説明

ポリウレタンフォームの安定化のためのウレタンまたは尿素基を含有するポリエーテルの使用

【課題】ポリウレタンフォームの安定化のためのウレタンまたは尿素基を含有するポリエーテルの使用を提供する。
【解決手段】 A.少なくとも1つのイソシアネートを、
B.(a)統計的に少なくとも1つのOH−および/またはNH−および/またはNH−官能基を有する少なくとも1つの親水性ポリエーテルと、
(b)統計的に少なくとも1つのOH−および/またはNH−および/またはNH−官能基を有する少なくとも1つの疎水性ポリエーテルと、場合により
(c)少なくとも1つのOH−および/またはNH−および/またはNH−官能基および/またはカルボン酸もしくはエポキシド官能基などの別のイソシアネート反応基を有する別の化合物とにより、
少なくとも1つのイソシアネートA.が二官能性以上であるという条件で変換することによって得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンおよび/またはポリイソシアヌレートフォームを製造するための新規フォーム安定化剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン硬質フォームは、例えば、断熱、エネルギー吸収、および吸音のために多様な用途で使用される。ポリウレタンフォームの技術的製造においては、フォーム安定化剤が加工助剤として使用される。形成されるフォームの特徴は、特殊な程度に使用されるフォーム安定化剤の構造および化学組成に依存する。これらは、使用される原料を乳化し、製造過程中のフォーム材を安定化し、均一の細孔構造、所望のセルの細かさ、およびオープンセル性を有する均質のフォーム材の形成を可能にする。
【0003】
フォーム安定剤としては、一般にポリシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロック混合重合液が使用される。これらの安定化剤は高い効率を有し、構造および組成の適切な選択によって発泡化系および発泡化方法に適合される。しかし、これらブロック混合重合液のシロキサン含有量は、ポリウレタンフォーム材において可燃性の悪影響の意味で燃焼挙動の明らかな悪化をもたらす。さらに、これらシリコン性安定化剤は製造方法に基づき常に低分子、揮発性の環状および線状シロキサンの大幅な部分を含有するが、これらはその後のフォームの使用に際して放出(「フォギング」−「VOC」)のための重要な寄与などの望ましくない作用を示しうる。さらに、得られたフォーム材の表面はケイ素有機安定化剤の使用に際してうまく使用できず、それによってその後の表面処理、例えば、多くのフォーム材の塗りや塗布が困難となる。
【0004】
したがって、これらの欠点のないケイ素を含まない安定化剤の製造が試みられた。Siを含まないフォーム安定化剤はすでに多く特許文献において言及された。例えば、ノニルフェノールのアルコキシル化誘導体(米国特許第5 236 961号明細書)、アルコキシル化脂肪アルコール(欧州特許第A−0 343 463号明細書)、脂肪酸エステルおよびアミド(独国特許第A−19 521 351号明細書)などの単純な界面活性剤の他、その有効性がブチレンオキシド単位の存在に基づくとされるポリエーテルも記載された(国際公開第A−95/16721号パンフレット)。開始剤としては、さまざまな官能性のOH化合物、さらにまたアミン(エチレン−ジアミン、アンモニア、およびエタノールアミン)も挙げられた。
【0005】
例えば、米国特許第4 356 273号明細書に記載されているように、部分的または完全にフッ素化した化合物に基づく安定化剤は、同様にSiを含まない。別の提案によれば、分子のポリオールおよびペルフルオロ部分はエーテル、アミン、アミド、またはスルホンアミド基を介してそれぞれ結合される。
【0006】
独国特許第A−2 240 350号においては、N−ビニルピロリドンのほか、N−ビニルピロリドン、およびジブチルマレート、またはN−ビニルピロリドン、ジブチルマレート、およびビニルアセテートの混合物の多官能ポリエーテルポリオールにおけるラジカル重合によって製造されたSiを含まない安定化剤の製造方法が記載されている。
【0007】
