説明

ポリイミドチューブ、その製造方法、及び定着ベルト

【課題】安価に製造可能であって、優れた耐久性とともに優れたオフセット性を奏するポリイミドチューブ、前記ポリイミドチューブの製造方法、及び前記ポリイミドチューブを基材として用い、耐久性及びオフセット性に優れた定着ベルトを提供する。
【解決手段】、剛性に優れたポリイミド樹脂と可撓性に優れた柔軟なポリイミド樹脂を30:70〜70:30の質量比で含有するベース樹脂に、前記ベース樹脂の体積に対して、黒鉛を20〜50体積%、高導電性カーボンブラック粒子を3体積%以上及びカーボンナノチューブを0.5体積%以上配合してなることを特徴とするポリイミドチューブ、該ポリイミドチューブの製造方法、及び該ポリイミドチューブを基材とする定着ベルト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の定着ベルトの作製等に用いられるポリイミドチューブに関する。より具体的には、耐折耐久性等の機械的強度が高いとともに、静電気を蓄積しにくく定着ベルトに使用されたときにオフセット現象を生じにくいポリイミドチューブに関する。本発明は、また、前記のポリイミドチューブの製造方法、及び前記のポリイミドチューブをベルト基材とする定着ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式を利用した複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置においては、露光工程、現像工程、転写工程を通してトナー像を被転写材(記録紙等)上に形成した後、トナー像を定着する画像形成プロセスが行われている。定着方法としては、定着ローラと加圧ローラの間に、未定着のトナー像を載せた被転写材を通過させ、両ローラ間で加圧するとともに定着ローラ内に設けられた加熱源により加熱する方法が広く採用されている。
【0003】
定着ローラとして、特許文献1等ではSUSチューブが開示されている。しかし、SUSチューブは、材料費及び加工費が高く価格上の問題があるとともに、可撓性に乏しく、紙の巻き込み等が生じた際端部等に割れが発生しやすい等の問題がある。そこで、耐熱性の樹脂製チューブ、特に耐熱性、機械的強度等に優れているポリイミド樹脂を基材としたポリイミドチューブが提案されている。そして、このポリイミドチューブとして加撓性があるものを用い、その外表面に、離型性を付与するためのフッ素樹脂層を設けてなるエンドレスベルト(定着ベルト)が広く用いられている。
【0004】
図1は、このような定着ベルトを使用した定着工程を模式的に示す断面図である。図に示すように、定着ベルト1を介して、加熱手段(ヒータ)2により、被転写材4上の未定着トナー像5を加熱するとともに加圧ローラ3により加圧して定着し、定着トナー像6が形成される。
【0005】
電源投入後の待ち時間の短縮、消費電力の低減、定着速度の高速化、定着温度の低温化等を達成させるため、定着ローラには高い熱伝導性が望まれる。そして、熱伝導性を改良するために、ポリイミドチューブ中への熱伝導性無機フィラーの配合が提案されている。例えば、特許文献2には、ポリイミド中に熱伝導性に優れた無機フィラーを配合したチューブからなる内層及びその外表面にフッ素樹脂層を設けた定着ベルトが開示されている。無機フィラーの具体例としては、窒化ホウ素(BN)等が挙げられている。
【0006】
定着ローラ用のポリイミドチューブについては、特許文献3にも、BN及び針状無機熱伝導フィラーを含むポリイミドを使用した例が、又、特許文献4には、針状無機熱伝導フィラーを含むポリイミドからなり、針状無機熱伝導フィラーがチューブの周方向に配向している例が開示されている。さらに、特許文献5には、周方向に配向した針状無機熱伝導フィラーを15容量%以上分散しているポリイミドチューブ、及びディスペンサー法を用いることを特徴とする当該ポリイミドチューブの作製方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−40425号公報
【特許文献2】特開平8−80580号公報
【特許文献3】WO08/044643号公報
【特許文献4】特開2004−195989号公報
【特許文献5】特開2009−156965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
定着ローラ用のポリイミドチューブには、優れた耐熱性、機械的強度、熱伝導性等とともに、長期間の使用にも耐えられる優れた耐久性や鮮明な画像を得るための優れた画像性(オフセット性)が望まれる。ここで、オフセット性とは、トナー画像を熱で定着させる場合に発生するオフセット現象を防ぐ性質を言い、オフセット現象とは、トナーの一部が定着ベルト上に転移し定着ベルトが一周した後転写紙上に戻り、画面上ゴーストとなる現象である。
【0009】
特許文献5に記載のポリイミドチューブは、優れた機械的強度等とともに優れたオフセット性を示す。しかし、これらの効果を充分に得るためにはカーボンナノチューブ(CNT)やBN等の高価なフィラーを多量にかつ配向させて配合する必要があり、生産コスト面で問題があった。さらに、近年は、さらに優れた画像性が求められる場合が増えており、画像性のさらなる改善が望まれている。
【0010】
本発明は、安価なフィラーを用いCNT等の高価なフィラーの添加量を少なくできる等により安価に製造可能であって、優れた耐久性とともに優れたオフセット性を奏するポリイミドチューブを提供することを課題とする。本発明は、又、前記ポリイミドチューブの製造方法を提供することを課題とする。本発明は、さらに、前記ポリイミドチューブを基材として用い、耐久性及びオフセット性に優れた定着ベルトを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、ポリイミドチューブの電気抵抗を低下させて静電気の蓄積を防げば、オフセット性、画像性が向上すること、そして、ポリイミドチューブに、黒鉛および高導電性カーボンブラック粒子を配合することにより、電気抵抗を低下でき、かつCNT等の配合量が少量であっても優れたオフセット性、画像性が得られることを見出した。本発明者は、さらに、ベース樹脂として、柔軟性が高いポリイミドを所定の範囲で配合したポリイミドを用いれば、黒鉛、高導電性カーボンブラック粒子を大量に配合した場合でも、高い耐折耐久性が得られ、その結果実機での使用における耐久性も増すことを見出し、本発明を完成した。
【0012】
請求項1に記載の発明は、
下記式(A)
【0013】
【化1】

