説明

ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンを生成する方法

ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンを調製する方法を提供する。この方法は、オリゴアルキレンポリアミンと、(a) 臭化アルキルおよび/または塩化アルキル; (b) 塩基性剤; ならびに(c) ヨウ化物塩を含む試薬組成物とを接触させる工程を含む。アルキル化反応は極性非プロトン性有機溶媒中で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Method of Producing Polyalkylated Oligoalkylenepolyamines」と題する2010年2月8日出願の米国仮出願第61/302,408号の米国特許法第119(e)条に基づく恩典を主張し、この開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
政府の権利の表明
本発明は、米国エネルギー省補助金第DE-FG36-08GO88160号に基づく政府の支援により行った。政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
背景
ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンは、種々の化学変換における配位子、例えば均一原子移動ラジカル重合反応における金属種の配位子として有用であり、種々の他の用途、例えば摩耗防止潤滑添加剤としての用途を有する。N,N,N',N'',N''-ペンタエチル-ジエチレントリアミン(「PEDETA」)またはN,N,N',N'-テトラエチルエチレンジアミン(「TEEDA」)などのポリアルキル化ポリアミン配位子も、トリクロロシランからのテトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオンの生成における配位子として有用である。ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンは、ポリアミン化合物(例えばジアルキレントリアミン)とハロゲン化アルキルとの反応を通じて一般的に調製されている。しかし、この反応は低収率および/または長い反応時間という問題があることが報告されている。多くの場合、完全なアルキル化を実現するようにこの反応を導くことが困難であることが経験的に分かっており、相当量の部分アルキル化生成物を含有する生成物混合物が生じる。従来の手順によりアルキレンポリアミンを1-クロロ-n-アルカンでアルキル化する以前の試みは、長い反応時間の後であっても低置換収率を生じさせた。そのような反応の試みにおける低変換率は塩化アルキルの低反応性に起因している。
【発明の概要】
【0004】
概要
本出願は、ポリアルキル化ポリアミンを調製する方法に関する。該方法は、オリゴアルキレンポリアミンからのポリアルキル化ポリアミンの形成を生じさせる。該方法は、オリゴアルキレンポリアミンと(a) 臭化アルキルおよび/または塩化アルキル; (b) 塩基性剤; (c) ヨウ化物塩; ならびに任意で有機溶媒を含む試薬組成物とを接触させる工程を含む。アルキル化反応は極性非プロトン性有機溶媒中で行うことができる。いくつかの態様では、反応は、低級アルコールを含む有機溶媒中で行うことができる。
【0005】
本方法において使用することができる好適なポリアルキレンポリアミンの例としてはジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン、ヘキシレンジアミンおよびトリエチレンテトラミンが挙げられる。典型的には、所望の生成物は、ペンタアルキルジアルキレントリアミン、テトラアルキルアルキレンジアミンおよびヘキサアルキルトリアルキレンテトラミンなどの完全アルキル化ポリアミンである。例えば、本方法は、N,N,N',N'-テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA)およびペンタエチルジエチレントリアミン(PEDETA)などのペンタアルキルジエチレントリアミンおよびテトラアルキルエチレンジアミンを生成するために使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
本出願は、ハロゲン化アルキルおよびオリゴアルキレンポリアミンからポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンを形成する方法に関する。反応は、オリゴアルキレンポリアミンと、ハロゲン化アルキル、塩基性剤およびヨウ化物塩を含む試薬組成物とを接触させる工程を含む。反応は好適な有機溶媒の存在下で典型的に行われる。いくつかの態様では、反応は極性非プロトン性有機溶媒中で行うことができる。他の態様では、反応は、低級アルコールを含む溶媒中で行うことができる。
【0007】
多くの態様では、本方法は、ハロゲン化アルキル、およびアルキレンジアミン、ジアルキレントリアミンまたはトリアルキレンテトラミンから、ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンを形成することに関する。例えば、オリゴアルキレンポリアミンは、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミンまたはヘキシレンジアミンなどのアルキレンジアミンでありうる。オリゴアルキレンポリアミンは、ジエチレントリアミンまたはジプロピレントリアミンなどのジアルキレントリアミンでありうる。オリゴアルキレンポリアミンは、トリエチレンテトラミンまたはトリプロピレンテトラミンなどのトリアルキレンテトラミンでありうる。