独国特許第A−25 00 017号明細書および米国特許第4 091 030号明細書において、環状窒素含有モノマー(N−ビニルアミド)、および多官能ポリエーテルポリオン中の不飽和ジカルボン酸のエステルのラジカル重合によって製造されるSiを含まない安定化剤が記載されている。
【0008】
意外にも、ウレタンまたは尿素基含有ポリエーテルはフォーム安定化剤として作用しうることが見出された。
【特許文献1】米国特許第5 236 961号明細書
【特許文献2】欧州特許第A−0 343 463号明細書
【特許文献3】独国特許第A−19 521 351号明細書
【特許文献4】国際公開第A−95/16721号パンフレット
【特許文献5】米国特許第4 356 273号明細書
【特許文献6】独国特許第A−2 240 350号明細書
【特許文献7】独国特許第A−25 00 017号明細書
【特許文献8】米国特許第4 091 030号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の対象は、
A.少なくとも1つのイソシアネートを、
B.(a)統計的に少なくとも1つのOH−および/またはNH−および/またはNH−官能基を有する少なくとも1つの親水性ポリエーテルと、
(b)統計的に少なくとも1つのOH−および/またはNH−および/またはNH−官能基を有する少なくとも1つの疎水性ポリエーテルと、場合により
(c)少なくとも1つのOH−および/またはNH−および/またはNH−官能基および/またはカルボン酸もしくはエポキシド官能基などの別のイソシアネート反応基を有する別の化合物とにより、
少なくとも1つのイソシアネートA.が二官能性以上である標準で変換することによって得られる、フォーム安定化剤としてのウレタンまたは尿素基を含有するポリエーテルの使用である。
【0010】
上記の化合物の変換の目的は、疎水性ポリエーテルが親水性ポリエーテルと結合される製品の製造である。
【0011】
アルコールまたはアミンによるイソシアネートの変換に際して対応するウレタンまたは尿素誘導体が形成される。上記の成分の変換に際して混合物の形で化合物が形成されるが、その分布は反応処理によって、さらにまた統計的法則によって決定される。
【0012】
適切な多官能性イソシアネートは、芳香族および脂肪族でありうる。例として、メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサエチレンジイソシアネート、1−イソシアネート3,5,5−トリメチル−1,3−イソシアネートメチルシクロヘキサン(IPDI)、またはポリメチレン−ジフェニルイソシアネート(PMDI)が挙げられる。さらに、例えば、Desmodur(登録商標)N100およびDesmodur(登録商標)N3600の商品名で入手可能である三官能性および多官能性イソシアネートも適している。多官能性イソシアネートとの組合せでは、単官能イソシアネートも反応混合物において特に極性および分子量分布の制御のために使用される。
【0013】
本明細書では、アルコキシ単位の60モル%超がエチレンオキシド単位であるようなポリエーテルを親水性ポリエーテルと呼ぶ。本明細書では、アルコキシ単位の最大45モル%がエチレンオキシド単位であるようなポリエーテルを疎水性ポリエーテルと呼ぶ。
【0014】
適切なポリエーテルは、好ましくは、アルコール、アミン、またはアルカノールアミンである開始剤の変換によって、モノマーの蓄積によって得られる。開始アルコールは、例えば、水、メタノール、エタノール、1−ブタノール、ビスフェノール−A、2−アミノエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、オリゴおよびポリグリセリン、1,3−ジヒドロキシプロパン、1,4−ジヒドロキシブタン、1,6−ジヒドロキシヘキサン、1,2,4−トリヒドロキシブタン、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ペンタエリトリトールのオリゴマー、ポリカプロラクトン、キシリトール、アラビトール、ソルビトール、マニトール、エチレンジアミン、アンモニア、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、ヒマシ油、または果糖でありうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明により使用されるポリグリセリンは、一般式
