説明

ポリエステル容器の製造方法

【課題】容器製造のための溶融加工時のポリエステルのIt.V.の低下を少なくする。
【解決手段】粒子の表面でのIt.V.が、粒子の中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満高いポリエステル粒子を提供する。このポリエステル粒子は、望ましくは、乾燥の間に粒子が互いに粘着するのを防止するために、結晶性で、10ppmよりも少ないアセトアルデヒドを含む。ポリエステル容器、好ましくはプリフォーム又は飲料ボトルは、少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有する結晶化したポリエステル粒子を、押出ゾーンに供給して溶融し、溶融ポリエステル組成物を形成し、そして押出された溶融ポリエステルからシート又は成形部品を成形することによって製造する。このポリエステル組成物は、容器に適したIt.V.を有し、更に溶融加工の間に、現存するポリエステルよりもIt.V.の損失が少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル容器の製造に使用するのに適したポリエステルポリマーペレットに関し、そして更に詳しくは表面対中心分子量勾配の小さいポリエステルポリマー粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルポリマーペレット、特にポリエチレンテレフタレートホモポリマー及びコポリマー(PET)は、例えば射出成形押出機内で溶融加工する間に、極限粘度数(intrinsic viscosity)(It.V.)の低下を生ずる。It.V.が低下する結果として、ポリマーの物理的特性も劣化する。It.V.の低下の一つの原因は、溶融加工の前にポリマー中に吸収された水によって起こされる、ポリマーの加水分解である。この加水分解を防止するために、ポリマーは溶融加工前に、十分に乾燥される。この乾燥の間にポリマーはIt.V.の低下を減少するが、それにもかかわらず、It.V.の若干の低下が生じ、それ故、押出の間のIt.V.低下を補償するために、目標容器It.V.よりも高いIt.V.を有するポリマーを使用することを必要とする。この目標よりも高いIt.V.のポリマーを使用することは、より長い時間ポリマーを加熱し、そしてより粘稠な材料を攪拌するために必要なより多くのエネルギー消費に起因し、そして/又はIt.V.を所望のレベルにまでするために溶融相重合の間の滞留時間を延長し、減少した生産速度の低下を生じることに起因する、より高いコストの追加の欠点を有する。目標よりも高いIt.V.のポリエステルポリマーを使用することは、また、押出機内のスクリューに沿ってポリマーを供給するために、より多くのエネルギーを必要とするという欠点を有する。本件基礎米国出願において出願人が提出した情報開示陳述書(Information Disclosure Statement)に記載した本発明の背景技術を示す文献は以下の通りである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,573,820号
【特許文献2】米国特許第6,200,659号
【特許文献3】米国特許第6,316,584号
【特許文献4】米国特許第6,472,500号
【特許文献5】米国特許第6,500,915号
【特許文献6】米国特許第6,559,271号
【特許文献7】米国特許出願公開第2003/0144459号
【特許文献8】特開平8−3301号公報
【特許文献9】特開平8−283398号公報
【特許文献10】特開平11−152324号公報
【特許文献11】特開2000−128970号公報
【特許文献12】特開2000−128971号公報
【特許文献13】特開2002−322258号公報
【特許文献14】特開平3−146707号公報
【特許文献15】特開平3−161509号公報
【特許文献16】特開平8−325364号公報
【特許文献17】特開昭60−219226号公報
【特許文献18】特開昭62−297318号公報
【特許文献19】欧州特許第0699700号公報
【特許文献20】韓国特許第1997−0007952号
【特許文献21】韓国特許出願公開第2001−0089942号 これらの特許文献には、本発明のように、特定のカルボン酸成分及び特定のヒドロキシル成分を含むポリエステルポリマーの粒子の粒子表面での極限粘度数(It.V.)を粒子中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満高くすることによって、ポリエステル容器の製造における溶融加工のIt.V.の低下を抑え得ることは記載も示唆もされていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は容器を製造する溶融加工の間にポリエステルポリマーが受けるIt.V.の低下を減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、容器用に適したIt.V.を有するが、溶融加工の間に、現存するポリエステルよりもIt.V.の低下の少ないポリエステル組成物を見出した。
【0006】
本発明によれば、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基(residue)及び100モル%のヒドロキシル成分残基(residue)に基づいて、
(a)少なくとも90モル%の、テレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(b)少なくとも90モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含んでなるポリエステルポリマーを含むポリエステルポリマー粒子であって、前記粒子が少なくとも0.7dL/gのIt.V.を有し、そして粒子の表面でのIt.V.が粒子の中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満高いポリエステル粒子が提供される。
【0007】
本発明によれば、また、少なくとも25%の結晶化度及び少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有するポリエステル粒子であって、前記粒子がその表面でのIt.V.及びその中心でのIt.V.を有し、粒子の表面でのIt.V.が粒子の中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満高いポリエステル粒子が提供される。
【0008】
本発明によれば、更に、少なくとも15%の結晶化度及び少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有するポリエステル粒子を、押出ゾーンに供給し、その粒子を押出ゾーン内で溶融して、溶融ポリエステルポリマー組成物を形成し、そして押出された溶融ポリエステルポリマーからシート又は成形部品を成形することを含んでなるポリエステル容器の製造方法であって、押出ゾーンに供給されるポリエステル粒子が、それらの中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満高い、それらの表面でのIt.V.を有するポリエステル容器の製造方法が提供される。
【0009】
本発明によれば、更に他の態様に於いて、粒子100個当り1.0gより大きく、そして粒子100個当り100gより小さい粒子重量を有するポリエステル粒子であって、前記粒子が少なくとも75%の、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、
(a)少なくとも90モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(b)少なくとも90モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含んでなるバージンポリエステルポリマーを含み、前記粒子が少なくとも25%の結晶化度、少なくとも0.77dL/gのIt.V.、それらの表面でのIt.V.及びそれらの中心でのIt.V.を有し、粒子の表面でのIt.V.が粒子の中心でのIt.V.よりも0.15dL/g以下高く、そして粒子が10ppm以下のアセトアルデヒドレベルを有する粒子が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、以下の発明の詳細な説明及び実施例を参照することによって、一層容易に理解できる。また、本明細書及び特許請求の範囲に使用する、単数形には、文脈で他の方法で明瞭に指示されていない限り、複数形が含まれることに注意されたい。例えば、「ポリマー」、「粒子」、「プリフォーム(予備成形物)」、「物品」、「容器」又は「ボトル」を加工又は製造することに対する記載は、単数又は複数のポリマー、粒子、プリフォーム、物品、容器又はボトルを加工又は製造することを含むものとする。「1種の」成分又は「1種の」ポリマーを含有する組成物に対する記載は、名称を記載したものに加えて、それぞれ、他の成分又は他のポリマーを含有することを意図する。
【0011】
「含んでなる」又は「含む」によって、少なくとも名称を記載した化合物、要素、粒子又は方法工程等が、組成物又は物品又は方法の中に存在しなくてはならないが、特許請求の範囲に於いて明白に排除されていない限り、他の化合物、材料、粒子、方法工程等が、名称を記載されたものと同じ機能を有する場合には、他のこのような化合物、触媒、材料、粒子、方法工程等の存在を排除していないことを意図する。
【0012】
また、1個又はそれ以上の方法工程の記載は、組合わされた列挙された工程の前若しくは後の追加の方法工程又は明白に同定されたこれらの工程の間に介在する方法工程の存在を排除しないことも理解されたい。更に、方法工程に文字を入れることは、別個の働き又は工程を同定するための便利な手段であり、そして他の方法で特定されない限り、列挙された方法工程は全ての順序で配置することができる。更に、特別に記載されていない限り、列挙された工程は任意の順序(sequence)で実施することができる。
【0013】
記載された範囲は、その範囲内の全ての整数及びそれらの分数を含む。
【0014】
ポリエステルポリマー組成物は、それぞれ、その句が使用されている文脈が指示しているような、任意の状態(例えば、固体又は溶融状態)の及び任意の形状の、任意の熱可塑性ポリエステルポリマーであり、溶融相から若しくは固体として得られる物質組成物又は押出ゾーン内の溶融物質組成物、シート若しくはボトルプリフォーム又は延伸ブロー成形ボトルの形状にあるものを含む。本発明のポリエステルポリマー組成物には、任意の種類及び数の添加剤を含有していてよい。
【0015】
ペレットIt.V.を記載するために、この説明を通して記載される極限粘度数は、60/40 wt/wt フェノール/テトラクロロエタン中で25℃で測定したインヘレント粘度から計算したとき、dL/g単位で記載される。
【0016】
ペレットのIt.V.は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(それから、下記のようにしてIt.V.を計算することができる)によって、ポリエステルの重量平均分子量を測定することによって決定される。GPC分析は、粒子の表面から中心への分子量勾配を決定するために、ポリエステルペレットの分子量を推定するために使用される。
【0017】
溶媒:95/5体積の塩化メチレン/ヘキサフルオロイソプロパノール+0.5g/Lテトラエチルアンモニウムブロミド
温度:周囲温度
流量:1mL/分
サンプル溶液:10mLの塩化メチレン/ヘキサフルオロイソプロパノール共沸混合物(約70/30体積)+10μLのトルエンフローレートマーカー中の4mgのポリエステルポリマー。充填された材料に対して、ポリマーの質量は約4mgであり、得られる溶液が0.45μmのテフロン(登録商標)フィルターを通過するように、サンプル質量を増加させる。
【0018】
注入体積:10μL
カラムセット:ポリマー・ラボラトリーズ(Polymer Laboratories)、5μmピーエルゲル(PLgel)、ガード+ミックスドC(Guard+Mixed C)
検出:255nmでのUV吸光度
【0019】
較正試薬:単分散ポリスチレン標準物質、MW=580〜4,000,000g/モル(但し、MWはピーク分子量である)
万能(universal)較正パラメーター:
PS K=0.1278 a=0.7089
PET K=0.4894 a=0.6738
【0020】
万能較正パラメーターは、光散乱によって前もってキャラクタリゼーションされた5個のポリエステルポリマーサンプルの1組について、正確な重量平均分子量を得るために、直線回帰によって決定される。
【0021】
重量平均分子量、<M>Wからの、60/40フェノール/テトラクロロエタン中の0.5g/dLでのインヘレント粘度の計算は、以下のようにして決定される。
【0022】
Ih.V.=4.034×10-4<M>W0.691
【0023】
次いで、極限粘度数(It.V.又はηint)を、下記のようなビルメイヤー(Billmeyer)式を使用して、インヘレント粘度から計算することができる。
【0024】
It.V.=0.5[e0.5×Ih.V.−1]+(0.75×Ih.V.)
