説明

ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法

【課題】成形品としたときに剛性(機械的特性)や外観に優れ、ホルムアルデヒドの発生も少ないポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】(a)ポリアセタール樹脂100重量部に対して、リグニンを5〜35重量%含有し、目開き250μmの篩で篩い分けしたときに、篩上に残留する篩残渣が3重量%以下である(b)木質系微粉を10〜150重量部、(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.01〜3重量部、アミノトリアジン化合物、グアナミン化合物、ヒドラジド化合物及びポリアミドから選ばれた少なくとも一種の(d)窒素含有化合物を0.01〜3重量部、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の誘導体、ポリオキシアルキレングリコール及びシリコーン化合物から選ばれた少なくとも一種の(e)加工助剤を0.01〜3重量部含有してなるポリアセタール樹脂組成物とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剛性(機械的特性)や外観に優れ、ホルムアルデヒドの発生も少ないポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアセタール樹脂は、機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、成形性などにおいて優れた特性を持っており、主に構造材料や機構部品などとして電気機器、自動車部品、精密機械部品などに広く使用されている。ポリアセタール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、要求特性は益々高度化、複合化、特殊化する傾向にある。その中で、再生可能資源であるセルロース系物質の有効活用が注目され、これをポリアセタール樹脂に配合することによりポリアセタール樹脂組成物としての特性を改善することが検討されている。
【0003】
特許文献1には、ポリアセタール樹脂にパルプを配合したポリアセタール樹脂組成物が開示されている。ここでは、機械的強度、耐熱性、燃焼性(燃焼時の樹脂のドリッピング)などの改善が示されている。しかし、特許文献1に記載の樹脂組成物の調製方法では、組成物中にパルプの凝集が生じて欠陥を生じやすい上、ホルムアルデヒドの発生の少ない組成物を得ることが難しく、また、外観が不十分であり、実用的に優れた成形品を製造することが難しい。
【0004】
また、特許文献2には、ポリアセタール樹脂と、特定の嵩密度の繊維状セルロース系物質を配合したポリアセタール樹脂組成物が開示されている。ここでは、繊維状セルロース系物質を使用しているため、繊維状セルロース系物質の凝集は比較的抑えられた結果が得られてはいる。しかし、特許文献2に記載の樹脂組成物の調製方法についても、ホルムアルデヒドの発生の少ない組成物を得ることが難しく、また、剛性が低く実用的に優れた成形品を製造することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−217447号公報
【特許文献2】特開2010−150313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来から知られた技術では、上記のように、ホルムアルデヒドの発生も少ない樹脂組成物を得ることが難しく、さらに、剛性(機械的特性)や外観に優れた成形品を得ることが難しい。本発明は、これらの課題を解決し、成形品としたときに剛性(機械的特性)や外観に優れ、ホルムアルデヒドの発生も少ないポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、(a)ポリアセタール樹脂と、特定の(b)木質系微粉と、(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、特定の(d)窒素含有化合物と、特定の(e)加工助剤を配合することにより、上記課題が解決され、本発明の目的を達成し得るポリアセタール樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0008】
(1) (a)ポリアセタール樹脂100重量部に対して、リグニンを5〜35重量%含有し、目開き250μmの篩で篩い分けしたときに、篩上に残留する篩残渣が3重量%以下である(b)木質系微粉を10〜150重量部、(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.01〜3重量部、アミノトリアジン化合物、グアナミン化合物、ヒドラジド化合物及びポリアミドから選ばれた少なくとも一種の(d)窒素含有化合物を0.01〜3重量部、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の誘導体、ポリオキシアルキレングリコール及びシリコーン化合物から選ばれた少なくとも一種の(e)加工助剤を0.01〜3重量部含有してなるポリアセタール樹脂組成物。
【0009】
(2) 前記(a)ポリアセタール樹脂のメルトインデックス(ASTM−D1238に準拠、190℃、2.16kgf)が10〜50g/10分である、(1)記載のポリアセタール樹脂組成物。
【0010】
