説明

ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションを含んだ水系スキンケア組成物およびその作製方法

ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションと水とを配合することを含む水系スキンケア組成物を作製するためのプロセス。このプロセスによって作製されるスキンケア組成物も提示され、これは調製が容易であり、そしてスキンケア調合物の補足的な加熱またはさらなる乳化を必要としない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンケア組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションを含有する水系スキンケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
顔パック、拭き取り(wipe)、洗い流しタイプのスキンケア製品、そして水中油型クリーム、およびローションのような水系スキンケア製品は、成人と子供に有用な用途のある大衆的な化粧製品である。水系スキンケア組成物は、洗浄、または肌のコンディショニングのために肌に塗られて、そして消費者に、それらの使用の容易さをアピールしている。これらの利点にもかかわらず、これらの製品は、長期にわたって滑らかさでやわらかい感触を肌に与え続けない。さらに加えて、多くの消費者は肌を整え、そしてしわ隠しにもなる水系の製品を欲しいと願っている。
【0003】
米国特許第4,892,726号は、滑らかな塗布を生み出すポリメチルシルセスキオキサン粉末を含む油系化粧用組成物を開示する。しかしながら、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末は、水性組成物、または水系組成物の水相と共存できない。
【0004】
米国特許第5,643,555号は、複雑な乳化プロセスを必要とする油中水型エマルション中のポリメチルシルセスキオキサン粉末を開示する。
【0005】
日本特開第H05−310533号公報は、ポリメチルシルセスキオキサン粉末と水を含有し、製品中に粉末を分散させるために加熱を必要とする、毛髪化粧用組成物を開示する。スキンケア化粧用組成物を加熱することは、調合物中への熱に敏感である幾つかの成分の使用を妨げ、そしてスキンケア組成物を加熱する、またはさらに乳化するプロセスは、時間がかかり、制御が難しく、そして調製のために高価な装置を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
必要とされることは、改良されたしわ隠しと共に、改良されたコンディショニングと長続きする滑らかで柔らかい感触とを肌に与える水系スキンケア組成物、ならびに、調合物の簡単な配合により、そして水系スキンケア調合物を補足的に加熱するかまたはさらに乳化することなく水系スキンケア組成物を作製する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの実施態様において、水系スキンケア組成物を作製するためのプロセスは、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションと水とを配合することを含有する。
【0008】
他の実施態様において、水系スキンケア化粧用組成物は、約0.05μmから約100μmまでの範囲の平均粒子径を有するポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションと、乳化剤と、水とを含有し、ここで、前記乳化剤は約15重量パーセントより少なく、そして水は約6重量パーセントより多く、ここで、前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0009】
他の実施態様において、エマルションは、約0.05μmから約100μmまでの範囲の平均粒子径を有するポリアルキルシルセスキオキサン粉末と、シリコーンと、乳化剤と、水とを含有し、ここで、前記乳化剤は約15重量パーセントより少なく、そして水は約6重量パーセントより多く、ここで、重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【発明の効果】
【0010】
種々の実施態様は、優れた長続きする滑らかで柔らかい手触り、柔軟にする感触、細い線のぼかしと、しわ隠しの向上、好ましい自然な色、のような皮膚をコンディショニングする性質、、ならびに水系スキンケア組成物における良好な共存性と分散を提供する。化粧用組成物は、調製が容易であり、そしてスキンケア調合物の補足的な加熱またはさらなる乳化を必要としない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈にそうでないと明白に記載しない限り、複数である指示対象を含む。同一の特性を列挙する総ての範囲についての端点は、独立して組み合わせが可能であり、そして列挙された端点をも含む。総ての言及を、参照により本明細書に編入する。
【0012】
量に関連して使用する「約(about)」の修飾語は、記載された数値を含み、文脈によって記述された意味を有する(例えば、特定の量の測定法に関連した許容範囲を含む)。
【0013】
「任意選択の(optional)」、または「任意選択に(optionally)」は、すぐ後に記載される事象または状況が生じても生じなくてもよく、またはその結果生じて識別される物質が存在しても存在しなくてもよく、そしてこの記載は、事象もしくは状況が生じる場合または物質が存在する場合、ならびに事象もしくは状況が生じないか、または物質が存在しない場合を含む。
【0014】
一つの実施態様において、水系スキンケア組成物を作製するためのプロセスは、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションと水とを配合することを含有する。
【0015】
水系スキンケア組成物は、混合物であり、これはスキンケア調合物中の成分のための溶媒として、または分散媒体として水を含む。この組成物は、水中油型エマルションまたは水溶液であってよい。
【0016】
ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションは、撹拌しながら水相にポリアルキルシルセスキオキサン粉末を分散させることによって得られる。乳化剤は、エマルションの調製を促進するために添加してよい。ポリアルキルシルセスキオキサン粉末と、水と、任意選択の乳化剤との混合物は、エマルションの調製を促進するために加熱してよい。この混合物は、融かすために加熱してよく、そして約55℃から約90℃までの範囲を含む、約55℃と等しいかもしくはそれ以上の温度で加熱してよい。
【0017】
エマルションは、スキンケア調合物に添加される前に、前もって生成される。前もって生成されたエマルションでは、簡単な配合により、そして補足的な加熱またはさらなる乳化をせずに、水系組成物にポリアルキルシルセスキオキサン粉末を分散させる。加熱することは、成分の多くが熱に敏感であり、そして加熱により劣化する可能性があるため、スキンケア調合物に添加してよい成分の種類を限定する。その上に、加熱および乳化プロセスは、制御が難しいことがあり、時間がかかり、そして調製のための高価な装置を必要とする。前もって生成されたエマルションを使用すれば、異なる種類のスキンケア組成物を作製するために最小限の装置の変更のみで済むので、スキンケア組成物の異なる種類の調製において柔軟性がある。
