ポケットティッシュケース
【課題】ポケットティッシュをそのまま収納し、しかも、ティッシュペーパーを摘み易く一枚ずつ簡単に引き出すことができるようにしたポケットティッシュケースを提供する。
【解決手段】一側面に開かれる引出口Mを山折して二つ折りした状態でポケットティッシュPが収納される空間部8を有し引出口Mと対向する側にティッシュ取出口7を設けたケース本体1と、空間部8内に配置され二つ折りされたポケットティッシュPをその他側面側から支持する支持部材16とを備え、支持部材16は弾発性を有し、支持部材16によりポケットティッシュPはその引出口Mがケース本体1のティッシュ取出口7部位に近づくように付勢される。
【解決手段】一側面に開かれる引出口Mを山折して二つ折りした状態でポケットティッシュPが収納される空間部8を有し引出口Mと対向する側にティッシュ取出口7を設けたケース本体1と、空間部8内に配置され二つ折りされたポケットティッシュPをその他側面側から支持する支持部材16とを備え、支持部材16は弾発性を有し、支持部材16によりポケットティッシュPはその引出口Mがケース本体1のティッシュ取出口7部位に近づくように付勢される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポケットティッシュをそのまま収納し、該ポケットティッシュ内のティッシュペーパーを取出して使用できるようにしたポケットティッシュケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、街頭などの街なかでポケットティッシュを配っているが、このポケットティッシュは通常20枚程度のティッシュペーパーを折り畳んで重ね合成樹脂からなる袋状のティッシュペーパー入れに入れて封止している。このポケットティッシュの一側面すなわちティッシュペーパー入れの一側面には、その中央部に横断状に引き剥がし線が設けられ、その両側を互いに反対方向へ引くことにより該引き剥がし線が簡単に破れて引出口が形成されるようになっている。そして、このようなポケットティッシュは、携帯に便利であることから、衣服のポケットやカバンの中に収納して使用されている。一方、前記ポケットやカバンの中に収納されないポケットティッシュは、例えば部屋の棚や机などの上に放置されたり、適宜大きさの箱の中に無造作にしまわれている。
【0003】
前記のように、ポケットティッシュを部屋の棚や机の上に放置したり箱の中に無造作にしまっておくことは整頓されず使い勝手が悪い。そこで、例えば、複数個のティッシュペーパーが入ったままのポケットティッシュを多段に積み重ねた状態で収納しておき、最上段のポケットティッシュから順にティッシュペーパーを引き出すことができるようにしたポケットティッシュケースがある。
【0004】
更に詳しく説明すると、前記ポケットティッシュケースは、上面の蓋に指を差し込むことができる程度の大きさのティッシュ取出口を設けたケース本体内に複数のポケットティッシュを平置きのまま多段に積み重ねて収納するケース本体と、ケース本体の下部に配置され受け板を介して多段に積み重ねられた前記ポケットティッシュを下方から押し上げるように作用するバネとからなっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実用新案登録第3085781号公報(第4−5頁、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1のポケットティッシュケースにあっては、バネの作用によってポケットティッシュを常に上方へ押し上げていることから、一枚ずつティッシュペーパーを取り出すには便利である。しかしながら、前記各ポケットティッシュは平置きして積み重ねられティッシュペーパー全体が平坦になっている。しかも、最上段のポケットティッシュの上面がケース本体の蓋の下面にぴったりと当接した状態でバネにより付勢されているので、ティッシュ取出口から指先を入れティッシュペーパーを取り出そうとしても、ポケットティッシュの引出口が開きにくくそのティッシュペーパーを摘んで引き出すことが難しい。特に、バネの弾発力が強いとティッシュペーパーが引き出す途中で破れてしまうという不具合もある。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、ポケットティッシュをそのまま収納し、しかも、ティッシュペーパーを摘み易く一枚ずつ簡単に引き出すことができるようにしたポケットティッシュケースを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本発明に係るポケットティッシュケースは、次の構成からなる。すなわち、1個のポケットティッシュを使用する場合、ポケットティッシュケースは、一側面に開かれる引出口を山折して二つ折りした状態でポケットティッシュが収納される空間部を有し該引出口と対向する側にティッシュ取出口を設けたケース本体と、前記空間部内に配置され二つ折りされた前記ポケットティッシュをその他側面側から支持する支持部材とを備え、前記支持部材は弾発性を有し、前記ポケットティッシュは前記支持部材によりその引出口が前記ケース本体のティッシュ取出口部位に近づくように付勢される構成としている。
【0008】
この際、前記支持部材は弾性索条からなり、前記空間部に二つ折りした状態で収納される前記ポケットティッシュをその他側面側から受け止める屈曲受板を前記支持部材に掛止することが好ましい。
【0009】
また、複数個のポケットティッシュを使用する場合、ポケットティッシュケースは、一側面に開かれる引出口を山折して二つ折りした状態で複数個のポケットティッシュが重ねて収納される空間部を有し最も表側に位置するポケットティッシュの引出口と対向する側にティッシュ取出口を設けたケース本体と、前記空間部内に配置され二つ折りされた前記複数個のポケットティッシュをその最も奥側に位置するポケットティッシュの他側面側から支持する支持部材とを備え、前記支持部材は弾発性を有し、前記各ポケットティッシュは前記支持部材によりその引出口が前記ケース本体のティッシュ取出口部位に近づくように付勢される構成としている。この場合、収納するポケットティッシュの個数により前記空間部すなわちケース本体の大きさを設定することになる。
【0010】
この場合も、前記支持部材は弾性索条からなり、前記空間部に二つ折りした状態で重ねて収納される前記複数個のポケットティッシュをその最も奥側に位置するポケットティッシュの他側面側から受け止める屈曲受板を前記支持部材に掛止することが好ましい。
【0011】
前記いずれの場合も、前記ティッシュ取出口は二つ折りした前記ポケットティッシュが出し入れできる大きさであることが好ましい。
【0012】