(3) 下記の方法によるホルムアルデヒド発生量が100ppm以下である、(1)又は(2)記載のポリアセタール樹脂組成物。
(測定方法)
8gのポリアセタール樹脂組成物から構成される樹脂ペレットを、200℃に調整された金属製シリンダーに内に充填し、前記樹脂ペレットを溶融させた状態で5分間保持した。続いて、前記金属製シリンダーに連結されたガラス製吸収ビンに窒素を流しながら溶融樹脂から発生したホルムアルデヒドガスを窒素気流と共に排出することで、吸収ビン内の蒸留水にホルムアルデヒドガスを吸収させた。蒸留水に吸収されたホルムアルデヒドをJIS K0102に準拠した方法で定量し、評価試料(樹脂組成物)に対する割合として算出した。
【0011】
(4) (1)から(3)のいずれか1項記載のポリアセタール樹脂組成物を製造する方法であって、メインフィード口と、前記メインフィード口よりも押出方向下流側に位置するサイドフィード口とを備える二軸押出機を用い、前記メインフィード口から、前記(a)ポリアセタール樹脂、(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤、(d)窒素含有化合物、(e)加工助剤を供給し、前記サイドフィード口から、前記(b)木質系微粉を供給するポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明のポリアセタール樹脂組成物、本発明のポリアセタール樹脂組成物の製造方法によれば、成形品としたときに剛性(機械的特性)や外観に優れ、ホルムアルデヒドの発生も少ない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0014】
<(a)ポリアセタール樹脂>
(a)成分のポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(−OCH−)を主たる構成単位とする高分子化合物であり、実質的にオキシメチレン単位の繰返しのみからなるポリアセタールホモポリマー、オキシメチレン単位以外に他のコモノマー単位を含有するポリアセタールコポリマーが代表的な樹脂である。さらに、ポリアセタール樹脂には、分岐形成成分や架橋形成成分を共重合することにより分岐構造や架橋構造が導入された共重合体や、オキシメチレン基の繰返しからなる重合体単位と他の重合体単位とを有するブロック共重合体やグラフト共重合体なども含まれる。これらのポリアセタール樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0015】
一般に、ポリアセタールホモポリマーは、無水ホルムアルデヒドやトリオキサン(ホルムアルデヒドの環状三量体)の重合により製造され、通常、その末端をエステル化することにより、熱分解に対して安定化されている。
【0016】
これに対して、ポリアセタールコポリマーは、一般的に、ホルムアルデヒド又は一般式(CHO)n[式中、nは3以上の整数を示す]で表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマー(例えばトリオキサン)と、環状エーテルや環状ホルマールなどのコモノマーとを共重合することによって製造され、通常、加水分解によって末端の不安定部分を除去して熱分解に対して安定化される。
【0017】
ポリアセタールコポリマーの主原料としては、トリオキサンやテトラオキサンなどが挙げられ、通常、トリオキサンが使用される。
【0018】
コモノマーには、環状エーテル、グリシジルエーテル化合物、環状ホルマール、環状エステル(例えば、β−プロピオラクトンなど)、ビニル化合物(例えば、スチレン、ビニルエーテルなど)などが含まれる。
【0019】
環状エーテルとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキサイド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0020】
グリシジルエーテル化合物としては、例えば、アルキル又はアリールグリシジルエーテル(例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテルなど)、アルキレン又はポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルなど)、アルキル又はアリールグリシジルアルコールなどが挙げられる。
【0021】
環状ホルマールとしては、例えば、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール、トリオキセパンなどが挙げられる。
【0022】
これらのコモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのコモノマーのうち、通常、環状エーテル及び/又は環状ホルマールが用いられ、特に、エチレンオキシドなどの環状エーテルや、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール、ジエチレングリコールホルマールなどの環状ホルマールが好ましい。
【0023】
これらのコモノマー(例えば、環状エーテル及び/又は環状ホルマール)単位の割合は特に限定されないが、ポリアセタール樹脂全体に対して、一般的には0.1〜20重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは0.5〜15重量%(特に1〜10重量%)程度である。
【0024】
