枚のティッシュペーパー7を積層した構成である。各ティッシュ3は、本発明では、その長手方向(x−x’方向)の寸法(長辺3aの長さ)L1が120〜300mmで、短手方向(y−y’方向)の寸法(短辺3bの長さ)L2が60〜150mm(ただし、L2<L1とする)であり、その目付け量(W)が32〜100g/m2 の範囲に設定される。この実施例では、L1=200mm、L2=110mm、W=50g/m2 (1枚のティッシュペーパー7の目付け量が12.5g/m2 )である。
【0029】
そして、これらのティッシュ3が、本発明では、その短辺3bと平行な方向の折り目8・9・10・11にのみ沿って折り畳まれており、これらの折り目8・9・10・11の方向と前記ティッシュ取出口5(ミシン目6)の方向とが平行となる状態で、袋2内に収納されている。
【0030】
すなわち、この実施例における各ティッシュ3は、図3の(a)〜(c)に示すように、その長手方向(x−x’方向)において、両側部分をまず左右一対の第1の折り目8・9でそれぞれ内側に折り、次いで当該折った部分の端部側をさらに左右一対の第2の折り目10・11でそれぞれ外側に向けて折り畳んだ状態で、袋2内に収納されている。この場合において、左右一対の第2の折り目10・11間には、図4に示すように隙間12が設けられている。この隙間12は、袋2のティッシュ取出口5(ミシン目6)に対応位置している。隙間12の寸法Sは、本発明では0.5〜10mmの範囲に設定されている。この実施例では、S=2mmとされている。
【0031】
上記のように構成されたポケットティッシュ1を使用するに当たっては、まず袋2の表面側に形成されているミシン目6を開裂させてティッシュ取出口5とする。そのうえで、図5に示すように、ティッシュ取出口5から袋2内に指を挿入して最上部にあるティッシュ3の折り畳み部分を摘んで外部に引き出す。このとき、最上部に位置するティッシュ3の左右一対の第2の折り目10・11間には隙間12が設けられており、この隙間12が袋2のティッシュ取出口5(ミシン目6)の内側に対応位置しているから、この隙間12を利用して当該ティッシュ3の第2の折り目10(または11)の近傍部分を指で容易に掴むことができる。
【0032】
また、ティッシュ3はその短辺3aと平行な方向の第1および第2の各折り目8〜11にのみ沿って折り畳まれており、これらの折り目8〜11の方向とティッシュ取出口5の方向とが平行となる状態で袋2内に収納されているので、上記のようにして最上部にあるティッシュ3の折り畳み部分を摘んで外部に引き出すと、当該ティッシュ3はその折り畳み状態が解除される方向、つまり折り目8〜11と直交する長手方向(x−x’方向)に引き出されることとなる。このため、ティッシュ3はティッシュ取出口5から袋2外に引き出される過程で折り畳み状態が順次解除されていき、図6に示すように、外部に完全に引き出されたときには既にその略全体が展開した状態(広げられた状態)となっている。したがって、使用者は、袋2内に収納されているティッシュ3をティッシュ取出口5から外部に引き出すだけで、適度なサイズおよび形状を有するティッシュ3を使用しやすい横長形状の状態で直ぐに使用できる。言い換えると、従来のポケットティッシュのように袋から取り出した折り畳み状態のティッシュを使用前に広げたり、さらに使用しやすいサイズとするために2つ折りあるいは4つ折りにしたりするといった手間を省くことができる。
【0033】
こうして本発明のポケットティッシュ1によれば、袋2から取り出すだけで、すでに使用しやすい大きさと形状と方向性とを具備しているから、袋2から取り出した長方形のティッシュ3を使用前に広げたりさらには2つ折りや4つ折りにしたりしないでも、袋2から取り出した状態で直ぐに使用できるだけでなく、心理的には安心感のある横長状態のまま使用することができる。
【0034】
しかも、各ティッシュ3は、4枚のティッシュペーパー7を積層した構成で、各ティッシュ3の目付け量が50g/m2 に設定されているので、使用中の穴開きが生じにくい適度な厚みと、良好な手触り感とを備えたものとなっている。したがって、使用者は袋から取り出したティッシュ3を快適に使用できる。
【0035】
なお、図5や図6に示した例では、ティッシュ3における一方の第2の折り目11の両側部分を指で掴んでいるために、その部分のみが折り畳まれた状態のまま残っているが、ティッシュ3の長手方向(x−x’方向)の端部3c側を指で掴めば、ティッシュ3の引き出し時に全ての折り畳み状態が解除されるようになる。
【0036】
