説明

ポリエステルおよびポリプロピレン用のカーボンブラック再加熱添加剤

再加熱時間および樹脂カラーをはじめとする、ポリエチレンおよびポリプロピレン樹脂の再加熱特性は、赤外線吸収剤として200〜500nmの範囲の一次粒度のカーボンブラックを樹脂に添加することによって改善される。この一次粒度を有するサーマルカーボンブラックはファーネスカーボンブラックより好ましい。射出延伸ブロー成形ボトルおよび他の熱成形製品がカーボンブラック赤外線吸収剤入り樹脂から製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーへの低レベルのカーボンブラックの添加の結果として、より速い昇温速度を示すポリエステルおよびポリプロピレン組成物からのボトル、容器および他の物品の製造に関する。より速い昇温速度は、射出延伸ブロー成形によってポリエチレンテレフタレートおよびポリプロピレンから製造される容器を製造するのに要する時間およびエネルギーを減らす。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリプロピレン(PP)のような、ポリマー組成物は周知の包装材料である。例えば、米国特許公報(特許文献1)は、様々な成形方法によって飲料ボトルおよび他の容器(本明細書では以下「ボトル」と言われる)を製造するために使用されるPET組成物を記載している。
【0003】
ミネラルウォーターおよび炭酸飲料用のような、PETから製造されるボトルは一般に射出延伸ブロー成形によって製造される。この技術は、その後最終ボトル形状へブロー成形される「プリフォーム」の射出成形を含む。これは、別個の射出成形および延伸ブロー機でまたは2工程が組み合わせられる単一機で実施されてもよい。プリフォームは通常、3mm〜6mmの材料厚さの、8〜20cm長さの短いボトル本体形状と共にネジ付き首よりなる。ボトルをブローするために、プリフォームは、それを所望の形状の金型中へ延伸し、ブローすることができるように、PETのガラス転移点より上の特定の温度に赤外線ランプによって再加熱される。
【0004】
一般に、PET樹脂は赤外線を吸収する乏しい能力を有する。プリフォーム加熱および延伸ブロー成形段階はそれ故、全体ボトル製造プロセスでの律速因子になる。さらに、プリフォーム加熱工程はまた、かなりの量のエネルギーを必要とする。これに対処するために、多くの銘柄の市販PETボトル樹脂は、プリフォームの昇温速度を改善するため(本明細書では以下「より速い再加熱」と言われる)の添加剤を組み入れている。その狙いは、プリフォームを再加熱するために要するエネルギーを減らすだけでなく、ブローイングの速度、それによって全体生産性を上げることである。
【0005】
実際には、PETで再加熱を改善するために使用される添加剤は、延伸ブロー成形機に用いられる赤外線ランプから発せられる波長(一般に500〜2000nm)で放射エネルギーを強く吸収する微細分散された不活性ブラック材料である。PETに使用される材料の例は、米国特許公報(特許文献2)に記載されているようなカーボンブラック、米国特許公報(特許文献3)および米国特許公報(特許文献4)に記載されているようなグラファイト、米国特許公報(特許文献5)に記載されているようなブラック酸化鉄、米国特許公報(特許文献6)に記載されているようなリン化鉄およびケイ化鉄、ならびに米国特許公報(特許文献7)および米国特許公報(特許文献8)に記載されているような黒色スピネル顔料である。これらの添加剤の添加レベルは、所望レベルの再加熱改善を得るために、一般に5〜100ppmである。
【0006】
PETでの改善された再加熱はまた、アンチモン金属粒子の使用によっても示されてきた。これらの粒子は通常、米国特許公報(特許文献9)および米国特許公報(特許文献10)に記載されているように、溶融重合段階中にアンチモン重合触媒と還元剤(例えば亜リン酸)との化学反応によって沈積される。
【0007】
上記の再加熱改善は一般にPETに適用されるが、本発明のさらなる考察、および主な実施形態はPP樹脂での再加熱の改善である。PPは、そのより低い材料コストのために多くの飲料用途向けボトル用のPETにますます置き換わりつつある。米国特許公報(特許文献11)は、プリフォームが外側および内側の両方から同時に加熱される場合にPPプリフォームの射出延伸ブロー成形が可能であることを教示している。それにもかかわらず、この方法でPETよりもPPから満足できる飲料ボトルを製造することは最近まで困難であった。先ず第1に、ポリプロピレンはPETより低い密度および比熱を有し、それ故著しくより狭い加工ウィンドウを示す。第2に、ポリプロピレンは、IR放射線を吸収するその乏しい能力の点からPETと同じ制限を受ける。一般に、ポリプロピレンはまたPETより大きい不透明度を有し、それはその美的外観を損なう。業界はそれ故、PPがPETと同じ射出延伸ブロー成形装置で飲料ボトルを製造するために使用できるようにポリプロピレンのIR吸収特性を改善するための方法を追求し続けている。
【0008】
他の黒体吸収体を使用することを望まないまたは使用することができないPETおよびPP樹脂製造業者にとって、改善された再加熱のための便利な添加剤はカーボンブラックである。カーボンブラックは、他の吸収材料と比較して不活性、低コスト、および樹脂中の分散の容易さという利点を提供する。カーボンブラックはまた、近赤外波長で高度の吸収を示す。それはまた高い放射率を有し、それ故この吸収から生じた粒子の温度上昇の高い割合は周囲のポリマーに移される。こうして、他のブラック材料と比較して非常に低いレベルのカーボンブラックがポリマーに添加される必要がある。
