説明

ポリウレタン化合物、それを含む組成物、及びこれらの硬化物

【課題】 弾性率が高く、高い硬度を有する硬化物を与えるポリウレタン化合物、それを含む組成物及びこれらの硬化物を提供すること。
【解決手段】 少なくとも、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する構造を有しかつ分子末端に2つ以上の水酸基を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、分子内に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させて得られるポリウレタン化合物とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料、コーティング剤、レベリング剤、またはそれらの原料として有用なポリウレタン化合物、前記ポリウレタン化合物を含有する組成物、それらの硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン化合物は、例えば、航空機・自動車等の内外装用、住宅の外壁面及び床材、家電・電子電材などの部品など、塗料やコーティング剤、接着剤の原料として広く利用されている。上述の塗料やコーティング剤などの塗膜は、外観の美しさを演出するのみならず、基材を保護する役割も兼ねることから、硬度、強度、耐久性などが必要とされる。この目的のために、より硬い塗膜を与えるポリウレタン化合物が強く望まれている。
このような塗料やコーティング剤、接着剤の原料としてのポリウレタン化合物は、作業性などの観点から、活性エネルギー線硬化タイプの樹脂が利用されるようになっている。なかでもアクリル系ハードコート剤は、活性エネルギー線の照射によりすぐに硬化し、加工処理速度が速く、トータルコストとして安価となるため、各種コーティング剤、塗料、接着剤など幅広い分野で利用されている。
このようなハードコート剤には、耐候性、耐摩耗性、耐熱性、耐加水分解性など様々な機能が求められ、ポリエステル系やポリエーテル系よりも機能面で優れるポリカーボネート系樹脂組成物が検討されている。例えばポリエステル系はエステル結合を有するためこれを用いて製造したハードコート剤は耐加水分解性に劣るという欠点があり、ポリエーテル系はエーテル結合を有するためこれを用いて製造したハードコート剤は耐候性、耐熱性に劣るという欠点がある。特許文献1では、耐摩耗性、付着性、耐候性に優れるという観点から、1,6−ヘキサンジオール型ポリカーボネートジオール系樹脂組成物が提案されている。しかしながら、ハードコート剤の重要な機能の1つである硬度はまだ十分ではないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−348499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、弾性率が高く、硬度に優れた硬化物を与えるポリウレタン化合物、それを含む組成物を提供することを課題する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、具体的には、下記の構成を有する。
[1] 少なくとも、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する構造を有し、かつ分子末端に2つ以上の水酸基を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、分子内に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させて得られるポリウレタン化合物である。
【化1】

(式中、Rは、分岐鎖を有する炭素数1〜10のトリオール化合物に由来するアルカントリイル基を示す。式中、Rは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数2〜10の直鎖又は分岐差のアルカンジイル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のシクロアルカンジイル基、置換基を有してもよい主鎖中に脂環構造を有する炭素数2〜10のアルカンジイル基でのいずれかであり、置換基を有していてもよく、その炭素鎖中にヘテロ原子又はエステル結合を含有していてもよく、脂環式構造、エーテル結合等を含んでいてもよいアルカンジイル基を示す。式中、Rは、1種類のアルカンジイル基であってもよいし、複数種のアルカンジイル基であってもよい。式中、p、q、rは、それぞれ繰り返し単位数を表す整数である。)
[2] ポリカーボネートポリオール(A)が、式(1)で表される繰り返し単位を有する構造を有し、かつ分子末端に平均2つを超える水酸基を有するポリカーボネートジオールとポリカーボネートジオールとの混合物である前記[1]に記載のポリウレタン化合物である。
[3] 前記[1]又は[2]に記載のポリウレタン化合物が、有機溶媒中に分散又は溶解されているポリウレタン溶液である。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載のポリウレタン化合物と、重合性不飽和結合を有する化合物(F)と、重合開始剤(G)とを含有するポリウレタン組成物である。
[5] 前記[4]に記載のポリウレタン組成物を硬化させた硬化物である。
[6] ポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)とを反応させて、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを得た後、前記ウレタンプレポリマーと分子内に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させる前記[1]又は[2]に記載のポリウレタン化合物の製造方法である。
[7] 脂肪族又は脂環族ジオールモノマーとポリオールモノマーと炭酸エステルとをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、分子内に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させて得られるポリウレタン化合物である。
[8] ポリカーボネートポリオール(A)の一分子中の水酸基数の平均が、2.0を超えて3.0以下である前記[7]に記載のポリウレタン化合物である。
[9] ポリオールがトリオールである前記[7]又は[8]に記載のポリウレタン化合物である。
[10] 前記[7]〜[9]のいずれか一つに記載のポリウレタン化合物が、有機溶媒中に分散又は溶解されているポリウレタン溶液である。