【0014】
で表される繰り返し単位を主構成単位とするポリイミド樹脂A、並びに
下記式(B)
【0015】
【化2】

【0016】
で表される繰り返し単位を主構成単位とするポリイミド樹脂B、又は/及び
下記式(C)
【0017】
【化3】

【0018】
で表される繰り返し単位を主構成単位とするポリイミド樹脂Cを含有し、
(ポリイミド樹脂A):(ポリイミド樹脂B+ポリイミド樹脂C)が、質量比で30:70〜70:30であるベース樹脂に、
前記ベース樹脂の体積に対して、黒鉛を20〜50体積%、高導電性カーボンブラック粒子を3体積%以上及びCNTを0.5体積%以上配合してなることを特徴とするポリイミドチューブである。
【0019】
このポリイミドチューブは、電気抵抗が低く静電気の蓄積が抑制されているので優れたオフセット性、画像性が得られる。さらにこのポリイミドチューブは、耐折耐久性が高く、実機の使用でも優れた耐久性を示すものである。
【0020】
このポリイミドチューブは、ベース樹脂が、ポリイミド樹脂A、並びに、ポリイミド樹脂B及び/又はポリイミド樹脂Cを含有し、これらのポリイミド樹脂を前記の質量比で含有していることを特徴とする。すなわち、ポリイミド樹脂A:ポリイミド樹脂Bが30:70〜70:30の質量比で含有されている場合、ポリイミド樹脂A:ポリイミド樹脂Cが30:70〜70:30の質量比で含有されている場合、及びポリイミド樹脂Bとポリイミド樹脂Cをともに含有しその合計の質量と、ポリイミド樹脂Aの質量の比が30:70〜70:30である場合である。
【0021】
ポリイミド樹脂A、ポリイミド樹脂B及びポリイミド樹脂Cは、それぞれ、前記の式(A)、式(B)及び式(C)で表される繰り返し単位を主構成単位とする。主構成単位とするとは、前記式で表される繰り返し単位のみからなる、又は前記式で表される繰り返し単位が最大の構成比を占めるが本発明の趣旨を損ねない範囲で他の構成単位も含有する共重合体である、ことを意味する。又、ベース樹脂は、ポリイミド樹脂A並びにポリイミド樹脂B及び/又はポリイミド樹脂Cのみから構成されてもよいが、本発明の趣旨を損ねない範囲で他の樹脂を含有してもよい。
【0022】
ポリイミド樹脂Aは、剛性に優れたポリイミド樹脂であり、ポリイミド樹脂B及びポリイミド樹脂Cは、可撓性に優れた柔軟なポリイミド樹脂である。本発明のポリイミドチューブは、このような剛性に優れたポリイミド樹脂及び可撓性に優れた柔軟なポリイミド樹脂を、前記の所定の割合で混合することにより、黒鉛等の無機フィラーを大量に配合した場合でも、優れた耐折耐久性が得られることを特徴とする。可撓性に優れた柔軟なポリイミド樹脂の割合が、ポリイミド樹脂の全量に対して30質量%未満の場合、70質量%を超える場合のいずれでも耐折耐久性が低下する。
【0023】
本発明のポリイミドチューブは、前記のベース樹脂に、ベース樹脂の体積を基準として、黒鉛を20〜50体積%、高導電性カーボンブラック粒子を3体積%以上及びCNTを0.5体積%以上配合することも特徴とする。黒鉛、高導電性カーボンブラック粒子及びCNTを前記の割合で配合することにより、ポリイミドチューブの抵抗値を下げることができ、その結果優れたオフセット性、画像性が得られる。黒鉛の配合割合が50体積%を超える場合は、耐折耐久性が低下する。又、高導電性カーボンブラック粒子やCNTは20体積%程度までは配合可能と考えられるが、ポリイミドチューブの製造コストを考慮すれば、高導電性カーボンブラック粒子の配合割合は15体積%以下、CNTの配合割合は3体積%以下程度が好ましい。
【0024】
黒鉛の粒径は特に限定されない。例えば、粒径3μm程度のものから30μm程度のものを用いることができる。又、α黒鉛、β黒鉛のいずれも用いることができる。
【0025】
高導電性カーボンブラック粒子とは、高密度ポリエチレン樹脂に10質量%配合したときの体積抵抗値を20Ω・cm以下とすることができるカーボンブラック粒子を意味する。例えば、中空シェル状のファーネスブラック粒子でありケッチェンブラックとの商品名(ケッチェンブラックインターナショナル社製)で市販されているカーボンブラック粒子を使用することができる。
【0026】
CNTは、ナノサイズの円筒状カーボンである。CNTとしては、アスペクト比が50〜1000程度であり黒鉛構造型のCNTが好ましい。単層型(single wall)CNTと内部が同心円状になった構造を有している複層型(multi−wall)CNTのいずれも用いることができるが、コストを考慮すれば複層型が好ましい。CNTの製法は、特に限定されないが、CNTの径を制御しやすく、量産性にも優れた気相成長法が好ましい製造法として挙げることができる。
【0027】
CNTの短軸径(直径)は、通常300nm以下、好ましくは200nm以下であり、長さは、通常50μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である。カーボンナノチューブの短軸径及び長軸径が大きすぎると、ポリイミドワニスに分散したときの分散性が低下傾向を示し、機械的強度と熱伝導率が低下したり、表面の平滑性が損なわれるおそれがある。
