説明

ポジトロン放射断層撮影システムとその情報処理方法、およびコンピュータ可読媒体

【課題】システム運用に係わる融通性を高めたポジトロン放射断層撮影システムの情報処理方法を提供すること。
【解決手段】情報処理方法は、各検出領域が少なくとも1つの検出器モジュールとそれに対応する領域コレクタを有する複数の前記検出器領域を有するPET検出器から得られたポジトロン放射断層撮影(PET)情報を処理する方法であって、単一PETイベントのエネルギー情報と結晶位置情報を含む単一PETイベントに関するPETイベント情報を受信する段階と、非検出器イベント情報を受信する段階と、(1)細タイムスタンプ、エネルギー情報および結晶位置情報を含むPETイベント・エントリ、および(2)前記受信した非検出器イベント情報を含む非検出器イベント・エントリとを含むイベント・リストを生成する段階と、前記生成したイベント・リストをオフライン処理のためのコンピュータに送る段階とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、ポジトロン放射断層撮影(PET)イメージング・システムに関する。より具体的には、エネルギー、タイミングおよび空間特性に関する検出イベントのペアリングおよびフィルタリングに関する。
【背景技術】
【0002】
ポジトロン放射断層撮影法(PET)の使用は医用イメージングの分野で増大している。PETイメージングでは、放射性薬剤が、注入、吸入または食物摂取によって、画像化される対象に導入される。放射性薬剤の投与後、薬剤の物理的および生体分子的な特性によって薬剤は人体内の特定の場所に集中する。薬剤の実際の空間分布、薬剤の蓄積領域の強さ、および投与されてから最終的に排出されるまでのプロセスの動力学は全て、臨床的意味を有する可能性のある因子である。このプロセスにおいて、放射性薬剤に付着されたポジトロン放射体が、半減期や分岐比などの同位体の物理的特性にしたがってポジトロンを放射する。
【0003】
放射性核種がポジトロンを放射し、放射されたポジトロンが電子と衝突すると、消滅イベントが生じ、ポジトロンと電子が破壊される。ほとんどの場合に、消滅イベントによって、実質的に180度異なる方向に伝わる511keVの2つのγ線が生じる。
【0004】
2つのγ線を検出し、それらの位置の間の線、すなわち同時計測線(line-of-response:LOR)を引くことによって、予想される元の壊変の位置を求めることができる。このプロセスは、予想される相互作用線を識別するだけでなく、多数のそのような線の蓄積と、断層撮影再構成プロセスによって、元の分布を推定することができる。正確なタイミング調整(数百ピコ秒以内)が可能な場合は、2つのシンチレーション・イベントの位置決めに加えて、飛行時間(time-of-flight)(TOF)の計算によって、線に沿ったイベントの予想される位置に関するより多くの情報を追加することができる。この線に沿った位置決めの精度は、スキャナのタイミング分解能の限度によって決まる。元のシンチレーション・イベントの位置の決定の限度は、スキャナの最終的な空間分解能を決定するが、同位体の特定の特性(例えば、ポジトロンのエネルギー)は、特定の薬剤の空間分解能の決定に寄付する(2つのγ線のポジトロン範囲と共線形性により)。
【0005】
多数のイベントを収集することにより、断層撮影再構成によって対象の画像を評価するのに必要な情報ができる。対応する検出器要素において実質的に同時に起こる2つの検出イベントによって同時計測線が形成され、その同時計測線の幾何学的属性にしたがってヒストグラムを作成して、投影、即ち再構成されるサイノグラムを定義することができる。イベントを画像に個々に追加することもできる。
【0006】
したがって、データ収集と画像再構成の基本要素は、システム患者開口部を横切る線であるLORである。イベントの位置に関する更に他の情報を得ることができる。第1に、サンプリングと再構成によって、点を再構成するかまたは位置決めするシステムの能力は、視野全体にわたる空間不変量でなく、中心の方が高く、周囲になるほど徐々に低下することが知られている。この挙動を特徴付けるために、一般に、点広がり関数(PSF)が使用される。PSFを再構成プロセスに組み込むツールが開発されてきた。第2に、飛行時間、すなわち1対の検出に関与する各検出器にγ線が到達する時間の間の時間微分を使用して、LORに沿ってイベントが生じた可能性が高い位置を決定することができる。
【0007】
前述の検出プロセスは、多数の消滅イベントに繰り返されなければならない。イメージング作業を支援するために幾つのカウント(すなわち、対のイベント)が必要であるかを決定するには各イメージング事例を分析しなければならないが、現在の実施から、典型的な長さ100cmのFDG(フルオロデオキシグルコース)の研究には数億カウントを蓄積しなければならないことが分かっている。 このカウント数を蓄積するのに要する時間は、薬剤の投与量とスキャナの感度と計数性能によって決まる。
【0008】
PETイメージング・システムは、互いに向かい合って配置された検出器を用いて対象から出るγ線を検出する。一般に、各角度から来るγ線を検出するために検出器リングが使用される。したがって、PETスキャナは、一般に、できるだけ多数の放射を取得できるように実質的に円筒状であり、当然のことながら等方性でなければならない。また、欠落している角度のデータを取得するために検出器の部分リングと回転を使用することもできるが、そのような手法は、スキャナの全体的な感度に関して厳しい結果を有する。平面内に含まれる全てのγ線が検出器と相互作用する可能性を有する円筒形状では、軸方向寸法を大きくすることは、放射を取得する感度または能力にきわめて有益な効果を有する。したがって、最良の設計は、全てのγ線が検出される可能性を有する球体のものである。当然ながら、人間に応用するには、球状設計は、きわめて大きくならざるを得ず、したがってきわめて高価になる。したがって、現実的には、検出器の軸方向範囲が変数である円筒形状が、現在のPETスキャナの設計の原点である。
