説明

ポップアップ機構および薄型物品収納ケース

【課題】てこの原理を利用し、収納ケースに収容されている厚さの薄い収納物品を小さな押圧力で容易に撥ね上げ摘出させることができるポップアップ機構と、前記ポップアップ機構を利用した薄型物品の収納ケースを提供する。
【解決手段】収納物品の先端に当接するように設けられた突片からなる第一スプリングと、収納物品の後端底部を押し上げるように収納ケースの後方底面に設けられた板状の第二スプリングと、一端に第二スプリングを他端に押圧部を一体的に形成した軸回転する厚板状の回転摘出部と、回転摘出部を軸支する回転軸と、からなり、回転摘出部の他端の押圧部が下に押されることにより軸回転して一端の第二スプリングが上に移動し、底面に収容されていた収納物品が押し上げられて外部に摘出される構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、てこの原理を利用し、収納ケースに収容されている厚さの薄い収納物品を小さな押圧力で容易に撥ね上げ摘出させることを特徴とするポップアップ機構および、前記ポップアップ機構を利用した薄型物品収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
SDカードの収納ケースのような小型で薄型の収納物品を収納する容器にあっては、指し込み収納時より収納ケースからの取り出しが困難なことが多い。特に慎重な取り扱いを要求される半導体のメモリにあっては取り出しの際に取り落としたりすることの無いように極小の収納ケースに工夫を施す必要がある。そこで、小さな外部からの力で大きな移動(作用)が実現できる、てこの原理を取り出しに利用することが考えられた。
てこの原理では力点に外部から適宜の力をかけることで、作用点で大きな力を生み出すことができる。
【0003】
大きな力を生み出すためには力点での移動距離を大きく取る必要がある。薄型に形成された物品、例えばSDカード(Secure Digitalメモリーカード)の収納ケースでは、SD(Secure Digital)カードを取り出す際、てこの原理を利用したケースを構成しようとすると、ケースの厚みが大きくなることが考えられ、極小型かつ超薄型であるSDカードの収納ケースの利点が損なわれてしまう可能性が高い。通常のSDカードの収納ケースには、SDカードに指をかけてケースから取り出す構造が用いられている。ただし、超薄型で小型であるため微妙な取り扱いが必要であり、器用に取り出すには機器を取扱うための慣れが必要となっていた。
【0004】
従来の小型収納ケースには、指をかけ易くするための窪み部分を設けているが、SDカードのような薄型の収納物品の場合は、厚みのある物品よりも取り出しにくいという難点は依然として残っている。また、取り出す際にSDカードにかかる力が取り扱う人によって異なるため、無理に取り出そうとして収納物品に過剰に大きな力が加わることがあったり、収納物品に指をかけられる範囲(部分)が小さい又は狭いため、その小さな範囲に集中して力が加わることにより、SDカード等の薄型の収納物品を変形させる恐れがあった。
そこで、ワンタッチで収納ケースから安全に取り出すことが出来る構造の収納ケースの開発が待たれていた。
【0005】
【特許文献1】特開2003−170980号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本件発明は、上記問題点を解消するために、外部から加えられる押圧の移動距離が小さな場合においても、構造を工夫して、てこの原理を利用し、大きな撥ね上げ反発力を得ることができるポップアップ機構と、前記ポップアップ機構を利用した薄型物品の収納ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明に係るポップアップ機構は、収納ケースの底面に収容されている収納物品を押し出し摘出させる収納物品のポップアップ機構であって、収納物品の先端に当接する収納ケースの前側面上部に設けられた突片からなる第一スプリングと、収納物品の後端底部を押し上げるように収納ケースの後方底面に設けられた板状の第二スプリングと、一端に第二スプリングを他端に押圧部を一体的に形成した軸回転する厚板状の回転摘出部と、回転摘出部を軸支する回転軸と、からなり、回転摘出部の他端の押圧部が下に押されることにより軸回転して一端の第二スプリングが上に移動し、底面に収容されていた収納物品が収納ケース底面から押し上げられて外部に摘出される構成である。
【0008】