【0018】
ポリアルキルシルセスキオキサンは、RSiO1.5の平均単位式によって表され、式中、Rは、置換または無置換の一価炭化水素基であり、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアリール基、C〜C30のシクロアルキル基、ならびに、炭素に結合した水素原子の一つもしくはそれ以上を、ハロゲン原子、エポキシ、メタクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシラートラジカル、スルフヒドリル(sulfhydryl)、ポリオキシアルキレン、メルカプト、ヒドロキシ、シアノ基、アミノ基、または、クロロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、シアノメチル、γ−アミノプロピル、およびN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルのような別の置換基により置き換えることによって生じる基を含む。アルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、ラウリル基、およびステアリル基である。アルケニル基の例は、ビニル、アリル、およびプロペニルである。アリール基の例は、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエチル基、2−フェニルプロピル、およびキシリルである。シクロアルキル基の例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロオクチルである。
【0019】
一つの実施態様において、ポリアルキルシルセスキオキサンは、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチルシルセスキオキサン、またはポリフェニルシルセスキオキサンである。
【0020】
ポリアルキルシルセスキオキサン粉末は、いかなる汎用の方法によっても合成できる。この粉末は、アルキルトリクロロシランまたはトリアルコキシシランのような三官能性の加水分解性シランの縮合によって調製してよい。メチルトリクロロシランのようなアルキルトリクロロシランは、大量の水に噴霧するかまたは滴下することによって加水分解されて、加水分解と縮合とを引き起こす。トリアルコキシシランは、アルカリ金属カルボナートもしくはアルカリ土類金属水酸化物を含む水溶液で、またはアンモニアまたはアミンの水溶液で加水分解と縮合をしてよい。
【0021】
トリアルコキシシランは、一般式:
Si(OR
によって表され、
式中、Rは、置換または無置換の一価炭化水素基であり、そしてRは、水素原子、または1から6の炭素原子を有する一価炭化水素基、またはそれらの部分加水分解・縮合生成物である。
【0022】
基は、置換または無置換の一価炭化水素基であり、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアリール基、C〜C30のシクロアルキル基および、炭素に結合した水素原子の一つもしくはそれ以上を、ハロゲン原子、エポキシ、メタクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシラートラジカル、スルフヒドリル、ポリオキシアルキレン、メルカプト、ヒドロキシ、シアノ基、アミノ基により、または、クロロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、シアノメチル、γ−アミノプロピル、およびN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルのような別の置換基により置き換えることによって生じる基を含む。アルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、ラウリル基、およびステアリル基である。アルケニル基の例は、ビニル、アリル、およびプロペニルである。アリール基の例は、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエチル基、2−フェニルプロピル、およびキシリルである。シクロアルキル基の例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロオクチルである。
【0023】
基に関する一価炭化水素基は、アルキル基とアルケニル基とを含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびブチルである。アルケニル基の例は、ビニル、アリル、およびプロペニルである。
【0024】
トリアルコキシシランの例は、メチルトリアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、およびメチルトリブトキシシランであってよい。
【0025】
ポリアルキルシルセスキオキサン粉末は、硬化されたポリアルキルシルセスキオキサンの微細な高分子の粒子であり、これは球状、柱状、板状、および針状の形態のような、いかなる形態であってもよい。この粒子の形状は、意図する最終の用途に必要なように変えることができる。一つの実施態様において、この粉末粒子は実質的にに球状である。他の実施態様において、アスペクト比、すなわち短軸に対する長軸の比率は、約1.2を超えない。他の実施態様において、アスペクト比は約1.1を超えない。一つの実施態様において、このポリアルキルシルセスキオキサン粉末は、平均粒径のプラス−マイナス30パーセントの範囲内の粒子径を持つ80パーセントと等しいかもしくはそれ以上の粒子を有する。一つの実施態様において、平均粒径は、約0.05μmと等しいかもしくはそれ以上であり、そして100μmと等しいかもしくはそれ以下である。一つの実施態様において、平均粒径は、約0.1μmから約20μmまでの範囲である。
【0026】
一つの実施態様において、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションの平均粒径は、約0.05μmと等しいかもしくはそれ以上である。他の実施態様において、この粉末エマルションの平均粒径は、約0.05μmから約100μmまでである。平均粒径は、約100μm、約50μm、約20μm、および約10μmの上限を有する範囲を含む。平均粒径は、約0.05μm、約0.1μm、約1μm、および約2μmの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。一つの実施態様において、この粉末エマルションの平均粒径は約20μmである。粒径は、Coulter LS230 Particle Size Analyzerを使用し、レーザー光散乱技術によって測定してよい。
【0027】