【0025】
溶液粘度は、ポリエステルポリマーの組成及び分子量に関係している。分子量勾配を決定するための結晶化した生成物についてのIhV数はGPCによって計算されるが、溶液粘度測定は、ペレット及びプリフォームのIt.V.を決定するために行われる。以下の式は、このような溶液粘度測定及びそれに続く計算を記載する。
【0026】
ηinh=[ln(ts/t0)]/C
【0027】
式中、ηinh=0.50g/60%フェノール+40%1,1,2,2−テトラクロロエタン100mLのポリマー濃度で25℃でのインヘレント粘度
ln=自然対数
s=毛管を通過するサンプル流れ時間
0=毛管を通過する溶媒ブランク流れ時間
C=グラム/溶媒100mLでのポリマーの濃度(0.50%)
【0028】
極限粘度数は、ポリマーの非粘度の無限希釈での極限値である。これは、以下の式によって定義される。
【0029】
ηint=lim (ηsp/C)=lim ln(ηr/C)
C→0 C→0
式中、ηint=極限粘度数
ηr=相対粘度=ts/t0
ηsp=比粘度=ηr−1
【0030】
機器較正には、標準参照物質の繰り返し試験及びそれに続く「受け入れられた」I.V.値を得るための適切な数式を適用することが含まれる。
【0031】
較正係数=参照物質の受け入れられたIV/繰り返し決定の平均値
補正されたIhV=計算されたIhV×較正係数
【0032】
極限粘度数(ItV又はηint)を、下記のようなビルメイヤー式を使用して推定することができる。
【0033】
ηint=0.5[e0.5×補正されたIhV−1]+(0.75×補正されたIhV)
【0034】
少なくとも0.75dL/gのIt.V.、表面及び中心を有するポリエステルポリマー粒子であって、粒子の表面でのIt.V.が、粒子の中心でのIt.V.よりも0.25dL/g以下高く、好ましくは粒子の中心でのIt.V.よりも0.20dL/g以下高い粒子が提供される。また、少なくとも0.75dL/gのIt.V.、表面及び中心を有するポリエステルポリマー粒子であって、表面での粒子のIt.V.が、その中心での粒子のIt.V.よりも0.25dL/g以下、好ましくは0.20dL/g以下高い粒子が提供される。
【0035】
このポリエステル粒子は25℃及び1気圧で固体である。粒子の形状は限定されない。
適切な形状には、球、立方体、ペレット、チップ、トローチ、星形等が含まれる。粒子は、少なくとも0.10g/100個粒子、更に好ましくは1.0g/100個粒子よりも大きい、そして約100g/100個粒子以下の、数平均重量を有する。粒子の体積は特に限定されないが、一つの態様に於いて、少なくとも1立方メートル又は少なくとも3立方メートルの体積を有する粒子のバルクが提供される。例えば、少なくとも1立方メートルのバルク内の10個又はそれ以上の粒子の1回又はそれ以上のランダムサンプリングは、本発明の小さい表面対中心It.V.勾配をもたらすであろう。それ故、別の態様に於いて、1立方メートル以上の体積を有する粒子のバルク内の平均It.V.勾配は、本明細書に記載したように小さい。
【0036】
ポリエステル粒子のIt.V.は、容器応用のために適している。ポリエステル粒子のIt.V.は、少なくとも0.70dL/gである。例えば、ポリエステル粒子のIt.V.は、少なくとも0.75又は0.77又は0.80dL/gであってよく、そして約1.2dL/g又は1.1dL/g以下であってよい。射出成形機に供給されるポリエステル粒子は、望ましくは、固相で分子量に於ける増加に付されない。
【0037】
このポリエステル粒子は、固相化ポリエステル粒子中に見出されるものよりも小さい、粒子の表面と中心との間の表面対中心分子量勾配を有する。理論に結びつけるものではないが、固相化ポリエステル粒子の場合に於けるように、ポリエステル粒子の中心と表面との間にIt.V.に於ける顕著な差が存在するとき、このようなポリマーは溶融し、ポリマー鎖は分子量分布を平衡化する化学反応を受ける。数平均分子量が影響を受けないときでも、この平衡はIt.V.及び重量平均分子量を減少させ、これはまたポリエステルの物理的特性の劣化を起こす。従って、より小さい表面対中心分子量勾配を有するポリエステル粒子を溶融加工することによって、It.V.に於ける低下は減少する。
【0038】
このポリエステルポリマー粒子は、表面及び中心を有し、そして粒子の表面でのIt.V.が、粒子の中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満、好ましくは粒子の中心でのIt.V.よりも0.20dL/g未満、好ましくは0.15dL/g又はそれ以下又は0.10dL/g又はそれ以下又は0.050dL/g又はそれ以下高い。この態様に於いて、粒子の表面でのポリエステルポリマーのIt.V.は、粒子の中心でのIt.V.よりも遙かに低くてもよい。しかしながら、他の態様に於いて、表面It.V.が、粒子の中心に対して0.20dL/g又はそれ以下、好ましくは0.15dL/gもしくはそれ以下又は0.10dL/gもしくはそれ以下又は0.050dL/gもしくはそれ以下低下もせず越えもしないように、ペレットの中心とペレットの表面との間のIt.V.に於ける差の絶対値が0.25dL/gよりも小さい、小さい表面対中心It.V.勾配を有するポリエステル粒子が提供される。他の態様に於いて、1立方メートル又はそれ以上の体積を有するペレットのバルクに於いて、バルク内の粒子の表面のIt.V.と粒子の中心のIt.V.との間の差のIt.V.平均は、0.25dL/g以下又は0.20dL/g以下又は0.15dL/g以下又は0.10dL/g以下又は0.05dL/g以下である。
【0039】
ペレットの表面は、外側8〜12質量%として定義され、他方、中心は、粒子中心点の周りの内側8〜16質量%である。不規則な形状の粒子の中心点は、正確に決定することが困難であるが、これは、お互いから最長距離を有する縁又は角の間の粒子を貫通して引くことができる直線の最大の間の交点の最良近似である。表面及び中心のIt.V.を測定するために、バッチからの10個のペレットのランダムサンプリングを、実施例に記載した手順に従って徐々に溶解させ、ペレットの表面である、溶解した最初の8〜12質量%内の全ての測定カットの重量平均を、It.V.表面として記録し、そして中心である、最後の8〜16質量%内の全ての測定カットの重量平均を、It.V.中心として記録し、そして勾配はIt.V.表面とより小さいIt.V.中心との間の差である。それぞれの範囲内で取られる測定の数は限定されず、1回のように僅かな測定であってよい。上記のGPC方法が、溶解されたそれぞれの部分のIt.V.を別々に測定するために使用される。この方法に於いて、粒子の表面から出発して全ての道を通って粒子の中心までの勾配を測定し、所望により表面及び中心のみか又は粒子を貫通する多くのカットを得ることができる。その代わりに、粒子をミクロトームでスライスし、表面の片を切り取り、中心の片を切り取り、次いでこれらを、前記のGPC方法によって別々に測定する。
【0040】
小さい表面対中心分子量勾配を有するポリエステル粒子は、溶融加工の間に、従来のポリエステルよりも小さいIt.V.低下を受けるので、1個又はそれ以上の利点が予見される。主題ポリエステルは、従来の製品よりも低いIt.V.を有して、成形部品に於ける同じIt.V.及び物理的特性を得ることができ、それでポリエステルのための製造コストが減少する。より低いIt.V.ポリエステルは、また、溶融加工の初期段階の間のポリマーの粘度を低下させることができ、それでより低い温度が必要であり及び/又はエネルギーコストが減少する。より低い溶融加工温度の結果として、プリフォーム中のアセトアルデヒドレベルはより低くなり、溶融加工に続いてポリマーを冷却するために必要な時間が短くなり、全体射出成形サイクル時間が短くなる。また、従来のポリエステルと同じIt.V.低下を与えるために、より少ない乾燥が必要であり、それで乾燥運転及び資本コストが減少する。
【0041】
このポリマーは、少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有する、容器用途のために適している分子量にまでの溶融相重合、それに続く、特別の順序無しに、ペレットのような粒子の形成、結晶化及び好ましくは残留アセトアルデヒドの大部分の除去を含む加工工程によって製造することができる。これは、典型的な固相重合工程が、望ましくないほど大きい、粒子の中心と粒子の表面との間のIt.V.に於ける差を与えるので、固相での分子量に於ける増加に付されていないポリエステル粒子で、シート又はプリフォームを製造する押出機に供給することが好ましい。しかしながら、ポリエステルが固相重合された場合に、固相化したポリエステル粒子を溶融し、次いで溶融ポリエステルを、その中心でのIt.V.よりも0.03dL/g高く超える表面It.V.を有しない固体粒子に再成形することによって、小さい表面対中心分子量勾配を得ることができる。
【0042】
即ち、他の態様に於いて、固相重合ではなく、溶融相重合によって得られた、少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有するポリエステル粒子であって、粒子が、It.V.、表面及び中心を有し、粒子の表面でのIt.V.が、粒子の中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満、好ましくは粒子の中心でのIt.V.よりも0.2dL/g未満高い粒子が提供され、更に他の態様に於いて、前記粒子は、その中心での粒子のIt.V.から0.25dL/gよりも大きく変化しない表面でのIt.V.を有する。
【0043】
