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ポリウレタン−アクリルポリマー分散物及びその使用
説明

ポリウレタン−アクリルポリマー分散物及びその使用

屋根、ファサード、床、または垂直壁をコーティングするための組成物であって、
i)少なくとも1つのアクリルポリマー、ii)少なくとも1つのポリウレタンポリマー、iii)組成物全質量の5乃至40質量%の量の少なくとも1つのエチレンビニルアセテートエマルションを含み、ポリウレタン組成物の優れた特徴とアクリル組成物の低減されたコストとの利点を、双方の特徴の釣り合いが示されるように併せ持つ組成物。これらの組成物で屋根、ファサード、床、または垂直壁をカバーする方法、並びに、根、ファサード、床、または垂直壁のコーティングとしての使用もまた考慮される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容全体を本明細書中に援用することとする欧州特許庁に2009年7月2日に出願された欧州特許出願第09382106.4号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、アクリル成分と別のポリウレタン成分とを混合した組成物、並びにその使用、特に屋根のための液体膜としての使用に関する。
【0003】
水性のアクリル分散物及びポリウレタン分散物は、コーティング応用において、個別にも物理的混合物としても広く用いられている。双方の成分を混合することにより、得られるコーティングは、アクリル製品及びポリウレタン製品の個別で固有の特性由来の特性バランスを示し、この混合物は、ポリウレタンのより優れた特徴及びアクリルの低いコストから利益を得る。これは、屋根のためのコーティング剤等の屋外コーティングの場合に興味深い。
【0004】
しかしながら、これらの混合物の特性は、しばしば、通常の「混合法則」からの前述の特性を達成しない。物理的混合物におけるこれらの望ましからぬ効果の理由は依然として明確に定義されていないが、当然ながら様々なアクリル領域及びポリウレタン領域によって引き起こされる不均一性がこれらの効果の一因である。これらの領域には、過剰な内部圧及び/または不完全合着が存在しうるが、このため浸透性の増大及び接着強度の低下がもたらされる。
【0005】
然るに、例えば、特許文献US2001/0007711A1には、セメントに接着しうる、共重合モノエチレン性不飽和モノマーを2質量%を超えない割合で含む少なくとも1つの水性ポリマー分散物を含む、少なくとも1つの可塑性無機組成物の適用を含む、コンクリート型のコーティング方法が記載されている。
【0006】
文献WO96/00259にもまた、エラストマー材料及び規定の軟化点/融点を有する熱可塑性ポリマー材料を加硫処理する工程、加硫化可能エラストマー材料を通して熱可塑性ポリマー材料の分散物を製造する工程、及び最後に熱可塑性物質含有マトリックスを硬化させる工程を含む、熱硬化性エラストマーマトリックスの製造方法が記載されている。
【0007】
文献US2005/0124736A1にもまた、少なくとも1つの水性ビチューメン分散物及び少なくとも1つのポリウレタンの少なくとも1つの水性分散物を含む水性ポリマー組成物が記載されています。この組成物は、表面処理において、特に水密屋根コーティングとして使用される。
【0008】
最後に、Patric J. Clearyに発行された米国特許第4.331.726号には、閉細胞プラスチック材料、例えばポリウレタンの個別の小塊もしくは小片、不活性粒子状材料、並びに、アセテート、アクリル樹脂、エポキシ接着剤等に基づく、エマルションコーキングもしくはシーリングタイプの結合剤もしくは接着剤を含む注入可能な屋根用組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US2001/0007711A1
【特許文献2】WO96/00259
【特許文献3】US2005/0124736A1
【特許文献4】米国特許第4.331.726号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、屋根のコーティングのための液体膜として使用可能であり、ポリウレタン組成物の優れた特徴とアクリル組成物の低減されたコストという利点を組み合わせることができ、屋根及びファサードのコーティングのための前記双方の特徴の釣り合いを示す組成物が、依然として求められている。
【0011】
したがって、本発明によって解決しようとする課題は、コーティングのため、特に屋外用コーティング、例えば屋根のコーティングのための、ポリウレタンのより優れた特徴という利点とアクリルの低減されたコストという利点との釣り合いを示す、水性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この解決策は、本発明者らが、
i)少なくとも1つのポリウレタンポリマーと、
ii)少なくとも1つのアクリルポリマーと、
iii)少なくとも1つのエチレンビニルアセテートエマルションと
の組合せによって、ポリウレタン−アクリル組成物が達成可能なことを確認したという事実に基づく。
【0013】
少なくとも1つのエチレンビニルアセテートエマルションの量は、組成物の全質量の5乃至40質量%である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
