説明

ポリウレタンペースト組成物及びシーリング材

【課題】 ペースト組成物の経時安定性と固化物の機械的強度向上を両立したポリウレタンペースト組成物及びシーリング材を提供することを目的とする。
【解決手段】 ポリウレタン樹脂(a)からなる微粒子(A)、可塑剤(B)および充填剤(C)からなるペースト組成物において、可塑剤が芳香族モノカルボン酸モノエステル(B1)からなることを特徴とするポリウレタンペースト組成物;該組成物からなるシーリング材;該組成物を加熱固化させてなる固化物を使用する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として車両に塗布されるポリウレタンペースト組成物に関する。さらに詳しくは、ペースト状態において粘度の経時安定性に優れ、加熱固化(膨潤一体化)後の機械的強度等の物性が良好であるポリウレタンペースト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、電着塗装後の自動車車体の鋼板接合部や鋼板エッジ部等には、それらの部分を水密、気密しまた防錆性を高めるために、仕上げ塗装に先立ってシーリング用組成物を塗布し、被覆することが行われている。また、車体のフロア下部、ホイルハウス、サイドシル等には、防錆性と耐チッピング性の向上のために、アンダーコート用組成物が塗布されている。
【0003】そして、これらのシーリング用またはアンダーコート用組成物としては、防錆性に優れている、厚膜形成が可能である、安価である等の理由により、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の結晶性の樹脂粉末をフタル酸系の可塑剤で可塑化し、これに適当な充填剤、その他の添加剤等を配合してなる、いわゆる塩化ビニル系プラスチゾル組成物が多用されてきた。しかし本材料は環境安全性の面から問題があり、より環境安全性の高い材料として、ポリウレタン樹脂からなる微粒子、リン酸エステルまたはフタル酸エステル等からなる可塑剤、および充填剤からなるポリウレタンペースト組成物(特開2000−345027号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本ペースト組成物を長期にわたって保管すると、経時的に微粒子に可塑剤が浸透してペースト組成物が増粘するという問題点を有していた。この問題点を解決するために、微粒子に対して浸透性の低い可塑剤を使用すると、固化物の機械的強度が十分に発現しないという問題点を有していた。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、ペースト組成物の経時安定性と固化物の機械的強度向上を両立させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、ポリウレタン樹脂(a)からなる微粒子(A)、可塑剤(B)および充填剤(C)からなるペースト組成物において、可塑剤が芳香族モノカルボン酸モノエステル(B1)からなることを特徴とするポリウレタンペースト組成物;該組成物からなるシーリング材;該組成物を加熱固化させてなる固化物;該シーリング材を塗布した自動車ボデーである。以下本発明について詳述する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリウレタン樹脂(a)は、特に限定されず公知の方法により得られるが、例えば、過剰のジイソシアネート(a1)と数平均分子量500〜10,000の高分子ジオール(a2)および必要により低分子ジオール(a3)とから誘導されるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a0)と、脂肪族系ジアミン(b1)と、炭素数2〜4のアルカノール基を1個もしくは2個有するモノアミン(b2)または脂肪族系モノアミン(b3)とを反応させることにより得られる。
【0007】上記ジイソシアネート(a1)としては、例えば、■炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等];
■炭素数4〜15の脂環族ジイソシアート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロへキセン等];
■炭素数6〜14の芳香族ジイソシアネート[1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート等];
■炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート[m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等];
■これらのジイソシアネートの変性物(カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基等を有するジイソシアネート変性物);
■およびこれら■〜■の2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは■脂環族ジイソシアネート、■芳香族ジイソシアネート、■芳香脂肪族ジイソシアネートであり、特に好ましいものはIPDI、水添MDI、MDI、XDIおよびTMXDIである。