また、少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有する結晶化したポリエステル粒子を、押出ゾーンに供給すること、この粒子を押出ゾーン内で溶融して、溶融ポリエステルポリマー組成物を形成すること並びに押し出された溶融ポリエステルポリマーからシート又は成形部品を成形することからなるポリエステル容器、好ましくはプリフォーム又は飲料ボトルの製造方法であって、ポリエステル粒子が、It.V.、表面及び中心を有し、そしてポリエステル粒子の少なくとも一部、好ましくは全ての粒子が、0.25dL/gよりも大きく、好ましくは0.20dL/gよりも大きく、それらの中心でのそれらのIt.V.から変化しない、それらの表面でのIt.V.を有する方法が提供される。押出ゾーンに供給される粒子は、好ましくは乾燥されている。この粒子は、望ましくは、140℃〜180℃の範囲内の温度で乾燥する間に、それらがお互いに対して及び/又は装置に対して粘着するのを防止するために十分な結晶化度を有する。更に、乾燥後に押出ゾーンに供給される結晶化したポリエステル粒子には、10ppmもしくはそれ以下又は5ppmもしくはそれ以下又は2ppmもしくはそれ以下のように低いレベルのアセトアルデヒド(フランス国家規格試験によって測定)が含有されている。このシート又は成形部品は、更に加工して、熱成形した又は吹込成形した容器を製造することができる。
【0044】
典型的に、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルは、エチレングリコールのようなジオールを、遊離酸又はそのジメチルエステルとしてのジカルボン酸と反応させて、エステルモノマー及び/又はオリゴマーを製造し、次いでこれを縮合させてポリエステルを製造することによって製造される。1種より多いカルボン酸基(群)を含有する化合物又はそれらの誘導体(群)を、工程の間に反応させることができる。生成物中に存在する、カルボン酸基(群)を含有する全ての化合物又はそれらの誘導体(群)は、「カルボン酸成分」を構成する。生成物中に存在する、カルボン酸基(群)を含有する全ての化合物又はそれらの誘導体(群)のモル%は、加えると100になる。生成物中に存在する、カルボン酸基(群)を含有する化合物(群)又はそれらの誘導体(群)の「残基」は、ヒドロキシル基(群)を含有する化合物(群)との縮合反応の後に、オリゴマー及び/又はポリマー鎖中に残留している前記化合物(群)の部分を指す。カルボン酸成分の残基は、前記成分をヒドロキシル基(群)を含有する化合物と縮合させた後に、オリゴマー及び/又はポリマー鎖中に残留している前記成分の部分を指す。
【0045】
2種以上の、ヒドロキシル基(群)を含有する化合物又はそれらの誘導体が、ポリエステルポリマー生成物(群)の部分になり得る。前記生成物(群)の部分になる、ヒドロキシル基(群)を含有する全ての化合物又はそれらの誘導体は、ヒドロキシル成分を構成する。前記生成物(群)の部分になる、ヒドロキシル基(群)を含有する全ての化合物又はそれらの誘導体のモル%は、加えると100になる。前記生成物の部分になる、ヒドロキシル基(群)を含有する化合物(群)又はそれらの誘導体の残基は、前記化合物(群)をカルボン酸基(群)を含有する化合物(群)又はそれらの誘導体(群)と縮合させ、変化する長さのポリエステルポリマー鎖と更に重縮合させた後に、前記生成物中に残留する前記化合物(群)の部分を指す。ヒドロキシル成分の残基は、前記生成物中に残留する前記成分の部分を指す。
【0046】
生成物(群)中のヒドロキシル残基及びカルボン酸残基のモル%は、プロトンNMRによって決定することができる。
【0047】
本発明のポリエステルポリマーは、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、
(a)少なくとも90モル%の、テレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(b)少なくとも90モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含んでなる。
【0048】
他の態様に於いて、ポリエステルポリマーは、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、
(a)少なくとも92モル%又は少なくとも96モル%の、テレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(b)少なくとも92モル%又は少なくとも96モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分
を含んでなる。
【0049】
ポリエステルポリマーの製造の間のカルボン酸成分とヒドロキシル成分との反応は、所望により大過剰の(例えば、使用するカルボン酸成分の100モル%に対して200モル%以下のオーダーの)ヒドロキシル成分を使用することができるので、上記のモル%に制限されない。しかしながら、この反応によって製造されたポリエステルポリマーは、記載した量の芳香族ジカルボン酸残基及びエチレングリコール残基を含有する。
【0050】
テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸誘導体には、テレフタル酸ジメチル及びナフタル酸ジメチルのような、テレフタル酸C1〜C4ジアルキル及びナフタル酸C1〜C4ジアルキルが含まれる。
【0051】
テレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はこれらの混合物に加えて、本発明のポリエステルのカルボン酸成分(群)には、1種又はそれ以上の追加の変性剤カルボン酸化合物が含まれてよい。このような追加の変性剤カルボン酸化合物には、モノカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物及びより多数のカルボン酸基を有する化合物が含まれる。その例には、好ましくは炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸、好ましくは炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸又は好ましくは炭素数8〜12のシクロ脂肪族ジカルボン酸が含まれる。酸成分(群)として有用な変性剤ジカルボン酸の更に具体的な例は、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等であり、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸及びシクロヘキサンジカルボン酸が最も好ましい。これらの酸の対応する酸無水物、エステル及び酸クロリドの使用も、用語「カルボン酸」の中に含まれるものとする。ポリエステルを変性するために、トリカルボキシル化合物及びより多数のカルボン酸基を有する化合物の使用も可能である。
【0052】
エチレングリコールを含むヒドロキシル成分に加えて、本発明のポリエステルのヒドロキシル成分には、追加の変性剤であるモノオール、ジオール又はより多数のヒドロキシル基を有する化合物が含まれてよい。変性剤ヒドロキシル化合物の例には、好ましくは炭素数6〜20のシクロ脂肪族ジオール及び/又は好ましくは炭素数3〜20の脂肪族ジオールが含まれる。このようなジオールの更に具体的な例には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、3−メチルペンタンジオール−(2,4)、2−メチルペンタンジオール−(1,4)、2,2,4−トリメチルペンタンジオール−(1,3)、2,5−エチルヘキサンジオール−(1,3)、2,2−ジエチルプロパン−ジオール−(1,3)、ヘキサンジオール−(1,3)、1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチル−シクロブタン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパン及び2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパンが含まれる。
【0053】
ポリエステルペレット組成物には、ポリカーボネート(PC)及びポリアミドのような熱可塑性ポリマーと共に、ポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンナフタレートのブレンドが含有されていてよい。ポリエステル組成物は、大部分のポリエステルポリマー、更に好ましくは、(充填材、無機化合物若しくは粒子、繊維、耐衝撃性改良剤又は不連続相を形成することができる他のポリマーを除く)全ての熱可塑性ポリマーの重量基準で、少なくとも80重量%又は少なくとも95重量%、最も好ましくは100重量%の量のポリエステルポリマーからなることが好ましい。また、ポリエステルポリマーは、如何なる充填材、繊維若しくは耐衝撃性改良剤又は不連続相を形成する他のポリマーも含有しないことが好ましい。
【0054】
ポリエステル組成物は、エステル化及び重縮合を実施するために十分な、当該技術分野で公知の重合方法によって製造することができる。ポリエステル溶融相製造方法には、任意に、エステル化触媒の存在下で、エステル化ゾーン内での、ジカルボン酸とジオールとの直接縮合、それに続くプリポリマー及び仕上げゾーン内で、重縮合触媒の存在下での重縮合又は通常エステル交換反応触媒の存在下で、エステル交換ゾーン内でのエステル交換、それに続く重縮合触媒の存在下での予備重合及び仕上げが含まれ、それぞれ任意に公知の方法に従って固相化させることができる。
【0055】
