説明

ポリアミド1010粉末およびパーソナルケア製品におけるその使用

【課題】ポリアミド1010粉末、このような粉末の製造方法、およびパーソナルケア製品およびパーソナルケア用途におけるその使用に関する。
【解決手段】本発明は、粒子の平均粒度d50が1〜50μmであり、見掛け密度が180〜300g/lであり、NH末端基/COOH末端基の比が50:50〜95:5であるポリアミド10.10をベースとした粒子、化粧品組成物を製造するためのこのような粒子の使用、化粧品組成物自体、および粒子の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特殊なポリアミド1010粉末、特にパーソナルケア製品および化粧品に使用されるもの、ならびに、このような粉末の製造方法、およびパーソナルケア製品およびパーソナルケア用途におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド粉末をパーソナルケア製品およびパーソナルケア用途に使用することは周知である。Evonik Goldschmidt GmbHは、例えば、粉末調製物、ファンデーション、マニキュア、およびエアゾールに使用されるポリアミド12粉末をTEGOLON(登録商標)12-10およびTEGOLON(登録商標)12-20の商標名で提供している(TEGOLON(登録商標)はEvonik Goldschmidt GmbHの登録商標である)。これらの粉末の粒度(particle size)(d50値)はそれぞれ6μmおよび10μmである。
【0003】
米国特許出願公開第2003/0114636号(Degussa AG)は、pH調整されたポリアミド粉末を化粧用途に使用することを記載している。この特許出願に記載されているポリアミドのタイプは、ポリアミド11およびポリアミド12である。AA.BBタイプのポリアミド(PA)には触れられていない。粒子の平均粒度は1〜400μmである。PA粉末のpH値は4〜7である。
【0004】
欧州特許第0863174号(米国特許第5,932,687号と同じ)は、狭い粒度分布と低い空隙率を有するポリアミド粉末、およびそれを製造するための沈殿法を記載している。ポリマー粉末は、粒度が100μm未満であり、BET比表面積(BET surface)が10m/g未満であり、見掛け密度が400g/lより大きい。比較例5では、ポリアミド10.10の沈殿を記載している。120℃の沈殿温度で、見掛け密度417g/lの粒子が得られ、その粒子の99.7重量%は粒度が160μm未満である。実施例28では、ポリアミド10.10粒子を製造するための二段沈殿法が行われる。沈殿温度は、ここでも120℃である。得られた粒子の見掛け密度は440g/lであり、その粒子の99.7重量%は粒度が160μm未満である。この方法で得られたポリアミド粒子は、特に金属被覆法に有用である。
【0005】
欧州特許第1726610号は、化粧品材料として有用な微細な球状の熱可塑性樹脂粒子を記載している。熱可塑性樹脂粒子として、特にポリアミド樹脂(PA樹脂)が開示されている。明示的に記載されているのは、AA.BBタイプのポリアミドであるPA4.6、PA6.6、PA6.12、PA9.12、PA12.12、PA10.12、およびPA10.10である。熱可塑性樹脂粒子の平均粒径(particle diameter)は、好ましくは、0.01〜100μmであり、粒径のばらつきは30%未満である。
【0006】
欧州特許第1834979号明細書は、化粧料の成分として使用される樹脂粒子を記載している。樹脂粒子として、特にポリアミド樹脂(PA樹脂)が開示されている。明示的に記載されているのは、AA.BBタイプのポリアミドであるPA4.6、PA6.6、PA6.12、PA9.12、PA12.12、PA10.12、およびPA10.10である。熱可塑性樹脂粒子の平均粒径は、好ましくは、0.01〜300μmである。粒子は、樹脂粒子、沸点が100℃以上の液体材料、および水の混合物をろ過することによって得られたろ過ケークを乾燥させることによって製造される。
【0007】
米国特許出願公開第2008/024937号は、ポリアミドをベースとした超微粉の製造方法を記載している。粉末は、平均粒度(d50)0.001〜0.8μmの無機粒子の存在下で相対溶液粘度1.5〜2.0のポリアミドをアルコール溶媒と接触させることによって製造される。この方法によって得られたPA粉末は、BET比表面積が5〜100m/g未満であり、平均粒度(d50)が70μm未満であり、見掛け密度が250〜1000g/lである。実施例8では、BET比表面積15.7m/g、平均粒度(d50)21μm、見掛け密度381g/lのPA10.10粉末が製造される。このような(1種類以上の)粉末を化粧用途に使用することは記載されていない。
【0008】
油または油性成分を含有するパーソナルケア製品の問題は、このような製品を皮膚に塗布した後の、皮膚の油性感(oily feeling)である。現在のパーソナルケア製品に関する別の問題は、よりつるつるで(slipperiness)滑らかな(smoothness)感触および皮膚での伸びの改善は別として、皮脂吸収能などの複数の塗布効果を発揮する汎用性がないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、皮膚に塗布した後、当該技術分野で既知のパーソナルケア製品と比較して、油性感があまり残らないパーソナルケア製品、特にローション、クリームなどを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
意外なことに、請求項1に記載のPA10.10粉末を含む製品を皮膚に塗布した場合、使用者は皮膚の油性感を認めないか、または少なくともあまり油性感を認めないことが分かった。
【0011】
従って、本発明の1つの目的は、粒子の平均粒度d50が1〜50μm、好ましくは5〜30μmであり、見掛け密度が120〜300g/l、好ましくは150〜250g/lであることを特徴とするポリアミド10.10をベースとした粒子である。好ましい実施形態では、NH末端基/COOH末端基の比は50:50〜95:5の範囲である。
【0012】
本発明の別の目的は、本発明の粒子を0.1〜20重量%含む製剤、特に化粧品製剤、皮膚用製剤、または医薬製剤、および、好ましくは粉末組成物、ファンデーション、マニキュア、エアゾール、リップスティック、アイシャドウ、コンシーラー(masking stick)、口紅(rouge)、スキンクリーム、フェイスクリーム、ヘアケア、サンケア、クレンジング、制汗/防臭剤(AP/Deo)などから選択される化粧品製剤、皮膚用製剤、または医薬製剤を製造するための本発明の粒子の使用/使用方法である。
【0013】
本発明の別の目的は、0.5%のm−クレゾール溶液(25℃)中で測定した相対溶液粘度ηrelが1.4〜2.0の範囲であるポリアミド10.10をアルコール溶媒中、好ましくは脂肪族C〜Cアルコール中に、好ましくは加圧下、溶解させる工程、沈殿が生じることなく核生成が起こるまで第1段階で温度を低下させる工程、過飽和になるまで第2段階で更に温度を低下させる工程、前記ポリアミド粉末を沈殿させる工程、および得られた懸濁液を乾燥させる工程による本発明の粒子の製造方法であり、ここで、前記ポリアミド10.10は130〜165℃で溶解され、沈殿温度より2〜20℃高い核生成段階に続いて、100〜130℃の沈殿温度での恒温で沈殿が行われ、前記沈殿時の温度は10分間〜2時間、好ましくは20〜45分間一定に保たれ、前記核生成時の温度は30分間〜180分間、好ましくは90〜150分間一定に保たれる。好ましくは、核生成時、温度は、30〜45分間、122〜128℃の範囲に一定に保たれる。好ましくは、沈殿時、温度は、90〜120分間、117〜121℃の範囲で一定に保たれる。高いBET値を有する粒子が得られるように、比較的高い温度で沈殿速度を遅くすることが好ましい。
【0014】
本発明のPA10.10をベースとした粒子には、それらを使用して油または油性化合物を含有するパーソナルケア製品を製造する場合、これらの製品を皮膚に塗布した後、これらの製品は、油性感が残らないか、または少なくとも当該技術分野で既知のPA粉末を含む製品と比較して油性感が少ししか残らないという利点がある。
【0015】
