説明

ポリエステルの製法

【課題】不飽和ポリエステル樹脂の改善された製造方法とそれを用いたトナーの製造法を提供する。
【解決手段】有機ジオールを、炭酸アルカリの第1の触媒の存在下で、環状炭酸アルキレンと反応させてポリアルコキシジオールを形成し、随意にポリアルコキシジオールを、アルカリアルコキシドの第2の触媒の存在下で、追加量の環状炭酸アルキレンと接触させて混合物を形成し、得られた混合物を、ジカルボン酸、並びに無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水ドデセニルコハク酸、無水2−ドデセニルコハク酸、無水ウンデセニルコハク酸、及びこれらの組合せから成る群から選択された無水物と重縮合させ、不飽和ポリエステルを回収するステップを含むプロセス。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ポリエステル樹脂はジオールモノマーと二価酸又はジエステルモノマーとの反応を含み、副生成物として蒸留で収集される水又はアルコールを生成する、重縮合プロセスにより調製することができる。不飽和ポリエステル樹脂はこのプロセスにより同様に調製することができるが、主な違いは二価酸モノマーが不飽和であること、即ち、フマル酸若しくはマレイン酸又はそれらのジエステルのようなアルケン部分を含むことである。
プロポキシ化ビスフェノールAとフマル酸から誘導される不飽和ポリエステル樹脂は、当業者の認識範囲内にある。
【0002】
ジオールと環状炭酸アルキレンの反応によって行うことができるアルコキシ化の代替的な縮合法が存在し、その場合、ビスフェノールAを触媒の存在下で環状炭酸プロピレンと縮合させることができ、高温で副生成物として二酸化炭素を放出してプロポキシ化ビスフェノールAの混合物が生成される。この後者の縮合法は、モノマーのコスト及び簡単さの点で多くの経済的利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,127,080号
【特許文献2】米国特許第6,291,122号
【特許文献3】米国特許第6,180,747号
【特許文献4】米国特許第5,290,654号
【特許文献5】米国特許第5,302,486号
【特許文献6】米国特許第5,376,494号
【特許文献7】米国特許第5,236,629号
【特許文献8】米国特許第5,330,874号
【特許文献9】米国特許第4,295,990号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポリエステル樹脂を生成し、それをトナー組成物中に用いるための改善された方法が依然として望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示はポリエステル及びトナーの製造法を提供する。実施形態において本開示のプロセスは、有機二価酸と環状炭酸アルキレンを、炭酸アルカリの第1の触媒の存在下で反応させてポリアルコキシジオールを形成し、随意にこのポリアルコキシジオールを、アルカリアルコキシドの第2の触媒の存在下で追加量の環状炭酸アルキレンと接触させて混合物を形成し、得られた混合物を、ジカルボン酸、並びに、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水n−ドデセニルコハク酸、無水2−ドデセニルコハク酸、無水2−ウンデセニルコハク酸、及びこれらの組合せのような無水物、と共に重縮合し、不飽和ポリエステルを回収するステップを含むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
実施形態において、本開示のプロセスは、例えば、初めに、ジヒドロキシアルカン又はジヒドロキシアリーレンのようなジヒドロキシ含有モノマーを、炭酸アルカリのような触媒の存在下において環状炭酸アルキレンでアルコキシ化し、次に随意にアルカリアルコキシドのような第2の触媒の存在下でさらなる量の環状炭酸アルキレンを加え、次いで、飽和又は不飽和脂肪族二価酸又は芳香族二価酸のような二価酸を、随意に無水トリメリト酸のような無水物と共に加えて飽和又は不飽和ポリエステル樹脂の形成を可能にする、モノマー付加法を含む。
【0007】
実施形態において、ポリエステル樹脂を形成するための一般的合成は特許文献1及び特許文献2に開示されたプロセスに基づく。
【0008】
実施形態において、不飽和ポリエステル樹脂のようなポリエステル樹脂を調製するための多重ステップ「ワンポット」の経済的プロセスを提供する。このプロセスは、ビスフェノールAのようなジオールの、炭酸カリウムのような炭酸アルカリの存在下での炭酸アルキレンによるアルコキシ化、次に随意にカリウムメトキシドのような第2のアルカリアルコキシド触媒の存在下で追加の炭酸アルキレンを添加する次のステップ、次いで、そこにフマル酸のような二価酸を、随意に無水トリメリト酸のような無水物と共に加え、さらなる加熱及び減圧によりポリエステル樹脂を生成する重縮合ステップを含む。
【0009】
他の実施形態において、本開示は不飽和ポリエステルを調製するプロセスを提供するが、このプロセスは、(i)有機ジオールを第1の触媒の存在下で環状炭酸アルキレンと反応させてビスアルコキシジオールを形成し、(ii)そこに随意に第2の触媒の存在下でさらなる量の環状炭酸アルキレンを加え、(iii)次いで得られた混合物を不飽和二価酸及び/又は無水物と重縮合するステップを含む。
【0010】
