説明

ポリウレタンプレポリマー

本発明は、ポリウレタンプレポリマー、その製造方法、および接着剤、被覆物またはフォームのためのバインダーとしてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンプレポリマー、その製造方法、および接着剤、被覆物またはフォームのためのバインダーとしてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
シラン重縮合により架橋するアルコキシシラン官能性ポリウレタンは、長期間知られている。この主題についての概説論文は、例えば「Adhesives Age」、第30頁以降(著者:Ta−Min Feng、B.A.Waldmann)に見出される。このような湿気硬化性アルコキシシラン末端一成分ポリウレタンは、柔軟な被覆物、シーリングおよび接着剤組成物として、建築および自動車工業にますます使用されている。
【0003】
このようなアルコキシシラン官能性ポリウレタンは、US−A3627722またはDE−A1745526に従って、例えばポリエーテルポリオールと過剰のポリイソシアネートとを反応させてNCO含有プレポリマーを与え、次いでこれをアミノ官能性アルコキシシランと更に反応させることにより製造することができる。
【0004】
公開公報EP−A0397036、DE−A19908562(EP−A1093482に対応)およびUS−A2002/0100550は、アルコキシシラン末端ポリマーの更なる異なった製造方法を記載する。これらの明細書によれば、4000g/モル以上の平均分子量を有する高分子量ポリエーテルをいずれの場合にも用いる。
【0005】
上記の全アルコキシシラン末端系は、硬化後に、比較的低い強度および高い破断伸びを有する柔軟性ポリマーを形成する。DE−A1745526は、ポリオキシプロピレングリコール系ポリマーについて、3.36kg/cm〜28.7kg/cmの範囲の引張強度を記載する。構造接着について十分に高い強度は、結晶化性ポリカプロラクトンによってのみ達成される。
【0006】
しかしながら、上記系は、室温にて極めて高い粘性または固体であり、従って、温かい状態においてのみ処理することができる。
【0007】
従って、上記出願の使用の分野は、一方ではシーリング材料および柔軟性接着剤に限られ、他方では温かい状態においてのみ処理することができる高粘性または固体系に限られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3627722号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第1745526号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0397036号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第19908562号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1093482号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0100550号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第1745526号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Ta−Min Feng、B.A.Waldmann、「Adhesives Age」、第30頁以降
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、室温で液体であり、硬化後に高い密着強度が得られ、構造接着を可能とする接着剤を処方するために用いることができるアルコキシシラン末端ポリウレタンを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記アルコキシシラン末端ポリウレタンは、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(2,4’−MDI)、必要に応じて他のポリイソシアネートとの混合物中で、およびイソシアネートに対して反応性である基を有する化合物の混合物からNCOプレポリマーを製造することにより調製することができることを見出した。これによりイソシアネートに対して反応性である基を有する化合物の混合物は、分子量≦2000g/モルを有する化合物を、少なくとも50重量%の量で含有する。次いで得られるNCOプレポリマーは、イソシアネート反応性アルコキシシランで第2工程において変性する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
従って、本発明は、
a)一般式(I):
【化1】

〔式中、
PICは、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(2,4’−MDI)または2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(2,4’−MDI)と他のポリイソシアネートとの組み合わせのイソシアネート基を除いた基を表し、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネートの割合は、いずれの場合にもポリイソシアネート成分(成分B)を基準として少なくとも50重量%であり、
は、窒素、酸素または硫黄を表し、
は、自由電子対または水素または任意の所望の有機基のいずれかを表し、