本発明のPA10.10粒子は、完全に天然資源から、特にヒマシ油から製造することができる。従って、本発明のPA10.10粒子を再生可能資源から製造することができるため環境に優しく、従って、その製造は、ほぼCOニュートラルである。
【0016】
PA10.10は、確立されたナイロン11粉末またはナイロン12粉末を基準とすると、親水性がより高いため、皮膚における保水性により優れ、水性製剤(water continuous formulations)中に容易に分散する。同時に、より極性の高いPA612粉末またはPA610粉末を基準とすると、より吸油性に優れているため、油性または油脂性の製剤に有利である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の粒子、その使用およびその製造方法を例として後述するが、本発明はこれらの例示的実施形態に限定されるものではない。範囲、一般式、または化合物の種類を後述する場合、これらは、対応する範囲または明示的に記載される化合物の群だけでなく、個々の値(範囲)または化合物を除くことによって得ることができる部分範囲および化合物の部分群も全て包含するものとする。本明細書の文脈で文献を引用する場合、それらの内容に関してその内容全体が本発明の開示の一部を形成するものとする。他の記載がない限り、パーセント(%)で表されるデータは全て、質量パーセントである。他の記載がない限り、記載され得る平均値は全て数平均である。
【0018】
本発明のポリアミド10.10をベースとした粒子は、平均粒度d50が1〜50μm、好ましくは5〜30μmであり、見掛け密度が180〜300g/l、好ましくは200〜230g/lであり、NH末端基/COOH末端基の比が50:50〜95:5、好ましくは75:25〜90:10であることを特徴とする。
【0019】
過剰のCOOH末端基を有する粉末は、独国特許出願公開第10161038A1号に記載の緩衝系を備えてもよい。
【0020】
NH末端基/COOH末端基の比は、180℃の熱ベンジルアルコール中のKOHを用いたアルカリ滴定による既知の方法、および周囲温度のm−クレゾール中のHClOを用いた酸滴定による既知の方法で求められる。
【0021】
平均粒度d50は、好ましくは、Malvern Mastersizer 2000を用いてレーザービーム中での光散乱により測定される。測定は、乾式測定を使用して行われる。Scirocco乾燥粉末供給装置を使用して、毎回20〜40gの粉末を供給する。振動トレイを操作して粒子の流量を制御し70%の供給速度にする。分散気圧を3バールとなるように調整する。各測定と共にバックグランドの測定も行う(10秒/10,000の単一測定値)。サンプルの測定時間は5秒である(5,000の単一測定値)。屈折率ならびに青色光値を1.52となるように固定する。Mie理論を使用して評価を行う。
【0022】
DIN53644に従って見掛け密度を測定する。
【0023】
本発明の粒子は、ポリアミド10.10をベースとした粒子のpHが2〜7、好ましくは4〜7、最も好ましくは4.5〜6.5であることを特徴とすることが有利な可能性がある。粒子のpHは、本発明の粒子1gを蒸留水100mlに懸濁させた懸濁液で測定される。24時間攪拌した後、校正されたpH電極を使用してpHを測定する。
【0024】
本発明の粒子が所定のpHを有することを確実にするため、粒子が緩衝系または少なくとも緩衝系の残留物(remains)を含むことが有用な、必要な、または有利な場合がある。好ましくは、緩衝系は、有機酸、好ましくは天然有機酸、または鉱酸、好ましくは天然鉱酸、およびそれらの対応する塩を含む。
【0025】
本発明の好ましい粒子は、BET比表面積が1〜60、好ましくは1.5〜20m/g、より好ましくは3〜10m/gであることを特徴とする。このような低いBET比表面積値を有する本発明の粒子は、低い油相含有率を有する製剤に有利に使用され、良好なテクスチャおよび心地よい皮膚感触を付与する。
【0026】
本発明の他の好ましい粒子は、BET比表面積が20m/gより大きい、好ましくは25〜200m/g、より好ましくは40〜72m/gであることを特徴とする。このような高いBET比表面積値を有する本発明の粒子は、特に多量の油または油性成分を吸収することができる。従って、BET比表面積の大きい粒子を含む製品は、皮膚に塗布した後、油っぽい外観を示さない。
【0027】
BET比表面積積は、DI ISO 9277:2003-05に準拠して、DI ISO 9277:2003-05の6.3.1章による不連続容積法を使用して、Micrometrics製のガス吸着装置TriStar 3000(ソフトウェアWin 3000,V6.03)を使用し、ガスを連続的に供給して、Brunauer-Emmett-Tellerによる窒素吸収により測定される。使用する窒素は、純度99.996体積%である。測定温度(液体窒素)77Kで、幾つかの(7つの)単一点測定値を使用して、相対圧p/p約0.05〜0.20で測定を行う。純度99.996体積%のヘリウムを使用して、死空間の校正を行う。その後、減圧下にて、25℃で1時間、80℃で16時間サンプルを脱気した。記載する比表面積は、脱気サンプルに基づくものである。DI ISO 9277:2003-05、7.2章に従い、多点法により求めた。
【0028】
本発明の粒子、特にBET比表面積が20m/gより大きい粒子は、標準的な方法に従って一般的な化粧油で試験した場合、好ましくは、油を90ml/gより多く、より好ましくは100ml/gより多く吸収する能力を有する。
【0029】
この方法は、粒子の吸油能を測定するものであり、吸油能を有する全ての微孔質粒子に適用可能である。この方法では、十分混合され、空気乾燥された粒子5グラムを時計皿に載せる。滴瓶器具内の油(Evonik Goldschmidt GmbHによりTEGOSOFT(登録商標)CTの商標名で販売されているカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)の重量を正確に測定する。サンプルに油を一滴ずつ添加する。一滴添加する度に、刃の鋭い鋼製のスパチュラで擦ることにより油を粉末と十分混合する。割れたり分離したりしない非常に堅いパテ様のペーストが得られるのにちょうど十分な油が粉末と混合されたとき、試験は完了する。滴瓶の重量を正確に測定する。粒子の吸油能は、次式で算出される。
吸油(g油/サンプル)=(B−A)/W
(式中、
A=油が入った滴瓶の初期重量、
B=油が入った滴瓶の最終重量、および
W=サンプルの重量(単位:グラム))
【0030】
本発明の特に好ましい粒子は、BET比表面積が3〜10m/g、または10超〜20m/gであり、平均粒径d50が5〜30μmであることを特徴とする。
【0031】
本発明の粒子のポリアミド10.10の平均分子量は、広範囲にわたり得る。好ましくは、末端基滴定により測定したポリアミド10.10の平均数平均分子量は、5000〜50000g/molであり、好ましくは8000〜20000g/molである。GPCで測定した平均重量平均分子量は、好ましくは10000〜200000、好ましくは15000〜50000である。
【0032】
本発明の粒子が少なくとも1種類の特定の無機材料を含むことが有利な場合がある。本発明の好ましい粒子は、無機粒子の含有率が粒子の総重量を基準にして0.1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは25〜50重量%であることを特徴とする。無機粒子は、本発明の粒子の内部に存在してもよく、または本発明の粒子の表面に結合していてもよい。無機粒子の存在は、本発明の粒子のBET比表面積に顕著な影響を及ぼす可能性がある。無機粒子の含有率は、DIN EN ISO 3451、1部および4部に従って灰分/強熱残留物定量により測定されてもよい。
【0033】
本発明の粒子は、独自の特性の組み合わせを特徴とする。前述の特性の他に、それらはまた比較的狭い粒度分布も有するが、これは実施例から明らかである。粉末は、それらの傑出した特性のため、多くの用途に適している。本発明の粒子は、例えば、コーティング組成物として使用することができる。本発明の粒子を流動層焼結用粉末または静電粉末として使用することが可能である。本発明の粒子は、同様に、成形品および構成品の製造にも非常に適している。
【0034】
本発明の粒子は、好ましくは、製剤、特に、化粧品製剤、皮膚用製剤または医薬製剤、好ましくは、粉末組成物、ファンデーション、マニキュア、エアゾール、リップスティック、アイシャドウ、コンシーラー、口紅、スキンクリーム、フェイスクリーム、ヘアケア、サンケア、クレンジング、AP/Deo等から選択される製剤の製造に(または製造するための方法において)使用することができる。