【0008】上記高分子ジオール(a2)としては、ポリエステルジオール(a21)、ポリエーテルジオール(a22)、ポリエーテルエステルジオール(a23)およびこれら2種以上の混合物(a24)が挙げられる。
【0009】上記ポリエステルジオール(a21)としては、例えば、(a211)低分子ジオールをポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル、酸ハライド等]との縮合重合によるもの;
(a212)低分子ジオールを開始剤としてラクトンモノマーを開環重合したもの;および(a213)これらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0010】(a211)における低分子ジオールの具体例としては、脂肪族ジオール類[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、分岐鎖を有するジオール(プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオールなど)など];環状基を有するジオール類[たとえば特公昭45−1474号公報記載のもの;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−またはp−キシリレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下EOと略記)またはプロピレンオキサイド(以下POと略記)付加物(分子量500未満)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはビスフェノールAのEOまたはPO付加物である。
【0011】(a211)におけるポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の具体例としては、炭素数4〜15の脂肪族ポリカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸など]、炭素数8〜12の芳香族ポリカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸など]、これらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル、ジエチルエステルなど)、酸ハライド(酸クロライド等)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0012】(a212)におけるラクトンモノマーとしてはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−バレルラクトンおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0013】ポリエーテルジオール(a22)としては、2個の水酸基含有化合物(たとえば前記低分子ジオール、2価のフェノール類など)にアルキレンオキサイド(以下AOと略記)が付加した構造の化合物があげられる。
【0014】 上記2価のフェノール類としてはビスフェノール類[ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど]、単環フェノール類[カテコール、ハイドロキノンなど]などが挙げられる。
【0015】AOとしては、EO、PO、1,2−、1,3−、1,4−もしくは2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、炭素数5〜10またはそれ以上のα−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリンおよびこれらの2種以上の混合物(ブロックまたはランダム付加)が挙げられる。
【0016】これらのうち好ましいものは、低分子ジオールにAOが付加したものであり、さらに好ましいものは脂肪族ジオールにPOが付加したものである。
【0017】また、(a23)としては、上記ポリエーテルジオールの1種以上と前記ポリエリエステルジオールの原料として例示したポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の1種以上とを縮重合させて得られるものが挙げられる。
【0018】(a2)のうちで好ましいものは(a21)であり、さらに好ましいものはビスフェノールAのAO付加物とポリカルボン酸の1種以上とから誘導される縮合ポリエステルジオールであり、特に好ましいものはビスフェノールAのAO付加物とテレフタル酸から誘導されるポリエステルジオールである。
【0019】(a2)の数平均分子量は、固化物の伸びや強度の観点から、好ましくは500〜10,000、さらに好ましくは600〜5,000、さらに好ましくは1,000〜3,000である。
【0020】(a3)としては、前記ポリエステルジオールの出発物質として例示した化合物が使用できる。該(a3)のうちで好ましいものは脂肪族ジオールである。