本発明において使用する(a)成分のポリアセタール樹脂は、不安定末端基量が0.5重量%以下であることが好ましい。ここで不安定末端基量とは、ポリアセタール共重合体の末端部分に存在し、熱や塩基に対して不安定で分解しやすい部分の量を示す。かかる不安定末端基量は、ポリアセタール共重合体1gを、0.5%(体積%)の水酸化アンモニウムを含む50%(体積%)メタノール水溶液100mlと共に耐圧密閉容器に入れ、180℃で45分間加熱処理した後、冷却し、開封して得られる溶液中に分解溶出したホルムアルデヒド量を定量し、ポリアセタール共重合体に対する重量%で表したものである。
【0025】
(a)成分のポリアセタール樹脂が上記の末端特性を有するものではなく、上限値を上回る場合、ホルムアルデヒド発生量が十分に低いポリアセタール樹脂組成物を得ることが困難となる場合があり、このような観点から、(a)成分のポリアセタール樹脂は、不安定末端基量が0.5重量%以下のものが好ましく、さらに好ましくは0.3重量%以下である。一方、不安定末端基量の下限は特に限定されるものではない。
【0026】
(a)成分のポリアセタール樹脂のメルトインデックスは、10〜100g/10分の範囲が好ましく、特に、10〜50g/10分の範囲が好ましい。メルトインデックスが過小及び過大の場合には、本発明の効果が十分に得られない場合がある。尚、メルトインデックスは、ASTM−D1238に準じて、190℃、2.16kgf(21.2N)の条件下で測定した値である。
【0027】
<(b)木質系微粉>
本発明に使用する(b)木質系微粉は、木材を原料とし、パウダー形状としたものであり、リグニンを5〜35重量%含有したものである。特に、好ましいリグニン含有量は10〜30重量%である。(b)木質系微粉のリグニン含有量が5重量%を下回る場合には、ポリアセタール樹脂組成物からのホルムアルデヒドの発生量を低くする改善が不十分となり、35重量%を上回る場合には、ポリアセタール樹脂組成物の外観が悪化するため好ましくない。
【0028】
また、(b)木質系微粉の粒子サイズは、目開き250μmの篩で篩い分けしたときに、篩上に残留する篩残渣が3重量%以下であることが必要であり、特に、2重量%以下であることが好ましく、さらには、1重量%以下であることが好ましい。(b)木質系微粉の上記篩残渣が3重量%を越える場合には、(b)木質系微粉の分散性が悪化し、また、ポリアセタール樹脂組成物の表面にざらつきや不均一性などの外観の悪化が見られ、靭性の低下などを生じる場合があるため、好ましくない。一方、上記篩残渣の下限は特に限定されるものではない。
【0029】
(b)木質系微粉の配合量は、(a)成分のポリアセタール樹脂100重量部に対して10〜150重量部であり、好ましくは15〜100重量部である。(b)木質系微粉の配合量が10重量部を下回る場合には、ポリアセタール樹脂組成物の機械的特性の改善が不十分となり、150重量部上回る場合には、(b)木質系微粉の分散性が悪化するため好ましくない。
【0030】
<(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(c)ヒンダードフェノール系化合物を用いることで、機械的特性の改善が安定して得られる。(c)ヒンダードフェノール系化合物としては、単環式ヒンダードフェノール化合物(例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなど)、炭化水素基又はイオウ原子を含む基で連結された多環式ヒンダードフェノール化合物(例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など)、エステル基又はアミド基を有するヒンダードフェノール化合物(例えば、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−2−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ジヒドロシンナムアミド、N,N’−エチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、N,N’−テトラメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、N,N’−エチレンビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレートなど)が挙げられる。
【0031】
本発明において、(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。その配合割合は、(a)成分のポリアセタール樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部であり、好ましくは0.02〜1重量部である。
【0032】
<(d)窒素含有化合物>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、アミノトリアジン化合物、グアナミン化合物、ヒドラジド化合物及びポリアミドから選ばれた少なくとも一種の(d)窒素含有化合物を用いることで、機械的特性の改善が安定して得られ、溶融安定性も向上する。
【0033】