前記エチレンビニルアセテートエマルションは、最初の二成分((i)及び(ii))のバランスをとり、これにより双方の有利な特徴のバランスをとる。こうした組成物中では、アクリルモノマーとウレタンポリマーとを最初に混合し、水性分散物状態で互いに重合させて「ハイブリッド」ポリウレタン−アクリルポリマー分散物を得る。本発明の組成物中においては、考えられるところでは、生成物は、通常のアクリル分散物、ポリウレタン分散物、または巨視的混合物状態のアクリル/ウレタン分散物と比較しても固有の特性を示す、浸透性(interpenetrating)ポリマーネットワークである。理論に縛られることなく、本発明者らは、これらの特性がハイブリッドアクリル−ポリウレタン形態に直接起因するようであると考える。想定される通り、これらのハイブリッド組成物は、処理中にアクリルセグメントとウレタンセグメントが一次結合により直接結合する共重合処理の生成物ではなく、また大型のアクリル領域及びポリウレタン領域を備えた混合物でもない。逆に、本発明の組成物は、分子レベルで密接に混合し、且つ結合した鎖の網目をもたらす二次分子間結合力によって結合を維持することが想定されるアクリル鎖とポリウレタン鎖である。本発明の組成物の更なる利点には、その増大した引張強度、硬度、耐久性、及び化学品及び溶媒に対する耐性が含まれ、さらには、これらが無臭であり且つ有機溶媒を含まない単一成分(シングルパック)系であるため容易に適用可能であり、高い化学的及び機械的強度、極端な温度における経年劣化に関する適切な性能、及び特徴/コストの充分な割合を備えているという利点がある。
【0015】
本明細書中では、「アクリル成分」とは、あらゆるアクリル酸誘導体であって、スチレン性であってもよいものの、好ましくは、非スチレン性のものであると理解される。「アクリレート」とは、あらゆるアクリル酸誘導体、ポリアクリレート、メタクリル酸、またはポリメタクリレートとして理解される。アクリル成分の例は、例えば、Acronal(登録商標)567、Revacryl(登録商標)473である。
【0016】
また、本明細書中では、「ポリウレタン成分」は、通常はポリオールもしくはポリエステルとポリイソシアネートとの縮合によって得られる、ウレタン結合で結合した有機単位の鎖からなるあらゆるポリマー組成物として理解される。ポリウレタン成分には、遊離のイソシアネート基が全く残っていない。ポリウレタン成分の例は、Esacote 21またはProx R 910である。
【0017】
本発明においては、アクリル成分及びポリウレタン成分は本発明の組成物に、別々の個別の成分として、または単一のアクリル−ポリウレタン混合組成物(「複合生成物」)として供給することができる。
【0018】
最後に、本発明の明細書においては、「エチレンビニルアセテートエマルション」とは、ビニルアセテートとエチレンとの共重合から生じる、あらゆる水性組成物として理解される。この共重合は、ポリ(ビニルアルコール)安定化系の存在下で行われることが好ましい。かくして生成するコポリマーは、本明細書中では「エチレンビニルアセテート」と呼称される。
【0019】
本発明の特段の実施態様は、単なる例として以下に詳説される。
【0020】
本発明の好ましい実施態様では、アクリル成分及びポリウレタン成分は、混合された単一生成物の形態で提供され、これは、外的界面活性剤水性エマルション中の純粋アクリルポリマー、すなわち非スチレン性で熱可塑性のポリマーに基づく生成物であって、水性分散物/水溶液状態の脂肪族ポリウレタンポリマーで変性されたものである。この複合生成物は、アクリル成分とポリウレタン成分とを様々な割合で含んで良く、すなわち、本発明の好ましい実施態様では、ポリウレタン成分の濃度は、複合生成物の全質量の5乃至85質量%、より好ましくは複合生成物の全質量の7乃至75質量%、更により好ましくは10乃至50質量%、最も好ましくは10乃至30質量%である。
【0021】
このアクリル-ポリウレタン複合生成物は、本発明の最終組成物に、最終組成物の全質量の10乃至50質量%、より好ましくは最終組成物の全質量の20乃至50質量%、さらにより好ましくは30乃至40質量%、さらにいっそう好ましくは35乃至40質量%、最も好ましくは約37質量%の好ましい濃度で供給される。
【0022】
アクリル−ポリウレタン複合生成物は、典型的には、アクリル−ポリウレタン複合生成物の質量に照らして、30乃至70質量%、特に40乃至50質量%の固体含量を有する。これは、好ましくはエマルションまたは分散物である。
【0023】
本発明の最終組成物を得るためには、エチレンビニルアセテートが、この複合生成物に、最終組成物の全質量の5乃至40質量%の好ましい割合で、より好ましくは組成物の全質量の10乃至35質量%、更により好ましくは15乃至30質量%、更にいっそう好ましくは17乃至25質量%、最も好ましくは約20質量%で添加される。
【0024】
エチレンビニルアセテートエマルションは、典型的には、エチレンビニルアセテートエマルションの質量に照らして、30乃至70質量%、特に40乃至50質量%の固体含量を有する。
【0025】
100%までの前記組成物の残量は、以下の添加物:レオロジー添加剤、保存料、殺菌剤、脱気剤、撥水剤、充填湿潤剤、充填剤、及び顔料の1つ以上で任意に満たされる。
【0026】
雲母、白雲母、珪灰石、または絹雲母等の、シリケートシート(フィロケイ酸塩)または鎖(イノケイ酸塩)を形成する充填剤の非存在下でも、コーティングのこの上ない水熱及びUV安定性が観察できることが判明している。さらにまた、ホスフェートの非存在下でも、特にコンクリート表面へのこの上ない接着特性が得られる。好ましい充填剤は、炭酸カルシウム、特に、粉砕炭酸カルシウムである。これにより、安価であるにもかかわらず本発明の高い性能を示すコーティング剤を製剤することができる。
【0027】
本発明の組成物を製造するためには、表示された出発物質を、適切なミキサー中で段階的に添加して混合して、新規に構築された屋根の防水または修復に適当なものとする一連の特性を備えた、適用されると連続的且つ滑らかな膜を形成する単一成分(シングルパック)生成物を得る。
【0028】
その主な利点は以下のとおりである。
・UV光に対する、黄変を伴わない優れた耐性。
・厳しい条件(高温及び低温)下でその特性を維持する。
・高い弾性。亀裂を埋める。
・単一成分系(シングルパック)である。
・有機溶媒を含まない。
・いったん硬化すると完全に連続で滑らかな膜を形成する。
・水蒸気透過性である。
【0029】
これは、適切な処理を経た広範な基質:金属、コンクリート、木、及びセラミック支持体の表面に優れた粘着性を有する。コンクリートの場合には、後者は十分な圧縮強度及び0.8N/mm2(EN 1504-2による)を超える粘着性を備えていなければならない。
【0030】
【表1】