【0021】(a0)を形成する際の(a1)、(a2)および(a3)の当量比は、(a1)1当量に対し、(a2)は通常0.1〜0.6当量、好ましくは0.2〜0.5当量、(a3)は通常0〜0.2当量、好ましくは0.05〜0.10当量である。また、該ウレタンプレポリマー(a0)のイソシアネート基含量は通常0.5〜10重量%、好ましくは1.5〜6重量%である。
【0022】ポリウレタン樹脂(a)は、上記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a0)と脂肪族系ジアミン(b1)と、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を1個もしくは2個有するモノアミン(b2)または脂肪族系モノアミン(b3)を反応させることにより得られる。
【0023】上記(b1)としては、脂環族ジアミン[4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等];脂肪族ジアミン[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等];芳香脂肪族ジアミン[キシリレンジアミン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミン等]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは脂環族ジアミンおよび脂肪族ジアミンであり、特に好ましいものはイソホロンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンである。
【0024】上記(b2)としては、モノアルカノールアミン[モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン等];ジアルカノールアミン[ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはジアルカノールアミンであり、特に好ましいものはジエタノールアミンおよびジプロパノールアミンである。
【0025】上記(b3)としては、脂環族モノアミン[シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等]、脂肪族モノアミン[メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、2−エチルへキシルアミン、ノニルアミン、オレイルアミン、N−メチルブチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは脂肪族モノアミンであり、特に好ましいものはブチルアミン、オクチルアミン、2−エチルへキシルアミン、ジブチルアミンである。
【0026】ウレタンプレポリマー(a0)のイソシアネート基1当量に対する(b1)の当量比は、通常0.2〜0.98当量、好ましくは0.5〜0.95当量であり、また、(b2)または(b3)の当量比は、通常0.02〜0.2当量、好ましくは0.05〜0.15当量である。本発明のポリウレタン樹脂はウレア結合を含み、樹脂中のウレア結合とウレタン結合の比が9/1〜1/10であることが好ましい。
【0027】本発明の微粒子(A)の粒子形状は不定形であっても球状であってもよいが、常温下でのペーストの流動性、加熱固化時の固化性の点で球状の粒子を50%以上含有するのが好ましい。ここで、球状というのは粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5の範囲にあるものを指す。
【0028】本発明の微粒子(A)の平均粒径は、ペーストの貯蔵安定性や固化性の観点より、好ましくは0.1〜200μm、さらに好ましくは1〜100μm、特に好ましくは1〜50μmである。
【0029】上記微粒子(A)の製造方法としては特に限定されないが、たとえば以下の方法が例示できる。
■ブロック状またはペレット状のポリウレタン樹脂を冷凍粉砕法、氷結粉砕法等の方法で粉砕し、粉体(A)を得る方法。
■ポリウレタン樹脂を溶解しない有機溶剤(n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンなど)中でポリウレタン樹脂の非水分散体を形成させ、該非水分散体を固液分離乾燥して粉体(A)を得る方法(例えば特開平04−255755号公報明細書に記載の方法)。
■分散剤を含有した水中で、ポリウレタン樹脂の水分散体を形成させ、該水分散体を固液分離乾燥して粉体(A)を得る方法(例えば特開平07−133423号および特開平08−120041号各公報明細書に記載の方法)。これらのうちでは、多量の有機溶剤を使用せずしかも所望の形状・粒径の粉体が容易に得られる点で■の方法が好ましい。