更に例示するために、1種又はそれ以上のジカルボン酸、好ましくは芳香族ジカルボン酸又はそれらのエステル形成性誘導体と1種又はそれ以上のジオールとの混合物を、約200℃〜300℃、典型的には240℃〜290℃の温度で及び約1psig〜約70psigの圧力で運転するエステル化反応器に連続的に供給する。反応剤の滞留時間は、典型的には、約1〜5時間の範囲である。通常、ジカルボン酸(群)は、高圧において、約240℃〜約270℃の温度で、ジオール(群)によって直接エステル化される。このエステル化反応は、所望のモノマー及び/又はオリゴマーを製造するために、少なくとも60%のエステル化度が達成されるまで、更に典型的には少なくとも85%のエステル化度が達成されるまで続けられる。このモノマー及び/又はオリゴマー形成反応(群)は、直接エステル化方法では触媒作用を受けず、エステル交換方法では触媒作用を受ける。
【0056】
重縮合触媒を、任意に、エステル化/エステル交換触媒と一緒に、エステル化ゾーンの中に添加することができる。重縮合触媒をエステル化ゾーンに添加する場合、これは典型的にジオールとブレンドし、エステル化反応器の中に供給する。別々に又は組合せて使用することができる典型的なエステル交換触媒には、チタンアルコキシド、スズ(II)又は(IV)エステル、亜鉛、マンガン若しくはマグネシウムの酢酸塩若しくは安息香酸塩及び/又は当業者に公知である他のこのような触媒材料が含まれる。リン含有化合物及びある種の着色剤が、エステル化ゾーン内に存在してもよい。
【0057】
エステル化ゾーン内で形成された得られた生成物には、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)モノマー、低分子量オリゴマー、DEG及び縮合副生物としての水(又はエステル交換の場合にはアルコール)が、もし存在すれば、触媒の反応によって形成された他の微量の不純物又は出発物質及び着色剤、出発物質中の不純物若しくはリン含有化合物のような他の化合物と一緒に含まれる。BHETとオリゴマー種との相対量は、この方法が、直接エステル化方法(この場合には、オリゴマー種の量が顕著であり、主な種として存在さえする)であるか又はエステル交換方法(この場合には、BHETの相対量がオリゴマー種よりも優勢である)であるかに依存して変化するであろう。水(又はアルコール)は、エステル化反応(又はエステル交換)が、平衡を生成物の方に動かすように進行するとき、除去される。エステル化ゾーンでは、典型的に、もしあれば、一連の1個又はそれ以上の反応器内で連続的に、モノマー及びオリゴマー混合物が製造される。その代わりに、モノマー及びオリゴマー混合物を、1個又はそれ以上の回分式反応器内で製造することができる。しかしながら、PENを製造する方法に於いて、反応混合物には、ビス(2−ヒドロキシエチル)ナフタレートのモノマー種及びその対応するオリゴマーが含まれるであろうことを理解されたい。
【0058】
エステルモノマー/オリゴマーが、所望のエステル化度まで製造されたとき、これは、エステル化ゾーン内のエステル化反応器から、プリポリマーゾーン及び仕上げゾーンを含む重縮合ゾーンに移される。重縮合反応が開始され、前重合ゾーン内で溶融相で続けられ、そして仕上げゾーン内で溶融相で仕上げられ、その後、溶融物は、チップ、ペレット又は他の任意の形状の形で前駆体固体に固化される。
【0059】
各ゾーンは、異なった条件で運転される、一連の1個又はそれ以上の別個の反応容器からなっていてよく又はゾーンは、1個の反応器内で異なった条件で運転される1個又はそれ以上のサブステージを使用する、1個の反応器に組合わせることができる。即ち、プリポリマーステージには、1個又はそれ以上の連続的に運転される反応器、1個又はそれ以上の回分式反応器又は1個又はそれ以上の、1個の反応器内で実施される反応段階又はサブステージの使用が含まれてよい。幾つかの反応器設計に於いて、前重合ゾーンは、反応時間の項内の重縮合の第一半分を表し、他方、仕上げゾーンは、重縮合の第二半分を表す。他の反応器設計は、前重合ゾーンの仕上げゾーンに対する滞留時間を約2:1で調節することができるが、前重合ゾーンと仕上げゾーンとの間の多くの設計に於ける共通の差異は、後者のゾーンが、しばしば、前重合ゾーンに於ける運転条件よりも高い温度及び/又は低い圧力で運転されることである。一般的に、前重合ゾーン及び仕上げゾーンのそれぞれは、1個の反応容器又は一連の2個以上の反応容器からなり、そして前重合反応器及び仕上げ反応器は、ポリエステルポリマーの製造用の連続方法の一部として、直列で配列されている。
【0060】
工業に於いては低重合器としても知られている前重合ゾーンに於いて、低分子量モノマー及びオリゴマーは、重縮合によって重合されて、触媒の存在下でポリエチレンテレフタレートポリエステル(又はPENポリエステル)を生成する。触媒がモノマーエステル化ステージで添加されなかった場合、このステージで、プリポリマーを生成し、ジオールを副生物として分離除去するための、モノマーと低分子量オリゴマーとの間の反応に触媒作用するための触媒が添加される。リン含有化合物、コバルト化合物及び着色剤のような他の化合物を、前重合ゾーンに添加することができる。しかしながら、これらの化合物は、その代わりに仕上げゾーンに又は前重合ゾーン及びエステル化ゾーンに加えて添加することができる。典型的なDMT方法に於いて、当業者は、他の触媒材料並びに触媒材料及び他の成分を添加する点が、典型的な直接エステル化方法から変化することを認識している。
【0061】
典型的な重縮合触媒には、得られるポリエステルポリマーの重量基準で、0.1〜500ppmの範囲内の量で、Sb、Ti、Ge及びSnの化合物が含まれる。
【0062】
このプリポリマー重縮合ステージは、一般的に、1連の1個又はそれ以上の容器を使用し、約5分〜4時間の間、約250℃〜305℃の温度で運転される。このステージの間に、モノマー及びオリゴマーのIt.V.は、約0.5dL/g以下にまで増加する。ジオール副生物は、反応を完結にまで進めるために、4〜70トールの範囲内の適用された真空を使用することによって、プリポリマー溶融物から除去される。これに関して、ポリマー溶融物を時々攪拌して、ポリマー溶融物からのジオールの流出を促進する。ポリマー溶融物を次の容器の中に供給するとき、ポリマーの分子量及びそれで極限粘度数が増加する。それぞれの容器の圧力は、一般的に、それぞれの次の容器内の又は容器内のそれぞれの次のゾーン内のより大きい重合度を可能にするために低下させる。しかしながら、グリコール、水、アルコール、アルデヒド及びその他の反応副生物の除去を容易にするために、反応器を、典型的には、真空下で又は不活性ガスでパージしながら運転する。不活性ガスは、反応条件下で望ましくない反応又は生成物特徴を起こさない任意のガスである。適当なガスには、これらに限定されないが、アルゴン、ヘリウム及び窒素が含まれる。
【0063】
プリポリマーは、プリポリマーゾーンから仕上げゾーンに供給され、そこで重縮合の第二の半分が、必須ではないが一般的に、前重合ゾーン中に存在するよりも高い、270℃〜305℃の範囲の値までの温度に上昇した1個又はそれ以上の仕上げ容器内で、溶融物のIt.V.が、前重合ゾーン内の溶融物のIt.V.(典型的には0.30であるが、通常0.5以下)から、少なくとも0.55のIt.V.まで増加するまで続けられる。
このポリエステル組成物のIt.V.は、約0.55〜約1.15dL/gの範囲である。好ましくは、ポリエステル粒子のIt.V.は、固相重合無しで、0.70dL/g〜1.15dL/gの範囲である。一般的に工業に於いては「高重合器」、「仕上げ器」又は「重縮合器」としても知られている最終容器は、前重合ゾーンで使用されるものよりも低い圧力、例えば約0.2〜4.0トールの範囲内で運転される。仕上げゾーンには、典型的に、プリポリマーゾーンと同じ基本的化学が含まれるが、分子のサイズ及びそれで粘度が異なるという事実は、反応条件及び容器(群)も異なっているであろうと言うことを意味する。しかしながら、プリポリマー反応器と同様に、仕上げ容器(群)のそれぞれは、真空又は不活性ガス下で運転され、それぞれは、典型的には、エチレングリコールの除去を容易にするために、攪拌の形はより高い粘度のために適しているが、攪拌される。
【0064】
ポリエステルポリマーの性能特性を増強させるために、添加剤を溶融相又はポリエステルポリマーに添加することができる。例えば、結晶化助剤、耐衝撃性改良剤、表面滑剤、嵌め外し剤(denesting agent)、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属失活剤、着色剤、核生成剤、アセトアルデヒド低下化合物、元素状アンチモン若しくは還元アンチモン又はこのような種をインシトゥで形成するための還元剤のような再加熱速度増強剤、炭化珪素、カーボンブラック、グラファイト、活性炭、黒色酸化鉄、べんがら等、タルクのような粘着ボトル添加剤及び充填剤等を含有させることができる。樹脂には、また、少量の、三官能性若しくは四官能性カルボン酸若しくはそれらの誘導体及び/又はアルコールのような枝分かれ剤、例えばトリメリト酸無水物、トリメチロールプロパン、ピロメリト酸二無水物、ペンタエリスリトール及び当該技術分野で一般的に公知である他のポリエステル形成性ポリ酸又はポリオールが含有されていてよい。これらの添加剤の全て及び多くの他のもの並びにこれらの使用は、当該技術分野で公知であり、更に説明する必要はない。
これらの任意の化合物を本発明に於いて使用することができる。
【0065】
溶融相重合からの溶融ポリマーを、更に結晶化させることなく溶融物から固化させることができる。別法として、溶融ポリマーを最初に固化させ、次いでこのガラスから結晶化させることができる。
【0066】