エマルションにおいて調合されるポリアルキルシルセスキオキサン粉末の量は、所望のエマルションの種類に応じて変えることができる。一つの実施態様において、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末は、エマルションの約0.5から約60重量パーセントまでの量で存在する。ポリアルキルシルセスキオキサン粉末の量は、エマルションの約60重量パーセント、約50重量パーセント、約40重量パーセント、約20重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。ポリアルキルシルセスキオキサン粉末は、エマルションの約0.5重量パーセント、約1重量パーセント、約5重量パーセント、約10重量パーセント、約20重量パーセント、および約50重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0028】
一つの実施態様において、スキンケア組成物におけるポリアルキルシルセスキオキサン粉末の量は、組成物の重量に基づいて、約0.1から約50重量パーセントまでである。ポリアルキルシルセスキオキサン粉末の量は、約50重量パーセント、約30重量パーセント、約20重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。ポリアルキルシルセスキオキサン粉末は、組成物の重量に基づいて、約0.1重量パーセント、約0.2重量パーセント、約1重量パーセント、約2重量パーセント、約5重量パーセント、および約10重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0029】
エマルションにおいて使用してよい乳化剤は、標準的な乳化剤であってよい。適切な乳化剤は、当分野に周知であり、そして非イオン、陰イオン、両性、双性イオン、および陽イオンの界面活性剤を含む。乳化剤として使用してよい陰イオン界面活性剤の例は、エトキシ化アルキルスルファート、アルキルエトキシカルボキシラート、アルキルグリセリルエーテルスルホナート、アシルサルコシナート、アルキルエトキシスルホスクシナート、アルファ−スルホン化脂肪酸、それらの塩、および/またはエステル、エトキシ化アルキルホスファートエステル、エトキシ化アルキルグリセリルエーテルスルホナート、パラフィンスルホナート、そしてアルコキシアミドスルホナート、アルキルスルファート、アルキルエーテルスルファート、アルカリールスルホナート、アルカノイルイセチオナート、アルキルスクシナート、アルキルスルホスクシナート、N−アルキルサルコシナート、アルキルエーテルホスファート、アルキルエーテルカルボキシラート、アルファ−オレフィンスルホナート、アルキルスルファートの塩、アルキルベンゼンスルホナートの塩、ジアルキルスルホスクシナートの塩、アルキルリン酸の塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルファートの塩、グリセリンモノステアラート、アルキルアミンオキシド、ソルビタンモノパルミタート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、およびそれらの混合物である。アルキル基およびアシル基は、一般に、6から22の炭素原子を含み、そして不飽和であってよい。
【0030】
乳化剤として使用する典型的な非イオン界面活性剤は、アルキルグルコシド、アルキルポリグリコキシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシ化糖エステルおよびポリエステル、脂肪酸アミド;脂肪酸のアルキレンオキシドエステルと脂肪酸のアルキレンオキシドジエステルのような、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、PEG40水添ヒマシ油、PEGステアラート、ラウレス(laureth)、PEGラウレスエステル、PEGステアラートエーテル、ステアレス−2、イソセテス−20、およびオレス−20のような、アルキレンオキシドと脂肪族アルコールとの縮合生成物、アルキレンオキシドと脂肪酸と脂肪族アルコールとの縮合生成物、ここで、このポリアルキレンオキシド部分は、一端で脂肪酸によりエステル化され、他端で脂肪族アルコールによりエーテル化されており、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、そしてサッカロース脂肪酸エステル、およびポリソルバートを含む。
【0031】
両性界面活性剤の例は、ココアンホカルボキシプロピオナート(cocoamphocarboxypropionate)、ココアンホカルボキシプロピオン酸、ココアンホアセタート、ココアンホジアセタート、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、N−アシルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニオベタイン、およびN−アシルアミドプロピル−N,N’−ジメチル−N’−2−ヒドロキシプロピルアンモニオベタインを含む。
【0032】
双性イオン界面活性剤の例は、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルタイン、アルキルグリシナート、アルキルカルボキシグリシナート、アルキルアンホプロピオナート、アルキルアンホグリシナート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウラート、アシルグルタマートを含み、そして陽イオン界面活性剤の例は、親水性置換基を有するハロゲン化アンモニウム化合物も含めたハロゲン化アンモニウム化合物を含む。ハロゲン化アンモニウム化合物の例は、長鎖アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、長鎖アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルアミン塩酸塩、アルキルアミンアセタート、およびジ(長鎖アルキル)ジメチルアンモニウムブロミドである。アルキル基およびアシル基は、8から19の炭素原子を有する。
【0033】
一つの実施態様において、乳化剤は非イオン界面活性剤である。
【0034】
エマルションに添加してよい乳化剤の量は、所望のエマルションの種類に応じて変えることができ、そして限定されることはない。一つの実施態様において、乳化剤は、エマルションの全重量に基づいて、約2から約50重量パーセントまでの量で存在する。乳化剤の量は、エマルションの全重量に基づいて、約50重量パーセント、約30重量パーセント、約12重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。乳化剤の量は、エマルションの全重量に基づいて、約2重量パーセント、約3重量パーセント、約5重量パーセント、および約10重量パーセントの下限を有する範囲を含む。他の実施態様において、エマルションにおける乳化剤の量は、エマルションの重量に基づいて、15重量パーセントより小さい。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0035】