HO−CH−CH(OH)−CH−0−[CH−CH(OH)−CH−O]−H
[式中、
nは1〜9、好ましくは1〜6、特に1〜3、とりわけ1および2を意味する。]の線状化合物である。
【0016】
さらに、使用されるポリグリセリンは分岐型であり、かつ環状部を含有しうる。これらはおよそ0〜5重量%のグリセリン、15〜40重量%のジグリセリン、30〜55重量%のトリグリセリン、10〜25重量%のテトラグリセリン、0〜10重量%の高級オリゴマーを含有する。本発明により好ましく使用されるポリグリセリンは、15〜35重量%のジグセリン、38〜52重量%のトリグリセリン、15〜25重量%のテトラグリセリン、10重量%未満の高級オリゴマー、および2重量%未満の環状化合物を含有する。特に好ましくは、統計的手段でジグリセリンを含有するポリグリセリンが使用される。
【0017】
モノマーとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、1,2−エポキシブタン(n−ブチレンオキシド)、2,3−エポキシブタン(イソブチレンオキシド)、およびドデシルオキシドの群からの化合物である。この場合、モノマーの配分は任意に選択されうるため、例えば、ブロックが含有しうる。そのほか、モノマーの混合物も使用可能であり、単位が統計的配分に、または徐々に配分されるポリエーテルが含有される。かかるポリエーテルは統計的に配置され、またはブロック構造を有しうる。
【0018】
1つもしくはそれ以上の活性水素原子を有する適切な親水性ポリエーテルは式(I)
(R[R[(E)−(P)−R (I)
[式中、
は、a=1の場合、開始剤のe官能基の非反応性部分であり、
は、互いに独立してO、NR、NH、またはNであり、
Eは、エトキシ官能基、好ましくは、残基−(CH−CH−O)であり、
Pは、少なくとも3個の炭素原子を有する同じか、または異なるアルコキシ官能基であり、
は、H、−C2f−N(R)H、および−C2f−NHの群からなる同じか、または異なる残基であり、
は、1〜20個の炭素原子、好ましくはメチル、エチル、またはフェニルを有する同じか、または異なるアルキルまたはアリール官能基であり、
aは、0または1であり、
bは、1、2、または3であり、
cは、10〜500であり、好ましくは15〜400、特に20〜300であり、
dは、0〜330であり、好ましくは0〜200、特に0〜100であり、
eは、1〜10であり、好ましくは2〜8、特に2〜4であり、
fは、2〜5であり、
cが>0.6(c+d)であるという条件で]により記載される。
【0019】
1つもしくはそれ以上の活性水素原子を有する適切な疎水性ポリエーテルは、同じく式I
[式中
cは0〜400、好ましくは0〜300、特に0〜200であり、
dは10〜500、好ましくは15〜400、特に20〜300であり、
cが<0.45(c+d)であるという条件で]で記載される。
【0020】
式(I)で記載されたポリエーテルは、場合によりグラフト重合法によってさらに修飾されうる。そのために、このポリエーテルはラジカル活性化剤の存在下に二重結合を有するモノマーで変換される。グラフト化度および使用されるモノマーの量と種類の設定によって、もしくは混合重合剤の製造のための方法によって、ポリエーテルの特徴を適切に変化させることが可能である。適切なモノマーは、例えば、メチルメタクリレート、アクリル酸、スチロール、またはマレイン酸無水物である。この種の方法が、独国特許第1111 394号明細書に記載されている。これらの文献に記載されたポリエーテルは、それらが統計的に少なくとも1つのOHおよび/またはNHおよび/またはNH官能基を有する場合には本発明によっても使用されうる。したがって、ポリエーテルの化学的特徴についての上記の文献および特許文献の内容は、本明細書では参照として導入され、本出願の開示内容の一部とみなされる。
【0021】
適切な親水性ポリエーテルの特殊な例は、
【化1】

