説明

ポリアミック酸及び非熱可塑性ポリイミド樹脂

【課題】高温加工性に優れ、ポリイミド層と金属層との接着性が良好であり、また、ポリイミド層とレジストとの接着性も良好であるフレキシブル金属積層板とすることのできるポリイミド樹脂を提供すること。
【解決手段】(A)3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び2,3,2',3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類のビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、(B)ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類の直鎖状酸二無水物と、(C)2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル及び/又はp−フェニレンジアミンと、(D)1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、及び3,4'−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種類のジアミン成分と、を重合させて得られるポリアミック酸。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリアミック酸及び非熱可塑性ポリイミド樹脂に関する。また、本発明は、電子材料分野で広く使用されている2層フレキシブル金属積層板に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル金属積層板には、金属層、ポリイミド層、エポキシ樹脂等の接着層から構成される3層フレキシブル金属積層板、金属箔を含む金属層とポリイミド層から構成される2層フレキシブル金属積層板が知られている。
【0003】
一般的な2層フレキシブル金属積層板のポリイミド層は熱可塑性ポリイミド樹脂(TPI)と熱硬化性ポリイミドを含む複数のポリイミド樹脂の層で構成されている。
【0004】
近年の電子材料分野では、自然環境や人体への影響を考慮した材料のハロゲンフリー化及び鉛フリーハンダへの対応が進んでいる。また、用途面においては電子機器の薄型・小型化および高機能化が進んでおり、フレキシブル金属積層板も、3層フレキシブル金属積層板から2層フレキシブル金属積層板への移行が進んでいる。
【0005】
フレキシブル金属積層板の用途面における高機能化の要求の一つとして、例えば、半導体素子の実装における高温加工において、ポリイミド層の高耐熱化が要求されている。また、一般的に高耐熱化と接着性はトレードオフの関係にあるため、ポリイミド層を高耐熱化しようとすると樹脂が硬くなり金属層との接着性が低下する。
【0006】
特許文献1には、金属箔に接するポリイミド層にTPIを用いたフレキシブル配線基板などに広く使用される金属箔積層板が開示されている。
特許文献2には、ポリイミドフィルムと熱可塑性のポリイミド系接着剤から構成されるポリイミド接着シートが開示されている。
特許文献3には、導体層と接する絶縁樹脂層に高耐熱性のポリイミド樹脂を用いた積層体が開示されている。
【0007】
また、特許文献4には、熱圧着可能なポリイミド系接着を介して、耐熱性ポリイミドフィルムと金属箔を積層一体化したフレキシブル金属積層体が開示されている。
さらに、特許文献5には、熱圧着性多層ポリイミドフィルムからなる銅張積層板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−209680号公報
【特許文献2】特開2006−312268号公報
【特許文献3】国際公開第02/085616号
【特許文献4】特開2005−131919号公報
【特許文献5】特開2007−216688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1−3に開示された金属箔積層板におけるポリイミド層には、熱可塑性ポリイミドが使用されているため、いずれも高温加工性に劣っている。
また、特許文献4に開示されたフレキシブル金属積層体の絶縁樹脂層は非熱可塑性のポリイミドフィルムと熱圧着可能なポリイミド(例えば、TPI)を積層一体化させているため、高温加工性に劣る。
さらに、特許文献5に開示された熱圧着性多層ポリイミドフィルムにおいても、TPIを使用しているため高温加工性に劣る。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、従来の問題であった高温加工性を改善し、さらにTPIを用いずとも金属層とポリイミド層との接着性が良好であり、さらにポリイミド層とドライレジストフィルム等の配線被覆材(以下、単に「レジスト」と記載する場合がある。)との接着性も良好である2層フレキシブル金属積層板とすることのできるポリイミド樹脂を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の酸無水物モノマーと、特定のジアミンモノマーとの重合体である非熱可塑性ポリイミド樹脂が、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、以下のポリアミック酸、非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物、非熱可塑性ポリイミド樹脂、2層フレキシブル金属積層板、プリント配線板及び2層フレキシブル金属積層板の製造方法を提供する。
[1]
(A)3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び2,3,2',3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類のビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、
(B)ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類の直鎖状酸二無水物と、
(C)2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル及び/又はp−フェニレンジアミンと、