別の実施態様において、乳化剤は、組成物の全重量に基づいて、約0.1から約50重量パーセントまでの量で存在する。乳化剤の量は、組成物の全重量に基づいて、約50重量パーセント、約40重量パーセント、約30重量パーセント、約20重量パーセント、約15重量パーセント、約13重量パーセント、10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。乳化剤の量は、組成物の全重量の約0.1重量パーセント、約2重量パーセント、約3重量パーセント、約5重量パーセント、および約10重量パーセントの下限を有する範囲を含む。別の実施態様において、乳化剤の量は、組成物の重量に基づいて、約15重量パーセントより小さい。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0036】
一つの実施態様において、水は、エマルションの約6重量パーセントより大きい量で存在する。他の実施態様において、水は、約6重量パーセントより大きい量から約99重量パーセントまでの量で存在し、他の実施態様において、水は、約20重量パーセントから約99重量パーセントまでの量で存在する。水は、エマルションの約99重量パーセント、約95重量パーセント、約90重量パーセント、約75重量パーセント、約50重量パーセント、約40重量パーセント、および約30重量パーセントの上限を有する範囲を含む。水は、エマルションの約20重量パーセント、約25重量パーセント、約30重量パーセント、約40重量パーセント、50重量パーセント、および約60重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0037】
一つの実施態様において、水系スキンケア化粧用組成物における水は、全組成物の約0.2から約99.5重量パーセントまでの量で存在する。水の量は、約99.5重量パーセント、約99重量パーセント、約95重量パーセント、約80重量パーセント、約70重量パーセント、および約40重量パーセントの上限を有する範囲を含む。水の量は、全組成物の約0.2重量パーセント、約10重量パーセント、約20重量パーセント、約50重量パーセント、および約70重量パーセントの下限を有する範囲を含む。一つの実施態様において、水は、組成物の全重量に基づいて、約6重量パーセントより大きい量で存在する。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0038】
スキンケア組成物に添加されるエマルションは、所望の化粧品の種類に応じて変わり、そして限定されることはない。一つの実施態様において、エマルションは、組成物の約0.2から約99.8重量パーセントまでの量で組成物に存在する。エマルションの量は、組成物の約99.8重量パーセント、約90重量パーセント、約80重量パーセント、約50重量パーセント、約40重量パーセント、約30重量パーセント、約20重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。エマルションの量は、組成物の全重量に基づいて、約0.2重量パーセント、約0.5重量パーセント、約1重量パーセント、約5重量パーセント、約10重量パーセント、約20重量パーセント、および約30重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0039】
別の実施態様において、水系スキンケア化粧用組成物は、約0.05μmから約100μmまでの範囲に平均粒子径を有するポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションと、乳化剤と、水とを含有し、ここで、前記乳化剤は15重量パーセントより小さく、そして水は6重量パーセントより大きく、ここで、前記重量パーセントは組成物の全重量に基づく。
【0040】
他の実施態様において、スキンケア組成物は、改良された長続きするシルク感、柔らかさ、および柔軟な手触りをもつ組成物を提供するようにシリコーンを任意選択で含有してよい。
【0041】
シリコーンは、架橋されたシリコーン共重合体、または直鎖もしくは分岐のポリオルガノシロキサンであってよい。一つの実施態様において、シリコーンは、約3センチストークスから約30,000,000センチポアズまでの範囲で粘度を有する。シリコーンの粘度は、約30,000,000のセンチポアズ、約20,000,000センチポアズ、約10,000,000センチポアズ、約1,000,000センチポアズ、および約10,000センチストークスの上限を有する範囲を含む。シリコーンの粘度は、約3センチストークス、約5センチストークス、約10センチストークス、約20センチストークス、約350センチストークス、約820センチストークス、および約10,000センチストークスの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。粘度は、Brookfield DV−II or HAAKE RheoStress 600によって25℃で測定される。
【0042】
一つの実施態様において、シリコーンは、低粘度シリコーンと高粘度シリコーンとの配合物であってよい。一つの実施態様において、低粘度シリコーンは、約3センチストークスから約10,000センチストークスまでの範囲であってよい。低粘度シリコーンの粘度は、約10センチストークス、約20センチストークス、約350センチストークス、約820センチストークス、および約10,000センチストークスの上限を有する範囲を含む。低粘度シリコーンの粘度は、約3センチストークス、約5センチストークス、約10センチストークス、約20センチストークス、約350センチストークス、および約800センチストークスの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0043】
他の実施態様において、高粘度シリコーンは、約1,000,000センチポアズから約30,000,000センチポアズまでの範囲であってよい。高粘度シリコーンの粘度は、10,000,000のセンチポアズ、約20,000,000センチポアズ、および約30,000,000センチポアズの上限を有する範囲を含む。高粘度シリコーンの粘度は、約1,000,000のセンチポアズ、約10,000,000センチポアズ、および約20,000,000センチポアズの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0044】
他の実施態様において、ポリオルガノシロキサンは、式:
MD
を有し、
式中、
Mは、RSiO1/2であり;
Dは、RSiO2/2であり;
Tは、RSi3/2であり、
、R、およびRは、各々独立して、1から60の炭素原子を有するアルキル、アリール、またはアラルキルであり、そしてこれらは1から30の炭素原子を有し、そして1から10の炭素原子を有する;qおよびsは、各々独立して、0から300までの整数である。他の実施態様において、qおよびsは、各々独立して、0から50までの整数であり、そして他の実施態様において、qおよびsは、各々独立して、0から20までの整数である。
【0045】
一つの実施態様において、シリコーンは直鎖または分岐のポリジメチルシロキサンである。
【0046】
一つの実施態様において、シリコーンは架橋されたシリコーン共重合体である。オルガノポリシロキサンの幾つかの例は、キャリヤーとしてシクロペンタシロキサンをもつC30〜C45のアルキルセテアリールジメチコンクロスポリマー(GEの商標名Velvesil(登録商標)125として販売)、キャリヤーとしてジメチコンをもつセテアリールジメチコンクロスポリマー(GEの商標名Velvesil(登録商標)DMとして販売)、およびキャリヤーとしてシクロペンタシロキサンおよびジメチコンをもつビニルジメチコンクロスポリマー(GEの商標名SFE839として販売)である。