【0028】
本発明において、ポリイミド樹脂組成物中には、本発明の目的を損なわない範囲で、黒鉛、高導電性カーボンブラック粒子及びCNTに加えて、他の無機フィラーを加えてもよい。例えば、より高い熱伝導率を得るために、BN等の高熱伝導性フィラーを加えてもよい。
【0029】
請求項2に記載の発明は、ポリイミド樹脂A:(ポリイミド樹脂B+ポリイミド樹脂C)が、質量比で50:50〜60:40であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドチューブである。剛性に優れたポリイミド樹脂と可撓性に優れた柔軟なポリイミド樹脂の混合割合が50:50〜60:40となる範囲においては、さらに優れた耐折耐久性を得ることができるので好ましい。
【0030】
請求項3に記載の発明は、前記ベース樹脂の体積に対して、黒鉛を30〜40体積%、高導電性カーボンブラック粒子が5〜10体積%、CNTが1〜3体積%以上配合してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリイミドチューブである。黒鉛の配合割合を30〜40体積%とし、高導電性カーボンブラック粒子の配合割合を5体積%以上とし、かつCNTの配合割合を1体積%以上とすることにより、ポリイミドチューブの電気抵抗をより低い値とすることができ、さらに優れたオフセット性、画像性を得ることができる。又、高導電性カーボンブラック粒子の配合割合を10体積%以下とし、かつCNTの配合割合を3体積%以下とすることにより、ポリイミドチューブの製造コストを抑えることができ、経済的に有利である。
【0031】
請求項4に記載の発明は、厚みが10〜150μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のポリイミドチューブである。
【0032】
ポリイミドチューブの厚み、外径、長さ等は、所望の機械的強度や用途等に応じて適宜選択することができる。本発明のポリイミドチューブを、電子写真方式の画像形成装置における定着ベルトの基材として使用する場合には、ポリイミドチューブの厚みを通常10〜150μm、好ましくは20〜120μm、より好ましくは30〜100μmとし、その外径を通常5〜100mm、好ましくは10〜50mmとする。ポリイミドチューブの長さは、例えば、コピー用紙等の被転写材の大きさに応じて、適宜設定することができる。
【0033】
本発明のポリイミドチューブは、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を溶解し、黒鉛、高導電性カーボンブラック粒子、CNT等のフィラーを分散してなるポリイミドワニス分散液を、膜状に成型し、焼結して得た膜を筒状とする方法、又はポリイミドワニス分散液の筒状の膜を形成した後焼結する方法等により製造することができる。焼結により、有機溶媒が除去されるとともに、ポリイミド前駆体がポリイミド化して、ポリイミド樹脂からなるチューブが形成される。従って、焼結は、ポリイミド前駆体がポリイミド化する高温で行われる。ポリイミドワニス分散液を構成する有機溶媒としては、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
【0034】
ポリイミドワニス分散液の筒状の膜を形成する方法としては、ポリイミドワニス分散液を、円柱状または円筒状芯体の表面に、ディスペンサーを用いて塗布して塗布層を形成する方法(ディスペンサー法)等を挙げることができる。
【0035】
請求項5に記載の発明は、このディスペンサー法により、前記のポリイミドチューブを製造する方法である。すなわち、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のポリイミドチューブの製造方法であって、
円柱状芯体の外面(外表面)又は円筒状芯体の外面もしくは内面(内表面)に、ディスペンサー供給部の吐出口を近接又は接触し、
前記芯体を回転させながら、かつ前記吐出口を芯体の回転軸方向に相対的に移動させながら、
前記吐出口より、前記円柱状芯体の外面上又は円筒状芯体の外面上もしくは内面上に、ポリイミドワニス分散液を連続的に供給して塗布層を形成する工程、
前記塗布層の形成後、前記塗布層を固化する工程、及び
前記固化後、前記芯体から塗布層を脱型する工程を有することを特徴とするポリイミドチューブの製造方法である。
【0036】
ここで、ポリイミドワニス分散液は、ポリイミド樹脂A、並びにポリイミド樹脂B及び/又はポリイミド樹脂Cのそれぞれの前駆体(ポリアミック酸)を溶解し、黒鉛、高導電性カーボンブラック粒子、CNT等のフィラーを分散してなるものである。又、塗布層を固化するとは、塗布層を、ポリイミド前駆体がイミド化反応してポリイミド樹脂となるように焼結する場合も意味するが、塗布層の脱型が可能な程度まで固化されている限りは、イミド化反応が行われていない場合又は不十分に行われている場合でもよい。
【0037】