(D)1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、及び3,4'−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種類のジアミン成分と、を重合させて得られるポリアミック酸。
[2]
前記(A)が70〜95モル%、前記(B)が5〜30モル%、前記(C)が70〜95モル%、前記(D)が5〜30モル%である、前記[1]に記載のポリアミック酸。
[3]
前記[1]又は[2]に記載のポリアミック酸を含有する、非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物。
[4]
N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選ばれる溶剤をさらに含有する、前記[3]に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物。
[5]
前記溶剤が80〜90質量%である、前記[4]に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物。
[6]
前記N,N−ジメチルアセトアミドが65〜90質量%、前記N−メチル−2−ピロリドンが10〜35質量%である、前記[4]又は[5]に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物。
[7]
2層フレキシブル金属積層板用樹脂組成物である、前記[3]〜[6]のいずれか一項に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物。
[8]
前記[1]若しくは[2]に記載のポリアミック酸又は前記[3]〜[7]のいずれか一項に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を縮合させて得られる非熱可塑性ポリイミド樹脂。
[9]
前記[1]若しくは[2]に記載のポリアミック酸又は前記[3]〜[7]のいずれか一項に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物からなる2層フレキシブル金属積層板。
[10]
前記[8]に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂からなる2層フレキシブル金属積層板。
[11]
前記[9]又は[10]に記載の2層フレキシブル金属積層板からなるプリント配線板。
[12]
N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選ばれる溶剤中で、
(A)3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び2,3,2',3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類のビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、
(B)ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類の直鎖状酸二無水物と、
(C)2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル及び/又はp−フェニレンジアミンと、
(D)1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種類のジアミン成分と、を反応させて非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を得る工程、
前記非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を金属箔に塗布する工程、
前記金属箔に塗布された前記非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を乾燥する工程、
330〜400℃まで昇温する工程、を含む2層フレキシブル金属積層板の製造方法。
[13]
前記昇温する工程において、40℃/時間以下で昇温する、前記[12]に記載の製造方法。
[14]
昇温後、330〜400℃で、1.0時間以上加温する工程をさらに含む、前記[12]又は[13]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高温加工性を改善し、さらにTPIを用いず単独のポリイミド樹脂からなるポリイミド層として用いても、金属層とポリイミド層との接着性が良好であり、さらにポリイミド層とドライレジストフィルム等の配線被覆材との接着性も良好である2層フレキシブル金属積層板とすることのできるポリアミック酸及び非熱可塑性ポリイミド樹脂を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1及び比較例1のDMAの結果を示す。図1において、縦軸は弾性率を示し、横軸は温度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に記載する。なお、本発明は以下の実施するための形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0016】
本発明のポリアミック酸は、
(A)3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び2,3,2',3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類のビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、
(B)ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類の直鎖状酸二無水物と、
(C)2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル及び/又はp−フェニレンジアミンと、
(D)1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、及び3,4'−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種類のジアミン成分と、を重合させて得られるポリアミック酸である。