【0047】
組成物に任意選択で添加してよいシリコーンの量は、所望の組成物の種類に応じて変わり、そして限定されることはない。一つの実施態様において、シリコーンは、組成物の重量に基づいて、約0.1から約50重量パーセントまでの量で存在する。シリコーンの量は、組成物の重量に基づいて、約50重量パーセント、約30重量パーセント、約20重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。シリコーンの量は、組成物の重量に基づいて、約0.5重量パーセント、約1重量パーセント、約2重量パーセント、約5重量パーセント、約10重量パーセント、約20重量パーセント、約30重量パーセント、および約40重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0048】
シリコーンは、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末と配合してエマルションに取り込んでよく、またはポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションと配合して化粧用組成物にしてよい。
【0049】
エマルションに任意選択で添加してよいシリコーンの量は、所望のエマルションの種類に応じて変わり、そして限定されることはない。一つの実施態様において、シリコーンは、エマルションの重量に基づいて、約0.1から50重量パーセントまでの量で存在する。シリコーンの量は、約50重量パーセント、約30重量パーセント、約25重量パーセント、約20重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。シリコーンの量は、エマルションの重量に基づいて、約0.1重量パーセント、約0.5重量パーセント、約1重量パーセント、約5重量パーセント、約10重量パーセント、約20重量パーセント、および約30重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0050】
他の実施態様において、スキンケア組成物は、任意選択でワックスを含有してよい。ワックスは、シリコーンワックス、石油ワックス、植物ワックス、または動物ワックスであってよい。ワックスは、肌で長続きする感じのする、改良された保湿性を組成物に与え、粘度を増加し、そして良好な保存安定性を与える。ワックスの幾つかの例は、蜜ろう、微結晶ワックス、臭蝋(ozokerite)、地蝋(ceresin)、およびカンデリラワックスである。シリコーンワックスは、Cまたは高級アルキル修飾されたメチコンまたはジメチコンであってよく、約30℃から約90℃までの範囲で融点を有する。一つの実施態様において、シリコーンワックスは、C〜C30のアルキル修飾されたメチコンまたはジメチコンである。他の実施態様において、シリコーンワックスは、セテアリールメチコンである。
【0051】
一つの実施態様において、ワックスは、組成物の0.1から約25重量パーセントを含む、組成物の約0から約25重量パーセントまでの量で組成物に添加してよい。そして。ワックスの量は、組成物の全重量に基づいて、約25重量パーセント、約20重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。ワックスの量は、組成物の全重量に基づいて、約0.1重量パーセント、約0.2重量パーセント、約1重量パーセント、約5重量パーセント、および約10重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0052】
ワックスは、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末と配合してエマルションにしてよく、またはポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションと配合して化粧用組成物にしてよい。
【0053】
一つの実施態様において、ワックスは、エマルションの0.2から約25重量パーセントを含む、エマルションの約0から約25重量パーセントまでの量でエマルションに添加してよい。ワックスの量は、エマルションの全重量に基づいて、約25重量パーセント、約20重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。ワックスの量は、エマルションの全重量に基づいて、約0.2重量パーセント、約1重量パーセント、約5重量パーセント、および約10重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0054】
他の実施態様において、スキンケア組成物は、任意選択で皮膚軟化剤を含有する。皮膚軟化剤は、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションに取り込んでよく、またはスキンケア組成物に別途に取り込んでよい。皮膚軟化剤は、様々な種類の炭化水素のような油状物質、高級脂肪酸、油脂、エステル、高級アルコール;オクチルアルコール、エタノールのような低級アルコール;ヒマシ油、スクアラン、流動パラフィン、イソパラフィン、石油ジェリー、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、セチル2−エチルヘキサノアート、2−エチルヘキシルパルミタート、2−オクチルドデシルミリスタート、2−オクチルドデシルガムエステル、ネオペンチルグリコール2−エチルヘキサノアート、イソオクタン酸トリグリセリド、2−オクチルデシルオレアート、イソプロピルミリスタート、イソプロピルパルミタート、イソステアリン酸トリグリセリド、2−オクチルドデシルオレアート、イソプロピルミリスタート、イソプロピルパルミタート、イソステアリン酸トリグリセリド、やし油脂肪酸トリグリセリド、オリーブ油、アボカド油、ミリスチルミリスタート、ミンク油、ラノリン、アミノ酸化合物、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、D−パンテルノール、乳酸、L−プロリン、グアニジン、ピロリドン、加水分解されたタンパク質、および他のコラーゲン由来のタンパク質、アロエベラジェル、アセトアミドMEA、およびラクトアミドMEA、そしてアルキド樹脂のようなエチルアセタート樹脂、アルリル樹脂、および尿素樹脂を含む。
【0055】
一つの実施態様において、皮膚軟化剤は、組成物の0.2から約25重量パーセントを含む、組成物の約0から約25重量パーセントまでの量で組成物に添加してよい。皮膚軟化剤の量は、組成物の全重量に基づいて、約25重量パーセント、約20重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。皮膚軟化剤の量は、組成物の全重量に基づいて、約0.2重量パーセント、約1重量パーセント、約5重量パーセント、および約10重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0056】