【0035】
製剤、特に、化粧品製剤、皮膚用製剤または医薬製剤の調製は、技術分野で知られているように行うことができる。好ましくは、化粧品は、製剤の全組成物を基準にして0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%添加することによって製造される。
【0036】
本発明の製剤、特に、化粧品製剤、皮膚用製剤または医薬製剤は、本発明の粒子を0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%含有することを特徴とする。好ましい化粧品製剤、皮膚用製剤または医薬製剤は、粉末組成物、ファンデーション、マニキュア、エアゾール、リップスティック、アイシャドウ、コンシーラー、口紅、スキンクリーム、フェイスクリーム、ヘアケア製剤、サンケア制剤、クレンジング製剤、AP/Deo製剤から選択される。
【0037】
本発明の製剤、特に、本発明の化粧品製剤、皮膚用製剤または医薬製剤は、例えば、以下の群から選択される追加成分の少なくとも1つを含むことができる:
エモリエント剤、
乳化剤および界面活性剤、
増粘剤/粘度調整剤/安定剤、
UV光防護遮蔽剤(UV photoprotective filter)、
UV光防護粒子材料、
酸化防止剤、
ハイドロトロープ剤
ポリオール、
固体およびフィラー、
皮膜形成剤、
真珠光沢剤、
防臭および制汗有効成分、
昆虫忌避剤、
セルフタンニング剤、
皮膚色素沈着感化剤、
防腐剤、
コンディショニング剤、
香料、
染料、
化粧有効成分、
ケア成分(care additive)、
化粧用粒子(例えば、エラストマー、PMMA、ポリアミド、ワックス、デンプンなど)
過脂肪剤、溶媒。
【0038】
個々の群の代表例として使用してもよい物質は、独国特許出願第102008001788.4号に見ることができる。当該特許出願を本明細書に参考として組み込み、したがって本開示内容の一部を構成するものとする。
【0039】
使用できるエモリエント剤は、全ての化粧用油、特に、炭素数2〜44の直鎖および/または分岐鎖モノ−および/またはジカルボン酸と、炭素数1〜22の直鎖および/または分岐鎖飽和または不飽和アルコールとのモノエステルまたはジエステルである。同様に、炭素数2〜36の脂肪族二官能性アルコールと、炭素数1〜22の単官能性脂肪族カルボン酸とのエステル化生成物を使用することもできる。また、例えば、安息香酸のエステル(例えば、炭素数1〜22の直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和アルコールの安息香酸エステル、または、他に安息香酸イソステアリルまたは安息香酸オクチルドデシルまたは例えばC12〜15アルキルベンゾエートまたは直鎖若しくは分岐鎖C〜C22アルコールと安息香酸のエステル)などの長鎖アリール酸エステルも適している。エモリエント剤および油性成分として適しているさらなるモノエステルは、例えば、炭素数12〜22の脂肪酸のメチルエステルおよびイソプロピルエステル、例えば、ラウリン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピルなどである。他の好適なモノエステルは、例えば、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、パルミチン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、および工業用グレードの脂肪族アルコール留分と工業用グレードの脂肪族カルボン酸混合物から得られるエステル、例えば、動物性および植物性脂肪から得られるような炭素数12〜22の不飽和脂肪アルコールと炭素数12〜22の飽和および不飽和脂肪酸とのエステルである。また、例えば、ホホバ油中にまたはマッコウ鯨油中に存在するような、天然のモノエステルおよび/またはワックスエステル混合物も適している。好適なジカルボン酸エステルは、例えば、アジピン酸ジ−n−ブチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、コハク酸ジ(2−ヘキシルデシル)、アゼライン酸ジイソトリデシルである。好適なジオールエステルは、例えば、エチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ(2−エチルヘキサノエート)、ブタンジオールジイソステアレート、ブタンジオールジカプリレート/カプレート、およびネオペンチルグリコールジカプリレートである。使用できるさらなるエモリエント剤は、例えば炭酸ジカプリリルまたは炭酸ジエチルへキシルのような炭酸塩である。同様に使用できるエモリエント剤および油性成分は、比較的長鎖のトリグリセリド、即ち、グリセロールと3つの酸分子(そのうち少なくとも1つは比較的長鎖である)とのトリエステルである。ここで、例として、脂肪酸トリグリセリドが挙げられ;このようなものとして、例えば、天然の植物油、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、菜種油、アーモンド油、ゴマ油、アボカド油、ひまし油、カカオ脂、パーム油、また、ヤシ油のまたはパーム核油の液体留分、また、動物性油(例えば、さめ肝油、タラ肝油、鯨油、牛脂、およびバター脂肪など)を使用することができる。さらに、蝋(蜜蝋、カルナウバパーム蝋、鯨蝋、ラノリン、および爪油(claw oil)など)、牛脂の液体留分、また、カプリル酸/カプリン酸混合物の合成トリグリセリド、工業用グレードのオレイン酸のトリグリセリド、イソステアリン酸とのトリグリセリド、または、パルミチン酸/オレイン酸混合物からのトリグリセリドを、エモリエント剤および油性成分として使用することができる。更に、炭化水素、特に、液体パラフィンおよびイソパラフィンも使用することができる。使用できる炭化水素の例は、パラフィン油、イソヘキサデカン、ポリデセン、ワセリン、流動パラフィン(Paraffinum perliquidum)、スクアラン、セレシンである。更に、直鎖または分岐鎖脂肪アルコール(オレイルアルコールまたはオクチルドデカノールなど)、また、脂肪アルコールエーテル(ジカプリリルエーテルなど)を使用することもできる。好適なシリコーン油およびシリコーンワックスは、例えば、ポリジメチルシロキサン、シクロメチルシロキサン、また、アリール置換またはアルキル置換またはアルコキシ置換のポリメチルシロキサンまたはシクロメチルシロキサンである。他の好適な油体は、例えば、炭素数6〜18、好ましくは8〜10の脂肪アルコールをベースにしたゲルベアルコール、直鎖C〜C22脂肪酸と直鎖C〜C22脂肪アルコールとのエステル、分岐鎖C〜C13カルボン酸と直鎖C〜C22脂肪アルコールとのエステル、直鎖C〜C22脂肪酸と分岐鎖C〜C18アルコール(特に2−エチルヘキサノールまたはイソノナノール)とのエステル、分岐鎖C〜C13カルボン酸と分岐鎖アルコール(特に2−エチルヘキサノールまたはイソノナノール)とのエステル、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオール、トリマートリオールなど)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C〜C10脂肪酸をベースにしたトリグリセリド、C〜C18脂肪酸をベースにした液体モノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、C〜C22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(特に安息香酸)とのエステル、植物油、分岐鎖第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖C〜C22脂肪アルコールカーボネート、ゲルベカーボネート、ジアルキルエーテル、ポリオールを用いたエポキシ化脂肪酸エステルの開環生成物である。
【0040】
使用できる紫外線防御剤は、例えば、紫外線を吸収することができ、吸収したエネルギーを再びより長波長の放射線、例えば、熱の形態で放出する有機物質である。UVB防御剤は、油溶性であってもまたは水溶性であってもよい。油溶性UVB防御剤の例は:
3−ベンジリデンカンファーおよびその誘導体、例えば、3−(4−メチル−ベンジリデン)カンファー、
4−アミノ安息香酸誘導体、例えば、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、および4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルなど、
ケイ皮酸のエステル、例えば、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸イソペンチル、2−シアノ−3−フェニルケイ皮酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン)など、
サリチル酸のエステル、例えば、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸4−イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチルなど、
ベンゾフェノンの誘導体、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど、
ベンザルマロン酸のエステル、例えば、4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルへキシルなど、
トリアジン誘導体、例えば、2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジンおよびオクチルトリアゾンなど、
プロパン−1,3−ジオン、例えば、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンなどである。
【0041】
好適な水溶性UVB防御剤は:
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、並びにそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカンモニウム(glucammonium)塩、
ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩など、
3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば、4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸並びにこれらの塩などである。
【0042】
好適な典型的なUVA防御剤は、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば、1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、または1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオンなどである。もちろん、UV−A防御剤とUV−B防御剤を混合して使用することもできる。
【0043】
明記された可溶性物質の他に、不溶性顔料、即ち、微分散金属酸化物または塩(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウム、およびステアリン酸亜鉛など)もこの目的に適している。ここで、粒子の平均直径は、100nm未満、例えば、5〜50nm、特に15〜30nmでなければならない。それらは、球状の形状を有してもよいが、楕円体の形状または球状の形状から何らかの点で逸脱した形状を有する粒子を使用することもできる。比較的新しい種類の紫外線防御剤は、微粉化有機顔料、例えば、50%の濃度の水性分散体として得られうる、例えば、<200nmの粒子サイズを有する2,2’−メチレンビス{6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール}などである。
【0044】
他の好適な紫外線防御剤は、SOFW-Journal 122, 543(1996)のP.Finkelによる概要に見出すことができる。
【0045】
前述の2つの主要な紫外線防御剤群の他に、紫外線が皮膚に侵入したときに起こる光化学連鎖反応を妨害する酸化防止剤タイプの副次的光防御剤を使用することもできる。使用できる酸化防止剤は、例えば、スーパーオキシドジスムターゼ、トコフェロール(ビタミンE)、ジブチルヒドロキシトルエンおよびアスコルビン酸(ビタミンC)である。
【0046】
好ましい一態様において、本発明の化粧品製剤、皮膚用製剤または医薬製剤は、追加の成分として、好ましくは、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩(タルク)、およびステアリン酸亜鉛、ナイロン−12、窒化ホウ素、ポリアクリレートまたはポリメチルアクリレート、またはシリコーンエラストマーの群から選択される粒子または顔料を含有する。
【0047】
同様に好ましい一態様において、本発明の化粧品製剤、皮膚用製剤または医薬製剤は、追加の成分として、好ましくは、フィトスフィンゴシン(およびフィトスフィンゴシン誘導体)、スフィンゴシン(およびスフィンゴシン誘導体)、スフィンゴ脂質、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、ポリフェノール、デオキシリボ核酸、コエンザイムQ10、レチノール、AHA酸、アミノ酸、ヒアルロン酸、α−ヒドロキシ酸、フラボン、イソフラボン、スチルベン、カテキン、ポリグルタミン酸、クレアチン(およびクレアチン誘導体)、グアニジン(およびグアニジン誘導体)、疑似セラミド、精油および脂肪酸、ペプチド(好ましくは2〜10個のアミノ酸を含むペプチド)、オリゴペプチド、タンパク質加水分解物、植物抽出物、ビサボロール、アラントイン、パンテノール、フィタントリオール、イデベノン、カンゾウ抽出物、植物抽出物、グリチルリチンおよびイデベノン、スクレログルカン、β−グルカン、サンタルビン酸およびビタミン複合体の群から選択される化粧用活性物質または生理活性物質を含有する。
【0048】
植物抽出物の例は、マロニエ抽出物、カミツレ抽出物、ローズマリー抽出物、クロフサスグリおよびアカフサスグリ抽出物、樺抽出物、ローズヒップ抽出物、カンゾウ抽出物、海藻抽出物、緑茶抽出物、アロエ抽出物、生姜抽出物、チョウセンニンジン抽出物、イチョウ抽出物、グレープフルーツ抽出物、キンセンカ抽出物、カンファー、クルクマ抽出物、タイム抽出物、マンゴスチン抽出物、アムラ抽出物、シスタス(cystus)抽出物、ターミナリア・アルジュナ(terminalia arjuna)抽出物、オート麦抽出物、オレガノ抽出物、ラズベリー抽出物、ストロベリー抽出物などである。
【0049】
生理活性成分としては、いわゆるバリア脂質も挙げられ、その例としては、セラミド、フィトスフィンゴシンおよび誘導体、スフィンゴシンおよび誘導体、スフィンガニンおよび誘導体、疑似セラミド、リン脂質、リゾリン脂質、コレステロールおよび誘導体、コレステリルエステル、遊離脂肪酸、ラノリンおよび誘導体、スクアラン、スクアレンおよび関連物質がある。
【0050】
本発明の文脈では、生理活性成分としては、また、抗アクネ成分(例えば、過酸化ベンジル、フィトスフィンゴシンおよび誘導体、ヒドロキシ安息香酸ナイアシンアミド、ニコチンアルデヒド、レチノール酸および誘導体、サリチル酸および誘導体、シトロネル酸など)、および、抗セルライト成分(例えば、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、およびアミノフィリンなどのキサンチン化合物、カルニチン、カルノシン、サリチロイルフィトスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、サンタルビン酸など)、並びにフケ防止剤(例えば、サリチル酸および誘導体、ジンクピリチオン、硫化セレン、イオウ、シクロピロクスオラミン、ビフォナゾール、クリンバゾール、オクトピロックスおよびアクチロックスなど)、並びに、収斂剤(例えば、アルコール、アルミニウム誘導体、没食子酸、サリチル酸ピリドキシン、亜鉛塩、例えば、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛など、クロルヒドロキシジルコニウムなど)も挙げられる。こうじ酸、アルブチン、ビタミンCおよび誘導体、ハイドロキノン、ターメリック油、クレアチニン、スフィンゴ脂質、オキシレスベラトロル、ナイアシンアミドなどの漂白剤も同様に、生理活性成分に挙げられる。