本発明に係るポケットティッシュケースは、立方体、直方体、円筒体、楕円筒体、半球体等その外形形状は所望の形状が選ばれ、また、内部に1個、2〜3個又はそれ以上の複数個のポケットティッシュが収納できれば、外周面全体が側板で囲われた箱型でなくても良く、例えば底板がなっかたり、側板が一部なくても良い。更に、ポケットティッシュケースの材質は、製作コストの面から厚紙が採用されるが、強度・耐久性を重視すれば、他に合成樹脂材、金属、木、セラミックスまたはこれらの組み合わせにより成形するようにしても良い。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載のポケットティッシュケースは、ティッシュペーパーが入ったままポケットティッシュをケース本体に収納するので、その収納が簡単である。しかも、ポケットティッシュがその引出口を山折し二つ折りした状態で収納され、前記引出口と対向する側にティッシュ取出口を設けてティッシュペーパーの折曲部位が指先で容易に摘めるようにしたので、ティッシュペーパーが非常に摘み易い。よって、前記引出口がしっかり開くこともあって、ティッシュペーパーを指先で軽く摘んで一枚ずつ引き出せ簡単に取り出すことができ使い勝手が良いという効果がある。
【0014】
また、請求項2記載のポケットティッシュケースのように、支持部材を弾性索条とし、空間部に二つ折りした状態で収納されたポケットティッシュをその他側面側から受け止める屈曲受板を前記支持部材に掛止するようにすれば、ポケットティッシュは指先で押してもグラツキが少なくティッシュペーパーの取出動作が安定して行えるという効果がある。
【0015】
更に、請求項3記載のポケットティッシュケースのように、ティッシュ取出口を二つ折りしたポケットティッシュが出し入れできる大きさにすれば、ティッシュペーパーが入ったポケットティッシュをそのまま収納でき、ケース本体へのポケットティッシュの収納や補充が容易に行えるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るポケットティッシュケースの実施の形態を図面に基づき詳しく説明する。まず、1個のポケットティッシュを使用する場合を説明する。図1は本発明に係るポケットティッシュケースの斜視図、図2は同分解斜視図、図3は図1のX−X線断面図、図4は図1のY−Y線断面図である。このポケットティッシュケースAは厚紙により成形され、ケース本体1と該ケース本体1内に収められ後記する支持部材16を張設するための内枠体2から構成される。
【0017】
前記ケース本体1は、所定の高さを有する楕円筒状の側板3を有し、該側板3の開放した上面と下面にそれぞれ同じ楕円形状の上板4と下板5が塞ぐようにして被着される。更に詳しく説明すると、側板3の上端縁と下端縁にいずれも内側へ円弧状に屈曲される上カーブ部6aと下カーブ部6bが設けられる。そして、上板4は接着剤によりその外周縁部が上カーブ部6aの内側に接着され、下板5はその外周縁が下カーブ部6bの内側に乗って保持され、取り外すことができるようになっている。また、上板4には、その長径方向に沿って横長のティッシュ取出口7を形成するためのミシン目線7aが設けられ、該ミシン目線7aにより囲われる部分を剥がすことにより、図5に示すようなティッシュ取出口7が形成される。
【0018】
ケース本体1は、その内部に後記する1個のポケットティッシュPがその一側面に開かれる引出口Mを山折して二つ折りした状態で収納される大きさの空間部8が形成される。詳しくは、ケース本体1はポケットティッシュPが1乃至3個入る大きさに成形され、空間部8の幅はポケットティッシュPが二つ折りされた状態でそのまま保持されるように設定される。また、前記上板4のティッシュ取出口7は、ポケットティッシュP内のティッシュペーパーTが取り出せる大きさであれば適宜大きさに設定しても良いが、ポケットティッシュPが二つ折りされた状態でケース本体1内に収納できる大きさ、形状に設定することが好ましい。
【0019】
前記内枠体2は短冊状に形成され、長手方向に沿った一端からその長手方向に対して直交する第1乃至第4折曲線9a,9b,9c,9dを介し、掛止片部10a、中間片部11a、掛止片部10b、中間片部11b、糊代片部12がそれぞれこれらの順に従って連接されている。両掛止片部10a,10bは同じ大きさであり、両中間片部11a,11bも同じ大きさである。この内、掛止片部10a,10bよりも中間片部11a,11bの方が長い。
【0020】
前記内枠体2における一端の掛止片部10aの外側縁に係合片13が突設され、他端側の第4折線9dに前記係合片13に対応位置して該係合片13が挿入される係合スリット14が設けられる。また、各掛止片部10a,10bの上下両端縁のほぼ中間位置にそれぞれ対向して掛止凹部15,15が凹設される。この内枠体2は、前記一端の掛止片部10aの内側に糊代片部12を当接すると共に係合片13を係合スリット14に挿入し係合させることにより組立てられ、上下両端面が開放される角筒状をなす。なお、前記糊代片部12はそのままでも良いが、該糊代片部12の外面に接着剤を塗布し掛止片部10aの内面に接着するようにしても良い。
【0021】
組立てられた前記内枠体2の対向する上下の両掛止凹部15,15間には、支持部材としての弾性索条である輪ゴム16が掛止して張設される。そして、該内枠体2をケース本体1内に入れた場合、図3、図4に示すように内枠体2がケース本体1における側板3の内周面に沿うようにして配置される。また、輪ゴム16の上張部分16aは、上板4に開設されたティッシュ取出口7に対向位置しそのやや内側に配置されている。これは、ポケットティッシュPを上張部分6aに掛止したとき、該ポケットティッシュPの引出口Mをティッシュ取出口7の部位に近づけさせるためである。
【0022】
前記輪ゴム16の上張部分16aには屈曲受板17が掛止される。この屈曲受板17は厚紙により長方形状に成形されており、その短手方向の中央部に設けられた折れ線18により二つに折曲されている。そして、前記輪ゴム16の上張部分16aには、折れ線18の谷折目側が受けられる。これにより、二つ折りして収納されたポケットティッシュPをその他側面側から受け止めることになる。
【0023】
ポケットティッシュPは、折り畳まれた複数枚(例えば、20枚)のティッシュペーパーTを重ね、これを合成樹脂製袋からなる長方形状のティッシュペーパー入れBに入れて封止している。また、該ティッシュペーパー入れBの一側面には、その中央部に横断状にミシン目などの引き剥がし線(図示せず。)が設けられ、その両側を互いに反対方向へ引くことにより該引き剥がし線が簡単に破れて引出口Mが形成されるようになっている。
【0024】