一つの実施態様において、皮膚軟化剤は、エマルションの0.2から約25重量パーセントを含む、エマルションの約0から約25重量パーセントまでの量でエマルションに添加してよい。皮膚軟化剤の量は、エマルションの全重量に基づいて、約25重量パーセント、約20重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。皮膚軟化剤の量は、エマルションの全重量に基づいて、約0.2重量パーセント、約1重量パーセント、約5重量パーセント、および約10重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0057】
他の実施態様において、エマルションは、約0.05μmから約100μmまでの範囲に平均粒子径を有するポリアリルシルセスキオキサン粉末と、シリコーンと、乳化剤と、水とを含有し、ここで、前記乳化剤は15重量パーセントより小さく、そして水は約6重量パーセントより大きく、ここで、重量パーセントはエマルションの全重量に基づく。
【0058】
化粧品に汎用に使用される添加剤は、所望の化粧用組成物の種類に応じて任意選択で選択され化粧用組成物に添加されてよい。選択された添加剤の種類および量は、化粧用組成物の種類により変わり、そして限定されることはない。添加剤の幾つかの例は、樟脳およびアセチルトリブチルシトラートのような可塑剤と、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、湿潤剤、香料、アルコール;ビスマスオキシクロリドおよび二酸化チタン塗工マイカのような真珠光沢顔料を含む顔料;着色剤、芳香剤、殺生物剤、保存剤、酸化防止剤、抗菌剤抗生物質、殺菌剤、剥離剤、ホルモン、酵素、医薬化合物、ビタミン、塩、電解質、アルコール、ポリオール、植物抽出物、塗膜形成要素;アクリラートクロスポリマー、アクリラート/C10〜C30のアルキルアクリラートクロスポリマー、ヒュームドシリカまたは水和シリカのような増粘剤;タルク、カオリン、澱粉、修飾デンプン、マイカのような微粒子充填剤;ナイロン、および;ベントナイトおよび有機修飾粘土のような粘土;のような他の成分とを含む。
【0059】
組成物に添加してよい添加剤の量は、所望の組成物の種類に応じて変わり、そして限定されることはない。一つの実施態様において、添加剤は、エマルションの重量に基づいて、約0から約60重量パーセントまでの量で存在する。添加剤の量は、組成物の重量に基づいて、約60重量パーセント、約50重量パーセント、約25重量パーセント、約10重量パーセント、および約5重量パーセントの上限を有する範囲を含む。添加剤の量は、組成物の全重量に基づいて、約0重量パーセント、約0.1重量パーセント、約0.2重量パーセント、約0.5重量パーセント、約1重量パーセント、約5重量パーセント、約10重量パーセント、約20重量パーセント、約30重量パーセント、および約50重量パーセントの下限を有する範囲を含む。下限の量と上限の量とは、本発明の実施において使用可能な範囲を設けるために、独立して組み合わせることができる。
【0060】
添加剤は、汎用の手段によってポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションと配合することによって組成物に、またはスキンケア組成物に配合してよい。
【0061】
水系スキンケア組成物は、顔パック、拭き取り、化粧落し、水中油型のクリームおよびローション、および;ボディシャンプー、洗顔料、ゲル型またはローション型の顔パック、シャワー製品、そしてハンドソープのような洗い流しタイプのスキンケア組成物;に使用してよい。
【0062】
本発明の一つの実施態様において、組成物は顔パックまたは拭き取りに塗られる。顔パックおよび拭き取りは、ティッシュ、ハンカチ、タオル、濡れティッシュなどであってよい。物質は生分解性であってよい。顔パックおよび拭き取りは、典型的には、適切なゲル、ローション、または溶液を不織布製のシートに染み込ませることによって製造される。
【0063】
一つの実施態様において、顔パックは、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションの約0.5から約40重量部までと、約20から約99重量部までの水とを含有するスキンケア組成物を含有する。重量部は化粧用組成物の全重量に基づく。
【0064】
一つの実施態様において、拭き取りは、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションの約0.5から約40重量部までと、約20から約99重量部までの水とを含有するスキンケア組成物を含有する。重量部は化粧用組成物の全重量に基づく。
【0065】
一つの実施態様において、ボディウォッシュは、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションの約0.5から約40重量部までと、約20から約99重量部までの水とを含有するスキンケア組成物を含有する。重量部は化粧用組成物の全重量に基づく。
【実施例】
【0066】
実施例1
エマルションは、ポリジメチルシロキサン(GEの商標名XF49−813)の15重量部と、Brookfield DV-II+によって25℃で測定したときに10センチストークの粘度を有するジメチコン(GEの商標名SF96−10)の6重量部とを配合することによって調製した。約819センチストークの粘度を有する、この配合したポリジメチルシロキサンを、フラスコに入れた。約4.5μmの平均粒径をもつポリメチルシルセスキオキサン粉末(Tospearl(登録商標)145)の25重量部を、ポリジメチルシロキサン混合物に添加して撹拌した。イソヘキサデカンの8重量部をこの混合物に添加して撹拌した。この混合物を60℃に加熱した。セテアリールメチコンの3重量部、PEGステアラート40の5重量部、PEG−4ラウスエステルの3.0重量部、およびPEG−23ラウスエステルの2.0重量部をこの混合物に添加して撹拌した。水の33重量部をゆっくり混合物に添加し、そして加熱しながら混合した。エマルションが生成し、これを室温まで冷却させた。このエマルションは、Coulter LS230粒径分析器を使用して、レーザー光散乱技術によって測定したところ、約2.0から5.0μmまでの平均粒径を有した。
【0067】
実施例2
顔パックまたはボディローションは、2.0重量部の1,3−ブチレングリコール、4.0重量部のグリセリン、0.15重量部のCarbopol(登録商標)941(Carbopol(登録商標)941はアクリラートクロスポリマーである)、5.0重量部の実施例1からのポリメチルシルセスキオキサン粉末エマルション、2〜3滴の保存剤、および89.7部の水を一緒に混合することによって調製した。この混合物を、0.15重量部のトリエタノールアミンにより中和する。この混合物を一緒に配合してゲルを得る。このゲルを、顔パックとして顔に、ボディローションとして体に、直接塗布する、または異なる種類の顔パックとしてゲルに不織布を浸すことによってこのシートに塗布してよい。
【0068】
実施例3
拭き取りは、1.2重量部のポリソルバート20、1.0重量部のPEG−75ラノリン、3.5重量部のPEG−40水添ヒマシ油、5.0重量部のプロピレングリコール、7.5重量部のポリメチルシルセスキオキサン粉末エマルション、2〜3滴の香料、および81.8重量部の水を一緒に混合することによって調製した。この混合物を一緒に配合してローションを得るが、これは濡れティッシュに塗布される。