[11] 前記[7]〜[10]のいずれか一つに記載のポリウレタン化合物と、重合性不飽和結合を有する化合物(F)と、重合開始剤(G)とを含有するポリウレタン組成物である。
[12] 前記[11]に記載のポリウレタン組成物を硬化させた硬化物である。
[13] ポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)とを反応させて、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを得た後、前記ウレタンプレポリマーと分子内に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させる前記[7]〜[9]のいずれか一つに記載のポリウレタン化合物の製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のポリウレタン化合物及び硬化性樹脂化合物は、弾性率及び硬度に優れた硬化物を与えるため、高硬度を必要とする様々な分野で最適で、金属,木材,紙,プラスチック,電気・電子・自動車分野などのコーティング剤、自動車内外装,家具,建材の床や壁などの塗料、各種接着剤、インキ、加飾フィルム(特に加飾フィルムのハードコート層)など、多くの分野で好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明のポリウレタン化合物、硬化性樹脂化合物及びその硬化物に関して詳しく説明する。
【0008】
(ポリカーボネートポリオール(A))
本発明におけるポリカーボネートポリオールは、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する構造を有することを特徴とする。
【0009】
【化2】

(式中、Rは、分岐鎖を有する炭素数1〜10のトリオール化合物に由来するアルカントリイル基を示す。式中、Rは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数2〜10の直鎖又は分岐差のアルカンジイル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のシクロアルカンジイル基、置換基を有してもよい主鎖中に脂環構造を有する炭素数2〜10のアルカンジイル基でのいずれかであり、置換基を有していてもよく、その炭素鎖中にヘテロ原子又はエステル結合を含有していてもよく、脂環式構造、エーテル結合等を含んでいてもよいアルカンジイル基を示す。式中、Rは、1種類のアルカンジイル基であってもよいし、複数種のアルカンジイル基であってもよい。式中、p、q、rは、それぞれ繰り返し単位数を表す整数である。)
【0010】
式(1)中、Rは、分岐鎖を有する炭素数1〜10のトリオール化合物に由来するアルカントリイル基を示す。前記Rが表すアルカントリイル基としては、トリメチロールエタン又はトリメチロールプロパンなどの第一脂肪族トリオール化合物、或いはグリセリン等に由来するアルカントリイル基が挙げられる。
中でも入手しやすさから、トリメチロールプロパンに由来するアルカントリイル基が好ましい。
さらに、前記ポリカーボネートポリオール(A)は、分子末端に2つ以上の水酸基を有する。
【0011】
前記Rが表す置換基を有してもよい炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイル基としては、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基、ブタン−1,3−ジイル基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、1−オクタメチレン基等が挙げられる。
前記Rが表す置換基を有してもよい炭素数3〜10のシクロアルカンジイル基としては、シクロプロパン−1,2−ジイル基、シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロヘプタン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基、シクロノナン−1,5−ジイル基、シクロデカン−1,6−ジイル基、アダマンタン−1,3−ジイル基等が挙げられる。
前記Rが表す置換基を有してもよい主鎖中に脂環構造を有する炭素数4〜10のアルカンジイル基としては、シクロプロパン−1,2−ジメチレン基、シクロブタン−1,3−ジメチレン基、シクロペンタン−1,2−ジメチレン基、シクロペンタン−1,3−ジメチレン基、シクロヘキサン−1,2−ジメチレン基、シクロヘキサン−1,3−ジメチレン基、シクロヘキサン−1,4−ジメチレン基、シクロヘキサン−1,2−ジエチレン基、シクロヘキサン−1,3−ジエチレン基、シクロヘキサン−1,4−ジエチレン基、シクロヘプタン−1,4−ジメチレン基、シクロオクタン−1,5−ジメチレン基等が挙げられる。
【0012】
前記Rは、上記の中でも、炭素数3〜6の直鎖のアルカンジイル基又は置換基を有していてもよい主鎖中に脂環構造を有する炭素数6〜8のアルカンジイル基が好ましい。前記Rは、特に、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジメチレン基、シクロヘキサン−1,4−ジメチレン基からなる群から選ばれる一種以上であることが好ましい。
【0013】
また前記Rは、ウレタン化反応に関与しない置換基を有していてもよく、その炭素鎖中にヘテロ原子又はエステル結合を含有していてもよく、脂環式構造、エーテル結合等を含んでいてもよい。
【0014】
前記式(1)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートポリオールにおいて、R/Rのモル比は1/99〜99/1が好ましく、1/99〜70:30がより好ましく、1/99〜50/50が更に好ましく、1:99〜30/70が特に好ましい。
【0015】
前記式(1)において、p、q、rは、それぞれ独立に0〜18であることが好ましく、0〜12であることがより好ましい。
【0016】
本発明におけるポリカーボネートポリオールとしては、特に下記式(2)で表されるポリカーボネートポリオールが好ましい。
【0017】
【化3】

(式中、Rは式(1)と同義であり、x、y、zは繰り返し単位数を表す整数である。)
【0018】
式(2)で表される繰り返し単位の数x、y、zは、それぞれ好ましくは0〜18であり、より好ましくは0〜12である。
また、ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、好ましくは200〜3,000、より好ましくは300〜2,000、更に好ましくは400〜1,000である。該数平均分子量が高すぎると、融点が高くなり、取り扱いが困難となる場合がある。また、数平均分子量が低すぎるとカーボネート結合の数が減り、ポリカーボネートポリオールとしての性質を発現しにくい場合がある。
