ポリエステル樹脂組成物の製造方法

【課題】分子量とガラス転移温が高く、耐熱性、成形性、耐加水分解性を向上したイソソルビド含有ポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】 ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステル樹脂100質量部に対して、架橋剤を0.05〜10.0質量部含み、ガラス転移温度が150℃以上であり、かつ還元粘度が0.50〜1.5dl/gであるポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、前記ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボンを含み、前記グリコール成分としてイソソルビドを3〜100モル%含み、前記架橋剤を添加する前のポリエステル樹脂の還元粘度が0.50dl/g以下、カルボキシル基価が30eq/ton以上であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性に優れ、成形材料として好適に使用しうるイソソルビド系ポリエステル樹脂組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有限な石油資源への配慮と、環境負荷の低減を目的とし、再生可能な植物資源由来の原料を利用した研究開発が盛んである。中でも、でんぷんの加水分解により生成するグルコースを還元、及び分子内脱水環化して得られるイソソルビドとジカルボン酸誘導体とから得られるポリエステルが知られている。
さらにイソソルビドは、共重合ポリエステル樹脂の耐熱性を高めるグリコール成分としても注目されている。特許文献1〜4はイソソルビドを共重合した結晶性樹脂、及びその製造方法が開示されている。しかしながら、イソソルビド共重合が少なく、耐熱性が不十分な樹脂や、それらの製造方法しか記述されていない。また、特許文献5では酸成分にシュウ酸ジフェニルを用いた非晶性樹脂が開示されている。この樹脂の耐熱性は特許文献1〜2の樹脂より優れるものの、反応中にフェノールが副生成するため、ポリマー中に残留する恐れや、環境に悪影響を与える恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3399465号公報
【特許文献2】特許3413640号公報
【特許文献3】特許4378791号公報
【特許文献4】特表2006−506485公報
【特許文献5】特許4692057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、従来技術では不十分であった高分子量化、耐熱性、成形性、耐加水分解性を向上したイソソルビド含有ポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
イソソルビドは二級のアルコールであるため、反応性が低い。特にグリコール成分に占めるイソソルビドの含有量を増やすほど、その影響が大きい。また、溶融重合において、イソソルビドの含有量を増やしていくと、反応が進むにつれて溶融粘度が増大し、高分子量で高いガラス転移温度を有するイソソルビド含有のポリエステル樹脂を得ることが難しくなる。一方、溶融粘度の影響を受けにくい溶液重合や界面重合でもイソソルビド含有のポリエステル樹脂を製造することは出来るが、ジカルボン酸成分に酸クロライド化合物を使用する必要があり、また得られるポリエステル樹脂を溶解させる有機溶剤が必要となる。溶液重合や界面重合で高分子量化や高ガラス転移温度を有するイソソルビド含有のポリエステル樹脂を得ることは可能ではあるが、イソソルビド含有量を増やしていくと、有機溶剤への溶解性が低下し、反応中にポリエステル樹脂が析出しやすくなる。さらに、ポリエステル樹脂中に酸クロライド由来の塩素が残存したり、多量の有機溶媒を使用することから環境に悪影響を与える恐れがある。そのため、ポリエチレンテレフタレートなどの通常のポリエステルを製造する溶融重合、溶液重合や界面重合では、イソソルビドの含有量が大きい場合、高分子量化や高いガラス転移温度を有するポリエステル樹脂を得ることが困難であった。イソソルビド含有量を少なくして、高分子量化や高いガラス転移温度を有するポリエステルを得ようとした場合、グリコール成分には、イソソルビドの代わりに分子鎖の運動性を低下させる化合物の含有量を増やし、さらに/または酸成分の原料にも分子鎖の運動性を低下させる化合物を導入する必要がある。ポリエステル樹脂やポリエステル樹脂組成物の分子鎖の運動性が高いと、高分子量化は容易でも高いガラス転移温度の達成が困難になる。
【0006】
本発明者らは、この課題を解決するため、溶融重合でのイソソルビド含有ポリエステル樹脂を予め低分子量で製造し、低分子量のポリエステル樹脂と架橋剤を混合し、鎖延長反応を行うことで、溶融重合の生産性を高め、高分子量で高いガラス転移温度のイソソルビド含有ポリエステル樹脂組成物が得られることを見出した。
【0007】
本発明は以下の構成を有するものである。
[1] ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステル樹脂100質量部に対して、架橋剤を0.05〜10.0質量部含み、ガラス転移温度が150℃以上であり、かつ還元粘度が0.50〜1.5dl/gであるポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、前記ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボンを含み、前記グリコール成分としてイソソルビドを3〜100モル%含み、前記架橋剤を添加する前のポリエステル樹脂の還元粘度が0.50dl/g以下、カルボキシル基価が30eq/ton以上であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
[2] 前記架橋剤が尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、及びカルボジイミド系架橋剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤であることを特徴とする[1]に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
[3] 前記ポリエステル樹脂と架橋剤を混練する機台が押出機であって、前記架橋剤を混練する際のバレル温度を[ポリエステル樹脂のガラス転移温度+30℃]以上の温度とし、押出機のスクリュー回転数を30rpm以上とし、混練時間を1分以上〜10分以内として架橋反応を行うことを特徴とする[1]〜[2]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
[4] 架橋反応後のポリエステル樹脂組成物のカルボキシル基価が50eq/ton以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
[5] 架橋剤を添加する前のポリエステル樹脂のガラス転移温度が130℃以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
[6] [1]〜[6]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする成形体。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法は、分子量やガラス転移温度が高く、耐熱性や耐薬品性に優れ、さらには耐加水分解性にも優れたポリマーを提供することができる。従って、本発明の製造方法により得られたポリエステル樹脂組成物は、成形品、繊維、塗料、コーティング剤等用の原料として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明におけるポリエステル樹脂は、主としてジカルボン酸成分とグリコール成分から構成されたものである。
ジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸を含む必要がある。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが上げられる。さらには、これらの誘導体(例えば、テレフタル酸ジメチル)を用いても良い。またこれらは無水物であってもよい。
脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などが例示できる。さらには、これらの誘導体(例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル)を用いても良い。またこれらは無水物であってもよい。
【0010】
芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸は、全ジカルボン酸成分に対し、40モル%以上共重合することが好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上が最も好ましい。芳香族カルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸が40モル%未満であると、得られるポリエステル樹脂の耐熱性が低くなるので好ましくない。なお、全ジカルボン酸成分とは、芳香族カルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、ヒドロキシカルボン酸成分、モノカルボン酸成分、3価以上のカルボン酸成分などの総和を示す。但し、脂肪族ジカルボン酸として、炭素数4以下(例えばシュウ酸、マロン酸など)を用いる場合は、ポリエステル樹脂の分子鎖が剛直性を示すため、芳香族カルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸が、全ジカルボン酸成分に対し、40モル%未満でも良い。