実施形態において、本開示は不飽和ポリエステルを調製するプロセスを提供するが、このプロセスは、(i)有機ジオールを第1の触媒の存在下で環状炭酸アルキレンと反応させてポリアルコキシジオールを形成し、(ii)そこに随意に第2の触媒の存在下でさらなる量の環状炭酸アルキレンを加え、(iii)次いで得られた混合物を不飽和二価酸及び/又は無水物と重縮合するステップを含む。実施形態において、有機ジオールの量は約0.95乃至約1.05モル当量とすることができ、環状炭酸アルキレンの量は約1.95乃至約2.05モル当量とすることができ、そして第1の炭酸アルカリ触媒の量は約0.001乃至約0.1モル当量とすることができる。結果として得られるポリアルコキシジオールは、例えば、約2乃至約5重量パーセントの異性体I、約95乃至約99重量パーセントの異性体II、及び約0乃至約3重量パーセントの異性体IIIを含むことができ、ここでI、II、及びIIIの和は約100パーセントであり、前記の異性体は
以下の式2に示す化学式を有する。
【化1】

I


II


III
(2)
式中、Rは芳香族部分、R’は水素又はアルキル、そしてaはゼロ、1、又は2、或はゼロ、1、及び2の混合である。結果として得られるポリアルコキシジオールは次に、約0.95乃至約1.05モル当量の量のジカルボン酸と重縮合することができる。
【0011】
他の実施形態において、本開示のプロセスは、約0.95乃至約1.05モル当量の量の有機二価酸を、約0.001乃至約0.1モル当量の量の第1の炭酸アルカリ触媒の存在下で、約1.95乃至約2.05モル当量の量の環状炭酸アルキレンと反応させ、それに約0.05乃至約0.45モル当量の環状炭酸アルキレンを、約0.001乃至約0.1モル当量の量の第2のアルカリアルコキシド触媒の存在下で加えてポリアルコキシジオールを形成するステップを含むことができる。このようにして形成されたポリアルコキシジオールは、約0乃至約5重量パーセントの異性体I、実施形態においては約1乃至約2重量パーセントの異性体I、約85乃至約97重量パーセントの異性体II、実施形態においては約90乃至約97重量パーセントの異性体II、及び約0乃至約15重量パーセントの異性体III、実施形態においては及び約1乃至約3重量パーセントの異性体IIIを含むことができ、ここでI、II、及びIIIの和は約100パーセントであり、前記の異性体は以下の式1に示す化学式を有する。
【化2】

I

II


III
(1)
式中、aはゼロ、1、又は2、或はゼロ、1、及び2の混合である。結果として得られるポリアルコキシジオールは次に、約0.95乃至約1.05モル当量の量のジカルボン酸と重縮合することができる。
【0012】
実施形態において、ポリアルコキシジオールの形成の間、重縮合プロセスの間、又は両方の間、加熱することができる。
【0013】
重縮合の後、反応混合物は約22℃乃至約40℃、実施形態においては約25℃乃至約35℃、ある実施形態においては約25℃に冷却することができる。
【0014】
実施形態において、アルキルアルコキシドはカリウムt−ブトキシドとすることができる。アルキルアルコキソドは、用いる有機ジオールの約1モル当量に基づいて、約0.001モル当量乃至約0.1モル当量、実施形態において約0.005モル当量乃至約0.05モル当量の量を用いることができる。
【0015】
実施形態において、第1の触媒は不飽和ポリエステルの約0.01乃至約0.1モル重量パーセントの量、そして第2の触媒は不飽和ポリエステルの約0.01乃至約0.1モル重量パーセントの量を用いることができる。
【0016】
二価酸及び/又は無水物は、用いる有機ジオールの約1モル当量に基づいて、約0.90モル当量乃至約1.1モル当量、実施形態においては約0.95モル当量乃至約1.05モル当量の組み合せた量を選択することができる。用いる二価酸及び/又は無水物の量は、例えば、反応物の全重量の約10乃至約60重量パーセント、実施形態においては約25乃至約50重量パーセントの量とすることができる。
【0017】
本開示のプロセスを用いて不飽和ポリエステル樹脂を形成することができる。
【0018】
幾つかの実施形態においては、架橋ポリエステルを形成することができ、ここで架橋結合は、約3乃至約75パーセント、実施形態においては約3乃至約45パーセントのゲル含有量で表される。架橋ポリエステルは実施形態において、ある場合には過酸化物である架橋剤と、本開示により生成される不飽和ポリエステルとの反応押出によって生成することができる。
【0019】
調製された不飽和ポリエステル樹脂の架橋のために、種々の既知の架橋剤を選択することができる。本開示の架橋トナー樹脂の生成のための適切な架橋剤には、有機過酸化物のような過酸化物又はアゾ化合物を挙げることができる。
【0020】
他の実施形態において、ポリエステル樹脂を形成するための本開示のプロセスは、(i)約0.95乃至約1.05モル当量の量の有機ジオールを、約1.95乃至約2.05モル当量の量の環状炭酸アルキレン、及び約0.001乃至約0.1モル当量の量の触媒と、約175℃乃至約205℃の温度において、約1乃至約6時間の間反応させ、(ii)そこに随意に、用いる有機ジオールの約1モル当量に基づいて、約0.05乃至約0.35モル当量の量の環状炭酸アルキレンを、約0.001乃至約0.1モル当量の量の第2のアルカリアルコキシド触媒と共に、約185℃乃至約205℃の温度において、約1乃至約3時間の間に添加し、(iii)次に約0.95乃至約1.05モル当量の量のジカルボン酸と、約1乃至約3時間の間重縮合させ、次いで約1乃至約6時間かけて圧力を約760トルから1トルまで減じるステップを含むことができる。
