説明

ポリイミド組成物および複写機部材

【課題】優れた耐摩耗性を発現しうるポリイミド膜を低温で形成することができるポリイミド組成物を提供する。
【解決手段】本発明のポリイミド組成物は、複写機部材のコーティングに用いるポリイミド組成物であって、ポリアミド酸と、脱水環化試薬と、溶媒とを混合して得られるポリイミド溶液を含むことを特徴とする。前記ポリアミド酸は、下記式(I)で表される構造を有することが好ましい。


[上記式(I)中、XおよびYは互いに独立して2価の有機基を示し;Z、ZおよびZは互いに独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれかを示し、pは0または1である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機部材のコーティングに用いるポリイミド組成物と、該ポリイミド組成物でコーティングされた複写機部材とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機、ファクシミリ、プリンター、それらの複合機等の画像形成記録装置(本明細書ではこれらを纏めて「複写機」と称することとする。)の画像形成記録方式としては、トナー等の現像剤を用いて感光ドラム等の像担持体に形成された像を被記録材上に直接定着させる直接定着方式が主に採用されていたが、近年では、装置寿命や定着速度等を向上させるため、像担持体上の像をベルト状のシートやフィルムもしくはロールを介して被記録材に転写、定着させる転写定着方式が採用されるようになってきた。いずれの画像形成記録方式においても、定着には定着ロールや定着ベルトが用いられるが、これらの部材は加圧および/または加熱された状態に曝されることになり、また転写定着方式で用いられる転写ロールや転写ベルトについても加圧状態に曝される。そのため、これらの複写機部材には耐熱性や強度等の物性を向上させるためのコーティングが施される。
【0003】
従来、複写機部材のコーティングにはポリイミドで形成した膜が有用であることが知られている。ポリイミドは、酸二無水物およびジアミン化合物を反応原料として合成されるポリアミド酸をイミド化することによって得られ、そのイミド環に由来して、高強度で優れた耐熱性を発現することができる。例えば、複写機部材用のポリイミドとして、酸二無水物とジアミン化合物とを各々1種又は2種以上用いて得られるポリイミドであって、前記酸二無水物およびジアミン化合物のうち少なくとも1種の化合物を分子内にエーテル結合および/またはチオエーテル結合を有するものとし、かつ該ポリイミドを構成する酸二無水物およびジアミン化合物由来の重合繰り返し単位中のエーテル結合およびチオエーテル結合の総和を2以上としたポリイミドが、優れた強度や耐熱性とともに撥水性にも優れた効果を発揮するものとして提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2010/150908号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1記載のポリイミドは、優れた強度や耐熱性とともに撥水性の向上を目指したものであったが、複写機部材の表面は常に苛酷に擦られる状態に置かれるため、その部材寿命の観点からは高い耐摩耗性が要求されている。特許文献1記載のポリイミドで形成された膜は耐摩耗性の点では未だ不充分であり、装置寿命を重視する場合には耐摩耗性の改善が求められていた。
【0006】
また特許文献1記載のポリイミドもそうであるように、ポリイミドは、一般に、その前駆体であるポリアミド酸溶液を基材(複写機部材)上に塗布した後、焼成による熱でイミド化させる方法で製膜される。これは、ポリイミドとなってしまうと溶融させ難く、しかも溶媒にも溶解させ難いため、基材上に塗布して膜状に成形するのが困難であるからである。しかし、このようにポリイミド膜を形成する場合、イミド化を促進し強度や耐熱性といった本来有する特性を充分に発現させるためには、一般的に300℃以上の高温で焼成を行う必要があった。例えば比較的低温度で時間をかけてイミド化を行うことも考えられるが、そうするとイミド化が進む前に一旦ポリアミド酸の低分子量化が起こり易くなるため、低分子量化されたままのポリイミドしか生じないこととなり、得られるポリイミド膜の強度等が低下するという問題が起こる。そのため、ポリアミド酸溶液を基材上に塗布した後に焼成する場合、基材としてもそれだけの焼成時の高温に耐えうる材質を選択しなければならないという制約があった。したがって、ポリイミドからなる膜中の溶媒を除去しうる程度の比較的低温で形成しうる技術も求められていた。
【0007】