Aは、任意の所望の順序で、すなわち、ブロック状、交互にまたはランダムに、式:
−Y−(C=O)−NH−PIC−NH−(C=O)−Y(R)−
(式中、YおよびYは、互いに独立して、ポリイソシアネートBに由来する窒素、酸素または硫黄を表し、これらの下部構造の末端基の全部または一部は、対応するチオ化合物またはアミン誘導体であってもよい)
で示される構造要素により共に結合したポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたはポリテトラヒドロフランポリオールから構成されるイソシアネート反応性ポリマーのイソシアネート反応性基を除いた基を表し、
50〜100重量%は、200g/モル〜2000g/モルの平均分子量(Mn)を有する下部構造A1であり、および
0〜50重量%は、2000g/モルを越える平均分子量(Mn)を有する下部構造A2であり、および
A全体は、2〜4の平均官能価を有する〕
で示される構造単位を含有するイソシアネート官能性プレポリマーと、
b)一般式(II):
【化2】

〔式中、
、XおよびXは、同一のまたは異なったアルコキシ基またはアルキル基であり、これらは、架橋していてもよいが、少なくとも1つのアルコキシ基は各Si原子上に存在しなければならず、
Qは、2官能性直鎖または分枝状脂肪族基であり、
Yは、窒素または硫黄を表し、
Rは、自由電子対または水素または任意の所望の有機基のいずれかを表す〕
で示されるイソシアネート反応性アルコキシシラン化合物(成分C)と
を反応させることにより得られるアルコキシシラン基で変性されたポリマーを提供する。
【0013】
a)とb)との反応は、0.8:1.0〜1.3:1.0(NCO:Y−H)の比で行うことができる。
【0014】
本発明の化合物は、室温で液体であり、7000g/モル未満、好ましくは5000g/モル未満の数平均分子量および23℃にて1000Pas未満の粘度、好ましくは23℃にて500Pas未満の粘度を、特に好ましくは23℃にて100Pas未満の粘度を有する非結晶化性物質である。
【0015】
イソシアネート反応性化合物(成分A)の混合物は、50〜100%の2〜4個のイソシアネート反応性基および200g/モル〜2000g/モルの数平均分子量を有するイソシアネート反応性化合物(A1)、および0〜50%の2〜4個のイソシアネート反応性基および2000g/モルを越える数平均分子量を有するイソシアネート反応性化合物(A2)から構成され、A1およびA2はいずれも、イソシアネート反応性基を有する化合物の組み合わせから構成されてよく、但し、これらの化合物は、分子量について上記限定の範囲内である。
【0016】
成分Aとして、イソシアネート反応性基を含有し、平均して少なくとも2の官能価を有する当業者に既知の任意の化合物を用いることができる。これらは、例えば、高分子量イソシアネート反応性化合物、例えばポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールならびにポリチオエーテルポリオール等であってよい。好ましくは、上記イソシアネート反応性化合物は、2〜4、好ましくは2〜3.5、特に好ましくは2〜3の平均官能価を有する。
【0017】
好ましくは、ポリエーテルポリオールを用いる。これらは、それ自体既知の方法により、適当なスターター分子の塩基触媒作用でのアルコキシル化または複金属シアン化物化合物(DMC化合物)を用いることにより得られる。ポリエーテルポリオールの製造のための適当なスターター分子は、エポキシドに対して反応性である少なくとも2つの元素水素結合を有する分子、またはこのようなスターター分子の任意の混合物である。
【0018】
特に適当なポリエーテルポリオールは、ポリオール1グラムあたり0.02ミリグラム当量(meq/g)以下、好ましくは0.015meq/g以下、特に好ましくは0.01meq/g以下の不飽和末端基の含有量(決定の方法ASTM D2849−69)を有する上記型のポリエーテルポリオールである。
【0019】
これは、例えばUS−A5158922(例えば実施例30)およびEP−A0654302(第5頁第26行目〜第6頁第32行目)に記載されている。
【0020】
ポリエーテルポリオールの製造のための適当なスターター分子は、例えば低分子量単純ポリオール、水、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,3−プロピレングリコールおよび1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、少なくとも2つのN−H結合を有する有機ポリアミン、例えばトリエタノールアミン、アンモニア、メチルアミンまたはエチレンジアミン等、またはこのようなスターター分子の任意の混合物である。アルコキシル化に適したアルキレンオキシドは、特にエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドであり、これらは、任意の所望の順序でまたは混合物中でアルコキシル化に用いることができる。
【0021】