【0031】
粘着性は、EN 1542(直達牽引による粘着性の測定)により試験されている。
本発明の組成物は、8乃至35℃の常温及び80%の常圧で、8%以下の湿度を有するコンクリート上に適用することができる。これらは、ローラー、ブラシ、こてによって、またはスプレーによって、適用することができる。これらは、好ましくは二相として、すなわち、第一の層が乾燥した時点で第二の層を適用することにより適用され、第一の層は、順次プライマー機能を有する。研究の特徴による必要性に鑑みれば、この系は、ポリエステルメッシュ(例えば、Silva Fleece 120)を導入することによって個別の点においてまたはその全体を強化することができる。最終的な系の厚さは、屋根の要求によって0.5〜2.5mmの範囲であってよい。
【0032】
乾燥時間は、温度に依存し、好ましくは以下の通りである。
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
然るに、本発明の別の態様は、屋根、ファサード、床、または垂直壁の、以上に定義される組成物でのコーティング方法であり、以下の工程を含む。
a)完全に均質になるまで機械的撹拌によって前記組成物を撹拌する工程;
b)先の工程a)から得られる組成物を、屋根、ファサード、床、または垂直壁に、ローラー、ブラシ、こてによって、またはスプレーによって適用する工程;
を含む。
【0035】
本発明の一実施態様では、前記方法は、
c)先の工程a)から得られる組成物を、ローラー、ブラシ、こてによって、またはスプレーによって、工程b)により得られた乾燥層上に適用する工程c)を更に含む。
【0036】
以上に開示される水性組成物は、屋根、ファサード、床、または垂直壁のコーティングとして使用することができる。
【0037】
本発明の別の態様は、以上に開示される組成物を含む、屋根、ファサード、床、または垂直壁である。
【実施例1】
【0038】
様々な組成物:「AC-PU/VAE」と表示される本発明による組成物、並びに、個別に加えられた「AC-PU」及び「VAE」の各ポリマーに基づく組成物を試験した。これらの組成物は、以下の成分から、以下に記載される方法によって製造された。
【0039】
【表4】

