説明

ポリウレタン注封材料

本発明は、非常に良好な機械的性質および光学的性質を特徴とし、特に非常に高い耐熱保形性を有する耐光性の非発泡または発泡のポリウレタン物品またはポリウレタンウレア物品の製造のための、ポリウレタン注封材料の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネートを用いた、耐光性のポリウレタンエラストマーまたはポリウレタンウレアエラストマーの製造方法は知られている。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な用途のための、例えば、車両構造物用および航空機構造物用の窓を製造するためまたは光学レンズおよび眼鏡レンズを製造するための無機ガラス代替物としての、或いは電子部品用または光電子部品用の注封材料としての、硬質の耐光耐候性のポリウレタン組成物およびポリウレタンウレア組成物に関する成長市場が存在する。
【0003】
硬質耐光性のポリウレタンエラストマーまたはポリウレタンウレアエラストマーの製造方法は、既に何度も記載されてきた。一般に、産業において入手可能な脂肪族および/または脂環式ジイソシアネート、例えば、1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)および/または2,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび/または4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12−MDI)或いはこれらジイソシアネートのオリゴマー誘導体が、ポリイソシアネート成分として使用されている。
【0004】
WO 1996/023827は、例えば車の窓または安全ガラスの製造に適している、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンに基づくセミプレポリマーと置換4,4’−メチレン−ビス−アニリンとの反応によって調製される、透明で非常に硬質な耐衝撃性ポリウレタン−ウレア組成物を記載している。
【0005】
ガラス代替物として適しているそのようなポリウレタン−ウレア組成物の改善された製造方法は、WO 2003/072624から知られており、この方法では、イソシアネート官能性セミプレポリマーを、芳香族ジアミンとしてのジエチルトルイレンジアミン(DETDA)を用いて硬化させている。
【0006】
眼鏡レンズの材料として使用でき、良好な耐熱性を有する透明な硬質ポリウレタン−ウレア組成物は、WO 2000/014137の教示にしたがって、脂肪族および/または脂環式ジイソシアネートに基づくポリウレタンプレポリマーおよび少なくとも1種の芳香族ジアミンから、或いはWO 2004/076518にしたがって、ヒドロキシ官能性ポリウレタンプレポリマーおよび芳香族ジアミンからなる架橋剤混合物を用いてイソシアネートプレポリマーを硬化させることにより、同様に得ることができる。
【0007】
連鎖延長剤としての芳香族ジアミンの使用によって、所望の硬度および耐熱性を有するポリウレタンウレア組成物を上記方法により製造することが可能になるが、色の安定性も不十分になる。そのような組成物の黄変は、例えばWO 2008/033659に記載されているように、大量の紫外線安定剤および酸化防止剤の添加によって限られた期間抑制することができるが、遅かれ早かれ不可避的に生じる。
【0008】
EP−A 0 943 637は、ウレア基を含有しないがガラス代替物として適している非発泡透明ポリウレタン組成物の製造方法を提供している。しかしながら、十分に高い硬度を実現するために、この方法では、極めて特殊な高官能性ポリオール混合物の使用が規定されている。
【0009】
耐光性硬質のポリウレタン組成物およびポリウレタンウレア組成物或いはそれらから得られる物品の、上記製造方法の全てに共通した著しい欠点は、有毒物質に分類され、時には相当な蒸気圧を示す低分子量単量体ジイソシアネートを大量に使用することである。労働衛生上の理由から、これら単量体ジイソシアネートの配合には、極めて高いレベルの安全対策を取らなければならない。例えばWO 2008/033659に記載されているように、特に過剰のポリイソシアネートを使用する場合は、未反応の単量体ジイソシアネートが、しばらくは製造した成形品(例えば眼鏡レンズ)に残留し、そこから徐々に蒸発する可能性も存在する。
【0010】
低モノマー含量の高分子量非毒性ポリイソシアネートに基づく耐光性硬質成形物品製造用ポリウレタン組成物、特にビウレット構造、イソシアヌレート構造またはウレトジオン構造を有する既知の脂肪族ポリイソシアネートに基づく耐光性硬質成形物品製造用ポリウレタン組成物を提供する試みは多数存在する。
【0011】
しかしながら、EP−B 0 943 637に記載されている特殊な高官能性ポリオール混合物と組み合わせた場合であっても、直鎖脂肪族ジイソシアネート(例えばHDI三量体)に基づき、加工温度で溶媒不含有状態で液体であるポリイソシアネートは、同特許文献の実施例1から推察できるように、比較的低いガラス転移温度(T)および対応する低い耐熱性を有する生成物しかもたらさない。
【0012】
一方、脂環式ジイソシアネートに基づく低モノマー含量のポリイソシアネートは、加工温度で固体であり、一般に80℃〜120℃の範囲に融点を有する。したがって、耐光性ポリウレタン注封材料のための架橋剤成分としてそれらを使用することは、これまで、反応性シンナー(例えばDE−A 2 900 031参照)として大量の単量体ジイソシアネートを配合することによってのみ可能であった。このことは、先に記載した労働衛生上の欠点を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO 1996/023827
【特許文献2】WO 2003/072624
【特許文献3】WO 2000/014137
【特許文献4】WO 2004/076518
【特許文献5】WO 2008/033659
【特許文献6】EP−A 0 943 637
【特許文献7】DE−A 2 900 031
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、既知の系の欠点を示さない、新規な硬質の耐光耐候性のポリウレタン組成物およびポリウレタンウレア組成物を提供することである。この新規なポリウレタン組成物は、非毒性原料に基づくべきであり、高度に架橋された耐熱性成形物品を製造するために、常套の方法によって、例えば手動でのまたは適当な機械を用いた単純な流し込成形によって、例えばRIM法によって加工できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、以下により詳細に記載するポリウレタンおよびポリウレタンウレアの提供によって達成された。
【0016】
以下により詳細に記載する本発明は、耐光性の非発泡または発泡のポリウレタン物品またはポリウレタン−ウレア物品が、低粘性HDIポリイソシアネートと脂環式ジイソシアネート三量体とからなるそれ自体既知の溶媒不含有混合物を用いて製造でき、非常に良好な機械的性質および光学的性質を特徴とし、特に非常に高い耐熱性を有するといった意外な観察に基づく。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本質的に固体または非常に高い粘性を有する脂環式ポリイソシアネートの、低粘性HDIポリイソシアネート中溶液は、高い耐摩耗性を有する硬質被膜を製造するための、特にバルコニーまたは屋根をシールするための、溶媒不含有ポリオールのための架橋剤成分として、例えばEP−A 0 693 512から知られている。同特許公報は、そのような系が耐光性硬質注封材料の製造にも適していることを一般的には記載しているが、当業者は、そのようなポリイソシアネート混合物について、本発明の方法で得られるポリウレタン成形物品の高い耐熱性または優れた光学的性質を有する耐光性の非発泡および発泡のポリウレタン物品またはポリウレタン−ウレア物品を製造するための出発成分としての特定の適合性に関して、更なる特定の情報を得ることはできない。
【0018】