【0021】
他の実施形態において、本開示のプロセスは、ポリエステルポリマー、特に不飽和ポリエステル樹脂の調製のための多重ステッププロセスを含むことができ、ここでこの多重ステッププロセスは2ステップ又は3ステップ・モノマー付加プロセスとすることができ、幾つかの実施形態においては、ビスフェノールA又は2,2-ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなジオールを、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどのような環状炭酸アルキレンにより、適切な触媒、例えば炭酸カリウムのような炭酸アルカリの存在下でアルコキシ化する第1のステップと、次にフマル酸のような適切な2価酸又はジカルボン酸を、随意に無水トリメリト酸のような無水物と共に、添加することを含んだ第2のステップとを含む2ステップ・モノマー付加プロセスとすることができる。同様に、実施形態において、3ステップ・モノマー付加プロセスは、(i)ビスフェノールA又は2,2-ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどのような環状炭酸アルキレンにより、適切な触媒、例えば炭酸カリウムのような炭酸アルカリの存在下でアルコキシ化し、(ii)そこにさらなる量の環状炭酸アルキレンを、アルカリアルコキドのような第2の触媒、例えばナトリウムメトキシド又はカリウムt−ブトキシドの存在下で添加し、次いで(iii)ジカルボン酸のような適切な二価酸、実施形態においてはフマル酸を、随意に無水トリメリト酸のような無水物と組み合せて添加するステップを含むことができる。
【0022】
得られるポリエステル樹脂は不飽和ポリエステルとなることができ、これに、過酸化ベンゾイル又はラウリルのような過酸化物の開始剤の存在下で、架橋プロセス、特に反応押出プロセスを施して高いゲル含有量、例えば約0.1乃至約60パーセント、実施形態においては約3乃至約45パーセントのゲルを得ることができる。ここで過酸化物の量は、例えば、樹脂の約0.01乃至約5重量パーセントに選択される。
【0023】
2ステップ・モノマープロセスにおいて炭酸アルカリ触媒のみを用いて説明した不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(プロポキシ化ビスフェノールA-コ-フマレート)は一般に、ゲル浸透クロマトグラフィで測定した約15,000乃至約20,000グラム毎モルの分子量において、約58℃乃至約62℃の高いガラス転移温度を示す。多くの場合、トナー樹脂が約58℃乃至約62℃の高いガラス転移温度を示し、その結果トナーブロッキングが防止又は最小化され、さらにコピーからコピーへのオフセットが最小になることが望ましい。約15,000乃至約20,000グラム毎モルの分子量において、約58℃乃至約62℃の高いガラス転移温度を得るためには、不飽和ポリエステル樹脂を、プロポキシ化ビスフェノールAの主な異性体(式I)が約95乃至約99重量パーセントの異性体IIを含み、異性体IIIを約0乃至約3重量パーセントに最少化した混合物、から誘導する必要があるが、その理由は後者の異性体が樹脂のガラス転移温度を低下させるからである。反対に、多くの場合に、ゲル浸透クロマトグラフィで測定したときの約15,000乃至約20,000グラム毎モルの分子量において約52℃乃至約57.9℃のような低いガラス転移温度を有する不飽和ポリエステル樹脂、例えばポリ(プロポキシ化ビスフェノールA-コ-フマレート)が望ましい。そのような低いガラス転移温度を有する不飽和ポリエステル樹脂は、低い最低融解温度を有し、従って融解サブシステムの温度を低くしてゼログラフィ装置のエネルギー消費を減らすトナーを供給するのに有用である。約15,000乃至約20,000グラム毎モルの分子量において約52℃乃至約57.9℃の低いガラス転移温度を得るためには、不飽和ポリエステル樹脂を、プロポキシ化ビスフェノールAの主な異性体(式I)が約84乃至約97重量パーセントの異性体IIを含み、異性体IIIが異性体混合物の約3乃至約15重量パーセント含む混合物、から誘導する必要がある。異性体IIIを約15重量パーセントより多くの量用いる場合、対応する不飽和樹脂のガラス転移温度は比例してより低くなる。上述の約52℃乃至約57.9℃の低いガラス転移温度の不飽和ポリ(プロポキシ化ビスフェンールA-コ-フマレート)は、第1のステップで炭酸アルカリを用い、次いで第2のステップで過剰の炭酸アルキレン及びアルカリアルコキシド触媒を用い、第3のステップで説明したポリエステル化を行う、上述の3ステッププロセスによって得ることができる。2ステッププロセスは、(i)蒸留装置及び真空ラインを装備した凝縮型容器に、約0.95乃至約1.05モルパーセントの2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなジオールと、約1.95乃至約2.05モルパーセントの、例えば約1乃至約25個、実施形態においては約2乃至約12個の炭素原子を有する環状炭酸アルキレン、例えば、炭酸エチレン、炭酸1,2-プロピレン、炭酸1,2−ブチレンなどのような環状炭酸塩と、約0.001乃至約0.05モル重量パーセントの、例えば炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムのようなアルカリ金属炭酸塩のような触媒とを入れ、次いで混合物を、例えば160℃乃至約205℃の適切な温度で、例えば約3乃至約9時間の間加熱してプロポキシ化ビスフェノールA中間体の混合物を生成し、(ii)約0.95乃至約1.05モルパーセントのフマル酸のような二価酸を加え、混合物を撹拌しながら約195℃乃至約220℃で約3乃至約6時間の間加熱し、圧力を凡そ大気圧(760トル)から約2トルまで、例えば約1乃至約3時間にわたって減らし、次に容器を大気圧まで加圧して底部のバルブを通して樹脂を放出する、ステップを含む。