このディスペンサー法によるポリイミドチューブの製造方法によれば、CNT等の針状フィラーを周方向に配向させることができる。針状フィラーの周方向の配向度を高くすることにより、圧縮強度が向上しこの点からもオフセット性が向上する。さらに引張強度を高める、定着ベルトとして用いられたときの駆動時のねじれ変形や座屈による潰れ等を抑制することができるとの効果も得られる。
【0038】
本発明のポリイミドチューブは、定着ベルトの基材として用いることができる。本発明は、請求項6として、前記本発明のポリイミドチューブを含むベルト基材と、前記ベルト基材の外周面に、直接または接着剤層を介して、設けられているフッ素樹脂層からなることを特徴とする定着ベルトを提供する。
【0039】
本発明の定着ベルトを構成する前記ベルト基材は、前記本発明のポリイミドチューブ、すなわち電気抵抗が低いポリイミドチューブ(低抵抗ポリイミドチューブ)のみからなるものでもよいが、本発明の趣旨を損ねない範囲で、前記本発明の低抵抗ポリイミドチューブの内層及び/又は外層側に他のポリイミドチューブを設けた多層のポリイミドチューブからなるものでもよい。例えば、本発明の定着ベルトの態様としては、(1)ベルト基材が低抵抗ポリイミドチューブのみからなりその外表面にフッ素樹脂層を有するもの、(2)ベルト基材が低抵抗ポリイミドチューブ及びその外層側に設けられた通常のポリイミドチューブ(公知の通常のポリイミドからなるチューブ)からなり、このベルト基材の外表面(すなわち通常のポリイミドチューブの外表面)にフッ素樹脂層を有するもの、(3)ベルト基材が低抵抗ポリイミドチューブ及びその内層側に設けられた通常のポリイミドチューブからなり、このベルト基材の外表面(すなわち低抵抗ポリイミドチューブの外表面)にフッ素樹脂層を有するもの、を挙げることができる。
【0040】
ベルト基材を、低抵抗ポリイミドと通常のポリイミドの2層から構成すると、良好なオフセット性、画像性を保ちつつ、更に耐久性を高くすることができるので好ましい。前記のように低抵抗ポリイミドチューブは、ベルト基材の内側、外側のどちらに設けても良いが、ヒーター等の部品は内側に設置されることから、内側は耐摩擦性に優れる通常のポリイミドチューブとし、外側に低抵抗ポリイミドチューブを設ける場合が通常は好ましい。
【0041】
本発明の定着ベルトは、本発明の低抵抗ポリイミドチューブを含むベルト基材の外周面にフッ素樹脂ワニスを塗布し高温で焼結する方法により製造することができる。本発明のポリイミドチューブは、この高温での焼結に耐え得る耐熱性を有している。本発明の定着ベルトは、電子写真方式の画像形成装置における定着ユニット等に、好適に使用される。
【発明の効果】
【0042】
本発明のポリイミドチューブは、安価に製造可能であって、優れた耐久性とともに優れたオフセット性を奏するものである。この優れたポリイミドチューブは本発明のポリイミドチューブの製造方法により製造することができる。さらに、このポリイミドチューブを基材として用いた本発明の定着ベルトは、耐久性及びオフセット性に優れた定着ベルトであり、電子写真方式の画像形成装置における定着ユニット等に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】定着ベルトを用いた定着方式を示す説明図である。
【図2】ディスペンサー法による塗布法を示す説明図である。
【図3】定着ベルトの一例の層構成を示す断面図である。
【図4】定着ベルトの他の一例の層構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の具体的な形態を説明する。なお、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
【0045】
本発明で使用するポリイミド樹脂A、ポリイミド樹脂B及びポリイミド樹脂Cは、前記の式で表される繰返し単位のみからなる単独重合体であってもよいが、前記の式で表される繰返し単位を最大の構成単位としながらも、(本発明の趣旨を損ねない範囲で)他の構成単位も含有する共重合体であってもよい。ポリイミド樹脂Aの単独重合体を得るためには、モノマーとして、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとを用いてポリイミド前駆体を合成し、該ポリイミド前駆体をイミド化すればよい。ポリイミド樹脂Bの単独重合体を得るためには、モノマーとして、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとを用いてポリイミド前駆体を合成し、該ポリイミド前駆体をイミド化すればよい。ポリイミド樹脂Cの単独重合体を得るためには、モノマーとして、ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとを用いてポリイミド前駆体を合成し、該ポリイミド前駆体をイミド化すればよい。ポリイミド前駆体の合成においては、酸二無水物成分とジアミン成分はほぼ等モルの割合で使用する。
【0046】
ポリイミド樹脂Aが共重合体である場合の他の構成単位としては、例えば、下記式(F)
【0047】
【化4】