HDIポリイソシアネート(好ましくはHDI三量体)と脂環式ジイソシアネートに基づくポリイソシアネートとからなる溶媒不含有ポリイソシアネート混合物はまた、溶媒不含有被覆組成物における、3未満の官能価を有する極めて特殊な溶媒不含有ポリエステルポリオールのための架橋剤として、EP−A 1 484 350に既に記載されている。熱による黄変の程度が低い装飾部材(例えば、自動車産業または家具産業において近年使用が増加しつつあるような節のある木目調の部材)の被覆に特に使用されるこれらの二成分系において、上記した特定のポリイソシアネート混合物を使用すると、70℃を超えるガラス転移温度(T)がもたらされ、したがって、必要に応じて被覆部材を再び磨くことが可能になる。密閉式型における反応射出成形(RIM)もまた、上記系に好ましい適用方法としてEP−A 1 484 350に記載されているが、同特許公報は、もっぱら適当な基材の被覆を扱っており、非発泡または発泡固体成形品の製造についての特定の記載を含んでいない。ここでもまた、例えば、本発明にしたがって得られるポリウレタン組成物またはポリウレタン−ウレア組成物の高い光学的品質および優れた耐熱性は全く記載されていない。実際、同特許公報に開示されている特定の比較例から、当業者は、記載されている低モノマー含量のポリイソシアネート混合物は、芳香族カルボン酸に基づく極めて特殊なエーテル基不含有ポリエステルポリオールと組み合わせた場合のみ、硬化して黄変度が低い硬質透明ポリウレタンを生じると考えるであろう。我々自身の実験は、艶消または曇った軟質塗膜をもたらすEP−A 1 484 350に記載されている比較試験が典型的ではないまれな例であることを示している。以下により詳細に記載するように、ポリウレタン組成物またはポリウレタン−ウレア組成物における架橋剤としての使用に適したポリイソシアネート混合物は、多くの様々な反応種と(それらがエーテル基含有ポリオールまたは芳香族不含有ポリエステルポリオールを包含する多官能性反応種であっても)容易に混合でき、高い光学的光沢を有し透明に硬化する硬質系を形成することができる。
【0019】
本発明は、16〜24重量%のイソシアネート基含量を有し、ヘキサメチレンジイソシアネートに基づく少なくとも1種のポリイソシアネートa−1)の30〜95重量%および10〜22重量%のイソシアネート基含量を有し、脂環式ジイソシアネートに基づく少なくとも1種のポリイソシアネートa−2)の20〜60重量%からなり、2000〜100,000mPasの23℃での粘度、13〜23重量%のイソシアネート基含量および少なくとも2.5の平均イソシアネート官能価を有する溶媒不含有低モノマー含量ポリイソシアネート成分A)の、耐光性の非発泡または発泡のポリウレタン物品および/またはポリウレア物品の製造のための使用を提供する。
【0020】
本発明はまた、
A)16〜24重量%のイソシアネート基含量を有し、ヘキサメチレンジイソシアネートに基づく少なくとも1種のポリイソシアネートa−1)の30〜95重量%および10〜22重量%のイソシアネート基含量を有し、脂環式ジイソシアネートに基づく少なくとも1種のポリイソシアネートa−2)の5〜70重量%からなり、2000〜100,000mPasの23℃での粘度、13〜23重量%のイソシアネート基含量および少なくとも2.5の平均イソシアネート官能価を有する、低モノマー含量のポリイソシアネート成分と、
B)イソシアネート基に対して反応性であり、2.0〜6.0の平均官能価を有する反応種とを、
C)任意に更なる助剤および添加剤
の配合を伴って、0.5:1〜2.0:1のイソシアネート基対イソシアネート反応性基の当量比を維持しながら、溶媒の不存在下で反応させることにより、耐光性のポリウレタン物品および/またはポリウレア物品を製造する方法を提供する。
【0021】
本発明は最後に、このようにして得られる耐光性のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物の、非発泡または発泡透明成形品の製造のための使用を提供する。
【0022】
新規な耐光性のポリウレタン組成物またはポリウレア組成物を製造するために使用するポリイソシアネート成分A)は、HDIに基づく少なくとも1種のポリイソシアネートa−1)の30〜95重量%および脂環式ジイソシアネートに基づく少なくとも1種のポリイソシアネートa−2)の5〜70重量%を含んでなる溶媒不含有混合物である。
【0023】
ポリイソシアネートa−1)は、ウレトジオン基、イソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、ウレタン基、アロファネート基、ビウレット基および/またはオキサジアジントリオン基を含有し、80〜12,000mPasの23℃での粘度、16〜25重量%のイソシアネート基含量、0.5重量%未満の単量体HDI含量および少なくとも2.0の平均イソシアネート官能価を有する、それ自体既知のHDI誘導体である。
【0024】
これらは、Laasら、J. Prakt. Chem. 336, 1994, 185-200, DE−A 1 670 666、DE−A 3 700 209、DE−A 3 900 053、EP−A 0 330 966、EP−A 0 336 205、EP−A 0 339 396およびEP−A 0 798 299に例として記載されている。
【0025】
成分a−1)のポリイソシアネートは、好ましくは、ウレトジオン構造、アロファネート構造、イソシアヌレート構造および/またはイミノオキサジアジントリオン構造を含有し、100〜1600mPasの23℃での粘度および18〜24.5重量%のイソシアネート基含量を有する、上記タイプのHDI系ポリイソシアネートである。
【0026】
成分a−1)のポリイソシアネートは、特に好ましくは、イソシアヌレート基および/またはイミノオキサジアジンジオン基を含有し、300〜1500mPasの23℃での粘度および20〜24重量%のイソシアネート基含量を有する、上記タイプのHDIポリイソシアネートである。
【0027】
成分a−2)のポリイソシアネートは、アロファネート基、ビウレット基、イソシアヌレート基、ウレトジオン基および/またはウレタン基を含有し、23℃で固体状であるかまたは200,000mPasを超える粘度を有し、それ自体既知の脂環式ジイソシアネートに基づくポリイソシアネートであって、そのイソシアネート基含量は10〜25重量%であり、その単量体ジイソシアネート含量は0.5重量%未満である。ポリイソシアネート成分a−2)の調製に適した脂環式出発ジイソシアネートは、例えば、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサンおよび1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナト−2−メチルシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナト−4−メチルシクロヘキサン、IPDI、1−イソシアナト−1−メチル−4(3)−イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンおよび1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジイソシアナト−3,3’,5,5’−テトラメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジイソシアナト−1,1’−ビ(シクロヘキシル)、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチル−1,1’−ビ(シクロヘキシル)、4,4’−ジイソシアナト−2,2’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビ(シクロヘキシル)およびこれらジイソシアネートの混合物である。
【0028】
成分a−2)のポリイソシアネートは、好ましくは、それ自体知られている上記タイプのイソシアヌレート基含有化合物であり、Laasら、J. Prakt. Chem. 336, 1994, 185-200, EP−A 0 003 765、EP−A 0 017 998、EP−A 0 193 828、DE−A 1 934 763およびDE−A 2 644 684に例として記載されている。
【0029】
成分a−2)のポリイソシアネートは、特に好ましくは、13〜19重量%のイソシアネート基含量を有し、IPDIおよび/または2,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンに基づく上記タイプのポリイソシアネートである。
【0030】
最も好ましい成分a−2)のポリイソシアネートは、15〜18重量%のイソシアネート基含量を有し、IPDIに基づく上記タイプのポリイソシアネートである。
【0031】
ポリイソシアネート成分a−1)の調製に使用するHDIおよびポリイソシアネート成分a−2)のための上記脂環式出発ジイソシアネートは共に、任意の方法によって、例えばホスゲン化またはホスゲンフリー法(例としてウレタン分裂)によって、調製することができる。
【0032】
本発明にしたがって調製または使用することができる組成物に含まれるポリイソシアネート成分A)は、好ましくは90:10〜35:65、特に好ましくは80:20〜40:60のa−1):a−2)の重量比を維持しながら、場合により30〜240℃の温度に予備加熱されていてもよい各成分a−1)およびa−2)を上記割合で単に混合し、次いで、均質になるまで混合物を撹拌することによって調製する。混合物の温度は、場合により更に加熱することによって、30〜140℃、好ましくは40〜100℃で保持する。
【0033】
好ましい態様では、ポリイソシアネート成分A)の調製において、薄膜蒸留による単量体分離に続く脂環式ジイソシアネートの触媒三量化の後に、23℃で高粘性または固体であるポリイソシアネート成分a−2)をまだ熱いうちに(例えば100〜240℃の温度で)同様に加熱したポリイソシアネート成分a−1)に直ちに導入し、混合物が均質になるまで、任意に更に加熱しながら、撹拌する。
【0034】
