説明

ポリアセタール樹脂組成物

【課題】本発明は、熱安定性に優れると共に、耐熱エージング性試験後の成形ウエルド部の物性、及び高温クリープ特性にも優れたポリアセタール樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が10μmを超えて、20μm未満のタルク(B)0.001〜0.03質量部を含有してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱安定性に優れると共に、耐熱エージング性試験後の成形ウエルド部の物性、及び高温クリープ特性に優れたポリアセタール樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアセタール樹脂は機械的強度、耐薬品性及び摺動性のバランスに優れ、且つその加工性が容易であることから、代表的エンジニアリングプラスチックスとして、電気機器や電気機器の機構部品、自動車部品及びその他の機構部品を中心に広範囲に亘って用いられている。しかしながらポリアセタール樹脂は、使用環境によっては劣化が促進されるような環境で用いられることが多く、更には利用分野の拡大によって、益々要求性能が高くなっているのが現状である。
そのような要求特性として、ポリアセタール樹脂が本来有する高性能の部分、例えば、優れた機械特性バランスを有しながら、過酷な使用環境下における熱安定性、成形ウエルド特性、クリープ特性向上が要求される場合がある。成形ウエルド特性においては、ポリアセタール樹脂成形品の多くは多点ゲートで成形される為、成形品にウエルド部を有しており、ウエルド部の物性値は非ウエルド部の物性値に比べ低くなる為、ウエルド部の物性保持率は製品を設計する上で重要となってくる。又、クリープ特性においては、近年電気、電子機器の高密度化に伴い、100℃以上の温度領域で使用される場合が増えており、益々熱安定性と高温クリープ特性のバランスが重要となってきている。
【0003】
これらの要求に対し、一般的には結晶化核剤として窒化硼素を添加する方法(例えば、特許文献1参照)が挙げられるが、添加量、又は窒化硼素の分散状況によっては靭性の低下を引き起こしてしまい、物性バランスが十分ではない。又、その他に結晶核剤として本願範囲以上の量のタルクを添加する方法が挙げられる。(例えば、特許文献2〜4参照)しかしながらこれらの方法では、機械特性改良、寸法安定性向上には効果があるが、熱安定性及び高温クリープ特性を改良するには至っていない。さらにタルクと他の結晶化核剤の組み合わせとして、タルクとポリアルキレン/不飽和カルボン酸低級アルキルエステルポリマー成核物質を添加する方法(例えば、特許文献5参照)、タルクとメラミン―ホルムアルデヒド縮合体を添加する方法(例えば、特許文献6参照)、タルクとターポリマーを添加する方法(例えば、特許文献7参照)が挙げられるが、これらの方法においては機械特性改良、寸法安定性向上には効果があるが、熱安定性及び高温クリープ特性を改良するには至ってない。更に特許文献7には、タルクを単独で使用すると熱安定性に不利となる旨も記載されている。又、前述以外のタルク等の結晶化核剤を添加しない方法として、高融点範囲のポリオキシメチレンコポリマーを用いる方法(例えば、特許文献8参照)が挙げられる。しかしながらこの方法では、機械特性改良には効果があるが、熱安定性及び高温クリープ性、繰返し成形性を改良するには至っていない。
【0004】
このように従来技術では、ポリアセタール樹脂の特徴である機械的強度、耐薬品性及び摺動性のバランスを保持しつつ、熱安定性、成形ウエルド特性、高温クリープ特性をバランスよく有することが困難であり、このようなポリアセタール樹脂が要望されている。
【特許文献1】特開昭47−11136号公報
【特許文献2】特公昭45−37672号公報
【特許文献3】特開昭62−187751号公報
【特許文献4】特開2001−2887号公報
【特許文献5】特表2002−500256号公報
【特許文献6】特表2002−506107号公報
【特許文献7】特表2004−512411号公報
【特許文献8】国際公開00/17247号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、熱安定性に優れると共に、耐熱エージング性試験後の成形ウエルド部の物性、及び高温クリープ性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が10μmを超えて、20μm未満の範囲で分散するタルク(B)0.001〜0.03質量部を含有してなるポリアセタール樹脂が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は下記の通りである。
〈1〉ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が10μmを超えて、20μm未満のタルク(B)0.001〜0.03質量部を含有してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
〈2〉ポリアセタール樹脂(A)が融点167℃以上、173℃以下のポリアセタール
コポリマーであることを特徴とする前記〈1〉に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〈3〉ポリアセタール樹脂(A)がポリアセタールコポリマーであって、且つ該ポリアセタールコポリマーがポリアセタールコポリマーの有する不安定な末端部の分解除去処理を経て得られたものであることを特徴とする前記〈1〉又は〈2〉に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〈4〉タルク(B)が表面処理されていないことを特徴とする前記〈1〉〜〈3〉のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〈5〉前記〈1〉〜〈4〉のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物100質量部に対し、(C)酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤、離型剤、潤滑剤の少なくとも1種を0.01〜10質量部含有してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