本発明は上記の様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、優れた耐摩耗性を発現しうるポリイミド膜を低温で形成することができるポリイミド組成物と、該ポリイミド組成物でコーティングされた複写機部材とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、前駆体であるポリアミド酸を脱水環化試薬および溶媒とともに混合することで、加熱を行わずとも化学的にイミド化させることが可能になり、生じたポリイミドは溶媒に溶解した溶液状態で得られることを見出した。そして、こうして得られたポリイミド溶液であれば、基材上に塗布した後、溶媒を除去しうる程度の低温で加熱して乾燥させることにより、耐摩耗性に優れた膜を容易に形成できることを確認し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明のポリイミド組成物は、複写機部材のコーティングに用いるポリイミド組成物であって、ポリアミド酸と、脱水環化試薬と、溶媒とを混合して得られるポリイミド溶液を含むことを特徴とする。ここで、前記ポリアミド酸は、下記式(I)で表される構造を有することが、耐摩耗性の観点から好ましい。
【0010】
【化1】

[上記式(I)中、XおよびYは互いに独立して2価の有機基を示し;Z、ZおよびZは互いに独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれかを示し、pは0または1である。]
【0011】
本発明のポリイミド組成物は、フッ素系樹脂および/またはカーボンブラックをも含むことが好ましい。また本発明のポリイミド組成物において、前記脱水環化試薬は、3級アミン、または、3級アミンとカルボン酸無水物との組合せであることが好ましい。また本発明のポリイミド組成物において、前記溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。本発明のポリイミド組成物をコーティングする複写機部材としては、定着ロール、転写ロール、定着ベルトまたは転写ベルトが好ましく挙げられる。
【0012】
本発明の複写機部材は、上述した本発明のポリイミド組成物を基材に塗布し、250℃以下の温度で溶媒を除去することにより形成された塗布膜を表面に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、定着ロール、転写ロール、定着ベルトまたは転写ベルト等の複写機部材にポリアミド酸をイミド化させたポリイミドからなる膜を形成できるので、前記複写機部材の表面にポリイミドが本来有する高強度や高耐熱性とともに、優れた耐摩耗性をも付与することができる。しかも、そのポリイミド膜の形成に用いる本発明のポリイミド組成物は、前記ポリアミド酸を脱水環化試薬および溶媒とともに混合して化学的にイミド化させた溶液状のものであるので、溶媒を除去しうる程度の低温での製膜が可能になり、複写機部材(基材)の材質が制限されることなく、既存の幅広い複写機部材に適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のポリイミド組成物は、ポリイミド溶液を必須成分として含むものであり、該ポリイミド溶液は、ポリアミド酸と、脱水環化試薬と、溶媒とを混合して得られるものであることが、耐摩耗性に優れた膜を低温での製膜可能にするうえで重要である。以下ではまず該ポリイミド溶液の調製方法について説明する。
【0015】
前記ポリアミド酸としては、特に制限されるものではないが、好ましくは下記式(I)で表される構造単位を有するものであるのがよい。前記ポリアミド酸がかかる構造単位を有することにより、耐摩耗性により優れたポリイミド膜を形成することができる。
【0016】
【化2】

[上記式(I)中、XおよびYは互いに独立して2価の有機基を示し;Z、ZおよびZは互いに独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれかを示し、pは0または1である。]
【0017】
上記式(I)中、p=0である場合にはXは存在していなくても(換言すれば、左右のベンゼン環が直接結合していても)よいが、p=1である場合には、左右のベンゼン環はXを介して結合する。
Xで示される2価の有機基としては、具体的には、フッ素原子含有アルキレン基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、アリーレンチオ基等が挙げられ、これらの中でも、フッ素原子含有アルキレン基、アリーレンオキシ基、アリーレンチオ基が好ましく、フッ素原子含有アルキレン基、アリーレンオキシ基がより好ましく、フッ素原子含有アルキレン基が最も好ましい。
【0018】
Xの例であるフッ素原子含有アルキレン基としては、例えば、−C(CF32−,−C(CF32−C(CF32−等を例示することができる。