別の同様に好ましい態様では、ポリイソシアネート成分A)の調製において、薄膜蒸留前、三量化反応の終了後、ポリイソシアネート成分a−1)を、ポリイソシアネート成分a−2)の調製中に得られた粗溶液に、撹拌しながら導入し、過剰の単量体脂環式ジイソシアネートは後で分離する。
【0035】
調製方法に関係なく、ポリイソシアネート成分A)は一般に、透明な、実質的に無色の樹脂として得られ、その23℃での粘度は、好ましくは6000〜60,000mPas、特に好ましくは8000〜50,000mPasであり、そのイソシアネート基含量は、好ましくは15〜22重量%、特に好ましくは16〜21重量%であり、その平均イソシアネート官能価は、好ましくは2.8〜5.0、特に好ましくは3.0〜4.5である。ポリイソシアネート成分A)は、1重郎%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.3重量%未満の単量体ジイソシアネート残留含量(単量体HDIおよび単量体脂環式ジイソシアネートの総量)を有するので、残留モノマー含量は低い。
【0036】
本発明の耐光性のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物の調製のために、上記ポリイソシアネート成分A)を、2.0〜6.0、好ましくは2.5〜4.0、特に好ましくは2.5〜3.5のイソシアネート付加反応での平均官能価を有する溶媒不含有イソシアネート基反応性反応種B)と反応させる。
【0037】
反応種B)は、特に、常套のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリマー変性ポリエーテルポリオール、グラフトポリエーテルポリオール、とりわけスチレンおよび/またはアクリロニトリルに基づくもの、ポリエーテルポリアミン、ポリウレタン化学から知られているヒドロキシル基含有ポリアセタールおよび/またはヒドロキシル基含有脂肪族ポリカーボネートであって、それらは通常106〜12000、好ましくは250〜8000の分子量を有する。適当な反応種B)の概説は、例えば、N. Adamら、"Polyurethanes", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Electronic Release, 第7版、第3.2章〜第3.4章、Wiley-VCH, Weinheim 2005に見られる。
【0038】
適当なポリエーテルポリオールB)は、例えば、官能価および分子量に関する先に記載した必要条件を満たす限り、DE−A 2 622 951の第6欄第65行〜第7欄第47行またはEP−A 0 978 523の第4頁第45行〜第5頁第14行に挙げられているタイプのものである。第一級ヒドロキシル基がヒドロキシル基の少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%を構成している、そのようなポリエーテルポリオールが好ましい。特に好ましいポリエーテルポリオールB)は、グリセロール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミンおよび/またはペンタエリスリトールへの、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物である。
【0039】
適当なポリエステルポリオールB)は、例えば、それらが先に記載した必要条件を満たす限りは、EP−A 0 978 523の第5頁第17行〜47行またはEP−A 0 659 792の第6頁第8行〜19行に挙げられているタイプのものであり、それらは、好ましくは20〜650mgKOH/gのヒドロキシル価を有する。
【0040】
適当なポリチオポリオールB)は、例えば、チオジグリコール同士のまたはチオジグリコールと他のグリコール、ジカルボン酸、ホルムアルデヒド、アミノカルボン酸および/またはアミノアルコールとの既知の縮合生成物である。使用する混合成分のタイプに依存して、それらは、ポリチオ混合エーテルポリオール、ポリチオエーテルエステルポリオールまたはポリチオエーテルエステルアミドポリオールである。
【0041】
成分B)として適しているポリアセタールポリオールは、例えば、単純グリコール(例として、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、4,4’−ジオキシエトキシジフェニルジメチルメタン(ビスフェノールAのエチレンオキシド2mol付加生成物)またはヘキサンジオール)とホルムアルデヒドとの既知の反応生成物、或いは環状アセタール(例えばトリオキサン)の重縮合によって調製されるポリアセタールである。
【0042】
アミノポリエーテルまたはアミノポリエーテル混合物、即ち、少なくとも50当量%、好ましくは少なくとも80当量%の第一級および/または第二級の芳香族的または脂肪族的に結合しているアミノ基で構成され、その残余が第一級および/または第二級の脂肪族的に結合しているヒドロキシル基であるイソシアネート基反応性基を有するポリエーテルもまた、成分B)として非常に適している。このタイプの適当なアミノポリエーテルは、例えば、EP−A 00 81 701の第4欄第26行〜第5欄第40行に挙げられている化合物である。例えばイソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマーを加水分解することによってDE−A 2 948 419に記載されている方法によって調製できるようなアミノ官能性ポリエーテルウレタンまたはウレア、或いは先に記載した分子量範囲にあるアミノ基含有ポリエステルも、同様に出発成分B)として適当である。
【0043】
別の適当なイソシアネート基反応性成分B)は、例えば、EP−A 0 689 556およびEP−A 0 937 110に記載されている特定のポリオールである。それらは、例えば、エポキシ化脂肪酸エステルと脂肪族または芳香族ポリオールとのエポキシ開環を伴った反応によって得ることができる。
【0044】
ヒドロキシル基含有ポリブタジエンもまた、場合により成分B)として使用することができる。
【0045】
特に高い光の屈折を示すポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物からの物品の製造のためのイソシアネート基反応性成分B)として特に適しているものは、以下である:ポリメルカプタン、換言するとポリチオ化合物、例えば単純アルカンチオール、例として、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオールおよび2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、チオエーテル基含有ポリチオール、例えば2,4−ジメルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,5−ビス(メルカプトエチルチオ)−1,10−ジメルカプト−3,8−ジチアデカン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3−チアペンタン、1,1,6,6−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3,4−ジチアヘキサン、2−メルカプトエチルチオ−1,3−ジメルカプトプロパン、
【0046】
2,3−ビス(メルカプトエチルチオ)−1−メルカプトプロパン、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−ジメルカプトプロパン、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(メルカプトエチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)エタン、2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトプロピルチオ)プロパン、テトラキス(メルカプトメチルチオ)メタン、テトラキス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(メルカプトプロピルチオメチル)メタン、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンおよびJP−A 07 118 263にしたがって得られるそれらのオリゴマー、1,5−ビス(メルカプトプロピル)−1,4−ジチアン、1,5−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、2−メルカプトメチル−6−メルカプト−1,4−ジチアシクロヘプタン、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリチアン、2,4,6−トリメルカプトメチル−1,3,5−トリチアンおよび2−(3−ビス(メルカプトメチル)−2−チアプロピル)−1,3−ジチオラン、
【0047】