【0011】
その他のジカルボン酸成分として、脂肪族ジカルボン酸を共重合することが出来る。脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、オクタデカンニ酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。さらには、これらの誘導体(例えば、シュウ酸ジメチル)を用いても良い。またこれらは無水物であってもよい。
【0012】
グリコール成分としては、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(以降「イソソルビド」と呼び、下記に化学式を示す)を使用する必要がある。イソソルビドは、再生可能資源、例えば糖類およびでんぷんから容易に得ることができ、例えば、D−グルコースを水添し、脱水反応をすればイソソルビドを得ることができる。イソソルビドは、ロケット社などから入手することができる。
【0013】
【化1】

【0014】
イソソルビドは、全グリコール成分に対し、3〜100モル%共重合することが必要である。3モル%未満であると、ガラス転移温度を高める効果がほとんどないので好ましくない。ポリエステル樹脂の耐熱性を上げるためには、5モル%〜100モル%にすることが好ましく、10モル%〜100モル%がより好ましい。
なお、「全グリコール成分」とは、本発明にかかるポリエステル樹脂の構成成分とすることのできるジオール成分、ヒドロキシカルボン酸成分、モノアルコール成分、3価以上のアルコール成分などの総和を意味する。
【0015】
その他のグリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3(4)、8(9)−ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ(5.2.1.1/2.6)デカン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールC、ビスフェノールZ、ビスフェノールAP、4,4′−ビフェノールのエチレンオキサイド付加体またはプロピレンオキサイド付加体等の芳香族系グリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等、また、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル]フルオレン等の9,9−ビス(4−ヒドロキシC2−4アルコキシ−フェニル)フルオレン;9,9−ビス[3−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(3−ヒドロキシC2−4アルコキシ−フェニル)フルオレン;9,9−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(2−ヒドロキシC2−4アルコキシ−フェニル)フルオレン;9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−n−ブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル]フルオレン等の9,9−ビス(4−ヒドロキシC2−4アルコキシ−C1−4アルキルフェニル)フルオレン;9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル]フルオレン等の9,9−ビス(4−ヒドロキシC2−4アルコキシ−ジC1−4アルキルフェニル)フルオレン;9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−アリールフェニル]フルオレン;9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−アラルキルフェニル]フルオレン等が例示できる。
中でも、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]フルオレンが好ましい。
【0016】
本発明に係るポリエステル樹脂のカルボキシル基量は、30eq/ton以上である。カルボキシル基量が、30eq/ton以上であることにより、下記で説明する架橋剤がカルボジイミド化合物の場合、ポリエステル樹脂との反応性が高くなり、高分子量のポリエステル樹脂組成物が得られる。ポリエステル樹脂のカルボキシル基量は、40eq/ton以上であることがより好ましく、70eq/ton以上であることがさらに好ましい。ポリエステル樹脂のカルボキシル基量は、200eq/ton以下が好ましい。ポリエステル樹脂のカルボキシル基量が200eq/tonを超えると、後述する架橋反応を行っても、ポリエステル樹脂組成物のカルボキシル基量が高くなり、ポリエステル樹脂組成物の耐加水分解性が低くなる場合がある。
【0017】
本発明に係るポリエステル樹脂のガラス転移温度は、130℃以上が好ましい。ガラス転移温度を130℃以上にするためには、例えば、芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸を全ジカルボン酸成分に対し、40モル%以上共重合し、イソソルビドを全グリコール成分に対し、60〜100モル%共重合することで得ることができる。また、イソソルビドが、全グリコール成分に対し、3〜60モル%であっても、全グリコール成分に対し、イソソルビドと、1,4−シクロヘキサンジメタノール、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]フルオレン等の脂環族ジオールの合計が、80モル%以上であれば良い。
【0018】
本発明に係るポリエステル樹脂には、ガラス転移温度の調整などの目的に応じて、ヒドロキシカルボン酸を用いることが出来る。ヒドロキシカルボン酸成分の全カルボン酸成分の20モル%以下とすることが好ましい。ヒドロキシカルボン酸成分の割合が20モル%よりも高いと、ガラス転移温度が下がるので好ましくない。
【0019】
ヒドロキシカルボン酸成分としては、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、乳酸、オキシラン、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、10−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0020】
少量であれば、3官能以上のカルボン酸成分やアルコール成分を共重合成分として添加してもよい。
3官能以上のカルボン酸成分としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水べンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸等の芳香族カルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族カルボン酸が挙げられる。
3官能以上のアルコール成分としては、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、α−メチルグルコース、マニトール、ソルビトールが挙げられる。
【0021】
これらは必ずしも1種類で用いる必要はなく、樹脂に対し付与したい特性に応じて複数種以上混合して用いることが可能である。このとき、3官能以上のモノマーの割合としては、全カルボン酸成分または全アルコール成分に対して0.2〜5モル%程度が適当である。0.2モル%未満では添加した効果が発現せず、5モル%を超える量を含有せしめた場合には、重合の際、ゲル化点を超えゲル化が問題になる場合がある。
【0022】
また、本発明に係るポリエステル樹脂には、モノカルボン酸、モノアルコールが共重合されていてもよい。モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸等、モノアルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0023】
本発明に係るポリエステル樹脂は前記のモノマーを組み合わせて、公知の重合釜で製造することができる。
本発明に係るポリエステル樹脂は、直接エステル化反応と重縮合反応による製造法、あるいはエステル交換反応と重縮合反応による製造法のいずれの方法によっても生産することができる。前記の反応は、回分式反応装置で行っても良いし、連続式反応装置で行っても良い。
連続式反応装置(連続式重縮合法)では、エステル化反応、エステル交換反応及び溶融重縮合反応はそれぞれ1段階で行ってもよいが、複数の段階に分けて行うのが好ましい。エステル化反応またはエステル交換反応を複数の段階に分けて行う場合、反応缶数は2缶〜3缶が好ましい。また、溶融重縮合を複数の段階に分けて行う場合、反応缶数は3缶〜7缶が好ましい。
【0024】
