説明

ポリアミド11をベースにした静菌織物

【課題】熱可塑性ポリマーで作られた合成繊維を含む静菌織物材料、織物、繊維、フィラメントを提供する。
【解決手段】固有粘度が0.5〜1.7で、直径が5μm以上の不純物を全く含まないポリアミド11の静菌織物材料の製造での使用。特に、上記ポリアミド11を含む静菌織物、医学、衛生学、携行品、衣類製造、衣類、家具調度品および家庭用品、掛け布、カーペット、自動車、工業、特に、工業用濾過、農業および/または建築分野での上記静菌織物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、熱可塑性ポリマーで作られた合成繊維を含む静菌織物(bacteriostatic textile)にある。
【背景技術】
【0002】
「織物 (textile) 材料」または「織物(textile)」とは、長さ/厚さ比が少なくとも300であることを特徴とする、繊維またはフィラメントから作られる任意の材料、および、多孔性膜を形成する任意の材料を意味し、
「繊維 (fiber) 」とは、長さ/直径比が少なくとも300であることを特徴とする、任意の合成または天然材料を意味し、
「フィラメント (filament) 」とは無限長さの任意の繊維を意味する。
織物の中では特に下記のものが挙げられる:繊維マット(包帯、フィルター、フエルト)、メッシュ(包帯)、糸(縫い糸、編み糸、織り糸)、ニットウェア(直線、円形、「体にぴったり合うように編まれた」)、生地(伝統的生地、ジャカード生地、多重生地、両面生地、多軸生地、2.5次元生地、3次元生地)およびその他の多くの織物。
【0003】
織物は細菌に対するその活性に従って3つのカテゴリーに分類される:
(1)特定の活性を示さず、織物上で細菌が発生する場合、その織物は「中性」といわれる、
(2)織物上での細菌の発生が極めて遅いが細菌は死滅しない場合、その織物は「静菌性」といわれる、
(3)織物と接触する細菌が死滅する場合、その織物は「殺菌性」といわれる。
【0004】
静菌効果を有する織物の製造に現在使用されている熱可塑性ポリマー製の合成繊維は本質的に中性である。従って、これらの繊維またはこれらの繊維から得られた織物を改質して細菌に対する活性を与える必要がある。そのために用いられる方法は、織物に表面化学処理を施すか、細菌に対して活性な添加剤を繊維マトリクスへ添加する方法である。現在使用されている抗菌剤は硫化亜鉛ZnS、銀塩、銀イオン、硫酸塩、例えばAl2(SO43、ZnO、KAI(SO42、ZnSO4、第4アンモニウム塩、トリクロサン、キトサン等である。
【0005】
現在使用されているこれらの方法にはいくつかの欠点がある。すなわち、表面処理および/または抗菌添加剤の添加を行う追加の製造段階が少なくとも一つ必要である。さらに、これらの処理によって織物の可撓性と手触りが変化してしまう。さらに、細菌に対する活性剤の大部分は環境に対して有害である(銀塩、亜鉛塩)。
【0006】
さらに、化石燃料由来の原料に依存せず、環境への負荷が少なく、皮膚との相性の良いことが知られている再生可能材料またはバイオ資源由来の原料を用いて合成して得られる織物製品に対する消費者の関心が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、織物の可撓性または柔らかさを損なわず、環境に有害な試薬を用いずに、バイオ資源原料を用いて、製造工程数が最も少ない簡単な方法で製造可能な静菌織物材料を提供することにある。
本発明者は、驚くべきことに、特定のポリアミド11を用いることによって上記のような静菌織物材料を製造できるということを見出した。
本明細書で「〜」、「から」という表現は両限界値を含むものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の対象は、固有粘度が0.5〜1.7で、直径が5μm以上の不純物を全く含まないポリアミド11の、静菌織物材料の製造での使用にある。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ポリアミド11の固有粘度は0.5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2、さらに好ましくはほぼ1であるのが有利である。
上記静菌織物材料は多孔性膜、織布または不織布の形をしているのが有利である。