上記のようなポケットティッシュ1は、ティッシュペーパーの原反ロールからティッシュペーパー(ウェブ)を引き出して一方向に搬送しながら所定の加工を施すことによって製造することができる。
【0037】
具体的には、例えば図7に示すように、機械生産流れ方向(MD方向)と直交する幅方向(CD方向)の寸法が200mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール51を使用し、この原反ロール51から引き出された積層状態のティッシュペーパー52を機械生産流れ方向に沿って折り畳む工程(折り畳み工程)61と、この折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー52をその機械生産流れ方向の長さ寸法が110mmとなるように切断して折り畳み状態のティッシュ53を形成する工程62と、形成された折り畳み状態のティッシュ53を複数組重ねる工程63と、この重ねられた複数組のティッシュ53を、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋54内に収納した状態にする工程64とからなる方法によって製造することができる。
【0038】
また、例えば図8に示すように、機械生産流れ方向(MD方向)と直交する幅方向(CD方向)の寸法が200mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール51を複数個使用し、各原反ロール51から引き出された積層状態のティッシュペーパー52を機械生産流れ方向に沿ってそれぞれ折り畳む工程(折り畳み工程)61と、これらの折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー52を、これらが順次重なるように同一の方向に搬送しながら、その機械生産流れ方向の長さ寸法が110mmとなるように切断することにより、折り畳み状態のティッシュ53を複数組重ねた状態で形成する工程62と、この重ねられた複数組のティッシュを、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋54内に収納した状態にする工程64とからなる方法によっても製造することができる。
【0039】
これらの製造方法においては、ティッシュペーパー52を折り畳む工程として、その機械生産流れ方向(MD方向)に折り畳む工程のみを含んでおり、これと直交する幅方向(CD方向)に折り畳む工程を含んでいないので、その分だけ効率よくポケットティッシュを製造することができる。
【0040】
(他の実施例)
図9に、長方形のティッシュ3の他の構成例を示す。このティッシュ3は、これと短手方向(y−y’方向)の寸法が同じで長手方向(x−x’方向)の寸法が当該ティッシュ3の長手方向の寸法の2倍であるティッシュペーパー7を2枚重ねとし、その長手方向中央部3dで短手方向に沿って半分(2分の1)に折って所定の長方形としたものである。
【0041】
図10の(a)〜(e)は、ティッシュ3の他の折り畳み形態例をそれぞれ示す。このうち、(a)に示すティッシュ3は、その長手方向の両側をまず左右の折り目81・91で裏表逆向きに折り、次いで表側(上部側)および裏側(下部側)にそれぞれ位置する部分を折り目111、101で外側に折り畳んだ構成である。
【0042】
同図の(b)に示すティッシュ3は、その長手方向の両側を、その端部が対向するように左右の折り目82・92で表側に折り畳んだものである。同図の(c)に示すティッシュ3は、その長手方向の両側を、左右の折り目83・93で一方は表側に、他方は裏側にそれぞれ折り畳んだものである。同図の(d)に示すティッシュ3は、折り目84・94でつづら折りにして三層としたもので、下部側は中間部と完全に完全に重なり、上部側は中間部と長手方向において略半分だけ重なるようにしたものである。同図の(e)に示すティッシュ3は、長手方向の一方の端部側を、当該端部が表側の略中央部に位置するように折り目95で折り畳んだものである。
【符号の説明】
【0043】
1 ポケットティッシュ
2 袋
3 ティッシュ
7 ティッシュペーパー
5 ティッシュ取出口
8・9 第1の折り目
10・11 第2の折り目
81〜84、91〜94 折り目
X−X’ 袋の長手方向
Y−Y’ 袋の短手方向
x−x’ ティッシュの長手方向
y−y’ ティッシュの短手方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ティッシュペーパー(7)を積層してなる長方形のティッシュ(3)と、この長方形のティッシュ(3)が所定の形態に折り畳まれて複数組重ねられた状態で収納される長方形または正方形の扁平な袋(2)と、ティッシュ(3)を取り出すために袋(2)の少なくとも一方の面側のほぼ中央部に設けられて当該袋(2)の一辺の方向(X−X’方向)と平行な方向(Y−Y’方向)に延びるティッシュ取出口(5)とを具備するポケットティッシュであって、