【0009】
PET検出器は、単一の相互作用、すなわち結晶と相互作用しシンチレーション・プロセスにより光を生成する1つのγ線しか検出できないが、PETイベントは、実質的に同時または一致して、実質的に511keVで、また対象で生じた消滅イベントと適合する幾何学的配置で行われる検出のうちの2つによって定義される。したがって、PETシステムは、イベントを正確に突き合わせするかペアにするために、各イベントのタイムラインを識別することが必要とされる。これは、一般に、実時間比較器の複雑な回路網を構成することによって達成される。計数率の要件はきわめて厳しいので(1秒当たり最大数億イベント)、同時係数回路の構造は、膨大な数のカウントを処理することが必要とされる。
【0010】
効率に対する要求が高く、すなわち1秒当たり数億のイベントを受信して処理することができなければならないので、同時係数回路の設計は、一般に、PET検出システムの最も重要な要素のうちの1つである。トリガ線は、一般に、比較のために集中型ハードウェアに導かれる。通常、同時係数ウィンドウ、すなわち2つのイベントが「同時」であると考えられる時間期間は、高レベルのシステム制御により設定され、一般に、調査中に変化したり調査と調査の間に変化したりしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来のPETシステムには、いくつかの欠点と制限がある。例えば、従来システムは、個別の検出器から生じる可能性のある同時係数の数が指数関数的に増えるため、きわめて複雑である。この複雑さは、トリガ信号が数十や数百の検出器要素から来るときには扱いやすいが、数千の個別の信号をカウントすることができる画素化システムでは単純に扱えなくなる可能性がある。
【0012】
さらに、また、従来のPETシステムは、融通が利かず、帯域幅、幾何学的配置およびフィルタリング・パラメータをわずかしか変更できない。更に、従来システムにおける同時係数回路は、一般に、まさにイベントをペアリングする操作がタイミング情報を破壊し、可変同時係数ウィンドウを同じデータ上に適用できないという点で破壊的である。
【0013】
目的は、システム運用に係わる融通性を高めたポジトロン放射断層撮影システムとその情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の例示的な実施形態は、検出イベントが、適切なタイムスタンプでタグ付けされ、オフライン処理システムに送信され、(1)データソース(検出器)の接続方法の融通性を高め、(2)処理資源を割り当てる際の融通性を高め、(3)データに実際にどんな処理/フィルタリングを実行するかの融通性を高めること、を可能にするPETシステムを対象とする。
【0015】
詳細には、一実施形態は、ポジトロン放射断層撮影(PET)情報を収集し処理するためのシステムを対象とし、複数の検出器領域内に配列された複数の検出器モジュールと、複数の検出器領域に対応し、対応する検出器領域内の各検出器モジュールからPETイベント情報をそれぞれ受信する複数の領域イベント・コレクタと、単一PETイベントのエネルギー情報と結晶位置情報を含むPETイベント情報を前記複数の領域イベント・コレクタのそれぞれから受信するとともに、非検出器イベント情報を受信する大域イベント・コレクタとを具備し、前記大域イベント・コレクタは、さらに、細タイムスタンプ、前記エネルギー情報、および前記結晶位置情報を含むPETイベント・エントリと、前記受信した非検出器イベント情報を含む非検出器イベント・エントリとを含むイベント・リストを生成して、前記生成したイベント・リストをオフライン処理のためのコンピュータに送信するように構成される。
【0016】
別の実施形態は、各検出器領域が少なくとも1つの検出器モジュールとそれに対応する領域コレクタを有する複数の前記検出器領域を有するPET検出器、から得られたポジトロン放射断層撮影(PET)情報を処理する情報処理方法を対象とし、この情報処理方法は、PETイベント情報が、単一PETイベントのエネルギー情報と結晶位置情報を含む、前記単一PETイベントに関するPETイベント情報を受信する第1受信段階と、非検出器イベント情報を受信する第2受信段階と、細タイムスタンプ、前記エネルギー情報および前記結晶位置情報を含むPETイベント・エントリと、前記受信した非検出器イベント情報を含む非検出器イベント・エントリとを含むイベント・リストを生成する生成段階と、前記生成されたイベント・リストをオフライン処理のためのコンピュータに送信する送信段階とを含む。
【0017】
1つの態様によれば、生成段階は、イベント・リスト内の定期的位置に粗タイムスタンプ・エントリを含むイベント・リストを生成する段階を含む。
【0018】
別の態様によれば、生成段階は、PETイベント・エントリを含むイベント・リストを生成する段階を含み、PETイベント・エントリはエントリ・タイプを含む。
【0019】
更に別の態様によれば、第2受信段階は、ベッド位置情報、検出器の角度位置、心臓EKG情報、呼吸ゲート制御信号情報、別の検出器からのイベント、および他の生理学的情報のうちの少なくとも1つを含む非検出器イベント情報を受信する段階を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】単一イベントのリスト形式を示す図である。
【図2】単一イベント、粗タイムスタンプおよび大域タイムスタンプの形式を示す図である。
【図3】本実施形態によるシステムを示す図である。
【図4】非検出器イベントの収集を示す系統図である。
【図5】PET/CTスキャナおよび関連座標系を示す図である。
【図6】本実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施形態および実施形態に付随する多くの利点のより完全な理解は、添付図面と関連して検討されたときに以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるであろう。