アミノトリアジン化合物としては、メラミン又はその誘導体[メラミン、メラミン縮合体(メラム、メレム、メロン)など]、グアナミン又はその誘導体、及びアミノトリアジン樹脂[メラミンの共縮合樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−メラミン樹脂、メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メラミン樹脂など)、グアナミンの共縮合樹脂など]などが挙げられる。
【0034】
グアナミン化合物としては、脂肪族グアナミン化合物(モノグアナミン類、アルキレンビスグアナミン類など)、脂環族グアナミン系化合物(モノグアナミン類など)、芳香族グアナミン系化合物[モノグアナミン類(ベンゾグアナミン及びその官能基置換体など)、α−又はβ−ナフトグアナミン及びそれらの官能基置換誘導体、ポリグアナミン類、アラルキル又はアラルキレングアナミン類など]、ヘテロ原子含有グアナミン系化合物[アセタール基含有グアナミン類、テトラオキソスピロ環含有グアナミン類(CTU−グアナミン、CMTU−グアナミンなど)、イソシアヌル環含有グアナミン類、イミダゾール環含有グアナミン類など]などが挙げられる。又、上記のメラミン、メラミン誘導体、グアナミン系化合物のアルコキシメチル基がアミノ基に置換した化合物なども含まれる。
【0035】
ヒドラジド化合物としては、脂肪族カルボン酸ヒドラジド系化合物(ステアリン酸ヒドラジド、12−ヒドロキシステアリン酸ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジドなど)、脂環族カルボン酸ヒドラジド系化合物(1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントインなど)、芳香族カルボン酸ヒドラジド系化合物(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル安息香酸ヒドラジド、1−ナフトエ酸ヒドラジド、2−ナフトエ酸ヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジドなど)、ヘテロ原子含有カルボン酸ヒドラジド系化合物、ポリマー型カルボン酸ヒドラジド系化合物などが挙げられる。
【0036】
ポリアミドとしては、ジアミンとジカルボン酸とから誘導されるポリアミド;アミノカルボン酸、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸を併用して得られるポリアミド;ラクタム、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸との併用により誘導されるポリアミドが含まれる。又、2種以上の異なったポリアミド形成成分により形成される共重合ポリアミドも含まれる。
【0037】
具体的なポリアミドの例としては、ポリアミド3、ポリアミド4、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12などの脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)とから得られるポリアミド、脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸)と芳香族ジアミン(例えば、メタキシリレンジアミン)とから得られるポリアミド、芳香族及び脂肪族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸とアジピン酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)とから得られるポリアミド及びこれらの共重合体などが挙げられる。又、ポリアミドハードセグメントとポリエーテル成分などの他のソフトセグメントの結合したポリアミド系ブロックコポリマーの使用も可能である。
【0038】
アミノトリアジン化合物、グアナミン化合物、ヒドラジド化合物及びポリアミドから選ばれる(d)窒素含有化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。その配合割合は、(a)成分のポリアセタール樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部であり、好ましくは0.02〜1重量部である。
【0039】
<(e)加工助剤>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の誘導体、ポリオキシアルキレングリコール及びシリコーン化合物から選ばれた少なくとも一種の(e)加工助剤を用いることで、機械的特性の改善が安定して得られ、溶融加工性も向上する。
【0040】
長鎖脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、その一部の水素原子がヒドロキシル基などの置換基で置換されたものも使用できる。このような長鎖脂肪酸としては、炭素数10以上の1価又は2価の脂肪酸、炭素数10以上の一価の不飽和脂肪酸、炭素数10以上の二価の脂肪酸(二塩基性脂肪酸)が例示される。上記脂肪酸には、1つ又は複数のヒドロキシル基を分子内に有する脂肪酸も含まれる。また、長鎖脂肪酸の誘導体には、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドなどが含まれる。
【0041】