上記静菌織物材料は上記ポリアミド11をベースにした繊維および/またはフィラメントおよび/または粒子を含むのが有利である。繊維および/またはフィラメントは平滑な表面を有するのが有利である。
【0010】
本発明の別の対象は、固有粘度が0.5〜1.7で、直径が5μm以上の不純物を全く含まないポリアミド11を含む静菌織物にある。
ポリアミド11の固有粘度は0.5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2、さらに好ましくは略1であるのが有利である。
ポリアミド11の重量含有率は織物の全重量の少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%であるのが有利である。
【0011】
上記ポリアミド11は少なくとも一種の充填剤および/または少なくとも一種の顔料および/または少なくとも一種の添加剤と混合するのが有利である。
上記静菌織物はポリアミド11以外に、細菌に対して活性な添加剤または細菌に対して活性な表面処理を全く含まないのが有利である。
上記静菌織物はバイオ資源原料から得られる合成繊維を含むのが有利である。
上記静菌織物はPA11繊維以外に、天然繊維、例えば綿、ウールおよび/またはシルク、天然原料から製造した化学繊維、無機繊維、例えば炭素繊維、ガラス繊維、シリカ繊維および/またはマグネシウム繊維、および/または合成繊維をさらに含むのが有利である。
本発明の静菌織物はバイオ資源原料のみから製造されるのが有利である。
【0012】
本発明の静菌織物はフエルト、フィルター、フィルム、ガーゼ、布、包帯、積層布、織布、ニット織物、衣類、衣服、寝具、掛け布、カーテン、自動車内装カバー、機能性工業用布、ジオテキスタイルおよび/またはアグリテキスタイルを構成するのが有利である。
本発明の別の対象は、医学、衛生学、携行品、衣類製造、衣類、家具調度品および家庭用品、掛け布、カーペット、自動車、工業、特に、工業用濾過、農業および/または建築の分野での上記定義の静菌織物の使用にある。
【0013】
本発明の他の対象は、固有粘度が0.5〜1.7、有利には0.5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2、さらに好ましくは略1であるポリアミド11の静菌織物材料の製造での使用にある。さらに、このポリアミド11は直径が5μm以上の不純物を全く含まない。
【0014】
ポリアミド11(「PA11」)は植物由来の原料から製造する。植物材料は世界の大半で需要に応じて大量に栽培でき、バイオ資源にできるという利点を有する。バイオ資源原料は人間の尺度で短期間で資源を再生できる天然の動物または植物資源である。この資源は消費速度と同じぐらいの速度で再生できることが特に必要である。
【0015】
このPA11はアルケマ社によって製造されている。PA11をベースにした製品のシリーズには商品名リルサン(RILSAN、登録商標)11またはリルサン(登録商標)Bがある。PA11ベース原料は同じ名前の植物(一般的なヒマ)から抽出したヒマシ油種からのヒマシ油である。PA11はアミノ−11−ウンデカン酸の重縮合で得られる。一般に、PA11粉末はPA11プレポリマーの粉砕によって得られる。
【0016】
本発明のPA11は固有粘度が0.5〜1.7、有利には0.5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2、さらに好ましくは略1である。この固有粘度の範囲外ではポリアミド11を織物の製造に用いるのは難しい。
本明細書では、PA11の固有粘度は全てARKEMA法で測定する。すなわち、固有粘度は、溶液の全重量を基準にしてメタクレゾール中に0.5重量%溶解したポリアミド濃度で20℃でウベローデ型粘度計で測定する。
【0017】
本発明で用いるPA11は直径が5μm以上で、不純物を全く含まない。実際は、現在製造されているPA11は、連続したストランドを形成せず、不純物のために切れてしまうため、存在する不純物のために繊維またはフィラメントを得ることができない。従って、PA11の通常の製造方法を変更して、上記不純物を例えば適切な篩またはフィルターを使ってPA11から除去する。
【0018】
ポリアミド11は少なくとも一種の充填剤および/または少なくとも一種の顔料および/または少なくとも一種の添加剤と混合するのが有利である。