そこで、前記ケース本体1の開放した下面から該ケース本体1内に輪ゴム16を掛止した内枠体2を挿入し、その下面に塞ぐようにして下板5を被着する。前記輪ゴム16は鉛直面内すなわちケース本体1上面のティッシュ取出口7と直交する面内で張設される。これにより、ポケットティッシュケースAが成形される。
【0025】
本発明に係るポケットティッシュケースAは上記構成からなり、次にその使用方法を説明する。まず、ポケットティッシュケースAの上板4におけるミシン目線に沿って切れ目を入れ、そのミシン目線で囲まれる部位を切り離してティッシュ取付口7を開設する。
【0026】
一方、ティッシュペーパーTを収納したポケットティッシュPの一側面に設けられる引き剥がし線の両側を互いに反対方向へ引いて引出口Mを開く。この場合、引出口Mの長手方向の両端部を少し大きく破断しておくことが好ましい。そして、その引出口Mを外側に位置させると共に該引出口Mを山折してポケットティッシュPを二つ折りする。更に、図5に示すようにポケットティッシュPをティッシュ取出口7を介しその引出口Mがティッシュ取出口7側に位置するようにしてケース本体1内に収納する。
【0027】
前記二つ折りされたポケットティッシュPは、その他側面側から輪ゴム16の上張部分16aにより支持されると共に屈曲受板17により受け止められる。このようにしてポケットティッシュPを収納したポケットティッシュケースAは、例えば室内の机の上に置いて使用される。
【0028】
この場合、図6、図7に示すように引出口Mと対向する側にティッシュ取出口7が設けられティッシュペーパーTの折曲部位tが指先で容易に摘めるようになっているので、ティッシュペーパーTを非常に摘み易い。よって、前記引出口Mがしっかり開くこともあって、ティッシュペーパーTを指先で軽く摘んで一枚ずつ引き出せ簡単に取り出すことができる。この場合、ポケットティッシュPが1個であっても、輪ゴム16により該ポケットティッシュPはその引出口Mがケース本体1のティッシュ取出口7部位に近づくように付勢されている。
【0029】
また、図8に示すようにティッシュペーパーTが少なくなってきた場合も、輪ゴム16の上張部分16aの弾発性によりポケットティッシュPがティッシュ取出口7側へ付勢されているので、最後のティッシュペーパーTまで簡単に取り出せるようになる。しかも、ポケットティッシュPは屈曲受板17により受け止められるので、指先で押してもグラツキが少なくティッシュペーパーTの取出動作が安定して行える。
【0030】
ポケットティッシュPのティッシュペーパーがなくなれば、新しいポケットティッシュPを初めのように引出口Mを開き二つ折りした状態でティッシュ取出口7を介してそのまま空間部8に収納する。よって、例えばティッシュペーパー入れBの中からいちいちティッシュペーパーTを取り出してこれらティッシュペーパーTを空間部8に収容する必要もなく、ティッシュペーパーTが入ったままポケットティッシュPを収納でき、この収納や詰め替えが簡単に行える。
【0031】
なお、この屈曲受板17は必ずしも必要ではなく、外しておいても使用上支障はない。前記支持部材として輪ゴム16を説明したが、該支持部材には他にゴム紐、コイル状に巻いた細い線材などの弾性索条やスポンジ状の板、軟弾性のゴム板がある。スポンジ状の板や軟弾性のゴム板は、例えば下板4の内面に突設するようにすれば良く、この場合は内枠体2が不要になる。
【0032】
次に、複数個例えば2個のポケットティッシュP,Pを使用する場合を説明する。なお、ケース本体1の高さを長くすれば4個、5個又はそれ以上のポケットティッシュPを収納できる。そこで、2個のポケットティッシュP,Pを使用する場合は、前記と同様に各ポケットティッシュPの引出口Mを開けておき、これらポケットティッシュP,Pを図9に示すようにその一側面に開かれる引出口Mを山折して二つ折りした状態で重ねて空間部8に収納する。このとき、前記下側に位置するポケットティッシュPの他側面に引出口Mに対応した谷折目線に沿って輪ゴム16の上張部分16aが当接してその他側面側から支持し、上側に位置するポケットティッシュPの引出口Mと対向する側にティッシュ取出口7が近づいて位置する。
【0033】
この場合も、前記と同様に引出口Mと対向する側にティッシュ取出口7が設けられティッシュペーパーTの折曲部位tが指先で容易に摘めるようになっているので、ティッシュペーパーTを非常に摘み易い。よって、前記引出口Mがしっかり開くこともあって、ティッシュペーパーTを指先で軽く摘んで一枚ずつ引き出せ簡単に取り出すことができる。
【0034】
また、各ティッシュペーパーTが少なくなってきた場合も、輪ゴム16の上張部分16aの弾発性により各ポケットティッシュPがティッシュ取出口7側へ付勢されて最後のティッシュペーパーTまで簡単に取り出せるようになる。しかも、各ポケットティッシュPは屈曲受板17により受け止められるので、指先で押してもグラツキが少なくティッシュペーパーTの取出動作が安定して行える。
【0035】
両ポケットティッシュP,PのティッシュペーパーTがなくなれば、新しい2個のポケットティッシュP,Pを初めのように引出口Mを開き二つ折りした状態でティッシュ取出口7を介してそのまま空間部8に収納する。よって、例えばティッシュペーパー入れBの中からいちいちティッシュペーパーTを取り出してこれらティッシュペーパーTを空間部8に収容する必要もなく、ティッシュペーパーTが入ったままポケットティッシュPを収納でき、この収納や詰め替えが簡単に行える。
【0036】
図10乃至図13は他の実施の形態に係るポケットティッシュケースを示すものである。図10は他の実施の形態に係るポケットティッシュケースの斜視図、図11は図10のZ−Z線断面図である。このポケットティッシュケースA1は合成樹脂材により成形され、ケース本体20と該ケース本体20内に収められた屈曲受板21とからなる。
【0037】
前記ケース本体20は外形が直方体形状をなし上面と下面が開放しており、その上面がティッシュ取出口22とされる。そして、周囲の側板23を構成する一対の長板部23a,23aと一対の短板部23b,23bとで囲われるようにして空間部24が成形される。この空間部24内に前記二つ折りし引出口Mを開けた状態の1個のポケットティッシュPが収納される。このため、前記二つ折りした状態でポケットティッシュPが収納されるように空間部24の幅すなわち長板部23a,23a間の距離が設定される。
【0038】
前記対向する一対の短板部23b,23bには、そのほぼ中央の所定の高さ位置に略馬蹄形状の切欠溝25,25が開設され、前記と同じく両切欠溝25,25間に支持部材である弾性索条としての輪ゴム16が掛止される。この場合、輪ゴム16は水平面内すなわちケース本体20上面のティッシュ取出口22と平行な面内で張設される。該輪ゴム16はケース本体20の上面から所定の距離内側に離れて位置し、該上面とほぼ平行に配置される。前記屈曲受板21は、本実施の形態の屈曲受板17とほとんど同じ形状であるが、合成樹脂材により成形されている。また、この屈曲受板21の谷折目線側の開き角度は、ケース本体20内に収納するポケットティッシュPによって適宜設定される。