【0051】
本発明の皮膚用製剤または医薬製剤は、制汗剤またはデオドラント用途のための活性成分、例えば、制汗剤、エステラーゼ阻害剤、殺菌剤または静菌剤、汗吸収剤および/または香料を、単独で、または上述の活性成分の1以上と組み合わせて含んでもよい。これらの活性成分の例は、例えば米国特許出願2003053970号にある。
【0052】
本発明のPA10.10粒子は、他の化粧用粒子材料、例えば、PMMA、PS、PE、PP、タルカム、シリコーンエラストマー、シリカ、マイカ及び窒化ホウ素等と組み合わせて、化粧品製剤中で用いることができる。これらの粒子は軟質又は硬質であることができ、無孔〜多孔質構造であることができる。典型的なシリコーンエラストマー粒子またはゲルの例は、ダウ・コーニング9040シリコーンエラストマーブレンド及びダウ・コーニング9041シリコーンエラストマーブレンド(ダウ・コーニング)またはKSG−15若しくはKSG−18(シンエツ)である。
【0053】
本発明の粒子は、ポリアミド10.10がその方法において用いられている限り、技術分野で公知の方法によって得ることができる。本発明の粒子は、特に、米国特許出願2003/0114636、米国特許出願2008/024937、ドイツ特許出願44 21 454および/または欧州特許出願0 863 174に記載されるのと同様に製造し得る。
【0054】
本発明の粒子は、好ましくは本発明の方法によって製造される。本発明の粒子の製造方法は、0.5%のm−クレゾール溶液(25℃)中で測定した相対溶液粘度ηrelが1.4〜2.0、好ましくは1.45〜1.8、より好ましくは1.5〜1.6の範囲であるポリアミド10.10を、アルコール溶媒中、好ましくは脂肪族C〜Cアルコール中に、好ましくは加圧下、溶解させる工程、沈殿が生じることなく核生成が起こるまで第1段階で温度を低下させる工程、過飽和になるまで第2段階で更に温度を低下させる工程、前記ポリアミド粉末を沈殿させる工程、および得られた懸濁液を乾燥させる工程を特徴とし、ここで、前記ポリアミド10.10は130〜165℃で溶解され、沈殿温度より2〜20℃高い核生成段階に続いて、100〜130℃の沈殿温度での恒温で沈殿が行われるが、前記核生成時の温度は10分間〜2時間、好ましくは20〜45分間一定に保たれるか、または、前記核生成時の温度は90分間〜150分間一定に保たれる。比較的高いBET値を有する粒子が得られるように、比較的高い温度で比較的ゆっくりと沈殿させることが好ましい。
【0055】
本発明の好ましい実施形態では、溶解工程で、使用するポリアミド10.10と無機粒子との合計の総重量を基準にして0.1〜40重量%、好ましくは12〜25重量%、より好ましくは14〜17重量%の無機粒子をアルコール溶媒に添加する。
【0056】
無機粒子として使用可能な化合物の性質は、広範囲にわたる可能性がある。好ましい無機粒子は、Al、TiO、ZrO、SiO、ZnO、Bi,CeO、ITO(酸化スズ(IV)をドープした酸化インジウム)、ATO(酸化アンチモンをドープした酸化スズ(IV))、IZO(酸化亜鉛をドープした酸化インジウム)、窒化ホウ素、炭化ホウ素、混合酸化物およびスピネルからなる群から選択される。酸化アルミニウム(Al)の使用が特に好ましい。
【0057】
これに関して、酸化アルミニウムは好ましくは熱分解法(pyrogenic)で生成したものであってもよい。熱分解法とは、好適な出発物質を火炎中で反応させることによって対応する酸化アルミニウム粉末を得ることを意味する。熱分解法は、火炎酸化および火炎加水分解を含む。酸化アルミニウムの工業規模の製造に使用される特定の方法は、水素/酸素炎中での塩化アルミニウムの火炎加水分解である。一般に、このようにして製造された酸化アルミニウム粉末は凝集した一次粒子の形態で存在し、一次粒子は細孔を含まず、表面に水酸基を有する。塩化アルミニウムを反応させて酸化アルミニウムを得る際に、副生成物として塩酸が生成し、これは酸化アルミニウム粒子に付着する。一般に、塩酸の大部分は、水蒸気で処理することによって粒子から除去される。
【0058】
本発明の方法に特に適している酸化アルミニウム粉末には、AEROXIDE(登録商標) Alu C、AEROXIDE(登録商標) Alu 65、AEROXIDE(登録商標) Alu 130(全てDegussa AG製)、SpectrAl(商標)100 Fumed Alumina、SpectrAl(商標)51 Fumed Alumina、SpectrAl(商標)81 Fumed Alumina(全てCabot Corp製)が含まれる。
【0059】
本発明の方法に使用される無機材料は、好ましくは、平均粒度d50が0.001〜0.8μm、好ましくは0.005〜0.5μm、最も好ましくは0.01〜0.3である。表記される粒度は、粒子の懸濁液中での静的または動的光散乱による既知の測定方法で測定することができる。光散乱法によって得られる値は、懸濁液中の分離した粒子またはさもなければ一次粒子の凝集体であってもよい。懸濁液中に実際に存在する粒子が、一次粒子であれまたは凝集体であれ、表記した範囲内のd50値を有することが本発明には重要である。粒度は、例えば、Zetasizer 3000 Hsa(Malvern Instruments,UK)で測定することができる。粒度がd50値0.8μmより大きいとき、本方法によって得られる粒子は、場合によっては大き過ぎることがある。
【0060】
5〜200m/gの範囲の比表面積を有する無機粒子を使用することが有利な場合がある。
【0061】
無機粒子は、好ましくは、アルコールと無機粒子とを含む懸濁液を添加することによって溶媒に添加されるが、好ましくは、無機粒子の含有率が、懸濁液の総重量を基準にして10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%の範囲である懸濁液が使用される。
【0062】
本発明に使用可能な懸濁液は、アルコールで作製される。これは、純粋なアルコールであっても、複数のアルコールの混合物であっても、またはさもなければ水もしくは本質的にポリアミドの望ましい再沈殿に悪影響を及ぼさない他の物質を含有するアルコールであってもよい。懸濁液のアルコール溶媒は、好ましくは、非アルコール物質(好ましくは水)を50重量%未満、より好ましくは外来の非アルコール物質を10重量%未満、特に適切には1重量%未満含有する。本発明に有用な物質は、一般に、所望の条件(圧力および温度)下でポリアミドの再沈殿を可能にするあらゆる種類のアルコールまたはそれらの混合物である。個々のケースにおいて、当業者が特定の要件に合うように比較的簡単に系を調整することが可能である。本発明の方法では、ポリアミドの再沈殿および/または無機粒子の懸濁に使用されるアルコール溶媒は、好ましくは、酸素原子対炭素原子の数の比が1:1〜1:5の範囲である1種類以上のアルコールである。
【0063】
無機粒子の懸濁液を製造するための典型的なアルコールは、酸素対炭素の比が1:1、1:2、1:3、1:4および1:5のもの、好ましくは酸素対炭素の比が1:2および1:3のもの、より好ましくは酸素対炭素の比が1:2のものである。この懸濁液の作製に使用されるアルコールは、好ましくは、アルコール溶媒中に存在するアルコールと同じアルコールである。特に非常に適切には、エタノールが無機粒子の懸濁液の製造およびポリアミドの再沈殿に使用される。
【0064】
懸濁液を得るために、粒子はアルコール溶媒中に微細分散される。これは、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。高エネルギー入力を可能にする方法が特に好ましい。このような方法は、例えば、独国特許第10360766号または独国特許第102005032427.4号に記載されている。好ましい実施形態では、本発明の方法は、1000kJ/mより大きいエネルギー入力を投入して無機粒子をアルコール中に懸濁させることによって得ることができる懸濁液を使用することを特徴とする。これによって、一般に、非常に有用な、粒子のアルコール懸濁液が得られる。既知の装置で前述のエネルギー入力を達成することができる。遊星(planetary)混練機、ロータ−ステータ型の装置、攪拌ボールミル、およびロールミル等の装置が好適な可能性がある。
【0065】