本発明に係るポリエステル樹脂を連続式重縮合法で製造する場合、全ジカルボン酸またはそのエステル誘導体1モルに対して1.02〜3.5モル、好ましくは1.05〜3.0モルの全てのグリコ−ルを含有するスラリ−を調製し、オリゴマーを含有するエステル化反応工程に連続的に供給する。イソソルビドは2級アルコールであるため、1級アルコールと比べて、反応性が低い。そのため、エステル化反応温度は180〜270℃であり、好ましくは200〜265℃である。また、反応缶内の圧力は通常0.4MPa以下、好ましくは0.01〜0.35MPaである。また、重縮合反応の温度は通常255〜320℃であり、好ましくは260〜300℃であり、反応缶内の圧力は通常1.5hPa以下、好ましくは0.5hPa以下である。エステル化反応の反応時間は5時間以下が好ましく、特に好ましくは2〜4時間である。また、重縮合反応の反応時間は5時間以下が好ましく、特に好ましくは1〜3時間である。なお、反応時間は所望の反応温度になってから、つづく重縮合反応までの時間とする。
【0025】
本発明に係るポリエステル樹脂を回分式重縮合法で製造する場合、エステル化反応温度は180〜170℃であり、好ましくは200〜265℃である。また、反応缶内の圧力は通常0.2〜0.4MPa、好ましくは0.25〜0.35MPaである。また、重縮合反応は1段階で行っても、複数段階に分けて行ってもよい。1段階で行う場合は、漸次減圧および昇温を行い、最終的な温度を255〜320℃、好ましくは260〜300℃の範囲とし、最終的な圧力を、通常3hPa以下、好ましくは0.5hPa以下とする。エステル化反応の反応時間は4時間以下が好ましく、特に好ましくは2〜3時間である。また、重縮合反応の反応時間は5時間以下が好ましく、特に好ましくは1〜3時間である。
【0026】
次に、連続式エステル交換反応によって低重縮合体を製造する場合は、ジカルボン酸誘導体(例えばテレフタル酸ジメチル)1モルに対して1.1〜3.5モル、好ましくは1.2〜3.0モルのグリコールを含有する溶液を調製し、これをエステル交換反応工程に連続的に供給する。エステル交換反応温度は通常180〜270℃であり、好ましくは200〜265℃である。エステル交換法の場合、重縮合触媒以外にエステル交換触媒を使用することが必要である。得られた低重縮合体を前記の連続式重縮合と同様に反応させる。
【0027】
また、回分式エステル交換反応によって低重縮合体を製造する場合は、回分式反応器にジカルボン酸誘導体(例えばテレフタル酸ジメチル)1モルに対して1.5〜3.5モル、好ましくは2.0〜3.0モルのグリコールとジカルボン酸誘導体を投入してエステル交換触媒存在下に反応を行う。得られた低重縮合体を前記のエステル化反応による場合と同様にして重縮合させる。
【0028】
なお、組成によっては、グリコール成分とともにイソソルビドが留去し、留去液からイソソルビドが析出する場合があるが、その場合は、留去ラインを40〜80℃に加熱することで、グリコール成分に対し析出したイソソルビドを溶解させ、留去ラインから排出することができるため好ましい。
【0029】
また、一般的にポリエステル樹脂に所望のカルボキシル基やヒドロキシル基を付与する場合には、前記の重縮合反応に引き続き、多塩基酸成分や多価グリコール成分をさらに添加し、不活性雰囲気下、解重合を行うことができる。
【0030】
エステル化反応またはエステル交換反応および重縮合反応の触媒として、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物の少なくとも1種を用いることができる。前記アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイド等が挙げられる。これらの中でも、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイドが好ましく、特に好ましくは三酸化アンチモンである。これらのアンチモン化合物は、生成するポリエステルに対して50〜400ppm含有させることが好ましく、さらに好ましくは100〜350ppmであり、特に好ましくは150〜300ppmである。アンチモン化合物が50ppm未満ではエステル化反応またはエステル交換反応および重縮合反応速度が遅く、生産性が悪化する。また、各反応時間が長くなってしまい、色調などの品質悪化が生じる。アンチモン化合物が400ppmより多くなると、異物の増加や、ポリエステルの分解反応が促進され、色調などの品質悪化が生じる。
【0031】
また、前記ゲルマニウム化合物としては、例えば、結晶性二酸化ゲルマニウム、非晶性二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド、亜リン酸ゲルマニウム等の化合物等が挙げられる。これらの中でも、結晶性二酸化ゲルマニウム、非晶性二酸化ゲルマニウムがさらに好ましく、特に好ましくは非晶性二酸化ゲルマニウムである。これらのゲルマニウム化合物は、生成する共重合ポリエステルに対して10〜1000ppm含有させることが好ましく、さらに好ましくは30〜800ppmであり、特に好ましくは50〜500ppmである。ゲルマニウム化合物が10ppm未満ではエステル化反応またはエステル交換反応および重縮合反応速度が遅く、生産性が悪化する。また、各反応時間が長くなってしまい、色調などの品質悪化が生じる。ゲルマニウム化合物が1000ppmより多くなると、異物の増加や、ポリエステルの分解反応が促進され、色調などの品質悪化が生じる。
【0032】
また、前記チタン化合物としては、例えば、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のテトラアルキルチタネート及びそれらの部分加水分解物、酢酸チタン、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン、チタンハロゲン化物の加水分解物、シュウ化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸アンモニウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、チタンアセチルアセトナート、ヒドロキシ多価カルボン酸又は含窒素多価カルボン酸とのチタン錯体物、チタン及び珪素或いはジルコニウムからなる複合酸化物、チタンアルコキサイドとリン化合物の反応物等が挙げられる。これらの中でも、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラブトキシド、シュウ酸チタニルカリウムが好ましく、特に好ましくはチタニウムテトラブトキシドである。これらのチタン化合物は、生成するポリエステルに対して10〜500ppm含有させることが好ましく、さらに好ましくは20〜400ppmであり、特に好ましくは30〜300ppmである。チタン化合物が10ppm未満ではエステル化反応またはエステル交換反応および重縮合反応速度が遅く、生産性が悪化する。また、各反応時間が長くなってしまい、色調などの品質悪化が生じる。チタン化合物が400ppmより多くなると、異物の増加や、ポリエステルの分解反応が促進され、色調などの品質悪化が生じる。
【0033】
また、前記アルミニウム化合物としては、蟻酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム等のカルボン酸塩、酸化物、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム等の無機酸塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド等のアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネ−ト、アルミニウムアセチルアセテ−ト等とのアルミニウムキレ−ト化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物等が挙げられる。これらの中でも、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、およびアルミニウムアセチルアセトネ−トが特に好ましい。これらのアルミニウム化合物は、生成ポリエステルに対して10〜200ppm含有させることが好ましく、さらに好ましくは15〜150ppmであり、特に好ましくは15〜100ppmである。
アルミニウム化合物が10ppm未満ではエステル化反応またはエステル交換反応および重縮合反応速度が遅く、生産性が悪化する。また、各反応時間が長くなってしまい、色調などの品質悪化が生じる。アルミニウム化合物が200ppmより多くなると、異物の増加や、色調などの品質悪化が生じる。
【0034】
また、本発明に係るポリエステルの製造においては、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を併用してもよい。アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物としては、これら元素の酢酸塩等のカルボン酸塩、アルコキサイド等が挙げられ、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液等として反応系に添加される。
【0035】
直接エステル化法の場合、前記重縮合触媒は、エステル化反応開始前、あるいは加圧エステル化反応終了後から初期重縮合反応開始前までの任意の時点で添加することができる。但し、アンチモン化合物またはチタン化合物を重縮合触媒として使用する場合には、エステル化反応前に添加することが好ましい。また、他の重縮合触媒、熱安定剤、添加物はエステル化反応後に添加することが好ましい。