【0009】
これらの添加剤を使用する際に、ボトル製造業者は、最終ボトルのカラーおよびヘーズへの影響を最小にしながら再加熱の改善を最大にすることを狙う。明らかに、樹脂へのブラック材料の添加は、完全に無色のものより魅力的でないとされるより暗いボトルにつながる。カーボンブラックの特定の不利点は、非常に少量でさえのカーボンブラックを含有する樹脂に与えられる暗い色合いおよび黄茶色調である。この問題は、製造業者が次第により速い再加熱速度を目指すにつれてますます明らかになっている。再加熱とカラー性能との所望の組み合わせを満たすブラック材料が追求され続けている。
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,340,721号明細書
【特許文献2】米国特許第4,408,004号明細書
【特許文献3】米国特許第5,925,710号明細書
【特許文献4】米国特許第6,034,167号明細書
【特許文献5】米国特許第6,022,920号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0018115 A1号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2002/0011694号明細書
【特許文献8】米国特許第6,503,586号明細書
【特許文献9】米国特許第5,419,936号明細書
【特許文献10】米国特許第5,529,744号明細書
【特許文献11】米国特許第6,258,313号明細書
【特許文献12】米国特許第4,408,400号明細書
【特許文献13】米国特許第4,476,272号明細書
【特許文献14】米国特許第4,535,118号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、樹脂中の赤外線吸収剤として範囲200〜500nmの一次粒度を有するカーボンブラックの添加によるPETおよびPPプリフォームの再加熱特性の改善方法である。この形のカーボンブラックは、高められた再加熱の任意の特定レベルでPETおよびPPプリフォームでより速いプリフォーム昇温速度を可能にする。さらに、この粒度のカーボンブラックの添加は意外にも、先行技術に記載された他のタイプのカーボンブラックを使用することによって得られるものより優れた樹脂カラーをもたらす。
【0012】
特に好ましいカーボンブラックは200〜500nmの範囲の一次粒度を有し、カーボンブラックサーマルプロセス(Thermal Process)で形成される。
【0013】
本発明は、次の図面に関連して次の詳細な説明で記載されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
再加熱を改善するためのカーボンブラックの使用は、最初にペンギリー(Pengilly)に付与された米国特許公報(特許文献12)に、その後同様にペンギリーに付与された米国特許公報(特許文献13)および米国特許公報(特許文献14)に記載された。これらの特許は、10〜100nmの粒度の、しかし15〜30nmの好ましい粒度の1〜5.5ppmカーボンブラックの添加についての具体的なクレームを含む。実施例に記載されるカーボンブラックの具体的タイプは、25nmの粒度の、「チャネル」または「ファーネス」ブラックと言われる形である。チャネルおよびファーネスブラック以外のいかなるタイプのカーボンブラックの例もペンギリー特許には全くない。さらに、ペンギリー特許は、粒度が再加熱改善の程度に関連して樹脂のカラーに何らかの影響を及ぼすとは記述していない。
【0015】
我々は、低濃度のこれらのブラック添加剤の存在に起因する光学および赤外線吸収特性がこの粒度に強く依存することをここに示す。具体的には、我々は、200〜500nm粒子が任意のレベルの改善された再加熱で10〜100nmカーボンブラック粒子と比べて優れた樹脂カラーを意外にも生み出すことを示した。200〜500nm粒子では樹脂、従って該樹脂から形成された最終ボトルまたは他の製品のカラーは、外見でより明るく、色調で灰−青である。対照的に、10〜100nmカーボンブラック粒子では樹脂は、色調で黄−茶であり、任意の同等レベルの再加熱で実質的により暗い。
【0016】
無色透明飲料ボトル用のそれのためには、より明るいそして灰−青外観がより暗いそして黄−茶外観より商業的に好ましいことは十分に理解される。このように、例えばカラーおよび明るさの1976CIE記号表示によって定義されるように、無色透明ボトルで好ましい特性はできるだけ高いL*、できるだけゼロに近いa*、およびできるだけゼロに近いb*である。このケースでL*は明るさの尺度であり、0(完全な黒)から100(完全な白)の範囲にあることができる。a*は赤−緑色成分の尺度であり、ここで、増大する負の値は増加する緑色調を意味し、増大する正の値は増加する赤色調を意味する。b*は黄−青色成分の尺度であり、ここで、増大する負の値は増加する青色調を意味し、増大する正の値は増加する黄色調を意味する。ゼロに近いb*が好ましいが、負のb*、または青色調が正のb*、または黄色調よりもボトル製造業者には好ましい。「黄色度」は一般に樹脂での分解または不純と考えられるかもしれないが、「青色度」はそうではない。本発明の主な発見は、200nmより上の、好ましくは250nmより上の粒度のカーボンブラックの添加が10〜100nmの粒度のカーボンブラックと比較してより高い樹脂L*、より低い樹脂b*および類似の樹脂a*につながることである。従って、この形のカーボンブラックは、射出延伸ブロー成形で製造される最終ボトルまたは該樹脂から製造される他の製品で優れたカラーを実証する。