〈6〉タルク(B)をポリアセタール樹脂(A)が溶融した状態に添加して溶融混練することにより得られたものであることを特徴とする前記〈1〉〜〈5〉のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明の樹脂組成物は、熱安定性、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性、高温クリープ性に優れるという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるポリアセタール樹脂(A)としては、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみから成るポリアセタールホモポリマーや、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコールやジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させて得られたポリアセタールコポリマーを代表例としてあげることができる。また、単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマーや、多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。さらに、両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールホモポリマーや、同じく両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテルや環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。以上のように、本発明においては、ポリアセタールホモポリマー、コポリマーいずれも用いることが可能である。好ましいのはポリアセタールコポリマーである。
【0009】
1,3−ジオキソラン等のコモノマーは、一般的にはトリオキサン1molに対して0.1〜60mol%、好ましくは0.1〜20mol%、更に好ましくは0.13〜10mol%用いられる。本発明において特に好適な融点は162℃〜173℃であり、好ましくは167℃〜173℃、より好ましくは167℃〜171℃である。融点が167℃〜171℃のポリアセタールコポリマーは、トリオキサンに対して1.3〜3.5mol%程度のコモノマーを用いることにより得ることができる。
ポリアセタールコポリマーの重合における重合触媒としては、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性触媒が好ましい。ルイス酸としては、例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的には三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。また、プロトン酸、そのエステルまたは無水物の具体例としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。中でも、三フッ化ホウ素;三フッ化ホウ素水和物;及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましく、具体的には、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルを好適例として挙げることができる。
【0010】
ポリアセタールコポリマーの重合方法としては、一般には塊状重合で行われ、バッチ式、連続式いずれも可能である。用いられる重合装置としては、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混錬機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押出混錬機が使用され、溶融状態のモノマーが重合機に供給され、重合の進行とともに固体塊状のポリアセタールコポリマーが得られる。
以上の重合で得られたポリアセタールコポリマーには、熱的に不安定な末端部〔−(OCH−OH基〕が存在するため、そのままでは実用に供することはできない。そこで、不安定な末端部の分解除去処理を実施することが好ましく、次に示す特定の不安定末端部の分解除去処理を行なうことが好適である。特定の不安定末端部の分解除去処理とは、下記一般式(1)で表わされる少なくとも1種の第4級アンモニウム化合物の存在下に、ポリアセタールコポリマーの融点以上260℃以下の温度で、ポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理するものである。
【0011】
[R−n 式(1)
【0012】
(式中、R、R、R、Rは、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基または置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基または置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を表わし、非置換アルキル基または置換アルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を表わす。)
【0013】
本発明に用いる第4級アンモニウム化合物は、上記一般式(1)で表わされるものであれば特に制限はないが、一般式(1)におけるR、R、R、及びRが、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、この内更に、R、R、R、及びRの少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であるものが特に好ましい。具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクダデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の水酸化物;塩酸、臭酸、フッ酸などの水素酸塩;硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸等のオキソ酸塩;チオ硫酸などのチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸などのカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、水酸化物(OH)、硫酸(HSO、SO 2−)、炭酸(HCO、CO2−)、ホウ酸(B(OH))、カルボン酸の塩が好ましい。カルボン酸の内、蟻酸、酢酸、プロピオン酸が特に好ましい。これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記第4級アンモニウム化合物に加えて、公知の不安定末端部の分解促進剤であるアンモニアやトリエチルアミン等のアミン類等を併用しても何ら差し支えない。
【0014】
