説明

ポリエステル粉体塗料の製造方法

【課題】さらなる長寿命化が実現できる塗膜が形成できるポリエステル粉体塗料が、煩雑な工程を経ることなくより簡素に製造できるようにする。
【解決手段】ステップS101で、大気雰囲気では気体である物質を超臨界状態とした流体に、紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂を混合して混合流体を形成する。次に、ステップS102で、混合流体より物質を気化させて紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂からなる粉体を形成する。物質は二酸化炭素であればよい。ポリエステル系樹脂としては、例えば、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系の樹脂であればよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル樹脂の粉体からなる塗料を製造するポリエステル粉体塗料の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建造物や構造物などの長寿命化や美観のために、塗料が用いられている。近年では、地球環境問題に対応するために、このような塗料にも、厳しい環境性能が求められるようになってきている。このような背景から、従来よりリサイクルしやすい材料を用い、また、有機溶剤を含まない環境に優しい塗料として、例えば、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いた粉体塗料(ポリエステル粉体塗料)が開発され、市場において実用に供されている。
【0003】
ところで、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂などのポリエステル系樹脂は、紫外線の照射などによる酸化や、アルカリ性物質の接触などによる加水分解により劣化する。このため、ポリエステル粉体塗料による塗膜は、使用環境により劣化が促進されて脆化し、初期の性能が発揮されない状態となりやすい。これに対し、紫外線吸収剤および酸化防止剤を含有させることで、劣化を防止する技術が提案されている(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−002987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来では、紫外線吸収剤および酸化防止剤を含有させたポリエステル粉体塗料を作製するために、ポリエステル樹脂に紫外線吸収剤および酸化防止剤を公知の方法で混錬し、得られた樹脂組成物を、冷凍粉砕法や常温粉砕法により粉砕して粉体塗料としている。このため、粉体塗料の製造工程が、煩雑であるという問題があった。
【0006】
また、昨今の維持保守費用の削減や人件費圧縮のため、耐候性および耐アルカリ性に優れて半永久的に維持保守が不要な塗膜が、要求されている。しかしながら、従来のポリエステル粉体塗料では、この要求特性を満たすことができていないという問題があった。
【0007】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、さらなる長寿命化が実現可能な塗膜が形成できるポリエステル粉体塗料が、煩雑な工程を経ることなくより簡素に製造できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るポリエステル粉体塗料の製造方法は、大気雰囲気では気体である物質を超臨界状態とした流体に、紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂を混合して混合流体を形成する第1ステップと、混合流体より物質を気化させて紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂からなる粉体を形成する第2ステップとを少なくとも備える。
【0009】
上記ポリエステル粉体塗料の製造方法において、第1ステップでは、上記物質の臨界温度以上および臨界圧力以上とした容器内で混合流体を形成すればよい。また、第2ステップでは、混合流体を容器の内部から大気圧状態とされている領域に噴出することで、上記物質を気化させればよい。なお、上記物質は、二酸化炭素であればよい。また、ポリエステル系樹脂は、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂であればよい。また、酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であればよい。また、紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系吸収剤であればよい。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、超臨界状態とした流体に、紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂を混合して混合流体を形成し、この混合流体より上記物質を気化させるようにしたので、さらなる長寿命化が実現できる塗膜が形成できるポリエステル粉体塗料が、煩雑な工程を経ることなくより簡素に製造できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施の形態におけるポリエステル粉体塗料の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】図2は、ポリエステル粉体塗料の製造装置の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるポリエステル粉体塗料の製造方法を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS101で、大気雰囲気では気体である物質を超臨界状態とした流体に、紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂を混合して混合流体を形成する。