図1は、単一イベントのリスト形式を示す図である。すなわち図1は、例示的な実施形態で使用されるイベント・リストの形式を示す。図1に示されるように、イベント・リストは、一連のエントリを含む。各エントリは、エントリに含まれるデータの型を示す「エントリ・タイプ」フィールドを含む。単一イベントには、(1)イベント・データ、(2)粗タイムスタンプ・データ、および(3)生理学的データ、ベッド位置、検出器位置、EKGデータなどの非イベント・データ、の少なくとも3つの異なるエントリタイプが使用される。図1に示されるように、一実施形態では、粗タイムスタンプ・イベントが、25.6マイクロ秒ごとに発生する。非検出器イベントは、一般に、粗タイムスタンプ・イベントのイベント・データほど頻繁に発生しない。
【0022】
図2は、単一イベント、粗タイムスタンプおよび大域タイムスタンプの形式を示す図である。すなわち図2に示されるように、一実施形態では、イベント・データ・エントリの形式は、(1)9ビット・エネルギー・フィールド、(2)18ビット結晶位置フィールド、(3)20ビット細スタンプ、および(4)エントリ・タイプ・フィールドの4つのフィールドを含む。エネルギー・フィールドは、検出イベントのエネルギーを指定し、結晶位置フィールドは、イベントの生じた結晶場所を示す。一実施形態では、細タイムスタンプは、24.4ピコ秒の分解能を有し、したがって25.6マイクロ秒の範囲を有する。
【0023】
図2に示されるように、一実施形態では、粗タイムスタンプ・フィールドは、(1)32ビット粗タイム・フィールドと(2)エントリ・タイプ・フィールドを含む。粗タイムスタンプ・フィールドの分解能は、細タイムスタンプ・フィールドの範囲と等しく、すなわち一実施形態では25.6マイクロ秒である。したがって、粗タイムスタンプ・フィールドに32ビットが割り当てられるので、範囲は、この実施形態では約30時間である。
【0024】
上記した以外のフィールド・タイプと各フィールドへのビット割り当ても、使用することができる。
【0025】
図2は、また、粗タイムスタンプと細タイムスタンプを連結して24.4ピコ秒の分解能と約30時間の範囲を提供することによって、リスト内の各イベントから導き出すことができる大域時間スタンプを示す。
【0026】
前述のように、大域イベント・コレクタは、主に、図1に示されたイベント・リストを生成し、処理(すなわち、イベントのペアリングと再構成)のためにイベント・データをデータ収集サーバとペアリング・サーバに送信する役割を負う。しかしながら、イベント・計数率に依存する資源の可用性により、大域イベント・コレクタは、フィルタリング、イベント・ペアリングおよび再構成を含むデータ処理タスクを実行することもできる。
【0027】
図3は、本実施形態によるシステムを示す図である。図3に示されるように、一実施形態の設計の1つの態様は、すべてのイベントのサブセットを、イベントの分析を開始できる大域イベント・コレクタ基板に導くことである。実際には、計数率(または、全体的なランダムフラクション)に応じて、コレクタに入力する検出器要素を選択することで、フィルタリング操作の最適化を支援することができる。例えば、計数率が高いほど、連続した検出器からイベントを収集する効率が高くなり、その理由は、必然的に、それらのイベントから真の同時係数が起こることができないからである。そのような場合、大域イベント・コレクタは、必要な取得帯域幅を小さくするために、この空間近傍からの同時係数イベントを単純かつ自動的に廃棄することになる。しかしながら、完全なランダム補正を実行するには、実際の計数率の適切な記録と報告が必要な場合がある。低いレベルから中間レベルの計数率の場合、大域イベント・コレクタは、真のペアを見つけ、後の段階のためにデータをより効率的に準備する(ソートする)可能性を改善するために、範囲全体を均一にカバーする検出器要素のサブセットに接続される。
【0028】
図3では、大域イベント・コレクタ300は、領域イベント・コレクタに接続されたN個の検出器モジュールを含む領域コレクタ301から、イベント情報を受信する。領域コレクタは、類似の構造を有する。図3に示されるように、大域イベント・コレクタ300は、また、非検出器イベントを受信し、非検出器イベントは、ベッド位置、ガントリ回転、および他の標準実験室タイミング基準情報に関する情報を含む。大域イベント・コレクタは、領域コレクタ301〜303が受信した検出器情報を、ベッド位置やガントリ位置などの対応する非検出器イベント情報と関連付ける。
【0029】
図3に示されるように、大域イベント・コレクタによって収集された情報は、関連付けられたデータベース/磁気ディスク装置320に記憶するためにデータ収集サーバ310に送られる。イベントのペアリングは、データベース320に記憶された情報にアクセスするペアリング・サーバ330によって実行される。あるいは、データ収集サーバ310とペアリング・サーバが同一の装置によって実施されてもよい。
【0030】
図3に示されるように、大域イベント・コレクタ300は、すべての検出器からのイベント・データを単一リストに組み込む。イベント・リストの形式は、図1および図2に詳細に示される。
【0031】
大域イベントは、また、患者ベッドと検出器リングの運動/位置およびEKG情報などの生理学的情報に関連したイベント等の非検出器イベントをイベント・リストに組み込む。非検出器イベントは、異なる時間スケールで発生し、例えば、患者ベッドの位置を時間の関数として記述し、PET検出器リング上の角度位置を、時間、EKG信号、呼吸信号トレースおよびPETイベント・データの最終的な再構成と表現を実行するのに必要な他の生理学的または変換器信号の関数として記述する。
【0032】