【0017】
再加熱添加剤の濃度が上がるにつれて、樹脂は一般に次第により暗くなり、無色透明および無色ボトルの製造に一層受け入れられないようになる。カーボンブラックの添加によって達成できる再加熱のレベルはそれ故、最終ボトルに対する製造業者のカラー規格によって制限される。200〜500nm、好ましくは250〜300nmの一次粒度のカーボンブラックの使用によって得ることができる再加熱は、樹脂カラーの任意の受け入れられる限界値で実質的により速く、従って、10〜100nmの粒度のカーボンブラックの使用によるよりも、ボトル製造業者にはより望ましい。
【0018】
無色透明ボトルを製造するために、カーボンブラック粒度は好ましくは直径が500nmを超えるべきではなく、好ましくは200〜500nm、最も好ましくは250〜300nmである。用いられるカーボンブラックの量は、樹脂の重量を基準にして3ppm〜50ppmの範囲にあってもよい。用いられるレベルは、製造業者が必要とする再加熱改善のレベルによって決定される。必要ならば、より高い濃度で多量のカーボンブラックを含有するPETまたはPPのマスターバッチを、最終ボトル中のカーボンブラックの所望レベルを得るためのポリマーとのその後のブレンディングのために製造することができる。
【0019】
本発明で好適なPETおよびPPまたは組成物は、再加熱の改善を必要とするボトル、他の容器または熱成形品を製造することができる任意の樹脂であってもよい。PETまたはPPの製造方法は、樹脂へのカーボンブラックの添加を可能にする任意の通常のプロセスであってもよい。カーボンブラックは製造プロセスの任意の段階でポリマーに導入されてもよい。カーボンブラックは不活性であり、製造プロセス中にいかなる他の添加剤とも相互作用せず、樹脂を分解させず、変形させずまたはそれに影響を及ぼさず、それ故用いられるかもしれない製造方法に何の制限も課さない。
【0020】
(PET組成物およびこれらの組成物からの試験サンプル)
PET樹脂の再加熱について本発明を実証するために、サンプルはバッチ・オートクレーブ反応器で70Kg規模で製造された。再加熱添加剤の効果を分離するために、バッチのすべては、添加されるカーボンブラックのタイプおよび濃度を除いて、固定した組成にされた。使用される組成物がPET飲料ボトルを製造できる典型的な調合物であることは十分に理解される。
【0021】
樹脂は、触媒、安定剤、色調補正剤およびカーボンブラックが添加される「モノマー」を生み出すために、テレフタル酸とモノエチレングリコールとの直接エステル化の通常のプロセスで製造された。モノマーは次に、0.60dl/gの目標溶融粘度まで真空下に重合させられ、その時点で生じた溶融物はオートクレーブからキャストされ、急冷され、顆粒にカットされて非晶質「ベース」樹脂を与えた。ベース樹脂の25Kgバッチは最終的に結晶化させられ、さらに流動床反応器中210℃で0.82dl/gの目標溶融粘度に固相重合させられてボトルをブローできる必須のポリマー粘度を得た。
【0022】
樹脂カラーと再加熱との関係を比較するために、異なるタイプおよびレベルのカーボンブラックを含有する固相重合樹脂は、射出成形機で10cm直径×4mm厚さの円形プラークへ成形された。樹脂のカラーおよび再加熱は下記のようにこれらのプラークについて測定されて実施例1に示されるデータを生み出した。
【0023】
(PP組成物およびこれらの組成物からの試験サンプル)
PPの再加熱について本発明を実証するために、異なるタイプのカーボンブラックを含有する組成物が、直列の2つの押出機を用いてPP樹脂の対照サンプル中へカーボンブラックを配合することによって調製された。これらの実験のために使用されるベースPPは、無色透明ボトルを製造できる典型的な銘柄のPPである。
【0024】
カーボンブラックが先ずPP顆粒に添加され、ブレンドは二軸スクリュー押出機によって配合されて樹脂中のカーボンブラックの初期分散系を生み出した。この材料は次に、空洞移動(Cavity Transfer)ミキサーを備えた一軸スクリュー押出機によってフィードされて最終組成物を生み出した。空洞移動ミキサーは、微粒子添加剤の最適分散、それ故にPP中のカーボンブラックの最良可能分散を生み出すために特に用いられた。
【0025】
最終PP組成物はPET組成物についてと同じ方法で、そして同じ機械でプラークを射出成形するために使用された。プラークのカラーおよび再加熱は下記のように測定され、実施例2に示されるデータを与えた。実施例3に示されるプリフォーム・ブローイングデータもまた、この方法で製造された組成物から得られた。
【0026】
(PETおよびPP再加熱試験方法)