本発明の非熱可塑性ポリイミド樹脂は、上記ポリアミック酸を縮合させて得られる非熱可塑性ポリイミド樹脂である。
【0017】
本発明において、「非熱可塑性ポリイミド樹脂」とは、ガラス転移温度(Tg)以上で加熱しても軟化せずに弾性率が緩やかに低下する樹脂をいう。
本発明において、「熱可塑性ポリイミド樹脂」とは、ガラス転移温度(Tg)以上で加熱すると軟化し、かつTg以上における弾性率が著しく低下する樹脂をいう。
熱可塑性樹脂は、Tg以上で加熱すると軟化することから軟化点温度を有する樹脂である。
本発明において、「熱硬化性樹脂」とは、ガラス転移温度(Tg)以上で加熱すると硬化し、弾性率が低下しない樹脂をいう。
DMA(動的粘弾性測定)により、非熱可塑性樹脂であることを確認することができる。例示として、図1に示すように、熱可塑性樹脂では、温度上昇と共に、弾性率が極端に低下するのに対し、非熱可塑性樹脂では、弾性率が緩やかに低下することから熱可塑性樹脂又は非熱可塑性樹脂であることを確認することができる。
また、熱硬化性樹脂では、温度上昇により弾性率は低下しないことから熱硬化性樹脂と非熱可塑性樹脂とを確認することができる。
ここで、図1に例示したDMAは、レオメトリック・サイエンティフィック社製の動的粘弾性測定装置RSAII用いて、10℃/分で昇温させたときの弾性率を測定したものである。
【0018】
本発明は、上記(A)成分と(B)成分である特定の酸無水物モノマーと、上記(C)成分と(D)成分である特定のジアミンモノマーと、を重合させることにより得られるポリイミド樹脂が、非熱可塑性樹脂であることを見出したことに基づく。
【0019】
酸無水物モノマーである(A)成分としては、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である、3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び2,3,2',3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これら(A)成分の酸無水物モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
(A)成分としては、高接着性、入手容易性の観点で、3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であることが好ましい。
【0020】
酸無水物モノマーである(B)成分としては、直鎖状酸二無水物である、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これら(B)成分の酸無水物モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
(B)成分としては、高耐熱性、入手容易性の観点で、ピロメリット酸二無水物であることが好ましい。
【0021】
ジアミンモノマーである(C)成分としては、2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル及びp−フェニレンジアミンが挙げられる。
これら(C)成分のジアミンモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
(C)成分としては、高耐熱性の観点で、p−フェニレンジアミンであることが好ましい。
【0022】
ジアミンモノマーである(D)成分としては、ジアミン成分である、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、及び3,4'−ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。
これら(D)成分のジアミンモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0023】
(D)成分としては、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンであることが好ましい。
(D)成分として、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを用いると、メタ結合を分子内に有するため、パラ結合を分子内に有するジアミン化合物を用いるよりも重合体として柔軟性が増すと考えられ、レジストとの接着性に優れる2層フレキシブル金属積層板とすることができる。
レジストとの接着性に優れることにより、加工時及び最終製品状態において、レジストの剥離等がなく、金属配線への負荷を低減することできる。
【0024】
本発明の非熱可塑性ポリイミド樹脂は、高接着性、高耐熱性を両立し、金属箔と同等のCTEを有する観点から、(A)成分が70〜95モル%、(B)成分が5〜30モル%、(C)成分が70〜95モル%、かつ(D)成分が5〜30モル%で重合したポリイミド樹脂であることが好ましい。
【0025】
(B)成分の含有量が、酸無水物モノマーに対して、5モル%以上であることにより、レジストとの接着性に優れる2層フレキシブル金属積層板とすることができ、30モル%以下であることにより、非熱可塑性ポリイミド樹脂が柔軟性に優れるため金属箔との接着性に優れる2層フレキシブル金属積層板とすることができる。
また、(A)成分の含有量が、酸無水物モノマーに対して、70〜95モル%の範囲内であることにより、非熱可塑性ポリイミド樹脂自体の柔軟性が増し、接着性が向上する。
(A)成分の含有量は、[(A)成分のモル数]/[酸無水物モノマーのモル数]×100として求めることができ、(B)成分の含有量は、[(B)成分のモル数]/[酸無水物モノマーのモル数]×100として求めることができる。
ここで、酸無水物モノマーのモル数は、(A)成分のモル数と(B)成分のモル数の和として求めることができる。
【0026】
(D)成分の含有量が、ジアミンモノマーに対して、5モル%以上であることにより、ポリイミド層表面におけるレジスト及び金属層との接着性に優れる2層フレキシブル金属積層板とすることができ、30モル%以下であることにより、非熱可塑性ポリイミド樹脂中の屈曲成分が適切な範囲にあることとなり、耐熱性に優れる2層フレキシブル金属積層板とすることができる。
また、(C)成分の含有量が、ジアミンモノマーに対して、70〜95モル%の範囲内であることにより、耐熱性が向上し、非熱可塑性ポリイミド樹脂自体のCTEが金属箔のCTEに近づくため寸法安定性が向上する。
