説明

ポリエステルフィルム

【課題】高い反射率を得るために多量の硫酸バリウム粒子を含有する層を備えながらも、製膜工程で濾加圧上昇がないとともに破れにくく、安定して製膜することができるポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】硫酸バリウム粒子とポリエステルとの組成物からなり該組成物中の亜鉛元素の含有量が150〜1000ppmであることを特徴とするポリエステルフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステルフィルムに関し、詳しくは反射フィルムとして好適に用いることのできる白色ポリエステルフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
反射性能の高い反射フィルムを得るために、ポリエステルに硫酸バリウム粒子を多量に含有させた白色ポリエステルフィルムを用いることが知られている。例えば、特開2000−37835号公報では、硫酸バリウム粒子10〜80重量%をポリエステルフィルムに含有させ、特開2005−125700号公報では、硫酸バリウム粒子10〜25重量%をポリエステルフィルムに含有させている。
【0003】
ところで、ポリエステルフィルムを製造する工程では、ポリエステル組成物を溶融押出しする際に、異物を除去するために濾過フィルターが設けられている。硫酸バリウム粒子をこのような高い濃度でポリエステル組成物に含有させると、フィルムに製膜するために溶融押出しするときに、濾過フィルターが目詰まりし、急激な濾過圧上昇が発生することがある。
【0004】
この濾加圧上昇は、粒子の分散性が悪い場合に顕著に見られる。濾過圧の上昇が発生すると、溶融押出し時の吐出圧が変動したり、ひどい場合には吐出自体できなくなってしまう。この濾過圧の上昇を回避すべく濾過フィルターとして目開きの大きなフィルターを用いると、フィルム中に大きな凝集物となったり、ひどい場合にはフィルム破断に繋がる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−37835号公報
【特許文献2】特開2005−125700号公報
【特許文献3】特開2004−50479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来技術の問題を解決することを課題とし、硫酸バリウム粒子を含有する層を備えながらも、製膜工程で濾加圧上昇がないとともに破れにくく、安定して製膜することができるポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明は、硫酸バリウム粒子とポリエステルとの組成物からなり、該組成物中の亜鉛元素の含有量が150〜1000ppmであることを特徴とするポリエステルフィルムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い反射率を得るために多量の硫酸バリウム粒子を含有する層を備えながらも、製膜工程で濾加圧上昇がないとともに破れにくく、安定して製膜することができるポリエステルフィルムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
[硫酸バリウム粒子]
本発明における硫酸バリウム粒子は、平均粒径が、好ましくは0.3〜3.0μm、さらに好ましくは0.4〜2.5μm、特にも好ましくは0.5〜2.0μmのものである。この範囲の平均粒径の硫酸バリウム粒子を用いることによって、光沢度の高いフィルムを、フィルムに粗大突起が形成されることなく、溶融押出の際に濾過に用いられるフィルターの目詰まりを起こすことなく生産することができる。
硫酸バリウム粒子は、板状、球状いずれの粒子形状でもよい。硫酸バリウム粒子は、分散性を向上させるべく表面処理が行われていてもよい。
【0010】
ポリエステルフィルムを構成するポリエステル組成物中の硫酸バリウム粒子の含有量は、好ましくは31〜60重量%、さらに好ましくは35〜55重量%、特に好ましくは40〜50重量%である。この範囲で含有させることによって、十分に高い反射率を備え、破れずらいフィルムを得ることができる。
【0011】
硫酸バリウム粒子の粒度分布は、小粒径側から積算した90%体積粒径(D90)として、好ましくは5.0μm以下、さらに好ましくは4.8μm以下、特に好ましくは4.6μm以下である。この粒度分布の硫酸バリウム粒子を用いることで、粗大粒子が少なく、フィルターの詰まりが発生せず、ポリエステルフィルムを安定して製膜することができる。
【0012】
[ポリエステル]
本発明におけるポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルを用いる。ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,4’―ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸を挙げることができる。ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,6―ヘキサンジオールを挙げることができる。これらのポリエステルの中で、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエステルは共重合ポリエステルを用いることが好ましい。