ポリエステルチオール、例えば、エチレングリコール−ビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコール−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコール(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコール(3−メルカプトプロピオネート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトプロピオネート)、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール−ビス(2−メルカプトアセテート)、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパン−トリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパン−トリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタン−トリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールエタン−トリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、グリセロール−トリス(2−メルカプトアセテート)、グリセロール−トリス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−シクロヘキサンジオール−ビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−シクロヘキサンジオール−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルスルフィド−ビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィド−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィド(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィド(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィド(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィド(3−メルカプトプロピオネート)、(2−メルカプトエチルエステル)チオグリコラートおよびビス(2−メルカプトエチルエステル)チオジプロピオネート、
【0048】
並びに芳香族チオ化合物、例えば、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニルおよび4,4’−ジメルカプトビフェニル。
【0049】
好ましいポリチオ化合物B)は、上記したタイプのポリチオエーテルチオールおよびポリエステルチオールである。特に好ましいポリチオ化合物B)は、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,5−ビスメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、トリメチロールプロパン−トリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタン−トリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(2−メルカプトアセテート)およびペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)である。
【0050】
イオウ含有ヒドロキシル化合物もまた、イソシアネート基反応性成分B)として適している。単純メルカプトアルコール、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプトプロパノールおよびジチオエリスリトール、チオエーテル構造含有アルコール、例えば、ジ(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルメルカプト)エタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィドおよび1,4−ジチアン−2,5−ジオール、或いはEP−A 1 640 394に記載されているタイプの、ポリエステルウレタン構造、ポリチオエステルウレタン構造、ポリエステルチオウレタン構造またはポリチオエステルチオウレタン構造を有するイオウ含有ジオールを、本発明において、例として挙げることができる。
【0051】
低分子量のヒドロキシ官能性および/またはアミノ官能性成分、即ち、62〜500、好ましくは62〜400の分子量範囲にあるヒドロキシ官能性および/またはアミノ官能性成分を、本発明の耐光性のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物の調製において、イソシアネート反応性化合物B)として使用することもできる。
【0052】
それらは特に、2〜14個、好ましくは4〜10個の炭素原子を含有する単純一価アルコールまたは単純多価アルコール、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオール、ブタンジオール(各種異性体)、ペンタンジオール(各種異性体)、ヘキサンジオール(各種異性体)、ヘプタンジオール(各種異性体)およびオクタンジオール(各種異性体)、1,10−デカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)−ビス−シクロヘキサノール、1,2,3−プロパントリオール、1,1,1−トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ヒドロキノン、1,2,4−トリヒドロキシシクロヘキサンおよび1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンまたは1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートである。
【0053】
適当な低分子量アミノ官能性化合物の例は以下である:第一級および/または第二級結合アミノ基を含有する脂肪族および脂環式のアミンおよびアミノアルコール、例えば、シクロヘキシルアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジアミノシクロヘキサン、ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,8−p−ジアミノメンタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−2,3,5−トリメチルシクロヘキシル)メタン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)エタン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ブタン、1,1−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)ブタン、2,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4−アミノシクロヘキシル−4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルメタン、4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル−4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルメタンおよび2−(4−アミノシクロヘキシル)−2−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン。
【0054】
イソシアネート反応性化合物B)として適当である、500未満の分子量を有する芳香族ポリアミン、特にジアミンの例は、以下である:1,2−ジアミノベンゼンおよび1,4−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエンおよび2,6−ジアミノトルエン、2,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび/または4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン、4,4’−ビス−(メチルアミノ)ジフェニルメタンまたは1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、3,5,3’,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−5,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−2,6−ジアミノ−3−イソプロピルベンゼン、ホルムアルデヒドによるアニリンの縮合によって既知の方法で得られるような液体状ポリフェニル−ポリメチレン−ポリアミン混合物、およびそのようなポリアミンの混合物。これに関して、例えば、50:50〜85:15、好ましくは65:35〜80:20の重量比での、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼンと1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼンとの混合物を特に挙げることができる。