溶融相重合方法から直接ポリエステル粒子を製造する代わりに、消費後のリサイクルポリエステルポリマーを溶融することによって、粒子を製造することができる。しかしながら、バルクのリサイクルポリエステルポリマーの分子量は、それらの源泉及び機能必要条件に依存して広範囲に変化するおそれがあるので、ポリエステル粒子組成物は少なくとも75重量%のバージンポリエステルポリマーを含むのが好ましい。バージンポリエステルポリマーは、消費後のリサイクルポリマーを含まないで製造されるが、これには任意にスクラップ又は再粉砕ポリマーが含有されていてよい。
【0067】
溶融相方法からのポリエステルポリマーの固化方法は限定されない。例えば、溶融相からの溶融ポリエステルポリマーを、ダイに通して導くか若しくは単に切断するか又は溶融ポリマーをダイに通して導き続いて切断することができる。溶融ポリエステルポリマーをダイに通して駆動するための原動力として、ギヤーポンプを使用することができる。ギヤーポンプを使用する代わりに、溶融ポリエステルポリマーを一軸又は二軸スクリュー押出機の中に供給し、そして任意に押出機ノズルでの190℃以上の温度でダイを通して押し出すことができる。ダイを通過すると、ポリエステルポリマーをストランドに引き取り、冷い液体と接触させ、そしてペレットに切断することができるか又はポリマーを、任意に水中で、ダイヘッドでペレット化することができる。ポリエステルポリマー溶融物を任意に濾過して、切断する前に指定サイズを超える粒子を除去することができる。これらに限定されないが、ダイシング、ストランドペレット化及びストランド(強制輸送)ペレット化、パスチレーター(pastillator)、水環ペレタイザー、ホットフェースペレタイザー、水中ペレタイザー及び遠心ペレタイザーを含む、一般的な任意の熱ペレット化又はダイシング方法及び装置を使用することができる。
【0068】
ポリエステルポリマーを結晶化させるために使用される方法及び装置は限定されず、これらには、気体又は液体中での熱結晶化が含まれる。結晶化は、ポリエステルポリマーのTgより高い、好ましくは140℃〜180℃の液体媒体中で結晶化させる、機械的攪拌容器、流動床、流体運動によって攪拌した床、非攪拌容器又はパイプ中で起こるか又は他の当該技術分野で公知の任意の手段で起こる。また、ポリマーを歪み結晶化させることができる。
【0069】
ペレットを、少なくとも15%、更に好ましくは少なくとも25%又は少なくとも30%又は少なくとも35%又は少なくとも40%の結晶化度まで結晶化させることが望ましい。
【0070】
ペレット結晶化度は、示差走査熱量法(DSC)を使用して決定される。この測定のためのサンプル重量は10±1mgであり、サンプルは、(1)単一ペレットの一部又は更に好ましくは(2)数グラムの極低温で粉砕したペレットから取ったサンプルからなる。
第一の加熱走査を実施する。サンプルを、約25℃から290℃まで、20℃/分の速度で加熱し、溶融吸熱の面積(1個又はそれ以上)マイナス任意の結晶化発熱の面積の絶対値を決定する。この面積は、正味溶融熱に相当し、ジュールで表される。100%結晶性PETの溶融熱は119ジュール/グラムであり、そこでペレットの重量分率結晶化度は、119で割った正味溶融熱として計算される。他に示さない限り、それぞれの場合に於ける最初の融点は、また、同じDSC走査を使用して決定される。
【0071】
結晶化度パーセントは、
低いピーク融点:Tm1a
高いピーク融点:Tm1b
の両方から計算される。
【0072】
幾つかの場合に、特に低い結晶化度で、結晶の転位がDSC装置内で非常に急速に起こり得ること、真のより低い融点が検出されないことに注目されたい。次いで、より低い融点は、DSC装置の温度傾斜率を増加させること及びより小さいサンプルを使用することによって見ることができる。高速度熱量測定のために、パーキン−エルマー・ピリス−1(Perkin-Elmer Pyris-1)熱量計が使用される。試験体質量は、走査速度に逆比例するように調節する。500℃/分で約1mgのサンプルが使用され、そして100℃/分で約5mgのサンプルが使用される。典型的なDSCサンプルパンを使用した。基線に於ける曲率を最小にするために、基線減法を実施する。
【0073】
また、結晶化度%は、2〜3個のペレットの平均勾配チューブ密度からも計算される。
勾配チューブ密度試験は、水中の臭化リチウムを使用して、ASTM D1505に従って実施される。
【0074】
ペレットが所望の程度まで結晶化すると、これらを、トレーに熱成形するためのシート又は飲料若しくは食品容器に延伸ブロー成形するために適したプリフォームのような、所望の形状に溶融加工するための機械に輸送する。飲料容器の例には、ホットフィル(hot fill)、炭酸入りソフトドリンク又は水のために適した、3リットル又はそれ以下の体積を有する容器が含まれる。
【0075】
即ち、トレー又は延伸ブロー成形に適したボトルプリフォームのような容器の製造方法であって、0.7〜1.15dL/gの範囲内のIt.V.及び小さい表面対中心分子量勾配を有するPETペレットを、乾燥ゾーン内で少なくとも140℃のゾーン温度で乾燥すること、乾燥したペレットを押出ゾーンの中に導入して溶融PETポリマー組成物を形成すること並びに押し出された溶融PETポリマーからシート又は成形部品を成形することからなる方法が提供される。
【0076】
この態様に於いて、押出機の中に導入するために製造されたペレットは、好ましくは固相化されないものであるか又は固相化された場合には、所望の小さい表面対中心分子量勾配をもたらすように再溶融され、そして固化される。これらのポリエステル粒子は、物理的特性がボトルプリフォーム及びトレーの製造のために適しているように十分に高いIt.V.を有する。この非固相化高It.V.ペレットは、それらが、140℃又はそれ以上で且つ約190℃又は180℃以下の温度で乾燥機内で顕著に凝集するのを防止するために十分に結晶化される。溶融物を押出機に供給する乾燥機は、ペレットの水分含有量を減少させる必要がある。溶融物押出チャンバーの中に供給されるペレット中又は上の水分は、溶融温度で、エステル結合を加水分解することによって、溶融物がIt.V.を低下するようにし、ボトルにブロー成形したとき、ポリマーのメルトフロー特性及びプリフォームの延伸比に於ける変化になるであろう。それ故、押出の前に、ペレットを140℃又はそれ以上の温度(これは、(窒素ガス又は空気の流れのような)加熱媒体の温度が140℃又はそれ以上であることを意味する)で乾燥して、ペレット上及び中の水分の大部分を排除する。140℃又はそれ以上の高温度でペレットを乾燥して、乾燥機内のペレットの滞留時間を短縮し、押出量を増加させることが望ましい。
【0077】
攪拌機を取り付けた又は攪拌機の無い一般的な乾燥機内で、凝集を最小にしながら高温度で乾燥するために、ペレットを140℃又はそれ以上で結晶化させなくてはならない。
一般的に、一般的な温度(140℃〜190℃)での乾燥機内のペレットの典型的な滞留時間は、平均で0.75時間〜8時間であろう。一般的な任意の乾燥機を使用することができる。ペレットを、加熱した空気又は窒素のような不活性ガスと接触させて、ペレットの温度を上昇させそしてペレットの内部から揮発物質を除去することができ、そして回転混合羽根又はパドルによって攪拌することもできる。使用する場合、加熱ガスの流量は、エネルギー消費、ペレットの滞留時間及び好ましくはペレットの流動化を回避することの間のバランスである。適当なガス流量は、乾燥機から排出されるペレットのポンド/時当たり0.05〜100scfm、好ましくは0.2〜5scfm/ペレットのポンド/時の範囲である。
【0078】
ペレットが乾燥すると、これらを押出ゾーンの中に導入して、溶融ポリエステルポリマーを形成し、続いて溶融物を金型の中に射出するか若しくはシート若しくは皮膜に押し出すことによって、ボトルプリフォーム(パリソン)のような成形部品を成形するように、溶融ポリマーを加工する。溶融加工、射出成形及びシート押出のための、乾燥したペレットの押出ゾーンの中への導入方法は、このような容器の製造に於ける当業者にとって一般的であり、公知である。260℃〜305℃の範囲内の押出機バレル温度が、本発明のポリエステル粒子を加工するために適している。
【0079】
押出機で又はポリエステルポリマーを製造するための溶融相内で、ポリエステルポリマーの性能特性を増強するために、他の成分を本発明の組成物に添加することができる。これらの成分は、そのままでバルクポリエステルに添加することができ、液体担体中の分散液として添加することができ又は少なくとも約0.5重量%の、バルクポリエステル中に溶解させたポリエステル中の成分を含有するポリエステルコンセントレートとしてバルクポリエステルに添加することができる。
【0080】
適当な成分の種類には、結晶化助剤、耐衝撃性改良剤、表面滑剤、安定剤、嵌め外し剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属失活剤、着色剤、核生成剤、アセトアルデヒド低下化合物、再加熱速度増強剤、タルクのような粘着ボトル添加剤及び充填剤等が含まれ、含有させることができる。樹脂には、また、少量の、三官能性若しくは四官能性コモノマーのような枝分かれ剤、例えばトリメリト酸無水物、トリメチロールプロパン、ピロメリト酸二無水物、ペンタエリトリトール及び当該技術分野で一般的に公知である他のポリエステル形成ポリ酸又はポリオールが含有されていてよい。これらの添加物の全て及び多くの他のもの並びにこれらの使用は、当該技術分野で公知であり、更に説明する必要はない。これらの任意の化合物を本発明の組成物に於いて使用することができる。
【0081】
本発明の方法に従って製造されたペレットから容器を製造できるのみならず、シート、フィルム、ボトル、トレー、他の包装材、棒、チューブ、蓋、フィラメント及び繊維並びに他の射出成形物品のような他の品目を、本発明のポリエステル粒子を使用して製造することもできる。水又は炭酸入り飲料を保持するために適しているポリエチレンテレフタレートから製造された飲料ボトル及びボトルの中に熱時充填される飲料を保持するために適しているヒートセット飲料ボトルが、本発明の結晶化ペレットから製造されるボトルの種類の例である。