【0013】
共重合ポリエステルを用いる場合、共重合成分の割合は、全ジカルボン酸成分あたり、好ましくは3〜15モル%、さらに好ましくは5〜14モル%、さらに好ましくは7〜13モル%である。この範囲で共重合成分を含有する共重合ポリエステルを用いることで、硫酸バリウム粒子を多量に含有する層、例えば40重量%以上を含有する場合においても、ポリエステルフィルムを破断することなく安定して製膜することができる。
【0014】
ポリエステルとしてポリエチレンテレフレートを用いる場合、共重合成分としては、例えば、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。イソフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸を,1〜20モル%の範囲で共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートは、本発明において好ましいポリエステルである。
【0015】
[亜鉛元素含有量]
本発明のポリエステルフィルムを構成する硫酸バリウムとポリエステルとの組成物は、亜鉛元素の含有量が150〜1000ppmであることが肝要である。亜鉛元素の含有量が150ppm未満であると、硫酸バリウム粒子同士が凝集しやすくなり、異物となりやすい。他方、亜鉛元素の含有量が1000ppmを超えるとポリエステルが劣化する。150〜1000ppmの範囲で亜鉛元素を含有する組成物からなるポリエステルフィルムは、硫酸バリウム粒子同士が凝集し難く、溶融ポリエステル中での硫酸バリウム粒子を安定化できる。理由は定かではないが、硫酸バリウム粒子の表面にある程度電荷を帯びた亜鉛粒子が纏わりつき、電荷による反発力(静電反発効果)により硫酸バリウム粒子が安定化されるのではないかと推定される。
【0016】
亜鉛元素を150〜1000ppmの範囲にするためには、ポリエステルと硫酸バリウム粒子との組成物、ポリエステルまたは硫酸バリウム粒子のいずれかに、亜鉛元素を添加すればよい。亜鉛元素は、例えば、硫酸バリウム粒子の製造過程、硫酸バリウム粒子を高濃度でポリエステルに含有するマスターチップ作製過程、フィルム製造工程における溶融混練過程で添加することができる。
【0017】
ポリエステルの組成物に含有される亜鉛元素は、金属亜鉛に由来することが好ましい。このため、亜鉛元素は金属亜鉛の粉末として添加することが好ましい。金属亜鉛の粉末の中でもリン片状の亜鉛粉末であることが、硫酸バリウム粒子の分散性をさらに向上させる観点から好ましい。
【0018】
[フィルム厚み]
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、例えば25〜350μm、好ましくは40〜300μm、特に好ましくは50〜250μmである。この範囲の厚みであることによって、反射率の高いフィルムを得ることができる。他方、350μmを超えてフィルムを厚くしても反射率の上昇が望めない。
本発明のポリエステルフィルムは、単層から構成されてもよく、2層もしくは3層またはそれ以上の層から構成される積層フィルムであってもよい。
【0019】
[反射率]
本発明のポリエステルフィルムは、その少なくとも一方の表面の反射率が波長400〜700nmの平均反射率として、好ましくは96%以上、さらに好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上である。96%未満であると、液晶表示装置のバックライトユニットに反射板として用いたときに十分な画面の輝度を得ることができないので好ましくない。
【0020】
[溶融ポリエステルの濾過]
本発明では、ポリエステルフィルムの製膜時に、溶融ポリエステルの濾過に用いるフィルターとして、線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開き10〜100μm、好ましくは平均目開き20〜50μmの不織布型フィルターを用い、溶融ポリエステルを濾過することが好ましい。この濾過を行なうことにより、粗大異物が少なく液晶表示装置のバックライトユニットの反射フィルムとして好適に用いられるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0021】
[製造方法]
以下、本発明のポリエステルフィルムを製造する方法の一例として、A層/B層の2層積層フィルムの製造方法を例として説明する。
ダイから溶融したポリマーをフィードブロックを用いた同時多層押出し法により、積層未延伸シートを製造する。すなわちA層を形成するポリマーの溶融物とB層を形成するポリマーの溶融物を、フィードブロックを用いて、例えばA層/B層となるように積層し、ダイに展開して押出しを実施する。この時、フィードブロックで積層されたポリマーは積層された形態を維持している。
【0022】
ダイより押出された未延伸シートは、キャスティングドラムで冷却固化され、未延伸フィルムとなる。この未延伸フィルムをロール加熱、赤外線加熱等で加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。延伸温度はポリエステルのガラス転移点(Tg)以上の温度、さらにはTg以上Tgから70℃高い温度以下とするのが好ましい。延伸倍率は縦方向、縦方向と直交する方向(以降、横方向と呼ぶ)ともに、好ましくは2.2〜4.0倍、さらに好ましくは2.3〜3.9倍である。この範囲の延伸倍率とすることによって、厚み斑が少ないフィルムを、製膜中に破断することなく生産できる。