【0055】
500未満の分子量を有する低分子量アミノ官能性ポリエーテルを使用することも可能である。ポリエーテルは例えば、第一級および/または第二級の芳香族的または脂肪族的に結合しているアミノ基を含有するものであり、このアミノ基は、場合によりウレタン基またはエステル基を介してポリエーテル鎖に結合していてよく、上記ポリエーテルは、高分子量アミノポリエーテルを調製するための先に記載した既知の方法によって得ることができる。
【0056】
2つの第二級結合アミノ基を有する立体障害脂肪族ジアミンを、イソシアネート基反応性成分E)として、場合により使用することもでき、その例は、EP−A 0 403 921から知られているマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと脂肪族および/または脂環式ジアミンとの反応生成物、EP−A 1 767 559の教示にしたがって得ることができるイソホロンジアミンによるアクリロニトリルのビス付加生成物、または例えばDE−A 19 701 835に記載されている、ケトン(例えばジイソプロピルケトン)および脂肪族および/または脂環式ジアミンから得ることができるシッフ塩基の水素化生成物である。
【0057】
イソシアネート官能性出発成分A)のための好ましい反応種B)は、先に記載した重合体のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよび/またはアミノポリエーテル、先に記載した低分子量の脂肪族および脂環式多価アルコール、および先に記載した低分子量の多価アミン、特に2つの第二級結合アミノ基を有する立体障害脂肪族ジアミンである。
【0058】
例として先に挙げたイソシアネート基反応性成分B)の混合物もまた、イソシアネート官能性出発成分A)のための反応種として適当である。もっぱらヒドロキシ官能性成分B)を使用するとポリウレタンのみの組成物が得られ、もっぱらポリアミンB)を使用するとポリウレアのみの組成物が得られるが、成分B)としてアミノアルコール、またはヒドロキシ官能性化合物およびアミノ官能性化合物の適当な混合物を使用すると、ポリウレタンウレアが生じる。このとき、ウレタン基のウレア基に対する当量比は、必要に応じて調節することができる。
【0059】
選択した出発物質のタイプに関係なく、ポリイソシアネート成分A)とイソシアネート基反応性成分B)との反応において、0.5:1〜2.0:1、好ましくは0.7:1〜1.3:1、特に好ましくは0.8:1〜1.2:1のイソシアネート基対イソシアネート反応性基の当量比を維持する。
【0060】
記載した出発成分A)およびB)に加えて、更なる助剤および添加剤C)、例えば、触媒、発泡剤、界面活性剤、紫外線安定剤、気泡安定剤、酸化防止剤、剥離剤、充填剤および顔料を任意に配合することができる。
【0061】
反応を促進するために、例えば、ポリウレタン化学から知られている常套の触媒を使用することができる。本発明において例として挙げる触媒は以下である:第三級アミン、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノジエチルエーテル、ビス−(ジメチルアミノプロピル)ウレア、N−メチルモルホリンまたはN−エチルモルホリン、N−ココ−モルホリン、N−シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N−メチルピペリジン、N−ジメチルアミノエチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノピペラジン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルイミダゾール−β−フェニルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン、ビス−(N,N−ジメチルアミノエチル)アジペート;アルカノールアミン化合物、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミンおよびN−エチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(N,N−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N’,N’’−トリス−(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロトリアジン、例えば、N,N’,N’’−トリス−(ジメチルアミノプロピル)−s−ヘキサヒドロトリアジンおよび/またはビス(ジメチルアミノエチル)エーテル;金属塩、例えば、通常の金属酸化状態にある鉄、鉛、ビスマス、亜鉛および/または錫の無機化合物および/または有機化合物、例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、2−エチルカプロン酸亜鉛、オクタン酸錫(II)、エチルカプロン酸錫(II)、パルミチン酸錫(II)、ジラウリン酸ジブチル錫(IV)(DBTL)、ジブチルジラウリル錫メルカプチド、またはオクタン酸鉛;アミジン、例えば、2,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン;テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド;アルカリ金属ヒドロキシド、例えば水酸化ナトリウム、およびアルカリ金属アルコラート、例えばナトリウムメチラートおよびカリウムイソプロピラート、並びに10〜20個の炭素原子および任意にOH側基を有する長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩。
【0062】
好ましく使用する触媒C)は、上記したタイプの第三級アミンおよび錫化合物である。
【0063】
例として挙げた触媒は、本発明の耐光性のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物の調製において、単独でまたは互いの混合物として使用することができ、任意に、使用する出発化合物の総量に基づいて、使用する触媒の総量として計算した0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜2重量%の量で使用してよい。
【0064】
本発明の方法によって、好ましくは非発泡成形品を製造する。しかしながら、適当な発泡剤の添加を介して、発泡成形物品を製造することもできる。この目的のために適当な発泡剤は、例えば、高揮発性有機物質、例として、アセトン、酢酸エチル、ハロゲン置換されたアルカン、例えば塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチリデン、塩化ビニリデン、モノフルオロトリクロロメタン、クロロトリフルオロメタンまたはジクロロジフルオロメタン、ブタン、ヘキサン、ヘプタンまたはジエチルエーテルおよび/または溶解した不活性ガス、例えば窒素、空気または二酸化炭素である。
【0065】
水、水和水含有化合物、カルボン酸、第三級アルコール、例えばt−ブタノール、カルバミン酸塩、例えばEP−A 1 000 955の特に第2頁第5行〜第31行および第3頁第21行〜第42行に記載されているカルバミン酸塩、炭酸塩、例えば炭酸アンモニウムおよび/または炭酸水素アンモニウム、および/またはカルバミン酸グアニジンが、化学的発泡剤C)として、即ち、例えばイソシアネート基との、反応に基づいて気体生成物を生じる発泡剤として適している。発泡効果は、気体、例えば窒素の放出を伴って室温より高い温度で分解する化合物、例えばアゾジカルボンアミドまたはアゾイソ酪酸ニトリルのようなアゾ化合物の添加によって、達成することもできる。発泡剤の別の例、および発泡剤の使用の詳細は、Kunststoff-Handbuch, 第VII巻、ViewegおよびHoechtlen編、Carl-Hanser-Verlag, Munich 1966の例えば第108頁および第109頁、第453頁〜第455頁、および第507頁〜第510頁に記載されている。
【0066】
界面活性添加剤C)もまた、乳化剤および気泡安定剤として、本発明にしたがって、付加的に使用することができる。適当な乳化剤は、例えば、ひまし油スルホネートまたは脂肪酸のナトリウム塩、脂肪酸とアミンとの塩、例えば、オレイン酸ジエチルアミンまたはステアリン酸ジエタノールアミンである。スルホン酸(例えばドデシルベンゼンスルホン酸)、脂肪酸(例えばリシノール酸)またはポリマー脂肪酸の、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩、或いはエトキシル化ノニルフェノールもまた、界面活性添加剤として配合することができる。