脂肪酸エステルとしては、上記長鎖脂肪酸とアルコールとのエステルが挙げられる。その構造は特に制限されず、直鎖状又は分岐状脂肪酸エステルのいずれも使用できる。脂肪酸エステルの具体例としては、エチレングリコールモノ又はジパルミチン酸エステル、エチレングリコールモノ又はジステアリン酸エステル、エチレングリコールモノ又はジベヘン酸エステル、エチレングリコールモノ又はジモンタン酸エステル、グリセリンモノ乃至トリパルミチン酸エステル、グリセリンモノ乃至トリステアリン酸エステル、グリセリンモノ乃至トリベヘン酸エステル、グリセリンモノ乃至トリモンタン酸エステル、ペンタエリスリトールモノ乃至テトラパルミチン酸エステル、ペンタエリスリトールモノ乃至テトラステアリン酸エステル、ペンタエリスリトールモノ乃至テトラベヘン酸エステル、ペンタエリスリトールモノ乃至テトラモンタン酸エステル、ポリグリセリントリステアリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノパルミチン酸エステル、ペンタエリスリトールモノウンデシル酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)のモノ又はジラウレート、モノ又はジパルミテート、モノ又はジステアレート、モノ又はジベヘネート、モノ又はジモンタネート、モノ又はジオレート、モノ又はジリノレートなどが挙げられる。
【0042】
脂肪酸アミドの例としては、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキン酸アミド、ベヘン酸アミド、モンタン酸アミドなどの飽和脂肪酸の第1級酸アミド、オレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸の第1級酸アミド、ステアリルステアリン酸アミド、ステアリルオレイン酸アミドなどの飽和及び/又は不飽和脂肪酸とモノアミンとの第2級酸アミド、エチレンジアミン−ジパルミチン酸アミド、エチレンジアミン−ジステアリン酸アミド(エチレンビスステアリルアミド)、ヘキサメチレンジアミン−ジステアリン酸アミド、エチレンジアミン−ジベヘン酸アミド、エチレンジアミン−ジモンタン酸アミド、エチレンジアミン−ジオレイン酸アミド、エチレンジアミン−ジエルカ酸アミドなどが挙げられ、更にエチレンジアミン−(ステアリン酸アミド)オレイン酸アミドなどのアルキレンジアミンのアミン部位に
異なるアシル基が結合した構造を有するビスアミドなどが例示できる。
【0043】
上記ポリオキシアルキレングリコールとしては、アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどのアルキレングリコールなど)の単独又は共重合体、それらの誘導体などが挙げられる。
【0044】
ポリオキシアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体(ランダム又はブロック共重合体など)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテルなどの共重合体などが挙げられる。これらのうち、オキシエチレン単位を有する重合体、例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体及びそれらの誘導体などが好ましい。ポリオキシアルキレングリコールの平均分子量は、3×10〜1×10、好ましくは1×10〜1×10程度である。
【0045】
上記シリコーン系化合物には、(ポリ)オルガノシロキサンなどが含まれる。(ポリ)オルガノシロキサンとしては、ジアルキルシロキサン(ジメチルシロキサンなど)、アルキルアリールシロキサン(フェニルメチルシロキサンなど)、ジアリールシロキサン(ジフェニルシロキサンなど)などのモノオルガノシロキサン、これらの単独重合体(ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサンなど)又は共重合体などが例示できる。なお、ポリオルガノシロキサンは、オリゴマーであってもよい。
【0046】
また、(ポリ)オルガノシロキサンには、分子末端や主鎖に、エポキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基又は置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)、エーテル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基などの置換基を有する変性(ポリ)オルガノシロキサンなども含まれる。
【0047】
長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の誘導体、ポリオキシアルキレングリコール及びシリコーン化合物から選ばれた少なくとも一種の(e)加工助剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。その配合割合は、(e)成分のポリアセタール樹脂100重量部に対して0〜3重量部であり、好ましくは0.01〜1重量部である。
【0048】
<その他の成分>
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、(a)ポリアセタール樹脂と(b)木質系微粉との密着性を改善する物質を配合することができる。ここで、密着性を改善する物質としては、イソシアネート化合物、イソチオシオネート化合物、及びそれらの変性体イソシアネート化合物、熱可塑性ポリウレタン樹脂、α,β−モノオレフィン性不飽和カルボン酸の酸無水物の重合体及び共重合体、ホウ酸化合物などが挙げられる。
【0049】