(C)成分の含有量は、[(C)成分のモル数]/[ジアミンモノマーのモル数]×100として求めることができ、(D)成分の含有量は、[(D)成分のモル数]/[ジアミンモノマーのモル数]×100として求めることができる。
ここで、ジアミンモノマーのモル数は、(C)成分のモル数と(D)成分のモル数の和として求めることができる。
【0027】
本発明において、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分のモル数については、上記範囲内にあることが好ましく、特に限定されるものではないが、(A)成分と(C)成分、(B)成分と(D)成分のモル数がそれぞれ等しい非熱可塑性ポリイミド樹脂とすることも好適である。
【0028】
本発明の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物は、ポリアミック酸を含む樹脂組成物であり、2層フレキシブル金属積層板用組成物として好適に用いることができる。
非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物は、ポリアミック酸と、溶剤とを含んでいてもよい。
【0029】
本発明において、溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶剤が挙げられる。
溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選ばれる溶剤であることが好ましい。
【0030】
本発明おいて、溶剤の量としては、非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物の全量に対して、80〜90質量%であることが好ましい。
溶剤の量が80〜90質量%であることにより、塗布性に優れたワニス粘度にすることができる。
本発明において、「全量」とは、非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物における固形品と溶解品との質量の合計をいう。「固形品」とは固形そのものをいい、「溶解品」とは固形品が溶剤に溶解して溶解状態となっているものをいう。
質量 溶剤の量は、(溶剤の質量)/(非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物の全量の質量)×100として求めることができる。
【0031】
本発明において、溶剤として、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンの混合溶剤を用いることが好ましく、溶剤の全量に対して、N,N−ジメチルアセトアミドが65〜90質量%、N−メチル−2−ピロリドンが10〜35質量%である混合溶剤を用いることがより好ましい。
溶剤として、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンの混合溶媒とする場合のN,N−ジメチルアセトアミドの含有量は、(N,N−ジメチルアセトアミドの質量)/(混合溶剤の質量)×100として求めることができ、N−メチル−2−ピロリドンの含有量は、(N−メチル−2−ピロリドンの質量)/(混合溶剤の質量)×100として求めることができる。
【0032】
N,N−ジメチルアセトアミドが65質量%以上であることにより、比較的高沸点かつ比重が重く銅箔界面に滞留するN−メチル−2−ピロリドンの含有量を適切な範囲にすることができるので、接着性に優れるフレキシブル金属積層板とすることができ、90質量%以下であることにより、ワニス状態での非熱可塑性ポリイミド樹脂組成物の溶解性を向上させることができ、塗布したときの銅箔粗度への追随性が高めることができるため銅箔との接着性に優れるフレキシブル金属積層板とすることがでる。
【0033】
本発明の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物には、ピリジン等の3級アミン、無水酢酸等の酸無水物に代表されるイミド化促進剤、界面活性剤等のレベリング剤、フィラーを添加してもよい。
【0034】
本発明の2層フレキシブル金属積層板は、金属層にポリアミック酸又は非熱可塑性ポリイミド樹脂からなる2層フレキシブル金属積層板であり、具体的には、非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を金属層にキャストし、縮合することにより製造される2層フレキシブル金属積層板である。
本発明の2層フレキシブル金属積層板は、ポリアミック酸が縮合した非熱可塑性ポリイミド樹脂からなることにより、寸法安定性が良好であり、加工時、及び最終製品状態において、金属配線の剥離等が減少するため、製品寿命向上する。
また、非熱可塑性ポリイミド樹脂が耐熱性を有するため、加工温度が高温であっても対応可能であり、温度を下げずに加工が可能となる。これにより、加工時間の短縮が可能となる。さらに、配線形成、半導体素子実装等の加工性・歩留りが向上した2層フレキシブル金属積層板とすることができる。
【0035】
本発明において、金属層に直接、非熱可塑性ポリミド樹脂用組成物をキャストし、縮合することにより2層フレキシブル金属積層板とすることが好適である。
【0036】
本発明の2層フレキシブル金属積層板の製造方法は、
N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選択される溶剤中で、
(A)3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び2,3,2',3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類のビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、
(B)ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類の直鎖状酸二無水物と、
(C)2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル及び/又はp−フェニレンジアミンと、