また、本発明にかかるポップアップ機構は、ポップアップ力をため込むことによって勢いよく撥ね上げ解放する力を得るために、回転摘出部の他端をコの字型に形成して底面の第二スプリングに対向する上側に短い係止突起部を設けた構成からなり、回転摘出部の一端の押圧部が押し下げられ第二スプリングが上に移動したときに持ち上げられた収納物品の後端上部が係止突起部に一時的に当接係止し、第二スプリングがさらに回転移動して底部が持ち上げられることにより後端上部と係止突起部の当接係止状態が外れて収納物品が外部へ勢いよく撥ね出される構造である。
【0009】
また、本発明にかかる収納ケースは、薄型の収納物品を収容する収納台と蓋体とからなる収納ケースであって、収納台は、収納物品を収容するために収納物品と略同形状の収納スペースを持つ直方体形状の収納部と、収納部の前側面上部に突設される上面突部と、収納物品の先端と当接するように収納部の前側面上部に設けられた突片からなる第一スプリングと、収納物品の後端底部を勢いよく押し上げるように収納部の後端底面に設けられた板状の第二スプリングと、一端に第二スプリングを他端に押圧部を一体的に形成した軸回転する厚板状の回転摘出部と、回転摘出部を軸支する回転軸と、からなるポップアップ機構を有する構成である。
【0010】
また、収納ケースは、ポップアップ機構によるポップアップ力を抑制するために収納部の両横側面の一部に、側面の外壁を削設した凹部と、前記凹部により薄く形成された側面の内側に突設した突起と、からなる抑止部を設けた構成でもある。
さらに、収納ケースの収納部は、一体成形されている構成でもある。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るポップアップ機構は、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果を奏する、
1.2つのスプリングを設けることにより、移動距離が少なく、通常はてこの原理を利用できないような小さな容器の該当箇所においても大きな力を生み出すことができる構造であるので収容されている収納物を容易に取り出すことができる。
また、構造の簡単なスプリングを2つ使用することにより、単純な作動で操作が確実であり、バネの経たりも少なく、トラブルの発生がなく修理なしに長持ちさせることができる。また、可塑性素材をスプリングとして使用しているため、取り出しが容易にできるとともに、収納状態では、収納物品に負担がかからないという効果を有する。
2.係止突起部を設けているので、持ち上げ時に、当接解除に時間差を持たせることでポップアップ力をため込み、より大きな撥ね上げ解放力を得ることができる。また、物品収納時には収納物品が収納部から誤って外部に出ることを防ぐ効果を有する。
【0012】
3.ポップアップ機構を薄型の物品を収容するケースに利用することにより、薄型の物品を取り出す際、過剰な力が薄型の収納物品にかかることがないので、収納物品を変形させてしまう虞がないとともに、収納物品にかかる力を均等にすることができる。また、回転摘出部の押圧部を押すだけの簡単な操作で物品をケースから容易に取り出すことができる。
4.抑止部を設けることで、ポップアップ機構による大きな力を抑えることができ、収納物品の撥ね上げ解放に必要な力を調節することができる。
また、抑止部があるので収容時に収納物品を保持する状態に安定性がある。突起と凹部とからなる簡単な構造であるので、収納物品を保持する力も調整でき、自然な状態で収納物品を保持するとともに必要な保持力および抑止力を確保することができる。
5.収納台が一体成形されているため、ポップアップ機構および抑止部による調節機構を合成樹脂の一体成形部品にて形成でき、部品の数を少なくすることができる。さらに可塑性樹脂の柔軟性を利用してバネ体としてのスプリングを形成しているので素材の異なる部材を使用していないのでコストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明に係るポップアップ機構を図面にしたがって詳細に説明する。
図1は物品収容時における本発明のポップアップ機構の横断面図であり、図2(a)(b)は物品取り出し時における本発明のポップアップ機構の横断面図である。
本発明のポップアップ機構20は、薄型メモリーカード等の収納物品60を収納するケースの中に設けられる構造であり、第一スプリング22と、回転摘出部25に設けられた第二スプリング24と、同じく押圧部26と、同じく回転軸28と、係止突起部34とから構成される。収納ケース内には薄型の収納物品60としてここではSDメモリーカードが収容される。