【0008】
試薬組成物は臭化アルキルおよび/または塩化アルキルを含む。臭化アルキルおよび/または塩化アルキルはC2〜C10アルキル、望ましくはC2〜C6アルキル、一般的にはエチル、n-プロピルまたはn-ブチルを含みうる。本方法において使用される好適なハロゲン化アルキルの例としては臭化エチル、臭化n-プロピル、臭化n-ブチル、臭化n-ペンチル、臭化n-ヘキシル、臭化i-プロピル、臭化s-ブチル、塩化n-プロピル、塩化n-ブチル、塩化n-ペンチルおよび塩化n-ヘキシルが挙げられる。
【0009】
試薬組成物は塩基性剤を含む。反応をその存在下で行うことができる好適な塩基性剤の例としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウムまたはマグネシウムの水酸化物、炭酸塩、酢酸塩などのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または塩基性塩がある。アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(例えばCaCO3)が多くの場合使用され、炭酸ナトリウム(Na2CO3)および炭酸カリウム(K2CO3)などのアルカリ金属炭酸塩が多くの態様において特に好適である。塩基(例えば炭酸カリウム)対オリゴアルキレンポリアミン出発原料のモル比は、典型的にはオリゴアルキレンポリアミン1モル当たり塩基約2.5〜10モルである。例えば、反応はDETA 1モル当たりK2CO3 約5〜6モルを使用して実行することができる。
【0010】
塩基性剤の他の好適な例としては、少なくとも約11のpKaを有する有機塩基が挙げられる。例えば、有機塩基は、例えば3個のアルキルおよび/またはアラルキル基で置換された、少なくとも約11のpKaを有する第三級アミンを含みうる。例えば、塩基性剤は、アルキル基がメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチルおよび/または他の分岐/直鎖アルキル基(望ましくは6個以下の炭素原子を有する)であるN,N-ジイソプロピルアルキルアミンおよび/またはN,N-ジイソブチルアルキルアミンを含みうる。第三級アミンは、ベンジル基および/またはフェネチル基などの1個または複数のアラルキル基で置換されていてもよい。好適な第三級アミンの他の例としては、N,N,N',N'-テトラメチル-1,8-ナフタレンジアミンおよびN,N,N',N'-テトラエチル-1,8-ナフタレンジアミンなどのN,N,N',N'-テトラアルキル-1,8-ナフタレンジアミン(例えばアルキル基が望ましくはC1〜C6アルキル、好ましくはメチルである)が挙げられる。有機塩基の他の例としては含窒素塩基性複素環化合物およびホスファゼン(アミノホスホランとしても知られる)が挙げられる。
【0011】
試薬組成物はヨウ化物塩を含む。好適なヨウ化物塩の例としてはアルカリ金属ヨウ化物、例えばヨウ化カリウムおよび/またはヨウ化ナトリウムが挙げられる。好適なヨウ化物塩の他の例としてはヨウ化テトラアルキルアンモニウム、例えばヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびヨウ化ベンジルトリアルキルアンモニウム、例えばヨウ化ベンジルトリメチルアンモニウムが挙げられる。ヨウ化物塩触媒(例えばKI)の量は、典型的には0.01〜10モル%、より望ましくは約1〜5モル%の範囲である。実に一般的にはオリゴアルキレンポリアミンに対して約2モル%(ハロゲン化アルキルに対して約0.4モル%)のヨウ化物塩触媒が使用される。
【0012】
本反応は希釈剤の非存在下で行うことができるが、本アルキル化反応は有機溶媒の存在下で典型的に行われる。ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンを形成するためのハロゲン化アルキルとポリアミンとの反応に干渉しない有機溶媒または有機溶媒の混合物が選択される。存在する場合、有機溶媒の体積は、ポリアルキレンポリアミンおよびハロゲン化アルキルの合計体積の典型的には0.1〜100倍、多くの場合1〜10倍である。
【0013】
本N-アルキル化反応は「極性非プロトン性有機溶媒」、すなわち、少なくとも1つの非プロトン性極性溶媒を含む有機溶媒中で典型的に行われる。本明細書で使用される、溶媒に適用される「極性」という用語は、相当に大きい永久双極子モーメントを有する分子を特徴とする溶媒を意味する。溶媒に適用される「非プロトン性」という用語は、不安定なプロトン供与体または受容体として作用不能である(不安定なプロトン供与体または受容体として作用可能な「プロトン性」溶媒とは対照的に)ことを意味する。望ましくは、アルキル化反応は、相当量の1つまたは複数の極性非プロトン性溶媒を含む有機溶媒、例えば少なくとも約50体積%の極性非プロトン性溶媒を含む溶媒中で行われる。好ましくは、アルキル化反応は、少なくとも約80体積%、より望ましくは少なくとも約90体積%、多くの場合少なくとも約95体積%のN,N-ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶媒を含む溶媒中で行われる。
【0014】
一般的には、有機溶媒は極性非プロトン性溶媒を含みうる。好適な極性非プロトン性溶媒の例としてはN,N-ジメチルホルムアミド(ジメチルホルムアミドまたはDMFとも呼ぶ)、1-メチル-2-ピロリジノン(N-メチル-2-ピロリジノンまたはNMPとも呼ぶ)、N,N-ジメチルアセトアミド(ジメチルアセトアミドまたはDMAcとも呼ぶ)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミドおよびヘキサメチル亜リン酸トリアミドが挙げられる。アセトニトリル(CH3CN)が好適な極性非プロトン性溶媒の別の例である。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよび/またはN-メチル-2-ピロリジノンなどの極性非プロトン性溶媒が特に好適である。実に多くの場合、使用される有機溶媒はジメチルホルムアミドである。