【0013】
次に、ステップS102で、混合流体より上記物質を気化させて紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂からなる粉体を形成する。
【0014】
例えば、上記物質は二酸化炭素であればよい。よく知られているように、二酸化炭素は、臨界点が低く(31℃,7.4MPa程度)、化学的に安定であるため、取り扱いが容易である。二酸化炭素を用いる場合、臨界点である31℃以上、7.4MPa以上とすることで、超臨界状態の流体を得ることができる。
【0015】
また、ポリエステル系樹脂としては、例えば、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系の樹脂であればよい。ポリエチレンテレフタレート系の樹脂は、エチレンテレフタレートを主たる単量体(モノマー)とした高分子(ポリマー)である。
【0016】
例えば、31℃以上、7.4MPa以上とした容器内で、二酸化炭素の超臨界流体に熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂,酸化防止剤,および紫外線吸収剤を導入し、これらを撹拌して混合すれば、混合流体を得ることができる。ここで、本実施の形態によれば、超臨界流体に紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂を混合しているので、これらが均一な状態で混合した混合流体が得られる。
【0017】
また、この混合流体を、容器の内部より大気圧状態とされている領域に噴出すれば、混合流体より二酸化炭素が気化し、紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂からなる粉体が得られる。このように噴出することで、超臨界流体に各成分が均一に混合されている状態(流体)から、一度に常温(20〜25℃)、常圧(大気圧)の環境下に晒されるので、核の発生・成長を経て、紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂からなる微細な固体の粒子が形成されるようになる。
【0018】
超臨界流体は、臨界温度および臨界圧力を超えた温度および圧力下の流体であり、液体を上回る溶解力を持つが、表面張力および粘度は気体に近い性質を示すもので、気体の状態を保った液体といえる。例えば、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂などのポリエステル樹脂、紫外線吸収剤,および酸化防止剤は、通常は二酸化炭素には溶解しない。これに対し、超臨界状態の二酸化炭素(超臨界二酸化炭素)は、紫外線吸収剤および酸化防止剤が溶解する。また、超臨界二酸化炭素によれば、ポリエステル樹脂も溶解可能であるものと考えられる。
【0019】
このため、超臨界状態の二酸化炭素(超臨界二酸化炭素)を用いることで、これを媒質として紫外線吸収剤,および酸化防止剤とポリエステル樹脂とを均一に混合することが可能となるものと考えられる。
【0020】
上述したように、高い圧力下で均一に混合した状態の混合流体を、大気圧状態の領域に噴出させれば、媒質(溶媒)として機能していた超臨界流体(二酸化炭素)が、瞬時に気化する。このため、特別な分離工程を経ることなく、ポリエステル樹脂,紫外線吸収剤,および酸化防止剤からなる塗料成分を、媒質より分離することができる。また、超臨界流体に混合(溶解)していた塗料成分は、上述したように短時間で(瞬時に)超臨界流体が分離するため、核の発生および成長の過程を経て、極めて微細な固体の微粒子(粉体)となる。このように、本実施の形態によれば、全体として極めて均一な分散状態の、微細な混合物(固体)としての粉体塗料を生成することができる。
【0021】
本実施の形態によれば、紫外線吸収剤および酸化防止剤がポリエステル樹脂内で不均一に偏在することなく、極めて微細な均一分散状態のポリエステル粉体塗料が得られる。このため、形成されるポリエステル粉体塗料では、紫外線吸収性と酸化防止性が飛躍的に発揮され、優れた耐候性、耐加水分解性を有し、防食性に優れ、環境に優しく、高い機械的強度を有する長寿命の粉体塗料となる。従って、このポリエステル粉体塗料は、建設時に大きな外力が加わる用途への使用、有色で長寿命が要求される橋梁などへの防食塗装への使用、さらにはアルカリ性のコンクリート中に埋め込まれ、また接触する鋼材などへの防食塗装への使用に適し、ほぼ維持保守の不要な防食性能を発揮することができる。以上に説明したように、本実施の形態によれば、さらなる長寿命化が実現可能な塗膜が形成できるポリエステル粉体塗料が、煩雑な工程を経ることなくより簡素に製造できるようなる。
【0022】
なお、種々の酸化防止剤および紫外線吸収剤に関して比較実験を行った結果、耐候性、安定性、混合性などの総合的な判断の結果、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系の樹脂の場合、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤が望ましく、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系吸収剤が望ましいことが明らかになっている。
【0023】
以下、実施例を用いてより詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
【0024】
[実施例1]
まず、ポリエステル粉体塗料の製造を実施した製造装置について説明する。図2は、ポリエステル粉体塗料の製造装置の構成を示す構成図である。この装置は、二酸化炭素を収容している二酸化炭素タンク201と、気体を加圧・圧送するポンプ202と、超臨界撹拌槽203と、内部が大気圧状態とされている造粒槽(大気圧状態とされている領域)204とを備える。