少なくとも1つの第3級アミノ基を有する少なくとも1つのポリオールを含有するポリエーテルポリオール混合物を用いることも可能である。このような第3級アミノ基を含有するポリエーテルポリオールは、スターター分子またはエポキシドに対して反応性である少なくとも2つの元素水素結合を有し、その少なくとも1つは、NH結合であるスターター分子を少なくとも含有するスターター分子の混合物、または第3級アミノ基を有する低分子量ポリオール化合物のアルコキシル化により調製することができる。適当なスターター分子の例は、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、エチレントリアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチル−エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,4−トルイレンジアミン、2,6−トルイレンジアミン、アニリン、ジフェニルメタン−2,2’−ジアミン、ジフェニルメタン−2,4’−ジアミン、ジフェニルメタン−4,4’−ジアミン、1−アミノメチル−3−アミノ−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、キシリレンジアミンおよびポリオキシアルキレンアミンである。
【0022】
有機フィラー、例えばトルイレンジイソシアネートとヒドラジン水和物との付加生成物またはスチレンおよびアクリロニトリルのコポリマー等を分散させたポリエーテルポリオールを用いることも可能である。
【0023】
テトラヒドロフランの重合により得られる400g/モル〜4000g/モルの分子量を有するポリテトラメチレンエーテルグリコール並びにヒドロキシル基含有ポリブタジエンを用いてもよい。
【0024】
ヒドロキシルポリカーボネートは、型エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールまたは1,6−ヘキサンジオールおよび/またはトリオール、例えばグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールまたはソルビトール等のグリコールとジフェニルカーボネートおよび/またはジメチルカーボネートとの反応生成物であると理解される。反応は、フェノールおよび/またはメタノールを開裂する縮合反応である。組成に応じて、液体乃至蝋様の>−40℃のTg値を有する非晶質型、または40〜90℃の融点範囲を有する結晶質ポリカーボネートポリオールが得られ、その分子量範囲は、200g/モル〜10000g/モルである。好ましくは400g/モル〜5000g/モル、特に好ましくは500g/モル〜3000g/モルの分子量範囲を有する結晶質ポリカーボネートポリオールである。
【0025】
ヒドロキシルポリエステルは、脂肪族、脂環式、芳香族および/またはヘテロ環式多塩基、好ましくは二塩基カルボン酸、例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸および/またはドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、スベリン酸、トリメリット酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマー脂肪酸およびトリマー脂肪酸、例えばオレイン酸等、必要に応じてこれらとモノマー脂肪酸との混合物、テレフタル酸ジメチルエステルまたはテレフタル酸ビス−グリコールエステル、オルト−、イソ−またはテレフタル酸と、多価、好ましくは2価または3価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−/1,3−プロパンジオールおよび1,4−/1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]デカンまたは1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、1,4−フェノールジメタノール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリトリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシドまたは4,3,6−ジアンヒドロヘキサイト等との反応生成物であると理解される。遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物または対応する低級アルコールのポリカルボン酸エステルまたはこれらの混合物を併用してポリエステルを調製することもできる。
【0026】
反応は、Ullmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie、「Polyester」、第4版、Verlag Chemie、ワインハイム、1980年に記載の通り、通常の溶融縮合である。組成に応じて、>20℃のTg値を有する液体非晶質型または40〜90℃の融点範囲を有する結晶質ポリエステルポリオールが得られる。本発明に従って用いることができるポリエステルポリオールは、500g/モル〜2500g/モル、好ましくは800g/モル〜2000g/モルの数平均分子量を有する。
【0027】
特に、本発明では、グリセロールおよびヒドロキシ脂肪酸、特にヒマシ油およびその誘導体、例えばモノ脱水ヒマシ油等から誘導された生成物が挙げられる。
【0028】
対応するヒドロキシル基末端ポリ−ε−カプロラクトンを用いることもできる。
【0029】
ポリヒドロキシ化合物の他に、ポリエーテルアミンを成分Aにおいて比例的に用いてもよい。ポリエーテルポリオールについて既に示されている同じ限定が、混合物の好ましい分子量および組成について当てはまる。
【0030】