【0030】■の方法においては、上記説明のプレポリマー法と異なり、ポリイソシアネート(a1)と高分子ジオール(a2)および必要により低分子ジオール(a3)を一括して反応(ワンショット法)させて得られるポリウレタン樹脂を用いることができる。■の方法は具体的には、シクロヘキサン等のポリウレタン樹脂を溶解しない有機溶剤中でウレタン樹脂もしくはウレタン樹脂溶液を攪拌下にて分散させ、溶媒中に分散された微粒子を取り出し乾燥させることによって(A)を得る方法である。■の方法は具体的には、水系媒体中で、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(a0)と、伸長剤および必要により停止剤、架橋剤を反応させることによりポリウレタン樹脂からなる微粒子を得ることができる。伸長剤としては、脂肪族系ジアミン(b1)及び(b1)のブロック化物が挙げられる。好ましくは(b1)のブロック化物である。ブロック化剤としては、炭素数3〜8のケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)が挙げられる。停止剤としては、炭素数2〜4のアルカノール基を1個もしくは2個有するモノアミン(b2)及び脂肪族系モノアミン(b3)が挙げられる。架橋剤としては、3〜6価のポリアミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン)が挙げられる。ウレタンプレポリマー(a0)のイソシアネート基1当量に対する伸長剤の当量比は、通常0.2〜0.98当量、好ましくは0.5〜0.95当量であり、また、停止剤の当量比は、通常0〜0.2当量、好ましくは0.05〜0.15当量であり、架橋剤の当量比は、通常0〜0.05当量、好ましくは0〜0.02当量である。
【0031】ポリウレタン樹脂(a)の数平均分子量は、固化時の溶融粘度の観点より、通常1,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000である。
【0032】(a)の熱軟化点は、ペーストの貯蔵安定性と固化性の観点より、通常80〜250℃、好ましくは100〜200℃、更に好ましくは、140〜180℃である。なお、ここでいう熱軟化点は熱機械分析針入方式により測定することができる(測定条件:昇温速度5℃/分、荷重5g、針直径0.5mm)。本熱機械分析針入方式は、たとえば、斉藤安俊著「物質科学のための熱分析の基礎」[1990年共立出版発行]350頁や日本熱測定学会編「新熱分析の基礎と応用」[(株)リアライズ社発行]68頁に記載された方法である。
【0033】(a)のガラス転移温度(Tg)は、通常−100℃〜200℃、好ましくは−30℃〜150℃、更に好ましくは30℃〜120℃である。なおここでいうTgは示差走査熱量計(セイコー製 RTC220、−50〜250℃の間で昇温と降温を行い、その時の吸熱および発熱を測定)を用いて測定することができる。
【0034】(a)の溶解性パラメーター(以下SP値と略記)は通常8〜13、好ましくは9〜12である。なお、ここでいうSP値は、「Poiymer Engineering and Science,Vol.14,No.2,p147〜154(1974)」記載の方法により計算される値である。
【0035】本発明で使用される可塑剤(B)は芳香族モノカルボン酸モノエステル(B1)からなる。(B1)には芳香族モノカルボン酸と1価アルコール、又は1価アルコールもしくは1価フェノールのAO付加物とのエステルが含まれる。芳香族モノカルボン酸としては、炭素数1〜8のアルキル基及び/又はハロゲン及び/又はアルコキシ基で置換されていてもよい安息香酸、ケイヒ酸、ナフトエ酸が挙げられる。1価アルコールとしては、炭素数1〜30のアルカノール、アルケノール、シクロアルカノール、アリールアルカノールが挙げられる。1価フェノールとしては、フェノール、アルキル(炭素数1〜10)フェノール、ベンジル化あるいは/又はスチレン化フェノール、ナフトールが挙げられる。AOとしては、炭素数1〜4のAO、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、およびこれらの2種以上の併用(ランダムおよび/又はブロック)が挙げられる。AO付加モル数は通常1〜30、好ましくは1〜15である。(B1)のうちで、可塑剤とウレタン樹脂との相溶性及びペースト固化物の機械的強度の観点から、および、固化時に可塑剤がウレタン樹脂へ相溶する時間の観点から、下記の一般式(1)で表されるものが好ましい。Q−COO−(AO)n−R (1)[Rは炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数7〜26のアルキルアリール基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜30の整数、Qは炭素数が6〜14であり炭素数1〜8のアルキル基及び/又はハロゲン及び/又はアルコキシ基で置換されていても良いフェニル基である。]
【0036】具体的にQとしては、フェニル基、2−および4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、4−エトキシフェニル基等が挙げられ、これらの中でフェニル基が好ましい。Aとしては、エチレン基、1−メチルエチレン基、1,4−ブチレン基が挙げられ、これらの中でエチレン基が好ましい。、Rとしては、オクチル基、ドデシル基等のアルキル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、オクタデシル基等のアルキルアリール基が挙げられ、これらの中でオクチルフェニル基、ドデシルフェニル基が好ましい。以上のことから、(B1)の好ましい例としては、C4〜C18のアルキル基を有するアルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物(付加モル数4〜20)の安息香酸エステルが挙げられる。