【0039】
他の実施の形態に係るポケットティッシュケースA1は上記構成からなり、次にその使用方法を説明する。まず、前記と同様にティッシュペーパーTを収納した1個のポケットティッシュPの一側面に設けられる引き剥がし線の両側を互いに反対方向へ引いて引出口Mを開く。この場合も、引出口Mの長手方向の両端部を少し大きく破断しておくことが好ましい。そして、その引出口Mを外側に位置させると共に該引出口Mを山折してポケットティッシュPを二つ折りする。更に、このままの状態でポケットティッシュPを該ティッシュ取出口22を介しその引出口Mがティッシュ取出口22側に位置するようにしてケース本体1内に収納する。
【0040】
前記二つ折りされたポケットティッシュPは、その他側面側から屈曲受板21により受け止められる。このようにしてポケットティッシュPを収納したポケットティッシュケースA1は、例えば室内の机の上に置いて使用される。
【0041】
この場合も、図12に示すように引出口Mと対向する側にティッシュ取出口22が設けられティッシュペーパーTの折曲部位tを指先で容易に摘めるようになっているので、ティッシュペーパーTが非常に摘み易い。よって、前記引出口Mがしっかり開くこともあって、ティッシュペーパーTを指先で軽く摘んで一枚ずつ引き出せ簡単に取り出すことができる。
【0042】
また、ティッシュペーパーTが少なくなってきた場合も、輪ゴム16の弾発性によりポケットティッシュPがティッシュ取出口22側へ付勢されて最後のティッシュペーパーTまで簡単に取り出せるようになる。しかも、ポケットティッシュPは屈曲受板22により受け止められるので、指先で押してもグラツキが少なくティッシュペーパーTの取出動作が安定して行える。なお、この屈曲受板21も必ずしも必要ではなく、外しておいても使用上支障はない。
【0043】
次に、他の実施の形態に係るポケットティッシュケースA1において、複数個例えば2個のポケットティッシュPを使用する場合を説明する。なお、この場合もケース本体20の高さを長くすれば4個、5個又はそれ以上のポケットティッシュPを収納できる。
【0044】
そこで、2個のポケットティッシュP,Pを使用する場合は、前記と同様に各ポケットティッシュPの引出口Mを開けておき、これらポケットティッシュP,Pを図13に示すようにその一側面に開かれる引出口Mを山折して二つ折りした状態で重ねて空間部24に収納する。このとき、前記下側に位置するポケットティッシュPの他側面に引出口Mに対応した谷折目線に沿って輪ゴム16が当接して受け止め、上側に位置するポケットティッシュPの引出口Mと対向する側にティッシュ取出口22が位置する。この場合輪ゴム16は、ティッシュ取出口22と平行な面内で張設されるので、2本の輪ゴム16が屈曲受板21を支持することになる。
【0045】
この場合も、前記と同様に引出口Mと対向する側にティッシュ取出口22が設けられティッシュペーパーTの折曲部位tが指先で容易に摘めるようになっているので、ティッシュペーパーTを非常に摘み易い。よって、前記引出口Mがしっかり開くこともあって、ティッシュペーパーTを指先で軽く摘んで一枚ずつ引き出せ簡単に取り出すことができる。
【0046】
また、各ティッシュペーパーTが少なくなってきた場合も、輪ゴム16の弾発性により各ポケットティッシュPがティッシュ取出口22側へ付勢されて最後のティッシュペーパーTまで容易に取り出せるようになる。しかも、各ポケットティッシュPは屈曲受板21により受け止められるので、指先で押してもグラツキが少なくティッシュペーパーTの取出動作が安定して行える。
【0047】
両ポケットティッシュP,PのティッシュペーパーTがなくなれば、新しい2個のポケットティッシュP,Pを初めのように引出口Mを開き二つ折りした状態でティッシュ取出口22を介してそのまま空間部24に収納する。よって、この場合もティッシュペーパー入れBの中からいちいちティッシュペーパーTを取り出してこれらティッシュペーパーTを空間部24に収容する必要もなく、ティッシュペーパーTが入ったままポケットティッシュPを収納でき、この収納や詰め替えが簡単に行える。
【0048】
本発明に係るポケットティッシュケース又は他の実施の形態に係るポケットティッシュケースのいずれもケース本体1,20の外周面の余白は、各種広告欄として利用でき有益である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係るポケットティッシュケースの斜視図。
【図2】同分解斜視図。
【図3】図1のX−X線断面図。
【図4】図1のY−Y線断面図。
【図5】ポケットティッシュを収納する状態を示す斜視図。
【図6】使用状態を示すポケットティッシュケースの縦断面図。
【図7】使用状態を示すポケットティッシュケースの横断面図。
【図8】使用状態を示すポケットティッシュケースの横断面図。
【図9】同2個のポケットティッシュを使用した状態を示す横断面図。
【図10】他の実施の形態に係るポケットティッシュケースの斜視図。
【図11】図10のZ−Z線断面図。
【図12】使用状態を示す他の実施の形態に係るポケットティッシュケースの横断面図。
【図13】同2個のポケットティッシュを使用した状態を示す横断面図。
【符号の説明】
【0050】
1 ケース本体
7 ティッシュ取出口
8 空間部
16 支持部材(輪ゴム)
17 屈曲受板
20 ケース本体
21 屈曲受板
22 ティッシュ取出口
24 空間部
A ポケットティッシュケース
A1 ポケットティッシュケース
M 引出口
P ポケットティッシュ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポケットティッシュをそのまま収納し、該ポケットティッシュ内のティッシュペーパーを取出して使用できるようにしたポケットティッシュケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、街頭などの街なかでポケットティッシュを配っているが、このポケットティッシュは通常20枚程度のティッシュペーパーを折り畳んで重ね合成樹脂からなる袋状のティッシュペーパー入れに入れて封止している。このポケットティッシュの一側面すなわちティッシュペーパー入れの一側面には、その中央部に横断状に引き剥がし線が設けられ、その両側を互いに反対方向へ引くことにより該引き剥がし線が簡単に破れて引出口が形成されるようになっている。そして、このようなポケットティッシュは、携帯に便利であることから、衣服のポケットやカバンの中に収納して使用されている。一方、前記ポケットやカバンの中に収納されないポケットティッシュは、例えば部屋の棚や机などの上に放置されたり、適宜大きさの箱の中に無造作にしまわれている。