【0015】
いくつかの態様では、本N-アルキル化反応は、低級アルコールを含む有機溶媒中で行うことができる。溶媒として使用することができる好適な低級アルコールの例としてはC1〜C6アルコール、例えばC1〜C4アルカノール、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノールまたはその混合物が挙げられる。
【0016】
本方法は実質的に無水の条件下で行うことが好ましい。これは、窒素またはアルゴンなどの乾燥不活性ガスで反応器をパージした後、反応器中にそのような不活性ガスのブランケットを維持することにより実現することができる。反応は、実質的に無水の溶媒、例えば、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)などの乾燥剤との接触を介して乾燥された溶媒(DMFおよび/またはDMAcなどの)を使用して行うことが望ましいこともある。
【0017】
本方法では、反応を、オリゴアルキレンポリアミンを含有する不均一混合物と別の反応物質との反応に好適な任意の標準反応器中で行うことができる。反応器は、例えば連続攪拌回分式反応器、半回分式反応器または連続式反応器でありうる。例えば、反応は、オーバーヘッドスターラおよび冷却装置を装着可能な回分式反応器中で行うことができる。そのような反応器は蒸留ヘッドを有していてもよく、蒸留ヘッドが任意で取り付け可能であってもよく、これにより成分は初期粗反応生成物混合物から直接蒸留される。
【0018】
本方法では、反応は、ハロゲン化アルキルの添加完了後、約2時間〜12時間、典型的には3〜4時間の反応時間で好適に行うことができる。反応は0.05〜0.1モル規模の反応では約3時間よりも長い時間を必要としないことがあるが、4倍の規模では、ハロゲン化アルキル(例えばブロモエタン)の添加およびその還流がさらに長い時間を必要としうることを除けば必要な反応時間が同様であることも判明した。
【0019】
本アルキル化反応は0℃〜120℃の温度で好適に行うことができる。多くの場合は高圧下で、比較的高い温度を使用することができる。典型的には、最初にハロゲン化アルキルとポリアルキレンポリアミンとを相対的に低い温度、例えば使用されるハロゲン化アルキルの沸点よりも低い反応温度で接触させる。例えば、使用されるハロゲン化アルキルの沸点よりも少なくとも約20℃低い反応温度で反応の初期段階を行うことが望ましいことがある。本アルキル化反応において使用可能な多くのハロゲン化アルキルを包含する反応では、これは約-10℃〜50℃の温度でありうる。選択される特定の温度はハロゲン化アルキル反応物質の性質に依存し、例えば、臭化エチルをハロゲン化アルキルとして使用する反応は室温よりも低い初期温度、例えば約20℃未満で典型的に行われ、一方、比較的高分子量の臭化アルキル(例えば臭化n-プロピル、塩化n-プロピル、臭化n-ブチル、塩化n-ブチル、臭化n-ペンチル、塩化n-ペンチル、臭化n-ヘキシルおよび/またはn-塩化ヘキシル)を包含する反応は比較的高い初期温度で行われうる。
【0020】
ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミン生成物は、従来の技術により反応生成物混合物から回収することができる。例えば、いくつかの場合、粗反応生成物混合物を単純に真空蒸留に供して、最初に溶媒および未反応ハロゲン化アルキルを除去し、次に高割合の完全アルキル化ポリアミンを含有する精製生成物流(望ましくは少なくとも約95重量%、好ましくは少なくとも約98重量%の完全アルキル化ポリアミンを含有する生成物流)を単離することができる。
【0021】
いくつかの態様では、粗反応生成物混合物を蒸留に供して溶媒および未反応ハロゲン化アルキルを除去することができる。次に得られた残渣、すなわちアルキル化ポリアミンおよび無機塩を一次成分として含む混合物を、水相と有機相とに分配することを介して、例えば水相と酢酸エチル相とに分配することにより分離することができる。有機(酢酸エチル)相の分離および乾燥後、回収された材料から溶媒を除去することができ、残留ポリアミン画分を例えば真空蒸留により精製することができる。
【0022】
本発明を例示し、かつ当業者がそれを実施および使用することを支援するために、以下の実施例を提示する。これらの実施例は、本発明の範囲を別途限定するようには決して意図されていない。すべての割合は、別途記述がない限り重量による。
【実施例】
【0023】
実施例1
ペンタエチルジエチレントリアミン(PEDETA)の合成
フリードリヒ冷却器およびオーバーヘッドメカニカルスターラを備えた三つ口丸底フラスコ(3L)を冷却浴に配置した。フラスコにジメチルホルムアミド(DMF、600mL)、炭酸カリウム(348g)およびヨウ化カリウム(23g)を装入した。ヨウ化カリウムが溶解し(淡黄色が得られる)、炭酸カリウムが相当に均一になるまで、混合物を攪拌した。次にジエチレントリアミン(52g)を加えた。得られた反応混合物に均圧添加漏斗からブロモエタン(300g)を効率的な機械的攪拌下で滴下した。ブロモエタンの還流によって発熱反応が生じた(冷却器温度約5℃)。ブロモエタンをすべて加え、発熱が鎮静した後、冷却浴を加熱マントルまたは油浴に取り替えた。次に反応混合物を効率的な攪拌下で還流に設定した(反応温度約40℃; 浴温度約60℃)。終夜攪拌後、反応設定を真空蒸留用に修正し、DMFの大部分(約450mL)を除去した。反応フラスコに残留したペースト状固体を分液漏斗中で水と酢酸エチルとに分配して、無機塩から生成物PEDETAを抽出した。水溶液を3回抽出し、一緒にした酢酸エチル溶液を水および飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して濃縮した。得られた油状残渣を減圧蒸留してPEDETAの純粋画分(61〜82g)を単離した。