第4級アンモニウム化合物の量は、ポリアセタールコポリマーと第4級アンモニウム化合物の合計質量に対する下記式(2)で表わされる第4級アンモニウム化合物由来の窒素の量に換算して0.05〜50質量ppm、好ましくは1〜30質量ppmである。
【0015】
P×14/Q 式(2)
【0016】
(式中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタールコポリマーに対する濃度(質量ppm)を表わし、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表わす。)
【0017】
第4級アンモニウム化合物の添加量が0.05質量ppm未満であると不安定末端部の分解除去速度が低下し、50質量ppmを超えると不安定末端部分解除去後のポリアセタールコポリマーの色調が悪化する。
本発明に用いるポリアセタール樹脂の不安定末端部の分解除去処理は,融点以上260℃以下の温度でポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理することにより達成される。用いる装置には特に制限はないが、押出機、ニーダー等を用いて熱処理することが好適である。また、分解で発生したホルムアルデヒドは減圧下で除去される。第4級アンモニウム化合物の添加方法には特に制約はなく、重合触媒を失活する工程にて水溶液として加える方法、重合で生成したポリアセタールコポリマーパウダーに吹きかける方法などがある。いずれの添加方法を用いても、ポリアセタールコポリマーを熱処理する工程で添加されて居れば良く、押出機の中に注入したり、押出機等を用いてフィラーやピグメントの配合を行なう品種であれば,樹脂ペレットに該化合物を添着し、その後の配合工程で不安定末端除去操作を実施してもよい。
【0018】
不安定末端除去操作は、重合で得られたポリアセタールコポリマー中の重合触媒の失活させた後に行なうことも可能であるし、また重合触媒を失活させずに行なうことも可能である。重合触媒の失活操作としては、アミン類等の塩基性の水溶液中で重合触媒を中和失活する方法を代表例として挙げることができる。また、重合触媒の失活を行なわずに、融点以下の温度で不活性ガス雰囲気下にて加熱し、重合触媒を揮発低減した後、本不安定末端除去操作を行なうことも有効な方法である。
以上の特定の不安定末端部分解除去処理により、不安定末端部が殆ど存在しない非常に熱安定性に優れたポリアセタールコポリマーを得ることができる。
【0019】
次に本発明で用いるタルク(B)について説明する。
タルク(B)の化学名は含水珪酸マグネシウムであり、一般的にSiO約60%、MgO約30%と結晶水4.8%が主成分である。真比重は2.7〜2.8であり、白色度はJIS K−8123に準じて測定した数値が93%以上、PHはJIS K−5101に準じて測定した数値が9.0〜10の範囲が好ましい。又、45μm篩残分はJIS K−5101に準じて測定した数値が0.2%以下、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.08%以下である。タルク(B)の樹脂組成物中の平均粒子径は、後述の方法により測定される平均粒子径が、熱安定性改良の点から10μmを超え、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性改良の点から20μm未満である必要があり、好ましくは11〜19μm、より好ましくは12〜18μmである。
【0020】
本発明において、樹脂組成物中のタルクの平均粒子径とは顕微鏡法により測定することができる。具体的には、本発明のポリアセタール樹脂組成物のペレットを、例えばポリアセタールの融点以上に加熱可能なプレス機等で薄膜を作成し、偏光顕微鏡を用いて粒子像を観察及び写真撮影し、無作為に選んだ最低100個のタルクの最大粒子径と個数を測定することで平均粒子径を求めることができる。
本発明で用いられるタルク(B)は樹脂との親和性を向上させるために公知の表面処理剤を用いることができる。表面処理剤としては例えば、アミノシラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、さらには脂肪酸(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸)、脂環族カルボン酸及び樹脂酸や金属石鹸をあげることができる。表面処理剤の添加量としては好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、最も好ましくは実質的に添加されていないことである。
【0021】
本発明のポリアセタール樹脂組成物中のタルク(B)の含有量はポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して0.001〜0.03質量部であり、熱安定性改良の点から0.001質量部以上、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性改良の点から0.03質量部以下である必要がある。好ましくは0.002〜0.03質量部、より好ましくは0.005〜0.02質量部である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物中のタルク含有量を定量するには、例えば、ポリアセタール樹脂ペレットを塩酸等で加水分解し、タルクを定量する方法や、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、タルク起因である金属性分(Si、Mg)を定量する方法が挙げられる。
【0022】
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、用途に応じて適当な添加剤を配合することにより、熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。好適な具体的としては、ポリアセタール樹脂100質量部に対し、(C)酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤、離型(潤滑)剤の少なくとも1種を0.01〜10質量部含有してなるポリアセタール樹脂組成物を挙げることができる。
酸化防止剤としてはヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。具体的には、例えばn−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4 −ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4− ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル −5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン‐3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0023】