また、エステル交換法の場合には、前記重縮合触媒は、エステル交換反応開始前から初期重縮合反応開始前までの任意の時点で添加することができる。但し、チタン化合物は、重縮合触媒としての機能だけでなくエステル交換触媒としての機能も有するので、エステル交換反応開始前に添加することが好ましい。また、他の重縮合触媒、熱安定剤、添加物はエステル交換反応終了後からに添加することが好ましい。エステル交換触媒としては、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム、チタニウムテトラブトキサイドなどのチタン化合物などが好適である。エステル交換触媒は、エステル交換反応開始前に添加することが必要である。
【0036】
また、安定剤としてリン化合物を使用することができる。リン化合物としては、例えば、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体等が挙げられる。好適な具体例としては、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリブチル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、エチルホスホン酸ジメチル、フェニールホスホン酸ジメチル、フェニールホスホン酸ジエチル、フェニールホスホン酸ジフェニールが挙げられる。これらの中でも、リン酸トリメチル、リン酸が特に好適である。これらのリン化合物は、生成するポリエステルに対して10〜200ppm含有させることが好ましく、さらに好ましくは15〜150ppmであり、特に好ましくは15〜100ppmである。リン化合物が10ppm未満ではエステル化反応またはエステル交換反応および重縮合反応速度が遅く、生産性が悪化する。また、各反応時間が長くなってしまい、色調などの品質悪化が生じる。リン化合物が200ppmより多くなると、異物の増加や、色調などの品質悪化が生じる。
【0037】
ポリエステル樹脂の色調改善のためにコバルト化合物を配合することができる。このコバルト化合物の添加により、特にカラーb値を小さくすることができる。コバルト化合物はコバルト原子としてポリエステルに対して5〜100ppm含有させることが好ましく、さらに好ましくは10〜80ppm、特に好ましくは10〜50ppmの範囲である。コバルト原子の含有量が上記範囲を越えると、コバルト金属の還元によりポリエステルが黒ずんだり、青味が強くなったりし、商品価値が低下する。コバルト化合物としては、酢酸コバルト、塩化コバルト、安息香酸コバルト、クロム酸コバルト等が挙げられる。これらの中では、酢酸コバルトが好ましい。
【0038】
上記の連続式重縮合法または回分式重縮合法で得られた共重合ポリエステルは、通常、反応缶の底部に設けた抜き出し口からストランド状に抜き出し、水冷後、チップ状にカットされる。
【0039】
本発明に係るポリエステル樹脂の製造においても、一般的なポリエステル樹脂を製造する場合と同様に解重合を行い、所望のカルボキシル価やヒドロキシル基価を付与することができる。
【0040】
本発明では、架橋剤を含有させる必要がある。用いる架橋剤としては、上記したポリエステルに存在する官能基、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基等と架橋反応し得るものを用いればよい。例えば、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、尿素系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤、ポリアミド系樹脂、アミドエポキシ化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤等を用いることができる。これらのうち、ポリエステル樹脂との反応性の点から、尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、及びカルボジイミド系架橋剤から選ばれた少なくとも1種が好ましい。中でも、カルボジイミド系架橋剤がより好ましい。
【0041】
架橋剤は、重縮合反応後に得られるポリエステル樹脂100質量部に対して、0.05〜10.0質量部添加させることができ、好ましくは0.1〜10.0質量部であり、より好ましくは、1.0〜10.0質量部の範囲である。架橋剤の量が0.05質量部未満では、ポリエステル樹脂の分子量やガラス転移温度を向上させる効果が小さく、10.0質量部を超えると、ポリエステル樹脂組成物中に多くの未反応の架橋剤が残存することがあり、品質のばらつきや臭気が問題となる。
【0042】
カルボジイミド系架橋剤としては、モノカルボジイミド化合物やポリカルボジイミド化合物が挙げられる。例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド等を挙げることができる。これらの中でも、ポリカルボジイミド化合物が好ましい。例えば、市販品では日東紡社製のカルボジライトLA−1が挙げられる。
【0043】
ポリカルボジイミド化合物としては、従来公知の方法で製造したものを使用することができる。例えば、ジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりイソシアネート末端ポリカルボジイミドを合成することにより製造することができる。
【0044】
ポリカルボジイミド化合物の合成原料であるジイソシアネートとしては、例えばトルイレンジイソシアネートの異性体類、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネート等の芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート及び4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、および2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類が挙げられる。黄変の問題から、芳香族脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類が好ましい。
また、上記ジイソシアネートは、モノイソシアネート等の末端イソシアネートと反応する化合物を用いて、分子を適当な重合度に制御して使用しても差し支えない。このようにポリカルボジイミドの末端を封止してその重合度を制御するためのモノイソシアネートとしては、例えばフェニルイソシアネート、トルイレンイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が挙げられる。また、この他にも末端封止剤としてOH基、−NH基、COOH基、SOH基を有する化合物を使用することができる。
【0045】
ジイソシアネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応は、カルボジイミド化触媒の存在下に進行する。触媒としては、例えば1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドや、これらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシドなどが挙げられ、反応性の面から3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシドが好ましい。なお、上記触媒の使用量は触媒量とすることができる。
【0046】
メラミン系架橋剤としては、特に限定されないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、あるいはこれらの混合物等を用いることができる。また、メラミン系架橋剤としては、モノマー、2量体以上の多量体からなる縮合物、あるいはこれらの混合物等を用いることができる。エーテル化に使用する低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等を用いることができる。メチル化トリメチロールメラミン、ブチル化ヘキサメチロールメラミン等のメチロール化メラミン樹脂が好ましいものとして挙げられる。さらに、メラミン系架橋剤の反応を促進するため、例えば、p−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用いてもよい。
【0047】
また、オキサゾリン系架橋剤は、化合物中に官能基としてオキサゾリン基を有するものであれば特に限定されるものではないが、オキサゾリン基を含有するモノマーを少なくとも1種以上含み、かつ、少なくとも1種の他のモノマーを共重合させて得られるオキサゾリン基含有共重合体からなるものが好ましい。
オキサゾリン基を含有するモノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を用いることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することもできる。中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
【0048】
オキサゾリン基含有共重合体において、オキサゾリン基を含有するモノマーと共に用いられる少なくとも1種の他のモノマーとしては、オキサゾリン基を含有するモノマーと共重合可能なモノマーであれば、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲン−α,β−不飽和モノマー類;スチレン、α−メチルスチレン等のα,β−不飽和芳香族モノマー類等を用いることができ、これらは1種または2種以上の混合物を使用することができる。