上記と同じ理由で、PA11のポリマーマトリクスは添加剤、好ましくは直径が5μmを超えない添加剤を含むことができる。この添加剤の例としては強化剤、難燃剤、紫外線防止剤、紫外線安定剤、熱安定剤、顔料、潤滑剤、酸化防止剤、流動性改良剤、流量改良剤、塗膜形成剤、塗膜形成助剤、ゴム、半結晶ポリマー、防腐剤およびこれらの混合物が挙げられる。織物分野における他の任意タイプの添加剤も使用できることは理解できよう。
【0019】
上記静菌織物はポリアミド11以外に、細菌に対して活性な添加剤または細菌に対して活性な表面処理を全く含まないのが有利である。実際、本発明のPA11を用いるだけで織物に静菌特性を与えることができる。
【0020】
本発明は特に、PA11の織物材料、例えば糸、繊維、フィラメント、フィルム、多孔性膜、織布および不織布の製造での使用に関するものである。本発明はさらに、耐久性のある状態(耐洗濯性)で、織物材料の表面に接着するように溶着したPA11粒子の製造と、その使用に関するものである。
上記PA11またはこのPA11をベースにした熱可塑性マトリクスを有する組成物は、固化および強化の中間段階なしに、重合直後に織物材料で形成することができる。PA11またはその組成物を顆粒状にし、それを再溶融して例えば織物成形品を製造したり、糸、繊維および/またはフィラメントを製造することができる。
【0021】
PA11または本発明組成物は、任意の溶融紡糸法を用いて一つまたは複数の開口部を有するダイに通すことができる。マルチフィラメント糸を製造する場合には紡糸法または紡糸延伸法または紡糸延伸テクスチャリング法等が挙げられ、紡糸速度も任意である。3000m/分以上、好ましくは4000m/分以上の速度で高速紡糸によって糸を製造できる。これらの方法は以下の用語によって示されることが多い:POY(部分延伸糸)、FOY(延伸糸)、ISD(統合紡糸延伸)、HOY(5500m/分以上の速度の高速紡糸)。これらの糸はその用途に応じた織り方にすることができる。これらの方法で得られた糸は、特に織布またはニット織物の表面の製造に適している。本発明では、PA11で作られた熱可塑性ポリマーマトリクスを用いてモノフィラメント糸またはモノフィラメント、マルチフィラメント糸またはマルチフィラメント、連続繊維(リールで)および/または不連続繊維(カット)を製造できる。不連続PA11繊維は天然繊維との混合に適している。
【0022】
単一または複数のフィラメント繊維の番手は1.5dtex〜100dtex/フィラメントにすることができる。大きい番手数は工業用途に特に適している。マルチフィラメント糸の番手は、6dtex/フィラメント以下、好ましくは1.5dtex/フィラメント以下であるのが好ましい。繊維を製造する場合、フィラメントを紡糸直後にまたは繰返し段階でメッシュまたはシートの形状で接合し、延伸、織りまたは縮れさせ、切断することができる。得られた繊維は不織布または紡糸繊維糸の製造に使用できる。PA11または組成物はフロックの製造にも使用できる。本発明の糸、繊維および/またはフィラメントには種々の処理、例えば連続段階または繰返し段階での延伸、サイズ蒸着、塗油、交絡加工、テクスチャライジング、クリンピング、ストレッチング、固定または弛緩用の熱処理、スローイング、撚糸および/または染色を施すことができる。染色としては特に浴またはジェットによる染色法が挙げられる。好ましい染料は酸性染料、金属含有または非金属含有染料である。
【0023】
本発明の別の対象は、少なくとも一部が上記定義のPA11から得られる、上記定義の糸、繊維および/またはフィラメントの形をした織物(または織物製品または織物材料)にある。これらの織物材料または織物製品は布または織物表面、例えば織布、ニット、不織布またはラグ表面にすることができる。このような製品は例えばカーペット、ラグ、家具、表面カバー、例えばソファー、カーテン、ベッドリネン、マットレスおよび枕のカバー、衣服および生地にすることができる。
【0024】
本発明の織物は、フエルト、フィルター、フィルム、ガーゼ、布、包帯、積層布、織布、ニット織物、衣類、衣服、寝具、掛け布、カーテン、自動車内装カバー、機能性工業用布、ジオテキスタイルおよび/またはアグリテキスタイルを構成するのが有利である。
本発明の織物は医学、衛生学、携行品、衣類製造、衣類、家具調度品および家庭用品、掛け布、カーペット、自動車、工業、特に、工業用濾過、農業および/または建築の分野で使用されるのが有利である。
【0025】
本発明の織物は特に、David Rigby Adssociatesによって2003年に公開された「DRA織物製品最終使用消費予測システム」(下記のインターネットアドレス:www.davidrigbyassociates.co.ukで入手可能)と題する付属書のA2.5頁に記載の分野で使用できる。