3ステッププロセスは、(i)蒸留装置及び真空ラインを装備した凝縮型容器に、約0.95乃至約1.05モルパーセントの2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなジオールと、約1.95乃至約2.05モルパーセントの、例えば約1乃至約25個、実施形態においては約2乃至約12個の炭素原子を有する環状炭酸アルキレン、例えば、炭酸エチレン、炭酸1,2-プロピレン、炭酸1,2−ブチレンなどのような環状炭酸塩と、約0.001乃至約0.05モル重量パーセントの、例えば炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムのようなアルカリ金属炭酸塩のような触媒とを入れ、次いで混合物を、例えば160℃乃至約205℃の適切な温度で、例えば約2乃至約10時間の間加熱してプロポキシ化ビスフェノールA中間体の混合物を生成し、(ii)そこに約0.05乃至約0.25モルの炭酸アルキレン、例えば炭酸エチレンプロピレン、及び約0.001乃至約0.25モル重量パーセントの第2のアルカリアルコキシド触媒、例えばナトリウムメトキシド又はカリウムt−ブトキシドを添加し、約185℃乃至約205℃の温度で約0.5時間乃至約3時間の間加熱し続け、次に(iii)約0.95乃至約1.05モルパーセントのフマル酸のような二価酸を加え、混合物を撹拌しながら約195℃乃至約220℃で約3乃至約6時間の間加熱し、圧力を凡そ大気圧(760トル)から約2トルまで、例えば約1乃至約3時間にわたって減らし、次に容器を大気圧まで加圧して底部のバルブを通して樹脂を放出するステップを含む。
【0024】
実施形態において、樹脂は分岐非晶質樹脂とすることができる。そのような樹脂の例には特許文献2及び特許文献3に開示された樹脂が含まれる。
【0025】
本明細書で説明する架橋ポリエステル樹脂を含むトナーは、例えば、約120℃乃至約145℃のような望ましい低温定着特性、及び約180℃乃至約225℃のような高温オフセット特性を示すことができる。
【0026】
上述の樹脂は、実施形態においてポリエステル樹脂の組合せであり、トナー組成物を形成するために用いることができる。そのようなトナー組成物には随意の着色剤、ワックス、及び他の添加剤を含めることができる。トナーは、それに限定されないが、エマルジョン凝集法を含む、当業者の認識範囲内の任意の方法を用いて形成することができる。
【0027】
実施形態において、トナー組成物を形成するのに用いる着色剤、ワックス、及び他の添加剤は界面活性剤を含む分散液に分散させることができる。さらに、トナー粒子はエマルジョン凝集法により形成することができ、その場合、樹脂及びトナーの他の成分を1つ又はそれ以上の界面活性剤中に入れ、エマルジョンを形成し、トナー粒子を凝集させ、融合させ、随意に洗浄し乾燥させ、回収する。
【0028】
1つ、2つ、又はそれ以上の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤はイオン性界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選択することができる。陰イオン界面活性剤及び陽イオン界面活性剤は用語「イオン性界面活性剤」により包含される。実施形態において、界面活性剤はトナー組成物の約0.01重量%乃至約5重量%、例えば、トナー組成物の約0.75重量%乃至約4重量%、実施形態においてはトナー組成物の約1重量%乃至約3重量%の量で存在するように用いることができる。
【0029】
添加する着色剤として、種々の既知の適切な着色剤、例えば、染料、顔料、混合染料、混合顔料、染料と顔料の混合物などをトナーに含めることができる。着色剤は、例えば、トナーの約0.1乃至約35重量パーセント、又はトナーの約1乃至約15重量パーセント、又はトナーの約3乃至約10重量パーセントの量をトナーに含めることができる。
【0030】
ポリマーバインダ樹脂及び着色剤に加えて、本開示のトナーはまた随意にワックスを含むことができ、このワックスは単一種類のワックス又は2つ若しくはそれ以上のワックスの混合物とすることができる。例えば、単一のワックスをトナー配合物に加えて、トナー粒子形状、トナー粒子表面上のワックスの存在及び量、帯電及び/又は定着特性、光沢、剥離性、オフセット特性などのような特定のトナー特性を向上させることができる。或は、ワックスの組合せを添加してトナー組成物に複数の特性を与えることができる。
【0031】
ワックスを用いる場合、ワックスはトナー粒子を形成する際に樹脂と組み合せることができる。ワックスを含める場合、ワックスは、例えば、トナー粒子の約1重量パーセント乃至約25重量パーセント、実施形態においてはトナー粒子の約5重量パーセント乃至約20重量パーセントの量を存在させることができる。
選択することができるワックスには、例えば、重量平均分子量が約500乃至約20,000、実施形態においては約1,000乃至約10,000のワックスが含まれる。
【0032】