【0067】
適当な気泡安定剤は特に、例えばUS−A 2 834 748、DE−A 1 012 602およびDE−A 1 719 238に記載されているような、既知の好ましくは水溶性のポリエーテルシロキサンである。DE−A 2 558 523にしたがって得ることができる、アロファネート基を介して分岐しているポリシロキサン−ポリオキシアルキレンコポリマーもまた、適当な気泡安定剤である。
【0068】
本発明にしたがった方法において任意に配合することができる、先に記載した乳化剤および安定剤は、単独でまたは互いの混合物として使用することができる。
【0069】
本発明にしたがって調製または使用することができるポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物から得られる物品は、原初の状態、即ち対応する安定剤を添加しない状態であっても、非常に良好な耐光性を特徴とする。それにもかかわらず、既知のタイプの紫外線安定剤(光安定剤)または酸化防止剤を、更なる助剤および添加剤C)として、調製の際に任意に配合することができる。
【0070】
適当な紫外線安定剤C)は、例えば、ピペリジン誘導体、例として、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−1−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スベラートまたはビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデカンジオエート、ベンゾフェノン誘導体、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノンまたは2,2’−ジヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール誘導体、例えば2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、オキサルアニリド、例えば2−エチル−2’−エトキシオキサルアニリドまたは4−メチル−4’−メトキシオキサルアニリド、サリチル酸エステル、例えば、サリチル酸フェニルエステル、サリチル酸−4−tert−ブチルフェニルエステルおよびサリチル酸−4−tert−オクチルフェニルエステル、桂皮酸エステル誘導体、例えば、α−シアノ−β−メチル−4−メトキシ桂皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−4−メトキシ桂皮酸ブチルエステル、α−シアノ−β−フェニル桂皮酸エチルエステルおよびα−シアノ−β−フェニル桂皮酸イソオクチルエステル、またはマロン酸エステル誘導体、例えば、4−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチルエステル、4−メトキシベンジリデンマロン酸ジエチルエステルおよび4−ブトキシベンジリデンマロン酸ジメチルエステルである。これらの光安定剤は、単独でまたは互いの混合物として使用することができる。
【0071】
適当な酸化防止剤C)は、例えば、既知の立体障害フェノール、例として、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(イオノール)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2’−チオ−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオジエチル−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネートであり、これらは、単独でまたは互いの混合物として使用することができる。
【0072】
任意に配合することができる別の助剤および添加剤C)は、例えば、それ自体知られているタイプの整泡剤、例としてパラフィンまたは脂肪アルコール、既知の難燃剤、例えば、トリス−クロロエチルホスフェート、リン酸アンモニウムまたはポリリン酸アンモニウム、充填剤、例えば、硫酸バリウム、珪藻土、カーボンブラック、合成炭酸カルシウムおよび強化用ガラス繊維である。最後に、それ自体知られている、内部剥離剤、染料、顔料、加水分解安定剤、静真菌性物質および静菌性物質もまた、任意に、本発明の方法において配合することができる。
【0073】
任意に配合することができる上記した助剤および添加剤C)は、ポリイソシアネート成分A)および/またはイソシアネート基反応性成分B)に添加することができる。
【0074】
ポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物から本発明の耐光性物品を製造するために、ポリイソシアネート成分A)を、適当な混合装置を用いて先に記載したNCO/OH比で溶媒不含有の状態で、上記した助剤および添加剤C)の配合を任意に伴って、イソシアネート基反応性成分B)と混合し、160℃まで、好ましくは20〜140℃、特に好ましくは40〜100℃の温度で、任意に300barまで、好ましくは100barまで、特に好ましくは40barまでの高圧下、開放式型または密閉式型の中で、任意の方法によって、例えば手動で或いは好ましくは適当な機械(例えばポリウレタン技術で通常使用する低圧または高圧の機械)を用いて単純に流し込成形することによって、またはRIM法によって硬化させる。
【0075】
粘度を低下するために、出発成分A)およびB)を、120℃まで、好ましくは100℃まで、特に好ましくは90℃までの温度に任意に予熱し、真空の適用によって任意に脱気することができる。
【0076】
本発明にしたがって調製したかまたは本発明にしたがった使用のためのポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物からこのように製造した物品は一般に、短時間の後、例えば2〜60分の後、型から取り出すことができる。その後、任意に、50〜100℃、好ましくは60〜90℃の温度での後硬化工程を実施することができる。
【0077】
非発泡または発泡の耐光耐候性硬質物品が、ポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物からこのようにして得られ、それらは、著しい光学的性質、溶媒および化学薬品に対する高い耐性、並びに例えば90℃の高温での優れた耐熱性を特徴とする。
【0078】
これらの新規なポリウレタン物品および/またはポリウレア物品は、多くの様々な用途に、例えば、ガラス代替窓(例として、車両構造物用または航空機構造物用の、サンルーフ、前面窓、後面窓または側面窓)の製造にまたはガラス代替窓として、安全ガラスとして、或いは眼鏡レンズおよび光学レンズの製造に適している。特にホットライトを照射した場合であっても、上記した高い耐熱性と合わさった極めて高い耐光性の故に、本発明にしたがって得ることができるかまたは本発明の使用のためのポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物はまた、最も好適には、寸法安定性光学部品の製造、例えば、LED照明または車のヘッドライトにおける二次レンズとして使用されるようなレンズまたはコレクターの製造に適している。
【0079】
それらは更に、透明な、注型光学部品、注型電子部品または注型光電子部品に、例えばソーラーモジュールまたは発光ダイオードにも極めて適しており、後者の場合では、レンズ形注型品を得ることも可能である。更に、本発明にしたがって使用することができるポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物を、適当な発泡剤と組み合わせると、黄変に対して耐性を有する半硬質または硬質一体フォームから作られる物品を製造することも可能になる。
【実施例】
【0080】
特に記載のない限り、全てのパーセントは重量に基づく。
NCO含量は、DIN EN ISO 11909にしたがって滴定法によって測定した。
ヒドロキシル価は、DIN 53240のパート2を参照することにより滴定法によって測定し、酸価はDIN 3682にしたがって測定した。
残留モノマー含量は、内部標準を用いてガスクロマトグラフィーによって、DIN EN ISO 10283にしたがって測定した。
粘度測定は全て、DIN EN ISO 3219にしたがって、Anton Paar Germany GmbH(ドイツ国在)製Physica MCR 51レオメーターを用いて実施した。
ハーゼン色数は、Lange(ドイツ国在)社製LICO 400分光光度計を用い、DIN EN 1557にしたがって分光測光法によって測定した。
ガラス転移温度Tgは、10℃/分の昇温速度で、Mettler DSC 12E(Mettler Toledo GmbH(ドイツ国ギーセン在))を用いて、DSC(示差走査熱量測定法)によって測定した。
ショア硬度は、Zwick 3100ショア硬度計(Zwick(ドイツ国在))を用い、DIN 53505にしたがって測定した。