【0048】
で表される構成単位や下記式(G)
【0049】
【化5】

【0050】
で表される構成単位を挙げることができる。
【0051】
ポリイミド樹脂Bが共重合体である場合の他の構成単位としては、例えば、下記式(D)
【0052】
【化6】

【0053】
で表される構成単位を挙げることができる。
【0054】
ポリイミド樹脂Cが共重合体である場合の他の構成単位としては、例えば、下記式(E)
【0055】
【化7】

【0056】
で表される構成単位を挙げることができる。
【0057】
図2は、本発明の製造方法に用いられるディスペンサー法の説明図である。図2に示すように、円柱状芯体24を周方向に回転させながら、ポリイミドワニス分散液をディスペンサーの供給部21から連続的に、円柱状芯体24の外面に供給する。該供給部の吐出口22は、該芯体24の外面に接触させる。なお、芯体としては、円柱状芯体24の代わりに、円筒状芯体を用いることが出来、この場合も図2の場合と同様に、芯体の外面にポリイミドワニス分散液を供給することもできるが、芯体の内部に、ディスペンサーの供給部の吐出口を接触させて、芯体の内面にポリイミドワニス分散液を供給することもできる。
【0058】
ポリイミドワニス分散液をディスペンサーの供給部21の吐出口22から連続的に供給するとともに、該供給部21を芯体の回転軸方向に相対的に移動させると、供給したポリイミドワニス分散液が螺旋状に塗布されて塗布層23が形成される。通常、ディスペンサー供給部21を芯体24の回転軸方向に移動させるが、芯体24を回転させながらディスペンサー供給部21に対して回転軸方向に移動させてもよい。回転速度及び移動の速度は、芯体24の表面に隙間無くポリイミドワニス分散液が塗布され、螺旋状に塗布されたポリイミドワニス分散液の隣接部分が結合して均一な塗布層を形成できる速度とする。ディスペンサー供給部の吐出口22は、通常、ノズルとなっている。
【0059】
この塗布工程の後、常法により、ポリイミドワニス分散液を加熱硬化(イミド化)すると、強固な薄いチューブ状のフィルムが生成する。その後、該芯体からチューブを取り出すこと(脱型)により、ポリイミドチューブを得ることができる。塗布工程後、完全にイミド化することなく、塗布層が少なくともチューブとしての構造を保持しうる強度を有するまで固化したチューブを芯体表面から塗布層を取り外し(脱型)、脱型後に該チューブを加熱硬化(イミド化)させてもよい。
【0060】
ポリイミド前駆体(「ポリアミド酸」または「ポリアミック酸」ともいう)は、芳香環の隣接する位置にカルボキシル基及びアミド基を有するが、イミド化とは、このカルボキシル基及びアミド基を脱水閉環してポリイミド化する反応である。イミド化は、ポリイミド前駆体を、最高温度350℃から450℃まで加熱することにより行われる。
【0061】
この製造方法に用いられるポリイミドワニス分散液は、固形分として、ポリイミド前駆体と、黒鉛、高導電性カーボンブラック粒子及びCNT等のフィラーを含有するポリイミドワニスである。前記ポリイミド前駆体を溶解し、前記フィラーを分散する有機溶剤としては、前記のN−メチルピロリドン以外にもジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)等を挙げることができる。
【0062】
ポリイミドワニス分散液の25℃での粘度は、好ましくは100〜15000ポイズ、より好ましくは100〜3000ポイズである。ポリイミドワニス分散液の粘度が高すぎると、螺旋状に巻回塗布されたポリイミドワニス分散液が互いに接触してつながる部分が他の部分より薄くなり、塗布層の表面に凹凸を生じる。ポリイミドワニス分散液の粘度が低すぎると、塗布時または乾燥時に液だれもしくははじきが生じ、チューブを形成することが困難となる。ポリイミドワニス分散液の粘度を調整することにより、液だれやはじきがなく、しかも、塗布後、塗布液が重力または遠心力により動いて液面が平滑となり、凹凸のない平坦な塗布層を形成することができる。
【0063】
使用する芯体の材質としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレス等の金属;アルミナ、炭化ケイ素等のセラミックス;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール等の耐熱樹脂等が挙げられる。