である。
【0022】
適切な疎水性ポリエーテルの特殊な例は、
【化2】

【化3】

である。
【0023】
カルボン酸またはエポキシド官能基などの少なくとも1つのOHおよび/またはNHおよび/またはNH官能基および/または他のイソシアネート反応基を有する別の化合物(c)は、例えば、上記の本発明により使用される親水性または疎水性ポリエーテルa)およびb)に見なされないポリエーテル、メタノール、エタノール、脂肪アルコール、ポリ(エチレン−co−1,2−ブチレン)−モノール、C13−CHCHO、アルキルフェノールなどのフッ化アルコールなどの一価アルコール、または1,2−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリ−(エチレン−co−1,2−ブチレン)−ジオール、ポリ−(ヘキサエチレン−カーボネート)−ジオール、グルコース、フラクトース、ポリグリセリン、ポリエステルモノール、またはポリ−(カプロラクタン)−ジオールまたはポリ−(ヘキサメチレンフタレート)−ジオールなどのポリエステルジオールまたはフッ化ポリエーテルなどの多価アルコールである。
【0024】
別の適切な化合物(c)は、例えば、脂肪酸修飾アルコールである。これは、OH官能基が部分的にエステル化されている二価または多価アルコールである。
【0025】
別の適切な化合物は、活性水素原子を有する第一級または第二級アミンであり、例えば、エチルアミン、1,6−ヘキサメチレンレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリエチレンイミン、または、例えばアミン末端基を有するポリ−(アクリル酸ニトリル−co−ブタジエン)である。
【0026】
別の適切な化合物(c)は、例えば、脂肪酸修飾アミンである。これは、アミン基が部分的にアミド化されている二価または多価アミンである。
【0027】
そのほか、例えば、ジエタノールアミンまたはエタノールアミンなどのアルコールアミンが適している。この場合にもOHもしくはアミン官能基は部分的にエステル化もしくはアミド化されて存在しうる。
【0028】
安定化剤の表面活性を高めるために、別の反応対としてアルコールまたはアミン官能基を有するオルガノ修飾シロキサンも使用されうる。適切な例は、例えば、
HO−(CH−SiMeO−(SiMeO)10−SiMe−(CH−OH
などのOH官能性シロキサンであり、または、例えば、
N−(CH−SiMeO−(SiMeO)10−SiMe(CH−NHなどのアミノシロキサンであり、または、例えば、
HO−(CH(CH)CHO)−(CH−SiMeO−(SiMeO)20−SiMe−(CH−(OCH−CH(CH))−OH
などのポリエーテルシロキサンである。
【0029】
ポリウレタンフォーム材安定化剤として使用可能であるために、親水性および疎水性ポリアルキレンブロックはバランスのとれた比率で存在する必要があり、ここでさまざまなブロックの構造も重要な意味がある。したがって、できるだけ有効なフォーム安定化剤の構造のためには多くのバリエーションがある。
【0030】
多官能イソシアネートによるさまざまなポリエーテルの変換は、親水性および疎水性ポリエーテルの量および種類の選択によって疎水性に対する親水性構成要素の比率の正確な設定を可能にする。さらに、別のアルコールまたはアミンの組込みによって特定の別の種類のさまざまな疎水性または親水性構成要素を組込むことができる。例えば、1,6−ヘキサンジオールの使用に際しては疎水性アルキレンブロックが形成され、ジメチロールプロパン酸の使用によってカルボン酸官能性を有する構成要素が形成される。