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物の例としては、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等を挙げることができる。また他に、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、例えばアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。その他にアミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの縮合物、尿素、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物を挙げることができる。
【0024】
アミド化合物の具体例としては、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミドが挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、2,4 −ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N− フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6− ブチル−sym−トリアジン等である。アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの付加物の具体例としては、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミンを挙げることができる。アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物を挙げることができる。尿素誘導体の例としては、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物を挙げることができる。N−置換尿素の具体例としては、アルキル基等の置換基が置換したメチル尿素、アルキレンビス尿素、アーリル置換尿素を挙げることができる。尿素縮合体の具体例としては、尿素とホルムアルデヒドの縮合体等が挙げられる。ヒダントイン化合物の具体例としては、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン等が挙げられる。ウレイド化合物の具体例としては、アラントイン等が挙げられる。ヒドラジン誘導体としてはヒドラジド化合物を挙げることができる。ヒドラジド化合物の具体例としては、ジカルボン酸ジヒドラジドを挙げることができ、更に具体的には、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボジヒドラジド等が挙げることができる。イミド化合物の具体例としてはスクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミドを挙げることができる。
【0025】
これらのホルムアルデヒド反応性窒素原子を含む重合体又化合物は、1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
ギ酸捕捉剤としては、上記のアミノ置換トリアジン化合物やアミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、例えばメラミン・ホルムアルデヒド縮合物等を挙げることができる。他のギ酸捕捉剤としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドが挙げられる。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩、さらには層状複水酸化物を挙げることができる。
【0026】
上記カルボン酸塩のカルボン酸としては、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、これらのカルボン酸は水酸基で置換されていてもよい。飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸塩の具体的な例としては、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸−パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウムが挙げられ、中でも好ましくは、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウムである。
層状複水酸化物としては例えば下記一般式で表されるハイドロタルサイト類をあげることができる。
〔(M2+1−X(M3+(OH)〔(An−x/n・mHO〕
〔式中、M2+は2価金属、M3+は3価金属、Anはn価(nは1以上の整数)のアニオン表わし、Xは、0<X≦0.33の範囲にあり、mは正の数である。〕
一般式(1)において、M2+の例としてはMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+等、M3+の例としては、Al3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、In3+等、An−の例としては、OH、F、Cl、Br、NO、CO2−、SO2−、Fe(CN)3−、CHCOO、シュウ酸イオン、サリチル酸イオン等をあげることができる。特に好ましい例としてはCO2−、OHをあげることができる。具体例としては、Mg0.75Al0.25(OH)(CO0.125・0.5HOで示される天然ハイドロタルサイト、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Mg4.3Al(OH)12.6CO等で示される合成ハイドロタルサイトを挙げることができる。
これらのギ酸捕捉剤は、1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0027】