【0064】
芯体の離型性を良くするため、シリコーンオイル等からなる離型剤の塗布、または芯体をセラミックスコーティングすることが好ましい。
【0065】
螺旋状の塗布経路に沿って、縞模様や塗膜の凹凸が生じることがあるが、ディスペンサー供給部の吐出口と芯体に螺旋状に塗布されたポリイミドワニス分散液層とが接触しており、かつ、移動速度と芯体の回転数との関係を調整することにより、液吐出口近傍での液の撹拌効果等により縞模様及び凹凸の発生を防止できる。
【0066】
本発明の定着ベルトを構成するフッ素樹脂層を形成するフッ素樹脂としては、定着ベルトの高温での連続使用を可能とするために、耐熱性に優れたものが好ましく、その具体例としては、例えば、テトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が挙げられる。
【0067】
フッ素樹脂層は、フッ素樹脂のみを用いて形成することができるが、帯電によるオフセットを防止するために、好ましくは、導電性フィラーを含有させる。フッ素樹脂層とポリイミドチューブとを接着剤を介して接着する場合には、同様にオフセットを防止するため、中間層の接着層にも導電性フィラーを含有させることができる。フッ素樹脂層は、定着ベルトに離型性を付与し、記録紙等の被転写材上のトナーが定着ベルト表面に付着しないようにするために設けられる。導電性フィラーとしては、特に限定されないが、高導電性カーボンブラック粒子等の導電性カーボンブラック、アルミニウム等の金属粉等を挙げることができる。
【0068】
フッ素樹脂層は、フッ素樹脂を含有するワニスをポリイミドチューブの表面に塗布し、焼結する方法により形成することができる。ポリイミドチューブの製造工程で溶媒を乾燥除去して固化したチューブを作製し、その上に、直接または接着層を介して、フッ素樹脂を含有するワニスを塗布してフッ素樹脂層を形成した後、フッ素樹脂の焼結と同時にポリイミドチューブを加熱しイミド化させてもよい。その他の方法として、フッ素樹脂チューブを被覆する方法も採用することもできる。フッ素樹脂層の厚みは、通常1〜30μm、好ましくは5〜15μm程度である。
【0069】
定着ベルトには、ポリイミドチューブとフッ素樹脂層との間の接着性を向上させるために、中間層として接着層を設けることができる。接着層を構成する樹脂としては、例えば、フッ素樹脂とポリアミドイミド樹脂との混合物、フッ素樹脂とポリエーテルスルホン樹脂との混合物等を挙げることができる。
【0070】
図3は、ポリイミドチューブ11の外周面にフッ素樹脂層13が形成された二層構造の定着ベルトを示す断面図である。図4は、ポリイミドチューブ11の外周面に、接着層12を介して、フッ素樹脂層13が形成された三層構造の定着ベルトを示す断面図である。さらに、中間層に、接着層以外の樹脂層またはゴム層等を付加的に配置してもよい。
【実施例】
【0071】
以下に実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明の範囲は、実施例に限定されない。先ず、実施例及び比較例において使用した原料について述べる。
【0072】
ポリイミド前駆体ワニスとしては、以下に示すワニスを用いた。
・U−ワニスS−301:宇部興産社製、比重1.446;前記式(A)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂A(剛性に優れたポリイミド樹脂)を形成するポリイミド前駆体を、溶剤(N−メチルピロリドン)に濃度18%で溶解したワニス(以下、「UワニスS」との略号で示す。)。
・Pyre ML RC−5019:I.S.T社製;前記式(C)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂C(可撓性に優れた柔軟なポリイミド樹脂)を形成するポリイミド前駆体を、溶剤(N−メチルピロリドン)に濃度15%で溶解したワニス(以下、「Pyre ML」との略号で示す。)。
【0073】
黒鉛としては、中越黒鉛工業所社製の、以下に示すものを用いた。
・BF−3AK:粒径3μm
・BF−10AK:粒径10μm