イソシアネート官能性プレポリマーの合成のための成分Bとして、過剰の2,4’−MDIまたは複数の少なくとも50重量%2,4’−MDIを含有するポリイソシアネートの2,4’−MDI含有混合物を用いる。2,4’−MDIの他に用いることができるポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族および脂環式ジイソシアネート並びにこれらの混合物が挙げられる。適当なジイソシアネートは、平均分子量400未満を有する式PIC(NCO)(式中、PICは、芳香族C−C15炭化水素基、脂肪族C−C12炭化水素基または脂環式C−C15炭化水素基を表す)の化合物、例えば群ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタンジイソシアネート(トリイソシアナトノナン、TIN)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、3,3,5−トリメチル−1−イソシアナト−3−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、2,4−および/または2,6−メチルシクロヘキシルジイソシアネート(HTDI)ならびにω,ω’−ジイソシアナト−1,3−ジメチルシクロヘキサン(HXDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(THDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルプロパン−(2,2)、3−イソシアナトメチル−1−メチル−1−イソシアナトシクロヘキサン(MCI)、1,3−ジイソオクチルシアナト−4−メチルシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナト−2−メチルシクロヘキサンおよびα,α,α’,α’−テトラメチル−m−または−p−キシリレンジイソシアネート(TMXDI)、2,4−/2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、2,2’−/4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、ナフチルジイソシアネート(NDI)からのジイソシアネートである。好ましいのは、IPDI、HDIまたはTDIまたはMDI誘導体の使用である。
【0031】
また、当然のことながら、上記有機脂肪族、脂環式またはヘテロ環式ポリイソシアネートの、その誘導体、例えばウレタン、ビウレット、アロファネート、ウレットジオン、イソシアヌレートおよび三量体等の形態およびその誘導体の混合形態での使用または併用も包含される。
【0032】
一般式(II)(成分C)で示されるイソシアネート反応性アルコキシシラン化合物は、当業者に十分に周知である。その例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルトリエトキシシラン、(アミノメチル)メチルジメトキシシラン、(アミノメチル)メチルジエトキシシラン、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノプロピルトリメトキシシランおよびN−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0033】
さらに、EP−A0596360に記載のアスパラギン酸エステルは、イソシアネート反応性化合物として使用することもできる。一般式(III):
【化3】

で示される分子では、Xは、同一のまたは異なったアルコキシ基またはアルキル基を表し、これらは、架橋していてもよいが、少なくとも1つのアルコキシ基は、各Si原子上に存在しなければならず、Qは二官能性で、直鎖状または分枝状の脂肪族基であり、Zは、1〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基を表す。上記アスパラギン酸エステルの使用は好ましい。特に好ましいアスパラギン酸エステルの例は、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アスパラギン酸ジエチルエステル、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アスパラギン酸ジエチルエステルおよびN−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)アスパラギン酸ジエチルエステルである。N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アスパラギン酸ジエチルエステルの使用は特に好ましい。
【0034】
更に、本発明は、まず、イソシアネート反応性ポリマーA1または任意に該イソシアネート反応性ポリマーA1とイソシアネート反応性ポリマーA2(定義Aに従いイソシアネート反応性基が存在する)との混合物を過剰のポリイソシアネート(成分B)と反応させてイソシアネート官能性プレポリマーを与え、次いで該イソシアネート官能性プレポリマーを、イソシアネート反応性アルコキシシラン化合物(成分C)との反応によりマスクすることを特徴とする、上記のアルコキシシラン基で変性されたポリマーの製造方法を提供する。
【0035】
イソシアネート官能性プレポリマーの合成のために、過剰の成分Bを用いるが、好ましくは1.3:1.0〜3.0:1.0、特に好ましくは1.5:1.0〜2.0:1.0、さらに特に好ましくは0.8:1.0〜1.3:1.0のNCO:Y−H比を選択する。
【0036】
ウレタン化は、触媒作用により促進することができる。当業者にそれ自体既知のウレタン化触媒、例えば有機錫化合物またはアミン触媒等は、NCO−OH反応を促進するために適している。有機錫化合物の例として以下のものが挙げられる:二酢酸ジブチル錫、ジラウリン酸ジブチル錫、ジオクチル錫ジラウレート、ビスアセト酢酸ジブチル錫およびカルボン酸錫、例えばオクタン酸錫等。前記錫触媒は、必要に応じて、アミン触媒、例えばアミノシランまたは1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等と組み合わせて使用することができる。