【0024】
実施例2
テトラブチルエチレンジアミンの合成
フリードリヒ冷却器およびオーバーヘッドメカニカルスターラを備えた三つ口丸底フラスコ(3L)を冷却浴に配置する。フラスコにジメチルホルムアミド(DMF、500mL)、炭酸カリウム(2.1mol)およびヨウ化カリウム(0.1mol)を装入する。ヨウ化カリウムが溶解し(淡黄色が得られる)、炭酸カリウムが相当に均一になるまで、混合物を攪拌する。次にエチレンジアミン(0.5mol)を反応混合物に加える。得られた反応混合物に均圧添加漏斗から1-クロロブタン(2.2mol)を効率的な機械的攪拌下で滴下する。ハロゲン化アルキルの添加中に、生じうる発熱反応の制御を、反応温度を室温未満に維持するように丸底フラスコ浴を冷却浴で冷却する(例えば冷却器温度約5℃を使用して)ことにより行う。ハロゲン化アルキルをすべて加え、あらゆる発熱が鎮静した後、冷却浴を加熱マントルまたは油浴に取り替える。次に反応混合物を効率的な攪拌下で加熱する(反応温度約50℃; 浴温度約70〜80℃)。終夜加熱後、反応設定を真空蒸留用に修正し、未反応ハロゲン化アルキル、およびDMFの大部分(約400〜450mL)を除去する。反応フラスコ中の得られた残留混合物を分液漏斗中で水と酢酸エチルとに分配して、無機塩からポリアルキル化生成物を分離する。水性画分を酢酸エチルで3回抽出し、一緒にした酢酸エチル溶液を水および飽和食塩水で順次洗浄する。酢酸エチル抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して濃縮する。得られた油状残渣を減圧蒸留してテトラブチルエチレンジアミンの精製画分を単離することができる。
【0025】
実施例3
ペンタプロピルジプロピレントリアミンの合成
フリードリヒ冷却器およびオーバーヘッドメカニカルスターラを備えた三つ口丸底フラスコ(3L)を冷却浴に配置する。フラスコにジメチルホルムアミド(DMF、500mL)、炭酸カリウム(2.6mol)およびヨウ化カリウム(0.1mol)を装入する。ヨウ化カリウムが溶解し(淡黄色が得られる)、炭酸カリウムが相当に均一になるまで、混合物を攪拌する。次にジプロピレントリアミン(0.5mol)を反応混合物に加える。得られた反応混合物に均圧添加漏斗から1-ブロモプロパン(2.7mol)を効率的な機械的攪拌下で滴下する。ハロゲン化アルキルの添加中に、生じうる発熱反応の制御を、反応温度を室温未満に維持するように丸底フラスコ浴を冷却浴で冷却する(例えば冷却器温度約5℃を使用して)ことにより行う。ハロゲン化アルキルをすべて加え、あらゆる発熱が鎮静した後、冷却浴を加熱マントルまたは油浴に取り替える。次に反応混合物を効率的な攪拌下で加熱する(反応温度約40℃; 浴温度約60℃)。終夜加熱後、反応設定を真空蒸留用に修正し、未反応ハロゲン化アルキル、およびDMFの大部分(約400〜450mL)を除去する。反応フラスコ中の残留混合物を分液漏斗中で水と酢酸エチルとに分配して、無機塩からポリアルキル化生成物を分離する。水性画分を酢酸エチルで3回抽出し、一緒にした酢酸エチル溶液を水および飽和食塩水で順次洗浄する。酢酸エチル抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して濃縮する。得られた油状残渣を減圧蒸留してペンタプロピルジプロピレントリアミンの精製画分を単離することができる。
【0026】
実施例4
ヘキサエチルトリエチレンテトラミンの合成
フリードリヒ冷却器およびオーバーヘッドメカニカルスターラを備えた三つ口丸底フラスコ(3L)を冷却浴に配置する。フラスコにジメチルアセトアミド(DMAc、500mL)、炭酸カリウム(3.1mol)およびヨウ化カリウム(0.15mol)を装入する。ヨウ化カリウムが溶解し(淡黄色が得られる)、炭酸カリウムが相当に均一になるまで、混合物を攪拌する。次にトリエチレンテトラミン(0.5mol)を反応混合物に加える。得られた反応混合物に均圧添加漏斗から1-ブロモエタン(3.25mol)を効率的な機械的攪拌下で滴下する。ハロゲン化アルキルの添加中に、生じうる発熱反応の制御を、反応温度を室温未満に維持するように丸底フラスコ浴を冷却浴で冷却する(例えば冷却器温度約5℃を使用して)ことにより行う。ハロゲン化アルキルをすべて加え、あらゆる発熱が鎮静した後、冷却浴を加熱マントルまたは油浴に取り替える。次に反応混合物を効率的な攪拌下で加熱する(反応温度約40℃; 浴温度約60℃)。終夜加熱後、反応設定を真空蒸留用に修正し、未反応ハロゲン化アルキル、およびDMAcの大部分(約400〜450mL)を除去する。反応フラスコ中の残留混合物を分液漏斗中で水と酢酸エチルとに分配して、無機塩からポリアルキル化生成物を分離する。水性画分を酢酸エチルで3回抽出し、一緒にした酢酸エチル溶液を水および飽和食塩水で順次洗浄する。酢酸エチル抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターを使用して濃縮する。得られた油状残渣を減圧蒸留してヘキサエチルトリエチレンテトラミンの精製画分を単離することができる。
【0027】
実施例5
1,1,4,7,7-ペンタエチルジエチレントリアミン(PEDETA)の合成