【0019】
本発明で用いるポリカーボネートポリオールとしては、前記式(1)で表される構造を有し分子末端にヒドロキシ基を有するポリカーボネートポリオールの他に、下記式(3)で表される繰り返し単位を有し分子末端に2つのヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールを加えた混合物を使用してもよい。
前記式(1)で表される構造を有し分子末端にヒドロキシ基を有するポリカーボネートポリオールと、下記式(3)で表される繰り返し単位を有し分子末端に2つのヒドロキシ基を有するポリカーボネートジオールとの混合割合は、1:99〜99:1(重量比)であることが好ましく、10:90〜90:10であることがより好ましい。
本発明で用いるポリカーボネートポリオールの一分子中の水酸基数の平均は、2.0を超えて3.0以下であることが好ましく、2.0を超えて2.8以下であることがより好ましい。
【0020】
【化4】

(式中、Rは、置換基を有してもよい炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイル基を表す。)
【0021】
前記Rが表す置換基を有してもよい炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルカンジイル基としては、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基、ブタン−1,3−ジイル基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、1−オクタメチレン基等が挙げられる。
前記Rが表す置換基を有してもよい炭素数3〜10のシクロアルカンジイル基としては、シクロプロパン−1,2−ジイル基、シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロヘプタン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基、シクロノナン−1,5−ジイル基、シクロデカン−1,6−ジイル基、アダマンタン−1,3−ジイル基等が挙げられる。
前記Rが表す置換基を有してもよい主鎖中に脂環構造を有する炭素数4〜10のアルカンジイル基としては、シクロプロパン−1,2−ジメチレン基、シクロブタン−1,3−ジメチレン基、シクロペンタン−1,2−ジメチレン基、シクロペンタン−1,3−ジメチレン基、シクロヘキサン−1,2−ジメチレン基、シクロヘキサン−1,3−ジメチレン基、シクロヘキサン−1,4−ジメチレン基、シクロヘキサン−1,2−ジエチレン基、シクロヘキサン−1,3−ジエチレン基、シクロヘキサン−1,4−ジエチレン基、シクロヘプタン−1,4−ジメチレン基、シクロオクタン−1,5−ジメチレン基等が挙げられる。
【0022】
前記Rは、上記の中でも、炭素数3〜6の直鎖のアルカンジイル基又は置換基を有していてもよい主鎖中に脂環構造を有する炭素数6〜8のアルカンジイル基が好ましい。前記Rは、特に、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジメチレン基、シクロヘキサン−1,4−ジメチレン基からなる群から選ばれる一種以上であることが好ましい。
【0023】
また前記Rは、ウレタン化反応に関与しない置換基を有していてもよく、その炭素鎖中にヘテロ原子やエステル結合、エーテル結合等を含んでいてもよい。
【0024】
ポリカーボネートポリオールの製造法としては、炭酸エステル法やホスゲン法等の公知の方法により、トリオール化合物と脂肪族ジヒドロキシ化合物と炭酸エステルやホスゲン等とを反応させる方法等が挙げられる。これらの中では、トリオール化合物と脂肪族ジヒドロキシ化合物と炭酸エステルとを用いてエステル交換反応を行う炭酸エステル法が好ましい。
炭酸エステル法としては、例えば、トリオール化合物(a)と炭酸エステル(b)と脂肪族ジヒドロキシ化合物(c)とを、触媒の存在下又は不存在下で、エステル交換反応させてポリカーボネートポリオールを得る方法である。
【0025】
上記製法においては、エステル交換反応時に、炭酸エステル(b)に由来するアルコール類が副生するので、これを蒸留等により抜き出しながら反応を進めることが好ましい。また、上記製法において、炭酸エステルとして、炭酸エチレン等の炭酸アルキレンを用いることもできるが、この場合は、炭酸アルキレンに由来するグリコール類が副生するので、これを蒸留等により抜き出しながら反応を進めることが好ましい。
【0026】
本発明のポリカーボネートポリオールで使用されるトリオール化合物(a)は特に制限されないが、トリメチロールエタン又はトリメチロールプロパンなどの第一脂肪族トリオール化合物、或いはグリセリン等が挙げられる。
中でも入手しやすさから、トリメチロールプロパンが好ましい。
【0027】
本発明のポリカーボネートポリオールに使用できる炭酸エステル(b)は特に制限されないが、炭酸エステル(b)に由来する副生アルコール類を効率よく抜き出すことができるものを適宜選択することが望ましい。例えば、炭酸ジアルキル、炭酸ジアリール、炭酸アルキレン等が挙げられる。
炭酸ジアルキルとしては、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有する炭酸ジアルキルが好ましく、具体的には、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等が挙げられる。
炭酸ジアリールとしては、炭酸ジフェニル等が挙げられる。
炭酸アルキレンとしては、炭素数2〜4のアルカンジイル基を有する炭酸アルキレンが好ましく、具体的には、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン等が挙げられる。これらの中では、副生アルコール類の抜き出しやすさの観点から、炭素数1〜4のアルキル基を有する炭酸ジアルキルが好ましく、炭酸ジメチルが特に好ましい。
【0028】
本発明のポリカーボネートポリオールで使用できる脂肪族ジヒドロキシ化合物(c)は特に制限されない。例えば、炭素数3〜20のアルカンジオール、アルケニル基部分の炭素鎖が分岐しているもの、アルケニル基部分の炭素鎖が脂環式構造やエーテル結合を含むもの等が挙げられる。
炭素数3〜20のアルカンジオールとしては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられ、中でも炭素数3〜14のアルカンジオールが好ましい。
アルケニル基部分の炭素鎖が分岐しているものとしては、1,3−ブタンジオール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、2−エチルヘキサン−1,6−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。