【0037】
二酢酸ジブチル錫は、ウレタン化触媒として特に好ましい。
【0038】
本発明の方法では、触媒成分は、用いる場合、本発明の方法による生成物の固形分を基準として0.001重量%〜5.0重量%、好ましくは0.001重量%〜0.1重量%、特に好ましくは0.005重量%〜0.05重量%の量で用いる。
【0039】
成分AおよびBのウレタン化は、20℃〜200℃、好ましくは40℃〜140℃、特に好ましくは60℃〜120℃の温度において行う。
【0040】
反応は、イソシアネート反応性基の完全な変換が得られるまで継続する。反応の経過は、NCO含量を確認することによって適切に監視し、該反応は、対応する理論上のNCO含量に達する際に完了する。これは、反応槽に設置した適当な測定器具を用いて、および/または採取したサンプルの分析によって監視することができる。適当な方法は、当業者に既知である。それらは、例えば粘度測定、NCO含量、屈折率およびOH含量の測定、ガスクロマトグラフィー(GC)、核磁気共鳴分光法(NMR)、赤外分光法(IR)および近赤外分光法(NIR)である。好ましく、混合物のNCO含量を滴定法により決定する。
【0041】
本発明による方法を連続的に、例えばスタティックミキサー、押出機またはニーダー中で行うか、または不連続的に、例えば撹拌反応器中で行うかは重要ではない。
【0042】
好ましくは、本発明の方法は撹拌反応基中で行う。
【0043】
イソシアネート反応性アルコキシシラン(成分C)との更なる反応は、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜80℃の温度範囲内で行い、相対的比率は、一般に、使用するNCO基1モル当たり0.8〜1.3モルのイソシアネート反応性アルコキシシラン化合物を使用するように選択する。
【0044】
特に好ましい、式(III)で示されるイソシアネート反応性アルコキシシランの使用の場合には、EP−A0807649の教示に従って、環状縮合を行うことが可能であり、これにより、本発明によるアルコキシシラン基を含有するプレポリマーの粘度をさらに減少させることができる。従って、本発明の好ましい実施態様において、該ヒダントイン構造を意図的に生じさせてもよい。
【0045】
該環状縮合は、70℃〜180℃、好ましくは80℃〜150℃の温度で、式(III)のイソシアネート反応性アルコキシシランでマスクしたポリエーテル系ポリウレタンプレポリマーを単に撹拌することにより行うことができる。該反応は、更なる触媒作用によらず、または好ましくは触媒作用によって促進させて行い得る。触媒としては、塩基性および酸性有機化合物、例えばN,N,N,N−ベンジルトリメチルアンモニウム水酸化物、有機媒体に可溶である他の水酸化物、DBN、DBU、他のアミジン、錫オクタン酸、ジブチル錫ジラウレート、他の有機錫化合物、オクタン酸錫、酢酸、他のアルカン酸、安息香酸、塩化ベンゾイル、他の酸塩化物またはリン酸ジブチルあるいはリン酸の他の誘導体が挙げられる。触媒は、0.005重量%〜5重量%、好ましくは0.05重量%〜1重量%の量で添加する。
【0046】
更に、本発明は、本発明のポリウレタンプレポリマーに基づく接着剤、被覆物またはフォームを提供する。該接着剤、被覆物またはフォームは、シラノール重縮合による大気水分の作用下で架橋する。好ましいのは、本発明のプレポリマーの、接着剤における、特に好ましくは少なくとも5N/mmの、好ましくは6N/mmを越える、特に好ましくは8N/mmを越えるDIN EN 14293に従う引張せん断強度を示す接着剤における使用である。
【0047】
このような接着剤、被覆物およびフォームを製造するために、本発明によるアルコキシシラン末端基を含有するポリウレタンプレポリマーは、従来使用される可塑剤、フィラー、顔料、乾燥剤、添加剤、光安定剤、抗酸化剤、チキソトロープ剤、触媒、接着促進剤および必要に応じて他の補助物質および添加剤と共に既知の方法により処方することができる。
【0048】
本発明の典型的な接着剤および被覆物調製物は、例えば10重量%〜100重量%の請求項1〜4のいずれかに記載のアルコキシシラン基で変性されたポリマーまたは2以上の該アルコキシシラン基で変性されたポリマーの混合物、30重量%までの可塑剤または2以上の可塑剤の混合物、30重量%までの溶媒または2以上の溶媒の混合物、5重量%までの水分安定剤または2以上の水分安定剤の混合物、5重量%までのUV安定剤または2以上のUV安定剤の混合物、5重量%までの触媒または2以上の触媒混合物、および80重量%までのフィラーまたは2以上のフィラーの混合物を含んでなる。
【0049】
適当なフィラーの例としては、カーボンブラック、沈降シリカ、焼成シリカ、鉱物チョークおよび沈降チョークが挙げられる。適当な可塑剤の例としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、フェノールのアルキルスルホン酸エステル、リン酸エステルおよび高分子量ポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0050】
チキソトロープ剤の例としては、焼成シリカ、ポリアミド、水素化ヒマシ油二次生成物およびポリ塩化ビニルが挙げられる。
【0051】