さらに本発明の組成物には目的とする用途に応じてその物性を改善するため、公知の各種の添加物を配合し得る。添加物の例を示せば、各種の着色剤、滑剤、核剤、界面活性剤、異種ポリマー、有機高分子改良剤及び無機、有機、金属などの繊維状、粉粒状、板状の充填剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合使用できる。
【0050】
<ポリアセタール樹脂組成物の調製方法>
本発明において、上記ポリアセタール樹脂組成物の調製方法の具体的態様は特に限定されるものではなく、一般に合成樹脂組成物又はその成形品の調製法として公知の設備と方法を採用することができる。例えば、必要な成分を混合し、押出機又はその他の溶融混練装置を使用して混練し、成形用ペレットとして調製することができる。また、押出機又はその他の溶融混練装置を複数使用してもよい。特に、本発明において押出機は、機械的特性の改善と(b)木質系微粉の分散性の両立の観点から、二軸押出機を用いることが好ましい。
【0051】
上記ポリアセタール樹脂組成物を構成する成分の配合は、任意のいかなる段階、例えば、(a)成分のポリアセタール樹脂に一旦加えても、或いは樹脂組成物の調製時に加えてもよく、また、最終成形品を得る直前で、添加、混合することも可能である。特に、機械的特性の改善(b)木質系微粉の分散性の両立の観点から、(b)木質系微粉は押出機のサイド側から他の原料とは独立に供給し、混合することが好ましい。つまり、メインフィード口と、メインフィード口よりも押出方向下流側に位置するサイドフィード口とを備える二軸押出機を用いることが好ましい。この二軸押出機を用い、メインフィード口から、(a)ポリアセタール樹脂、(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤、(d)窒素含有化合物、(e)加工助剤を供給し、サイドフィード口から、(b)木質系微粉を供給する方法で、本発明のポリアセタール樹脂組成物を製造することが好ましい。
【0052】
上記のように得られた本発明のポリアセタール樹脂組成物は、溶融試料から発生するホルムアルデヒド量が少ない。本発明における好ましいポリアセタール樹脂組成物は、溶融試料からのホルムアルデヒド発生量が100ppm以下のものである。ここで、ホルムアルデヒド発生量は、実施例で詳述する如く、ペレット状の組成物(試料)8gを、200℃に調整されたメルトインデクサーのシリンダーに内に充填し、溶融させた状態で5分間保持した後、排出された溶融樹脂から発生する量をJIS K0102に準拠した方法で定量したものである。
【0053】
<ポリアセタール樹脂組成物の成形方法ならびに用途>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、従来公知の成形方法(例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形、ガスインジェクション成形などの方法)で、種々の成形品を成形することができる。特に、射出成形に好適である。又、これらの成形品は、自動車部品、電気・電子部品、建材、生活関係部品・化粧関係部品・医用関係部品など各種用途に利用することができる。
【実施例】
【0054】
以下に、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0055】
<使用成分>
使用した成分の詳細は、以下のとおりである。
(a)ポリアセタール樹脂
(a−1)トリオキサン96.5重量%と1,3−ジオキソラン3.5重量%を共重合して得られるポリアセタール樹脂、不安定末端基量0.2重量%、メルトインデックス=27g/10分(ポリプラスチックス(株)製)
(b)木質系微粉
(b−1)LIGNOCEL S150TR、目開き250μmの篩残渣0.5重量%以下、リグニン含有量約20〜25重量%(レッテンマイヤー社製)
(b−2)ARBOCEL C100、目開き250μmの篩残渣0.5重量%以下、リグニン含有量約20〜25重量%(レッテンマイヤー社製)
(b−3)ARBOCEL HW630PU、目開き250μmの篩残渣0重量%、リグニン含有量約20〜25重量%(レッテンマイヤー社製)
(b−4)ARBOCEL C32−10、目開き250μmの篩残渣5〜20重量%、リグニン含有量約20〜25重量%(レッテンマイヤー社製)
(b−5)ARBOCEL C320、目開き250μmの篩残渣10〜35重量%、リグニン含有量約20〜25重量%(レッテンマイヤー社製)
(b’)その他のセルロース系物質
(b’−6)パルプ、リグニン含有量1重量%以下、αセルロース純度約95重量%((株)日本製紙グループ製)
(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤
(c−1)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(d)窒素含有化合物
(d−1)メラミン
(e)加工助剤
(e−1)エチレンビスステアリルアミド
(e−2)グリセリンモノステアレート
【0056】
<実施例1〜5、比較例1〜7>
表1に示す割合で、(a)ポリアセタール樹脂、(b)木質系微粉、(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤、(d)窒素含有化合物、及び(e)加工助剤を二軸押出機で溶融混錬し、ペレット状のポリアセタール樹脂組成物を調製した。なお、(b)木質系微粉は二軸押出機のサイド側から独立にフィーダーから供給(サイドフィード口からの供給)し、その他の成分はメインフィード口から供給して混合した。また、比較例6、7では(b)木質系微粉に代えて、(b’)その他のセルロース系物質を使用した。得られたペレットを用いて、射出成形機により所定の試験片を成形し、試験評価を行った。結果を表1に示す。