【0029】
アルケニル基部分の炭素鎖が脂環式構造を含むものとしては、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
アルケニル基部分の炭素鎖がエーテル結合を含むものとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
上記の中でも、取扱い性及び入手のしやすさから、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数4〜8、特に炭素数4〜6のアルカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の炭素数5〜8の脂環式構造を含む脂肪族ジオールがより好ましい。
【0030】
本発明のポリカーボネートポリオールの製造に用いる触媒としては、通常のエステル交換反応で使用される触媒(エステル交換触媒)が挙げられる。例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、マンガン化合物、ニッケル化合物、アンチモン化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物、有機スズ化合物が好ましく挙げられる。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属のカルボン酸塩(酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等)等が挙げられ、アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化マグネシウム等)、アルカリ土類金属アルコキシド(マグネシウムメトキシド等)等が挙げられる。
【0031】
前記アルミニウム化合物としては、アルミニウムアルコキシド(アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムsec−ブトキシド等)、アルミニウムアセチルアセトナート等のアルミニウム化合物等が挙げられる。
前記亜鉛化合物としては、亜鉛のカルボン酸塩(酢酸亜鉛等)、亜鉛アセチルアセトナート等が挙げられ、マンガン化合物としては、マンガンのカルボン酸塩(酢酸マンガン等)、マンガンアセチルアセトナート等が挙げられ、ニッケル化合物としては、ニッケルのカルボン酸塩(酢酸ニッケル等)、ニッケルアセチルアセトナート等が挙げられる。
前記アンチモン化合物としては、アンチモンのカルボン酸塩(酢酸アンチモン等)、アンチモンアルコキシド等が挙げられ、ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムアルコキシド(ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムブトキシド等)、ジルコニウムアセチルアセトナート等が挙げられる。
【0032】
前記チタン化合物としては、チタンアルコキシド(チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネート等)、チタンアシレート(トリブトキシチタンステアレート、イソプロポキシチタンステアレート等)、チタンキレート(ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセトネート、ジヒドロキシ・ビスラクタトチタン等)等が挙げられる。
前記有機スズ化合物としては、ジブチルチンオキシド、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等が挙げられる。
なお、各カルボン酸塩におけるカルボン酸としては、炭素数2〜30のカルボン酸が好ましく、炭素数2〜18のカルボン酸がより好ましい。各アルコキシドは、炭素数が1〜30のアルコキシ基が好ましく、炭素数が2〜18のアルコキシ基がより好ましい。
上記の触媒の中では、アルカリ金属化合物、チタン化合物、有機スズ化合物が好ましく、アルカリ金属化合物がより好ましく、アルカリ金属の水酸化物が更に好ましい。アルカリ金属の水酸化物の中では、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムがより好ましく、水酸化リチウムが特に好ましい。
なお、上記のトリオ−ル化合物(a)、炭酸エステル(b)、脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)、及び触媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
本発明のポリカーボネートポリオールに係るエステル交換反応は、触媒の存在下又は不存在下で行うことができるが、反応効率の観点から、触媒の存在下で行うことが好ましい。
エステル交換反応における反応温度及び反応圧力は、用いるトリオール化合物(a)、炭酸エステル(b)と脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)の種類によって異なるが、使用するトリオール化合物(a)及び脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)が実質的に留出しない条件とすることが好ましい。反応温度は90〜230℃であることが好ましく、反応圧力は常圧から30〜500mmHgの減圧とすることが好ましい。なお反応は、空気、炭酸ガス、又は不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウム等)の雰囲気下又は気流中で行なうことができるが、不活性ガス雰囲気下又は気流中で行なうことが好ましい。
さらに触媒を用いる場合の使用量は、反応性の観点から、反応開始時におけるトリオール化合物(a)、炭酸エステル(b)及び脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)の合計仕込み量に対して、触媒の重量基準で1〜20,000ppmが好ましく、3〜5,000ppmがより好ましく、5〜4,000ppmが更に好ましい。
【0034】
また、脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)と炭酸エステル(b)とを反応させて得られる高分子量のポリカーボネートジオールと、トリメチロールプロパン等のトリオール化合物(a)とを触媒の存在下又は不存在下でエステル交換反応させて、ポリカーボネートポリオールを得ることもできる。