用いることができる硬化するための適当な触媒は、シラン重縮合を促進させることが知られている任意の有機金属化合物およびアミン触媒である。特に適当な有機金属化合物は、特に、錫の化合物およびチタンの化合物である。好ましい錫化合物は、例えば二酢酸ジブチル錫、ジラウリン酸ジブチル錫、マレイン酸ジオクチル錫およびカルボン酸錫、例えばオクタン酸錫(II)またはビスアセト酢酸ジブチル錫等である。前記錫触媒は、必要に応じて、アミン触媒、例えばアミノシランまたは1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等と組み合わせて使用することができる。好ましいチタン化合物は、例えばチタン酸アルキル、例えばチタン酸ジイソブチルビスアセト酢酸エチルエステル等である。アミン触媒の単独での使用のために、特に高塩基強度示す触媒、例えばアミジン構造を有するアミン等は特に適当である。従って、好ましいアミン触媒は、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エンまたは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンである。
【0052】
乾燥剤としては、特に、アルコキシシリル化合物、例えばビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0053】
接着促進剤として、既知の官能性シラン、例えば前記型のアミノシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシ−および/またはN−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、エポキシシランおよび/またはメルカプトシラン等を用いる。
【0054】
以下の実施例は、本発明を限定することなく説明する。
【実施例】
【0055】
特記しない限り、全ての百分率は重量による。
【0056】
%でのNCO含有量は、DIN EN ISO 11909に基づいて、ブチルアミンとの反応後に0.1mol/L塩酸で逆滴定することにより決定した。
【0057】
粘度測定は、ISO/DIS 3219:1990に従って、23℃の一定温度において、およびPhysica MCR型(Anton Paar Germany GmbH、オストフィルデルン、DE)のプレートコーン回転式粘度計により測定コーンCP 25−1(25mm直径、1度コーン角)を用いて行った。
【0058】
試験時に優勢な23℃の周囲温度をRTとする。
【0059】
実施例1(本発明による):
蓋、撹拌機、温度計および窒素通気を有する1Lスルホン化ビーカー中で、833.4gの56mgKOH/gのヒドロキシル価を有するポリプロピレングリコールおよび0.07gのジブチル錫ジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z、Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)の混合物を40℃に加熱した。次いで166.6gの2,4’−MDI(Desmodur(登録商標)24 M、Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)を添加し、プレポリマー化を、2.10%の理論NCO含有量に達するまで行った。次いで、40℃にて、175.5gのN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アスパラギン酸ジエチルエステル(EP−A596360、実施例5に従って調製)を添加し、撹拌を、更なるNCO含有量が滴定によって検出されなくなるまで行った。得られたアルコキシシラン末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、44550mPasの粘度(23℃)および4800g/モルの数平均分子量を有した。
【0060】
実施例2(本発明による):
蓋、撹拌機、温度計および窒素通気を有する1Lスルホン化ビーカー中で、833.4gの56mgKOH/gのヒドロキシル価を有するポリプロピレングリコールを60℃に加熱した。次いで164.1gの2,4’−MDI(Desmodur(登録商標)24 M、Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)を添加し、プレポリマー化を、2.10%の理論NCO含有量に達するまで行った。次いで、60℃にて、173.2gのN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アスパラギン酸ジエチルエステル(EP−A0596360、実施例5に従って調製)を添加し、撹拌を、更なるNCO含有量が滴定によって検出されなくなるまで行った。得られたアルコキシシラン末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、81400mPasの粘度(23℃)および5900g/モルの数平均分子量を有した。
【0061】
比較例1
蓋、撹拌機、温度計および窒素通気を有する1リットルスルホン化ビーカー中で、881.9gの56mgKOH/gのヒドロキシル価を有するポリプロピレングリコールおよび0.07gのジブチル錫ジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z、Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)の混合物を60℃に加熱した。次いで118.1gのトルイレンジイソシアネート(Desmodur(登録商標)T 100、Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)を添加し、プレポリマー化を、2.07%の理論NCO含有量に達するまで行った。次いで、60℃にて、173.2gのN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アスパラギン酸ジエチルエステル(EP−A0596360、実施例5に従って調製)を添加し、撹拌を、更なるNCO含有量が滴定によって検出されなくなるまで行った。得られたアルコキシシラン末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、70930mPasの粘度(23℃)および6200g/モルの数平均分子量を有した。