【0040】
それぞれの調製のために、表1に列挙された成分を加え、60ミクロン未満の粒径を達成するまで、溶解機で激しく撹拌した。
製造処理が終了したところで、AC-PU/VAE生成物の場合には、以下の特性を有する生成物が得られた。
・ 23℃での密度:1.33〜1.37kg/l
・ 液体生成物を一定質量に達するまで105℃の温度に暴露することによって試験した、固体含量:64.5〜66.5%
・ 20℃の温度で、415rpmの速度にて、3番のスクリューを用い、Rheomat粘度計(Contraves)で測定した粘度:4000〜5000mPas
【0041】
製造処理が終了したところで、AC-PU生成物の場合には、以下の特性を有する生成物が得られた。
・ 特徴:密度(23℃):1.31kg/l
・ 固体含量:64.0質量%
・ 粘度(23度):3070mPas(415rpm/S3)(Contraves)
・ 適用:撹拌により生成物を均質化し、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.0kg/m2の二層として適用する。
【0042】
製造処理が終了したところで、VAE生成物の場合には、以下の特性を有する生成物が得られた。
・ 特徴:密度(23℃):1.31kg/l
・ 固体含量:62.3質量%
・ 適用:撹拌により生成物を均質化し、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.0kg/m2の二層として適用する。
【0043】
これらの組成物に様々な試験を行い、屋根の継続的防水について市販の製品と比較した。
・SKL 445:商品名:SikaLastic(登録商標)445
製造者:Sika, S. A. U.
説明:単一成分(シングルパック)ポリウレタンに基づく屋根防水剤、有機溶媒を含む。
特徴:密度(23℃):1.6 kg/1
固体含量:88質量%
適用:撹拌により生成物を均質化させ、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.6kg/m2の二層として適用する。
・SKL822:商品名:SikaLastic 822
製造者:Sika, S. A. U.
説明:二成分ポリウレタンに基づく屋根防水剤
特徴:成分Aの密度(23℃):1.69 kg/1
成分Bの密度(23℃):1.03 kg/1
混合物の密度(23℃):1.33 kg/1
固体含量:96質量%超
適用:成分A及びBを混合して完全に均質化させ、切り込み付きこてで、2.6kg/m2の使用量で適用する。
・DRYFLEX:商品名:Dryflex P. U. M. P.
製造者:RLA Tile Adhesives
説明:水性変性ポリウレタンに基づく屋根防水剤
特徴:密度(23℃):1.25kg/1
固体含量:63(質量)%
適用:撹拌により生成物を均質化させ、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.5l/m2の二層として適用する。
・SIKAFILL:商品名:Sikafill
製造者:Sika, S. A. U.
説明:水性エマルション状態のスチレン−アクリルコポリマーに基づく屋根防水剤
特徴:密度(23℃):1.20kg/1
固体含量:60質量%
適用:撹拌により生成物を均質化させ、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.0kg/m2の二層として適用する。
・UV-CRS:組込UV架橋系を有するベースとしてアクリル樹脂を使用して製剤された生成物
ポリウレタンまたはビニルアセテート/エチレンエマルションに基づかない内部実験製剤
特徴:密度(23℃):1.28kg/1
固体含量:62.6質量%
粘度(23℃):5300mPas(200rpm/S4)(Contraves)
適用:撹拌により生成物を均質化させ、短毛ブリストルローラーで、各層ごとに1.0kg/m2の二層として適用する。
【0044】
試験プログラムを、その機能が屋根を防水することになる、最も重要な生成物のパラメーターを確認及び評価するために、上述の全ての生成物を用いて実施した。これらの試験とは、以下の通りであった。
1)水吸収性
2)液体水浸透性(UNE-EN 1063-3:2008)
3)日光に暴露した後の色の変化
4)促進老化の後の機械特性の変化
5)湿ったコンクリート及び乾燥したコンクリートへの粘着性
【0045】
得られた結果は以下の通りであった。
1.水吸収性試験
直径3cm及び厚さ1mmの寸法の全ての生成物の試料を、この試験を実施するために準備した。これら全てが一定質量に達した20日間の期間の後、これらを常温の脱塩水中に浸して、定期的に引き出して吸収紙で乾燥させた後に計量しつつ、42日間おいた。
【0046】
42日後、浸水を止め、試料を23℃及び湿度50%にて、14日間乾燥させる。この期間の後、これらを再度計量して前過程と同様に第二サイクルを開始する。
【0047】
【表5】