本発明は、樹脂のカラーと、所望レベルの再加熱を達成するために使用されるカーボンブラックの粒度との間の関係に基づいている。本明細書に記載されるPET再加熱測定は、任意の、しかし本願特許出願人標準プリフォーム再加熱試験(最小ブローイング時間試験のための本願特許出願人標準試験方法(INVISTA Standard Test Method for Minimum Blowing Time Test)No.MST116)からの値の明確に規定されたスケールに基づいている。この試験は、無色透明PETボトルを製造するために要する最小ブローイング時間を比較する。試験ポリマーから製造されたプリフォームに必要とされる最小ブローイング時間が「ゼロ秒再加熱」標準ポリマーから製造されたプリフォームに必要とされるそれと比較される。該差が試験サンプルの「再加熱」として引用される。従って、プリフォームの温度のより速い上昇の結果としてより短い全体ブローイング時間を要するより速い再加熱は、負の数で表され、これは、ゼロ秒再加熱プリフォームについての全体ブローイング時間より短い秒数である。同様に、より遅い再加熱は正の数で表され、これは、ゼロ秒再加熱標準プリフォームによりも試験サンプルプリフォームにより必要とされる全体ブローイング時間秒数である。
【0027】
最小ブローイング時間は、無色透明および結晶化なしボトルを得ることができる時点と定義される。全ブローイング時間は、結晶化なしボトルをブローできる温度にプリフォームを上げるために要する加熱時間、プラスプリフォーム自体をブローし、延伸するための時間の合計である。全ブローイング時間のうちのプリフォーム加熱構成要素は、樹脂の赤外線吸収特性によって影響を受けるにすぎない。しかしながら、プリフォーム延伸およびブローイング時間構成要素は、樹脂の実際の組成(例えばコモノマー含有率)およびその粘度によってある程度影響を受け得る。
【0028】
従って、試験サンプルと標準との間の組成および粘度の差を排除するために、第2試験が射出成形プラークの温度上昇に基づいて用いられる。この試験では、図1に例示されるように、試験サンプルおよび既知プリフォーム再加熱の標準サンプルは10cm直径×4mm厚さの円形プラーク10へ成形される。これらのプラーク10は、フィリップス(Phillips)175W赤外線ランプ12の下で90秒の一定時間加熱される。90秒後にプラーク10の温度がプラーク10の上面に焦点を合わせたミノルタ・シクロップス(Minolta Cyclops)300AF赤外高温計14を用いて測定される。ランプ12は、プラーク10をランプ12に90秒間露光させるために開き、そしてそれから閉じるシャッター16を備えている。高温計14は、シャッター16が閉じた時点でプラーク10の温度を自動的に測定する。プラーク10は、モーター20によって回転できる回転台18上に支えられている。プラークは、均一な温度分布を確実にするためにランプ12の下で回転させられる。赤外線ランプ12、高温計14およびプラーク回転台18はすべて、温度データが得られつつある間ずっと部品間の相対移動を防ぐために同じフレーム構造(示されていない)に固定されている。試験は、一定の温度環境で、そして最終プラーク温度に対する出発温度または環境のいかなる可能な影響をも排除するためにこの環境中に保管されてきたプラークについて実施される。
【0029】
再加熱値は、ゼロ〜マイナス12秒の範囲の、既知プリフォーム再加熱の少なくとも3つの異なる「標準」ポリマーから製造されたプラークの温度上昇を測定することによって得られる。本発明で得られるデータについては、標準プラークの再加熱はゼロ、マイナス6およびマイナス10秒であった。これらの標準プラークは、ゼロ秒標準プラークと同じ組成および粘度を有した。これらのプリフォーム再加熱対プラーク温度はプロットされて「較正」線を与える。この試験についての我々の経験では、再加熱値の範囲にわたって同じ粘度および組成のサンプルについてのプラーク温度上昇とプリフォーム再加熱との間の関係は常に一次である。従って、試験プラークのプラーク温度を測定することによって、同等プリフォーム再加熱は、同時に測定される標準プラークから生み出される一次較正線から簡単に読み取ることができる。本明細書に引用されるPET再加熱値はプラーク試験に基づく。製造されるサンプルはすべて同じポリマー処方および粘度にされたので、再加熱値はプリフォーム試験で測定される場合同じものであろう。
【0030】
本願特許出願人プリフォームおよびプラーク試験で、飲料ボトルがそれから製造されるほとんどの銘柄のPETの再加熱は、マイナス15(−15)〜プラス5(+5)秒に入る。
【0031】
PPについては、試験を較正することができる既存のPPプリフォーム再加熱標準がない場合、最終プラーク温度それだけが実施例2に示されるように用いられたことを除いて同じ試験が用いられた。
【0032】
実施例3に示されるPPブローイング実験データにおいて、異なるタイプのカーボンブラックで製造された組成物の再加熱はまた、実験中に観察されるサイクル時間減少の観点から比較される。
【0033】
(PETおよびPPカラー試験方法)
本発明に記載されるカラー測定は、ガードナーBYKカラー−ビュー(Gardner BYK Color−View)分光光度計モデルNo.9000を用いて行われた。同じ手順がPETおよびPP組成物の両方から成形されたプラークについて用いられた。カラーは、各プラークを標準白タイルの下に置き、そしてカラーおよび明るさの1976CIE L*、a*およびb*記号を用いてタイルの反射カラーを読み取ることによって測定された。裏地タイルは、カラー値L*93.10、a*0.13およびb*3.55を有した。