CIE Lab値(DIN 6174)、黄色度指数(ASTM E 313)および透過率は、Perkin-Elmer(米国在)社製の積分球(150mm)を備えたLambda 900分光光度計を用いて測定した(0°/拡散、リファレンス:空気、T=100%)。
Suprax昼光フィルター(290nmでのUVエッジ、ブラックパネル温度=48℃)を備えたSuntest CPS(Atlas(米国在))において、DIN EN ISO 11431にしたがって、キセノン光を照射した。CIE Lab値およびΔE値を、色の変化の尺度として測定した。
【0081】
出発化合物
ポリイソシアネートa1−I)
触媒用溶媒として2−エチル−1,3−ヘキサンジオールに代えて2−エチルヘキサノールを使用した以外は、EP−A 330 966の実施例11を参照して調製した、イソシアヌレート基含有HDIポリイソシアネート。
NCO含量: 22.9%
NCO官能価: 3.2
単量体HDI: 0.1%
粘度(23℃):1200mPas
【0082】
ポリイソシアネートa1−II)
触媒としてテトラブチルホスホニウムハイドロジェンフルオライドのイソプロパノール/メタノール(2:1)中50%溶液を用いてHDIを三量化し、リン酸ジブチルの添加によって粗混合物中NCO含量43%で反応を停止し、次いで、130℃の温度および0.2mbarの圧力下での薄膜蒸留により未反応HDIを留去することによって、EP−A 0 962 455の実施例4を参照して調製した、イソシアヌレート基およびイミノオキサジアジンジオン基含有HDIポリイソシアネート。
NCO含量: 23.4%
NCO官能価: 3.2
単量体HDI: 0.2%
粘度(23℃):700mPas
【0083】
ポリイソシアネートa1−III)
EP−A 0 496 208の実施例4と同様に調製した、イソシアヌレート基およびアロファネート基含有HDIポリイソシアネート。
NCO含量: 20.0%
NCO官能価: 2.5
単量体HDI: 0.1%
粘度(23℃):450mPas
【0084】
ポリイソシアネートa1−IV)
EP−B 1 174 428の実施例1(比較例)と同様に調製した、イソシアヌレート基およびウレトジオン基含有HDIポリイソシアネート。
NCO含量: 21.6%
NCO官能価: 2.4
単量体HDI: 0.2%
粘度(23℃):160mPas
【0085】
ポリイソシアネートa2−I)
イソホロンジイソシアネート(IPDI)を、NCO含量31.1%に達するまでEP−A−0 003 765の実施例2に記載されているように三量化し、過剰IPDIを170℃/0.1mbarで薄膜蒸留により留去する。100〜110℃の溶融範囲を有するほぼ無色の固体状樹脂として、イソシアヌレートポリイソシアネートを得る。
NCO含量: 16.4%
NCO官能価: 3.3
単量体IPDI:0.2%
【0086】
ポリイソシアネートa2−II)
EP−A 1 484 350(ポリイソシアネートA2−II)に記載されているように調製した、75〜85℃の溶融範囲を有する、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンに基づくイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートとHDIに基づくイソシアヌレートポリイソシアネートとの混合物。
NCO含量: 15.1%
NCO官能価: 3.5
単量体ジイソシアネート:0.2%
【0087】
ポリイソシアネート成分A)の調製
脂環式ジイソシアネートに基づくタイプa2)の固体状ポリイソシアネートを粗く粉砕し、N雰囲気下、タイプa1)の液体状HDIポリイソシアネートと一緒に室温で反応容器に入れた。固体状樹脂を溶融し、混合物を均質化するために、混合物を100〜140℃に加熱し、ほぼ透明な溶液を得るまで撹拌した。次いで、50℃まで冷却し、200μmフィルターで濾過した。
【0088】
以下の表1は、このように調製したポリイソシアネートの、組成(重量部)および特性を示す。
【表1】

【0089】
ヒドロキシ官能性反応種B1)
成分B1−a)
3112g(34.6mol)の1,3−ブタンジオール、1863g(17.9mol)のネオペンチルグリコール、2568g(19.2mol)のトリメチロールプロパンおよび6706g(40.4mol)のイソフタル酸を、撹拌機、加熱器、自動温度制御装置、窒素注入口、カラム、水分離器および受器を備えた反応器に量り入れ、カラム塔頂部の温度が102℃を超えないように、撹拌および窒素流通しながら200℃まで加熱した。理論的に計算した反応水量(1649g)に達する蒸留が完了したとき、水分離器を蒸留連結部に取り替え、生成物が5mgKOH/gの酸価を有するまで反応混合物を200℃で撹拌した。以下の特性を有する、室温で高い粘性を有するポリエステルポリオールを得た。
流下時間(23℃):MPA中55%溶液として29秒(ISO 2431)
ヒドロキシル価: 335mgKOH/g
酸価: 4.7mgKOH/g
色数(APHA): 27ハーゼン
平均分子量: 435g/mol(ヒドロキシル価から計算)
【0090】
成分B1−b)
4034g(35.4mol)のε−カプロラクトン、9466g(70.6mol)のトリメチロールプロパンおよび6.75gの2−エチルヘキサン酸錫(II)を、乾燥窒素下で一緒に混合し、160℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、以下の特性を有する液体状ポリエステルジオールを得た。
粘度(23℃): 4600mPas
ヒドロキシル価: 886mgKOH/g
酸価: 0.4mgKOH/g
色数(APHA):42ハーゼン
平均分子量: 190g/mol(ヒドロキシル価から計算)
【0091】
ヒドロキシ官能性反応種B1)の調製
6300gの成分B1−a)、6300gの成分B1−b)および1400gのジプロピレングリコールを、撹拌槽反応器内で、60℃で1時間、一緒に撹拌した。以下の特性を有する、ヒドロキシ官能性反応種B1)を得た。
粘度(23℃): 19,900mPas
ヒドロキシル価: 628mgKOH/g
酸価: 2.2mgKOH/g
色数(APHA):64ハーゼン
平均分子量: 243g/mol(ヒドロキシル価から計算)
【0092】
ヒドロキシ官能性反応種B2)
成分B2−a)
成分B1−a)についてヒドロキシ官能性反応種B1)を調製するために記載した方法を用いて、以下の特性を有する、室温で高粘性のポリエステルポリオールを、3755g(41.7mol)の1,3−ブタンジオール、2249g(21.6mol)のネオペンチルグリコール、3099g(23.1mol)のトリメチロールプロパンおよび5386g(55.0mol)の無水マレイン酸から調製した。
流下時間(23℃):MPA中55%溶液として22秒(ISO 2431)
ヒドロキシル価: 331mgKOH/g
酸価: 4.7mgKOH/g
色数(APHA): 23ハーゼン
平均分子量: 465g/mol(ヒドロキシル価から計算)
【0093】
ヒドロキシ官能性反応種B2)の調製
成分B2−a)の6750g、成分B1−b)としてヒドロキシ官能性反応種B1)の調製において記載したカプロラクトンポリエステルの6750g、およびジプロピレングリコールの1500gを、撹拌槽反応器内で、60℃で1時間、一緒に撹拌した。以下の特性を有する、ヒドロキシ官能性反応種B2)を得た。
粘度(23℃): 8100mPas
ヒドロキシル価: 616mgKOH/g
酸価: 2.3mgKOH/g
色数(APHA):64ハーゼン
平均分子量: 250g/mol(ヒドロキシル価から計算)
【0094】
ヒドロキシ官能性反応種B3)
1029mgKOH/gのヒドロキシル価および8100mPasの粘度(23℃)を有し、トリメチロールプロパンに基づくポリプロピレンオキシドポリエーテルと、550mgKOH/gのヒドロキシル価および505mPasの粘度(23℃)を有し、トリメチロールプロパンに基づくエチレンオキシドポリエーテルとの等重量部からなるポリエーテルポリオール混合物。
【0095】
実施例1〜7(注封材料の製造)
注封材料を製造するため、触媒としてのDBTLが任意に配合されていてよい、ポリイソシアネート成分A)およびポリオール成分B)を、各々の場合に1:1のイソシアネート基対ヒドロキシル基の当量比に相当する表2記載の割合(重量部)および組み合わせで、SpeedMixer DAC 150 FVZ(Hauschild(ドイツ国在))を用いて3500rpmで1分間均質化し、次いで、未加熱の開放式ポリプロピレン製型に手動で注入した。室温でまたは乾燥炉内70℃で30分間硬化させた後、試験片(直径50mm、高さ5mm)を脱型した。
【0096】
24時間の後硬化時間の後、試験片を機械的性質および光学的性質について試験した。耐熱性の迅速な評価のために、80℃まで加熱した試料を用いてショア硬度を測定し、室温で測定した同じ試料のショア硬度との差を計算した。試験結果を同様に表2に示す。
【0097】