【0025】
この装置では、まず、二酸化炭素タンク201より供給される二酸化炭素が、ポンプ202で加圧されて超臨界槽203の圧力容器231へ圧送される。二酸化炭素が圧送される圧力容器231において、内部の温度を例えば35℃に制御し、内部の圧力が7.5MPaとなるように制御すれば、圧力容器231の内部においては、二酸化炭素を超臨界状態にすることができる。例えば、圧力制御バルブ(不図示)により圧力容器231から二酸化炭素の排出量を制御することで、圧力容器231の内部圧力を制御することができる。
【0026】
また、圧力容器231の内部には、予め酸化防止剤205,紫外線吸収剤206,およびポリエステル樹脂207が収容されている。酸化防止剤205は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であり、紫外線吸収剤206は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であり、ポリエステル樹脂207は、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂である。例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を0.2重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.3重量%とする。
【0027】
このように、各成分が収容されている圧力容器231内に二酸化炭素を圧送して超臨界状態の二酸化炭素が導入された状態とし、モータ232で撹拌子233を回転させることで、酸化防止剤205,紫外線吸収剤206,ポリエステル樹脂207,および超臨界二酸化炭素を混合する。この混合により、酸化防止剤205,紫外線吸収剤206,ポリエステル樹脂207が、超臨界二酸化炭素に溶解する。
【0028】
以上のようにして、圧力容器231の内部で、超臨界二酸化炭素に、酸化防止剤205,紫外線吸収剤206,ポリエステル樹脂207を混合(溶解)した混合流体を形成したら、この混合流体を、造粒槽204の内部に噴出させる。造粒槽204の内部は、常温、常圧であるために、超臨界状態であった二酸化炭素は気化し、混合流体より分離される。これにより、残りの各成分は、分子レベルで均一に混合された状態で、核の発生,成長を経て、微細な固体の粒子に成長する。この結果、平均粒子径が50〜100μmの粉体塗料が得られた。
【0029】
得られた粉体塗料を70mm×150mmの大きさで板厚3.2mmの溶融亜鉛めっき鋼板に塗装して、実施例1の試料とする。
【0030】
なお、比較例として、次に示す比較試料を作製した。まず、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂,ヒンダードフェノール系酸化防止剤,およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を公知の方法により混錬して樹脂組成物を形成する。次に、この樹脂組成物を公知の冷凍粉砕法で粉砕することで、粉体塗料を作製する。得られた粉体塗料は、平均粒子径が80μmである。この粉体塗料を70mm×150mmの大きさで板厚3.2mmの溶融亜鉛めっき鋼板に塗装し、比較例1の試料とする。
【0031】
ここで、上述した粒子径は、粒度分布測定器エアジェットシーブ200LS−N(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて測定した結果である。
【0032】
次に、性能評価試験について説明する。
【0033】
(1)塗膜密着性(アドヒージョンテスト)
直径20mmの密着子(ドリー)を塗膜に接着し、密着子にオートグラフにより負荷を加え、剥離する垂直力、すなわち、剥離強度を測定した。試験は、22〜25℃にて行った。
【0034】
(2)耐衝撃性(落錘衝撃試験)
「JIS K 5400」の規定に準じ、先端半径12.7mmの半球状で質量300gの鋼球を落下させ、塗膜に欠陥が生じない最大の高さを測定した。試験は、22〜25℃にて行った。
【0035】
(3)塗膜強度(鋼球による引っ掻き試験)
直径5mm、先端曲率半径2.5mmの鋼棒の先端を試料の塗装面に当接させ、また、鋼棒に垂直力を加え、この状態で、鋼棒を試料の塗装表面で1往復させて試料の塗装表面を引っ掻く。この引っ掻きにより、欠陥が生じない最大の力を測定した。試験は、22〜25℃にて行った。
【0036】
(4)耐食性(塩水噴霧試験)
「JIS Z 2371」の規定に準じ、試料を配置した33〜35℃の槽内に、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を0.5〜3.0mL/hの噴霧速度で4000時間連続噴霧し、試験後の塗膜外観を観察(目視)した。
【0037】
(5)耐候性(キセノンウェザーメータ試験)
「JIS K 5600−7−7:1999」に準じ、キセノンウェザーメータを使用し、ブラックパネル温度65±2℃、120分中降水18分の条件で、キセノンアークによる紫外線を2000時間照射し、試験後の塗膜外観を観察(目視)した。
【0038】
(6)耐アルカリ性(1重量%塩化ナトリウム水溶液浸漬試験)
試験片から剥がし取った塗膜を「JIS K 7114」に準じ、1重量%塩化ナトリウム水溶液中に常温で7日間浸漬し、重量変化を測定した。
【0039】
実施例1と比較例1の試験結果を、以下の表1に示す。なお、表中の白丸は、目視による観察で、剥離および割れなどが観察されないことを示している。
【0040】
【表1】

【0041】
表1から明らかなように、実施例1の粉体塗料による試験片は、塗膜密着性、耐衝撃性、塗膜強度は、比較例1と同等もしくはそれを上回る性能を示している。特に、耐食性、耐候性の点では、非常に優れた性能を示した。