前記長方形のティッシュ(3)の長手方向(x−x’方向)の寸法(L1)が120〜300mmで、短手方向(y−y’方向)の寸法(L2)が60〜150mmであり、
各ティッシュ(3)の目付け量が32〜100g/m2 であり、
各ティッシュ(3)が、その短辺(3b)と平行な方向の折り目(8・9・10・11)にのみ沿って折り畳まれており、その折り目(8・9・10・11)の方向とティッシュ取出口(5)の方向とが平行となる状態で、袋(2)内に収納されていることを特徴とするポケットティッシュ。
【請求項2】
各ティッシュ(3)は、その長手方向(x−x’方向)において、両側部分をまず左右一対の第1の折り目(8・9)でそれぞれ内側に折り、次いで当該折った部分の端部側をさらに左右一対の第2の折り目(10・11)でそれぞれ外側に向けて折り畳んだ状態で、袋(2)内に収納されている、請求項1記載のポケットティッシュ。
【請求項3】
左右一対の第2の折り目(10・11)間には0.5〜10mmの隙間(12)が設けられており、この隙間(12)がティッシュ取出口(5)に対応位置している、請求項2記載のポケットティッシュ。
【請求項4】
長方形のティッシュ(3)は、これと短手方向の寸法が同じで長手方向の寸法が当該ティッシュ(3)の長手方向(x−x’方向)の寸法の2倍または4倍であるティッシュペーパー(7)を、その長手方向中央部で短手方向に沿って半分(2分の1)に折るか、または同様にして更に半分(4分の1)に折ることによって形成されている、請求項1ないし3のいずれかに記載のポケットティッシュ。
【請求項5】
ティッシュペーパーの原反ロールからティッシュペーパーを引き出して一方向に搬送しながら所定の加工を施すことによってポケットティッシュを製造する方法であって、
機械生産流れ方向〔MD方向〕と直交する幅方向〔CD方向〕の寸法が120〜300mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール(51)を使用し、
この原反ロール(51)から引き出された積層状態のティッシュペーパー(52)を機械生産流れ方向〔MD方向〕に沿って折り畳む工程(61)と、
この折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー(52)をその機械生産流れ方向〔MD方向〕の長さ寸法が60〜150mmとなるように切断して折り畳み状態のティッシュ(53)を形成する工程(62)と、
形成された折り畳み状態のティッシュ(53)を複数組重ねる工程(63)と、
この重ねられた複数組のティッシュ(53)を、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋(54)内に収納した状態にする工程(64)とからなるポケットティッシュの製造方法。
【請求項6】
ティッシュペーパーの原反ロールからティッシュペーパーを引き出して一方向に搬送しながら所定の加工を施すことによってポケットティッシュを製造する方法であって、
機械生産流れ方向〔MD方向〕と直交する幅方向〔CD方向〕の寸法が120〜300mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール(51)を複数個使用し、
各原反ロール(51)から引き出された積層状態のティッシュペーパーを流れ方向に沿ってそれぞれ折り畳む工程(61)と、
これらの折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー(52)を、これらが順次重なるように同一の方向に搬送しながら、その機械生産流れ方向〔MD方向〕の長さ寸法が60〜150mmとなるように切断することにより、折り畳み状態のティッシュ(53)を複数組重ねた状態で形成する工程(62)と、
この重ねられた複数組のティッシュ(53)を、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋(54)内に収納した状態にする工程(64)とからなるポケットティッシュの製造方法。
【請求項1】
ティッシュペーパー(7)を積層してなる長方形のティッシュ(3)と、この長方形のティッシュ(3)が所定の形態に折り畳まれて複数組重ねられた状態で収納される長方形または正方形の扁平な袋(2)と、ティッシュ(3)を取り出すために袋(2)の少なくとも一方の面側のほぼ中央部に設けられて当該袋(2)の一辺の方向(X−X’方向)と平行な方向(Y−Y’方向)に延びるティッシュ取出口(5)とを具備するポケットティッシュであって、