本発明で言う耐候(光)安定剤は、ベンゾトリアゾール系及び蓚酸アニリド系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤の中から選ばれる1種若しくは2種以上が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ− 3’、5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス (α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ− 3’、5’−ビス−(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。蓚酸アリニド系紫外線吸収剤の例としては、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル− 2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2− エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。好ましくは2−[2’−ヒドロキシ− 3’、5’−ビス−(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ− 3’、5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾールである。これらのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0028】
ヒンダードアミン系光安定剤の例としては、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3―テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6,テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの縮合物、デカン2酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物などが挙げられる。好ましくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,9− [2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物である。これらヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0029】
離型剤、潤滑剤としては、アルコール、脂肪酸及びそれらの脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコール、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーンが好ましく使用される。
本発明において、本発明の目的を損なわない範囲で、更に適当な公知の添加剤を必要に
応じて配合することができる。具体的には、無機充填材、結晶核剤、導電材、熱可塑性樹脂、および熱可塑性エラストマー、顔料などをあげることができる。
前記無機充填剤は繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の充填剤が用いられる。繊維状充
填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維等の無機質繊維があげられる。また、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も含まれる。なお、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機繊維状物質も使用する事ができる。
【0030】
粉粒子状充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラ
ス粉、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイトの如き珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナの如き金属酸化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属硫酸塩、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、その他炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等があげられる。
板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、各種金属箔があげられる。中空状充填剤
としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーン等があげら
れる。これらの充填剤は1種又は2種以上を併用して使用することが可能である。これら
の充填剤は表面処理されたもの、未表面処理のもの、何れも使用可能であるが、成形表面
の平滑性、機械的特性の面から表面処理の施されたものの使用のほうが好ましい場合がある。表面処理剤としては従来公知のものが使用可能である。例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤が使用できる。具体的にはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げられる。
【0031】
導電剤としては、導電性カーボンブラック、金属粉末又は繊維が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。また、これらの変性物も含まれる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。顔料としては、無機系顔料及び有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料等が挙げられる。無機系顔料とは樹脂の着色用として一般的に使用されているものを言い、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩やカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等を言う。有機系顔料とは縮合ウゾ系、イノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の顔料である等の顔料である。顔料の添加割合は色調により大幅に変わるため明確にする事は難しいが一般的には、ポリアセタール樹脂と100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲で用いられる。
【0032】
本発明のポリアセタール樹脂組成物を製造する方法においては、一般的な押出機を用いて製造することができる。押出機としては1軸又は多軸混練押出機等が挙げられ、中でも、減圧装置を備えた2軸押出機が好ましい。該ポリアセタール樹脂組成物を製造する方法としては、