【0082】
本発明は、下記の限定されない例示的実施例を参照することによって、更に理解することができる。
【実施例】
【0083】
ペレット全体の分子量勾配の決定方法は、以下の通りであった。0.20g±0.06グラムの一緒にした質量を有する10個のペレットを、小さいステンレススチールワイヤー網バスケットの中に入れた。このバスケットを、3〜4mLの攪拌したGPC溶媒(70%のヘキサフルオロイソプロパノール、30%の塩化メチレン)を含有する小さいフラスコの中に、ペレットが溶媒中に浸漬するようにして置いた。ペレットの溶解速度のために適切な時間(実施例2及び4のペレットについて約2分間並びに比較例1及び3のペレットについて10分間)の後、バスケットをフラスコから取り出した。これによって、ペレットの外側層が、GPC溶媒中に溶解されるようになった。この手順を、各サイクルのために新しい溶媒を使用して、ペレットが完全に溶解するまで連続的に繰り返した。各溶解サイクルからの溶液(「カット」)を、追加のGPC溶媒で希釈して、その体積を10.0mLまで増加させた。各「カット」の分子量分布を、10μLをGPCの中に注入することによって測定した。It.V.は、前記の関係を使用して、<M>Wから計算した。それぞれの「カット」中に存在するポリマーの質量は、サンプルの「カット」の全てについての全クロマトグラムピーク面積によって割った、「カット」についてのクロマトグラムピーク面積として計算した。
【0084】
分子量勾配を決定するために報告したIt.V.値以外の、報告したIt.V.値は、溶液粘度法によって決定する。
【0085】
比較例1
イーストマン・ケミカル社(Eastman Chemical Company)からPET CB11Eとして市販されている従来の固相化ペレットを、商業的規模の乾燥空気乾燥機内で乾燥した。一次乾燥機ホッパー(5.5時間のペレット滞留時間)中の温度は175℃であり、二次乾燥機ホッパー(2時間の滞留時間)内の温度は185℃であった。このペレットは、DSCによって測定したとき、約47重量%の結晶化度を有していた。乾燥したペレットのIt.V.は0.803dL/gであった。中心と表面との間のIt.V.差(ペレットIt.V.勾配)を、前記の手順に従って測定し、その結果を表Iに示す。
【0086】
【表1】

【0087】
この結果は、表面カット(カット1、ペレットの外側9.0重量%)のIt.V.が0.976であり、中心カット(カット14、ペレットの中心15.3重量%)のIt.V.が約0.692であったことを示す。これは、ペレットの表面と中心との間の0.284のIt.V.差に対応する。
【0088】
乾燥したペレットを、プリフォームを製造するための商業的規模の射出成形機を使用してプリフォームに溶融加工した。成形機押出機バレルゾーンの温度は275℃〜295℃の範囲であった。このプリフォームのIt.V.は0.759dL/gであった。溶融加工によって、It.V.は0.044dL/gほど低下した。
【0089】
実施例2
比較例1のペレットと同様の化学組成を有するポリエステルペレットは、比較例1に記載したものと同じ条件下で乾燥した後、0.831dL/gのIt.V.(溶液粘度)を有していた。このペレットは、DSCによって測定したとき約36.5重量%の結晶化度を有しており、固相化しなかった。中心と表面との間のIt.V.勾配を、前記の手順に従って測定した。表IIに測定の結果を示す。
【0090】
【表2】

【0091】
この結果は、表面カット(カット1、ペレットの外側10.2重量%)のIt.V.が0.827であり、中心カット(カット8〜11、ペレットの中心15.0重量%)のIt.V.が約0.847であったことを示す。これは、ペレットの表面と中心との間の0.020のIt.V.差に対応する。
【0092】
乾燥したペレットを、比較例1に記載したのと同じ条件を使用してプリフォームに溶融加工した。このプリフォームのIt.V.は0.812dL/gであった。溶融加工によって、It.V.は0.019dL/gほど低下し、これは比較実施例1の従来のペレットによって経験されたIt.V.低下の50%よりも少なかった。
【0093】
比較例3
0.850のIt.V.(乾燥前)に固相化した、イーストマン・ケミカル社からボリジアン(Voridian)CB12として市販されている従来の固相重合したペレットを、小さい乾燥機(約40ポンド容量)内で150℃で6時間で乾燥した。このペレットは、DSCによって測定したとき、約48重量%の結晶化度を有していた。中心と表面との間のIt.V.差(ペレットIt.V.勾配)を、前記の手順に従って測定し、その結果を表IIIに示す。
【0094】
【表3】

【0095】
この結果は、表面カット(カット1、ペレットの外側8.3重量%)のIt.V.が1.067であり、中心カット(カット9〜12、ペレットの中心13.8重量%)のIt.V.が約0.744であったことを示す。これは、ペレットの表面と中心との間の0.323のIt.V.差に対応する。
【0096】
乾燥したペレットを、研究所規模の射出成形機を使用してプリフォームに溶融加工した。成形機押出機バレルの温度は285℃であった。このプリフォームのIt.V.は0.801dL/gであった。溶融加工によって、It.V.は0.049dL/gほど低下した。
【0097】
実施例4
実施例2で使用したものと同じバッチからのポリエステルペレットを、比較例3に記載したものと同じ条件を使用して乾燥し、そしてプリフォームに溶融加工した。これらのペレットは、0.830のIt.V.(乾燥前)及びペレットの中心のIt.V.と表面のIt.V.との間の、より小さい差(0.2dL/g未満)を有していた。このプリフォームのIt.V.は0.810dL/gであった。溶融加工によって、It.V.は0.020dL/gほど低下し、これは比較例3の従来のペレットによって経験されたIt.V.低下の50%よりも少なかった。
【0098】
以下に、本発明及びその関連態様を記載する。
態様1.ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、(a)少なくとも90モル%の、テレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び(b)少なくとも90モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含んでなるポリエステルポリマーを含むポリエステルポリマー粒子であって、少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有し、そして粒子の表面でのIt.V.が粒子の中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満高いポリエステルポリマー粒子。
態様2.前記粒子が少なくとも0.74dL/gのIt.V.を有する態様1に記載の粒子。
態様3.前記粒子が少なくとも0.77dL/gのIt.V.を有する態様2に記載の粒子。
態様4.前記粒子の表面でのIt.V.が前記粒子の中心でのIt.V.よりも0.2dL/g未満高い態様2に記載の粒子。
態様5.前記粒子の表面でのIt.V.が前記粒子の中心でのIt.V.よりも0.15dL/g未満高い態様1に記載の粒子。
態様6.前記粒子が少なくとも25%の結晶化度を有する態様1に記載の粒子。
態様7.前記粒子が10ppmよりも少ないアセトアルデヒドを含有する態様1に記載の粒子。
態様8.各粒子が態様1に記載のポリエステル粒子である、100個粒子当たり少なくとも1.0gの数平均重量を有するポリエステル粒子。
態様9.前記ポリエステル粒子がバージンポリエステルポリマーである態様1に記載のポリエステル粒子。
態様10.前記ポリエステルポリマーが、少なくとも、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、(a)少なくとも92モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び(b)少なくとも92モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含む態様1に記載のポリエステル粒子。
態様11.前記表面での粒子のIt.V.がその中心での粒子のIt.V.から0.10dL/gよりも多く変化していない態様1に記載の粒子。
態様12.前記表面での粒子のIt.V.がその中心での粒子のIt.V.から0.20dL/gよりも多く変化していない態様11に記載の粒子。
態様13.前記ポリエステルポリマーが、少なくとも、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、(a)少なくとも96モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び(b)少なくとも96モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含む態様11に記載の粒子。
態様14.前記粒子が少なくとも25%の結晶化度を有する態様13に記載の粒子。
態様15.少なくとも1立方メートルの体積を有する前記粒子のバルクを含む態様1に記載の粒子。
態様16.前記バルク内の、粒子の表面のIt.V.と粒子の中心のIt.V.との間の差のIt.V.平均が0.20dL/g以下である態様15に記載の粒子。
態様17.前記差のIt.V.平均が0.10dL/g以下である態様16に記載の粒子。
態様18.態様1〜17のいずれか1項に記載のポリエステルポリマー粒子から得られたブロー成形容器。