【0062】
比較例2
蓋、撹拌機、温度計および窒素通気を有する1リットルスルホン化ビーカー中で、835.9gの56mgKOH/gのヒドロキシル価を有するポリプロピレングリコールおよび0.07gのジブチル錫ジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z、Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)の混合物を60℃に加熱した。次いで164.1gのMDI(Desmodur(登録商標)2460 M、Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)を添加し、プレポリマー化を、2.07%の理論NCO含有量に達するまで行った。次いで、60℃にて、173.2gのN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アスパラギン酸ジエチルエステル(EP−A596360、実施例5に従って調製)を添加し、撹拌を、更なるNCO含有量が滴定によって検出されなくなるまで行った。得られたアルコキシシラン末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、303200mPasの粘度(23℃)および5200g/モルの数平均分子量を有した。
【0063】
比較例3
蓋、撹拌機、温度計および窒素通気を有する1リットルスルホン化ビーカー中で、745.9gの28mgKOH/gのヒドロキシル価を有するポリプロピレングリコールおよび0.07gのジブチル錫ジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z、Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)の混合物を60℃に加熱した。次いで104.1gの2,4’−MDI(Desmodur(登録商標)24 M、Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)を添加し、プレポリマー化を、2.10%の理論NCO含有量に達するまで行った。次いで、60℃にて、148.7gのN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アスパラギン酸ジエチルエステル(EP−A0596360、実施例5に従って調製)を添加し、撹拌を、更なるNCO含有量が滴定によって検出されなくなるまで行った。得られたアルコキシシラン末端基を有するポリウレタンプレポリマーは、33200mPasの粘度(23℃)および5200g/モルの数平均分子量を有した。
【0064】
表皮形成時間の決定
ナイフ(200μm)を用いて、フィルムを、予め酢酸エチルで洗浄したガラス板へ適用し、該板を、直ぐに乾燥記録器中へ挿入する。針は、10gの負荷がかけられ、24時間にわたり35cmの距離を移動する。
【0065】
乾燥記録器は、気候室中に23℃および50%相対湿度にて置かれる。
【0066】
表皮形成時間は、針の持続的な跡がフィルムから消失する時間として与えられる。
【0067】
適用例
種々のポリマーの適用関連特性を評価するために、これらを以下の処方により処理した。
【0068】
【表1】

【0069】
処方物を調製するために、フィラー(Solvay GmbHからのSocal(登録商標) U1S2)および乾燥剤(Dynasylan(登録商標) VTMO、Evonik AG、独国)を、バインダーとしてポリマーへ添加し、3000rpmにて壁掻器を有する真空溶解機中で混合した。次いで接着促進剤(EvonikからのDynasylan(登録商標) 1146)を添加し、1000rpmにて5分間にわたり撹拌する。最後に、触媒(BASF SEからのLupragen(登録商標) N700)を1000rpmにて撹拌し、最後に、空気を完成混合物から真空により除去する。
【0070】
物理特性を測定するために、2mmの厚みを有する膜および引張せん断強度を決定するための試料をいずれも調製した。引張せん断強度は、オークの試験試料を用いて測定し、これは、7日間23℃/50%相対湿度にて、次いで20日間40℃にて貯蔵し、次いで1日間23℃/50%相対湿度にて貯蔵する。
【0071】
フィルムの硬度は、DIN 53505に従って、および引張せん断強度は、DIN EN 14293に従って測定する。
【0072】
以下の表は、得られた結果を示す:
【0073】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)一般式(I):
【化1】

〔式中、
PICは、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(2,4’−MDI)または2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(2,4’−MDI)と他のポリイソシアネートとの組み合わせのイソシアネート基を除いた基を表し、2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネートの割合は、いずれの場合にもポリイソシアネート成分(成分B)を基準として少なくとも50重量%であり、