〈1〉ポリアセタール樹脂(A)を押出機トップよりフィードし、更にタルク(B)を定量フィーダー等でサイドフィード口から添加して溶融混練する方法、
〈2〉ポリアセタール樹脂(A)の一部を押出機トップよりフィードし、更にタルク(B)と残りのポリアセタール樹脂(A)を定量フィーダー等でサイドフィード口から添加して溶融混練する方法、
〈3〉ポリアセタール樹脂(A)を押出機トップよりフィードし、更にポリアセタール樹脂等でマスターバッチ化したタルク(B)を定量フィーダー等でサイドフィード口から添加して溶融混練する方法、
〈4〉ポリアセタール樹脂(A)とタルク(B)をヘンシェルミキサー、タンブラー、V字型ブレンダーなどで一括混合した後、押出機を用いて溶融混錬する方法が挙げられる。
しかしながら、得られるポリアセタール樹脂組成物の熱安定性、ウエルド物性、高温クリープ性改良の点から、ポリアセタール樹脂(A)が溶融した状態にタルク(B)を添加する〈1〉〜〈3〉の製造方法が好ましい。更に(C)成分は、押出機トップからポリアセタール樹脂(A)と同時にフィードしても良いし、サイドフィード口よりタルク(B)と同時にフィードしても良い。また、予め(A)、(B)、(C)成分からなる高濃度マスターバッチを作成しておき、射出成形時にポリアセタール樹脂で希釈することにより本発明のポリアセタール樹脂組成物を得ることもできる。
【0033】
本発明のポリアセタール樹脂組成物を成形する方法については特に制限するものではなく、公知の成形方法、例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の成形方法の何れかによって成形することができる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物の成形品は、熱安定性に優れると共に、更には耐クリープ特性、耐モールドデポジット性、繰返し成形性にも優れるため、様々な用途の成形品に使用することが可能である。例えば、ギア、カム、スライダー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関節、軸、軸受け及び、ガイド等に代表される機構部品、アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、プリンター及び複写機に代表されるオフィスオートメーション機器用部品、VTR(Video Tape Recorder)、ビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カメラ及び、デジタルカメラに代表されるカメラ、またはビデオ機器用部品、カセットプレイヤー、DAT、LD(Laser Disk)、MD(Mini Disk)、CD(CompactDisk)〔CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R(Recordable)、CD−RW(Rewritable)を含む〕、DVD(DigitalVideo Disk)〔DVD−ROM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−R DL、DVD+R DL、DVD−RAM(RandomAccess Memory)、DVD−Audioを含む〕、Blu−ray Disc、HD−DVD、その他光デイスクドライブ、MFD、MO、ナビゲーションシステム及びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像または情報機器、携帯電話およびファクシミリに代表される通信機器用部品、電気機器用部品、電子機器用部品、自動車用の部品として、ガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品、ドアロック、ドアハンドル、ウインドウレギュレータ、スピーカーグリル等に代表されるドア廻り部品、シートベルト用スリップリング、プレスボタン等に代表されるシートベルト周辺部品、コンビスイッチ部品、スイッチ類及び、クリップ類の部品、さらにシャープペンシルのペン先及び、シャープペンシルの芯を出し入れする機構部品、洗面台及び、排水口及び、排水栓開閉機構部品、自動販売機の開閉部ロック機構及び、商品排出機構部品、衣料用のコードストッパー、アジャスター、及びボタン、散水用のノズル、及び散水ホース接続ジョイント、階段手すり部及び、床材の支持具である建築用品、使い捨てカメラ、玩具、ファスナー、チェーン、コンベア、バックル、スポーツ用品、自動販売機、家具、楽器及び、住宅設備機器に代表される工業部品として好適に使用できる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例及び比較例よって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。尚、実施例及び比較例中の用語及び測定法は以下のとおりである。
【0035】
〈平均粒子径の測定方法〉
ポリアセタール樹脂ペレットを200℃に設定したプレス機で薄膜を作成し、偏光顕微鏡(Nikon製ECLIPSE E600WPOL)を用いて粒子像を400倍の倍率で観察及び写真撮影し、無作為に選んだ100個のタルクの最大粒子径(最大長径)を一つ一つ測定し、その100個の最大粒子径の平均値を平均粒子径とした。
【0036】
〈タルク含有量の測定方法〉
ポリアセタール樹脂ペレット200gを0.1N塩酸水溶液300mlと混合し、ガラス製耐圧瓶に仕込んだ状態の物を10バッチ準備した。これらを滅菌器により加圧状態で130℃、6〜10時間分解させた後、10バッチ分の分解液中のタルクを濾過し、その濾過残渣物を更にクロロホルム等で洗浄及び濾過を行い、タルク以外の添加剤を除去した。残ったタルクを減圧乾燥後、質量を量り樹脂組成物中のタルク含有量とした。
【0037】
〈融点の測定方法〉
示差熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−2C)を用い、一旦200℃まで昇温させ融解させた試料を100℃まで冷却し、再度2.5℃/分の速度にて昇温する過程で発生する発熱スペクトルのピークの温度を融点とした。
【0038】
〈ホルムアルデヒドガス発生速度の測定方法〉
予め140℃で1時間乾燥処理を施したポリアセタール樹脂ペレットを窒素気流下(50NL/hr)、240℃で加熱溶融し、ポリアセタール樹脂から発生するホルムアルデヒドガスを水に吸収した後、亜硫酸ソーダ法により滴定した。その際、加熱開始から10分後までのホルムアルデヒド発生量(ppm)をY10、同90分をY90としたときに、10〜90分の発生速度(Y90―Y10)/80(ppm/min.)