トナー粒子は、当業者の認識範囲内の任意の方法により調製することができる。トナー粒子製造に関する実施形態は、以下でエマルジョン凝集プロセスに関連して説明するが、特許文献4及び特許文献5に開示された懸濁及びカプセル化プロセスのような化学的プロセスを含む、任意の適切なトナー粒子調製法を用いることができる。他の適切なプロセスには、ポリマー樹脂を部分的に架橋する反応融解混合プロセスが含まれる。例えば、低融解トナー樹脂及びトナーは、例えば特許文献6に説明されている反応融解混合プロセスにより製造することができる。
【0033】
実施形態において、トナー組成物及びトナー粒子は、小サイズの樹脂粒子を凝集させて適切なトナー粒径にし、次いで融合させて最終的なトナー粒子の形状及び形態を得る、凝集及び融合プロセスにより調製することができる。
【0034】
実施形態において、トナー組成物はエマルジョン凝集プロセス、例えば、随意のワック及び任意の他の所望の又は必要な添加剤、並びに上述の樹脂を含むエマルジョンの混合物を、随意に上述の界面活性剤中で凝集させ、次いで凝集混合物を融合させるステップを含むプロセスにより調製することができる。混合物は、やはり随意に界面活性剤を含む分散液にすることができる随意のワックス又は他の物質を、2つ又はそれ以上の樹脂含有エマルジョンの混合物とすることができるエマルジョンに加えることによって調製することができる。結果として得られる混合物のpHは、例えば、酢酸、硝酸などの酸によって調節することができる。実施形態において混合物のpHは、約2乃至約4.5に調節することができる。さらに、実施形態において混合物を均質化することができる。混合物を均質化する場合、均質化は約600乃至約4,000回転毎分で混合することにより遂行することができる。均質化は、例えばIKA ULTRA TURRAX T50プローブホモジナイザを含む任意の適切な手段により遂行することができる。
【0035】
上記の混合物の調製後、凝集剤を混合物に添加することができる。任意の適切な凝集剤を用いてトナーを形成することができる。適切な凝集剤としては、例えば、2価陽イオン又は多価陽イオン物質の水溶液が挙げられる。
【0036】
凝集剤は、トナーを形成するのに用いる混合物に、例えば、約百分の0.1(pph)乃至約1pph、実施形態においては約0.25pph乃至約0.75pph、ある実施形態においては約0.5pphの量を添加することができる。これは凝集のために十分な量の凝集剤を供給する。
【0037】
トナーの光沢は粒子中のAl3+のような保持金属イオンの量により影響される可能性がある。保持金属イオンの量はEDTAの添加によりさらに調節することができる。実施形態において、本開示のトナー粒子中の保持架橋剤、例えばAl3+の量は、約0.1pph乃至約1pph、実施形態においては約0.25pph乃至約0.8pph、実施形態においては約0.5pphとすることができる。
【0038】
粒子の凝集及び融合を制御するために、実施形態において凝集剤を計量しながら時間をかけて混合物に添加することができる。例えば、凝集剤は約5乃至約240分、実施形態においては約30分乃至約200分の時間にわたり、計量しながら混合物に添加することができる。凝集剤の添加はまた、混合物を、実施形態において約50rpm乃至約1,000rpm、他の実施形態においては約100rpm乃至約500rpmの撹拌条件下に維持しながら、上述の樹脂のガラス転移温度より低い温度、実施形態において約30℃乃至約90℃、実施形態において約35℃乃至約70℃において行うことができる。
【0039】
粒子は、所定の所望の粒径が得られるまで凝集させることができる。所定の所望の粒径は、形成前に決定された得られるべき所望の粒径を指し、粒径は、そのような粒径に達するまで、成長プロセスの間モニターする。成長プロセス中にサンプリングし、例えばコールターカウンタ(Coulter Counter)を用いて平均粒径を分析することができる。このように、撹拌し続けながら、高温を維持することにより、或は、温度を例えば約40℃乃至約100℃までゆっくりと上昇させ、混合物をその温度に、約0.5時間乃至約6時間、実施形態においては約1時間乃至約5時間の間保持することにより、凝集を進行させて凝集粒子をもたらすことができる。ひとたび所定の所望の粒径に達すると、成長プロセスを停止させる。実施形態において、所定の所望の粒径は、上記のトナー粒径の範囲内である。
【0040】
凝集剤の添加後の粒子の成長及び成形は、任意の適切な条件下で遂行することができる。例えば、成長及び成形は、凝集が融合とは別々に起る条件下で行うことができる。別々の凝集及び融合段階の場合、凝集プロセスは、上記の樹脂のガラス転移温度より低くすることができる高温、例えば、約40℃乃至約90℃、実施形態においては約45℃乃至約80℃における剪断条件下で行うことができる。
【0041】
実施形態において凝集粒子は、約3ミクロン未満、実施形態において約2ミクロン乃至約3ミクロン、実施形態において約2.5ミクロン乃至約2.9ミクロンの粒径にすることができる。
【0042】
実施形態において、随意のシェルを形成された凝集トナー粒子に塗布することができる。コア樹脂のために適切な上記の何れかの樹脂をシェル樹脂として用いることができる。シェル樹脂は、当業者の認識範囲内の任意の方法で凝集粒子に塗布することができる。実施形態においてシェル樹脂は、上記の何れかの界面活性剤を含むエマルジョンにすることができる。上記の凝集粒子を前記のエマルジョンと混ぜ合せて、樹脂が形成された凝集粒子を覆うシェルを形成するようにすることができる。実施形態において、非晶質ポリエステルを用いて凝集粒子を覆うシェルを形成し、コア-シェル構造を有するトナー粒子を形成することができる。幾つかの実施形態においては、低分子量の非晶質樹脂を用いて、形成された凝集粒子を覆うシェルを形成することができる。