イベント・リストを作成する際、大域イベント・コレクタ300は、イベントを並び替えてイベントを時間順に配列しなければならない。さらに、大域イベント・コレクタ300は、一時的イベント・バッファを、後で処理するために一時的イベント内にバッファしなければならない。バッファがオーバフロー状態の場合、大域イベント・コレクタは、受信したイベントをランダムに廃棄する。
【0033】
大域イベント・コレクタの別の機能は、インライン・イベント・フィルタリングにおいて、関心領域(window of interest)に含まれないデータ情報(例えば、エネルギー)を有するイベントをイベント・リストから廃棄することである。関心領域(window of interest)、あるいは他のフィルタリング基準は、プログラム可能である。
【0034】
これに代わる実施形態では、非検出器イベントのいくつかは、ユーザの都合のために、イベント・リストに挿入される他に、別のリストに配列される。例えば、EKGデータを別々に記憶して、ユーザがEKGビートのヒストグラムを生成できるようにすることができる。
【0035】
図3に示されるように、大域イベント・コレクタ300は、ペアリング・サーバ330による最終処理のために、イベント・リストをイベント・データと共にデータ収集サーバ310に分配する。一実施形態では、データは、所定の時間量に達するか所定のイベント数に達したときにペアリング・サーバに定期的に転送される。ペアリング・サーバへのデータ転送は、大域イベント・コレクタの一時バッファ内にコンパイルされたイベント・リストの一部分をメッセージ内に定期的に圧縮し、それらをサーバに送信することによって実行される。最適なデータ転送のために、メッセージのサイズと転送速度は、イベント・計数率の関数である。計数率が高いほどメッセージは大きくなり、したがって、各メッセージと関連したオーバヘッドは無視できるようになる。計数率が低いほど大きな帯域幅が利用できるのでメッセージ・オーバヘッドが重要でなくなり、したがって、より小さいメッセージがより頻繁に送信され、サーバは、データの大きな部分をバースト処理し次に長期間休止するのではなく、データのより小さな部分を連続的に処理することができる。
【0036】
しかしながら、大域イベント・コレクタのパッケージングおよびデータ転送の効率は有限であり、システムを常に過負荷にする可能性がある。イベント収集操作とイメージングの組み合わせが、帯域幅全体を占有しかつ使用可能な一時的メモリを一杯にする可能性があることは明らかである。大域イベント・コレクタは、バッファが一杯になる速度を監視し、バッファ・オーバフローを回避するのに十分な速度でイベントをランダムに拒絶するデューティ・サイクルを実施することができる。イベントの拒絶は、ユーザに合図されるが、ほとんどの場合、データ取得の割り込みを完了することが望ましい。また、取得システムは、計数率の超過によってスキャンを単純に終了する前にデューティ・サイクルが所定の限度(例えば、50%)を超えないように構成されてもよい。実際には、高放射能スキャンのうちのいくつかは、短命な同位体を伴い、その場合、計数率は、最終的に、(取得を完全に中断しないことによって)スキャンの回収を更に価値あるものにする許容レベルに戻る。
【0037】
一実施形態では、大域イベント・コレクタ300は、進行中に様々な機能を実行するように再構成することができるプログラマブル・ロジックで実装される。例えば、PETスキャン中、最初の計数率は、一般に、きわめて高く、大域イベント・コレクタのほとんどの論理資源が、イベント・リスト内のイベント・データをデータ収集サーバに転送するために利用される。スキャンが続くとき、計数率は減少し、これにより、大域イベント・コレクタのロジックのいくつかをデータ処理のために解放することができる。計数率が更に減少し続けるとき、データ処理に専用できる大域イベント・コレクタの論理資源を増やすことができ、ペアリング・サーバの活動が支援される。
【0038】
したがって、大域イベント・コレクタは、絶えず計数率を監視し、データ処理を実行すべきかどうかを判断し、これによりシステムの資源が完全に利用され、その結果、システムのコスト効果が向上し、画像処理が高速になる。計数率は、各検出器モジュールによって連続的に監視されるが、すべての検出器モジュールは、この情報を大域イベント・コレクタに提供し、大域イベント・コレクタは、PETスキャナ全体の実時間計数率を計算する。スキャナ全体の計数率に基づいて、大域イベント・コレクタは、データ収集に加えて、常に、実行できるデータ処理の種類と量を決定する。これにより、研究の範囲内の瞬間的計数率にしたがって、様々な計算処理資源がどのように動的に割り当てられるかを調整することができる。例えば、86Rbの研究では、極端に高い計数率が、1,2分続き、次に中間または低い計数率になる。
【0039】
図4は、ベッドの位置と検出器リング/ガントリの位置を含む非検出器イベントが検出され、図3に示した大域イベント・コレクタ300に送られるPETシステムの一部分を示す。図5も参照されたい。図4に示されるように、患者ベッド400の位置は、ベッド・コントローラ410によって制御される。ベッド・コントローラは、オペレータが設定することができるスキャン軌道に基づいてベッドを制御する。同様に、検出器リング/ガントリ430の位置および/または回転が、検出器リング・コントローラ440によって制御される。検出器リング・コントローラは、オペレータが設定することができるスキャン軌道に基づいて検出器リングを制御する。これに代わる実施形態では、ベッド・コントローラとスキャン・コントローラは、所定のスキャン軌道またはオペレータにより選択されたスキャン軌道に基づいて患者ベッドと検出器リングの両方を制御する単一制御ユニットに組み込むことができる。ベッド・コントローラ410と検出器リング・コントローラ440は、ハードウェアまたはハードウェア/ソフトウェア組み合わせで実装することができる。
【0040】