【0034】
プラークカラーは、匹敵する肉厚であるが、通常の測定技術によって測定するのにより簡単であるので、プリフォームカラーの有用な指標である。カラー測定はまた、ポリマー顆粒についても行われた。PETのケースでは、測定は、固相重合される前の非晶質状態の顆粒について、および固相重合後の結晶状態の顆粒について行われた。これらはプラークと同じ再加熱とカラーとの間の関係を示すが、プラーク値がプリフォームおよび最終ボトルのカラーの最も正確な反映として取られた。
【0035】
(カーボンブラック)
カーボンブラックの世界的生産の約95%がファーネスおよびチャネルプロセスに基づいている(本明細書では以下集合的に「ファーネスカーボンブラック」と言われる)。これらのプロセスで製造されたカーボンブラックは、個々のプロセスに依存して10〜100nmの範囲の一次粒径を有する。対照的に、サーマルプロセスとして知られる、もっと最近の、それほど広く行き渡っていない製造方法は、200〜500nmの範囲の直径のより大きい一次粒子を生み出す(本明細書では以下「サーマルカーボンブラック」と言われる)。カーボンブラックのこれら2つの形間の一次粒度の差は、それぞれの製造プロセスでの異なる条件の結果である。好ましくは、本発明で再加熱添加剤として使用される200〜500nm粒度カーボンブラックはサーマルプロセスで製造された。
【0036】
上に言及された「一次粒子」は、カーボンブラックを構成する材料の最小のそれ以上縮小できない粒子である。異なる形のカーボンブラックがサブミクロンおよびミクロンスケールでこれらの一次粒子の様々な程度の凝集を示すことは十分に理解されるであろう。この凝集の程度は、その物理的特性にかなりの影響を及ぼすことが知られている。しかしながら、我々は、PETまたはPP中に非常に低い濃度で細かく分散されたときに、これがカーボンブラックの光学および吸収特性にほとんど影響を及ぼさず、従って一次粒度のみが改善された再加熱のためのその用途に関連することを示した。
【実施例】
【0037】
(実施例1−ポリエチレンテレフタレート)
本発明を実証するためのベースポリマーPETサンプルを、70Kg規模バッチ反応器で製造した。これは、2つの別個の撹拌される容器、「モノマー」を製造するための高圧下でのテレフタル酸とエチレングリコールとの直接エステル化用の第1容器、および真空下での該モノマーの重合用の第2容器(本明細書では以下「オートクレーブ」と言う)よりなる。カーボンブラック再加熱添加剤を除いて、本実施例でのサンプルはすべて、同一の処方でそして同一のプロセス条件下に製造した。
【0038】
59.3Kgのテレフタル酸、1.2Kgイソフタル酸および29.0Kgのエチレングリコールをエステル化容器に装入し、9リットルの水が反応混合物から除去されるまで250℃でそして大気圧より上の平方インチ当たり40ポンドで反応させた。容器を次に大気圧に戻し、ポリマー安定剤として働くための10.5gのリン酸を加え、モノマー中へかき混ぜた。エステル化容器の内容物を次にオートクレーブにポンプ送液し、そこに19.25g三酸化アンチモン(重合触媒)をエチレングリコール中の溶液の形で混合物中へかき混ぜた。0.14gクラリアント・ブルー(Clariant Blue)−RBL染料および0.07gクラリアント・レッド(Clariant Red)−GFP顔料を次にポリマー色調補正剤として加え、混合物中へかき混ぜた。最後にカーボンブラック再加熱添加剤を、ポリマー中に所望の濃度を与えるために加え、混合物中へかき混ぜた。添加剤すべてを装入した後、モノマーの重縮合を実施するためにオートクレーブ圧力をゆっくり最良可能真空に下げ、温度を290℃に上げた。重合反応を、オートクレーブ撹拌機上のトルク負荷指標によって測定されるように0.60dl/gの目標溶融粘度で終了させた。この時点で、溶融ポリマーを押し出し、冷水浴中で急冷し、顆粒へカットした。
【0039】
すべてのケースで、カーボンブラック・スラリーはエチレングリコール中の1%w/wスラリーの形で調製し、それをオートクレーブに装入する前に少なくとも2時間シルバーソン(Silverson)高剪断ミキサーで撹拌した。正確な量のスラリーを直ちに量り取り、沈降または凝集のいかなる可能性も防ぐための撹拌後にオートクレーブに装入した。
【0040】
25Kgバッチの非晶質ベース樹脂を、窒素の流れがポリマー顆粒を流動化させるのに十分である流動床反応器中で210℃の温度で固相再重合させた。反応器から採取され、ダベンポート溶融粘度計(Davenport Melt Viscometer)で295℃で測定されたポリマーサンプルによって示されるように、ポリマーが0.82dl/gの目標溶融粘度に達したときにプロセスを終了させた。
【0041】
0.82dl/g固相重合樹脂の5Kgサンプルを175℃で4時間乾燥させ、次にクルップス(Krupps)KR35単軸スクリュー射出成形機で4mm厚さ×10cm直径幅の無色透明プラークへ成形した。これらのプラークはきれいで、表面汚染物質なしであり、平らな上面および下面を有した。再加熱およびカラー測定を、上記の方法を用いてこれらのプラークについて行った。
【0042】