【0019】
Xの例であるアリーレン基としては、例えば、以下のものを例示することができる。
【0020】
【化3】

【0021】
Xの例であるアリーレンオキシ基としては、例えば、以下のものを例示することができる。
【0022】
【化4】

【0023】
Xの例であるアリーレンチオ基としては、例えば、以下のものを例示することができる。
【0024】
【化5】

【0025】
Xの例である上述したアリーレン基、アリーレンオキシ基およびアリーレンチオ基は、各々独立して、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくはフッ素原子または塩素原子、より好ましくはフッ素原子である。)、メチル基およびトリフルオロメチル基よりなる群から選択される基により置換されていてもよい。これら置換基は複数であってもよく、その場合には置換基の種類は互いに同一であっても異なっていてもよい。アリーレン基、アリーレンオキシ基およびアリーレンチオ基に置換している好適な置換基は、フッ素原子および/またはトリフルオロメチル基であり、最も好適にはフッ素原子である。
【0026】
Xの例である上述したアリーレン基、アリーレンオキシ基およびアリーレンチオ基の中では、以下の基が好適である。
【0027】
【化6】

[上記式中、W1およびW2はそれぞれ独立して酸素原子または硫黄原子を示す。]
この場合、W1とW2は同一である、即ちW1とW2は共に酸素原子であるか或いは硫黄原子であることが好ましく、共に酸素原子であることがより好ましい。
Xの例であるフッ素原子含有アルキレン基もしくはアリーレン基、アリーレンオキシ基およびアリーレンチオ基においては、含有するフッ素原子の数が多いほど、ポリイミド溶液に後述するフッ素系樹脂を含有させる場合に、該フッ素系樹脂を良好な分散性もしくは溶解性で含有させることができるので好ましい。
【0028】
上記式(I)中、Yで示される2価の有機基としては、特に制限されないが、例えば、芳香環を有する2価の有機基が挙げられる。詳しくは、1個のベンゼン環からなる基もしくは、2個以上のベンゼン環が炭素原子、酸素原子、硫黄原子を介して又は直接結合した構造を有する基が挙げられる。具体的には、以下の基を例示することができる。
【0029】
【化7】

【0030】
Yの例である上述した芳香環を有する2価の有機基は、置換可能であれば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくはフッ素原子または塩素原子、より好ましくはフッ素原子である。)、メチル基およびトリフルオロメチル基からなる群から選択される基により置換されていてもよい。これら置換基は複数であってもよく、その場合には置換基の種類は互いに同一であっても異なっていてもよい。芳香環を有する2価の有機基に置換している好適な置換基は、フッ素原子および/またはトリフルオロメチル基であり、最も好適にはフッ素原子である。Yの例である基においても含有するフッ素原子の数が多いほど、ポリイミド溶液に後述するフッ素系樹脂を含有させる場合に、該フッ素系樹脂を良好な分散性もしくは溶解性で含有させることができるので好ましい。
【0031】
上記式(I)中、Z、ZおよびZは、各々同じであってもよく異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子から選ばれる。ポリイミド溶液に後述するフッ素系樹脂を含有させる場合に、該フッ素系樹脂を良好な分散性もしくは溶解性で含有させうる点からは、好ましくは、Z、ZおよびZのうちの少なくとも一つがフッ素原子であるのがよく、より好ましくはZ、ZおよびZの全てがフッ素原子であるのがよい。勿論、Z、ZおよびZの全てが水素原子であってもよい。
【0032】
前記ポリアミド酸は、酸二無水物とジアミン化合物とを溶媒中で公知の手法によりアミド化反応させることにより、製造することができる。ここで、原料として用いる酸二無水物およびジアミン化合物としては、得ようとするポリアミド酸の構造に応じて適宜選択すればよい。アミド化反応は、例えば、窒素等の不活性ガス雰囲気中、室温で攪拌して均一溶液とすることにより進行する。溶媒としては、原料として用いる酸二無水物およびジアミン化合物に応じて適宜選択すればよいが、ここで、ポリイミド溶液を調製する際にポリアミド酸とともに混合する後述する溶媒を使用しておけば、アミド化反応で得られた反応液をそのままポリアミド酸と溶媒の混合物(ポリアミド酸溶液)として用いることができるので、好ましい。
【0033】
前記脱水環化試薬は、ポリアミド酸を化学的に脱水環化してポリイミドとする作用を有するものであれば、特に制限なく用いることができる。このような脱水環化試薬としては、3級アミンを単独で用いるか、または、3級アミンとカルボン酸無水物とを組合せて用いることが、イミド化を効率よく促進させうる点で好ましい。