ベッド位置検出器420は、定期的に、患者ベッド400の位置および/または速度を検出し、検出した位置を非検出器イベントとして大域イベント・コレクタ300に送る。ベッド位置検出器は、患者ベッド400の動きを検出するための種々のセンサを含む。同様に、検出器リング位置検出器450は、検出器リング430の位置および/または角速度を定期的に検出し、検出した位置を非検出器イベントとして大域イベント・コレクタ300に送る。検出器リング位置検出器は、検出器リング430の動きの検出のために様々なセンサを含む。
【0041】
図6は、一実施形態による方法のフローチャートである。図6では、段階601〜603は連続し並行に実行される。段階601で、検出器リング内の検出器モジュールによって単一のPET消滅イベントが検出される。段階601で、イベントは、例えば、結晶位置とイベントのエネルギーを含む。段階602で、患者ベッドや検出器リングなどの位置に関連付けられた非検出器イベント情報が検出される。例えば、段階602で、取得される非検出器イベントは、ベッドの位置の変化である。段階603で、粗タイムスタンプ情報が定期的に取得される。段階604で、取得されたPET検出器イベント、取得された非検出器イベントおよび粗タイムスタンプが、それらが生じたときにイベント・リストに追加される。PET検出器イベントと非検出器イベントが、様々な頻度で生じ、それに応じてイベント・リストに追加されることが理解されよう。段階605で、イベント・リストまたはその一部分が、オフライン処理(例えば、リストモード再構成)のためにペアリング・サーバや他のコンピュータに送られる。段階605は、定期的にまたはイベント・リストのサイズに基づいて実行されてもよい。
【0042】
本実施形態の分脈では、用語「オフライン」は、検出されたときとは大きく異なる時間にイベントを処理することができるシステムを指す。実際の実施態様では、当然ながら、許容可能な時間期間内で画像を得るために、検出後できるだけ迅速にペアリング操作を開始することが望ましい。代替実施態様では、検出とペアリングが、パイプライン・モードで同時に(様々なイベントで)行われる。
【0043】
本実施形態の利点は、各検出器要素が同期され、データが通信線で共通形式で送信される場合に、システムが、任意数の個別の検出器要素になるように自動的に規模を変化させることである。この点において、通信線路が、全てのイベントを処理サーバに収容するのに十分な帯域幅を有し、処理サーバが、入力される全てのイベントを処理できるほど高性能であると仮定される。
【0044】
本実施形態の別の利点は、通信線路と処理装置のどちらも、入力される全てのイベントを処理するほど高性能ではない場合に、検出器および/または処理装置にあるバッファが情報を一時的に「保持」し、それを、帯域幅および/または処理時間が利用可能なときに処理装置に送信して処理できることである。これは、一般に、調査のきわめて初期に強度の放射能バーストがあり、その後で放射性トレーサの物理的および生物学的分布が低下するにつれて計数率がだんだん低下する短寿命同位体に当てはまる。この状況のきわめて代表的な事例は、心臓潅流分析の初回通過ルビジウム調査で見ることができる。患者の静脈に実質的にボーラス・モードで注入される86Rbの放射能が多くなると、放射能が全て最終的に心臓に送られ、それをPET検出器が「見る」。半減期90秒のルビジウムが減衰し、放射能が身体全体に徐々に均一に分散されるとき、計数率も大幅に減少する。
【0045】
本実施形態のさらに他の利点は、このシステムによって、複数の同時係数ウィンドウ内で同じデータを処理できることである。データがイベント・リストに記憶されるので、可変の同時係数ウィンドウを使用して同じデータを「オフライン」で処理することができる。
【0046】
本実施形態の別の利点は、このシステムにより、同じ同時係数ペアリング・システムを、異なる数の個別の検出器と計数率能力を有する様々なシステムに取り付けることができることである。同様に、システムに処理能力を追加することによって、さらに高い予想される計数率を処理するように同時係数ペアリング・システムの規模を容易に変更することができる。
【0047】
大域イベント・コレクタ、データ収集サーバおよびペアリング・サーバを含む上記したPETシステムの様々な構成要素は、コンピュータ・システムまたはプログラマブル・ロジックを使用して実施することができる。本発明の種々の構成要素を実施することができるコンピュータ・システムは、情報を通信するためのバスや他の通信機構と、バスと結合されて情報を処理するためのプロセッサとを含む。コンピュータ・システムは、また、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)や他のダイナミック記憶装置(例えば、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)およびシンクロナスDRAM(SDRAM))など、情報ならびにプロセッサによって実行される命令を記憶するためにバスに結合された主記憶装置を含む。更に、主記憶装置は、プロセッサによる命令の実行中に一時的数値変数や他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピュータ・システムは、さらに、プロセッサのための静的情報と命令を記憶するためにバスに結合された読み出し専用メモリ(ROM)や他のスタティック記憶装置(例えば、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、および電気的消去・書込み可能PROM(EEPROM))を含む。
【0048】