【0057】
〔押出条件〕
押出機:TEX−30α(L/D=38.5)、(株)日本製鋼所製
スクリュー回転数:129rpm
バレル温度:C2=160℃、C3〜C11・D=200℃
〔成形条件〕
成形機:ROBOSHOT S2000i100B、スクリュー径28mm、ファナック社製
シリンダー温度:200℃
金型温度:90℃(水温調)
【0058】
〔試験方法〕
試験方法の詳細は、以下のとおりである。
【0059】
(1)ホルムアルデヒド発生量
実施例、比較例で調製したペレット状の組成物(試料)8gを、200℃に調整された金属製シリンダーに内に充填し、上記樹脂ペレットを溶融させた状態で5分間保持した。ここで、使用した金属製シリンダーは、蒸留水を入れたガラス製吸引ビンと連結している。
続いて、上記金属製シリンダーに連結されたガラス製吸収ビンに窒素を流しながら、溶融樹脂から発生したホルムアルデヒドガスを、窒素気流と共に、ガラス製吸引ビン内の蒸留水に排出することで、吸収ビン内の蒸留水にホルムアルデヒドガスを吸収させた。蒸留水に吸収されたホルムアルデヒドをJIS K0102に準拠した方法で定量し、評価試料(組成物)に対する割合として算出した。
【0060】
(2)曲げ弾性率
実施例及び比較例の樹脂ペレットを使用し、ISO178に準拠し、曲げ弾性率(MPa)を測定した。
【0061】
(3)外観評価
ISO178に準拠した曲げ試験片の外観を目視観察した。良好なものを「OK」、表面にざらつきや不均一性が見られたものを「NG」と表記した。
【0062】
表1の結果の比較から、本発明の要件を満たすポリアセタール樹脂組成物(実施例1〜5)は、ホルムアルデヒド発生量が低く、また剛性、外観に優れることがわかる。一方、(b)木質系微粉が本発明の要件を満たさない比較例1〜4の場合には、外観が不良であることがわかる。又、(b)木質系微粉を配合していない比較例5の場合には、曲げ弾性率が低めでことがわかる。又、本発明の要件を満たさないセルロース系物質を配合した比較例6、7の場合には、ホルムアルデヒド発生量が高めであることがわかる。
【0063】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリアセタール樹脂100重量部に対して、
リグニンを5〜35重量%含有し、目開き250μmの篩で篩い分けしたときに、篩上に残留する篩残渣が3重量%以下である(b)木質系微粉を10〜150重量部、
(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.01〜3重量部、
アミノトリアジン化合物、グアナミン化合物、ヒドラジド化合物及びポリアミドから選ばれた少なくとも一種の(d)窒素含有化合物を0.01〜3重量部、
長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の誘導体、ポリオキシアルキレングリコール及びシリコーン化合物から選ばれた少なくとも一種の(e)加工助剤を0.01〜3重量部含有してなるポリアセタール樹脂組成物。
【請求項2】
前記(a)ポリアセタール樹脂のメルトインデックス(ASTM−D1238に準拠、190℃、2.16kgf)が10〜50g/10分である、請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
【請求項3】
下記の方法によるホルムアルデヒド発生量が100ppm以下である、請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
(測定方法)
8gのポリアセタール樹脂組成物から構成される樹脂ペレットを、200℃に調整された金属製シリンダーに内に充填し、前記樹脂ペレットを溶融させた状態で5分間保持した。続いて、前記金属製シリンダーに連結されたガラス製吸収ビンに窒素を流しながら溶融樹脂から発生したホルムアルデヒドガスを窒素気流と共に排出することで、吸収ビン内の蒸留水にホルムアルデヒドガスを吸収させた。蒸留水に吸収されたホルムアルデヒドをJIS K0102に準拠した方法で定量し、評価試料(樹脂組成物)に対する割合として算出した。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載のポリアセタール樹脂組成物を製造する方法であって、
メインフィード口と、前記メインフィード口よりも押出方向下流側に位置するサイドフィード口とを備える二軸押出機を用い、
前記メインフィード口から、前記(a)ポリアセタール樹脂、(c)ヒンダードフェノール系酸化防止剤、(d)窒素含有化合物、(e)加工助剤を供給し、
前記サイドフィード口から、前記(b)木質系微粉を供給するポリアセタール樹脂組成物の製造方法。

【公開番号】特開2013−40221(P2013−40221A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175833(P2011−175833)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(390006323)ポリプラスチックス株式会社 (302)
【Fターム(参考)】