【0023】
縦延伸後のフィルムは、続いて、横延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。横延伸の処理はポリエステルのガラス転移点(Tg)より高い温度から始める。そしてTgより(5〜70)℃高い温度まで昇温しながら行う。横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが通常逐次的に昇温する。例えばテンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。横延伸の倍率は、この用途の要求特性にもよるが、好ましくは2.5〜4.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.9倍である。この範囲の延伸倍率とすることによって厚み斑が少ないフィルムを、製膜中に破断することなく生産することができる。
【0024】
横延伸後のフィルムは両端を把持したまま(Tm−20〜100)℃で定幅または10%以下の幅減少下で熱処理して熱収縮率を低下させるのがよい。これより高い温度であるとフィルムの平面性が悪くなり、厚み斑が大きくなり好ましくない。また、熱処理温度が(Tm−80)℃より低いと熱収縮率が大きくなることがある。また、熱固定後フィルム温度を常温に戻す過程で(Tm−20〜100)℃以下の領域の熱収縮量を調整するために、把持しているフィルムの両端を切り落し、フィルム縦方向の引き取り速度を調整し、縦方向に弛緩させることができる。弛緩させる手段としてはテンター出側のロール群の速度を調整する。弛緩させる割合として、テンターのフィルムライン速度に対してロール群の速度ダウンを行い、好ましくは0.1〜1.5%、さらに好ましくは0.2〜1.2%、特に好ましくは0.3〜1.0%の速度ダウンを実施してフィルムを弛緩(この値を「弛緩率」という)して、弛緩率をコントロールすることによって縦方向の熱収縮率を調整する。また、フィルム横方向は両端を切り落すまでの過程で幅減少させて、所望の熱収縮率を得ることもできる。
【実施例】
【0025】
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)フィルム厚み
フィルムサンプルをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
【0026】
(2)各層の厚み
サンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kvにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定し、平均厚みを求めた。
【0027】
(3)平均反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO白板を100%としたときの反射率を400〜700nmにわたって測定し、得られたチャートより2nm間隔で反射率を読み取り、この範囲内での平均値を求めた。なお、フィルムの構成が一方の面の反射率が他方の面の反射率より高い場合は、反射率の高い面から測定を行った。
【0028】
(4)延伸性
縦方向2.5〜3.4倍、横方向3.5〜3.7倍に延伸して製膜し、安定に製膜できるか観察した。下記基準で評価した。
○:1時間以上安定に製膜できる。
×:1時間以内に切断が発生し、安定に製膜できない。
【0029】
(5)ガラス転移点(Tg)、融点(Tm)
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20m/分で測定を行った。
【0030】
(6)亜鉛元素含有量
フィルムが単層フィルムである場合はそのまま測定用のサンプルとし、フィルムが複数の層から構成される積層フィルムである場合は1層ごとに剥離して測定用のサンプルとした。サンプルの一定量を600℃のオーブンにて3時間フィルムを焼き、残ったもの8gを0.5NのHCl溶液40mlに分散し、30分スターラー攪拌後遠心分離してICP(イオンカップリングプラズマ法)にて亜鉛元素の量を測定した。
【0031】
(7)硫酸バリウム粒子の粒度分布
島津製作所製レーザー散乱式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて測定した。測定前のエチレングリコールへの分散は、硫酸バリウム粒子の粉体を5重量%スラリー濃度相当になるよう計量して、ミキサー(たとえばNational MXV253型料理用ミキサー)で10分間攪拌し、常温まで冷却したのち、フローセル方式供給装置に供給した。そして、該供給装置中で、脱泡のために30秒間超音波処理(超音波処理の強度は超音波処理装置のつまみをMAX値を示す位置から60%の位置)してから測定に供した。そして、粒度分布測定結果より90%体積粒径(D90)を求めた。
【0032】
(8)硫酸バリウム粒子の平均粒径
上記D90同様に、島津製作所製レーザー散乱式粒度分布測定装置SALD−7000を使用して測定した。粒度分布測定結果より50%体積粒径(D50)の値を平均粒子径とした。