【0043】
シェル樹脂は、トナー粒子の約10重量パーセント乃至約32重量パーセント、実施形態においてはトナー粒子の約24重量パーセント乃至約30重量パーセントの量で存在することができる。
【0044】
ひとたびトナー粒子の所望の最終粒径に達すると、混合物のpHは、塩基を用いて約6乃至約10、実施形態においては約6.2乃至約7に調節することができる。pHの調節は、トナー成長を凍結、即ち停止するために用いることができる。トナー成長を停止するのに用いる塩基には、例えばアルカリ金属水酸化物のような任意の適切な塩基を含めることができる。実施形態において、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を添加して、pHを上記の所望の値に調節する補助とすることができる。塩基は、混合物の約2乃至約25重量パーセント、実施形態においては混合物の約4乃至約10重量パーセントの量を添加することができる。
【0045】
所望の粒径への凝集及び上記の随意のシェルの形成後、粒子は次に融合させて所望の最終形状にすることができるが、ここで融合は、例えば、混合物を、可塑化を防ぐために結晶性樹脂の融点より低くできる温度、約55℃乃至約100℃、実施形態においては約65℃乃至75℃、実施形態においては約70℃に加熱することによって達成することができる。温度はバインダとして用いる樹脂の関数であることを理解すれば、より高い温度又はより低い温度を用いることができる。
【0046】
融合は、約0.1乃至約9時間、実施形態においては約0.5乃至約4時間にわたり進行させて達成することができる。
【0047】
融合の後、混合物を室温、例えば約20℃乃至約25℃まで冷却することができる。冷却は、所望により急速に又はゆっくり行うことができる。適切な冷却法としては、反応器の周りのジャケットへの冷水の導入を挙げることができる。冷却後、トナー粒子を随意に水洗し、次いで乾燥させることができる。乾燥は、例えば、凍結乾燥を含む任意の適切な乾燥法により遂行することができる。
【0048】
実施形態において、トナー粒子はまた、所望の又は必要な他の随意の添加剤を含むことができる。例えば、トナーは、任意の既知の帯電添加剤をトナーの約0.1乃至約10重量パーセント、実施形態においてはトナーの約0.5乃至約7重量パーセントの量含むことができる。
【0049】
洗浄及び乾燥の後、本開示のトナー組成物に表面添加剤を添加することができる。
【0050】
トナー粒子の特性は、任意の適切な方法及び装置によって決定することができる。体積平均粒子直径D50v、GSDv、及びGSDnは、ベックマン・コールターのマルチサイザ3のような計測装置を製造者の取扱説明書に従って操作することにより計測することができる。典型的なサンプリングは次のように行うことができる。少量のトナー試料、約1グラムを取得して25マイクロメートルのふるいを通してろ過し、次いで等張液に入れて約10%の濃度にし、次に試料をベックマン・コールターのマルチサイザ3の中に流す。本開示により製造されたトナーは、極端な相対湿度(RH)条件に曝したときに優れた帯電特性を有する。低湿度ゾーン(Cゾーン)は約10℃/15%RHとすることができ、一方高湿度ゾーン(Aゾーン)は約28℃/85%RHとすることができる。本開示のトナーはまた、約−3μC/g乃至約−35μC/gの母体トナー帯電対質量比(Q/M)を有することができ、表面添加剤混合後には約−10μC/g乃至約−45μC/gの最終的トナー帯電を有することができる。
【0051】
本開示の方法を用いると、望ましい光沢レベルを得ることができる。従って、例えば、本開示のトナーの光沢レベルはガードナ光沢単位(ggu)で計測したとき約20ggu乃至約100ggu、実施形態において約50ggu乃至約95ggu、実施形態においては約60ggu乃至約90gguの光沢を有することができる。
【0052】
実施形態において、本開示のトナーは超低融解(ULM)トナーとして用いることができる。実施形態において、外添剤を除いた乾燥トナー粒子は以下の特性を有することができる。
【0053】
(1)体積平均直径(体積平均粒径とも呼ぶ)が約2.5乃至約20μm、実施形態においては約2.75乃至約10μm、他の実施形態においては約3乃至約7.5μmであること。
【0054】
(2)数平均幾何学的標準偏差(GSDn)及び/又は体積平均幾何学的標準偏差(GSDv)が約1.18乃至約1.30、実施形態においては約1.21乃至約1.24であること。
【0055】
(3)真円度(例えば、Sysmex FPIA2100分析器で計測)が約0.9乃至約1、実施形態においては約0.95乃至約0.985、他の実施形態においては約0.96乃至約0.98であること。
【0056】
このように形成されたトナー粒子は現像剤組成物に配合することができる。トナー粒子をキャリア粒子と混合して2成分現像剤組成物を得ることができる。現像剤中のトナーの濃度は、現像剤の全重量の約1重量%乃至約25重量%、実施形態においては現像剤の全重量の約2重量%乃至約15重量%とすることができる。
【0057】
選択されたキャリア粒子は、コーティング有り又はコーティング無しで用いることができる。実施形態において、キャリア粒子は、帯電列内でそれに近接しないポリマーの混合物で形成することができるコーティングを上に有するコアを含むことができる。