【0034】
3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン等が挙げられる。これらの中でも特に、ピリジン、DABCO、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタンが好ましく、DABCOがより好ましい。3級アミンは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0035】
カルボン酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。これらの中でも特に、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸が好ましく、無水酢酸がより好ましい。カルボン酸無水物は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0036】
前記溶媒としては、溶解性に優れる極性溶媒が好適である。例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらの中でも特に、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンからなる群より選ばれる1種以上であることが、製膜時の溶媒除去が容易である点で好ましい。
【0037】
前記ポリイミド溶液を調製するに際しては、上述したポリアミド酸(ポリアミド酸溶液)、脱水環化試薬および溶媒を混合すればよく、混合によりイミド化が進行し、得られた混合物がポリイミド溶液となる。
【0038】
ポリアミド酸の混合量は、ポリイミド溶液とした際に室温でポリイミドが析出しない程度の濃度であれば良い。かかる観点から、ポリアミド酸の混合量は、ポリアミド酸(ポリアミド酸溶液)、脱水環化試薬および溶媒の合計質量に対し、ポリアミド酸の濃度として40質量%以下が好ましく、より好ましくは35質量%以下である。ポリアミド酸の濃度の下限は特に制限されず、例えば、5質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上である。いずれにしても、具体的な濃度は予備実験により決定すればよい。
【0039】
脱水環化試薬の混合量は、ポリアミド酸の混合量に応じて適宜設定すればよく、例えば、脱水環化試薬として3級アミンを用いる場合には、ポリアミド酸中のアミド単位に対して、0.005当量以上、0.3当量以下とすることが好ましく、より好ましくは0.01当量以上、0.2当量以下である。3級アミンが0.005当量未満であると、イミド化が充分に進行しない虞があり、一方、0.3当量を超えて添加してもその触媒効果は飽和し経済的に不利になることが懸念される。また脱水環化試薬としてカルボン酸無水物をも併用する場合には、ポリアミド酸中のアミド単位に対して、1当量以上、20当量以下とすることが好ましく、より好ましくは1.1当量以上、15当量以下である。カルボン酸無水物が1当量未満であるとアミド結合が残り脱水剤としての効果を十分に発揮できない虞があり、一方、20当量を超えて添加してもその触媒効果は飽和し経済的に不利になることが懸念される。
溶媒の混合量は、ポリアミド酸の濃度が上述した範囲になるよう適宜設定すればよい。
【0040】
前記ポリイミド溶液を調製するにあたり、ポリアミド酸(ポリアミド酸溶液)、脱水環化試薬および溶媒の混合順序には、特に制限はなく、例えば、ポリアミド酸と溶媒との混合物(ポリアミド酸溶液)に対して、脱水環化試薬を直接加えるか、もしくは脱水環化試薬を溶媒に溶解して加えるようにすればよい。また、脱水環化試薬として3級アミンとカルボン酸無水物との組合せを用いる場合の両者の混合順序も特に制限されず、例えば、3級アミンとカルボン酸無水物を同時に加えてもよいし、まず何れか一方をポリアミド酸と溶媒との混合物(ポリアミド酸溶液)に加え、ある程度攪拌した後に、他方を加えるようにしてもよい。
【0041】
前記ポリアミド酸(ポリアミド酸溶液)、脱水環化試薬および溶媒の混合は、通常、特段加熱や冷却を行うことなく、室温(例えば5〜35℃、好ましくは15〜25℃)で行われるが、イミド化を促進するために必要に応じて100℃程度以下の範囲で加温してもよい。
【0042】
前記ポリアミド酸(ポリアミド酸溶液)、脱水環化試薬および溶媒を混合する際には、充分に均一に混合させてイミド化を進行させるため、攪拌を行うことが好ましい。攪拌方法としては、例えば、混合対象物に自転運動と公転運動を与える自転公転式混合法が好ましく採用される。この自転公転式混合法によれば、原料混合物を短時間で効率的に混合することができ、各原料化合物間の接触を良好に保持できるので、ポリイミド化の偏りを抑制でき高イミド化率を達成できる。また自転公転式混合法によれば、同時に脱泡または脱気を行うことができるので、泡咬みのないポリイミド溶液を得ることができる。