【0003】
前記のように、ポケットティッシュを部屋の棚や机の上に放置したり箱の中に無造作にしまっておくことは整頓されず使い勝手が悪い。そこで、例えば、複数個のティッシュペーパーが入ったままのポケットティッシュを多段に積み重ねた状態で収納しておき、最上段のポケットティッシュから順にティッシュペーパーを引き出すことができるようにしたポケットティッシュケースがある。
【0004】
更に詳しく説明すると、前記ポケットティッシュケースは、上面の蓋に指を差し込むことができる程度の大きさのティッシュ取出口を設けたケース本体内に複数のポケットティッシュを平置きのまま多段に積み重ねて収納するケース本体と、ケース本体の下部に配置され受け板を介して多段に積み重ねられた前記ポケットティッシュを下方から押し上げるように作用するバネとからなっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実用新案登録第3085781号公報(第4−5頁、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1のポケットティッシュケースにあっては、バネの作用によってポケットティッシュを常に上方へ押し上げていることから、一枚ずつティッシュペーパーを取り出すには便利である。しかしながら、前記各ポケットティッシュは平置きして積み重ねられティッシュペーパー全体が平坦になっている。しかも、最上段のポケットティッシュの上面がケース本体の蓋の下面にぴったりと当接した状態でバネにより付勢されているので、ティッシュ取出口から指先を入れティッシュペーパーを取り出そうとしても、ポケットティッシュの引出口が開きにくくそのティッシュペーパーを摘んで引き出すことが難しい。特に、バネの弾発力が強いとティッシュペーパーが引き出す途中で破れてしまうという不具合もある。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、ポケットティッシュをそのまま収納し、しかも、ティッシュペーパーを摘み易く一枚ずつ簡単に引き出すことができるようにしたポケットティッシュケースを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本発明に係るポケットティッシュケースは、次の構成からなる。すなわち、1個のポケットティッシュを使用する場合、ポケットティッシュケースは、一側面に開かれる引出口を山折して二つ折りした状態でポケットティッシュが収納される空間部を有し該引出口と対向する側にティッシュ取出口を設けたケース本体と、前記空間部内に配置され二つ折りされた前記ポケットティッシュをその他側面側から支持する支持部材とを備え、前記支持部材は弾発性を有し、前記ポケットティッシュは前記支持部材によりその引出口が前記ケース本体のティッシュ取出口部位に近づくように付勢される構成としている。
【0008】
この際、前記支持部材は弾性索条からなり、前記空間部に二つ折りした状態で収納される前記ポケットティッシュをその他側面側から受け止める屈曲受板を前記支持部材に掛止することが好ましい。
【0009】
また、複数個のポケットティッシュを使用する場合、ポケットティッシュケースは、一側面に開かれる引出口を山折して二つ折りした状態で複数個のポケットティッシュが重ねて収納される空間部を有し最も表側に位置するポケットティッシュの引出口と対向する側にティッシュ取出口を設けたケース本体と、前記空間部内に配置され二つ折りされた前記複数個のポケットティッシュをその最も奥側に位置するポケットティッシュの他側面側から支持する支持部材とを備え、前記支持部材は弾発性を有し、前記各ポケットティッシュは前記支持部材によりその引出口が前記ケース本体のティッシュ取出口部位に近づくように付勢される構成としている。この場合、収納するポケットティッシュの個数により前記空間部すなわちケース本体の大きさを設定することになる。
【0010】
この場合も、前記支持部材は弾性索条からなり、前記空間部に二つ折りした状態で重ねて収納される前記複数個のポケットティッシュをその最も奥側に位置するポケットティッシュの他側面側から受け止める屈曲受板を前記支持部材に掛止することが好ましい。
【0011】
前記いずれの場合も、前記ティッシュ取出口は二つ折りした前記ポケットティッシュが出し入れできる大きさであることが好ましい。
【0012】
本発明に係るポケットティッシュケースは、立方体、直方体、円筒体、楕円筒体、半球体等その外形形状は所望の形状が選ばれ、また、内部に1個、2〜3個又はそれ以上の複数個のポケットティッシュが収納できれば、外周面全体が側板で囲われた箱型でなくても良く、例えば底板がなっかたり、側板が一部なくても良い。更に、ポケットティッシュケースの材質は、製作コストの面から厚紙が採用されるが、強度・耐久性を重視すれば、他に合成樹脂材、金属、木、セラミックスまたはこれらの組み合わせにより成形するようにしても良い。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載のポケットティッシュケースは、ティッシュペーパーが入ったままポケットティッシュをケース本体に収納するので、その収納が簡単である。しかも、ポケットティッシュがその引出口を山折し二つ折りした状態で収納され、前記引出口と対向する側にティッシュ取出口を設けてティッシュペーパーの折曲部位が指先で容易に摘めるようにしたので、ティッシュペーパーが非常に摘み易い。よって、前記引出口がしっかり開くこともあって、ティッシュペーパーを指先で軽く摘んで一枚ずつ引き出せ簡単に取り出すことができ使い勝手が良いという効果がある。
【0014】
また、請求項2記載のポケットティッシュケースのように、支持部材を弾性索条とし、空間部に二つ折りした状態で収納されたポケットティッシュをその他側面側から受け止める屈曲受板を前記支持部材に掛止するようにすれば、ポケットティッシュは指先で押してもグラツキが少なくティッシュペーパーの取出動作が安定して行えるという効果がある。
【0015】