態様19.態様1に記載のポリエステルポリマー粒子から得られた飲料ボトル。
態様20.少なくとも25%の結晶化度及び少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有するポリエステル粒子であって、その表面でのIt.V.及びその中心でのIt.V.を有し、粒子の表面でのIt.V.が粒子の中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満高いポリエステル粒子。
態様21.前記ポリエステルポリマーが、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸残基及び100モル%のヒドロキシル残基に基づいて、(a)少なくとも90モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び(b)少なくとも90モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含む態様20に記載の粒子。
態様22.結晶化度が少なくとも35%であり、そして粒子のIt.V.が少なくとも0.74dL/gである態様21に記載のポリエステル粒子。
態様23.表面での粒子のIt.V.と中心での粒子のIt.V.との間の差が0.15dL/g以下である態様21に記載のポリエステル粒子。
態様24.前記差が0.05dL/g以下である態様23に記載のポリエステル粒子。
態様25.少なくとも35%の結晶化度及び少なくとも0.77dL/gのIt.V.を有する態様1に記載のポリエステル粒子から得られたブロー成形容器であって、固相重合によってペレットの分子量を増加させることなく得られたブロー成形容器。
態様26.少なくとも15%の結晶化度及び少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有するポリエステル粒子を押出ゾーンに供給し、この粒子を押出ゾーン内で溶融して、溶融ポリエステルポリマー組成物を形成し、そして押出された溶融ポリエステルポリマーからシート又は成形部品を成形することを含んでポリエステルポリマーから容器を製造する方法であって、押出ゾーンに供給されるポリエステル粒子がそれらの中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満高い、それらの表面でのIt.V.を有する製造方法。
態様27.粒子の表面でのIt.V.が粒子の中心でのIt.V.よりも0.20dL/g未満ほど高い態様26に記載の方法。
態様28.表面での粒子のIt.V.と中心での粒子のIt.V.との間の差が0.10dL/g以下である態様27に記載の方法。
態様29.前記差が0.05dL/g以下である態様28に記載の方法。
態様30.前記成形部品が容器プリフォームである態様26に記載の方法。
態様31.前記プリフォームを飲料容器に延伸ブロー成形することを含む態様30に記載の方法。
態様32.前記容器が3リットル以下の体積を有する態様31に記載の方法。
態様33.前記粒子を乾燥ゾーン内で少なくとも140℃の温度で乾燥し、その後前記粒子を押出ゾーン内で溶融することを含む態様27に記載の方法。
態様34.更に、前記粒子を押出ゾーンに供給する前に前記粒子を乾燥することを更に含む前記粒子が乾燥前に固相重合されていない態様26に記載の方法。
態様35.押出ゾーン内で溶融する前に、前記粒子が10ppm以下のアセトアルデヒドレベルを有する態様34に記載の方法。
態様36.前記ポリエステルポリマー粒子が、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、(a)少なくとも90モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び(b)少なくとも90モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含んでなり、そしてポリエステルポリマーの少なくとも75%がバージンポリマーである態様26に記載の方法。
態様37.前記ポリエステルポリマー粒子が、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、(a)少なくとも92モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び(b)少なくとも92モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含んでなる態様36に記載の方法。
態様38.結晶化度が少なくとも25%である態様37に記載の方法。
態様39.結晶化度が少なくとも35%である態様26に記載の方法。
態様40.少なくとも1立方メートルの体積を有する前記粒子のバルクを含む態様26に記載の方法。
態様41.前記バルク内の、粒子表面のIt.V.と粒子中心のIt.V.との間の差のIt.V.平均が0.20dL/g以下である態様40に記載の方法。
態様42.前記差のIt.V.平均が0.10dL/g以下である態様41に記載の方法。
態様43.態様26に記載の粒子から得られたブロー成形容器。
態様44.態様26に記載の粒子から得られたプリフォーム。
態様45.粒子100個当り1.0gより大きく、そして粒子100個当り100gより小さい粒子重量を有するポリエステル粒子であって、少なくとも75%の、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基基準で、(a)少なくとも90モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び(b)少なくとも90モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含んでなるバージンポリエステルポリマーを含み、粒子が、少なくとも25%の結晶化度、少なくとも0.77dL/gのIt.V.、それらの表面でのIt.V.及びそれらの中心でのIt.V.を有し、粒子の表面でのIt.V.が粒子の中心でのIt.V.よりも0.15dL/g以下高く、そして粒子が10ppm以下のアセトアルデヒドレベルを有する粒子。
態様46.前記粒子が少なくとも1.0立方メートルの体積を有するバルクを含む態様45に記載の粒子。
態様47.前記バルク内の、粒子の表面のIt.V.と粒子の中心のIt.V.との間の差のIt.V.平均が0.15dL/g以下である態様46に記載の粒子。
態様48.前記差のIt.V.平均が0.10dL/g以下である態様47に記載の粒子。
態様49.前記It.V.平均が0.05dL/g以下である態様48に記載の粒子。
態様50.態様45に記載の粒子から得られたブロー成形容器。
態様51.態様45に記載の粒子から得られた飲料ボトル。
態様52.態様45に記載の粒子から得られたプリフォーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、(a)少なくとも90モル%の、テレフタル酸、テレフタル酸誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び(b)少なくとも90モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含んでなるポリエステルポリマーを含むポリエステルポリマー粒子であって、
ポリエステル粒子が少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有し、
ポリエステル粒子の表面と中心のIt.V.の絶対値差が0.25dL/g未満であり、
ポリエステル粒子が10ppm以下のアセトアルデヒドレベルであり、
ポリエステル粒子が球状である
球状ポリエステルポリマー粒子。
【請求項2】
前記粒子が少なくとも0.74dL/gのIt.V.を有する請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
前記粒子が少なくとも0.77dL/gのIt.V.を有する請求項2に記載の粒子。
【請求項4】
前記絶対値差が0.2dL/g未満である請求項1に記載の粒子。
【請求項5】
前記絶対値差が0.15dL/g未満である請求項1に記載の粒子。
【請求項6】
前記粒子が少なくとも25%の結晶化度を有する請求項1に記載の粒子。
【請求項7】
前記粒子が2ppmよりも少ないアセトアルデヒドを含有する請求項1に記載の粒子。
【請求項8】
前記ポリエステル粒子がポリエステル粒子100個当たり少なくとも1.0gの数平均重量を有する請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項9】
前記ポリエステル粒子がバージンポリエステルポリマーを含む請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項10】
前記ポリエステルポリマーが、少なくとも、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、
(a)少なくとも92モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(b)少なくとも92モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含む請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項11】
前記絶対値差が0.10dL/g以下である請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項12】
前記絶対値差が0.20dL/g以下である請求項11に記載のポリエステル粒子。