【0058】
実施形態において、得られるコポリマが適切な粒径を保持する限り、PMMAを任意の所望のコモノマーと随意に共重合することができる。キャリア粒子は、キャリアコアに、コーティングされたキャリア粒子の重量に基づいて、約0.05乃至約10重量パーセント、実施形態においては約0.01乃至約3重量パーセントの量のポリマーを、機械的固着及び/又は静電引力によりキャリアコアに付着するまで、混合することにより調製することができる。
【0059】
ポリマーをキャリアコア粒子の表面に塗布するのに様々な有効で適切な手段を用いることができる。キャリアコア粒子とポリマーの混合物を加熱して、ポリマーが融解しキャリアコア粒子に融合できるようにすることができる。次にコーティングされたキャリア粒子を冷却し、その後所望の粒径に分類することができる。
【0060】
実施形態において、適切なキャリアとしては、約25乃至約100μmの粒径、実施形態においては約50乃至約75μmの粒径を有し、約0.5重量%乃至約10重量%、実施形態においては約0.7重量%乃至約5重量%の、例えばアクリル酸メチル及びカーボンブラックを含んだ導電性ポリマー混合物で、特許文献7及び特許文献8に説明されているプロセスを用いてコーティングしたスチールコアを挙げることができる。
【0061】
キャリア粒子は、トナー粒子と様々な適切な組合せで混合することができる。その濃度はトナー組成物の約1重量%乃至約20重量%とすることができる。しかし、異なるトナーとキャリアの割合を用いて所望の特性を有する現像剤組成物を得ることができる。
【0062】
このトナーは、特許文献9に開示されたものを含む電子写真プロセス用に用いることができる。実施形態において、任意の既知の型の現像システムを、例えば、磁気ブラシ現像、ジャンピング単一成分現像、ハイブリッドスカベンジレス現像(HSD)などを含む画像現像装置内で用いることができる。これら及び類似の現像システムは当業者の認識範囲内にある。
【0063】
画像化プロセスは、例えば、帯電要素、画像化要素、光伝導性要素、現像要素、転写要素、及び定着要素を含んだ電子写真装置により画像を調製するステップを含む。実施形態において現像要素は、本明細書で説明したトナー組成物とキャリアを混合して調製される現像剤を含むことができる。電子写真装置には、高速プリンタ、白黒高速プリンタ、カラープリンタなどを含めることができる。
【0064】
ひとたび画像が、上述の方法の何れか一つのような適切な画像現像法により、トナー/現像剤を用いて形成されると、次に画像は、紙などの受像媒体に転写することができる。実施形態において、このトナーは、定着部材を用いた現像装置内で画像を現像するのに用いることができる。定着部材は任意の所望の又は適切な構成、例えば、ドラム又はローラー、ベルト又はウェブ、平坦表面又はプラテンなどの構成にすることができる。定着部材は、画像に対して任意の所望の又は適切な方法、例えば、最終記録基材を、定着部材と、ドラム又はローラー、ベルト又はウェブ、平坦表面又はプラテンなどの任意の所望の又は効果的な構成にすることができるバック部材と、によって形成されるニップを通過させることにより適用することができる。実施形態において、定着ロールを用いることができる。定着ロール部材は、当業者の認識範囲内にある接触定着器であり、ロールからの圧力、及び随意の加熱によりトナーを受像媒体に定着させることができる。随意に、定着の前に定着器オイルのような液体の層を定着器部材に塗布することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ジオールを、炭酸アルカリの第1の触媒の存在下で、環状炭酸アルキレンと反応させてポリアルコキシジオールを形成し、
随意に前記ポリアルコキシジオールを、アルカリアルコキシドの第2の触媒の存在下で、追加量の環状炭酸アルキレンと接触させて混合物を形成し、
得られた前記混合物を、ジカルボン酸、並びに、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水ドデセニルコハク酸、無水2−ドデセニルコハク酸、無水ウンデセニルコハク酸、及びこれらの組合せから成る群から選択された無水物、と重縮合させ、
不飽和ポリエステルを回収する、
ステップを含むことを特徴とするプロセス。
【請求項2】
前記反応は、約160℃乃至約215℃の温度で加熱することにより遂行され、前記重縮合は、約185℃乃至約225℃の温度で約1時間乃至約5時間の間加熱し、次いで前記混合物の圧力を約760トルから約1トルまで、約1時間乃至約6時間にわたって低下させることにより遂行され、前記重縮合に引き続いて前記反応混合物は約22℃乃至約40℃の温度まで冷却されることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジフェノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2−ビス-(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス-(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス-(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス-(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス-(5−