【0043】
自転公転式混合法による攪拌は、市販の装置を用いて行ってもよいし、実施規模に応じて新たに作製した装置を使用してもよい。自転公転式混合法を実施するための装置が有すべき要件は、少なくとも混合対象物を入れた容器に対して自転運動と公転運動を与えられることである。また自転公転式混合法を実施するための装置において、自転面と公転面は平行であってもよいが、装置に対する負荷を低減するためには互いの面に角度を設けてもよく、例えば、10〜80度程度の角度を設けてもよい。
【0044】
自転公転式混合法により攪拌する際には、自転運動と公転運動の回転速度は、0.1〜5000rpmの範囲とするのが好適であり、自転運動と公転運動の回転速度は同一であっても異なっていてもよい。また各回転速度を各々変化させ、一定時間ごとに攪拌するものであってもよい。例えば、攪拌を主目的として自転速度を10〜2000rpm、公転速度を100〜3000rpmとして混合し、次いで脱泡を主目的として自転速度を0〜1000rpm、公転速度を100〜3000rpmとして混合することができる。具体的な条件は、実施スケール等に応じて決定すればよい。
【0045】
前記ポリアミド酸(ポリアミド酸溶液)、脱水環化試薬および溶媒を混合する際の混合時間は、特に制限されないが、自転公転式混合法を用いた場合には極めて効率よく混合が進むので、例えば1分間〜30分間程度とすることができる。具体的な混合時間は、予備実験により決定すればよい。
なお、前記ポリイミド溶液を調製するに際しては、イミド化反応を阻害しない限り、ポリアミド酸(ポリアミド酸溶液)、脱水環化試薬および溶媒のほかに、例えば後述するフッ素系樹脂やカーボンブラックや各種添加剤といった最終的に得ようとするポリイミド組成物に含有させる成分等を同時に混合しておくこともできる。
【0046】
以上のようにして得られた混合液は、下記式(II)で表されるポリイミドを含むポリイミド溶液である。かかる特定構造を有するポリイミドは、高強度や高耐熱性などポリイミドが本来有する特性に加え、優れた耐摩耗性を発現しうるものである。
【0047】
【化8】

[上記式(II)中、X、Y、Z、Z、Zおよびpの定義と好適な具体例は、化合物(I)の定義で説明したものと同様とする。]
【0048】
本発明のポリイミド組成物は、上述したポリイミド溶液とともに、フッ素系樹脂をも含むことが好ましい。フッ素系樹脂を含有させることにより、複写機部材に離型性をも付与することができ、トナー等の現像剤が複写機部材に付着するのを防止し転写や定着がより容易になる。なお、フッ素系樹脂は、通常、粒子の形態でフッ素系樹脂粒子として含有されるのが好ましく、上述したポリイミド溶液中に分散した状態で含有されていることが好ましい。
【0049】
フッ素系樹脂としては、フッ素原子を含むオレフィン(フルオロオレフィン)に由来する構成単位を含む重合体であれば特に制限なく用いることができる。ここで、フルオロオレフィンとしては、例えば、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン等が挙げられる。フッ素系樹脂の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、パーフルオロ環状重合体、フッ化ビニル樹脂(PVF)等が好ましく挙げられる。フッ素系樹脂は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。
【0050】
フッ素系樹脂を粒子として含有させる場合、フッ素系樹脂粒子の粒子径は、形成しようとするポリイミド膜の膜厚に比べて小さければ特に限定されないが、好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下、最も好ましくは0.5μm以下である。フッ素系樹脂粒子の粒子径が5μmを超えると、形成したポリイミド膜の表面が粗くなる結果、撥油性等の表面物性が損なわれる虞が生じる。
【0051】
フッ素系樹脂を含有させる場合、フッ素系樹脂(フッ素系樹脂粒子)は、イミド化後のポリイミド溶液に対して添加してもよいし、イミド化前に各原料(ポリアミド酸、脱水環化試薬および溶媒)とともに添加、混合してもよいし、ポリアミド酸溶液に予め添加しておいてもよい。
フッ素系樹脂の含有量は、ポリイミド組成物中のポリイミドの質量(イミド化前などポリアミド酸が存在する場合には、ポリイミド換算したポリアミド酸の質量を合算した合計質量)100質量部に対して、150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましい。フッ素系樹脂の含有量が多すぎると、得られるポリイミド膜の強度が低下する虞がある。またフッ素系樹脂の含有量の下限は、特に制限されないが、充分な離型性を付与するうえでは、ポリイミド組成物中のポリイミドの質量100質量部に対して、25質量部以上が好ましく、45質量部以上がより好ましい。