(D)1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、及び3,4'−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種類のジアミン成分と、を反応させて非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を得る工程、
前記非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を金属箔に塗布する工程、
前記金属箔に塗布された前記非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を乾燥する工程、
330〜400℃まで昇温する工程、を含む2層フレキシブル金属積層板の製造方法である。
【0037】
本発明においては、溶剤に(C)成分と(D)成分であるジアミンモノマーを添加後、室温〜30℃で溶解させた溶液に、(A)成分と(B)成分である酸無水物モノマーを徐々に添加し、室温下で0.5時間以上攪拌することで非熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体樹脂としてポリアミック酸を得ることができる。
本発明においては、ジアミンモノマーを溶解させずに分散状態で酸無水物モノマーを添加してもよく、溶剤に酸無水物モノマーを添加後、溶解又は分散させた状態でジアミンモノマーを添加してもよい。その後、室温下で、0.5時間以上撹拌することにより、ポリアミック酸を得ることができる。
撹拌温度の範囲が−10℃〜溶剤沸点の範囲であり、攪拌時間が0.5時間以上である場合も、本発明のポリアミック酸を得ることができる。
【0038】
本発明において、ジアミンモノマーと酸無水物モノマーとを溶剤中反応させることにより、ポリアミック酸を得ることができ、得られた反応溶液は、ポリアミック酸と溶剤とを含有するため非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物として好適に用いることができる。また、溶剤の量は、非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物の全量に対して80〜90質量%の範囲内で塗布性を考慮して適宜設定することができる。
【0039】
本発明において、非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を金属箔に塗布する工程は、グラビア、コンマ、ダイ等のコーターを用いることにより行うことができる。
本発明において、金属箔としては、銅箔、SUS箔、アルミ箔等が挙げられ、導電性、回路加工性の観点で、銅箔などが好ましい。また、金属箔を使用する場合は、亜鉛メッキ、クロムメッキ等による無機表面処理、シランカップリング剤等による有機表面処理を施してもよい。
【0040】
本発明において、金属箔に塗布された非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を乾燥する工程は、80〜150℃で、1〜30分乾燥することにより行うことが好ましい。
塗布・乾燥工程後の残存溶剤量はポリアミック酸100質量%に対し、50質量%以下にしておくことが好ましい。
【0041】
本発明において、昇温する工程は、330〜400℃まで昇温して行うことが好ましい。
【0042】
本発明の2層フレキシブル金属積層板の製造方法としては、窒素等の不活性ガス雰囲気下、または真空下で、イミド化昇温速度として、40℃/時間以下の昇温速度で、イミド化温度として、330〜400℃まで昇温することが好ましい。
本発明の2層フレキシブル金属積層板の製造方法としては、前記昇温後、330〜400℃で、1.0時間以上加温する工程をさらに含む製造方法であることが好ましい。
【0043】
本発明において、上記製造方法により2層フレキシブル金属積層板を製造することにより、金属箔やレジストとの接着性に優れる2層フレキシブル金属積層板とすることができる。
本発明の2層フレキシブル金属積層板は、金属箔に非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物をキャストして得られる金属層と非熱可塑性ポリイミド樹脂層(ポリイミドフィルム)からなるフレキシブル金属積層板であり、非熱可塑性ポリイミド樹脂層の厚みは、2〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。
【0044】
本発明の2層フレキシブル金属積層板の金属層を所定形状にエッチングして得られたエッチング面を金属箔回路被覆用のレジストで被覆し、メーカー推奨条件でUV露光、現像、UV硬化、熱硬化の順に処理してレジスト被覆済みの回路を得ることができる。
レジストとしては、金属箔回路を被覆するものであれば、限定するものではなく、液状レジスト、ドライフィルムレジスト等が挙げられる。
【0045】
本発明において、2層フレキシブル金属積層板に含まれるポリイミド層の線熱膨張係数 CTE(10-6/K)は、寸法変化率の観点で、25×10-6/K以下であることが好ましく、23×10-6/K以下であることがより好ましい。
CTEは、以下の実施例に記載の方法により測定することができる。
【0046】
本発明において、フレキシブル金属積層板におけるガラス転移温度 Tg(℃)は、耐熱性の観点で、300〜400℃であることが好ましく、310℃以上であることがより好ましい。
Tgは、以下の実施例に記載の方法により測定することができる。
【0047】
本発明において、フレキシブル金属積層板における銅箔接着性の指標として引き剥がし強度(銅箔)(N/cm)は、プリント配線板の信頼性の観点で、8N/cm以上であることが好ましく、9N/cm以上であることがより好ましい。
引き剥がし強度(銅箔)は、以下の実施例に記載の方法により測定することができる。
【0048】
本発明において、フレキシブル金属積層板におけるレジスト接着性の指標として引き剥がし強度(レジスト)(N/cm)は、プリント配線板の信頼性の観点で、5N/cmより大きいことが好ましい。
引き剥がし強度(レジスト)は、以下の実施例に記載の方法により測定することができる。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0050】
実施例及び比較例において用いた酸二無水物、ジアミン及び溶剤は以下のとおりである。実施例及び比較例における評価方法及び測定方法は以下のとおりである。