は、窒素、酸素または硫黄を表し、
は、自由電子対または水素または任意の所望の有機基のいずれかを表し、
Aは、任意の所望の順序で、すなわち、ブロック状、交互にまたはランダムに、式:
−Y−(C=O)−NH−PIC−NH−(C=O)−Y(R)−
(式中、YおよびYは、互いに独立して、ポリイソシアネートBに由来する窒素、酸素または硫黄を表し、これらの下部構造の末端基の全部または一部は、対応するチオ化合物またはアミン誘導体であってもよい)
で示される構造要素により共に結合したポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたはポリテトラヒドロフランポリオールから構成されるイソシアネート反応性ポリマーのイソシアネート反応性基を除いた基を表し、
50〜100重量%は、200g/モル〜2000g/モルの平均分子量(Mn)を有する下部構造A1であり、および
0〜50重量%は、2000g/モルを越える平均分子量(Mn)を有する下部構造A2であり、および
A全体は、2〜4の平均官能価を有する〕
で示される構造単位を含有するイソシアネート官能性プレポリマーと、
b)一般式(II):
【化2】

〔式中、
、XおよびXは、同一のまたは異なったアルコキシ基またはアルキル基であり、これらは、架橋していてもよいが、少なくとも1つのアルコキシ基は各Si原子上に存在しなければならず、
Qは、2官能性直鎖または分枝状脂肪族基であり、
Yは、窒素または硫黄を表し、
Rは、自由電子対または水素または任意の所望の有機基のいずれかを表す〕
で示されるイソシアネート反応性アルコキシシラン化合物(成分C)と
を反応させることにより得られるアルコキシシラン基で変性されたポリマー。
【請求項2】
2,4’−メチレンジフェニルジイソシアネートの割合は、いずれの場合にもポリイソシアネート成分を基準として好ましくは70重量%を越え、特に好ましくは90重量%を越える、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
7000g/モル未満の数平均分子量を有する、好ましくは5000g/モル未満の数平均分子量を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
23℃にて1000Pas未満の粘度、好ましくは23℃にて500Pas未満の粘度、特に好ましくは23℃にて100Pas未満の粘度を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
まず、イソシアネート反応性ポリマーA1または任意に該イソシアネート反応性ポリマーA1とイソシアネート反応性ポリマーA2(定義Aに従いイソシアネート反応性基が存在する)との混合物を、過剰のポリイソシアネート(成分B)と反応させてイソシアネート官能性プレポリマーを与え、次いで該イソシアネート官能性プレポリマーを、イソシアネート反応性アルコキシシラン化合物(成分C)との反応によりマスクすることを特徴とする、請求項1〜4に記載のアルコキシシラン基で変性されたポリマーの製造方法。
【請求項6】
イソシアネート官能性プレポリマーの合成のために、過剰のポリイソシアネートを、1.3:1.0〜3.0:1.0のNCO:Y−H比で用いることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
イソシアネート官能性プレポリマーの合成のために、過剰のポリイソシアネートを、1.5:1.0〜2.0:1.0のNCO:Y−H比で用いることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
イソシアネート官能性プレポリマーの合成のために、過剰のポリイソシアネートを、0.8:1.0〜1.3:1.0のNCO:Y−H比で用いることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜4に記載のアルコキシシラン基で変性されたポリマーの接着剤、被覆物およびフォームにおける使用。
【請求項10】
10重量%〜100重量%の請求項1〜4のいずれかに記載のアルコキシシラン基で変性されたポリマーまたは2以上の該アルコキシシラン基で変性されたポリマーの混合物、
0重量%〜30重量%の可塑剤または2以上の可塑剤の混合物、
0重量%〜30重量%の溶媒または2以上の溶媒の混合物、
0重量%〜5重量%の水分安定剤または2以上の水分安定剤の混合物、
0重量%〜5重量%のUV安定剤または2以上のUV安定剤の混合物
0重量%〜5重量%の触媒または2以上の触媒の混合物
0重量%〜80重量%のフィラーまたは2以上のフィラーの混合物
を含み、成分の量の合計は100重量%となる、接着剤および被覆物調製物。

【公表番号】特表2013−513677(P2013−513677A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542494(P2012−542494)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068978
【国際公開番号】WO2011/069969
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(512137348)バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (91)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Intellectual Property GmbH
【Fターム(参考)】