コンピュータ・システムは、また、情報と命令を記憶するための、磁気ハード・ディスクやリムーバブル・メディア・ドライブ(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク・ドライブ、読み出し専用コンパクトディスク・ドライブ、読み出し/書き込みコンパクトディスク・ドライブ、コンパクトディスク・ジュークボックス、テープ・ドライブ、およびリムーバブル光磁気ドライブ)などの1つまたは複数の記憶装置を制御するためにバスに結合されたディスク・コトローラを含む。記憶装置は、適切な機器インタフェース(例えば、小型コンピュータ・システム・インタフェース(SCSI)、集積装置電子回路(IDE)、拡張IDE(E−IDE)、ダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)、またはウルトラDMA)を使用して、コンピュータ・システムに追加されてもよい。
【0049】
コンピュータ・システムは、また、専用論理装置(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))または構成可能論理装置(例えば、単純プログラム可能論理装置(SPLD)、複雑プログラム可能論理装置(CPLD)、およびフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA))を含んでもよい。
【0050】
コンピュータ・システムは、また、バスに結合されて、コンピュータ・ユーザに情報を表示するための陰極線管(CRT)などの表示装置を制御するディスプレイ・コントローラを含んでもよい。コンピュータ・システムは、コンピュータ・ユーザと対話しプロセッサに情報を提供するための、キーボードやポインティング装置などの入力装置を含む。ポインティング装置は、例えば、指示情報とコマンド選択をプロセッサに通信しかつ表示装置上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボールまたはポインティング・スティックでよい。更に、プリンタは、コンピュータ・システムによって記憶されかつ/または生成されたデータの印刷リストを提供することができる。
【0051】
コンピュータ・システムは、主記憶装置などの記憶装置に含まれる1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行するプロセッサに応じて、本実施形態の処理段階の一部またはすべてを実行する。そのような命令は、ハード・ディスクやリムーバブル・メディア・ドライブなどの別のコンピュータ可読媒体から主記憶装置に読み込まれてもよい。主記憶装置に含まれる命令シーケンスを実行するために、多重処理機構の1つまたは複数のプロセッサが使用されてもよい。代替の実施形態では、ハードワイヤード回路が、ソフトウェア命令の代わりまたはそのソフトウェア命令との組み合わせで使用されてもよい。したがって、実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されない。
【0052】
以上のように、コンピュータ・システムは、本実施形態の教示にしたがってプログラムされた命令を保持し、データ構造、テーブル、レコード、または本明細書で述べる他のデータを収容するための少なくとも1つのコンピュータ可読媒体または記憶装置を含む。コンピュータ可読媒体の例は、コンパクト・ディスク、ハード・ディスク、フロッピ・ディスク、テープ、光磁気ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、若しくは他の磁気媒体、コンパクト・ディスク(例えば、CD−ROM)、またはコンピュータが読み出すことができる他の媒体である。
【0053】
本実施形態は、コンピュータ・システムを制御し、本実施形態を実施するための装置を駆動し、コンピュータ・システムが人間ユーザと対話することを可能にするために、コンピュータ可読媒体のいずれか1つまたは組み合わせに記憶されたソフトウェアを含む。そのようなソフトウェアは、デバイス・ドライバ、オペレーティング・システム、開発ツール、およびアプリケーション・ソフトウェアを含んでもよい。そのようなコンピュータ可読媒体は、さらに、本実施形態を実施する際に実行される処理の全てまたは一部分(処理が分散される場合)を実行するための本実施形態のコンピュータ・プログラム製品を含む。
【0054】
本発明のコンピュータ・コード装置は、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミック・リンク・ライブラリ(DLL)、Java(登録商標)クラス、および完全実行可能プログラムを含むがこれに限定されない任意の解釈可能または実行可能なコード機構でよい。さらに、本実施形態の処理の一部分は、パフォーマンス、信頼性および/またはコスト効果を高めるために分散されてもよい。
【0055】
用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書で使用されるとき、実行用のプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。コンピュータ可読媒体は、不揮発性媒体や揮発性媒体を含むがこれに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性媒体には、例えば、ハード・ディスクやリムーバブル・メディア・ドライブなどの、光ディスク、磁気ディスク、および光磁気ディスクがある。揮発性媒体には、主記憶装置などのダイナミック・メモリがある。
【0056】
コンピュータ可読媒体の種々の形態は、実行用のプロセッサに対する1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスの実行に関与してもよい。例えば、命令は、最初に、リモート・コンピュータの磁気ディスクに保持されてもよい。リモート・コンピュータは、本発明のすべてまたは一部分を実施するための命令を、ダイナミック・メモリにリモートでロードし、モデムを用いて電話線で命令を送信することができる。コンピュータ・システムに対してローカルなモデムが、電話線でデータを受信し、赤外線トランスミッタを用いてデータを赤外線信号に変換してもよい。バスに結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されるデータを受信し、そのデータをバスに乗せることができる。バスは、データを主記憶装置に送り、プロセッサは、そこから命令を取り出し実行する。主記憶装置が受信した命令は、必要に応じて、プロセッサによる実行前または実行後に記憶装置に記憶されてもよい。