本発明のために製造したサンプルについてのPETプラーク再加熱およびカラーデータのすべてを表1に示す。表1で、カーボンブラックは、製造プロセス(ファーネスまたはサーマル)および製造業者によって主張される一次粒径によって分類する。
【0043】
【表1】

【0044】
図2は実施例1のサンプルについての再加熱対L*関係を示す。より速い再加熱はx軸に沿って増加する負の値で表される。ポリマーの増加する暗さは減少するL*値で表される。ファーネスおよびサーマルカーボンブラックについての関係は高度に一次であり、明確に相異なる。サーマルカーボンブラック(図2のライン30)は、任意の所与レベルの再加熱でファーネスカーボンブラック(図2のライン32)より明るいポリマーを示す。例えば、マイナス10秒の再加熱、典型的な現行製造要件で、サーマルカーボンブラックとファーネスカーボンブラックとの間のL*の差は約8単位である。サーマルカーボンブラックは樹脂で優れたL*性能を与えた。
【0045】
図3は実施例1のサンプルについての再加熱対a*関係を示す。樹脂の増加する赤色度はa*軸上の増加する正の値で表される。サンプルのすべてが0〜マイナス1.5単位の範囲内でa*の小さな変動を示す。しかしながら、線形回帰ラインは、ファーネスカーボンブラックについてより速い再加熱と共に上昇するa*を示す(図3のライン42)が、サーマルカーボンブラックでは平坦な傾向を示す(図3のライン40)。
【0046】
図4は実施例1のサンプルについての再加熱対b*関係を示す。樹脂の増加する黄色度はb*軸上の増加する正の値で表される。再び、2つの形についての関係はL*についてより大きく散乱されるが、b*は常に、全再加熱範囲にわたってファーネスカーボンブラックについてより高い。それ故、サーマルカーボンブラックは樹脂の黄色度に基づいて優れたカラーを与えた。2つの形についての線形回帰ラインは、ファーネスカーボンブラックで増加する傾向を示す(図4のライン52)が、サーマルカーボンブラックでは平坦な傾向を示す(図4のライン40)。このように、次第により速い再加熱で、サーマルカーボンブラックはカラーを損なわないが、ファーネスカーボンブラックは次第に黄色の樹脂につながる。
【0047】
図3および4の考慮において、バッチ反応器で製造されたPETのa*およびb*がL*より変動を受けやすいことは十分に理解される。他の点では一定の組成物では、L*は主として、使用される再加熱剤のタイプおよびレベルの関数である。しかしながら、a*およびb*は、樹脂の分解につながり得る反応温度ならびに溶融重合、固相加工および射出成形中の他の因子による影響を受ける。a*およびb*のさらなる変動はまた、添加される色調調整剤のレベルおよび最終ポリマー中に保持されるそれらの濃度の小さな差によっても引き起こされるであろう。
【0048】
実施例1では再加熱とカラーとの間の関係だけが考慮されている。カーボンブラック添加レベルの不正確さまたは最終ボトル中のカーボンブラックの保持レベルの差のために散乱しやすいかもしれない、再加熱に対するカーボンブラック添加レベルのプロットは、この関係を示す必要がない。
【0049】
実施例1からのデータは、製造ルート、従ってカーボンブラックの平均粒径によって区別される2つの別個のグループとして見ることができる。このように、樹脂カラーの最も重要な指標であると一般に理解されている2つの因子、すなわちL*およびb*の観点から、サーマルカーボンブラックは、任意のレベルの再加熱改善でファーネスカーボンブラックを超えて意外な、明らかな改善を示す。
【0050】
100nm粒度のファーネスカーボンブラックは、20nm粒度のファーネスカーボンブラックより優れたカラーを示さない。従って実施例1に示される改善は少なくとも250nmの粒度で実証されるにすぎない。
【0051】
(実施例2−ポリプロピレン)
本発明を実証するためのPP組成物を、ボレアリス(Borealis)によって製造されたRE420MOポリプロピレン中へ異なるタイプのカーボンブラックを配合することによって調製した。5mlの液体パラフィンをバッグブレンダー中の5kgのPP顆粒に加え、それを次にパラフィンの薄膜で顆粒をコートするために混転した。カーボンブラックを、最終組成物で所望の濃度を与えるための量でコーテッド顆粒に添加し、カーボンブラックの均一な付着を確実にするためにバッグを再び混転した。コーテッド顆粒を次にAPV MP2030二軸スクリュー押出機によって配合し、そこで押出物を急冷し、顆粒へ再カットした。この中間材料を、出口に4セクション空洞移動ミキサーを備えたボストン−マシューズ(Boston−Matthews)単軸スクリュー押出機によって再配合した。押出物を再び急冷し、顆粒へカットして最終組成物を与えた。
【0052】
プラークを、実施例1でPETについて記載したと同じようにクルップスKR35押出機でこれらの組成物から成形した。再加熱およびカラー測定を、上記の方法を用いてこれらのプラークについて行った。これらのサンプルについて得たデータを表2に示し、そこで再加熱は最終プラーク温度として引用される。PETについての表1でのように、これらの組成物を製造するために使用したカーボンブラックは、製造業者によって主張される一次粒径によって分類する。
【0053】
【表2】

【0054】