【0052】
本発明のポリイミド組成物は、上述したポリイミド溶液とともに、カーボンブラックをも含むことが好ましい。カーボンブラックを含有させることにより、複写機部材に帯電防止性をも付与することができ、トナー等の現像剤が複写機部材に付着するのを防止し転写や定着がより容易になる。なお、カーボンブラックは、上述したポリイミド溶液中に分散した状態で含有されていることが好ましい。
【0053】
カーボンブラックとしては、導電性カーボンブラックとして市販されているものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、気体又は液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解して製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させてその炎をチャンネル鋼底面にあてて急冷することにより析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラックのほか、カーボンナノチューブ等が挙げられる。これらの中でも、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブが好ましい。カーボンブラックは1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。
【0054】
カーボンブラックを含有させる場合、カーボンブラックは、イミド化後のポリイミド溶液に対して添加してもよいし、イミド化前に各原料(ポリアミド酸、脱水環化試薬および溶媒)とともに添加、混合してもよいし、ポリアミド酸溶液に予め添加しておいてもよい。
カーボンブラックの含有量は、ポリイミド組成物中のポリイミドの質量(イミド化前などポリアミド酸が存在する場合には、ポリイミド換算したポリアミド酸の質量を合算した合計質量)100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。カーボンブラックの含有量が多すぎると、得られるポリイミド膜の強度が低下する虞がある。またカーボンブラックの含有量の下限は、特に制限されないが、充分な帯電防止性を付与するうえでは、ポリイミド組成物中のポリイミドの質量100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。
【0055】
本発明のポリイミド組成物は、さらに必要に応じて、通常用いられる各種添加剤、例えば、分散剤、有機溶媒、無機充填材、離型剤、カップリング剤、難燃剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有していてもよい。
【0056】
本発明のポリイミド組成物は、複写機部材のコーティングに用いられ、複写機部材に優れた耐摩耗性を付与するものである。本発明のポリイミド組成物を適用する複写機部材としては、耐摩耗性が要求されるとともに、トナー等の離型性についても求められる定着ロール、転写ロール、定着ベルトまたは転写ベルトが好ましく挙げられる。また本発明のポリイミド組成物は低温でポリイミド膜を形成できるものであるので、該組成物を塗布する基材(複写機部材の材質)が制限されることがなく、一般的な樹脂からなる複写機部材にも適用できるという利点を有する。
【0057】
本発明の複写機部材は、上述した本発明のポリイミド組成物を基材に塗布し、250℃以下の温度で溶媒を除去することにより形成された塗布膜を表面に備えたものである。
本発明のポリイミド組成物を基材(複写機部材)に塗布する際の塗布方法としては、特に制限はなく、例えば、スピンコーティング法、キャスティング法、ロールコーティング法、スプレイコーティング法、バーコーティング法、フレキソ印刷法、ディップコーティング法等の通常の方法を採用することができる。また本発明のポリイミド組成物を基材(複写機部材)に塗布する際の塗布量は、乾燥膜厚が0.5μm以上、50μm以下となるようにすることが好ましく、1μm以上、30μm以下となるように調整することがより好ましい。
【0058】
本発明のポリイミド組成物を基材(複写機部材)に塗布した後の溶媒の除去(乾燥)は、250℃以下の温度で行われる。本発明においては従来のようにポリアミド酸溶液を塗布した後に焼成して熱によるイミド化をさせる必要がないので、250℃以下(好ましくは220℃以下、より好ましくは200℃以下)の溶媒を除去しうる程度の温度で乾燥させるだけで容易に製膜できる。なお、乾燥は必ずしも加熱する必要はなく、常温で必要に応じて減圧する等の方法で行ってもよい。勿論、減圧下で加熱することでより低温で乾燥することもできる。乾燥時間は乾燥条件(温度や圧)に応じて適宜設定すればよい。