として算出した。ホルムアルデヒド発生速度は、n=5で測定した数値の平均値とした。これら値が小さいことは、熱安定性に優れることを示す。
【0039】
〈ウエルド伸度保持率の測定〉
住友重機工業(株)製SH−75射出成形機を用いて、シリンダー温度200℃、射出圧力60MPa、射出時間15秒、冷却時間25秒、金型温度70℃にて、ゲート2点でウエルドラインが成形品中央にある、寸法180mm×13mm×3mmの試験片及びゲート1点でウエルド部がない試験片を作製した。これらの試験片を、150℃に設定されたギアーオーブンに吊るし、120時間加熱した。その後、ギアーオーブンから試験片を取り出し、23℃で50%の湿度に保たれた恒温室で24時間放置した。放置後の試験片を下記条件にてウエルド伸度保持率を測定した。ウエルド伸度保持率は、n=5で測定した数値の平均値とした。
引張試験機:(株)島津製作所製AG−IS
引張速度:5mm/min
ウエルド伸度保持率の求め方:
ウエルド試験片引張伸度/非ウエルド試験片引張伸度*100
=ウエルド伸度保持率(%)
【0040】
〈高温クリープ特性〉
住友重機工業(株)製SH−75射出成形機を用いて、シリンダー温度200℃、射出圧力60MPa、射出時間25秒、冷却時間15秒、金型温度70℃にて、寸法110mm×6.5mm×3mmの短冊状の試験片を作製した。この試験片を150℃に設定されたギアーオーブンに吊るし、120時間加熱した。その後、ギアーオーブンから試験片を取り出し、23℃で50%の湿度に保たれた恒温室で24時間放置した。放置後の試験片を東洋精密製作所(株)製クリープ試験機100−6を用いて、荷重応力6MPaの引張応力で、130℃の空気中で試験片が破壊されるまでの時間を測定した。高温クリープ性は、n=5で測定した数値の平均値とした。破壊されるまでの時間が長いほど、耐クリープ性に優れる。
実施例、比較例には下記成分を用いた。
【0041】
〈ポリアセタール樹脂a−1〉
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整し、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを42.8g/h(トリオキサン1molに対して、1.3mol%)、連鎖移動剤としてメチラールをトリオキサン1molに対して0.18×10−3molを連続的に添加した。さらに重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10−5molで連続的に添加し重合を行なった。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行なった。失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行い、窒素量に換算して20質量ppmとした。乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で不安定末端部分の分解除去を行なった。不安定末端部分の分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押出され、ペレタイズされた。このようにして得られたポリアセタール樹脂(a−1)の融点は169.5℃であった。
【0042】
〈ポリアセタール樹脂a−2〉
ポリアセタール樹脂を重合する際、1,3ジオキソランの連続添加量を128.3g/h(トリオキサン1molに対して、3.9mol%)とした以外はポリアセタール樹脂(a−1)の製造と同様の操作を行いポリアセタール樹脂(a−2)を得た。このようにして得られたポリアセタール樹脂(a−2)の融点は164.5であった。
【0043】
〈タルク(B)〉
b−1:日本タルク株式会社製MS(表面未処理) 平均粒径15.6μm
b−2:(b−1)日本タルク株式会社製MSをアミノプロピルトリエトキシシラン1%で表面処理したもの
b−3:日本タルク株式会社製P−3(表面未処理) 平均粒径5.1μm
b−4:日本タルク株式会社製K−1(表面未処理) 平均粒径8.4μm
b−5:日本タルク株式会社製MS−KY(表面未処理) 平均粒径24.5μm
b−6:窒化硼素 平均粒径4.1μm
【0044】
[実施例1〜3] ポリアセタール樹脂(a−1)100質量部に、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部及び、ギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.15質量部とヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。この混合物を200℃に設定されたL/D=30の30mmベント付2軸押出機のメインフィード口からフィードし、メインフィード口の下流に設置されたサイドフィード口より表1に示した量のタルク(b−1)をフィードし、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬することによりポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、タルク含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0045】
[実施例4〜6]
サイドフィード口より表1に示したタルク(b−2)をフィードした以外は実施例1同様に操作してポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、タルク含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0046】
[実施例7〜9]
ポリアセタール樹脂(a−2)を用いた以外は実施例1同様に操作してポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、タルク含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0047】
[実施例10〜12]
サイドフィード口より表1に示したタルク(b−2)をフィードした以外は実施例7同様に操作してポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、タルク含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0048】
[実施例13]
ポリアセタール樹脂(a−1)100質量部に、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部、ギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.15質量部及び、タルク(b−1)0.01質量部とをヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。この混合物を200℃に設定されたL/D=30の30mmベント付2軸押出機のメインフィード口からフィードし、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬することによりポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、タルク含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0049】