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、ビス-(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス-(4−ヒドロキシフェニル)エタン、シス-1,4−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、トランス-1,4−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、シス-1,2−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、トランス-1,2−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、トランス-1,3−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、シス-1,3−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、及びそれらの組合せから成る群から選択された有機ジオールを、炭酸アルカリの第1の触媒の存在下で、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、及びそれらの組合せから成る群から選択された環状炭酸アルキレンと反応させてポリアルコキシジオールを形成し、
前記ポリアルコキシジオールを、アルカリアルコキシドの第2の触媒の存在下で、追加量の環状炭酸アルキレンと接触させて混合物を形成し、
得られた前記混合物を、ジカルボン酸、並びに、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水n−ドデセニルコハク酸、無水2−ドデセニルコハク酸、無水2−ウンデセニルコハク酸、及びそれらの組合せから成る群から選択された無水物、と重縮合させ、
不飽和ポリエステルを回収する、
ステップを含み、
前記ジカルボン酸及び前記無水物は、約0.90モル当量乃至約1.1モル当量の組み合せた量で用いられる、
ことを特徴とするプロセス。
【請求項4】
1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジフェノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2−ビス-(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス-(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス-(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス-(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス-(5−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールA、ビス-(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス-(4−ヒドロキシフェニル)エタン、シス-1,4−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、トランス-1,4−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、シス-1,2−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、トランス-1,2−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、トランス-1,3−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、シス-1,3−ジヒドロキシ-シクロヘキサン、及びそれらの組合せから成る群から選択された有機ジオールを、炭酸アルカリの第1の触媒の存在下で、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、及びそれらの組合せから成る群から選択された環状炭酸アルキレンと反応させてポリアルコキシジオールを形成し、
随意に前記ポリアルコキシジオールを、アルカリアルコキシドの第2の触媒の存在下で、追加量の環状炭酸アルキレンと接触させて混合物を形成し、
得られた前記混合物を、ジカルボン酸、並びに、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水n−ドデセニルコハク酸、無水2−ドデセニルコハク酸、無水2−ウンデセニルコハク酸、及びそれらの組合せから成る群から選択された無水物、と重縮合させ、
不飽和ポリエステルを回収し、
前記不飽和ポリエステルを、随意の着色剤、随意の界面活性剤、及び随意のワックスと接触させて小粒子を形成し、
前記小粒子を凝集させ、
前記小粒子を融合させてトナー粒子を形成し、
前記トナー粒子を回収する、
ステップを含むことを特徴とするプロセス。

【公開番号】特開2011−46947(P2011−46947A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184741(P2010−184741)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】