【0057】
コンピュータ・システムは、また、バスに結合された通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)や、インターネットなどの別の通信ネットワークに接続されたネットワーク・リンクに結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インタフェースは、任意のパケット交換LANに接続するためのネットワーク・インタフェース・カードでよい。別の例として、通信インタフェースは、対応するタイプの通信回線にデータ通信接続を提供する非対称デジタル加入者線(ADSL)カード、総合サービス・デジタル網(ISDN)カードまたはモデムでよい。無線リンクが実装されてもよい。任意のそのような実施態様において、通信インタフェースは、種々のタイプの情報を表わすデジタル・データ・ストリームを伝える電気、電磁気または光学信号を送受信する。
【0058】
ネットワーク・リンクは、一般に、1つまたは複数のネットワークを介してデータ通信を他のデータ装置に提供する。例えば、ネットワーク・リンクは、ローカル・ネットワーク(例えば、LAN)、または通信ネットワークを介して通信サービスを提供するサービス・プロバイダによって操作された機器によって、別のコンピュータに接続を提供してもよい。ローカル・ネットワークと通信ネットワークは、例えば、デジタル・データ・ストリームを伝える電気、電磁気、または光学信号、および関連した物理層(例えば、CAT5ケーブル、同軸ケーブル、光ファイバなど)を使用する。種々のネットワークを介した信号と、ネットワーク・リンク上にありコンピュータ・システムとの間でデジタル・データをやりとする通信インタフェースを介した信号は、ベースバンド信号、または搬送波ベース信号で実施されてもよい。ベースバンド信号は、デジタル・データ・ビットの流れを表す非変調電気パルスとしてデジタル・データを伝え、ここで、用語「ビット」は、記号を意味するように広義に解釈されるべきであり、各記号は、少なくとも1つまたは複数の情報ビットを伝える。デジタル・データは、また、導電性媒体によって伝播されるか、伝播媒体によって電磁波として送信される振幅、位相および/または周波数偏移符号化信号などで搬送波を変調するために使用されてもよい。したがって、デジタル・データは、「配線」通信チャネルによって非変調ベースバンド・データとして送信されもよく、かつ/または搬送波を変調することによって、ベースバンドと異なる所定の周波数帯の範囲内で送信されてもよい。コンピュータ・システムは、ネットワーク、ネットワーク・リンクおよび通信インタフェースを通して、プログラムコードを含むデータを送受信することができる。さらに、ネットワーク・リンクは、LANによって、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ・コンピュータ、携帯電話などのモバイル装置に接続してもよい。
【0059】
以上の教示を鑑みて、本実施形態の多数の修正と変形が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明が、本明細書に具体的に記述されたものと異なる方法で実施されてもよいことを理解されたい。
【0060】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0061】
300…大域イベント・コレクタ、310…データ収集サーバ、320…ディスク、330…ペアリング・サーバ、340…一時的イベント・バッファ、400…ベッド、410…ベッド・コントローラ、420…ベッド位置検出器、430…検出器リング/ガントリ、440…検出器リング・コントローラ、450…検出器リング位置検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各検出器領域が少なくとも1つの検出器モジュールとそれに対応する領域コレクタを有する複数の前記検出器領域を有するPET検出器、から得られたポジトロン放射断層撮影(PET)情報を処理する情報処理方法であって、
PETイベント情報が、単一PETイベントのエネルギー情報と結晶位置情報を含む、前記単一PETイベントに関するPETイベント情報を受信する第1受信段階と、
非検出器イベント情報を受信する第2受信段階と、
細タイムスタンプ、前記エネルギー情報および前記結晶位置情報を含むPETイベント・エントリと、前記受信した非検出器イベント情報を含む非検出器イベント・エントリとを含むイベント・リストを生成する生成段階と、
前記生成されたイベント・リストをオフライン処理のためのコンピュータに送信する送信段階とを含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記生成段階は、前記イベント・リストを生成する段階を含み、
前記イベント・リストは、前記イベント・リスト内の定期的位置に粗タイムスタンプ・エントリを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生成段階は、前記PETイベント・エントリを含む前記イベント・リストを生成する段階を含み、