[実施例14]
ポリアセタール樹脂(a−1)95質量部に、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部及び、ギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.15質量部とヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。この混合物を200℃に設定されたL/D=30の30mmベント付2軸押出機のメインフィード口からフィードし、メインフィード口の下流に設置されたサイドフィード口よりポリアセタール樹脂(a−1)5質量部及びタルク(b−1)0.01質量部をフィードし、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬することによりポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、タルク含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0050】
[比較例1]
ポリアセタール樹脂(a−1)100質量部に、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部及び、ギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.15質量部とヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。この混合物を200℃に設定されたL/D=30の30mmベント付2軸押出機のメインフィード口からフィードし、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬することによりポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、タルク含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0051】
[比較例2〜6]
ポリアセタール樹脂(a−1)100質量部に、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部及び、ギ酸捕捉剤としてジステアリン酸カルシウム0.15質量部とヘンシェルミキサーを用いて均一に混合した。この混合物を200℃に設定されたL/D=30の30mmベント付2軸押出機のメインフィード口からフィードし、メインフィード口の下流に設置されたサイドフィード口より表1に示した量の各種タルクをフィードし、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬することによりポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、タルク含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0052】
[比較例7]
ポリアセタール樹脂(a−2)を使用した以外は比較例1と同様に操作してポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、タルク含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0053】
[比較例8]
ポリアセタール樹脂(a−2)を使用した以外は比較例2と同様に操作してポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、タルク含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0054】
[比較例9]
サイドフィード口より窒化硼素(b−6)0.01質量部をフィードした以外は比較例2同様に操作してポリアセタール樹脂ペレットを製造した。得られたポリアセタール樹脂ペレットを前述の測定方法により、平均粒子径、窒素化硼素含有量、ホルムアルデヒドガス発生速度、耐熱エージング試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性の評価を行った。
【0055】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は上述のとおり、ポリアセタール樹脂が持つ機械物性バランスを有し、熱安定性に優れると共に、耐熱エージング性試験後の成形ウエルド部の物性及び、高温クリープ特性にも優れるために、自動車、電機電子、その他工業などの分野で好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が10μmを超えて、20μm未満のタルク(B)0.001〜0.03質量部を含有してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
【請求項2】
ポリアセタール樹脂(A)が融点167℃以上、173℃以下のポリアセタールコポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
【請求項3】
ポリアセタール樹脂(A)がポリアセタールコポリマーであって、且つ該ポリアセタールコポリマーがポリアセタールコポリマーの有する不安定な末端部の分解除去処理を経て得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
【請求項4】
タルク(B)が表面処理されていないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物100質量部に対し、(C)酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤、離型剤、潤滑剤の少なくとも1種を0.01〜10質量部含有してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
【請求項6】
タルク(B)をポリアセタール樹脂(A)が溶融した状態に添加して溶融混練することにより得られたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。

【公開番号】特開2008−156628(P2008−156628A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310810(P2007−310810)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】