【0037】該(B1)の融点は、低温での流動性の観点より、0℃以下が好ましく、さらに好ましくは−30〜−50℃またはそれ以下である。なおここでいう融点は示差走査熱量計(セイコー製 RTC220、−100〜100℃の間で昇温と降温を行い、その時の吸熱および発熱を測定)を用いて測定することができる。
【0038】本発明のポリウレタンペースト組成物において(B)としては、(B1)以外の可塑剤を併用しても良い。併用しうる可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、燐酸エステル、セバシン酸エステル、エポキシ化エステル、ポリエステルなどの可塑剤が挙げられる。
【0039】本発明において、充填剤(C)としては、無機粉体(重質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリサイト、アスベスト、金属粉末、セラミック粉末、ゼオライト、スレート粉、ガラス粉)、バルーン類(ガラスバルーン、セラッミクバルーン、シラスバルーン、)、樹脂粉末(アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉、エポキシ樹脂粉、アスファルト粉末、石炭粉)、無機繊維類(ガラス繊維、炭素繊維)、有機繊維類(アラミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維)が例示される。
【0040】本発明のポリウレタンペースト組成物において、(A)に対する(B)および(C)の配合割合は、(A)100重量部あたり、(B)が50〜300重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜200重量部であり、(B1)が40〜250重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜200重量部であり、(C)が1〜300重量部が好ましく、さらに好ましくは50〜200重量部である。
【0041】本発明のペースト組成物において、固化後の樹脂強度を向上させる等の目的で、必要に応じてブロック化ポリイソシアネート(D)を添加することができる。該(D)はポリイソシアネート(d1)とブロック化剤(d2)とからなる。上記(d1)としては、前記(a1)で例示したポリイソシアネートおよびこれらの変性体(たとえばイソシアヌレート基、ビュレット基、カルボジイミド基などを有する変性体)から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネートが挙げられる。該(d1)のイソシアネート基数は通常2以上、好ましくは3〜4である。該(d1)として好ましいものは、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体およびヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット変性体である。
【0042】上記(d2)としては、オキシム類[アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム等];ラクタム類[γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム等];炭素数1〜20の脂肪族アルコール類[エタノール、メタノール、オクタノール等];フェノール類[フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ノニルフェノール等];活性メチレン化合物[アセチルアセトン、マロン酸エチル、アセト酢酸エチル等];塩基性チッソ含有化合物[N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド、2−メルカプトピリジン等];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのはオキシム類であり、特に好ましいものはメチルエチルケトオキシムである。
【0043】本発明のペースト組成物において、(A)に対する(D)の配合割合は、(A)100重量部あたり、(D)が通常0〜20重量部、好ましくは5〜15重量部である。
【0044】本発明のペースト組成物において、必要に応じて顔料(E)を添加することができる。上記(E)は特に限定されず、公知の有機顔料および/または無機顔料を使用することができる。有機顔料としては例えば不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられ、無機系顔料としては例えばクロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物、硫化セレン化合物、金属塩類(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩等)、カーボンブラック等が挙げらる。