【0069】
実施例4
ボディウォッシュは、70.8重量部の水、1.8重量部のコカミドプロピルベタイン、10.5重量部のアンモニウムラウレススルファート、および0.2重量部のCarbopol(登録商標)Ultrez 20(アクリラート/C10〜C30のアルキルアクリラートクロスポリマー)を一緒に混合することによって調製した。この混合物を0.20重量部のトリエタノールアミンで中和した。次に、この混合物に1滴の芳香剤、2滴の保存剤、9.0重量部のNaCl、および7.5重量部の実施例1で調整したポリメチルシルセスキオキサン粉末エマルションを添加した。この混合物を一緒に配合してゲルを形成した。
【0070】
実施例5
ボディウォッシュは、72.5重量部の水、1.8重量部のコカミドプロピルベタイン、15.4重量部のアンモニウムラウレススルファート、および0.4重量部のCarbopol(登録商標)Ultrez 20(Carbopol(登録商標)Ultrez 20はアクリラート/C10〜C30のアルキルアクリラートクロスポリマー)を一緒に混合することによって調製した。この混合物を0.40重量部のトリエタノールアミンで中和した。2滴の保存剤、2.0重量部のNaCl、および7.5重量部のポリメチルシルセスキオキサン粉末エマルションを混合物に添加した。この混合物を一緒に配合してゲルを形成した。
【0071】
実施例6
【表1】

【0072】
顔パックBは、実施例2に従って調製した。顔パックAは、ポリメチルシルセスキオキサン粉末エマルションがないことを除いて、実施例2に従って調製した。ポリメチルシルセスキオキサン粉末は、この混合物と共存できなかったので、この粉末を顔パックAにもまた添加できなかった。性質の結果を表1に示す。顔パックBは、滑らかさと柔らかさ、色合いと共存性が向上している。
【0073】
実施例7
【表2】

【0074】
拭き取りDは、実施例3に従って調製した。拭き取りCは、ポリメチルシルセスキオキサン粉末エマルションがないことを除いて、実施例3に従って調製した。ポリメチルシルセスキオキサン粉末は、この混合物と共存できなかったので、この粉末を拭き取りCにもまた添加できなかった。性質の結果を表1に示す。拭き取りDは、滑らかさと柔らかさ、色合いと相溶性が向上している。
【0075】
実施例8
【表3】

【0076】
ボディウォッシュFは、実施例4に従って調製した。ボディウォッシュEは、ポリメチルシルセスキオキサン粉末をポリメチルシルセスキオキサンのエマルションの代わりに用いたことを除いて、実施例4に従って調製した。このポリメチルシルセスキオキサン粉末は、最初は、混合物の上部で凝集したが、混合を数分行ったところ分散した。性質の結果を表1に示す。ボディウォッシュFは、向上した滑らかさと柔らかさを持つ。
【0077】
実施例9
【表4】

【0078】
ボディウォッシュHは、実施例4に従って調製した。ボディウォッシュGは、ポリメチルシルセスキオキサン粉末をポリメチルシルセスキオキサンのエマルションの代わりに用いたことを除いて、実施例4に従って調製した。このポリメチルシルセスキオキサン粉末は、最初は、混合物の上部で凝集したが、混合を数分行ったところ分散した。性質の結果を表1に示す。ボディウォッシュHは、向上した滑らかさと柔らかさを持つ。
【0079】
実施例10
【表5】

【0080】
A部の成分を組み合わせて加熱して溶融した。B部の成分を組み合わせて75℃に加熱した。B部の混合物を、A部の混合物にゆっくり添加し、そしてA部とB部との混合物を均質化した。A部とB部との混合物を適度な混合により30℃に冷却した。芳香剤と保存剤とを添加した。D部を全体の混合物に添加し、10分間撹拌して生成物を調製した。
【0081】
UVA/UVB防護性をもつ美白ローションは、試料Jに従って調製した。試料Iは、ポリメチルシルセスキオキサン粉末エマルションなしで、そしてエマルションを調製したあとで、ポリメチルシルセスキオキサン粉末を添加したとき、混合物と共存できなかったので、この粉末もなしで、調製した。性質の結果は表1に示す。UVA/UVB防護性をもつ美白ローションは、向上した滑らかさと柔らかさを持つ。
【0082】
実施例11
【表6】

【0083】
化粧落しの試料KおよびLを調製し、そして性質の結果を表1に示す。化粧落しLは、非常に向上した洗浄性、滑らかさと柔らかさを持つ。試料Kは、ポリメチルシルセスキオキサン粉末エマルションなしで、そしてポリメチルシルセスキオキサン粉末は水と共存できなかったので、この粉末もなしで調製した。
【0084】
【表7】

【0085】
上記の実施例の性能は、官能試験員によって、5は優れている、そして1は劣るという、1〜5の得点で評価される。
【0086】
典型的な実施態様を例示の目的で説明したが、前述の記載は、本発明の範囲おける限定であると見なすべきでない。したがって、本発明の意図および範囲から逸脱せずに、種々の修正、変更、および代案を、当業者は思いつくであろう。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションと水とを配合することを含有する水系スキンケア組成物を作製するためのプロセス。
【請求項2】
前記組成物が、水中油型エマルションまたは水溶液である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションが、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末と水とを含有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
ポリアルキルシルセスキオキサンが、RSiO1.5の平均単位式によって表され、式中、Rが、置換または無置換の一価炭化水素基である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
ポリアルキルシルセスキオキサンが、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチルシルセスキオキサン、またはポリフェニルシルセスキオキサンである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションの平均粒径が、約0.05μmと等しいかもしくはそれ以上である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記プロセスが、乳化剤を添加することをさらに含有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記水が、前記組成物の全重量に基づいて、約0.2から約99.5重量パーセントまでの量で存在する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションが、前記組成物の全重量に基づいて、約0.2から約99.8重量パーセントまでの量で存在する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記プロセスが、シリコーンを添加することをさらに含有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記プロセスが、ワックスを添加することをさらに含有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記プロセスが、皮膚軟化剤を添加することをさらに含有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