前記PETイベント・エントリは、エントリ・タイプを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2受信段階は、ベッド位置情報、検出器の角度位置、心臓EKG情報、呼吸ゲート制御信号情報、別の検出器からのイベント、および他の生理学的情報のうちの少なくとも1つを含む前記非検出器イベント情報を受信する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記イベント・リストに含まれる情報に基づいてイベント・ペアリングおよび再構成をパイプライン・モードで実行する実行段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記実行段階は、前記イベント・リストに含まれる前記情報に基づいて少なくとも2つの異なる同時係数ウィンドウを使用してイベント・ペアリングを実行する段階を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コンピュータへの通信帯域幅が利用可能になるまで、前記受信したPETイベント情報を一時的イベント・バッファに一時的に記憶する段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記送信されたイベント・リストを、前記コンピュータの処理時間が利用可能になるまで前記コンピュータと関連付けられたメモリに一時的に記憶する段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
メモリ・オーバフローの状態が検出された場合に前記イベント・リストから前記単一PETイベントを一時的に除外する段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記細タイムスタンプが、飛行時間情報に対応できるだけの小さい分解能を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ポジトロン放射断層撮影(PET)情報を収集し処理するポジトロン放射断層撮影システムであって、
複数の検出器領域内に配列された複数の検出器モジュールと、
前記複数の検出器領域に対応し、前記対応する検出器領域内の各検出器モジュールからPETイベント情報をそれぞれ受信する複数の領域イベント・コレクタと、
単一PETイベントのエネルギー情報と結晶位置情報を含むPETイベント情報を前記複数の領域イベント・コレクタのそれぞれから受信するとともに、非検出器イベント情報を受信する大域イベント・コレクタとを具備し、
前記大域イベント・コレクタは、さらに、
細タイムスタンプ、前記エネルギー情報、および前記結晶位置情報を含むPETイベント・エントリと、前記受信した非検出器イベント情報を含む非検出器イベント・エントリとを含むイベント・リストを生成して、前記生成したイベント・リストをオフライン処理のためのコンピュータに送信する、ポジトロン放射断層撮影システム。
【請求項12】
前記大域イベント・コレクタは、前記イベント・リストを生成し、
前記イベント・リストは、前記イベント・リスト内の定期的位置に粗タイムスタンプ・エントリを含む、請求項11に記載のポジトロン放射断層撮影システム。
【請求項13】
前記大域イベント・コレクタは、前記PETイベント・エントリを含む前記イベント・リストを生成し、
前記PETイベント・エントリは、エントリ・タイプを含む、請求項11に記載のポジトロン放射断層撮影システム。
【請求項14】
前記大域イベント・コレクタは、ベッド位置情報、検出器の角度位置、心臓EKG情報、呼吸ゲート制御信号情報、別の検出器からのイベント、および他の生理学的情報のうちの少なくとも1つを含む前記非検出器イベント情報を受信する、請求項11に記載のポジトロン放射断層撮影システム。
【請求項15】
さらに、前記イベント・リストを受信し、前記イベント・リストに含まれた情報に基づいてイベント・ペアリングおよび再構成をパイプライン・モードで実行するコンピュータを具備する、請求項11に記載のポジトロン放射断層撮影システム。
【請求項16】
前記コンピュータは、前記イベント・リストに含まれる前記情報に基づいて少なくとも2つの異なる同時係数ウィンドウを使用してイベント・ペアリングを実行する、請求項15に記載のポジトロン放射断層撮影システム。
【請求項17】
前記コンピュータへの通信帯域幅が利用可能になるまで前記受信したPETイベント情報を一時的に記憶する一時的イベント・バッファをさらに具備する、請求項11に記載のポジトロン放射断層撮影システム。
【請求項18】
前記コンピュータの処理時間が利用可能になるまで前記送られたイベント・リストを一時的に記憶するデータ収集サーバをさらに具備する、請求項11に記載のポジトロン放射断層撮影システム。
【請求項19】
前記大域イベント・コレクタは、メモリ・オーバフロー状態が検出された場合に前記イベント・リストから前記単一PETイベントを一時的に除外する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
コンピュータによって実行されたときに、前記コンピュータに、各検出領域が少なくとも1つの検出器モジュールとそれに対応する領域コレクタを有する複数の前記検出器領域を有するPET検出器から得られたポジトロン放射断層撮影(PET)情報を処理する情報処理方法を実行させるコンピュータ・プログラムを記憶するコンピュータ可読媒体であって、
前記情報処理方法は、
PETイベント情報が、単一PETイベントのエネルギー情報と結晶位置情報を含む、前記単一PETイベントに関するPETイベント情報を受信する第1受信段階と、
非検出器イベント情報を受信する第2受信段階と、
細タイムスタンプ、前記エネルギー情報および前記結晶位置情報を含むPETイベント・エントリと、前記受信した非検出器イベント情報を含む非検出器イベント・エントリとを含むイベント・リストを生成する生成段階と、
前記生成されたイベント・リストをオフライン処理のためのコンピュータに送信する送信段階とを含む、コンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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