【0042】
以上に説明したように、本願発明によれば、超臨界流体を用い、これに紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル樹脂(例えば熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂)を混合(溶解)して混合流体(溶液)を形成し、この混合流体を一度に(瞬時に)、常温、常圧(大気圧)の環境へ噴出させることにより超臨界流体(二酸化炭素)を分離し、塗料成分を微細な固体粒子として得るようにした。この結果、従来必要であった粉砕工程などの煩雑な工程を経ることなく、より簡素化された工程で、全体として極めて均一な分散状態すなわち微細な混合物(ポリエステル粉体塗料)を生成することができる。
【0043】
上述した本発明による樹脂混合物(ポリエステル粉体塗料)を用いて作製した塗膜は、従来の塗膜密着性、耐衝撃性、塗膜強度は維持したまま、或いは従来の性能を凌ぎ、かつ、課題であった耐食性、耐候性を飛躍的に向上した。これにより、環境に優しく、高い機械的強度を有する長寿命の粉体塗料となるので、まず、建設時に大きな外力が加わる用途への使用、有色で長寿命が要求される橋梁などへの防食塗装への使用に適するものとなる。また、厳しい腐食環境となる塩害地域や紫外線の強い地域の構造材料への適用に適するものとなる。さらには、アルカリ性のコンクリート中に埋め込まれ、また、接触する鋼材などへの防食塗装への使用に適するものとなる。このように、本発明によるポリエステル粉体塗料によれば、ほぼ維持保守の不要な防食性能を発揮することができるようになる。
【0044】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの組み合わせおよび変形が実施可能であることは明白である。例えば、適宜に、公知の着色料および染料などの添加剤を、超臨界状態の混合流体に配合(添加)してもよい。
【0045】
また、超臨界流体は、二酸化炭素に限るものではなく、他の気体(大気雰囲気では気体)の超臨界流体を用いるようにしてもよい。例えば、極性の物質(気体)の超臨界流体を用いることで、有機材料に対する高い溶解性を得ることが期待できるため、より均質な混合物をより容易に得ることが期待できる。
【0046】
また、ポリエステル樹脂は、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂に限るものではなく、他のポリエステル樹脂であってもよい。また、酸化防止剤はヒンダードフェノール系酸化防止剤に限るものではなく、同様に、紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系吸収剤に限るものではない。ポリエステル樹脂、酸化防止剤、および紫外線吸収剤は、好ましい組み合わせとなる材料を、適宜に選択して用いればよい。
【符号の説明】
【0047】
201…二酸化炭素タンク、202…ポンプ、203…超臨界撹拌槽、204…造粒槽、205…酸化防止剤、206…紫外線吸収剤、207…ポリエステル樹脂、231…圧力容器、232…モータ、233…撹拌子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気雰囲気では気体である物質を超臨界状態とした流体に、紫外線吸収剤,酸化防止剤,およびポリエステル系樹脂を混合して混合流体を形成する第1ステップと、
前記混合流体より前記物質を気化させて前記紫外線吸収剤,前記酸化防止剤,および前記ポリエステル系樹脂からなる粉体を形成する第2ステップと
を少なくとも備えることを特徴とするポリエステル粉体塗料の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のポリエステル粉体塗料の製造方法において、
前記第1ステップでは、前記物質の臨界温度以上および臨界圧力以上とした容器内で前記混合流体を形成することを特徴とするポリエステル粉体塗料の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載のポリエステル粉体塗料の製造方法において、
前記第2ステップでは、前記混合流体を前記容器の内部から大気圧状態とされている領域に噴出することで前記物質を気化させることを特徴とするポリエステル粉体塗料の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル粉体塗料の製造方法において、
前記物質は、二酸化炭素であることを特徴とするポリエステル粉体塗料の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル粉体塗料の製造方法において、
前記ポリエステル系樹脂は、熱可塑性ポリエチレンテレフタレート系樹脂であることを特徴とするポリエステル粉体塗料の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエステル粉体塗料の製造方法において、
前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることを特徴とするポリエステル粉体塗料の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエステル粉体塗料の製造方法において、
前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系吸収剤であることを特徴とするポリエステル粉体塗料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−52067(P2012−52067A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197753(P2010−197753)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】