更に、請求項3記載のポケットティッシュケースのように、ティッシュ取出口を二つ折りしたポケットティッシュが出し入れできる大きさにすれば、ティッシュペーパーが入ったポケットティッシュをそのまま収納でき、ケース本体へのポケットティッシュの収納や補充が容易に行えるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るポケットティッシュケースの実施の形態を図面に基づき詳しく説明する。まず、1個のポケットティッシュを使用する場合を説明する。図1は本発明に係るポケットティッシュケースの斜視図、図2は同分解斜視図、図3は図1のX−X線断面図、図4は図1のY−Y線断面図である。このポケットティッシュケースAは厚紙により成形され、ケース本体1と該ケース本体1内に収められ後記する支持部材16を張設するための内枠体2から構成される。
【0017】
前記ケース本体1は、所定の高さを有する楕円筒状の側板3を有し、該側板3の開放した上面と下面にそれぞれ同じ楕円形状の上板4と下板5が塞ぐようにして被着される。更に詳しく説明すると、側板3の上端縁と下端縁にいずれも内側へ円弧状に屈曲される上カーブ部6aと下カーブ部6bが設けられる。そして、上板4は接着剤によりその外周縁部が上カーブ部6aの内側に接着され、下板5はその外周縁が下カーブ部6bの内側に乗って保持され、取り外すことができるようになっている。また、上板4には、その長径方向に沿って横長のティッシュ取出口7を形成するためのミシン目線7aが設けられ、該ミシン目線7aにより囲われる部分を剥がすことにより、図5に示すようなティッシュ取出口7が形成される。
【0018】
ケース本体1は、その内部に後記する1個のポケットティッシュPがその一側面に開かれる引出口Mを山折して二つ折りした状態で収納される大きさの空間部8が形成される。詳しくは、ケース本体1はポケットティッシュPが1乃至3個入る大きさに成形され、空間部8の幅はポケットティッシュPが二つ折りされた状態でそのまま保持されるように設定される。また、前記上板4のティッシュ取出口7は、ポケットティッシュP内のティッシュペーパーTが取り出せる大きさであれば適宜大きさに設定しても良いが、ポケットティッシュPが二つ折りされた状態でケース本体1内に収納できる大きさ、形状に設定することが好ましい。
【0019】
前記内枠体2は短冊状に形成され、長手方向に沿った一端からその長手方向に対して直交する第1乃至第4折曲線9a,9b,9c,9dを介し、掛止片部10a、中間片部11a、掛止片部10b、中間片部11b、糊代片部12がそれぞれこれらの順に従って連接されている。両掛止片部10a,10bは同じ大きさであり、両中間片部11a,11bも同じ大きさである。この内、掛止片部10a,10bよりも中間片部11a,11bの方が長い。
【0020】
前記内枠体2における一端の掛止片部10aの外側縁に係合片13が突設され、他端側の第4折線9dに前記係合片13に対応位置して該係合片13が挿入される係合スリット14が設けられる。また、各掛止片部10a,10bの上下両端縁のほぼ中間位置にそれぞれ対向して掛止凹部15,15が凹設される。この内枠体2は、前記一端の掛止片部10aの内側に糊代片部12を当接すると共に係合片13を係合スリット14に挿入し係合させることにより組立てられ、上下両端面が開放される角筒状をなす。なお、前記糊代片部12はそのままでも良いが、該糊代片部12の外面に接着剤を塗布し掛止片部10aの内面に接着するようにしても良い。
【0021】
組立てられた前記内枠体2の対向する上下の両掛止凹部15,15間には、支持部材としての弾性索条である輪ゴム16が掛止して張設される。そして、該内枠体2をケース本体1内に入れた場合、図3、図4に示すように内枠体2がケース本体1における側板3の内周面に沿うようにして配置される。また、輪ゴム16の上張部分16aは、上板4に開設されたティッシュ取出口7に対向位置しそのやや内側に配置されている。これは、ポケットティッシュPを上張部分6aに掛止したとき、該ポケットティッシュPの引出口Mをティッシュ取出口7の部位に近づけさせるためである。
【0022】
前記輪ゴム16の上張部分16aには屈曲受板17が掛止される。この屈曲受板17は厚紙により長方形状に成形されており、その短手方向の中央部に設けられた折れ線18により二つに折曲されている。そして、前記輪ゴム16の上張部分16aには、折れ線18の谷折目側が受けられる。これにより、二つ折りして収納されたポケットティッシュPをその他側面側から受け止めることになる。
【0023】
ポケットティッシュPは、折り畳まれた複数枚(例えば、20枚)のティッシュペーパーTを重ね、これを合成樹脂製袋からなる長方形状のティッシュペーパー入れBに入れて封止している。また、該ティッシュペーパー入れBの一側面には、その中央部に横断状にミシン目などの引き剥がし線(図示せず。)が設けられ、その両側を互いに反対方向へ引くことにより該引き剥がし線が簡単に破れて引出口Mが形成されるようになっている。
【0024】
そこで、前記ケース本体1の開放した下面から該ケース本体1内に輪ゴム16を掛止した内枠体2を挿入し、その下面に塞ぐようにして下板5を被着する。前記輪ゴム16は鉛直面内すなわちケース本体1上面のティッシュ取出口7と直交する面内で張設される。これにより、ポケットティッシュケースAが成形される。
【0025】
本発明に係るポケットティッシュケースAは上記構成からなり、次にその使用方法を説明する。まず、ポケットティッシュケースAの上板4におけるミシン目線に沿って切れ目を入れ、そのミシン目線で囲まれる部位を切り離してティッシュ取付口7を開設する。
【0026】
一方、ティッシュペーパーTを収納したポケットティッシュPの一側面に設けられる引き剥がし線の両側を互いに反対方向へ引いて引出口Mを開く。この場合、引出口Mの長手方向の両端部を少し大きく破断しておくことが好ましい。そして、その引出口Mを外側に位置させると共に該引出口Mを山折してポケットティッシュPを二つ折りする。更に、図5に示すようにポケットティッシュPをティッシュ取出口7を介しその引出口Mがティッシュ取出口7側に位置するようにしてケース本体1内に収納する。
【0027】
前記二つ折りされたポケットティッシュPは、その他側面側から輪ゴム16の上張部分16aにより支持されると共に屈曲受板17により受け止められる。このようにしてポケットティッシュPを収納したポケットティッシュケースAは、例えば室内の机の上に置いて使用される。
【0028】
この場合、図6、図7に示すように引出口Mと対向する側にティッシュ取出口7が設けられティッシュペーパーTの折曲部位tが指先で容易に摘めるようになっているので、ティッシュペーパーTを非常に摘み易い。よって、前記引出口Mがしっかり開くこともあって、ティッシュペーパーTを指先で軽く摘んで一枚ずつ引き出せ簡単に取り出すことができる。この場合、ポケットティッシュPが1個であっても、輪ゴム16により該ポケットティッシュPはその引出口Mがケース本体1のティッシュ取出口7部位に近づくように付勢されている。
【0029】