【0045】本発明のペースト組成物において、(A)に対する(E)の配合割合は、(A)100重量部あたり、(E)が通常0〜5重量部、好ましくは1〜3重量部である。
【0046】本発明のポリウレタンペースト組成物の製造方法は特に限定されないが、以下の方法が例示される。
■(A)の粉体、(B)および(C)を一括して混合装置で混合する方法。
■あらかじめ(A)および(B)を混合しておき、これを(C)の粉体と混合する方法。
■(A)の粉体を製造する任意の段階であらかじめ(B)および(C)の一部または全部を含有させておく方法。
【0047】本発明の組成物の製造装置は特に限定されず、公知の混合・分散装置を使用することができる。混合装置としては、高速剪断混合装置(例えばへンシェルミキサー等)、低速混合装置(例えばナウタミキサー、プラネタリーミキサー等)、ビーズミル、3本ロール等が挙げられる。また必要に応じて、アニオン系、カチオン系またはノニオン系の分散剤を使用することができる。
【0048】本発明のペースト組成物は、所望の部位に塗布後、温度100〜180℃で加熱すると樹脂微粒子が可塑剤を吸収して膨潤し、充填剤と一体化して固化物となる。該固化物のTgは低温時での固化物の破断を防ぐ観点から、−70℃〜10℃が好ましく、さらに好ましくは−70℃〜−30℃である。
【0049】本発明のペースト組成物からなるシーリング材は、自動車ボデー、機械部品等のシーリングに用いられる。通常は、常温で所望の流動性を有するゾル状品として用いられるが、自動車のモヒカン部用等、加熱時の垂れが問題になる用途では、形態保持剤を併用して用いるか、またはペースト組成物を支持体(不織布、紙、繊維、フィルム等)に含浸させて、ロール状、テープ状もしくはシート状に加工して用いることができる。
【0050】本発明の組成物は、25℃での粘度が5,000cP〜300,000cPであることが好ましい。塗工時のたれ防止の観点から5,000cP以上が好ましく、塗工機から吐出可能とする観点から300,000cP以下が好ましい。組成物の粘度は、BH型粘度計にて測定することができる。
【0051】本発明の組成物には、形態保持剤として、熱可塑性樹脂(F)および/または常温にて固体であって、80℃以上に加熱することにより速やかに軟化する結晶性の化合物(G)を配合することができる。(F)および/または(G)を配合した組成物は形態保持性の観点から、25℃での硬度(JIS A)が20以上が好ましく、作業性の観点から80以下が好ましい。硬度はJIS K6301に準じて測定することができる。
【0052】(F)としては、用いられる他の材料に混合分散され得るものであれば特に限定されず、付加重合系、重縮合系、重付加系および開環重合系の樹脂などが挙げられる。
【0053】付加重合系の樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリp-キシリレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリブタジエン等のジエン系ポリマー、およびこれらの共重合物等が挙げられる。重縮合系樹脂としてはポリアミド、熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン等が、重付加系樹脂としては熱可塑性ポリウレタン等が挙げられる。開環重合系樹脂としてはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキシド重合体、ポリアセタール等が挙げられる。
【0054】(G)としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、重合ワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、変性ワックス、蜜ロウ、鯨ロウ、カルナバロウ等の等のワックス類、ドデカ二酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等の多塩基酸類並びにそれらの酸無水物および多価金属塩類、ジメチルスルホン、樟脳、尿素等が挙げられる。
【0055】(A)に対する(F)および(G)の配合割合は、(A)100重量部あたり、(F)が通常0〜300重量部、好ましくは50〜200重量部、(G)が通常0〜200重量部、好ましくは10〜100重量部である。