特に好適な方法は、まず、1000kJ/m未満のエネルギー入力により懸濁を行って予備懸濁液(presuspension)を作製し、この予備懸濁液を少なくとも2つの部分流に分割し、高エネルギーミル内でこれらの部分流に少なくとも500バールの圧力を加え、ノズルで噴射して減圧し、気体または液体で充填された反応室内で互いに接触させ、場合により高エネルギー粉砕を1回以上繰り返す方法であることが分かった。
【0066】
本発明の方法に含まれる無機粒子のアルコール懸濁液は、安定性が高くなければならない。本発明の文脈中で、特に安定であるとは、沈降および再凝集に対する懸濁液の安定性が1ヶ月、一般には少なくとも6ヶ月であることを意味する。
【0067】
特に安定な懸濁液を得るためには、アルコール溶媒中に無機粒子を分散させるとき、懸濁液を安定化させることができる添加剤が存在することが特に有利であることも分かった。
【0068】
このような添加剤は、例えば、リン酸およびその一塩基または二塩基リン酸塩、リン酸エステル、ホスホン酸、有機変性ホスホン酸、硫酸およびそれらの誘導体、硝酸、一般に有機鉱酸である。更に、また、酸性プロトンを有する有機化合物、例えば、カルボン酸またはフェノールを使用することも可能である。塩基性有機化合物、例えば、アミンをベースとするものも適している。
【0069】
1,10−デカンジアミンとデカン二酸の既知の溶融重縮合法により、またはナイロン塩溶液もしくはナイロン塩溶融物から、本発明に使用可能なポリアミド10.10(PA 10.10)を得てもよい。酸ならびにジアミンは、当該技術分野で既知の方法によりヒマシ油から製造されてもよい。調整された(regulated)ポリアミド10.10、NH末端基/COOH末端基の比が好ましくは50:50〜95:5、好ましくは90:10〜80:20であるものを使用することが好ましい。
【0070】
既知のあらゆる方法で再沈殿用のポリアミドの溶液を製造することができる。無機粒子の懸濁液の存在下でポリアミドをアルコール溶媒に実質的に完全に溶解させることが有利である。溶解は、圧力および/または温度を使用することによって促進することができる。最初にアルコール溶媒中にポリアミドを投入し、高温の作用下で必要な時間にわたってそれを溶解させる方法が適切である。ポリアミドの溶解前、溶解中、または溶解後に、無機粒子の懸濁液を添加することができる。適切には、無機粒子の懸濁液はポリアミドと同時に最初に投入される。溶解操作は、好ましくは、適切な攪拌装置を使用することによって促進される。ポリアミドの沈殿も同様に圧力および/または温度の使用により補助することができる。例えば、温度の低下および/または溶媒、即ち、アルコール溶媒の留去(好ましくは減圧下での)により、ポリアミドの沈殿が起こる。しかし、貧溶媒(沈殿剤)の添加により沈殿を補助することも可能である。
【0071】
再沈殿によって得られたポリアミド10.10をベースとした粒子を後粉砕して、平均粒度d50を調整することが有利な可能性がある。当該技術分野で既知の方法により後粉砕を行うことができる。
【0072】
実施例と比較例を参照して、本発明を以下で詳細に説明する。
【実施例】
【0073】
実施例1:懸濁液の製造
最初に、100lのステンレス鋼製バッチ容器にエタノール44kgとHPO(85%)1.00kgを投入する。その後、Ystral Conti-TDS 3(ステータスロット:4mmの環と1mmの環、ロータ/ステータ間隔約1mm)を剪断条件で運転し、バッチ容器にDegussa製のAEROXIDE(登録商標)Alu C(BET 100m/g)を21kg導入する。AEROXIDE(登録商標)Alu Cを約18kg添加した後、HPO(85%)を更に0.13kgを添加して、再び低粘度になるようにする。添加が終了した後、3000rpmで更に30分間剪断を継続する。剪断時間25分で、HPO(85%)を更に1.2kg添加し、Alを基準としてHPO(85%)の濃度が11%となるようにする。
【0074】
この予備懸濁液を、2500バールの圧力および直径0.25mmのダイヤモンドノズルのスギノアルティマイザー(Sugino Ultimaizer) HJP-25050高エネルギーミルの2つの流路に導き、それによって更によく粉砕する。
【0075】
懸濁後、動的光散乱(Malvern Instruments(UK)製のZetasizer 3000 Hsa)によって、粒度d500.14μmが測定された。ピーク分析の体積加重中央値を報告する。
【0076】
実施例2a:アミン末端PA10.10の2段階再沈殿
1,10−デカンジアミンおよびセバシン酸(デカン二酸)の重縮合によって得られた50kgのPA10.10(1.65の相対溶液粘度(0.5%m−クレゾール溶液中、25℃でDIN 53 727で測定)を有し、末端基含量が14mmol/kgのCOOHおよび149mmol/kgのNH)を、0.8mの攪拌タンク中で310Lのエタノール(2−ブタノン変性、水含量1重量%)とともに、5時間かけて155℃にし、この温度で1時間攪拌しながら放置した(パドル攪拌機、d=80cm、速度=90rpm)。続いて、ジャケット温度を124℃まで下げ、エタノールを連続的に蒸留させながら、同攪拌速度で25K/hの冷却率で内部温度を125℃にした。この後ずっと、同じ冷却率で、ジャケット温度を内部温度より2K〜3K低く保持した。同じ冷却率で内部温度を125℃にし、60分間一定に保持した。その後、冷却率40K/hで蒸留除去を継続し、内部温度はこれにより120℃になった。この温度で沈殿が始まり、熱の発生により確認された。内部温度が121.3℃を超えない程度まで、蒸留率を増加した。1時間後、内部温度が低下し、沈殿の終了が示唆された。さらなる蒸留除去およびジャケットを介した冷却により、懸濁液の温度は45℃になり、次いで懸濁液をパドル乾燥器に移した。
【0077】
エタノールを70℃/400mbarで蒸留除去し、残渣を20mbar/86℃で3時間乾燥させた。
【0078】
実施例2b:部分的アミン末端PA10.10の2段階再沈殿
1.68の相対溶液粘度を有し、末端基含量が63mmol/kgのCOOHおよび84mmol/kgのNHのPA1010顆粒を用いて実施例2aを繰り返した。生成物の特性を表1に示す。
【0079】
実施例2c(本発明によらない):部分的アミン末端PA10.10の2段階再沈殿
1.58の相対溶液粘度を有し、末端基含量が43mmol/kgのCOOHおよび104mmol/kgのNHのPA1010顆粒を用いて実施例2aを繰り返した。沈殿温度は2Kずつ118℃まで低下させた。生成物の特性を表1に示す。
【0080】
実施例3:実施例1の懸濁液を添加した、非調整PA1010(1.69の相対溶液粘度ならびに末端基含量が53mmol/kgのCOOHおよび57mmol/kgのNH)の1段階再沈殿
1,10−デカンジアミンおよびセバシン酸の重縮合によって得られた50kgのPA1010試料(1.84の相対溶液粘度を有し、末端基含量が62mmol/kgのCOOHおよび55mmol/kgのNH)を、0.8mの攪拌タンク中で290Lのエタノール(2−ブタノン変性および水含量1重量%)および17.4kgの実施例1の懸濁液とともに、5時間かけて145℃にし、この温度で1時間攪拌しながら放置した(パドル攪拌機、d=80cm、速度=90rpm)。続いて、ジャケット温度を124℃まで下げ、エタノールを連続的に蒸留させながら、同攪拌速度で25K/hの冷却率で内部温度を125℃にした。この後ずっと、120℃で沈殿の開始が熱の発生により確認されるまで、同じ冷却率で、ジャケット温度を内部温度より2K〜3K低く保持した。内部温度が121.5℃を超えない程度まで、蒸留率を増加した。20分後、内部温度が低下し、沈殿の終了が示唆された。さらなる蒸留除去およびジャケットを介した冷却により、懸濁液の温度は45℃になり、次いで懸濁液をパドル乾燥器に移した。エタノールを70℃/500mbarで蒸留除去し、残渣を20mbar/86℃で3時間乾燥させた。
【0081】
実施例2および3で得られた粒子の粒子パラメータならびにエボニク・ゴールドシュミットGmbHから入手可能なTEGOLON(登録商標)12−10のパラメータを、表1に示す。パラメータは、明細書中に開示の測定方法を用いて得られた。
【0082】
実施例3a−3d
実施例2a、2b、2cおよび3で得られた粉末をジェットミル型のホソカワアルピネ(Hosokawa-Alpine)1250/6 AFGで後粉砕し、スクリーンを通る微粒子画分を収集した(表1参照)。
【0083】
【表1】