さらに、トリメチロールプロパン等のトリオール化合物(a)と炭酸エステル(b)とを反応させて得られる高分子量のポリカーボネートポリオールと、脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)とを触媒の存在下又は不存在下でエステル交換反応させて、ポリカーボネートポリオールを得ることもできる。
【0035】
本発明のポリカーボネートポリオールの平均分子量は、使用するトリオール化合物(a)、炭酸エステル(b)、及び脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)の反応モル比の変更等によって調製することができる。
なお、生成したポリカーボネートポリールの平均分子量が目的とする平均分子量よりも小さい場合は、更に減圧下でトリオール化合物(a)及び/又は脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)を留出させ、逆に平均分子量が目的とする平均分子量よりも大きい場合は、トリオール化合物(a)及び/又は脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)を添加して更にエステル交換反応させて、目的とする平均分子量のポリカーボネートポリオールを得ることができる。
また、本発明のポリカーボネートポリオールの繰り返し単位の構成モル比率は、トリオール化合物(a)と脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)とのモル比の変更等によって調製することができる。
【0036】
(ポリイソシアネート化合物(B))
本発明で使用できるポリイソシアネート化合物(B)としては、特に制限されないが、具体的には1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジ
イソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート化合物などが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
【0037】
前記ポリイソシアネート化合物の1分子当たりのイソシアネート基は通常2個であるが、本発明におけるポリウレタン化合物がゲル化をしない範囲で、トリフェニルメタントリイソシアネートのようなイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートも使用することができる。
【0038】
上記のポリイソシアネート化合物の中でも、反応性の制御と強度付与等の観点から、4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)が好ましい。
【0039】
(水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C))
本発明で使用できる、少なくとも1分子内に1つの水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(以下、「(メタ)アクリレート化合物(C)」ともいう)としては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレートなどの2価アルコールのモノ(メタ)アクリレートや、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の3価のアルコールのモノアクリレート及びジ(メタ)アクリレートや、これらアルコールの水酸基の一部をアルキル基やε−カプロラクトンで変性したモノ及びジ(メタ)アクリレートや、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の、4価以上のアルコールの多官能(メタ)アクリレートでヒドロキシル基を有するものや、これらアルコールの水酸基の一部をアルキル基やε−カプロラクトンで変性したヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートなどが具体的に挙げられる。これらの(メタ)アクリレート化合物(C)は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
【0040】
本発明のポリウレタン化合物は、溶剤に溶解又は分散させて、液状又はペースト状のポリウレタン化合物とすることもできる。この場合、ポリウレタン化合物の固形分濃度は、3〜95重量%であることが好ましい。液状又はペースト状のポリウレタン化合物は、接着剤やコーティング剤、塗料として利用できる。
【0041】
上記の(メタ)アクリレート化合物(C)の中でも、低粘度かつ安価などの観点から、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレートなどの2価アルコールのモノ(メタ)アクリレートが好ましく、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0042】
本発明のポリウレタン化合物(D)は、ポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)と少なくとも1個の水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させることにより製造することができる。反応温度は、0〜150℃、好ましくは20〜100℃である。またこの反応は、不活性ガス雰囲気下で行ってもよいし、空気雰囲気下で行ってもよいし、不活性ガス及び空気の混合雰囲気下で行なってもよいが、空気を使用する場合は乾燥空気を使用することが好ましい。
【0043】
上記3成分の割合としては、ポリカーボネートポリオール(A)と水酸基を含有する(メタ)アクリレート化合物(C)に含まれる水酸基の合計モル数と、ポリイソシアネート化合物(B)に含まれるイソシアネート基のモル数の比率(OH/NCO)が、100/100〜110/100となる割合であることが好ましい。イソシアネート基のモル数よりも水酸基の合計モル数を多くすることにより、残存する未反応イソシアネート基を低減することができる。
【0044】
上記反応で使用できる触媒としては、通常のウレタン化反応で使用される触媒(ウレタン化触媒)が挙げられる。特に制限はされないが、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物や、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)などの有機チタン化合物や、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)などの有機ジルコニウム化合物や、トリエチルアミンなどの3級アミン化合物などが具体的に挙げられる。これらのウレタン化触媒は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