【0014】
SDメモリーカードは収納ケースの底面に収容され、後述するように左右側面に突設されている掛止部40によって係止されている。
収納物品を押し出し摘出させる収納物品のポップアップ機構を構成する第一スプリング22は、柔軟性のある樹脂製の突片からなり、収納ケースの前側面上部の上面突部32から下方に突設されており、薄型の収納物品60の先端が当接する。挿入または撥ね出し時に薄型の収納物品60の先端が押圧するのを跳ね返す程度の柔軟性のあるスプリング部材であって、材質はここではプラスチック等の樹脂素材が使用されている。
突設される第一スプリング22の幅は、適宜に設定できるので特に限定されないが、図面に示す実施例では、図3に示すように収納物品の幅の四分の一程度の幅となっている。
【0015】
回転摘出部25は、収納ケースの後側に設けられる厚板状の回転体であり、一端に第二スプリングを他端に押圧部を一体的に形成した構成であり、回転軸28を中心に軸回転する構造である。回転摘出部の他端の押圧部が下に押されると、軸回転して、一端の第二スプリングが上に移動する構成である。
【0016】
第二スプリング24は、収納ケースの内部の底面の一部を構成するもので、後方底面に板状のスプリングを形成している。回転軸28を中心に回転して上方に移動し収納ケースに収容されている収納物品の後端底部を上方へ押し上げる。
【0017】
押圧部26は、薄型の収納物品60を収納ケースから取り出す際、てこの原理の力点となる部分であり、厚板状に形成されている。第二スプリング24と一体的に形成されている。
回転摘出部は、他端の押圧部が下に押されることにより軸回転して一端の第二スプリングが上に移動し、底面に収容されていた収納物品が収納ケース底面から押し上げられ、後端が収納ケースから飛び出して容易に外部に摘出される構造である。
【0018】
回転軸28は、第二スプリング24と押圧部26の設けられた回転摘出部を軸支する回転中心であり、てこの原理の支点となる部分である。回転軸28は断面は円形のロッドに限られず、四角形等にすることも可能であるが、この実施例では、楕円形状にすることによりねじれ強度を上げ、変形率を抑えている。
【0019】
さらに、回転摘出部の他端には、底面の第二スプリングに対向する上側に短い係止突起部34が突設されており、他端の形状が略コの字型に形成されている。収納物品60が収納されている状態では係止突起部34は収納物が容易に外部に出ないように確保する機能を果たしている。後述するように回転摘出部が回転した場合は撥ね上げ効果を高めるための反発する力を蓄える係止部となる。
【0020】
図1に示すように収容時において、薄型の収納物品60は収納ケースの内部の底面の上に収納されており、底面に設けられた第二スプリング24の上に乗った状態である。この実施例では収納部の横側面に両側から抑止部を設けて収納物品を挟持しているので、収容時の保持力を増すことができる。先端が第一スプリング22に当接することにより保持力をさらに強化させることもできる。収納部は通常、収容される薄型物品と略同形状に形成され、収容された収納物品60は側面からの挟持と突き出した上面突部32と係止突起部34により容易に収納部から外部に出ることがないように確保された構造である。
【0021】
次に図2に示す収納物品の解放作動時における本発明のポップアップ機構の作動を説明する。
収納物品60を収納ケースから取り出す場合、回転摘出部25の他端の押圧部26を下方に押圧する。図2(a)に示すように、回転摘出部25は回転軸28を中心に回動するので一体的に形成されている一端の第二スプリング24が上方に持ち上げられる。第二スプリングが持ち上げられることにより、収容された薄型の収納物品60の後端も同時に持ち上げられるが、収納物品の後端上部が係止突起部34に当接する。これにより、収納物品60の動きは一時的に停止または係止される。この係止により、第一スプリング22によるバネ力と第二スプリング24にバネ力が蓄えられる。これによりポップアップ力がため込まれ、勢いよく撥ね上げ解放する力を得ることができる。さらに押圧部26が押され続けることにより底部が持ち上げられ、図2(b)で示すように、上からの押圧力が係止突起部34による係止力を上回ることにより後端上部と係止突起部の当接係止状態が外れて、収納物品60の後端は勢いよく収納部から撥ね出され解放されて外部に飛び出す構成である。これにより、収納物品の後端が外部に出るので小さく薄いメモリーカードでも容易に取り出すことができる状態となる。