前記長方形のティッシュ(3)の長手方向(x−x’方向)の寸法(L1)が120〜300mmで、短手方向(y−y’方向)の寸法(L2)が60〜150mmであり、
各ティッシュ(3)の目付け量が32〜100g/m2 であり、
各ティッシュ(3)が、その短辺(3b)と平行な方向の折り目(8・9・10・11)にのみ沿って折り畳まれており、その折り目(8・9・10・11)の方向とティッシュ取出口(5)の方向とが平行となる状態で、袋(2)内に収納されていることを特徴とするポケットティッシュ。
【請求項2】
各ティッシュ(3)は、その長手方向(x−x’方向)において、両側部分をまず左右一対の第1の折り目(8・9)でそれぞれ内側に折り、次いで当該折った部分の端部側をさらに左右一対の第2の折り目(10・11)でそれぞれ外側に向けて折り畳んだ状態で、袋(2)内に収納されている、請求項1記載のポケットティッシュ。
【請求項3】
左右一対の第2の折り目(10・11)間には0.5〜10mmの隙間(12)が設けられており、この隙間(12)がティッシュ取出口(5)に対応位置している、請求項2記載のポケットティッシュ。
【請求項4】
長方形のティッシュ(3)は、これと短手方向の寸法が同じで長手方向の寸法が当該ティッシュ(3)の長手方向(x−x’方向)の寸法の2倍または4倍であるティッシュペーパー(7)を、その長手方向中央部で短手方向に沿って半分(2分の1)に折るか、または同様にして更に半分(4分の1)に折ることによって形成されている、請求項1ないし3のいずれかに記載のポケットティッシュ。
【請求項5】
ティッシュペーパーの原反ロールからティッシュペーパーを引き出して一方向に搬送しながら所定の加工を施すことによってポケットティッシュを製造する方法であって、
機械生産流れ方向〔MD方向〕と直交する幅方向〔CD方向〕の寸法が120〜300mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール(51)を使用し、
この原反ロール(51)から引き出された積層状態のティッシュペーパー(52)を機械生産流れ方向〔MD方向〕に沿って折り畳む工程(61)と、
この折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー(52)をその機械生産流れ方向〔MD方向〕の長さ寸法が60〜150mmとなるように切断して折り畳み状態のティッシュ(53)を形成する工程(62)と、
形成された折り畳み状態のティッシュ(53)を複数組重ねる工程(63)と、
この重ねられた複数組のティッシュ(53)を、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋(54)内に収納した状態にする工程(64)とからなるポケットティッシュの製造方法。
【請求項6】
ティッシュペーパーの原反ロールからティッシュペーパーを引き出して一方向に搬送しながら所定の加工を施すことによってポケットティッシュを製造する方法であって、
機械生産流れ方向〔MD方向〕と直交する幅方向〔CD方向〕の寸法が120〜300mmである帯状のティッシュペーパーを複数枚積層した状態でロール状に巻回してなる原反ロール(51)を複数個使用し、
各原反ロール(51)から引き出された積層状態のティッシュペーパーを流れ方向に沿ってそれぞれ折り畳む工程(61)と、
これらの折り畳まれた積層状態のティッシュペーパー(52)を、これらが順次重なるように同一の方向に搬送しながら、その機械生産流れ方向〔MD方向〕の長さ寸法が60〜150mmとなるように切断することにより、折り畳み状態のティッシュ(53)を複数組重ねた状態で形成する工程(62)と、
この重ねられた複数組のティッシュ(53)を、袋形成用フィルムで包装して当該フィルム製の袋(54)内に収納した状態にする工程(64)とからなるポケットティッシュの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−206421(P2011−206421A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79355(P2010−79355)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
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