・BF−40AK:粒径30μm
【0074】
高導電性カーボンブラック粒子としては、ケッチェンブラックインターナショナル社製の顆粒状カーボンブラック「ケッチェンブラック EC−300J」を用いた。(以下、「ケッチェンブラック」と示す)。
【0075】
CNTとしては、昭和電工社製の、「VGCF」又は「VGCF−X」を用いた。
・VGCF:直径150nmφ、長さ8μm、比重2.0
・VGCF−X:直径15nmφ、長さ3μm、比重2.0
【0076】
実施例及び比較例における性能評価のための試験方法や試験条件は、次のとおりである。
【0077】
[抵抗値]
サイズがφ30×350mmであり厚みが100μmのポリイミドチューブの両端(350mm離れている)に、テスターを当てて電気抵抗測定を行い、測定値が安定するまで下がったところの値を読みとり抵抗値とした。
【0078】
[MIT試験(耐折耐久性試験)]
各実施例、各比較例で得られるポリイミドワニス分散液を膜状に成形した後、400℃に加熱してポリイミド前駆体をイミド化し、厚み100μmのポリイミド組成物の膜を形成した。この膜より幅15mmのリボン状に切り出し測定用のサンプルとした。得られたサンプルを用い、MIT形耐折度試験機により、以下に示す測定条件で、破断するまでの往復折曲げ回数を測定した。測定は5回行い、平均値をMIT試験の測定値とした。
【0079】
(測定条件)
・角度:45°(両振り90°)
・折り曲げ速度:175cpm
・荷重:300g
【0080】
[実機オフセット試験]
作製したポリイミドチューブを実機の複写機に組み入れ、オフセット発生の有無を、以下に示す基準で評価する。
◎:オフセットが全く発生しない
○:オフセットが殆ど発生しない
△:オフセットが発生するが問題のないレベルである
×:オフセット発生し問題が出るレベルである
【0081】
[実機耐久評価]
作製したポリイミドチューブを実機の複写機に組み入れ、通紙を行い通紙後のポリイミドチューブの状態を以下に示す基準で評価する。
◎:通紙250K枚でポリイミドチューブに破壊を生じない。
○:通紙200K枚でポリイミドチューブに破壊を生じないが、250K枚では破壊が見られる。
×:通紙200K枚以下で破壊が見られる。
【0082】
[剛性試験]
サイズがφ30×350mmであり厚みが100μmのポリイミドチューブを引張圧縮測定機で、下記の測定条件で、半分につぶしたときの荷重を測定した。
・つぶし速度:200mm/min、つぶし量:15mm、最大荷重:10N
【0083】
実施例及び比較例
表1〜3に示す組成比(固形分基準;質量比)でUワニスS及びPyre MLを混合したポリイミドワニスに、表1〜3に示す組成(固形分全体積基準:ワニス中の固形分の体積を100体積%としたときの体積%)で黒鉛、高導電性カーボンブラック粒子及びCNTを加え、撹拌機で予備撹拌し、3本ロールミルで配合後、真空脱泡を行い、前記各成分を含有するポリイミドワニス分散液を得た。得られたポリイミドワニス分散液を用いて前記のようにしてMIT試験(耐折耐久性試験)を行った。その結果を表1〜3に示す。
【0084】
芯体として、外面にセラミックスをコーティングした外径20mmφのアルミニウム製円柱を使用した。ディスペンサーの供給部にセットしたノズル(吐出口)を該芯体の外面に接触させた。該芯体を回転させるとともに、ノズルを該芯体の回転軸方向に一定速度で移動させながら、ディスペンサー供給部のノズルから、前記ポリイミドワニス分散液を、芯体の外面に定量供給しポリイミドワニス分散液の塗布を行った。ディスペンサー供給部のノズルとしては、内径2mmのPTFE製チューブを使用した。ノズルの移動は、芯体右端から20mm(供給開始時)の位置から、芯体左端から20mm(供給停止時)の位置まで行った。
【0085】
塗布後、芯体を回転させながら400℃まで段階的に加熱し、冷却後、固化したポリイミド樹脂の塗布膜を、芯体からチューブとして脱型した。このようにして得られたポリイミドチューブの厚みは100μmであり、外径は30mmで、長さは350mmであった。得られたポリイミドチューブについて、前記の方法で、抵抗値、実機オフセット評価、実機耐久評価を行った。その結果を表1〜3に示す。
【0086】
【表1】