【非特許文献1】David Rigby Adssociates、2003年公開、「DRA織物製品最終使用消費予測システム」(www.davidrigbyassociates.co.ukで入手可能)付属書のA2.5頁
【0026】
本発明の別の対象は、シートおよびフィルムの押出のような押出方法、圧縮成形のような成形法、射出成形のような射出法から成る群の中から選択される本発明のPA11のマトリクスまたはPA11を含む熱可塑性組成物の使用によって得られる織物製品にある。フィルムは平ダイを用いて上記方法によって得ることができる。得られたフィルムに種々の処理段階、例えば一軸または二軸延伸、安定化熱処理、帯電防止処理および/またはサイジングの一つを施すことができる。
【0027】
ポリアミド11の重量含有率は本発明の織物の全重量の少なくとも50%、好ましくは80%であるのが有利である。
PA11をベースにした繊維、フィラメントおよび/またはフィルムは平滑な表面を有するのが有利である。これによってこれらの繊維および/またはフィラメントを含む織物材料の静菌活性が増大することが証明されている。
【0028】
主としてPA11ベースで製造された(少なくとも50重量%のPA11を含む)本発明のこれらの織物はその他の有利な特性をさらに有する。これらは軽量で、可撓性、柔らかな手触り、耐破断性、耐切断性、耐摩耗性および耐ピリング性を有し且つ最初に接触したときに冷たく感じる。
【0029】
上記繊維はPA11以外に、天然繊維、例えば綿、ウールおよび/またはシルク、天然原料から製造した化学繊維、無機繊維、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、シリカ繊維および/またはマグネシウム繊維、金属繊維および/または合成繊維をさらに含むのが有利である。
上記繊維はバイオ資源原料から得られる合成繊維を含むのが有利である。本発明の織物はバイオ資源原料のみから製造されるのが好ましい。
【0030】
再生可能起源の原料またはバイオ資源原料とは、再生可能起源のバイオ資源炭素を含む材料を意味する。すなわち、化石原料由来の材料に対して、再生可能原料から成る材料は14Cを含む。「再生可能起源の炭素含有率」または「バイオ資源炭素の含有率」はASTM規格D6866(ASTM D 6866−06)、必要な場合にはさらにASTM規格D7026(ASTM D 7026−04)で決定される。前者の規格にはサンプルの14C/12C比を測定し、この測定値を100%バイオ資源由来の参考サンプルの14C/12C比と比較して、サンプル中のバイオ資源Cの相対的割合を出すためのテスト法が記載されている。この規格は14C年代測定と同じ概念に基づいているが、年代測定方程式は適用しない。このようにして計算した比を「pMC」(現代炭素濃度)とよぶ。分析される材料がバイオ原料と化石原料(放射性同位体を含まない)との混合物である場合に得られたpMCの値はサンプル中に存在するバイオ原料の量と直接相関する。ASTM規格D6866−06にはLSC(液体シンチレーション計測)分析法またはAMS/IRMS(同位体放射性質量分析法と組み合わされた加速質量分析法)に基づいて14C同位体含有率を測定する技術が複数提案されている。本発明で用いるのが好ましい測定方法はASTM規格D6866−06(加速器質量分析法)に記載されている。
【0031】
ポリアミド11を含む本発明織物は少なくとも一部がバイオ資源原料に由来するので、バイオ資源炭素含有率は少なくとも1%であり、これは少なくとも1.2×10-1412C/14C同位体比に対応する。本発明のこれらの織物は炭素の全重量に対して少なくとも50重量%のバイオ資源炭素を含むのが好ましい。これは少なくとも0.6×10-1212C/14C同位体比に対応する。この含有率はさらに高く、特に最大で100%であるのが有利であり、これは1.2×10-1212C/14C同位体比に対応する。従って、本発明の織物は100%のバイオ資源炭素を含むか、逆に、化石起源との混合物から得ることができる。
【実施例】
【0032】
以下、種々の織物の細菌活性を示す本発明の実施例を説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