実施例が示すように、注封材料のための架橋剤として本発明にしたがって使用したポリイソシアネート成分A−I〜A−Vは、芳香族カルボン酸に基づくポリエステルポリオール(実施例1〜5)、脂肪族ポリエステルポリオール(実施例6)、およびポリエーテルポリオール(実施例7)のいずれと組み合わせても、優れた耐熱性および高い光透過性を有する非常に硬質の注型材料を生じる。実施例6と、90℃で一週間保管後であっても実施例7にしたがって得られた試験片が2.2の無視できる程度の黄色度指数上昇しか示さなかった事実とは、EP−A 1 484 350の教示を否定する。同特許公報によれば、そのようなポリイソシアネートと脂肪族ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールとの組み合わせは一般に、曇ったポリウレタンまたは黄変に対する耐性を示さないポリウレタンをもたらす。
【0098】
【表2】

【0099】
実施例8)
表3に記載した条件下、実験用計量供給装置を用いて、加熱できる型(195×290×4mm)に実施例1の注封材料を注入した。
【0100】
【表3】

【0101】
このようにして得た試料シートから試験片を切り取り、更なる機械的試験および熱的試験に付した。その結果を表4および表5に示す。
【0102】
【表4】

【0103】
【表5】

【0104】
実施例9
90℃の試料温度で実施例1に記載されているように製造した試験片に、2mm離して白色LED光を照射した。表6は、光を照射している間の、透過率、色合い(CIE Lab値)および黄色度(黄色度指数YI)の変化を示す。経時的にほとんど変化しない高い透過性(約90%の透過率)および低い黄色度は特に、発光ダイオードの被包のための弾性注封材料の製造への、本発明のポリイソシアネートの優れた適合性を示している。
【0105】
【表6】

【0106】
実施例10
100重量部のポリオールB3)、1.0重量部の水、0.5重量部のDBTL、および0.5重量部のDBUを、SpeedMixer DAC 150 FVZ(Hauschild(ドイツ国在))を用いて3500rpmで1分間均質化した。このようにして得た触媒されたポリオール混合物を、1.05:1のイソシアネート基対ヒドロキシル基の当量比に相当する50重量部のポリイソシアネート成分A−IVと一緒に、非シリコーン系離型剤Acmos 30-2411(Acmos Chemie KG(ドイツ国在))で内壁を処理し、70℃に加熱した密閉式アルミニウム製型(10×250×350mm寸法)に、実験用二成分計量供給混合装置を用いて導入し、0.6g/cmの密度まで圧縮した。フォームの自由密度は0.220g/cmであった。反応混合物の加工時間は以下であった:クリーム時間=20秒、硬化時間=50秒。10分後、成形品を取り出し、23℃で更に24時間保管した。
全ての面で閉じた非発泡スキン、0.608g/cmの総合密度、60のショア硬度D、および92℃のTgを有する、脂肪族一体フォームを得た。90℃で1時間保管後、成形品は軟化の徴候を示さなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
16〜24重量%のイソシアネート基含量を有し、ヘキサメチレンジイソシアネートに基づく少なくとも1種のポリイソシアネートa−1)の30〜95重量%および10〜22重量%のイソシアネート基含量を有し、脂環式ジイソシアネートに基づく少なくとも1種のポリイソシアネートa−2)の5〜70重量%からなり、2000〜100,000mPasの23℃での粘度、13〜23重量%のイソシアネート基含量および少なくとも2.5の平均イソシアネート官能価を有する溶媒不含有ポリイソシアネート成分A)の、耐光性の非発泡または発泡のポリウレタン物品および/またはポリウレア物品の製造のための使用。
【請求項2】
ポリイソシアネート成分A)が、6000〜60,000mPasの23℃での粘度、15〜22重量%のイソシアネート基含量および2.8〜5.0の平均イソシアネート官能価を有することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
80〜4,000mPasの23℃での粘度、16〜24.5重量%のイソシアネート基含量および少なくとも2.0の平均イソシアネート官能価を有し、アロファネート基、ビウレット基、イソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、オキサジアジントリオン基、ウレトジオン基および/またはウレタン基を含有するヘキサメチレンジイソシアネート誘導体が、ポリイソシアネートa−1)として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
13〜19重量%のイソシアネート基含量を有し、イソホロンジイソシアネートおよび/または2,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンに基づくイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートが、ポリイソシアネートa−2)として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
物品がガラス代替物であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
物品が、車両構造物用または航空機構造物用の窓であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
窓が、車両構造物用または航空機構造物用の、サンルーフ、前面窓、後面窓または側面窓であることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
物品が安全ガラスであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
物品が光学レンズまたは眼鏡レンズであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
物品が透明な、注型光学部品、注型光電子部品または注型電子部品であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項11】
部品がソーラーモジュールであることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
部品が発光ダイオードであることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
部品が硬質または半硬質の一体フォームであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項14】
A)16〜24重量%のイソシアネート基含量を有し、ヘキサメチレンジイソシアネートに基づく少なくとも1種のポリイソシアネートa−1)の30〜95重量%および10〜22重量%のイソシアネート基含量を有し、脂環式ジイソシアネートに基づく少なくとも1種のポリイソシアネートa−2)の5〜70重量%からなり、2000〜100,000mPasの23℃での粘度、13〜23重量%のイソシアネート基含量および少なくとも2.5の平均イソシアネート官能価を有する、ポリイソシアネート成分と、
B)イソシアネート基に対して反応性であり、2.0〜6.0の平均官能価を有する反応種とを、
C)任意に更なる助剤および添加剤
の配合を伴って、0.5:1〜2.0:1のイソシアネート基対イソシアネート反応性基の当量比を維持しながら、溶媒の不存在下で反応させることにより、耐光性のポリウレタン物品および/またはポリウレア物品を製造する方法。
【請求項15】
62〜12,000の平均分子量を有する、ヒドロキシ官能性化合物、アミノ官能性化合物および/またはメルカプト官能性化合物を、成分B)として使用することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよび/または平均分子量500〜12,000を有するアミノポリエーテル、ポリチオエーテルチオール、ポリエステルチオールおよび/または平均分子量62〜500を有する低分子量のヒドロキシ官能性成分および/またはアミノ官能性成分を、成分B)として使用することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
発泡剤としての水を、成分C)として使用することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
160℃までの温度および300barまでの圧力下で反応種の反応を実施することを特徴とする、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2012−515814(P2012−515814A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546663(P2011−546663)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000126
【国際公開番号】WO2010/083958
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】