(A)成分
BPDA:3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(宇部興産製)
(B)成分
PMDA:ピロメリット酸二無水物(ダイセル化学工業製)
(C)成分
p−PDA:p−フェニレンジアミン(関東化学製)
m−TB:2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(和歌山精化製)
(D)成分
TPE−R:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(和歌山精化製)
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(東京化成工業製)
その他
4,4'−DAPE:4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山精化製)
溶剤
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド(関東化学製)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン(関東化学製)
【0051】
(1)CTE測定
実施例及び比較例で得られた2層フレキシブル金属積層板の銅箔をエッチングすることにより得られるポリイミドフィルムを用いた。
CTEは、島津製作所製の熱機械分析装置TMA−60を用い、サンプルサイズを幅5mm、長さ15mmとし、荷重5g、10℃/minの昇温速度で加熱した際の100℃から200℃までの寸法変化から求めた。
【0052】
(2)Tg測定
実施例及び比較例で得られた2層フレキシブル金属積層板の銅箔をエッチングすることにより得られるポリイミドフィルムを用いた。
Tgは、レオメトリック・サイエンティフィック社製の動的粘弾性測定装置RSAIIを用いて、10℃/minで昇温させたときの動的粘弾性を測定し、tanδの極大値からTgを求めた。
【0053】
(3)銅箔接着性
実施例及び比較例で得られた2層フレキシブル金属積層板の銅箔を3mm幅にパターンエッチングした試料をJIS C 6471の8.1項に準じて測定した。
島津製作所製のEZ−TESTを用い、常温下、テストスピード50mm/minで180度方向に銅箔を引き剥がしその強度を測定した。
【0054】
(4)レジスト接着性
実施例及び比較例で得られた2層フレキシブル金属積層板の銅箔を所定の形状にエッチングして得られたエッチング面にドライレジストフィルムであるニチゴー・モートン製DM−140を60℃、1MPaでラミネートし、積算光量50mJ/cm2でUV露光後、1.0%炭酸カルシウム水溶液を用い、30℃、0.15MPa、30秒で現像し、さらに積算光量4000mJ/cm2でUV硬化、150℃で1時間熱硬化することで回路を作製した。
次いで、厚さ2mmのアルミ板とレジスト面との間に有沢製作所製ボンディングシートAAC25KAを挟み込み、5.9MPa、160℃、30minの条件で接着したものを測定サンプルとした。
該測定サンプルを島津製作所製のEZ−TESTを用い、常温下、テストスピード50mm/minで90度方向にポリイミドフィルムを引き剥がし測定した。
【0055】
(5)フィルムカール
実施例及び比較例で得られた2層フレキシブル金属積層板をエッチングして得られたポリイミドフィルムを10cm角に切り出し、四隅の浮き量の平均値をフィルムカールとして測定した。
浮き量の平均値が5mm以下の場合を○、5〜15mmの場合を△、15mm以上の場合を×とした。
【0056】
[実施例1]
500LのフラスコにDMAc 178.5gとNMP 76.5gを加えた。次いで、(C)成分としてp−PDA 10.7g(0.099mol)及び(D)成分としてTPE−R 3.2g(0.011mol)を添加後、30℃で撹拌して、DMAcとNMPの混合溶剤にp−PDAとTPE−Rのジアミン成分を溶解させた。
得られた溶液に、(A)成分としてBPDA 28.9g(0.098mol)及び(B)成分としてPMDA 2.4g(0.011mol)を徐々に添加した。
その後、室温下で10時間撹拌することによりポリアミック酸溶液を得た。
得られたポリアミック酸溶液を銅箔(日鉱金属製BHY-22B-T-18μm)の粗化処理面にイミド化後の樹脂層厚さが25μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、130℃で10分間で乾燥させた。
ポリアミック酸溶液を塗布し乾燥した銅箔を、室温まで冷却後、昇温速度25℃/時間で360℃(物温)まで加熱した。360℃で2時間保持後、室温まで自然冷却し、2層フレキシブル金属積層板を得た。DMAの測定結果を図1に示す。また、上記(1)〜(5)の評価結果を表1に示す。
【0057】
[実施例2−7]
表1に記載した(A)〜(D)成分、溶剤、及び製造条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、2層フレキシブル金属積層板を得た。上記(1)〜(5)の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
500LのフラスコにDMAc 191.3gとNMP 63.8gを加えた。次いで、ジアミンモノマーとして、TPE−R 22.5g(0.077mol)を添加後、室温で撹拌して、DMAcとNMPの混合溶剤にジアミンモノマーを溶解させた。
得られた溶液に、酸無水物モノマーとして、BPDA 22.5g(0.076mol)を徐々に添加した。
その後、室温下で10時間撹拌することによりポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を銅箔(日鉱金属製BHY-22B-T-18μm)の粗化処理面にイミド化後の樹脂層厚さが25μmになるようにバーコーターを用いて塗布し、130℃で10分間で乾燥させた。ポリアミック酸溶液を塗布し乾燥した銅箔を、室温まで冷却後、昇温速度25℃/時間で360℃(物温)まで加熱した。360℃で2時間保持後、室温まで自然冷却し、2層フレキシブル金属積層板を得た。DMAの測定結果を図1に示す。上記(1)〜(5)の評価結果を表2に示す。
【0058】
[比較例2−9]