【0056】本シーリング材は主として自動車ボデーの車体の鋼板接合部及び/又は鋼板エッジ部に塗布して使用される。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0058】製造例1反応容器に数平均分子量2000、水酸基価56のプロピレンオキシド2mol付加ビスフェノールAテレフタレート900部を投入し、減圧下、140℃で2時間脱水を行った後、酢酸エチル(希釈溶剤)1100部とMDI250部を投入し、80℃で10時間反応を行いイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(これを「プレポリマー(a−1)」とする)を得た。プレポリマー(a−1)のイソシアネート基含量は、1.8%であった。別の容器に、ポリビニルアルコール(PVA)[「PVA−235」、(株)クラレ製]20部と水700部を投入して、撹拌して溶解してPVA溶解液(X)を得た。そこへプレポリマー(a−1)300部を投入し、ウルトラディスパーザー(ヤマト科学製)を使用して回転数10,000rpmで1分間混合して分散液を得た。この分散液を、別の反応容器に移し、イソホロンジアミン12部とジブチルアミン1部を投入し、50℃で10時間反応を行った。反応終了後濾別、乾燥を行い、ウレタン樹脂微粒子(A−1)を得た。該ウレタン樹脂微粒子(A−1)の数平均分子量(GPC測定による、以下同様)は、40,000、Tg(DSC測定による、以下同様)は、90℃、SP値は11.7、平均粒径は、5μm、長径/短径の比が1.0〜1.5の範囲にある球状粒子の比率が99%(顕微鏡にて観察)であった。
【0059】製造例2反応容器に数平均分子量が400、水酸基価が280のポリプロピレングリコール160部を投入し、減圧下、140℃で2時間脱水を行った後、酢酸エチル(希釈溶剤)40部とMDI200部を投入し、80℃で10時間反応を行いイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー[これを「プレポリマー(a−2)」とする]を得た。プレポリマー(a−2)のイソシアネート基含量は、8.0%であった。PVA溶解液(X)720部へプレポリマー(a−2)200部を投入し、ウルトラディスパーザー(ヤマト科学製)を使用して回転数10,000rpmで1分間混合して分散液を得た。この分散液を、別の反応容器に移し、イソホロンジアミン30部とジブチルアミン1部を投入し、80℃で10時間反応を行った。反応終了後濾別、乾燥を行い、ウレタン樹脂微粒子(A−2)を得た。該ウレタン樹脂微粒子(A−2)の数平均分子量は、45,000、Tgは65℃、SP値は11.1、平均粒径は6μm、長径/短径の比が1.0〜1.5の範囲にある球状粒子の比率が99%(顕微鏡にて観察)であった。
【0060】製造例3反応容器中で、オクチルフェノールのEO8モル付加物980部とトリエチルアミン177部とトルエン2000部を加え、撹拌下ベンゾイルクロライド246部を滴下した。滴下終了後、110℃で1時間反応して反応を終了させた。この反応液を水で1回、10%塩酸水溶液で2回、10%水酸化ナトリウム水溶液で2回、さらに水で水層が中性にもどるまで数回分液ロートにて洗浄した。油層からロータリーエバポレーターにてトルエンを取り除き目的可塑剤(B−1)[一般式(1)において、Qがフェニル基、Aがエチレン基、Rがオクチルフェニル基、nが8である。]を得た。該可塑剤(B−1)の純度は98.8%(ガスクロマトグラフ)であった。
【0061】製造例4反応容器中で、ドデシルフェノールEO6モル付加物961部とトリエチルアミン184部とトルエン2000部を加え、撹拌下ベンゾイルクロライド255部を滴下した。滴下終了後、110℃で1時間反応して反応を終了させた。この反応液を水で1回、10%塩酸水溶液で2回、10%水酸化ナトリウム水溶液で2回、さらに水で水層が中性にもどるまで数回分液ロートにて洗浄した。油層からロータリーエバポレーターにてトルエンを取り除き目的可塑剤(B−2)[一般式(1)において、Qがフェニル基、Aがエチレン基、Rがドデシルフェニル基、nが6である。]を得た。該可塑剤(B−2)の純度は98.5%(ガスクロマトグラフ)であった。
【0062】実施例1〜3、比較例1〜2[組成物の調製]表1に示す配合で、プラネタリーミキサーを用いて材料を均一に混合した後、1時間真空下で撹拌脱泡することによって実施例1〜3のポリウレタンペースト組成物、および比較例1〜2の組成物を調製した。
【0063】
【表1】


DOP;ジオクチルフタレート(「DOP」、大八化学工業製)
DBP;ジブチルフタレート (「DBP」、大八化学工業製)
充填剤(重質炭カル);重質炭酸カルシウム(「NS−100」、日東粉化工業製)
【0064】[評価試験]次いで、各組成物について、以下の項目の試験を行った。
【0065】(ペースト粘度)調製した各実施例および比較例の組成物についての粘度は、25℃での粘度をBH型粘度計(東京計器製)(回転数20rpm、ロータNo.7)にて測定した。
【0066】(密着性)予めカチオン電着塗装をした金属板を試験片とし、JIS K6830に規定する方法に従って、各組成物を塗布し、次いで150℃で20分間加熱して、焼き付けを行った。次いで、JIS K6830に規定する方法に従い剪断接着試験を行った。密着性の評価基準は、以下の通りである。
○:完全な凝集破壊△:部分的に界面破壊が生じる痕跡破壊×:完全な界面剥離
【0067】(温水浸漬後密着性)上記と同様に、各組成物を塗布し、焼き付けた後、40℃の温水に10日間浸漬した。次いで、JIS K6830に規定する方法に従い剪断接着試験を行った。評価基準は、上記密着性の場合と同様とした。