【請求項13】
前記ポリエステルポリマーが、少なくとも、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基に基づいて、
(a)少なくとも96モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(b)少なくとも96モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含む請求項11に記載のポリエステル粒子。
【請求項14】
前記粒子が少なくとも25%の結晶化度を有する請求項13に記載のポリエステル粒子。
【請求項15】
少なくとも1立方メートルの体積を有する前記粒子のバルクを含む請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項16】
前記バルク内の、粒子の表面のIt.V.と粒子の中心のIt.V.との間の差のIt.V.平均が0.20dL/g以下である請求項15に記載のポリエステル粒子。
【請求項17】
前記差のIt.V.平均が0.10dL/g以下である請求項16に記載のポリエステル粒子。
【請求項18】
少なくとも25%の結晶化度及び少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有するポリエステル粒子であって、その表面でのIt.V.及びその中心でのIt.V.を有し、粒子の表面でのIt.V.が粒子の中心でのIt.V.よりも0.25dL/g未満高くポリエステル粒子が10ppm又はそれ以下のアセトアルデヒドレベルを有し、そしてポリエステル粒子が球状であるポリエステル粒子。
【請求項19】
前記ポリエステルポリマーが、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸残基及び100モル%のヒドロキシル残基に基づいて、
(a)少なくとも90モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(b)少なくとも90モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含む請求項18に記載のポリエステル粒子。
【請求項20】
結晶化度が少なくとも35%であり、そして粒子のIt.V.が少なくとも0.74dL/gである請求項19に記載のポリエステル粒子。
【請求項21】
前記絶対値差が0.15dL/g以下である請求項19に記載のポリエステル粒子。
【請求項22】
前記絶対値差が0.05dL/g以下である請求項21に記載のポリエステル粒子。
【請求項23】
ポリエステル粒子100個当り1.0gより大きく、そしてポリエステル粒子100個当り100gより小さい粒子重量を有するポリエステル粒子であって、少なくとも75%の、ポリエステルポリマー中の、100モル%のカルボン酸成分残基及び100モル%のヒドロキシル成分残基基準で、
(a)少なくとも90モル%の、テレフタル酸若しくはテレフタル酸誘導体又はこれらの混合物の残基を含むカルボン酸成分及び
(b)少なくとも90モル%のエチレングリコールの残基を含むヒドロキシル成分を含んでなるバージンポリエステルポリマーを含み、ポリエステル粒子が、
少なくとも25%の結晶化度、
少なくとも0.77dL/gのIt.V.、押出ゾーンへ供給されるポリエステル粒子の中心及び表面の間のIt.V.の差の絶対値が0.15dL/g以下であり、10ppm以下のアセトアルデヒドレベルを有し、そして球状であるポリエステル粒子。
【請求項24】
前記ポリエステル粒子のバルクが少なくとも1.0立方メートルの体積を有する請求項23に記載のポリエステル粒子。
【請求項25】
前記絶対値差が0.15dL/g以下である請求項24に記載のポリエステル粒子。
【請求項26】
前記絶対値差が0.10dL/g以下である請求項25に記載のポリエステル粒子。
【請求項27】
前記絶対値差が0.05dL/g以下である請求項26に記載のポリエステル粒子。
【請求項28】
前記ポリエステル粒子が水中ペレタイザーから得られる請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項29】
前記ポリエステル粒子がリンを含む請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項30】
前記ポリエステル粒子がチタン含有触媒の存在下に重縮合することによって得られる請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項31】
前記ポリエステル粒子がチタンから実質的になる触媒の存在下に重縮合することによって得られる請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項32】
前記ポリエステル粒子がアンチモンを含む触媒の存在下に重縮合することによって得られる請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項33】
前記ポリエステル粒子がアンチモンから実質的になる触媒の存在下に重縮合することによって得られる請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項34】
前記ポリエステル粒子が再加熱速度増強剤を含む請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項35】
前記再加熱速度増強剤が元素状アンチモン、カーボンブラック、グラファイト又は黒色酸化鉄を含む請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項36】
前記ポリエステル粒子が歪み結晶化ポリエステルポリマーを含む請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項37】
前記ポリエステル粒子がポリエステル粒子を押出ゾーン中に供給する前に140℃又はそれ以上の温度で乾燥する請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項38】
前記ポリエステル粒子がポリエステル粒子lb/hr当り0.2〜5scfmのガス流速で乾燥される請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項39】
前記ポリエステル粒子が金属失活剤を含む請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項40】
前記ポリエステル粒子を溶融させて溶融ポリエステルポリマーを形成し、そしてこの溶融ポリエステルポリマーをヒートセット飲料ボトルに適した容器を形成する請求項1に記載のポリエステル粒子。
【請求項41】
ポリエステルポリマーから容器を形成するためのポリエステル粒子であって、
少なくとも15%の結晶化度及び少なくとも0.70dL/gのIt.V.を有する球状ポリエステル粒子を押出ゾーンに供給し、
押出ゾーンにおいて球状ポリエステル粒子を溶融して溶融ポリエステルポリマー組成物を形成し、そして
押出された溶融ポリエステルポリマーからシート又は成形部品を形成することを含んでなり、
押出ゾーンへ供給される球形状ポリエステル粒子の中心と表面とのIt.V.の絶対値差が0.25dL/g未満であり、そして球状ポリエステル粒子がそれを押出ゾーンへ導入する前に固相重合されておらず、そして
前記球形状ポリエステル粒子が、ポリエステルポリマー中のカルボン酸成分残基100モル%及びヒドロキシル成分残基100モル%に基づいて、
(a)テレフタル酸もしくはテレフタル酸の誘導体又はそれらの混合物の残基少なくとも92モル%を含むカルボン酸成分並びに
(b)エチレングリコール残基少なくとも92モル%を含むヒドロキシル成分を含んでなるポリエステル粒子。
【請求項42】
前記ポリエステル粒子の結晶化度が少なくとも40%である請求項41に記載のポリエステル粒子。
【請求項43】
前記絶対値差が0.05dL/g未満である請求項41に記載のポリエステル粒子。
【請求項44】
前記ポリエステル粒子がポリエステル粒子lb/hr当り0.2〜5scfmのガス流速で乾燥される請求項41に記載のポリエステル粒子。
【請求項45】
前記金属失活剤がポリエステル粒子を製造する溶融相へ添加される請求項41に記載のポリエステル粒子。
【請求項46】
前記溶融ポリエステルポリマーを射出成形してヒートセット飲料ボトルに適した容器を形成することを含む請求項41に記載のポリエステル粒子。
【請求項47】
前記ポリエステル粒子が水中ペレタイザーから得られる請求項41に記載のポリエステル粒子。
【請求項48】
前記ポリエステル粒子が歪み結晶化ポリエステルポリマーを含む請求項41に記載のポリエステル粒子。
【請求項49】
前記ポリエステル粒子が2ppm又はそれ以下のアセトアルデヒドレベルを有する請求項41に記載のポリエステル粒子。
【請求項50】
押出ゾーンへ供給される前記ポリエステル粒子のIt.V.が0.80dL/g又はそれ以上である請求項41に記載のポリエステル粒子。

【公開番号】特開2013−91795(P2013−91795A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−268661(P2012−268661)
【出願日】平成24年12月7日(2012.12.7)
【分割の表示】特願2005−62763(P2005−62763)の分割
【原出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(511182596)グルーポ ペトロテメックス,ソシエダ アノニマ デ カピタル バリアブレ (6)
【Fターム(参考)】