表2のデータから、図5、6および7はそれぞれ、L*、a*およびb*に対してプロットされた最終プラーク温度を示す。再加熱温度と個々のカラー成分との間の同じ関係を、実施例1からの図2、3および4に示したように、実施例2について図5〜7に示す。再び、データは、サーマルカーボンブラックが任意の所与レベルの再加熱でファーネスカーボンブラックより高いL*、ならびにより低いa*およびより低いb*を示して、組成物中のカーボンブラックのタイプに従って2つの相異なるグループを示す。サーマルカーボンブラックはそれ故意外にもPETでと同じようにPPでも優れた樹脂カラーをもたらす。
【0055】
(実施例3−ポリプロピレンプリフォーム・ブローイング)
典型的なボトルプロセスで本発明を実証するために、PPプリフォーム・ブローイング実験を、1つがファーネスカーボンブラックを含有し、他がサーマルカーボンブラックを含有する、上記の組成物の2つから成形したプリフォームを使用して行った。異なるブラックによって与えられる再加熱利点を定量化するために、実験を、ボトルの満足できるブローイングを維持しながら可能なプリフォーム昇温時間の減少を測定するよう設定した。
【0056】
実験を、23g重量プリフォームを使用して実施し、それから500ml容量ボトルをブローした。プリフォームを、1個取り射出成形機で220℃の溶融温度および15℃の金型温度で典型的なPP射出成形条件下に射出成形した。SIPAによって製造された、そしてPPボトルの製造用に特にデザインされた別個の実験室ブローイング機を次に用いてボトルをブローした。ブローイング機は、空隙によって分離された、プリフォームをブローイングに必要とされる温度に予熱するための2つの赤外線加熱オーブンを有した。各オーブンは、プリフォーム本体の全体長さを加熱ために垂直に配置された5×2000ワット赤外線ヒーターよりなる10,000ワットの最大能力を有した。プリフォームを、均一な温度分布を確実にするために全体にわたって回転ホルダー上で垂直に回転させた。連続手順では、プリフォームを約60〜80秒間にわたって第1オーブンに通し、さらなる60〜80秒間空隙に通して温度を平衡させ、次にさらなる60〜80秒間第2オーブンに通した。空気中でもう10秒平衡後に、加熱したプリフォームを最終的にブローイングステーションに配送した。
【0057】
サイクル時間を測定するために、両オーブンを8900ワットに固定し、合わせて17,800ワット出力を与えた。完全加熱およびブローイングプロセスのサイクル時間を次に、オーブン中でプリフォームにより消費される時間が最適ボトルをブローさせる温度を与えるように調節した。最良のブローイング性能を達成するためのプリフォーム温度の制御は、当業者によって十分に理解される。プリフォーム温度が余りにも低い場合、プリフォームはボトル金型へ完全にブローすることができない。プリフォーム温度が余りにも高い場合、材料分配は不満足であり、変わりやすいボトル肉厚につながる。このように、カーボンブラックを含有するプリフォームを加熱するために要する時間を、カーボンブラックが全く添加されていない対照PPについて要するそれと比較して測定した。様々なレベルのファーネスカーボンブラック(デグッサ・プリンテックスFアルファ(Degussa Printex F alpha))およびサーマルカーボンブラック(カンカーブ・サーマックスステンレス(Cancarb Thermax Stainless))を含有する組成物について観察されるサイクル時間節約を表3およびグラフで図8に示す。これらのカーボンブラックはそれぞれ20および250nmの粒度を有する。
【0058】
【表3】

【0059】
図8は、PP中の両タイプのカーボンブラックがサイクル時間のかなりの減少につながることを示す。しかしながら、それらのそれぞれのプロット(図8のライン90および92)の異なる勾配から、類似のサイクル時間減少はサーマルカーボンブラック(図8のライン90)を使用することによってより高い樹脂L*で達成される。これらのプロットはそれ故形の上では、両PPおよびPETでのL*対プラーク再加熱関係に似ている。従って本実施例3は、実施例1および2で行われた観察結果を補強する。サーマルカーボンブラックは意外にも、任意の特定レベルの改善された再加熱でファーネスカーボンブラックと比較して優れた樹脂カラーにつながり、この差を実際のプリフォーム・ブローイング状況で示すことができる。
【0060】
本発明は好ましい実施形態の詳細な説明および実施例によって例示されてきた。形および詳細での様々な変更は当業者の技能内であろう。それ故、本発明は特許請求の範囲によって評価されなければならず、実施例または好ましい実施形態の説明によって評価されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施例1および2でデータを得るために使用されるPETおよびPPで再加熱を測定するためのプラーク試験の略図である。
【図2】実施例1に記載されるカーボンブラック含有PET組成物についてのプラーク再加熱対プラークのL*カラー成分のグラフである。
【図3】実施例1に記載されるカーボンブラック含有PET組成物についてのプラーク再加熱対プラークのa*カラー成分のグラフである。
【図4】実施例1に記載されるカーボンブラック含有PET組成物についてのプラーク再加熱対プラークのb*カラー成分のグラフである。
【図5】実施例2に記載されるカーボンブラック含有PP組成物についてのプラーク再加熱対プラークのL*カラー成分のグラフである。