【0084】
実施例4:本発明の粒子/製剤と本発明のものではない粒子/製剤との比較
本発明の例証として、1つは実施例2aの粒子を使用し、2番目のものは粒子3aを使用し、3番目のものは実質的に類似の配合を有するがTegolon(登録商標)12-10粒子を含み、最後に対照配合物はポリアミド粒子を全く含まない、スキンケア組成物を製造した。
【0085】
フェイスクリームを製造するために、表2に記載の成分を次の順番で添加した:水溶性成分(相A)と油溶性成分(相B)を別々に攪拌下に約85℃の温度に加熱した。両方とも相の温度が約85℃に達したとき、各相の成分を十分混合し、溶解させる。次いで、相Aを油相Bに攪拌しながらゆっくりと添加し、続いて均質化する。次いで、混合物を穏やかに攪拌しながら約40℃未満に冷却した後、水酸化ナトリウム溶液、保存料および残部の水を添加する。完全に混合し、更に室温に冷却した後、組成物は塗布の準備が整っている。
【0086】
4つの製剤の油性感、粘着性、吸収、滑らかさ、および皮膚に塗布したときのテカリ防止(mattifying)効果を評価した。PA 10.10粒子2aを含んだ被験組成物は、PA 10.10マイクロ粒子を有していない類似の組成物またはTegolon 12-10を含む組成物と比較して、油性感、粘着性が著しく低く、明らかなテカリ防止効果があり、塗布時の皮膚感触が全体的に良好であった。
実施例3aによるPA 10.10を有する製剤も非粘着性で、油っぽくない皮膚感触を示した。更に、この試験配合物は特に滑らかであると表され、そのテクスチャは非常に上質であると評価された。
【0087】
【表2】