【実施例】
【0059】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0060】
(製造例1)ポリアミド酸溶液の調製
100mL容の三つ口フラスコに、ジアミン化合物として1,4−ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン1.786g(6.11mmol)と、酸二無水物として2,2−ビス(3,4−アンハイドロジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン2.714g(6.11mmol)と、溶媒としてN−メチルピロリドン25.5gとを加えた。この混合液を窒素雰囲気中、室温で攪拌して均一溶液とした後、さらに4日間静置することによって、ポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド溶液には、下記式で表される構造(すなわち前記式(I)中、Xが−C(CF−、Yが−φ−O−φ−O−φ−(但し、「φ」はベンゼン環を、Oは酸素原子を表す)、Zが水素原子、Zが水素原子、Zが水素原子である構造)を有するポリアミド酸が、15質量%の濃度で含まれていた。
【0061】
【化9】

【0062】
(実施例1)
製造例1で得られたポリアミド酸溶液10gを50mL容のガラス製容器に移し、さらに、脱水環化試薬として無水酢酸415.5mg(4.06mmol)および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)6.8g(0.061mmol)とを加え、室温下で、自転・公転方式ミキサー(シンキー社製「AR−250」)を用いて攪拌モードで10分間、引き続き脱泡モードで5分間攪拌することにより急速に混合した後、室温で24時間静置することにより化学イミド化を行い、ポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液について1H−NMRを測定したところ、原料のポリアミド酸のカルボキシル基に起因するピークは存在せず、また19F−NMR測定においてもポリアミド酸に対応するピークは認められなかったことから、上記化学イミド化は定量的に進行していることが確認できた。
なお、自転・公転方式ミキサーによる攪拌は、攪拌モードにおける公転速度を2,000rpm、自転速度を800rpmとし、脱泡モードにおいては公転速度を2,200rpm、自転速度を60rpmとし、サンプルホルダーは自転軸に対して平行に、かつ公転軸に対して45度の傾きに設定して行った。
【0063】
次いで、得られたポリイミド溶液10g(ポリイミド0.9g含有)に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散溶液(喜多村社製「KD−1000AS」、分散媒:N−メチルピロリドン、固形分濃度40%、PTFE中心粒径:0.3μm)を2.5g添加し、上記と同じ自転・公転方式ミキサーを用いて混合し、PTFE含有ポリイミド溶液を得た。
【0064】
次いで、別途、200mLのガラス容器中に、溶媒としてN−メチルピロリドン98gと、ケッチェンブラック(LION社製「カーボンECP600JD」)2gと、分散剤としてポリビニルピロリドン(日本触媒社製「K−30」)0.4gとを直径1mmのビーズとともに入れ、ペイントシェーカーにより1時間分散処理を行った後、ろ過することにより、固形分濃度2%のカーボンブラック分散液を調製した。このカーボンブラック分散液1.55gを上記PTFE含有ポリイミド溶液10gに添加し、上記と同じ自転・公転方式ミキサーを用いて混合し、PTFEおよびカーボンブラックを含むポリイミド組成物を得た。
【0065】
次に、得られたポリイミド組成物をフィルムにコーティングし、形成されたポリイミド膜の耐摩耗性を評価した。
すなわち、ポリイミド組成物をカプトン(登録商標)フィルム(東レ・デュポン社製)上に、乾燥膜厚が15μmとなるようにスピンコーター(ミカサ社製)を用いて製膜した後、200℃で1時間乾燥することにより、ポリイミド膜でコーティングされたフィルムを作製した。このフィルムを10mm×70mmに切り出して、その質量を精秤した後、研磨装置(マルトー社製「ドクターラップ ML−180」)を用い、フィルムのコーティング面を、♯2000番手の紙やすりで、研磨盤回転数20rpm、アーム回転数77rpmの条件にて45秒間研磨した。研磨後のフィルムの質量を精秤したところ、研磨後に減少した質量は3.6mgであった。