【図6】実施例2に記載されるカーボンブラック含有PP組成物についてのプラーク再加熱対プラークのa*カラー成分のグラフである。
【図7】実施例2に記載されるカーボンブラック含有PP組成物についてのプラーク再加熱対プラークのb*カラー成分のグラフである。
【図8】PPボトルブローイング法でのファーネスおよびサーマルカーボンブラック再加熱剤を含有するPP組成物についてのプラークL*対サイクル時間節約のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改善された再加熱性能を有するポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレート樹脂の形成方法であって、
カーボンブラックを含めた樹脂組成物の重量を基準にして2〜50重量ppmのカーボンブラックを樹脂に添加することを含み、前記カーボンブラックが少なくとも200nmの平均粒径を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記カーボンブラックが200〜500nmの範囲の平均粒径を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カーボンブラックが250〜300nmの範囲の平均粒径を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カーボンブラックがサーマルプロセスで製造されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法によって製造された樹脂から製造されることを特徴とするプリフォーム。
【請求項6】
請求項5に記載のプリフォームから製造されることを特徴とするボトル。
【請求項7】
約45より上のL*、約−2〜+1のa*、および約0〜+7のb*を有することを特徴とする請求項6に記載のボトル。
【請求項8】
約60より上のL*、約−2〜+1のa*および約+3〜+7のb*を有することを特徴とする請求項6に記載のボトル。
【請求項9】
150nm未満の平均粒度を有するカーボンブラックで形成されたボトルのL*性能より優れたL*性能を有することを特徴とする請求項6に記載のボトル。
【請求項10】
請求項1に記載の方法によって製造された樹脂から製造されることを特徴とする熱成形品。
【請求項11】
(a)カーボンブラックを加えた樹脂組成物の重量を基準にして2〜50重量ppmのカーボンブラックを含む樹脂組成物を形成する工程であって、前記カーボンブラックが200〜500nmの範囲の平均粒径を有する工程と、
(b)該樹脂組成物からプリフォームを形成する工程と、
(c)該プリフォームを射出延伸ブロー成形してボトルまたは容器を形成する工程と
含むことを特徴とするポリエチレンテレフタレート樹脂またはポリプロピレン樹脂を射出延伸ブロー成形する方法。
【請求項12】
前記カーボンブラックが200〜500nmの範囲の平均粒径を有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記カーボンブラックが250〜300nmの範囲の平均粒径を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カーボンブラックがサーマルプロセスで製造されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記プリフォームが、前記カーボンブラックを組み入れていない同等の樹脂組成物のプリフォームよりも数秒または一瞬短い時間で射出延伸ブロー成形用の温度まで再加熱されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記数秒の短い時間が、再加熱時間の少なくとも2秒の改善であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法によって製造されることを特徴とするボトル。
【請求項18】
約45より上のL*、約−2〜+1のa*、および約0〜+8のb*を有することを特徴とする請求項17に記載のボトル。
【請求項19】
約60より上のL*、約−2〜+1のa*、および約+3〜+7のb*を有することを特徴とする請求項17に記載のボトル。
【請求項20】
150nm未満の平均粒度を有するカーボンブラックで形成されたボトルのL*性能より優れたL*性能を有することを特徴とする請求項17に記載のボトル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−519143(P2008−519143A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540388(P2007−540388)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/039569
【国際公開番号】WO2006/052572
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(505245302)インヴィスタ テクノロジー エスアエルエル (81)
【氏名又は名称原語表記】INVISTA Technologies S.a.r.l.
【住所又は居所原語表記】Talstrasse 80,8001 Zurich,Switzerland
【Fターム(参考)】