【0087】
【表2】

【0088】
【表3】

【0089】
表1に示されているように、実施例1〜4(本発明例)のポリイミドチューブは、抵抗値が低く、その結果実機でのオフセット評価も優れており、画像性に優れている。又、MIT試験の測定値も大きく、その結果実機耐久評価も優れており、耐久性にも優れている。すなわち、本発明のポリイミドチューブは、画像性及び耐久性がともに優れていることが示されている。
【0090】
ポリイミド中のPyre MLの組成比が20質量%以下の比較例1及び比較例5〜10では、MIT試験の測定値が小さく、実機耐久評価が低く、耐久性が不十分であることが、表2、3の結果より示されている。一方、ケッチェンブラックを配合していない、比較例1〜4では、抵抗値が大きく、実機でのオフセット評価も低い。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明のポリイミドチューブは、電子写真方式による画像形成装置の定着ユニットに配置する定着ベルトの基材として利用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1 定着ベルト
2 ヒータ
3 加圧ローラ
4 被転写材
5 未定着トナー像
6 定着トナー像
11 ポリイミドチューブ
12 接着層
13 フッ素樹脂層
21 ディスペンサー
22 供給部
23 塗布されたポリイミドワニス分散液
24 芯体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(A)
【化1】


で表される繰り返し単位を主構成単位とするポリイミド樹脂A、並びに
下記式(B)
【化2】


で表される繰り返し単位を主構成単位とするポリイミド樹脂B、又は/及び
下記式(C)
【化3】


で表される繰り返し単位を主構成単位とするポリイミド樹脂Cを含有し、
(ポリイミド樹脂A):(ポリイミド樹脂B+ポリイミド樹脂C)が、質量比で30:70〜70:30であるベース樹脂に、
前記ベース樹脂の体積に対して、黒鉛を20〜50体積%、高導電性カーボンブラック粒子を3体積%以上及びカーボンナノチューブを0.5体積%以上配合してなることを特徴とするポリイミドチューブ。
【請求項2】
ポリイミド樹脂A:(ポリイミド樹脂B+ポリイミド樹脂C)が、質量比で50:50〜60:40であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドチューブ。
【請求項3】
前記ベース樹脂の体積に対して、黒鉛を30〜40体積%、高導電性カーボンブラック粒子が5〜10体積%、カーボンナノチューブが1〜3体積%以上配合してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリイミドチューブ。
【請求項4】
厚みが10〜150μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のポリイミドチューブ。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のポリイミドチューブの製造方法であって、
円柱状芯体の外面又は円筒状芯体の外面もしくは内面に、ディスペンサー供給部の吐出口を近接又は接触し、
前記芯体を回転させながら、かつ前記吐出口を芯体の回転軸方向に相対的に移動させながら、
前記吐出口より、前記円柱状芯体の外面上又は円筒状芯体の外面上もしくは内面上に、ポリイミドワニスを連続的に供給して塗布層を形成する工程、
前記塗布層の形成後、前記塗布層を固化する工程、及び
前記固化後、前記芯体から塗布層を脱型する工程を有することを特徴とするポリイミドチューブの製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のポリイミドチューブをベルト基材とし、該ベルト基材の外周面に、直接または接着剤層を介して、フッ素樹脂層が設けられていることを特徴とする定着ベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−114068(P2013−114068A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260650(P2011−260650)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(599109906)住友電工ファインポリマー株式会社 (203)
【Fターム(参考)】