また、図8に示すようにティッシュペーパーTが少なくなってきた場合も、輪ゴム16の上張部分16aの弾発性によりポケットティッシュPがティッシュ取出口7側へ付勢されているので、最後のティッシュペーパーTまで簡単に取り出せるようになる。しかも、ポケットティッシュPは屈曲受板17により受け止められるので、指先で押してもグラツキが少なくティッシュペーパーTの取出動作が安定して行える。
【0030】
ポケットティッシュPのティッシュペーパーがなくなれば、新しいポケットティッシュPを初めのように引出口Mを開き二つ折りした状態でティッシュ取出口7を介してそのまま空間部8に収納する。よって、例えばティッシュペーパー入れBの中からいちいちティッシュペーパーTを取り出してこれらティッシュペーパーTを空間部8に収容する必要もなく、ティッシュペーパーTが入ったままポケットティッシュPを収納でき、この収納や詰め替えが簡単に行える。
【0031】
なお、この屈曲受板17は必ずしも必要ではなく、外しておいても使用上支障はない。前記支持部材として輪ゴム16を説明したが、該支持部材には他にゴム紐、コイル状に巻いた細い線材などの弾性索条やスポンジ状の板、軟弾性のゴム板がある。スポンジ状の板や軟弾性のゴム板は、例えば下板4の内面に突設するようにすれば良く、この場合は内枠体2が不要になる。
【0032】
次に、複数個例えば2個のポケットティッシュP,Pを使用する場合を説明する。なお、ケース本体1の高さを長くすれば4個、5個又はそれ以上のポケットティッシュPを収納できる。そこで、2個のポケットティッシュP,Pを使用する場合は、前記と同様に各ポケットティッシュPの引出口Mを開けておき、これらポケットティッシュP,Pを図9に示すようにその一側面に開かれる引出口Mを山折して二つ折りした状態で重ねて空間部8に収納する。このとき、前記下側に位置するポケットティッシュPの他側面に引出口Mに対応した谷折目線に沿って輪ゴム16の上張部分16aが当接してその他側面側から支持し、上側に位置するポケットティッシュPの引出口Mと対向する側にティッシュ取出口7が近づいて位置する。
【0033】
この場合も、前記と同様に引出口Mと対向する側にティッシュ取出口7が設けられティッシュペーパーTの折曲部位tが指先で容易に摘めるようになっているので、ティッシュペーパーTを非常に摘み易い。よって、前記引出口Mがしっかり開くこともあって、ティッシュペーパーTを指先で軽く摘んで一枚ずつ引き出せ簡単に取り出すことができる。
【0034】
また、各ティッシュペーパーTが少なくなってきた場合も、輪ゴム16の上張部分16aの弾発性により各ポケットティッシュPがティッシュ取出口7側へ付勢されて最後のティッシュペーパーTまで簡単に取り出せるようになる。しかも、各ポケットティッシュPは屈曲受板17により受け止められるので、指先で押してもグラツキが少なくティッシュペーパーTの取出動作が安定して行える。
【0035】
両ポケットティッシュP,PのティッシュペーパーTがなくなれば、新しい2個のポケットティッシュP,Pを初めのように引出口Mを開き二つ折りした状態でティッシュ取出口7を介してそのまま空間部8に収納する。よって、例えばティッシュペーパー入れBの中からいちいちティッシュペーパーTを取り出してこれらティッシュペーパーTを空間部8に収容する必要もなく、ティッシュペーパーTが入ったままポケットティッシュPを収納でき、この収納や詰め替えが簡単に行える。
【0036】
図10乃至図13は他の実施の形態に係るポケットティッシュケースを示すものである。図10は他の実施の形態に係るポケットティッシュケースの斜視図、図11は図10のZ−Z線断面図である。このポケットティッシュケースA1は合成樹脂材により成形され、ケース本体20と該ケース本体20内に収められた屈曲受板21とからなる。
【0037】
前記ケース本体20は外形が直方体形状をなし上面と下面が開放しており、その上面がティッシュ取出口22とされる。そして、周囲の側板23を構成する一対の長板部23a,23aと一対の短板部23b,23bとで囲われるようにして空間部24が成形される。この空間部24内に前記二つ折りし引出口Mを開けた状態の1個のポケットティッシュPが収納される。このため、前記二つ折りした状態でポケットティッシュPが収納されるように空間部24の幅すなわち長板部23a,23a間の距離が設定される。
【0038】
前記対向する一対の短板部23b,23bには、そのほぼ中央の所定の高さ位置に略馬蹄形状の切欠溝25,25が開設され、前記と同じく両切欠溝25,25間に支持部材である弾性索条としての輪ゴム16が掛止される。この場合、輪ゴム16は水平面内すなわちケース本体20上面のティッシュ取出口22と平行な面内で張設される。該輪ゴム16はケース本体20の上面から所定の距離内側に離れて位置し、該上面とほぼ平行に配置される。前記屈曲受板21は、本実施の形態の屈曲受板17とほとんど同じ形状であるが、合成樹脂材により成形されている。また、この屈曲受板21の谷折目線側の開き角度は、ケース本体20内に収納するポケットティッシュPによって適宜設定される。
【0039】
他の実施の形態に係るポケットティッシュケースA1は上記構成からなり、次にその使用方法を説明する。まず、前記と同様にティッシュペーパーTを収納した1個のポケットティッシュPの一側面に設けられる引き剥がし線の両側を互いに反対方向へ引いて引出口Mを開く。この場合も、引出口Mの長手方向の両端部を少し大きく破断しておくことが好ましい。そして、その引出口Mを外側に位置させると共に該引出口Mを山折してポケットティッシュPを二つ折りする。更に、このままの状態でポケットティッシュPを該ティッシュ取出口22を介しその引出口Mがティッシュ取出口22側に位置するようにしてケース本体1内に収納する。
【0040】
前記二つ折りされたポケットティッシュPは、その他側面側から屈曲受板21により受け止められる。このようにしてポケットティッシュPを収納したポケットティッシュケースA1は、例えば室内の机の上に置いて使用される。
【0041】
この場合も、図12に示すように引出口Mと対向する側にティッシュ取出口22が設けられティッシュペーパーTの折曲部位tを指先で容易に摘めるようになっているので、ティッシュペーパーTが非常に摘み易い。よって、前記引出口Mがしっかり開くこともあって、ティッシュペーパーTを指先で軽く摘んで一枚ずつ引き出せ簡単に取り出すことができる。
【0042】
また、ティッシュペーパーTが少なくなってきた場合も、輪ゴム16の弾発性によりポケットティッシュPがティッシュ取出口22側へ付勢されて最後のティッシュペーパーTまで簡単に取り出せるようになる。しかも、ポケットティッシュPは屈曲受板22により受け止められるので、指先で押してもグラツキが少なくティッシュペーパーTの取出動作が安定して行える。なお、この屈曲受板21も必ずしも必要ではなく、外しておいても使用上支障はない。