【0031】
さらに、多官能イソシアネートにおけるさまざまなイソシアネート官能基間の反応性の違いの利用によって、例えば、特定のブロックまたは分岐構造を形成するためのプレポリマーの形成によって、特定の構造が好ましくは形成される。
【0032】
同様のことは、さまざまなOH、NH、またはNH官能基の反応性の違いの利用を可能にする。
【0033】
フォーム安定化剤の有効性に関する予測は、ある程度だけ存在しうる。したがって、専門家は、バリエーションの可能性をさらに実験する必要がある。
【0034】
本発明によるポリエーテル安定化剤は顕著な乳化性とともに高いフォーム安定化の可能性を有し、したがってポリウレタンフォーム安定化剤として顕著に適している。特に、これはポリエステル軟質フォーム材およびポリウレタンならびにポリイソシアネート硬質フォーム材に当てはまる。
【実施例】
【0035】
実施例
次の実施例は本発明を明確にするために役立つが、決して限定するものではない。
【0036】
実施例1(LE4944):
疎水性ポリエーテルジオール84g(M=約2,200g/モル、w(EO)=10%)を親水性ポリエーテルモノール(M=2,000g/モル、w(EO)=100%)55gと混合し、イソホロンジイソシアネート11gを添加した。これらの混合物を90℃に加熱し、最終的にジブチル錫ラウレート0.15gを添加した。その後さらに4時間、これらの温度で攪拌した。
【0037】
実施例2(LE4950):IDPIによる線形
疎水性ポリエーテルジオール66g(M=約2,200g/モル、w(EO)=10%)を親水性ポリエーテルモノール(M=1,100g/モル、w(EO)=100%)24gと混合し、メチレンジフェニルイソシアネート10gを添加した。これらの混合物を90℃に加熱し、最終的にジブチル錫ラウレート0.1gを添加した。その後さらに4時間、これらの温度で攪拌した。
【0038】
実施例3(GP−J−139):Desmodur N3300による分岐
疎水性ポリエーテルモノール34g(M=約1,800g/モル、w(EO)=0%)を疎水性ポリエーテルジオール30g(M=約2,200g/モル、w(EO)=10%)および親水性ポリエーテルモノール25g(M=2,000g/モル、w(EO)=95%)と混合し、Desmodur N3,300(バイエル株式会社(Bayer AG)の技術的第3級官能イソシアネート)11gを添加した。その後、さらにプロピレンカーボネート100gを添加した。これらの混合物を90℃に加熱し、最終的にジブチル錫ラウレート0.1gを添加した。その後さらに4時間、これらの温度で攪拌した。
【0039】
比較例4:
比較例としてPluronic 10400(BASF株式会社(BASF AG)のA−B−A−ブロックポリエステル)を使用した。エチレンオキシド単位の質量比率は40%である。
【0040】
比較例5:Vorosurf 504
別の比較例として、Vorosurf 504(ダウ社(DOW社)のブチレンオキシドおよびエチレンオキシドからのA−B−A−ブロックポリエーテル)を使用した。
【0041】
次の比較のために、50×25×5cmの大きさのポリウレタン硬質フォーム材を60℃に加熱し、次の成分によるポリウレタン形成のハンドフォーミングによってロック可能な金属性の型を製造した。
【0042】
【表1】