また、オキサゾリン基含有ポリマーとしては、例えば、「エポクロス(登録商標)」シリーズ(日本触媒社製)が入手可能である。
【0049】
イソシアネート系架橋剤は、化合物中に官能基としてイソシアネート基を有するものであれば特に限定されるものではないが、1分子中にイソシアネート基を2個以上含む多官能性イソシアネート化合物の使用が好ましい。
多官能性イソシアネート化合物としては、低分子または高分子の芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートを用い得る。ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、およびこれらのイソシアネート化合物の3量体がある。さらに、これらのイソシアネート化合物の過剰量と、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子活性水素化合物、またはポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類等の高分子活性水素化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物を挙げることができる。
【0050】
なお、イソシアネート化合物を架橋剤として用いる場合に、ブロック型イソシアネート化合物を用いることも可能である。ブロック化イソシアネートは、上記イソシアネート化合物とブロック化剤とを従来公知の方法により付加反応させて調製することができる。イソシアネートブロック化剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類;チオフェノール、メチルチオフェノール等のチオフェノール類;アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール等のハロゲン置換アルコール類;t−ブタノール、t−ペンタノール等の第3級アルコール類;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピルラクタム等のラクタム類;芳香族アミン類;イミド類;アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステル等の活性メチレン化合物;メルカプタン類;イミン類;尿素類;ジアリール化合物類;重亜硫酸ソーダ等を挙げることができる。
【0051】
エポキシ系架橋剤としては、化合物中に官能基としてエポキシ基を有するものであれば特に限定されるものではないが、1分子中にエポキシ基を2個以上含む多官能性エポキシ化合物の使用が好ましい。
多官能性エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0052】
上記架橋剤として、アルキル化フェノール類、クレゾール類等のホルムアルデヒドとの縮合物のフェノールホルムアルデヒド樹脂;尿素、メラミン、ベンゾグアナミン等とホルムアルデヒドとの付加物、この付加物と炭素原子数が1〜6のアルコールからなるアルキルエーテル化合物等のアミノ樹脂等も使用できる。
【0053】
本発明に係るポリエステル樹脂の還元粘度は(測定方法は下記で示す)は0.50dl/g以下、好ましくは0.48dl/g以下、特に好ましくは0.45dl/g以下である。還元粘度が0.50dl/gより高いと、ガラス転移温度が130℃以上のポリエステル樹脂は溶融重合中の溶融粘度が高いため、反応容器からポリエステル樹脂を抜き出すことが困難になる。反応容器内の温度を上げて、ポリエステル樹脂の溶融粘度を下げることでポリエステル樹脂を抜き出しやすくすることは可能であるが、温度を高くすると、ポリエステル樹脂の分解が促進されるため、ポリエステル樹脂の分子量低下など、品質が悪化する。また、還元粘度の下限としては、反応容器から抜き出す際の溶融粘度を確保するために、0.20dl/g以上であることが好ましい。
【0054】
本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、上記ポリエステル樹脂と上記架橋剤が反応して鎖延長したものである。一部、架橋剤が未反応で残る場合もあることから、組成物と称する。
【0055】
本発明に係るポリエステル樹脂組成物のカルボキシル基量は、50eq/ton以下であることが好まく、40eq/ton以下がさらに好ましく、30eq/ton以下が更に好ましい。カルボキシル基量が50eq/tonを超えると、ポリエステル樹脂組成物の耐加水分解性が低くなり、成形品、繊維、塗料、コーティング剤等用の原料として十分な耐久性が得られない場合がある。
カルボキシル基量は少ない方が好ましいが、生産性の点から0.1eq/tonが下限であると考える。
【0056】
本発明に係るポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度は、150℃以上である。170℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましく、190℃以上がさらに好ましい。
ガラス転移温度を150℃以上にするためには、本発明に係るポリエステル樹脂を上記の組成にすることと、架橋剤との配合比を上記の通りにすることで得られる。
【0057】
本発明に係るポリエステル樹脂組成物の数平均分子量は、5,000以上とすることが好ましく、10,000以上であることがより好ましい。数平均分子量が5,000未満では、成形した際にポリエステルの強度が不十分であり、割れてしまうので好ましくない。一方、本発明のポリエステル樹脂組成物の数平均分子量の上限は100,000であることが好ましい。数平均分子量が100,000を超えると溶融粘度が高く、成形時のポリエステル樹脂組成物の流動性が低下し、成形性が悪化する。
【0058】
本発明に係るポリエステル樹脂組成物の還元粘度(測定方法は下記で示す)は、0.50〜1.5dl/gであり、0.55〜1.3dl/gであることが好ましい。還元粘度が0.50dl/g未満では、成形した際にポリエステルの強度が不十分であり、割れてしまうので好ましくない。還元粘度が1.5dl/gを超えると溶融粘度が高く、成形時のポリエステル樹脂組成物の流動性が低下し、成形性が悪化する。ここで、上記ポリエステル樹脂の還元粘度の記載は、主に反応缶内における溶融重合中の生産性に関わることであるが、該ポリエステル樹脂組成物の還元粘度に関する記載は、ポリエステル樹脂組成物の物性に関わることである。
【0059】
また、本発明のポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料、染料、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、セルロース誘導体等、また、顔料分散剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤などの添加剤を配合することが出来る。
【0060】
発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂と架橋剤の合計が、組成物中において、70質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することがより好ましく、90質量%以上含有することがさらに好ましい。
【0061】
架橋剤をポリエステル樹脂と反応させる機台は、既存の縦型反応缶、横型反応缶、一軸押出機、二軸押出機、四軸押出機、スタティックミキサーなどが使用できる。これらの中でも一軸押出機、二軸押出機、四軸押出機、スタティックミキサーが好ましく、さらに好ましくは二軸押出機、四軸押出機であり、特に好ましくは二軸押出機である。二軸押出機型反応器の場合、L/D(スクリュー口径に対するスクリュー長の比)は20以上が好ましく、より好ましくはL/D=20〜100、特に好ましくはL/D=25〜100である。L/Dが20以上あれば、バレル温度が「前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度+30℃」以上の温度で二軸押出機単独で架橋反応を完結させる滞留時間を確保することができる。吐出量を下げれば、L/Dが20以下でも架橋反応を完結させる滞留時間を確保することはできるが、生産性が低くなる。また、L/Dが20以下でもバレル温度を上げることで、架橋反応を進めることは可能だが、押出機のダイヘッドから吐出されるポリエステル組成物の温度も高くなり、熱分解が促進されてしまう。L/Dが100以下であれば、滞留時間が長すぎず、熱分解を抑制して架橋反応を完了させることができる。L/Dが100より大きくとも、吐出量を上げることで滞留時間を下げたり、バレル温度を下げることで熱分解反応を抑制することはできるが、機台コストが高い。実用上、L/Dは、100以下がコスト面からも好ましい。
【0062】