【0066】
(比較例1)
製造例1で得られたポリアミド酸溶液10gに、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散溶液(喜多村社製「KD−1000AS」、分散媒:N−メチルピロリドン、固形分濃度40%、PTFE中心粒径:0.3μm)を2.5g添加し、実施例1と同じ自転・公転方式ミキサーを用いて混合し、PTFE含有ポリアミド酸溶液を得た。
【0067】
次いで、実施例1と同様に別途調製したカーボンブラック分散液1.55gを上記PTFE含有ポリアミド酸溶液10gに添加し、実施例1と同じ自転・公転方式ミキサーを用いて混合し、PTFEおよびカーボンブラックを含むポリアミド酸組成物を得た。
【0068】
次に、得られたポリアミド酸組成物をフィルムにコーティングし、乾燥時の加熱により熱イミド化させて形成したポリイミド膜の耐摩耗性を実施例1と同様に評価した。
すなわち、ポリアミド酸組成物をカプトン(登録商標)フィルム(東レ・デュポン社製)上に、乾燥膜厚が15μmとなるようにスピンコーター(ミカサ社製)を用いて製膜した後、200℃で1時間乾燥することにより、膜でコーティングされたフィルムを作製した。このフィルムを10mm×70mmに切り出して、その質量を精秤した後、実施例1と同様にしてフィルムのコーティング面を研磨し、研磨後のフィルムの質量を精秤したところ、研磨後に減少した質量は8.8mgであり、実施例1よりも耐摩耗性の点で劣ることが明らかであった。これは、ポリアミド酸溶液を熱によりイミド化してポリイミド膜を形成する場合、実施例1の如く溶媒を除去する程度の低温で加熱(乾燥)しただけではイミド化が不充分となり、膜が本来発現しうる性能(実施例1と同等の耐摩耗性)を発揮できないことを示している。
【0069】
(参考例1)
比較例1で得られたポリアミド酸組成物をフィルムにコーティングし、乾燥時の高温での加熱により熱イミド化して形成されたポリイミド膜の耐摩耗性を実施例1と同様に評価した。
すなわち、比較例1で得られたポリアミド酸組成物をカプトン(登録商標)フィルム(東レ・デュポン社製)上に、乾燥膜厚が15μmとなるようにスピンコーター(ミカサ社製)を用いて製膜した後、320℃で1時間乾燥することにより、ポリイミド膜でコーティングされたフィルムを作製した。このフィルムを10mm×70mmに切り出して、その質量を精秤した後、実施例1と同様にしてフィルムのコーティング面を研磨し、研磨後のフィルムの質量を精秤したところ、研磨後に減少した質量は3.7mgであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複写機部材のコーティングに用いるポリイミド組成物であって、ポリアミド酸と、脱水環化試薬と、溶媒とを混合して得られるポリイミド溶液を含むことを特徴とするポリイミド組成物。
【請求項2】
前記ポリアミド酸は、下記式(I)で表される構造を有する請求項1に記載のポリイミド組成物。
【化1】

[上記式(I)中、XおよびYは互いに独立して2価の有機基を示し;Z、ZおよびZは互いに独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のいずれかを示し、pは0または1である。]
【請求項3】
フッ素系樹脂をも含む請求項1または2に記載のポリイミド組成物。
【請求項4】
カーボンブラックをも含む請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミド組成物。
【請求項5】
前記脱水環化試薬が、3級アミン、または3級アミンとカルボン酸無水物との組合せである請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミド組成物。
【請求項6】
前記溶媒が、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜5のいずれかに記載のポリイミド組成物。
【請求項7】
前記複写機部材が定着ロール、転写ロール、定着ベルトまたは転写ベルトである請求項1〜6のいずれかに記載のポリイミド組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のポリイミド組成物を基材に塗布し、250℃以下の温度で溶媒を除去することにより形成された塗布膜を表面に備えたことを特徴とする複写機部材。

【公開番号】特開2013−6959(P2013−6959A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140551(P2011−140551)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】