これらの触媒の中では、有機スズ化合物、有機ジルコニウム化合物が好ましいが、中でもジブチルスズジラウレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネートがさらに好ましい。
前記ウレタン化触媒の添加量は、使用するポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)の合計の重量に対して、0.00005重量%から0.01重量%が好ましく、0.0001重量%から0.005重量%がさらに好ましく、0.0003重量%から0.003重量%が特に好ましい。
【0045】
また上記反応において、反応中の(メタ)アクリレート基の重合反応を抑制するために、重合禁止剤や酸化防止剤を使用することができる。特に制限はされないが、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノンなどが具体的に挙げられる。これらの重合禁止剤や酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
重合防止剤の添加量は、使用するポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)の合計の重量に対して、0.00005重量%から0.01重量%が好ましく、0.0001重量%から0.005重量%がさらに好ましく、0.0003重量%から0.003重量%が特に好ましい。
【0046】
さらに上記反応において、イソシアネート基と反応する活性水素基を有しない有機溶剤を添加することにより、ポリウレタン溶液とすることができる。特に制限されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤や、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤や、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤や、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族系溶剤などが具体的に挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
有機溶剤の添加量は、使用するポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)の合計の重量と、有機溶剤の重量の比率が、1/9〜9/1となる割合が好ましく、2/8〜8/2となる割合がさらに好ましく、3/7〜7/3の割合が特に好ましい。
【0047】
(硬化性樹脂組成物(G))
本発明の硬化性樹脂組成物(G)は、上記ポリウレタン化合物(D)と重合開始剤(E)と必要に応じて上記ポリウレタン化合物(D)以外の重合性化合物(F)を含有することを特徴とする。
【0048】
本発明の硬化性樹脂組成物に使用される重合開始剤(E)は、通常使用される光重合開始剤が挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインジメチルケタール、チオキサントン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6,−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタノンなどが挙げられる。好ましくは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
前記光重合開始剤の添加量としては、ポリウレタン化合物(D)の重量に対して、0.3重量%から10重量%が好ましく、0.5重量%から5重量%がより好ましい。
【0049】
本発明の硬化性樹脂組成物に使用される重合性化合物(F)としては、特に制限はないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物や、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレートや、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレートや、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートや、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレートなどの1分子中に(メタ)アクリロイル基を3〜6個有する(メタ)アクリレート化合物などが具体的に挙げられる。これらの重合性化合物は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
重合性化合物の添加量は、ポリウレタン化合物(D)の100重量部に対して、100重量部以下であることが好ましい。
【0050】
さらに本発明の硬化性樹脂組成物には、用途に応じて、また必要に応じて、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料、増粘剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤等の通常の塗料用添加剤を使用することができる。これらの塗料用添加剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。またこれらの添加剤は、公知のものであれば、硬化性樹脂組成物及びその硬化物の特性を損なわない範囲内で特に制限なく使用することができる。
【0051】
(硬化物(H))
本発明の硬化物(H)は、上記硬化性樹脂組成物(G)に、必要に応じて有機溶剤などで適当な粘度に調整した後、紫外線、可視光、レーザー光、電子線、X線、γ線、プラズマ、マイクロウェーブ等のエネルギー線を照射することにより、重合・硬化させて製造することができる。或いは熱によっても重合・硬化させて製造することができる。
【0052】
上記有機溶剤として使用できる溶剤は、特に制限されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤や、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤や、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤や、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族系溶剤などが具体的に挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