【0043】
次に、他の実施の形態に係るポケットティッシュケースA1において、複数個例えば2個のポケットティッシュPを使用する場合を説明する。なお、この場合もケース本体20の高さを長くすれば4個、5個又はそれ以上のポケットティッシュPを収納できる。
【0044】
そこで、2個のポケットティッシュP,Pを使用する場合は、前記と同様に各ポケットティッシュPの引出口Mを開けておき、これらポケットティッシュP,Pを図13に示すようにその一側面に開かれる引出口Mを山折して二つ折りした状態で重ねて空間部24に収納する。このとき、前記下側に位置するポケットティッシュPの他側面に引出口Mに対応した谷折目線に沿って輪ゴム16が当接して受け止め、上側に位置するポケットティッシュPの引出口Mと対向する側にティッシュ取出口22が位置する。この場合輪ゴム16は、ティッシュ取出口22と平行な面内で張設されるので、2本の輪ゴム16が屈曲受板21を支持することになる。
【0045】
この場合も、前記と同様に引出口Mと対向する側にティッシュ取出口22が設けられティッシュペーパーTの折曲部位tが指先で容易に摘めるようになっているので、ティッシュペーパーTを非常に摘み易い。よって、前記引出口Mがしっかり開くこともあって、ティッシュペーパーTを指先で軽く摘んで一枚ずつ引き出せ簡単に取り出すことができる。
【0046】
また、各ティッシュペーパーTが少なくなってきた場合も、輪ゴム16の弾発性により各ポケットティッシュPがティッシュ取出口22側へ付勢されて最後のティッシュペーパーTまで容易に取り出せるようになる。しかも、各ポケットティッシュPは屈曲受板21により受け止められるので、指先で押してもグラツキが少なくティッシュペーパーTの取出動作が安定して行える。
【0047】
両ポケットティッシュP,PのティッシュペーパーTがなくなれば、新しい2個のポケットティッシュP,Pを初めのように引出口Mを開き二つ折りした状態でティッシュ取出口22を介してそのまま空間部24に収納する。よって、この場合もティッシュペーパー入れBの中からいちいちティッシュペーパーTを取り出してこれらティッシュペーパーTを空間部24に収容する必要もなく、ティッシュペーパーTが入ったままポケットティッシュPを収納でき、この収納や詰め替えが簡単に行える。
【0048】
本発明に係るポケットティッシュケース又は他の実施の形態に係るポケットティッシュケースのいずれもケース本体1,20の外周面の余白は、各種広告欄として利用でき有益である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係るポケットティッシュケースの斜視図。
【図2】同分解斜視図。
【図3】図1のX−X線断面図。
【図4】図1のY−Y線断面図。
【図5】ポケットティッシュを収納する状態を示す斜視図。
【図6】使用状態を示すポケットティッシュケースの縦断面図。
【図7】使用状態を示すポケットティッシュケースの横断面図。
【図8】使用状態を示すポケットティッシュケースの横断面図。
【図9】同2個のポケットティッシュを使用した状態を示す横断面図。
【図10】他の実施の形態に係るポケットティッシュケースの斜視図。
【図11】図10のZ−Z線断面図。
【図12】使用状態を示す他の実施の形態に係るポケットティッシュケースの横断面図。
【図13】同2個のポケットティッシュを使用した状態を示す横断面図。
【符号の説明】
【0050】
1 ケース本体
7 ティッシュ取出口
8 空間部
16 支持部材(輪ゴム)
17 屈曲受板
20 ケース本体
21 屈曲受板
22 ティッシュ取出口
24 空間部
A ポケットティッシュケース
A1 ポケットティッシュケース
M 引出口
P ポケットティッシュ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面に開かれる引出口を山折して二つ折りした状態でポケットティッシュが収納される空間部を有し該引出口と対向する側にティッシュ取出口を設けたケース本体と、
前記空間部内に配置され二つ折りされた前記ポケットティッシュをその他側面側から支持する支持部材とを備え、
前記支持部材は弾発性を有し、前記ポケットティッシュは前記支持部材によりその引出口が前記ケース本体のティッシュ取出口部位に近づくように付勢されることを特徴とするポケットティッシュケース。
【請求項2】
前記支持部材は弾性索条からなり、前記空間部に二つ折りした状態で収納される前記ポケットティッシュをその他側面側から受け止める屈曲受板を前記支持部材に掛止するようにした請求項1記載のポケットティッシュケース。
【請求項3】
前記ティッシュ取出口は二つ折りした前記ポケットティッシュが出し入れできる大きさである請求項1又は2記載のポケットティッシュケース。
【請求項1】
一側面に開かれる引出口を山折して二つ折りした状態でポケットティッシュが収納される空間部を有し該引出口と対向する側にティッシュ取出口を設けたケース本体と、
前記空間部内に配置され二つ折りされた前記ポケットティッシュをその他側面側から支持する支持部材とを備え、
前記支持部材は弾発性を有し、前記ポケットティッシュは前記支持部材によりその引出口が前記ケース本体のティッシュ取出口部位に近づくように付勢されることを特徴とするポケットティッシュケース。
【請求項2】
前記支持部材は弾性索条からなり、前記空間部に二つ折りした状態で収納される前記ポケットティッシュをその他側面側から受け止める屈曲受板を前記支持部材に掛止するようにした請求項1記載のポケットティッシュケース。
【請求項3】
前記ティッシュ取出口は二つ折りした前記ポケットティッシュが出し入れできる大きさである請求項1又は2記載のポケットティッシュケース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−223646(P2007−223646A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47343(P2006−47343)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(594097594)藤徳紙器株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(594097594)藤徳紙器株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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