【表6】

【0048】
2.液体水浸透性試験
試験は、UNE-EN 10633:2008基準に記載の方法に従って実施された。液体水透過速度wが5kg/(m2h0.5)超であり、密度が1500〜20005kg/m3であり、表面積が200cm2及び最小厚さが2.5cmであるコンクリート試料を準備する。こうした試料を乾燥させ、これら生成物の該当する製品技術データシートに定められている1平方メートルあたりの生成物の量を適用することにより、試験しようとする試料でコーティングする。
【0049】
コーティングを少なくとも7日間おいて乾燥させ、水と接触することになる試料の裏と端を試験表面を少なくとも5mm、但し10mm以下重ねて密閉する。密閉に使用される製品は、いかなる撥水製品でもよく、例えばSikaflex 11FCである。試料を更に24日間に亘って23±2℃及び相対湿度50±5%にて乾燥させた。
【0050】
乾燥させた後、液体水透過速度を測定する前に、試料を老化させた。その目的のために、以下よりなる3度のサイクルを実施した。
・23±2℃の飲料水中に24時間
・50±2℃の乾燥24時間
・23±2℃及び50±5%の相対湿度にて24時間
【0051】
各乾燥フィルムの平均厚さを、UNE-EN 10633:2008基準にしたがって生成物の不揮発性材料の消費及び含量から算出した。各試料を計量し、これらを23℃の水を満たした容器中で、コーティングした表面を下向きにして金属またはプラスチックの支持体上に、前記表面が水中に1cm浸るように設置した。1時間後、2時間後、3時間後、6時間後、及び24時間後に、試料を水から取り出して、計量するために吸取紙を使用して乾燥させた。
【0052】
得られたデータで、表面(平方メートル)で除算した試料質量の増大分は、時間で表される期間の平方根の関数として、数値に表された。曲線の直線部分の傾斜が、液体水透過速度w(kg/m2h0.5)である。
【0053】
【表7】

【0054】
3.日光に暴露した後の色の変化
試験を、比色計を用い、生成物が硬化した時点で(適用の7日後)これらのL、a及びbの値を測定し、このデータをパターンとして確立させて実施した。前記ボードを傾斜させ(45°)、南に向け、更に建物の屋根の上に置いて日光に60日間暴露した後に測定を再度行う。最初の色に対する変化は、下式から得られるデルタEなる語によって表される。
【0055】
【数1】

【0056】
【表8】

【0057】
4.促進老化の後の機会特定の変化
・促進老化の前後の破断点伸度
0.7mmの厚さを有する別のタイプの試料を調製し、23℃及び50%にて硬化させた。硬化したところで、破断点伸度を伸縮計を200mm/分で用いて試験する。各生成物について、試料の一部を70℃のオーブンに60日間に亘って入れ、この期間の後に破断点伸度を再度試験する。最初の値と熱劣化後に得られた値との間に生じる変化を評価し、これを%で表わす。
【0058】
【表9】

【0059】
観察される通り、本発明の組成物は、非常に満足のいく伸長結果を示す。
【0060】
・QUV(2000h)での老化
前記試験のために準備された試料の一部は、QUVチャンバに2000時間に亘って入れられ、ここでは60℃にて4時間及び340nmのUV光と、UV光はなしに50℃での圧縮とからなる連続サイクルに処される。2000時間が過ぎたところで、破断点伸度を、伸縮計を200mm/分で用いて試験する。このデータを、老化の前に得られた値と比較して、その間の変化を算出し、%で表わす。
【0061】
【表10】