約0.05μmから約100μmの範囲で平均粒子径を有するポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションと、乳化剤と、水とを含有し、ここで、前記乳化剤は15重量パーセントより小さく、そして前記水は約6重量パーセントより大きく、ここで、前記重量パーセントは前記組成物の全重量に基づく、水系スキンケア化粧用組成物。
【請求項14】
前記組成物が、水中油型エマルションまたは水溶液である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションが、ポリアルキルシルセスキオキサン粉末と水とを含有する、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
ポリアルキルシルセスキオキサンが、RSiO1.5の平均単位式によって表され、式中、Rは、置換または無置換の一価炭化水素基である、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
が、C〜C30のアルキル基、C〜C30のアルケニル基、C〜C30のアリール基、またはC〜C30のシクロアルキル基である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
ポリアルキルシルセスキオキサンが、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチルシルセスキオキサン、またはポリフェニルシルセスキオキサンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項19】
前記ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションの平均粒径が、約0.05μmから約50μmまでである、請求項13に記載の組成物。
【請求項20】
前記乳化剤が、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、および陽イオン界面活性剤からなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項21】
前記乳化剤が、前記組成物の全重量に基づいて、約2から約13重量パーセントまでの量で存在する、請求項13に記載の組成物。
【請求項22】
前記水が、前記組成物の全重量に基づいて、約10から約99.5重量パーセントまでの量で存在する、請求項13に記載の組成物。
【請求項23】
前記ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションが、前記組成物の全重量に基づいて、約0.2から約99.8重量パーセントまでの量で組成物に存在する、請求項13に記載の組成物。
【請求項24】
シリコーンをさらに含有する、請求項13に記載の組成物。
【請求項25】
ワックスをさらに含有する、請求項13に記載の組成物。
【請求項26】
皮膚軟化剤をさらに含有する、請求項13に記載の組成物。
【請求項27】
エマルションであって、約0.05μmから約100μmの範囲で平均粒子径を有するポリアルキルシルセスキオキサン粉末と、シリコーンと、乳化剤と、水とを含有し、ここで、前記乳化剤は15重量パーセントより小さく、そして水相は約6重量パーセントより大きく、ここで、前記重量パーセントは前記エマルションの全重量に基づく、エマルション。
【請求項28】
ポリアルキルシルセスキオキサンが、RSiO1.5の平均単位式によって表され、式中、Rは、置換または無置換の一価炭化水素基である、請求項27に記載のエマルション。
【請求項29】
ポリアルキルシルセスキオキサンが、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチルシルセスキオキサン、またはポリフェニルシルセスキオキサンである、請求項27に記載のエマルション。
【請求項30】
ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションの平均粒径が、約0.05μmから約50μmまでである、請求項27に記載のエマルション。
【請求項31】
ポリアルキルシルセスキオキサン粉末が、前記エマルションの全重量に基づいて、約0.5から約60重量パーセントまでで存在する、請求項27に記載のエマルション。
【請求項32】
前記乳化剤が、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、および陽イオン界面活性剤からなる群から選択される、請求項27に記載のエマルション。
【請求項33】
前記乳化剤が、前記エマルションの全重量に基づいて、約2から約12重量パーセントまでの量で存在する、請求項27に記載のエマルション。
【請求項34】
前記水相が、前記エマルションの約20から約99重量パーセントまでの量で存在する、請求項27に記載のエマルション。
【請求項35】
前記シリコーンが、架橋されたシリコーン共重合体、または直鎖もしくは分岐のポリオルガノシロキサンである、請求項27に記載のエマルション。
【請求項36】
前記シリコーンが、前記エマルションの全重量に基づいて、約0.1から約50重量パーセントまでの量で存在する、請求項27に記載のエマルション。
【請求項37】
ワックスをさらに含有する、請求項27に記載のエマルション。
【請求項38】
皮膚軟化剤をさらに含有する、請求項27に記載のエマルション。
【請求項39】
ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションの約0.5から約40重量パーセントまでと、約20から約99重量部の水とを含有するスキンケア組成物を含有し、ここで、前記重量部が前記化粧用組成物の全重量に基づく、顔パック。
【請求項41】
ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションの約0.5から約40重量部までと、約20から約99重量部の水とを含有するスキンケア組成物を含有し、ここで、前記重量部が前記化粧用組成物の全重量に基づく、拭き取り。
【請求項42】
ポリアルキルシルセスキオキサン粉末エマルションの約0.5から約40重量部までと、約20から約99重量部の水とを含有するスキンケア組成物を含有し、ここで、前記重量部が前記化粧用組成物の全重量に基づく、ボディウォッシュ。
【請求項43】
請求項1に記載の方法によって調製される、スキンケア組成物。



【公表番号】特表2010−507671(P2010−507671A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534653(P2009−534653)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/022631
【国際公開番号】WO2008/057245
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】