【0022】
この構造により、力点となる押圧部の移動距離が収容した薄型の収納物品の幅程度の少ない移動距離しか確保できない場合であっても、2つのスプリングの力を利用することによって大きな撥ね上げ解放力を得ることができ、取り扱い難い収納物品を容易に取り出すことができる。
【実施例】
【0023】
次に、ポップアップ機構を使用したSDカード収納ケースの実施例を説明する。
図3(a)はポップアップ機構を利用した収納ケースの平面図であり、図3(b)は同じく断面図である。図4はポップアップ機構を利用した収納ケースの収納部の平面図であり、図5(a)は収納ケースの抑止部の収納部内壁の正面図であり、図5(b)は同じくA−A’断面図である。
【0024】
図3に示す本発明のポップアップ機構を有した収納ケースは、収納台52に凹設された6つの収納部50に収納物品60であるSDカードを各1枚ずつ計6枚が収容可能であり、6つの集合したSDカードの収納ケースは収納台52自体を通常のプラスチック製のCDケースに収納する構成を取っている。従来のCDケースに収納しないで、特別の蓋体を被せる構成も可能である。また、収納台の大きさもこれに限定されるものではない。
収納台52はこの実施例では合成樹脂製からなるが、弾力ある素材であれば材質は問わない。収納台および蓋体の形状はこれに限定されるものではなく、蓋体から収納台52を横方向にスライドさせて開閉する構造とすることもできる。
収納部50は、収納台52および蓋体の形状に合わせて1個または複数個設けることが可能である。
【0025】
収納物品であるSDカード60は、収納ケースに収容する薄型の収納物品の一例である。ケースの収納部の形状を収納物品に合わせて適宜変更することにより、メモリースティック、その他の磁気記録媒体等、薄型に形成されている物品に対し利用することが可能である。
【0026】
本発明のまた別の実施例として抑止部40を装備することも可能である。抑止部40は、ポップアップ機構と一体的に成形される。このため抑止部を装備しても部品数が増えることはなく、コストも低く抑えることが可能である。実施例のように収納部50を含めた収納台52を全て一体成形とすることも可能である。
実施例では押圧部26を指で押し易くするため、上面に多少窪みを設けている。
【0027】
抑止部40は、図5(a)に示すように収納部の内側に設けられた棒状に縦に伸びた突起44からなり、その背後は図5(b)に示すように収納部の外壁に外側面を削設した凹部42が形成されている構成である。収納部52にSDカード60が収容されると、突起44が外側方向に凹部42によって形成された空間に多少は窪む構造となっている。このため収容時のSDカード保持力を高めている。また、取り出し時には側面からの押圧によりポップアップ機構による急激な撥ね上げ解放を抑止し、力を調節する役割を果たす。
【0028】
本発明のポップアップ機構を設けた収納ケースの収納部50に収容されたSDカード60は、第一スプリング22と上面突起32と横側面に設けられた抑止部40の挟持により十分に堅固に保持されている。SDカードの横側面の抑止部40は、外側に凹部42が削設されているため空間があり、凹部によって薄く形成された側面に突設されている突起44によって挟持されているため、突起44は軟らかく窪むことができ、SDカードに過剰な力を与えることはなく、適度に保持される。
【0029】
取り出す際は、使用者が回転摘出部25の他端である押圧部26を指で下方に押すことにより、押圧部26が下方へ移動する。これにより回転軸28を支点として、回転摘出部が回転し、一端にある板状の第二スプリング24が上方へ持ち上げられる。底面に設けられた第二スプリング24の上昇により、SDカード60の後端60aは持ち上げられるが、図2(b)で示すように回転摘出部の一端の上部に設けられた係止突起部34によって一時係止される。このとき、押圧部が押し続けられることで第二スプリング24はさらに上方へ持ち上がろうとして、バネ力が蓄えられる。
【0030】