バレル温度は、「前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度+30℃」以上が好ましく、より好ましくは「前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度+30℃」〜「前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度+200℃」、特に好ましくは「前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度+50℃」〜「前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度+180℃」である。「前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度+30℃」以上であれば、ポリエステル樹脂が流動しやすくなり、鎖延長反応を行なうことができ、「前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度+200℃」以下であれば、ポリエステル樹脂の熱分解を最小限にしながら、架橋反応を行なうことができる。各バレル温度は、上記範囲であれば一定でもよく、バレルゾーン毎に温度を変更してもよい。
【0063】
二軸押出機のスクリュー回転数は30rpm以上が好ましく、より好ましくは50〜1000rpm、特に好ましくは30〜500rpmである。スクリュー回転数が30rpm以上あれば架橋反応を短時間に行なうことができ、スクリュー回転数が1000rpm以下であれば、スクリュー回転によるせん断発熱を低く抑えることができ、ポリエステル樹脂溶融時や架橋反応時の熱分解を抑えることができる。
【0064】
二軸押出機内の架橋反応時間は、1〜10分が好ましく、より好ましくは1〜8分以内、特に好ましくは1〜6分以内である。架橋反応時間が10分以内であれば、ポリエステル樹脂溶融時や架橋反応時の熱分解を抑えることができる。架橋反応時間が1分以上であれば、ポリエステル樹脂と架橋剤との反応を完了させることができる。
【0065】
バレル温度やスクリュー回転数を上記した範囲に設定し、さらに架橋反応に供するポリエステル樹脂および架橋剤中の水分量を低くすることで、架橋反応を十分に行なうことができる。
【0066】
ポリエステル樹脂は二軸押出機へ供給する前に公知の方法で乾燥して水分量を1000ppm以下にしたポリエステル樹脂を使用することができる。好ましくは800ppm以下、特に好ましくは500ppm以下である。ポリエステル樹脂中の水分量が1000ppm以下であれば、ポリエステル樹脂溶融時や架橋反応時の加水分解を抑えることができる。
また、二軸押出機でポリエステル樹脂を溶融させるときに減圧脱気すれば、未乾燥のポリエステル樹脂を使用することもできる。二軸押出機型反応器内でポリエステル樹脂の溶融減圧脱気は公知の真空ポンプ、エジェクターを用いることができ、減圧度は0.0133〜13.3kPa abs.、好ましくは0.0133〜6.67kPa abs.、特に好ましくは0.0133〜4.00kPa absである。減圧度13.3kPa abs以下であれば、未乾燥ポリエステル樹脂を予め水分除去する必要がなく、ポリエステルチップ溶融時の加水分解を防ぐことができる。減圧脱気時間は2〜180秒、好ましくは2〜120秒、更に好ましくは2〜90秒である。2秒以上あれば、減圧度0.0133〜13.3kPa abs.で、ポリエステルチップ溶融時に水分除去が可能となり、加水分解を防ぐことができる。減圧脱気時間を180秒以上かけると、ポリエステル樹脂が溶融ゾーンで熱分解を起こしやすくなり、ポリエステル樹脂が分子量低下を起こす傾向にある。
【0067】
架橋剤に含まれる水分量は、1000ppm以下が好ましく、より好ましくは800ppm以下、特に好ましくは500ppm以下である。架橋剤に含まれる水分量が1000ppm以下であれば、鎖延長反応時の加水分解を抑えることができる。架橋剤に含まれる水分量は、0ppmに近い方が望ましいが、0にすることは技術的に困難であり、下限は1ppmである。
【0068】
ポリエステル樹脂と架橋剤の混合は、空気下、窒素などの不活性ガス雰囲気下、もしくは不活性ガスで混合槽内の雰囲気を置換し、不活性ガスで加圧・減圧しながら行なっても良い。
架橋剤はポリエステル樹脂の重縮合中に添加しても良いし、押出機やスタティックミキサーに投入する直前にポリエステル樹脂と混合しても良い。架橋剤は一括もしくは分割でポリエステル樹脂に添加することが出来る。架橋剤とポリエステル樹脂の反応はバッチ式、半連続式、連続式のいずれでも行うことができる。
【0069】
該架橋剤中の水分量の測定方法や制御方法は限定されない。例えば、水分量の測定方法としては、近赤外線分光光度計やガスクロを用いてオンラインで計測する方法や、定期的にサンプリングしてカールフイシャー法でオフライン分析する方法等が挙げられる。
近赤外線分光光度計を用いて定量することによりオンライン計測する場合の計測装置、計測検出器の設置場所および測定波長は限定されない。
計測器はオンラインで連続的に測定可能な近赤外分光光度計であれば、特に限定されない。例えば、NIRSシステムズ社(ニレコ社)、BRAN LUEBBEおよび横河電機社製の近赤外オンライン分析計等の市販品を使用してもよいし、本目的のためにシステム化した装置を製作して対応してもよい。
水分量定量のための近赤外線の測定波長は限定されない。水分既知のグリコールサンプルを用いて、感度が高く、かつ外乱の少ない波長を調査して適宜設定して検量線を作成して計測するのが好ましい。また、複数の波長を組み合わせた検量線より算出してもよい。
【実施例】
【0070】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ポリエステル樹脂、及びポリエステル樹脂組成物の特性は以下の方法に従って測定した。
【0071】
(1)還元粘度(dl/g)
ヤマト科学製真空乾燥機DP61型を用いて60℃、12時間、130Pa abs.以下で真空乾燥したポリエステル樹脂(組成物)0.05gをフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=6/4(質量比)混合溶媒25mlに90℃で溶解し、30℃に調整した後、オストワルド粘度管を使用して、30℃での溶液粘度から求めた。計算は、次式に従って行った。
ηsp =(T1−To)/To
ηsp/c =ηsp/4W
(ここで、ηsp:比粘度、
ηsp/c:還元粘度(dl/g)
T1:試料溶液の落下秒数(秒)
To:溶媒のみの落下秒数(秒)
W:ポリエステル樹脂(組成物)量(g))
【0072】
(2)カルボキシル基量(eq/ton)
以下、ポリエステル樹脂(組成物)のカルボキシル基量の測定方法を示す。
A.試料の調整
ヤマト科学製真空乾燥機DP61型を用いて60℃、12時間、130Pa abs.以下で真空乾燥したポリエステル樹脂(組成物)を、天秤を用いて0.20±0.0005gの範囲に秤量する。そのときの質量をW(g)とする。試験管にベンジルアルコール10mlと秤量した試料を加え、試験管を205℃に加熱したベンジルアルコール浴に浸し、ガラス棒で攪拌しながら試料を溶解する。溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれA、B、Cとする。次いで、新たに試験管を用意し、ベンジルアルコールのみ入れ、同様の手順で処理し、溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれa、b、cとする。
B.滴定
予めファクターの分かっている0.04mol/l水酸化カリウム溶液(エタノール溶液)を用いて滴定する。指示薬はフェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とし、水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を求める。サンプルA、B、Cの滴定量をXA、XB、XC(ml)とする。サンプルa、b、cの滴定量をXa、Xb、Xc(ml)とする。
C.カルボキシル基量の算出
各溶解時間に対しての滴定量XA、XB、XCを用いて、最小2乗法により、溶解時間0分での滴定量V(ml)を求める。同様にXa,Xb,Xcを用いて、滴定量V0(ml)を求める。次いで、次式に従いカルボキシル基量を求めた。
カルボキシル基価(当量/トン)=[(V−V0)×0.04×NF×1000]/W
NF:0.04mol/l水酸化カリウム溶液のファクター
W:試料質量(g)
【0073】
(3)ガラス転移温度(℃)
ヤマト科学製真空乾燥機DP61型を用いて60℃、12時間、130Pa abs.以下で真空乾燥したポリエステル樹脂(組成物)5〜8mgをDSC用のアルミパンに入れ、TAインスツルメント社製DSC2920を用いて測定した。窒素雰囲気下、30〜300℃の範囲を20℃/分の速度で昇温し、得られたガラス転移に由来する2つの変曲点の中間値を求め、これをガラス転移温度とした。
【0074】
(4)ポリエステル樹脂の組成比
トリフルオロ酢酸を添加した重クロロホルム溶媒にポリエステル樹脂を溶解し、400MHz 1H−NMRを測定して、ピークの積分値から組成比を定量した。
【0075】
(5)架橋剤中の水分量測定
試料2〜10gを注射器に採取し、精秤した試料を平沼産業(株)製のカール・フィッシャー電量滴定法水分測定装置AQ−7に注入し、測定を行った。
(6)ポリエステル樹脂中の水分量測定
(三菱化学製のカール・フィッシャー 微量水分測定 装置CA−100型と水分気化装置VA−100にて測定)三菱化学製の水分気化装置VA−100を、予め乾燥筒2本(シリカゲルと五酸化リンを充填)で乾燥した、窒素ガスを流速250ml/分で流しながら、加熱炉をポリエステル樹脂のTg+30℃以上に加熱して、試料ボードを加熱炉に入れ、加熱炉と試料ボードから得られた乾燥窒素が無水になっていることを、微量水分測定 装置CA−100で確認した後、試料 3gを乾燥しておいた専用サンプル容器に精秤し、速やかに、サンプルを試料ボードに入れた。サンプルから気化した水分は、乾燥窒素によって、微量水分測定 装置CA−100型に運ばれカール・フィッシャー滴定され、水分率を求めた。