【0068】(低温折り曲げ試験)調製した各組成物を、140℃で30分間加熱して固化させた後、−30℃の恒温槽に3時間保持後、素早く(2秒以内)180°折り曲げ、柔軟性を調べる。
○:クラックを生じない△:若干のクラック発生×:割れる
【0069】(固化物物性)各組成物を、140℃で30分間加熱して固化させた後、25℃における破断強度、伸び率および硬度(JIS A)を、JIS K6301に準じて測定した。
【0070】(貯蔵安定性)各組成物を、35℃、7日間保管後に、25℃での粘度を測定した。(粘度計のメーカ、型番、測定条件は上記ペースト粘度に同じ)評価は、増粘率を下記の式に従って算出することによって行った。増粘率=[(保管後粘度−初期粘度)/初期粘度]×100
【0071】(長期貯蔵安定性)各組成物を、35℃、1ヶ月保管後に、25℃での粘度を測定した。(粘度計のメーカ、型番、測定条件は上記ペースト粘度に同じ)評価は、増粘率を下記の式に従って算出することによって行った。増粘率=[(保管後粘度−初期粘度)/初期粘度]×100
【0072】(垂れ性)カチオン電着塗装した試験板上に直径10mm、長さ100mmの半円型のビード状に各組成物を塗布し、試験板を垂直に保持し、140℃で30分間加熱し、取り出した後、室温まで放冷後垂れ流れ距離を測定した。上記各評価試験の試験結果を表2に示した。
【0073】
【表2】


【0074】
【発明の効果】本発明のポリウレタンペースト組成物は下記の効果を奏する。本発明のポリウレタンペースト組成物の粘度の増加率は長期間にわたって小さく従って貯蔵安定性に長期にわたって優れ、かつ、その固化物の機械的強度も良好である。また、以下の様に、従来のポリウレタンペースト組成物の特徴も併せ持っている。
■常温下で良好なペースト流動性を有するため、作業性に優れる。
■加熱により容易に固化させることができる。
■固化物の接着性が良好である。
■固化物の低温柔軟性が良好である。
■環境安全性の高い材料である。
上記効果を奏することから、本発明の組成物は、自動車のシーリング用組成物およびアンダーコート用組成物、土木・建築分野でのシーリング材、パテ、目地止め材等に有用である。また、本発明品を自動車用シーリング材として用いると、本シーリング材はリサイクル時に容易に燃焼消滅するので、ボデーのリサイクル性能が向上する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリウレタン樹脂(a)からなる微粒子(A)、可塑剤(B)および充填剤(C)からなるペースト組成物において、可塑剤が芳香族モノカルボン酸モノエステル(B1)からなることを特徴とするポリウレタンペースト組成物。
【請求項2】 (B1)が下記の一般式(1)で表される芳香族モノカルボン酸モノエステルである請求項1記載の組成物。
Q−COO−(AO)n−R (1)
[Rは炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数7〜26のアルキルアリール基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜30の整数、Qは炭素数1〜8のアルキル基及び/又はハロゲン及び/又はアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基である。]
【請求項3】 一般式(1)において、Aがエチレン基、Qがフェニル基である請求項2記載の組成物。
【請求項4】 ポリウレタンペースト組成物が、25℃での粘度が5,000cP〜300,000cPである請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
【請求項5】 (A)のガラス転移温度が−100〜200℃である請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれか記載の組成物と、熱可塑性樹脂(F)および/または常温にて固体であって、80℃以上に加熱することにより速やかに軟化する結晶性の化合物(G)からなり、25℃での硬度(JIS A)が20〜80であるポリウレタン組成物。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載の組成物からなるシーリング材。
【請求項8】 請求項1〜6のいずれか記載の組成物が支持体に担持されているシーリング材。
【請求項9】 請求項1〜8のいずれか記載の組成物又はシーリング材を加熱固化させてなる固化物。
【請求項10】 該固化物のガラス転移温度が−70℃〜10℃である請求項9記載の固化物。
【請求項11】 請求項7又は8記載のシーリング材を車体の鋼板接合部及び/又は鋼板エッジ部に塗布した自動車ボデー。

【公開番号】特開2003−138128(P2003−138128A)
【公開日】平成15年5月14日(2003.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−334679(P2001−334679)
【出願日】平成13年10月31日(2001.10.31)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】