以下は、PEDETAを作製するために本方法を行うための例示的手順の説明である。本方法は、部分アルキル化トリアミン副生成物、例えば1,1,7,7-テトラエチルジエチレン-トリアミン(Et2N-(CH2)2-NH-(CH2)2-NEt2、TEDETA)をほとんどまたは全く形成せずに、所望の生成物の効率的な生成を可能にする。
【0028】
以下のスキームは、本実施例において実行される反応を記述する。

【0029】
メカニカルスターラおよびフリードリヒ冷却器を備えた500mL三つ口丸底フラスコにDETA(8.2mL; 0.076mol)およびDMF溶媒120mLを装入した。DETAは透明および無色のグレードであることが望ましい。DMFの全量を単一のアリコートとして加えることができ、あるいは、溶媒をより少量に分割し、漏斗、ラインなどを通じて反応混合物に流し込むことが有利である段階において反応混合物に加えることもできる。得られた混合物を機械的に攪拌するように設定し、添加前に微粉末に粉砕されることが好ましいKI(0.252g; 0.0015mol; DETAに対して2mol%)を加えた。KIは混合物にゆっくりと溶解した。溶解がほぼ完了した時点で、添加漏斗を使用して第3の口を通じてブロモエタン(35mL; 0.46mol)を攪拌下で加えた。この添加は、発熱が認められる速度で行われ、反応混合物は白色結晶の形成によって不透明色になった。必要であれば氷水浴を使用して発熱を制御することができる。発熱が観察されない(反応の活性化を低下させる過剰な冷却によって)か、または発熱が制御されず、ブロモエタンの蒸発が生じる場合、収率の損失が観察されうる。ブロモエタンをすべて加えた後、白色結晶は溶解し、反応溶液の色は黄橙色になった。
【0030】
しばらくした後、添加漏斗を粉末漏斗に置き換え、塩基性K2CO3(63.5g; 0.46mol)を単一ロットとして攪拌下で反応混合物に速やかに加え、漏斗をグリース栓に置き換えた。K2CO3は、比較的粗い当初の市販形態よりむしろ微粉末として加えることが好ましい。次に反応混合物を約60℃(浴/マントル温度)に加熱した。混合物の還流が当初は認められたが、約2時間後に停止した。比較的大規模の反応では、この持続時間は多少なりとも比較的長いことがある。次に反応混合物を効率的な攪拌下でさらに1時間連続的に加熱した。
【0031】
反応混合物の小さなアリコート(約0.5mL)を反応混合物から取り出し、エーテル(約0.5〜1mL)および水(約3〜5mL)と共にバイアル管に分配した。エーテル画分を分離し、エーテルを蒸発させた。得られた油状残渣を適切な溶媒に溶解させてガスクロマトグラフィー(塩化メチレン)および1H-NMR(CDCl3)分光分析に供した。粗反応混合物は、主成分としての所望のPEDETAを少量のDMFおよび抽出溶媒と共に含有することがわかった。部分アルキル化生成物TEDETAはこれらのデータから観察されなかった。使用したガスクロマトグラフィー分析の条件下では、PEDETAピークが12分の保持時間で出現した一方で、存在した場合のTEDETAのそれは11分の保持時間で出現したと考えられる。
【0032】
次にバルク反応混合物を濾過して無機塩を除去し、これを酢酸エチルで洗浄した。一緒にした濾液を水と酢酸エチルとに分配した。酢酸エチルおよびエーテルはいずれも抽出溶媒として十分に働く。酢酸エチルはより多くの生成物を水相から典型的に抽出するが、より多くのDMFを有機相に抽出しもする。エーテルはより少ないDMFを抽出するが、PEDETA生成物の一部を水層に残す傾向もある。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、シリカゲルプラグに通した。ロータリーエバポレーター(rotavapor)を使用して乾燥濾液を蒸発させ、透明でほぼ無色の油状粗生成物を得た。粗生成物を減圧蒸留した(70〜73℃/50〜100mTorr)。1H-NMRデータ(CDCl3, δppm): 1.02 (m, 15 H), 2.54 (m 18 H); MS m/z: 86 (100%), 100, 157。この規模でのいくつかの試みの収率は50〜68%の範囲であり、約55%のPEDETAの収率がこの規模で一般的に得られた。
【0033】
反応を比較的大規模で実行する場合、後処理プロセスを以下のように修正することが有利でありうる。反応混合物を加熱する所要期間の後、反応フラスコを室温に冷却し、エーテルおよび/または酢酸エチルを混合物に加えることで、DMFを希釈し、大部分の無機物の析出を促進する。次に希釈混合物を濾過し、濾液を適切なサイズのシリカゲルプラグに通す。こうして収集された濾液をロータリーエバポレーター上で濃縮してエーテル/酢酸エチルを除去し、DMF中の生成物の残留溶液を減圧分留する。したがって、最初にDMFを約25〜30℃、500mTorrで留去し、次に生成物PEDETAを75〜80℃、約200mTorr(または65〜70℃、約80〜100mTorr)で回収する。このアプローチは後処理プロセスを単純化し、水溶液中の生成物収率の損失を回避させることができる。
【0034】
例示的態様
以下では、本明細書に記載の主題のいくつかの例示的態様に言及する。以下の態様は、本明細書に記載の主題の様々な特徴、特性および/または利点を含みうる、いくつかの選択される態様のみを例示する。したがって、以下の態様は、すべての可能な態様を包括するものと考えるべきではない。
【0035】
一態様によれば、ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンは、オリゴアルキレンポリアミンと
(a) 臭化アルキルおよび/または塩化アルキル;
(b) 塩基性剤; ならびに
(c) ヨウ化物塩
を含む試薬組成物とを接触させる工程を含む方法により生成される。
【0036】