【0053】
本発明の硬化物(H)を塗装又はコーティングする場合の被塗装材質又は被コーティング材質としては、金属、プラスチック、無機物、木材、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂などの合成樹脂類などが挙げられる。
【実施例】
【0054】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なおポリカーボネートポリオールの水酸基価はJIS K 1577に準拠した方法で測定を行なった。
酸価は、JIS K 1557のB法に準拠して測定した。水分は、カールフィッシャー水分計を使用した電量滴定法で測定した。
【0055】
APHAは、JIS K 1557に基づき、JIS K 0071−1に準拠して下記のようにハーゼン単位色数(APHA)を測定した。
(標準液の調整)
塩化白金酸カリウム1.245g、塩化コバルト・6水和物1.000g、水500ml及び塩酸100mlを1リットルのメスフラスコに入れ、完全に溶解した後、水を標線まで加えた溶液を標準した。この溶液はAPHA標準液No.500に相当し、各種標準液はこのNo.500標準液を水で希釈して調整する。例えばAPHA標準液No.100は、No.500標準液20.0mlを水80.0mlで希釈して調整する。
(測定方法)
無色透明で底の肉厚が等しく内径23mmの同質同径の共栓付平底ガラス管で、液量が100mlになるように底部から同じ高さのところに標線を刻んだ比色管に、泡が入らないように注意して標線までサンプルを入れる。ついで白色板上に適当なAPHA標準液と並べて上方から見て比較し、サンプルに最も近似した濃度の標準液を求め、その標準液のナンバーをAPHAとした。
【0056】
ポリウレタン化合物合成時のイソシアネート基の転化率は、JIS K 1603に準じた方法で測定したイソシアネート基含有率から算出した。
ポリウレタン化合物溶剤溶液の固形分濃度は、ポリウレタン化合物溶剤溶液を140℃で3時間乾燥した後、乾燥前後の重量減少から算出した。粘度はE型粘度計で測定を行なった。
ポリウレタン化合物の硬化には、紫外線硬化装置(セン特殊光源社製、HM15001C−4、ランプ:SE−1500M)を使用した。
硬化物の硬度は、サンプル台にガラス板で作製した塗膜サンプルを置き、ペンドラム式硬度計(BYK-Gardner GmbH社製、ペンドラム ハードネス試験機)で振幅減衰時間を測定した。振幅減衰時間が長いほど、硬度が大きいということを意味する。
硬化物の弾性率、引張強度、破断点伸度は、ポリスチレン樹脂板で作製した塗膜サンプルをフィルム状にし、JIS K 7311に準拠する方法で測定した。なお、測定条件は、測定温度23℃、湿度50%、引張速度100mm/分で行った。
硬化物の摩耗性は、サンプル台にポリカーボネート樹脂板で作製した塗膜サンプルをセットし、テーパー摩耗試験機(TOYOSEIKI社製、HS)で、回転速度:60rpm、荷重:500g、摩耗輪:H−18を使用して、塗膜の重量減少を測定した。重量減少が少ないほど耐摩耗性がよいことを意味する。
【0057】
[実施例1]
(1)ポリカーボネートポリオールの合成
精留塔、攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた500mlのガラス製丸底フラスコに、ジメチルカーボネート186.57g(2.07mol)、トリメチロールプロパン33.5g(0.25mol)、1,6−ヘキサンジオール177.0g(1.50mol)、水酸化リチウム0.002gを仕込み、常圧、攪拌下、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、エステル交換反応を8時間行なった。この間、反応温度は95℃から200℃まで徐々に昇温させ、留出物の組成はメタノールとジメチルカーボネートの共沸組成ないしはその近傍となるように調節した。
【0058】
この後徐々に100mmHgまで減圧し、攪拌下、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、195℃でエステル交換反応をさらに5時間行なった。反応終了後(メタノールとジメチルカーボネートの留去終了後)、反応液を室温まで冷却し、ポリカーボネートポリオール共重合体252gを得た。なおエステル交換反応は窒素気流中で行なった。得られたポリカーボネートポリオール共重合体は、数平均分子量が1006、APHAが20、水酸基価が167.3mgKOH/g、一分子中のOH基の数が3つ、酸価が0.02mgKOH/g、水分が250ppmであった。
【0059】
(2)ポリウレタン化合物の合成
攪拌機、温度計、冷却管を備えた1000mlのガラス製セパラブルフラスコに、得られたポリカーボネートポリオール共重合体170.0g(0.17mol)、酢酸ブチル227.7gを仕込み、反応温度を70℃にした後、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート0.17g、イソホロンジイソシアネート113.3g(0.51mol)を添加し、反応温度80℃から90℃でイソシアネート基の転化率が50%となるまで反応を行なった。その後、p−メトキシフェノール0.34g、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート0.10g、エチレングリコールモノアクリレート61.9g(0.53mol)を添加し、反応温度80℃から90℃でイソシアネート基の転化率が99%以上となるまで反応を行なった。得られたポリウレタン化合物酢酸ブチル溶液の固形分は62%、粘度は328cp/40℃であった。
【0060】
(3)硬化物の作製
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド1重量部と酢酸エチル19重量部をよく混合したものと、得られたポリウレタン化合物酢酸ブチル溶液80重量部をよく混合して、硬化樹脂組成物を調製した。50μmアプリケーターを使用してガラス板にこの硬化樹脂組成物を塗布し、80℃で30分乾燥した後、紫外線硬化装置で1000mJ/cmの紫外線を照射して硬化物を得た。得られた硬化物の硬度は、振幅減衰時間で290秒であった。
【0061】
[実施例2]
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド1重量部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート19重量部をよく混合したものと、実施例1で得られたポリウレタン化合物の酢酸ブチル溶液80重量部をよく混合して、硬化樹脂組成物を調製した。50μmアプリケーターを使用してガラス板、ポリスチレン樹脂板、ポリカーボネート樹脂板にこの硬化樹脂組成物をそれぞれ塗布し、80℃で30分乾燥した後、紫外線硬化装置で1000mJ/cmの紫外線を照射してそれぞれの硬化物を得た。得られた硬化物の硬度は振幅減衰時間で301秒、弾性率は971MPa、引張強度は42MPa、破断点伸度は13%、摩耗性は回転数400回で15.7mgの重量減少であった。