【0076】
(7)成形性
ヤマト科学製真空乾燥機DP61型を用いてヤマト科学製真空乾燥機DP61型を用いて60℃、12時間、130Pa abs.以下で真空乾燥したポリエステル樹脂組成物を用いた。成形中にポリエステル樹脂組成物の吸湿を防止するために、成形材料ホッパー内は乾燥窒素でパージを行った。M−150C(DM)射出成形機にて、フィードスクリュー回転数70%、スクリュー回転数120rpm、背圧0.5MPa、金型温度50℃、シリンダ温度はホッパー直下から順に45℃、300℃、以降、ノズルを含め、300℃に設定して段付成形板を成形し、成形性を目視で判断した。
○:成形板の割れなし
△:成形板に僅かな割れ目が見られる
×:成形板割れあり
【0077】
(8)耐加水分解性
カルボキシル基量が50eq/tonを超えると、ポリエステル樹脂組成物の耐加水分解性が低くなり、成形品、繊維、塗料、コーティング剤等用の原料として十分な耐久性が得られない場合があることから、以下のように判定した。また、カルボキシル基量が50eq/ton以下であっても、ポリエステル樹脂組成物の還元粘度が0.50dl/g未満であると、ポリエステル樹脂組成物の耐加水分解性が低下することも考慮した。
○:ポリエステル樹脂組成物のカルボキシル基量が50eq/ton以下、かつ還元粘度が0.50dl/g以上のとき
△:ポリエステル樹脂組成物のカルボキシル基量が50eq/ton以下、かつ還元粘度が0.50dl/g未満のとき
×:ポリエステル樹脂組成物のカルボキシル基量が50eq/tonを超えるとき
【0078】
(実施例1)
撹拌機、温度計、コンデンサーを有する容量2LのSUS製オートクレーブにジカルボン酸成分として、テレフタル酸300.7質量部(1.81モル)、グリコール成分として、イソソルビド756.5質量部(5.18モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.71質量部を仕込んだ。その後、0.25MPa Gまで加圧し、250℃まで昇温し、180分間エステル化反応を行った。常圧まで放圧した後、300℃まで昇温しながら徐々に減圧し、60分間かけて10Pa abs.とした。その後、300℃、10Pa abs.以下で、60分間重縮合反応を行った。窒素ガスで常圧に戻した後、加圧状態にして、オートクレーブの下部からポリエステル樹脂をストランド状に抜き出し、冷却水でストランドを冷却した後、チップ状にカッティングした。
得られたポリエステル樹脂の特性は、還元粘度0.40dl/g、カルボキシル基量107eq/ton、ガラス転移温度186℃であった。
得られたポリエステル樹脂を60℃、12時間、130Pa abs.以下で真空乾燥した後、ポリエステル樹脂100質量部と、架橋剤としてカルボジライト(LA−1)5.0質量部をドライブレンドした後、L/D=45の二軸押出機に投入した。280℃、2分間、100rpmで混練した後、二軸押出機の吐出口からポリエステル樹脂をストランド状に抜き出し、冷却水でストランドを冷却した後、チップ状にカッティングした。
架橋反応後のポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.67dl/g、カルボキシル基量15eq/ton、ガラス転移温度197℃であった。通常の溶融重合のみでは得られない高分子量、かつ高ガラス転移温度を有するイソソルビド含有のポリエステル樹脂を得ることが出来た。架橋反応後のポリエステル樹脂組成物は成形性良好であった。結果を表1に示す。
【0079】
(実施例2)
撹拌機、温度計、コンデンサーを有する容量2LのSUS製オートクレーブにジカルボン酸成分として、テレフタル酸ジメチル351.4質量部(1.81モル)、グリコール成分として、イソソルビド756.5質量部(5.18モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.71質量部を仕込んだ。その後、N2流通下、常圧下で250℃まで昇温し、120分間エステル交換化反応を行った。その後、300℃まで昇温しながら徐々に減圧し、60分間かけて10Pa abs.とした。その後、300℃、10Pa abs.以下で、60分間重縮合反応を行った。窒素ガスで常圧に戻した後、加圧状態にして、オートクレーブの下部からポリエステル樹脂をストランド状に抜き出し、冷却水でストランドを冷却した後、チップ状にカッティングした。
得られたポリエステル樹脂の特性は、還元粘度0.40dl/g、カルボキシル基量107eq/ton、ガラス転移温度186℃であった。その後、実施例1と同様に架橋反応を行なった。得られたポリエステル樹脂を実施例1と同様に架橋反応させた後のポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.67dl/g、カルボキシル基量15eq/ton、ガラス転移温度197℃であった。通常の溶融重合のみでは得られない高分子量、かつ高ガラス転移温度を有するイソソルビド含有のポリエステル樹脂を得ることが出来た。架橋反応後のポリエステル樹脂組成物は成形性良好であった。結果を表1に示す。
【0080】
(実施例3)
ジカルボン酸として、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸304.98質量部(1.78モル)とした以外は、実施例1と同様にエステル化反応と重縮合反応を行った。得られたポリエステル樹脂の特性は、還元粘度0.45dl/g、カルボキシル基量110eq/ton、ガラス転移温度130℃であった。その後、実施例1と同様に架橋剤投入と混練を実施した。得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度1.00dl/g、カルボキシル基量15eq/ton、ガラス転移温度150℃であった。結果を表1に示す。
【0081】
(実施例4)
混練時間を8分間とした以外は、実施例1と同様に実施した。得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.63dl/g、カルボキシル基量25eq/ton、ガラス転移温度195℃であった。結果を表1に示す。
(実施例5)
スクリュー回転数を50rpmとした以外は、実施例1と同様に実施した。得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.58dl/g、カルボキシル基量30eq/ton、ガラス転移温度190℃であった。結果を表1に示す。
(実施例6)
スクリュー回転数を300rpmとした以外は、実施例1と同様に実施した。得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.70dl/g、カルボキシル基量10eq/ton、ガラス転移温度200℃であった。結果を表1に示す。
【0082】
(実施例7)
280℃、10Pa abs.で、50分間重縮合反応を行った以外は、実施例1と同様に行った。得られたポリエステル樹脂の特性は、還元粘度0.30dl/g、カルボキシル基量40eq/ton、ガラス転移温度175℃であった。架橋反応も実施例1同様に実施した。架橋反応後に得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.50dl/g、カルボキシル基量1eq/ton、ガラス転移温度188℃であり、分子量が低いが成形できるレベルであった。結果を表1に示す。
【0083】
(実施例8)
架橋反応にL/D=60の二軸押出機を使用し、それに伴い混練時間が3分間になった以外は、実施例1と同様に実施した。架橋反応後に得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.65dl/g、カルボキシル基量18eq/ton、ガラス転移温度196℃であった。結果を表1に示す。
【0084】
(実施例9)
実施例1で得られた未乾燥のポリエステル樹脂中の水分量は2000ppmであり、ポリエステル樹脂のみをL/D=45の二軸押出機に投入し、溶融させながら70kPa abs.で減圧脱気を5秒間行い、その後、架橋剤としてカルボジライト(LA−1)5.0質量部を投入し、実施例1と同様に架橋反応を行なった。得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.65dl/g、カルボキシル基量15eq/ton、ガラス転移温度197℃であった。結果を表1に示す。
【0085】
(実施例10)
架橋剤として、水分量500ppmのカルボジライト(LA−1)を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.60dl/g、カルボキシル基量25eq/ton、ガラス転移温度195℃であった。結果を表1に示す。
(実施例11)
架橋剤としてカルボジライト(LA−1)3.0質量部にした以外は、実施例1と同様に行った。架橋剤投入後に得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.55dl/g、カルボキシル基量25eq/ton、ガラス転移温度190℃であった。
【0086】
(実施例12)