【0033】
(9)異物の評価
フィルムの反射率の高い面について、暗室内でハロゲンランプを用いて、A3版サイズのフィルムサンプルを観察し、白色以外に着色している直径0.3mm以上のものを異物として、異物の個数を目視で測定した。細長いものは長径と短径との平均を直径とした。
【0034】
(10)フィルター圧力
目開き30μmの不織布型フィルターにて、硫酸バリウム粒子を含む樹脂を吐出量(kg)/フィルター面積(m)にて換算した際、120kg/mでろ過した場合の100kgろ過した際の初期圧力から上昇したフィルター圧力差(ΔP:単位はMPa)で評価した。
【0035】
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル132重量部、イソフタル酸ジメチル18重量部(ポリエステルの酸成分に対して12モル%)、エチレングリコール98重量部、ジエチレングリコール1.0重量部、酢酸マンガン0.05重量部、酢酸リチウム0.012重量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜235℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03重量部、二酸化ゲルマニウム0.04重量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.5mmHgまで減圧するとともに290℃まで昇温し重縮合反応を行った。このポリエステル樹脂を層A、Bに用い、硫酸バリウムのマスターバッチを作製し、マスターチップ作製時に金属亜鉛の粉末を添加し、表1に示す添加量に調整した。
【0036】
これらの原料を用い、それぞれ285℃に加熱された2台の押出機に供給し、層Aポリマー、層Bポリマーを層Aと層BがA/Bとなるような2層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを記載された温度にて加熱し長手方向(縦方向)に延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き125℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に延伸した。その後テンター内で表2の温度で熱固定を行い、表2に示す条件にて縦方向の弛緩、横方向の幅入れを行い、室温まで冷やして二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムとしての物性は表2の通りであった。
【0037】
【表1】

【0038】
表において、TPAはテレフタル酸、IPAはイソフタル酸、NDCは2,6−ナフタレンジカルボン酸を意味する。
【0039】
【表2】

【0040】
[実施例2〜8]
表1に示す配合量およびポリエステルのジカルボン酸成分に変更して、表2に示す製膜条件にてフィルムを作製した。なお、実施例1〜4では2層のフィードブロックを用いて2層フィルムを、実施例5および6ではフィードブロックを用いないで単層フィルムを、実施例7および8では3層フィードブロックを用いて3層フィルムを作製した。
【0041】
[比較例1〜6]
表1および2に示す条件にて製膜を行った。比較例1、2および5では延伸性が悪く、フィルムを連続して製膜することが困難であった。比較例3および4では異物が多く、比較例6では硫酸バリウムの分散性が悪く、所定量の空隙がフィルム内に生じないため反射率が低いフィルムとなった。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の液晶表示装置のポリエステルフィルムは、高い反射率を備え、異物が少ないため、液晶表示装置のバックライトユニットの反射板として好適に用いることができる。また、紙代替の基材、すなわちカード、ラベル、シール、宅配伝票、ビデオプリンタ用受像紙、インクジェット受像紙、バーコードプリンタ受像紙、ポスター、地図、無塵紙、感熱転写用紙、オフセット印刷用紙の基材として用いることができ、表示板、白板、テレフォンカード、ICカード、太陽電池のバックシートの基材としても用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫酸バリウム粒子とポリエステルとの組成物からなり、該組成物中の亜鉛元素の含有量が150〜1000ppmであることを特徴とするポリエステルフィルム。
【請求項2】
硫酸バリウム粒子の平均粒径が0.3〜3μmである、請求項1記載のポリエステルフィルム。
【請求項3】
亜鉛元素が全て金属亜鉛に由来する、請求項1記載のポリエステルフィルム。
【請求項4】
150〜1000ppmの亜鉛元素の存在下で、硫酸バリウム粒子およびポリエステルからなる組成物を溶融混練する工程を含むことを特徴とする、ポリエステルフィルムの製造方法。

【公開番号】特開2009−126970(P2009−126970A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304699(P2007−304699)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(301020226)帝人デュポンフィルム株式会社 (517)
【Fターム(参考)】