【0043】
得られた硬質フォーム材を、表面の性質、内部障害、およびセルの細かさに関して視覚判断において検査した。さらに、平均熱伝導性(Kファクター)を温度勾配(36℃/10℃)での熱流測定による熱伝導性測定によって測定した。
【0044】
次の表において、本発明によるポリエーテル共重合体で得られている結果を市販のSiを含まない乳化剤と比較する。
【0045】
【表2】

【0046】
上記の表から明らかであるように、請求された化合物は硬質フォーム材の製造のためのフォーム安定化剤として適している。特徴的なのはウレタン含有ポリエーテルの顕著に高い安定化の可能性であり、これは特に底部において比較例に対して表面の性質の有意な改善をもたらす。おそらく、優れた乳化能および高いペンタン保持能のほか、これらの化合物は明らかに少ない顕著な障害像に関与する。さらに、これらの実施例の硬質フォーム材は比較例4と比べより微細なセル構造を示し、これは有意に改善された熱伝導性をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.少なくとも1つのイソシアネートを、
B.a)統計的に少なくとも1つのOH−および/またはNH−および/またはNH−官能基を有する少なくとも1つの親水性ポリエーテルと、
b)統計的に少なくとも1つのOH−および/またはNH−および/またはNH−官能基を有する少なくとも1つの疎水性ポリエーテルと、場合により
c)少なくとも1つのOH−および/またはNH−および/またはNH−官能基および/またはカルボン酸もしくはエポキシド官能基などの別のイソシアネート反応基を有する別の化合物とにより、
少なくとも1つのイソシアネートA.が二官能性以上であるという条件で変換することによって得られる、フォーム安定化剤としてのウレタンまたは尿素基を含有するポリエーテルの使用。
【請求項2】
PU−フォーム安定化剤としての請求項1に記載のウレタンまたは尿素誘導体の使用において、成分a)として一般式(I)
(R[R[(E)−(P)−R (I)
[式中、
は、a=1の場合、開始剤のe官能基の非反応性部分であり、
は、互いに独立してO、NR、NH、またはNであり、
Eは、エトキシ官能基、好ましくは残基−(CH−CH−O)であり、
Pは、少なくとも3個の炭素原子を有する同じか、または異なるアルコキシ官能基であり、
は、H、−C2f−N(R)H、および−C2f−NHの群からなる同じか、または異なる残基であり、
は、1〜20個の炭素原子、好ましくはメチル、エチル、またはフェニルを有する同じか、または異なるアルキルまたはアリール官能基であり、
aは、0または1であり、
bは、1、2、または3であり、
cは、10〜500であり、
dは、0〜330であり、
eは、1〜10であり、
fは、2〜5であり、
cが>0.6(c+d)であるという条件で]の少なくとも1つのポリエーテルが使用されることを特徴とする使用。
【請求項3】
フォーム安定化剤としての請求項1または2に記載のウレタンまたは尿素誘導体の使用において、成分b)として一般式(I)
[式中、
cは0〜400であり、
dは10〜500であり、cが<0.45(c+d)であるという条件で]の少なくとも1つのポリエーテルが使用されることを特徴とする使用。
【請求項4】
フォーム安定化剤としての請求項1または2に記載のウレタンまたは尿素誘導体の使用において、成分a)として一般式(I)
[式中、
cは15〜400であり、
dは0〜200であり、
eは2〜8である。]の少なくとも1つのポリエーテルが使用されることを特徴とする使用。
【請求項5】
フォーム安定化剤としての請求項1または2に記載のウレタンまたは尿素誘導体の使用において、成分a)として一般式(I)
[式中、
cは20〜300であり、
dは0〜100であり、
eは2〜4である。]の少なくとも1つのポリエーテルが使用されることを特徴とする使用。
【請求項6】
フォーム安定化剤としての請求項1または2に記載のウレタンまたは尿素誘導体の使用において、成分b)として一般式(I)
[式中、
cは0〜300であり、
dは15〜400であり、
eは2〜8である。]の少なくとも1つのポリエーテルが使用されることを特徴とする使用。
【請求項7】
フォーム安定化剤としての請求項1または2に記載のウレタンまたは尿素誘導体の使用において、成分b)として一般式(I)
[式中、
cは0〜200であり、
dは20〜300であり、
eは2〜4である。]の少なくとも1つのポリエーテルが使用されることを特徴とする使用。
【請求項8】
フォーム安定化剤としての請求項1または2に記載のウレタンまたは尿素誘導体の使用において、成分a)として式
【化1】

の少なくとも1つのポリエーテルが使用されることを特徴とする使用。
【請求項9】
フォーム安定化剤としての請求項1または2に記載のウレタンまたは尿素誘導体の使用において、成分b)として式
【化2】

【化3】

【化4】

の少なくとも1つのポリエーテルが使用されることを特徴とする使用。
【請求項10】
フォーム安定化剤としての請求項1または2に記載のウレタンまたは尿素誘導体の使用において、成分c)としてポリエステルジオールが使用されることを特徴とする使用。

【公開番号】特開2008−63578(P2008−63578A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231792(P2007−231792)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(500442021)ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (28)
【Fターム(参考)】