2,6−ナフタレン酸ジメチル253.5質量部(1.04モル)、グリコール成分として、イソソルビド189.6質量部(0.52モル)、エチレングリコール99.9質量部(1.61モル)、ビスフェノキシエタノールフルオレン204.8質量部(0.47モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.71質量部を仕込んだ。その後、N2流通下、常圧下で250℃まで昇温し、120分間エステル交換化反応を行った。その後、280℃まで昇温しながら徐々に減圧し、60分間かけて10Pa abs.とした。その後、300℃、10Pa abs.以下で、60分間重縮合反応を行った。得られたポリエステル樹脂の特性は、還元粘度0.35dl/g、カルボキシル基量100eq/ton、ガラス転移温度175℃であった。その後、実施例1と同様に架橋反応を行なった。得られたポリエステル樹脂を実施例1と同様に架橋反応させた後のポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.70dl/g、カルボキシル基量20eq/ton、ガラス転移温度185℃であった。イソソルビド含有量を減らしても、酸成分とグリコール成分に分子鎖の運動性を低下させる化合物を導入したことで、常の溶融重合のみでは得られない高分子量、かつ高ガラス転移温度を有するイソソルビド含有のポリエステル樹脂組成物を得ることが出来た。架橋反応後のポリエステル樹脂組成物は成形性良好であった。結果を表1に示す。
【0087】
(比較例1)
架橋剤としてカルボジライト(LA−1)0.04質量部にした以外は、実施例1と同様に行った。架橋反応後に得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.42dl/g、カルボキシル基量80eq/ton、ガラス転移温度186℃であった。架橋反応後のポリエステル樹脂組成物の分子量が低いため、成形性が悪かった。結果を表1に示す。
【0088】
(比較例2)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル210.2質量部(0.86モル)、グリコール成分として、エチレングリコール69.4質量部(1.12モル)、ビスフェノキシエタノールフルオレン339.6質量部(0.77モル)、触媒としてテトラブチルチタネート0.18質量部を仕込んだ。270℃、10Pa abs.で、60分間重縮合反応を行なった以外は、実施例1と同様に反応を行なった。得られたポリエステル樹脂の特性は、還元粘度0.32dl/g、カルボキシル基量5eq/ton、ガラス転移温度170℃であった。その後、実施例1と同様に架橋反応を行なった。架橋反応後に得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.33dl/g、カルボキシル基量3eq/ton、ガラス転移温度172℃であった。架橋反応後のポリエステル樹脂組成物の分子量が低いため、成形性が悪かった。結果を表1に示す。
【0089】
(比較例3)
270℃、10Pa abs.で、40分間重縮合反応を行なった以外は、実施例2と同様に反応を行なった。得られたポリエステル樹脂の特性は、還元粘度0.30dl/g、カルボキシル基量7eq/ton、ガラス転移温度175℃であった。その後、実施例1と同様に架橋反応を行なった。架橋反応後に得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.33dl/g、カルボキシル基量1eq/ton、ガラス転移温度176℃であった。架橋反応後のポリエステル樹脂組成物の分子量が低いため、成形性が悪かった。結果を表1に示す。
【0090】
(比較例4)
二軸押出機のバレル温度を210℃にした以外は、実施例1と同様に実施した。ポリエステル樹脂のガラス転移温度186℃に対し、バレル温度が[ポリエステル樹脂のガラス転移温度+30℃]未満であるためにポリエステル樹脂の流動性が悪く架橋反応を行なうことが出来なかった。
【0091】
(比較例5)
架橋反応にL/D=10の二軸押出機を使った以外は、実施例1と同様に実施した。架橋反応後に得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.45dl/g、カルボキシル基量95eq/ton、ガラス転移温度190℃であった。L/Dが短いために混練時間も0.5分間となり、架橋反応が十分に進行しなかった。ポリエステル樹脂組成物の分子量が低いため、成形性が悪かった。更にカルボキシル基量が高いために加水分解性に劣る樹脂組成物になった。結果を表1に示す。
【0092】
(実施例13)
混練時間を15分間とした以外は、実施例1と同様に実施した。得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.55dl/g、カルボキシル基量60eq/ton、ガラス転移温度193℃であった。成形性は良好であったものの、カルボキシル基量が高いため、加水分解性に劣る樹脂組成物になった。結果を表1に示す。
【0093】
(比較例6)
スクリュー回転数を20rpmとした以外は、実施例1と同様に実施した。スクリュー回転数が低いために、架橋反応が十分に進行せず、得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.45dl/g、カルボキシル基量95eq/ton、ガラス転移温度190℃であった。ポリエステル樹脂組成物の分子量が低いため、成形性が悪かった。更にカルボキシル基量が高いために加水分解性に劣る樹脂組成物になった。結果を表1に示す。
【0094】
(比較例7)
ポリエステル樹脂を減圧脱気しないこと以外は実施例9と同様に実施した。得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.42dl/g、カルボキシル基量100eq/ton、ガラス転移温度190℃であった。ポリエステル樹脂組成物の分子量が低いため、成形性が悪かった。更に、カルボキシル基量が高いために加水分解性に劣る樹脂組成物になった。結果を表1に示す。
【0095】
(実施例14)
架橋剤として、水分量1500ppmのカルボジライト(LA−1)を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。得られたポリエステル樹脂組成物の特性は、還元粘度0.52dl/g、カルボキシル基量65eq/ton、ガラス転移温度193℃であった。結果を表1に示す。ポリエステル樹脂組成物の分子量は低かったが、成形は可能であった。また、カルボキシル基量が高いために加水分解性に劣る樹脂組成物になった。結果を表1に示す。
【0096】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、分子量やガラス転移温度が高いために、耐熱性や耐薬品性に優れたポリマーであり、成形品、繊維、塗料、コーティング剤等として、提供され、産業上の利用価値は高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステル樹脂100質量部に対して、架橋剤を0.05〜10.0質量部含み、ガラス転移温度が150℃以上であり、かつ還元粘度が0.50〜1.5dl/gであるポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、前記ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボンを含み、前記グリコール成分としてイソソルビドを3〜100モル%含み、前記架橋剤を添加する前のポリエステル樹脂の還元粘度が0.50dl/g以下、カルボキシル基価が30eq/ton以上であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【請求項2】
前記架橋剤が尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、及びカルボジイミド系架橋剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記ポリエステル樹脂と架橋剤を混練する機台が押出機であって、前記架橋剤を混練する際のバレル温度を[ポリエステル樹脂のガラス転移温度+30℃]以上の温度とし、押出機のスクリュー回転数を30rpm以上とし、混練時間を1分以上〜10分以内として架橋反応を行うことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
架橋反応後のポリエステル樹脂組成物のカルボキシル基価が50eq/ton以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
架橋剤を添加する前のポリエステル樹脂のガラス転移温度が130℃以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする成形体。

【公開番号】特開2013−112770(P2013−112770A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261784(P2011−261784)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003160)東洋紡株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】