本発明のPA11から製造された織物を織物で通常用いられている下記の他の材料をベースにした織物と比較した:PA66(またはナイロン66)、ポリエステル(PES)、綿、PA6(またはナイロン6)、ポリプロピレン(PP)、シルク、PLA(ポリ乳酸)。本発明実施例のPA11は固有粘度が略1である(ARKEMA方法による:20℃のメタクレゾール中に0.5重量%でウベローデ型粘度計で測定)。
細菌活性の測定は全てISO規格20743に従って転写(XP G 39−010)によって行った。
手順:
直径が38mmの試験片、
菌株:黄色ブドウ球菌、
200gの重量下に、106UFC/mlで接種材料を播種した寒天に試験片を1分間接触させ、この接触後、織物上に存在する接種材料を抽出液で回収した。この液体を種々に希釈し、これらの希釈液に新規な寒天を播種できるようにした。
培養:37℃の湿度室に24時間、
時間0時および24時での細菌個体数の測定。数をマニュアルでカウント。
【0033】
細菌活性を示す結果は[表1]に示してある。
この細菌活性の計算は処理製品上の時間24時と0時の差をログで表したUFC数に対応する(Δ−2〜+2):
この計算の結果が<0である場合、その織物の活性は殺菌性といわれる、
結果が0〜2(両限界値を含む)の範囲の場合、その織物の活性は静菌性といわれる、
計算の結果が>2の場合、その織物は中性または細菌に対して非活性と分類される。
【0034】
【表1】

【0035】
考察:
PA11で作られた織物以外の織物は抗菌活性を示さない。PA11は求められている理想の抗菌活性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有粘度が0.5〜1.7で、直径が5μm以上の不純物を全く含まないポリアミド11の、静菌織物材料の製造での使用。
【請求項2】
ポリアミド11の固有粘度が0.5〜1.5、有利には0.8〜1.2、好ましくは略1である請求項1に記載の使用。
【請求項3】
上記静菌織物材料が多孔性膜、織布または不織布の形をしている請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
上記静菌織物材料が上記ポリアミド11をベースにした繊維および/またはフィラメントおよび/または粒子を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
繊維および/またはフィラメントが平滑な表面を有する請求項4に記載の使用。
【請求項6】
固有粘度が0.5〜1.7で、直径が5μm以上の不純物を全く含まないポリアミド11を含む静菌織物。
【請求項7】
ポリアミド11の固有粘度が0.5〜1.5、有利には0.8〜1.2、好ましくは略1である請求項6に記載の静菌織物。
【請求項8】
ポリアミド11の重量含有率が織物の全重量の少なくとも50%である請求項6または7に記載の静菌織物。
【請求項9】
ポリアミド11を少なくとも一種の充填剤および/または少なくとも一種の顔料および/または少なくとも一種の添加剤と混合する請求項6〜8のいずれか一項に記載の静菌織物。
【請求項10】
ポリアミド11以外に、細菌に対して活性な添加剤または細菌に対して活性な表面処理を全く含まない請求項6〜9のいずれか一項に記載の静菌織物。
【請求項11】
バイオ資源原料から得られる合成繊維を含む請求項6〜10のいずれか一項に記載の静菌織物。
【請求項12】
PA11繊維以外に、天然繊維、天然原料から製造した化学繊維、無機繊維、金属繊維および/または合成繊維をさらに含む請求項6〜11のいずれか一項に記載の静菌織物。
【請求項13】
バイオ資源原料のみから製造される請求項6〜12のいずれか一項に記載の静菌織物。
【請求項14】
フエルト、フィルター、フィルム、ガーゼ、布、包帯、積層布、織布、ニット織物、衣類、衣服、寝具、掛け布、カーテン、自動車内装カバー、機能性工業用布、ジオテキスタイルおよび/またはアグリテキスタイルを構成する請求項6〜13のいずれか一項に記載の静菌織物。
【請求項15】
医学、衛生学、携行品、衣類製造、衣類、家具調度品および家庭用品、掛け布、カーペット、自動車、工業、特に、工業用濾過、農業および/または建築の分野での請求項6〜14のいずれか一項に記載の静菌織物の使用。

【公開番号】特開2011−1681(P2011−1681A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−135934(P2010−135934)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(505005522)アルケマ フランス (335)
【Fターム(参考)】