【0062】
本発明の組成物は、UVを2000時間適用した後にはそれほど十分ではなかったものの、とりわけ開始時の結果に十分な伸長結果を示す。
【0063】
5.湿ったコンクリート及び乾燥したコンクリートへの粘着性
様々な生成物を、その製品技術データシートに表示される通りに乾燥コンクリート(湿度4%未満)及び予め加湿したコンクリート(湿度15〜20%)に適用し、7日間おいて乾燥させ、この期間後に粘着性を直達牽引装置(Sattec)によって試験する。その目的のために、これにダイヤモンド・ビットで、直径50mm及び適用された生成物の厚さに加えて15〜20mmに等しい深さに孔を開ける。50mmのスチール粘着試験片を、二成分からなるエポキシ接着剤によってドリルで分離された部分に接着し、24時間後に測定を行う。
【0064】
【表11】

【0065】
この試験における本発明の組成物の結果は、試験した様々な組成物の平均結果と矛盾しないものである。
【0066】
上記の通り、ポリウレタン成分及びアクリル成分は、既述の実施態様においては、これを市販品として入手する快適さ及び容易さのために、単一の、予め混合された製品として供給されている。しかしながら、本発明者らは、双方の成分が本発明の組成物に別々に供給された場合でも、結果は実質的に同様であったろうと考える。
【0067】
要約すれば、本発明のアクリル-ポリウレタン-VAE(AC-PU/VAE)組成物は、かなりのコスト低減を伴うが、全ての試験において優れた結果を示し、ポリウレタン組成物の結果に類似する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根、ファサード、床、または垂直壁をコーティングするための水性組成物であって、
i)少なくとも1つのアクリルポリマー、及び
ii)少なくとも1つのポリウレタンポリマー、及び
iii)組成物全質量の5乃至40質量%の量の少なくとも1つのエチレンビニルアセテートエマルション
を含む水性組成物。
【請求項2】
エチレンビニルアセテートが、組成物全質量の15乃至30質量%、特に組成物全質量の18乃至22質量%の量である、請求項1
記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのアクリルポリマー及び少なくとも1つのポリウレタンポリマーが、少なくとも1つのアクリルポリマーと少なくとも1つのポリウレタンポリマーとの複合生成物の形態である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1つのアクリルポリマーと少なくとも1つのポリウレタンポリマーとの複合生成物中において、少なくとも1つのポリウレタンポリマーが、前記複合生成物の質量の5乃至85質量%の割合である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1つのアクリルポリマーと少なくとも1つのポリウレタンポリマーとの複合生成物中において、少なくとも1つのポリウレタンポリマーが、前記複合生成物の質量の10乃至50質量%の割合、好ましくは、前記複合生成物の10乃至30質量%の割合である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1つのアクリルポリマーと少なくとも1つのポリウレタンポリマーとの複合生成物が、組成物の全質量の30乃至40質量%の濃度であり、好ましくは組成物の全質量のおよそ37質量%の濃度である、請求項6に記載の組成物。
【請求項7】
前記アクリルポリマーが、外的界面活性剤水性エマルション中の熱可塑性、且つ、非スチレン性のポリマーである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリウレタンポリマーが、水溶液または水性分散物状態の脂肪族ポリマーである、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
水含量が、組成物全質量の10乃至40質量%である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の組成物を含む屋根、ファサード、床、または垂直壁。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項の組成物で、屋根、ファサード、床、または垂直壁をカバーする方法であって、以下の工程:
a)完全に均質になるまで機械的撹拌によって前記組成物を撹拌する工程;
b)先の工程a)から得られる組成物を、屋根、ファサード、床、または垂直壁に、ローラー、ブラシ、こてによって、またはスプレーによって適用する工程;
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
c)先の工程a)から得られる組成物を、ローラー、ブラシ、こてによって、またはスプレーによって、工程b)により得られた乾燥層上に適用する工程c)を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項13】
コーティング表面全体またはその個別の点にポリエステルメッシュを導入する工程を更に含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項14】
屋根、ファサード、床、または垂直壁のコーティングとしての、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の水性組成物の使用。

【公表番号】特表2012−531487(P2012−531487A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516797(P2012−516797)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059417
【国際公開番号】WO2011/000935
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】