【0062】
[比較例1]
(1)ポリウレタン化合物の合成
攪拌機、温度計、冷却管を備えた1000mlのガラス製セパラブルフラスコに、ポリカーボネートジオール(宇部興産株式会社製、商品名:ETERNACOLL UH−100、数平均分子量1004、APHA10、水酸基価111.7mgKOH/g、酸価0.02mgKOH/g、水分400ppm)200.8g(0.20mol)、酢酸ブチル224.1gを仕込み、反応温度を70℃にした後、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート0.10g、イソホロンジイソシアネート90.0g(0.40mol)を添加し、反応温度80℃から90℃でイソシアネート基の転化率が50%となるまで反応を行なった。その後、p−メトキシフェノール0.34g、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート0.10g、エチレングリコールモノアクリレート50.0g(0.43mol)を添加し、反応温度80℃から90℃でイソシアネート基の転化率が99%以上となるまで反応を行なった。得られたポリウレタン化合物酢酸ブチル溶液の固形分は62%、粘度は192cp/40℃であった。
【0063】
(2)硬化物の作製
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド1重量部と酢酸エチル19重量部をよく混合したものと、得られたポリウレタン化合物酢酸ブチル溶液80重量部をよく混合して、硬化樹脂組成物を調製した。50μmアプリケーターを使用してガラス板にこの硬化樹脂組成物を塗布し、80℃で30分乾燥した後、紫外線硬化装置で1000mJ/cmの紫外線を照射して硬化物を得た。得られた硬化物の硬度は、振幅減衰時間で52秒であった。
【0064】
[比較例2]
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド1重量部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート19重量部をよく混合したものと、比較例1で得られたポリウレタン化合物の酢酸ブチル溶液80重量部をよく混合して、硬化樹脂組成物を調製した。50μmアプリケーターを使用してガラス板、ポリスチレン板、ポリカ板にこの硬化樹脂組成物をそれぞれ塗布し、80℃で30分乾燥した後、紫外線硬化装置で1000mJ/cmの紫外線を照射してそれぞれの硬化物を得た。得られた硬化物の硬度は振幅減衰時間で55秒、弾性率は46MPa、引張強度は27MPa、破断点伸度は113%、摩耗性は回転数400回で55.8mgの重量減少であった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明のポリウレタン化合物、水性ポリウレタン分散体、ポリウレタン溶液は、エネルギー線硬化性塗料やエネルギー線硬化性コーティング剤等の材料として利用することができる。本発明のポリウレタン組成物も、エネルギー線硬化性塗料やエネルギー線硬化性コーティング剤の原料又はそのものとして利用することができる。本発明の硬化物は、加飾フィルムやカッティングフィルム等さまざまな分野におけるフィルムとして利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する構造を有し、かつ分子末端に平均2つを超える水酸基を有するポリカーボネートポリオール(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、分子内に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させて得られるポリウレタン化合物。
【化1】

(式中、Rは、分岐鎖を有する炭素数1〜10のトリオール化合物に由来するアルカントリイル基を示す。式中、Rは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数2〜10の直鎖又は分岐差のアルカンジイル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のシクロアルカンジイル基、置換基を有してもよい主鎖中に脂環構造を有する炭素数2〜10のアルカンジイル基でのいずれかであり、置換基を有していてもよく、その炭素鎖中にヘテロ原子又はエステル結合を含有していてもよく、脂環式構造、エーテル結合等を含んでいてもよいアルカンジイル基を示す。式中、Rは、1種類のアルカンジイル基であってもよいし、複数種のアルカンジイル基であってもよい。式中、p、q、rは、それぞれ繰り返し単位数を表す整数である。)
【請求項2】
ポリカーボネートポリオール(A)が、式(1)で表される繰り返し単位を有する構造を有し、かつ分子末端に平均2つを超える水酸基を有するポリカーボネートジオールとポリカーボネートジオールとの混合物である請求項1に記載のポリウレタン化合物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のポリウレタン化合物が、有機溶媒中に分散又は溶解されているポリウレタン溶液。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタン化合物と、重合性不飽和結合を有する化合物(F)と、重合開始剤(G)とを含有するポリウレタン組成物。
【請求項5】
請求項4に記載のポリウレタン組成物を硬化させた硬化物。
【請求項6】
ポリカーボネートポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)とを反応させて、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを得た後、前記ウレタンプレポリマーと分子内に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させる請求項1又は2に記載のポリウレタン化合物の製造方法。

【公開番号】特開2012−184380(P2012−184380A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50152(P2011−50152)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】