一方、収納物品の先端は第一スプリング22に当接し、さらに第二スプリングの上昇により、前方へ移動して第一スプリングを押圧して反発力を蓄える結果となる。第一スプリング22と第二スプリング24の2つのスプリングに蓄えられたバネ力により、係止突起部34の係止力と抑止部40の抑止力を越えると、SDカード60は撥ね上げられて第二スプリングの位置よりも高く跳ね上げられる。2つのスプリングによるポップアップ力は、SDカードのような薄型で軽量の物品に用いるには大きすぎる可能性もあり、取り出す際に必要な力以上になる場合がある。本発明では、収納物品が勢い良く飛び出さないように、側面に抑止部40を設け、SDカード60の側面に摩擦を加えることで必要以上のポップアップ力を抑止し、蓄えた力により過度に撥ね上げないように調節される。そのため、SDカード60は程よい高さまで持ち上げられ、誰が使用しても等しい力で容易に収納ケースから取り出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のポップアップ機構の薄型物品収納時の断面図
【図2】本発明のポップアップ機構のポップアップ力解放時の断面図
【図3】(a)ポップアップ機構を利用した収納ケースの平面図、(b)ポップアップ機構を利用した収納ケースの断面図
【図4】ポップアップ機構を利用した収納ケースの収納部の平面図
【図5】(a)ポップアップ機構を利用した収納ケースの抑止部の収納部内壁の正面図、(b)図4に示すポップアップ機構を利用した収納ケースの抑止部のA−A’断面図
【符号の説明】
【0032】
10 収納ケース
20 ポップアップ機構
22 第一スプリング
24 第二スプリング
25 回転摘出部
26 押圧部
28 回転軸
32 上面突部
34 係止突起部
40 抑止部
42 凹部
44 突起
50 収納部
52 収納台
60 SDカード
60a SDカード後端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納ケースの底面に収容されている収納物品を押し出し摘出させる収納物品のポップアップ機構において、収納物品の先端に当接するように収納ケースの前側面上部に設けられた突片からなる第一スプリングと、収納物品の後端底部を押し上げるように収納ケースの後方底面に設けられた板状の第二スプリングと、一端に第二スプリングを他端に押圧部を一体的に形成した軸回転する厚板状の回転摘出部と、回転摘出部を軸支する回転軸と、からなり、回転摘出部の他端の押圧部が下に押されることにより軸回転して一端の第二スプリングが上に移動し、底面に収容されていた収納物品が収納ケース底面から押し上げられて外部に摘出されることを特徴とするポップアップ機構
【請求項2】
前記ポップアップ機構において、ポップアップ力をため込むことによって勢いよく撥ね上げ解放する力を得るために、回転摘出部の他端をコの字型に形成して底面の第二スプリングに対向する上側に短い係止突起部を設けた構成からなり、回転摘出部の一端の押圧部が押し下げられ第二スプリングが上に移動したときに持ち上げられた収納物品の後端上部が係止突起部に一時的に当接係止し、第二スプリングがさらに回転移動して底部が持ち上げられることにより後端上部と係止突起部の当接係止状態が外れて収納物品が外部へ勢いよく撥ね出される構造であることを特徴とする請求項1記載のポップアップ機構
【請求項3】
薄型の収納物品を収容する収納台と蓋体とからなる収納ケースにおいて、前記収納台は、収納物品を収容するために収納物品と略同形状の収納スペースを持つ直方体形状の収納部と、収納部の前側面上部に突設される上面突部と、収納物品の先端と当接するように収納部の前側面上部に設けられた突片からなる第一スプリングと、収納物品の後端底部を勢いよく押し上げるように収納部の後端底面に設けられた板状の第二スプリングと、一端に第二スプリングを他端に押圧部を一体的に形成した軸回転する厚板状の回転摘出部と、回転摘出部を軸支する回転軸と、からなるポップアップ機構を有する収納ケース
【請求項4】
前記収納ケースにおいて、前記ポップアップ機構によるポップアップ力を抑制するために収納部の両横側面の一部に、側面の外壁を削設した凹部と、前記凹部により薄く形成された側面の内側に突設した突起と、からなる抑止部を設けたことを特徴とする請求項3記載の収納ケース
【請求項5】
前記収納ケースの収納部が一体成形されていることを特徴とする請求項3記載の薄物収納ケース

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−302288(P2007−302288A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132149(P2006−132149)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(302059702)不二プラスチック株式会社 (13)
【Fターム(参考)】