表2に記載した成分、溶剤、及び製造条件を変更した以外は、比較例1と同様にして、2層フレキシブル金属積層板を得た。上記(1)〜(5)の評価結果を表2に示す。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の非熱可塑性ポリイミド樹脂は、高温加工性に優れ、かつ、ポリイミド層と金属層との接着性や、ポリイミド層とレジストとの接着性が良好である2層フレキシブル金属積層板を提供することができるので、フレキシブルプリント配線板などとして、電子材料分野における利用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び2,3,2',3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類のビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、
(B)ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類の直鎖状酸二無水物と、
(C)2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル及び/又はp−フェニレンジアミンと、
(D)1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、及び3,4'−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種類のジアミン成分と、を重合させて得られるポリアミック酸。
【請求項2】
前記(A)が70〜95モル%、前記(B)が5〜30モル%、前記(C)が70〜95モル%、前記(D)が5〜30モル%である、請求項1に記載のポリアミック酸。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のポリアミック酸を含有する、非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物。
【請求項4】
N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選ばれる溶剤をさらに含有する、請求項3に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物。
【請求項5】
前記溶剤が80〜90質量%である、請求項4に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物。
【請求項6】
前記N,N−ジメチルアセトアミドが65〜90質量%、前記N−メチル−2−ピロリドンが10〜35質量%である、請求項4又は5に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物。
【請求項7】
2層フレキシブル金属積層板用樹脂組成物である、請求項3〜6のいずれか一項に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物。
【請求項8】
請求項1若しくは2に記載のポリアミック酸又は請求項3〜7のいずれか一項に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を縮合させて得られる非熱可塑性ポリイミド樹脂。
【請求項9】
請求項1若しくは2に記載のポリアミック酸又は請求項3〜7のいずれか一項に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物からなる2層フレキシブル金属積層板。
【請求項10】
請求項8に記載の非熱可塑性ポリイミド樹脂からなる2層フレキシブル金属積層板。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の2層フレキシブル金属積層板からなるプリント配線板。
【請求項12】
N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群から選ばれる溶剤中で、
(A)3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び2,3,2',3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類のビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、
(B)ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種類の直鎖状酸二無水物と、
(C)2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル及び/又はp−フェニレンジアミンと、
(D)1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種類のジアミン成分と、を反応させて非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を得る工程、
前記非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を金属箔に塗布する工程、
前記金属箔に塗布された前記非熱可塑性ポリイミド樹脂用組成物を乾燥する工程、
330〜400℃まで昇温する工程、を含む2層フレキシブル金属積層板の製造方法。
【請求項13】
前記昇温する工程において、40℃/時間以下で昇温する、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
昇温後、330〜400℃で、1.0時間以上加温する工程をさらに含む、請求項12又は13に記載の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−233198(P2012−233198A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−170525(P2012−170525)
【出願日】平成24年7月31日(2012.7.31)
【分割の表示】特願2008−222820(P2008−222820)の分割
【原出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000155698)株式会社有沢製作所 (117)
【Fターム(参考)】