オリゴアルキレンポリアミンと試薬組成物とを極性非プロトン性有機溶媒などの溶媒の存在下で接触させることができる。極性非プロトン性有機溶媒はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよび/またはN-メチル-2-ピロリジノンを含みうる。好適な極性非プロトン性有機溶媒の例としては、少なくとも約90体積%のジメチルホルムアミドまたは少なくとも約90体積%のジメチルアセトアミドを含有する極性非プロトン溶媒が挙げられる。いくつかの場合、溶媒は低級アルコール、例えばC1〜C4アルカノール、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノールおよび/またはn-ブタノールを含みうる。
【0037】
いくつかの態様では、臭化アルキルおよび/または塩化アルキル中のアルキル基はC2〜C10アルキル、望ましくはC2〜C6アルキル、一般的にはエチルまたはn-プロピル基でありうる。
【0038】
いくつかの態様では、塩基性剤は炭酸塩を含む。例えば、塩基性剤は炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび/または炭酸カルシウムを含みうる。いくつかの態様では、塩基性剤はアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムおよび/または炭酸カリウムを含みうる。塩基性剤は、少なくとも約11のpKaを有する有機塩基を含む。いくつかの態様では、塩基性剤は立体障害アミン、例えばN,N-ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基を含みうる。
【0039】
いくつかの態様では、ヨウ化物塩はアルカリ金属ヨウ化物、ヨウ化ナトリウムおよび/またはヨウ化カリウムを含みうる。
【0040】
いくつかの態様では、塩基性剤は炭酸カリウムを含み、ヨウ化物塩はヨウ化カリウムを含み、試薬組成物は、アルキル基がC2〜C4 n-アルキル基である臭化アルキルを含む。他の態様では、塩基性剤は炭酸カリウムを含み、ヨウ化物塩はヨウ化カリウムを含み、試薬組成物は、アルキル基がC3〜C6 n-アルキル基である塩化アルキルを含む。
【0041】
いくつかの態様では、オリゴアルキレンポリアミンはアルキレンジアミン、ジアルキレントリアミンまたはトリアルキレンテトラミンである。アルキレンジアミンはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミンまたはヘキシレンジアミンでありうる。ジアルキレントリアミンはジエチレントリアミンまたはジプロピレントリアミンでありうる。トリアルキレンテトラミンはトリエチレンテトラミンまたはトリプロピレンテトラミンでありうる。
【0042】
いくつかの態様では、反応中に形成されるポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンはペンタアルキルジアルキレントリアミン、例えばペンタアルキルジエチレントリアミンまたはペンタアルキルジプロピレントリアミンでありうる。他の態様では、反応中に形成されるポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンはテトラアルキルアルキレンジアミン、例えばテトラアルキルエチレンジアミン(例えばN,N,N',N'-テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA))またはテトラアルキルプロピレンジアミンでありうる。他の態様では、反応中に形成されるポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンはペンタ-(n-アルキル)-ジエチレントリアミンおよび/またはテトラ-(n-アルキル)-エチレンジアミン、例えばN,N,N',N'',N''-ペンタエチルジエチレントリアミン(PEDETA)でありうる。他の態様では、反応中に形成されるポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンはペンタ-(n-アルキル)-ジプロピレントリアミンまたはテトラ-(n-アルキル)プロピレンジアミンでありうる。
【0043】
いくつかの態様では、ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンは、
(a) オリゴアルキレンポリアミン; 塩基性剤; ヨウ化物塩; および極性非プロトン性有機溶媒を含む第1の混合物を形成する工程;
(b) 臭化アルキルおよび/または塩化アルキルを第1の混合物に加えて第2の混合物を形成する工程; ならびに
(c) 第2の混合物を数時間(例えば2〜24時間、望ましくは少なくとも約5〜10時間)加熱して粗反応生成物混合物を形成する工程
を含む方法により生成される。
【0044】
臭化アルキルおよび/または塩化アルキルを第1の混合物に滴下して第2の混合物を形成することができる。典型的には、臭化アルキルおよび/または塩化アルキルを第1の混合物に、反応温度を約50〜100℃に維持する速度で加える。特定の態様は、粗反応生成物混合物を蒸留に供して未反応ハロゲン化アルキルおよび/または極性非プロトン性有機溶媒の少なくとも一部を除去し、それにより蒸留残渣を形成する工程をさらに含みうる。特定の態様は、蒸留残渣を真空蒸留に供して精製ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミン画分を得る工程をさらに含みうる。
【0045】