【0088】
実施例5:本発明の粒子/製剤と本発明のものではない粒子/製剤との比較
この実施例では、表3に記載の組成物を用いて実施例4の実施例を繰り返した。
【0089】
【表3】

【0090】
4つの製剤の油性感、粘着性、および皮膚に塗布したときのテカリ防止効果を評価した。PA 10.10粒子を含む被験組成物は、PA 10.10マイクロ粒子を有していない類似の組成物またはTegolon 12-10を含む組成物と比較して、油性感、粘着性が著しく低く、明らかなテカリ防止効果があり、塗布時の皮膚感触が全体的に良好であった。
特に実施例3dを有する製剤は、特に低い油性感、低い粘着性、および皮膚への迅速な吸収を示した。更に、この試験配合物の皮膚感触は特に滑らかであると評価された。
【0091】
実施例6〜18
以下の実施例6〜18は、PA 10.10粒子を使用することができる化粧品製剤の非限定例である。実施例4に記載の方法と類似の方法で製剤を製造した。
【0092】
実施例6:マット仕上げを有する水中油型クリーム
クリームの組成を表4に記載する。
【0093】
【表4】

【0094】
実施例7:シートマスク含浸液
シートマスク含浸液の組成を下記の表5に記載する。
【0095】
【表5】

【0096】
実施例8:ツーウェイパウダーファンデーション
ツーウェイパウダーファンデーションの組成を下記の表6に記載する。
【0097】
【表6】

【0098】
実施例9:ベルベット仕上げを有するクリーム状高固形分クリーム・トゥ・パウダー(cream to powder)ファンデーション
高固形分クリーム・トゥ・パウダーファンデーションの組成を下記の表7に記載する。
【0099】
【表7】

【0100】
実施例10:揮発性シリコーンクリームアイシャドウスティック
揮発性シリコーンクリームアイシャドウスティックの組成を下記の表8に記載する。
【0101】
【表8】

【0102】
実施例11:コンパクトクリーム口紅
コンパクトクリーム口紅の組成を下記の表9に記載する。
【0103】
【表9】

【0104】
実施例12:サンケアクリーム
サンケアクリームの組成を下記の表10に記載する。
【0105】
【表10】

【0106】
実施例13:サンケアローション
サンケアローションの組成を下記の表11に記載する。
【0107】
【表11】

【0108】
実施例14:制汗/防臭ロールオン
制汗/防臭ロールオンの組成を下記の表12に記載する。
【0109】
【表12】

【0110】
実施例15:毛髪補修リーブイン(leave-in)コンディショナー
毛髪補修リーブインコンディショナーの組成を下記の表13に記載する。
【0111】
【表13】

【0112】
実施例16:ツーインワン(2 in 1)シャンプー
ツーインワンシャンプーの組成を下記の表14に記載する。
【0113】
【表14】

【0114】
実施例17:リンスオフ(rinse-off)コンディショナー
リンスオフコンディショナーの組成を下記の表15に記載する。
【0115】
【表15】

【0116】
実施例18:コンディショニングリンス
コンディショニングリンスの組成を下記の表16に記載する。
【0117】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子の平均粒度d50が1〜50μmであり、見掛け密度が180〜300g/lであり、NH末端基/COOH末端基の比が50:50〜95:5であることを特徴とする、ポリアミド10.10をベースとした粒子。
【請求項2】
前記ポリアミド10.10のpHが2〜7であることを特徴とする、請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
前記粒子が緩衝系または少なくとも緩衝系の残留物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の粒子。
【請求項4】
前記緩衝系が、有機酸または鉱酸、およびそれらの対応する塩を含むことを特徴とする、請求項3に記載の粒子。
【請求項5】
前記粒子のBET比表面積が1〜20m/gであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項6】
前記粒子のBET比表面積が20超〜50m/gであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項7】
前記ポリアミド10.10の平均数平均分子量が、5000〜50000g/molであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項8】
無機粒子の含有率が、前記粒子の総重量を基準にして0.1〜80重量%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子を0.1〜20重量%含む製剤、特に化粧品製剤、皮膚用製剤、または医薬製剤。
【請求項10】
前記組成物が、粉末組成物、ファンデーション、マニキュア、エアゾール、リップスティック、アイシャドウ、コンシーラー、口紅、スキンクリーム、フェイスクリーム、ヘアケア製剤、サンケア製剤、クレンジング製剤、および制汗/防臭製剤から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
好ましくは粉末組成物、ファンデーション、マニキュア、エアゾール、リップスティック、アイシャドウ、コンシーラー、口紅、スキンクリームおよびフェイスクリーム、ヘアケア製剤、サンケア製剤、クレンジング製剤、および制汗/防臭製剤から選択される、化粧品製剤、皮膚用製剤、または医薬製剤を製造するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子の使用。
【請求項12】
0.5%のm−クレゾール溶液(25℃)中で測定した相対溶液粘度ηrelが1.4〜2.0の範囲であるポリアミド10.10をアルコール溶媒中に溶解させる工程、沈殿が生じることなく核生成が起こるまで第1段階で温度を低下させる工程、過飽和になるまで第2段階で更に温度を低下させる工程、前記ポリアミド粉末を沈殿させる工程、および得られた懸濁液を乾燥させる工程による、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子の製造方法であって、前記ポリアミド10.10は130〜165℃で溶解され、沈殿温度より2〜20℃高い核生成段階に続いて、100〜130℃の沈殿温度で恒温で沈殿が行われ、ここで、前記沈殿時の温度は10分間〜2時間一定に保たれ、前記核生成時の温度は30分間〜90分間一定に保たれる方法。
【請求項13】
前記溶解させる工程において、使用するポリアミド10.10と無機粒子の合計の総重量を基準にして0.1〜80重量%の無機粒子を前記アルコール溶媒に添加することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
平均粒度d50が0.001〜0.8μmの、Al、TiO、ZrO、SiO、ZnO、Bi、CeO、ITO、ATO、IZO、窒化ホウ素、炭化ホウ素、混合酸化物およびスピネルの群から選択される無機粒子を使用することを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記無機粒子が、アルコールと前記無機粒子とを含む懸濁液を添加することにより前記溶媒に添加され、ここで、無機粒子の含有率が前記懸濁液の総重量を基準にして10〜60重量%の範囲である懸濁液を使用することを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。

【公開番号】特開2011−219756(P2011−219756A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−84226(P2011−84226)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】