いくつかの態様では、粗反応生成物混合物を室温(約25℃)に冷却した後、第2の溶媒で希釈することで、存在する無機成分の大部分の析出を促進することができる。好適には、第2の溶媒は脂肪族エーテルまたはエステル、例えばジアルキルエーテル、環状エーテルおよび/または酢酸アルキル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよび/または酢酸エチルでありうる。次に希釈反応生成物混合物を濾過して生成物濾液を得ることができる。所望であれば、生成物濾液を例えば上記の真空蒸留を介してさらに精製することができる。
【0046】
特定の態様は、水流と有機(例えば酢酸エチルおよび/またはジエチルエーテルなどの非塩素化溶媒)流とに蒸留残渣を分離する工程をさらに含みうる。特定の態様は、溶媒を有機流から除去してポリアミン濃縮残渣を得る工程をさらに含みうる。特定の態様は、ポリアミン濃縮残渣を蒸留して精製ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミン画分を得る工程をさらに含みうる。
【0047】
本発明の範囲および真意を逸脱することなく、本明細書に開示される方法および組成物に様々な置換および修正を加えることができることは、当業者には容易に明らかであろう。使用された用語および表現は、限定ではなく記述の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用において、提示および記述される特徴の任意の均等物またはその一部を排除するという意図はなく、本発明の範囲内で様々な修正が可能であると認識される。したがって、具体的な態様および任意的な特徴により本発明を説明してきたが、本明細書に開示される概念の修正および/または変形を当業者が使用することができること、および、そのような修正および変形が本発明の範囲内であると考えられることを理解すべきである。
【0048】
さらに、本発明の特徴または局面を代替物のマーカッシュ群または他の群に関して記述する場合、当業者は、本発明がマーカッシュ群または他の群の任意の個々のメンバーまたはメンバーの部分群に関してもそれによって記述されることを認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリゴアルキレンポリアミンと
(a) 臭化アルキルおよび/または塩化アルキル;
(b) 塩基性剤; ならびに
(c) ヨウ化物塩
を含む試薬組成物とを接触させる工程
を含む、ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンを調製する方法。
【請求項2】
オリゴアルキレンポリアミンと試薬組成物とを接触させる工程が溶媒の存在下で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
溶媒が極性非プロトン性有機溶媒である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
極性非プロトン性有機溶媒がジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよび/またはN-メチル-2-ピロリジノンを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
極性非プロトン性有機溶媒が少なくとも約90体積%のジメチルホルムアミドを含む、請求項3記載の方法。
【請求項6】
極性非プロトン性有機溶媒が少なくとも約90体積%のジメチルアセトアミドを含む、請求項3記載の方法。
【請求項7】
臭化アルキルおよび/または塩化アルキル中のアルキル基がC2〜C10アルキル、望ましくはC2〜C6アルキル、一般的にはエチルまたはn-プロピルである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
塩基性剤が炭酸塩を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
塩基性剤が炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび/または炭酸カルシウムを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
塩基性剤がアルカリ金属炭酸塩を含む、請求項8記載の方法。
【請求項11】
ヨウ化物塩がアルカリ金属ヨウ化物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
塩基性剤が炭酸カリウムを含み、ヨウ化物塩がヨウ化カリウムを含み、試薬組成物が、アルキル基がC2〜C4 n-アルキル基である臭化アルキルを含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
オリゴアルキレンポリアミンと試薬組成物とを接触させる工程が、ジメチルホルムアミドを含む極性非プロトン性有機溶媒の存在下で行われる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
塩基性剤が炭酸カリウムを含み、ヨウ化物塩がヨウ化カリウムを含み、試薬組成物が、アルキル基がC3〜C6 n-アルキル基である塩化アルキルを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
オリゴアルキレンポリアミンと試薬組成物とを接触させる工程が、ジメチルホルムアミドを含む極性非プロトン性有機溶媒の存在下で行われる、請求項14記載の方法。
【請求項16】
オリゴアルキレンポリアミンがアルキレンジアミン、ジアルキレントリアミンまたはトリアルキレンテトラミンである、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
アルキレンジアミンがエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミンまたはヘキシレンジアミンである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
ジアルキレントリアミンがジエチレントリアミンまたはジプロピレントリアミンである、請求項16記載の方法。
【請求項19】
トリアルキレンテトラミンがトリエチレンテトラミンまたはトリプロピレンテトラミンである、請求項16記載の方法。
【請求項20】
ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンがペンタアルキルジアルキレントリアミン、例えばペンタアルキルジエチレントリアミンまたはペンタアルキルジプロピレントリアミンである、請求項1記載の方法。
【請求項21】
ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンがテトラアルキルアルキレンジアミン、例えばテトラアルキルエチレンジアミンまたはテトラアルキルプロピレンジアミンである、請求項1記載の方法。
【請求項22】
ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンがペンタ-(n-アルキル)-ジエチレントリアミンおよび/またはテトラ-(n-アルキル)-エチレンジアミンである、請求項1記載の方法。
【請求項23】
ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンがN,N,N',N'',N''-ペンタエチルジエチレントリアミン(PEDETA)である、請求項1記載の方法。
【請求項24】
ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンがN,N,N',N'-テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA)である、請求項1記載の方法。
【請求項25】
ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンがペンタ-(n-アルキル)-ジプロピレントリアミンおよび/またはテトラ-(n-アルキル)-プロピレンジアミンである、請求項1記載の方法。
【請求項26】
溶媒が低級アルコールを含む、請求項2記載の方法。
【請求項27】
塩基性剤が、少なくとも約11のpKaを有する有機塩基を含む、請求項1記載の方法。
【請求項28】
有機塩基が立体障害アミンを含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
有機塩基がN,N-ジイソプロピルエチルアミンを含む、請求項27記載の方法。
【請求項30】
(a) オリゴアルキレンポリアミン; 塩基性剤; ヨウ化物塩; および極性非プロトン性有機溶媒を含む第1の混合物を形成する工程;
(b) 臭化アルキルおよび/または塩化アルキルを第1の混合物に加えて、第2の混合物を形成する工程; ならびに
(c) 第2の混合物を加熱して、粗反応生成物混合物を形成する工程
を含む、ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミンを調製する方法。
【請求項31】
粗反応生成物混合物を蒸留に供して、未反応ハロゲン化アルキルおよび/または極性非プロトン性有機溶媒の少なくとも一部を除去し、それにより蒸留残渣を形成する工程
をさらに含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
水流と有機(例えば酢酸エチル)流との間で蒸留残渣を分離する工程をさらに含む、請求項31記載の方法。
【請求項33】
溶媒を有機流から除去して、ポリアミン濃縮残渣を得る工程をさらに含む、請求項32記載の方法。
【請求項34】
ポリアミン濃縮残渣を蒸留して、精製ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミン画分を得る工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
蒸留残渣を真空蒸留に供して、精製ポリアルキル化オリゴアルキレンポリアミン画分を得る工程をさらに含む、請求項30記載の方法。
【請求項36】
臭化アルキルおよび/または塩化アルキルを第1の混合物に滴下して、第2の混合物を形成する、請求項30記載の方法。
【請求項37】
臭化アルキルおよび/または塩化アルキルを第1の混合物に、反応温度を約50〜100℃に維持する速度で加える、請求項30記載の方法。
【請求項38】
加熱工程中に第2の混合物を約50〜100℃に維持する、請求項30記載の方法。
【請求項39】
粗反応生成物混合物を冷却する工程;
冷却粗反応生成物を第2の溶媒で希釈する工程; および
希釈粗反応生成物を濾過して、無機成分を除去する工程
をさらに含む、請求項30記載の方法。
【請求項40】
第2の溶媒がジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチルまたはその混合物を含む、請求項39記載の方法。

【公表番号】特表2013−518901(P2013−518901A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552112(P2012−552112)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2011/023762
【国際公開番号】WO2011/097490
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(512192129)エヌディーエスユー リサーチ ファウンデーション (2)
【Fターム(参考)】