説明

ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法、及びそれに用いられるポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用のアミン触媒組成物

【課題】ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造において、成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチがなく、更に製品中から揮発性のアミン化合物をほとんど排出しない低臭気なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法、及びそれに使用される触媒組成物を提供する。
【解決手段】ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを、環状アミン化合物、環状アミノヒドロキシ化合物及び鎖状アミノヒドロキシ化合物の3種の特定の化合物から成る群から選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有する触媒組成物、発泡剤及び整泡剤の存在下に反応させてポリエステル系軟質ポリウレタンフォームを製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法、及びそれに用いられるポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物に関する。更に詳しくは、フォーム成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチ(焼け)がなく、更に揮発性のアミン化合物をほとんど排出しないポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法、及びそれに用いられるポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用のアミン化合物を含有する触媒組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
軟質ポリウレタンフォームとは、オープンセル構造を有し、圧縮の硬さが極めて小さく、可撓性のあるフォームである。このうち、幅の広い厚板状のものや長くて連続したフォームブロックは、スラブストック、略してスラブと呼ばれ、後に適当な形状に切断されて使用される。中でも、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームは、軽量で弾性に優れるため、自動車、家具、寝具、クッション、衣料等の製品に広く使用されている。
【0003】
ポリウレタンフォームはポリイソシアネートとポリオールを、触媒及び必要に応じて発泡剤、整泡剤、さらに必要ならば架橋剤等の他の助剤の存在下に反応させて製造される。ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームでは、一般に、ポリオールとしてポリエステルポリオールを用い、触媒としてアミン系触媒を使用して又はスズ系触媒とアミン系触媒を併用して良好なフォームを製造している。
【0004】
フォームのスコーチを発生させずにフォームの成形性(収縮と変形)が良好なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームを製造するには、触媒として、特定のアミン化合物が使用される。例えば、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン等が知られている。
【0005】
しかしながら、前記したアミン化合物をポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム用の触媒として用いた場合、成形フォーム中にアミン化合物がフリーの形で残留し、揮発性のアミンとして徐々に排出するため製品の臭気問題が発生する。この問題を解決する方法として、これらのアミン化合物に対しアミン臭気の少ない触媒であるN−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等を用いてポリウレタンフォームを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
更に分子内にポリイソシアネートと反応しうる1級及び2級のアミノ基又はヒドロキシアルキル基を有するアミン化合物をポリウレタンフォームの製造に使用する方法が提案されている(例えば、特許文献2〜特許文献5参照)。
【0007】
上記特許文献によれば、これらのアミン化合物は、ポリイソシアネートと反応した形で
ポリウレタン樹脂骨格中に固定化されるため、上記問題を回避できるとしている。
【0008】
しかしながら、これら分子内に反応性基を有するアミン化合物をポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造に用いると、フォームが収縮したりフォーム内部のスコーチが発生する等、良好なフォームが成形できないという問題があった。
【0009】
一方、ポリオールとしてポリエーテルポリオールを用いるポリエーテル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法において、触媒として、スズ触媒(例えば、スタナスオクトエート)と第3級アミン触媒(例えば、ヒドロキシエチルモルホリンやジメチルイソプロパノールアミン)とを併用することは知られている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、ヒドロキシエチルモルホリンやジメチルイソプロパノールアミンを、スズ触媒と併用することなく、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム用の触媒として用いた例は知られていない。
【0010】
【特許文献1】特開平07−258367号公報
【特許文献2】特開昭46−4846号公報
【特許文献3】特開平04−85317号公報
【特許文献4】特開2003−206327号公報
【特許文献5】特開2004−27010号公報
【特許文献6】英国特許第1091604号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造において、成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチがなく、更に製品中から揮発性のアミン化合物をほとんど排出しない低臭気なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法、及びそれに使用される触媒組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造の際に特定のアミン化合物を触媒として用いると、フォーム成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチがなく、更に揮発性のアミン化合物をほとんど排出しない低臭気なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は以下に示すとおりのポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法、及びポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用のアミン化合物を含有する触媒組成物である。
【0014】
[1]ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを、下記一般式(1)
【0015】
【化1】

[上記式(1)中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R、R、R、及びRは各々独立して水素原子、又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。]
で示されるアミン化合物、下記一般式(2)
【0016】
【化2】

[上記式(2)中、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物、及び下記一般式(3)
【0017】
【化3】

[上記式(3)中、R、及びRは各々独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、Rは炭素原子数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有する触媒組成物、発泡剤及び整泡剤の存在下に反応させるポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0018】
[2]一般式(1)で示されるアミン化合物と一般式(2)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、その混合比率が、一般式(1)で示されるアミン化合物/一般式(2)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)であることを特徴とする上記[1]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0019】
[3]一般式(1)で示されるアミン化合物と一般式(3)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、その混合比率が、一般式(1)で示されるアミン化合物/一般式(3)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)であることを特徴とする上記[1]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0020】
[4]一般式(2)で示されるアミン化合物と一般式(3)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、その混合比率が、一般式(2)で示されるアミン化合物/一般式(3)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)であることを特徴とする上記[1]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0021】
[5]上記一般式(1)で示されるアミン化合物、上記一般式(2)で示されるアミン化合物、及び上記一般式(3)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、上記一般式(1)で示されるアミン化合物/上記一般式(2)で示されるアミン化合物/上記一般式(3)で示されるアミン化合物=10〜45/10〜45/10〜45(重量比)であることを特徴とする上記[1]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0022】
[6]上記一般式(1)で示されるアミン化合物が、1−メチルピペラジン、1−エチルピペラジン、1−プロピルピペラジン、1−イソプロピルピペラジン、1−ブチルピペラジン、1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、1,2−ジメチルピペラジン、1,2,5−トリメチルピペラジン、及び1,2,6−トリメチルピペラジンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする上記[1]乃至[3]、及び[5]のいずれかに記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0023】
[7]上記一般式(2)で示されるアミン化合物が、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)モルホリン、、及びN−(2−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(1−ヒドロキシメチルプロピル)モルホリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする上記[1]、[2]、[4]、又は[5]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0024】
[8]上記一般式(3)で示されるアミン化合物が、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシブチル)アミン、及びN,N−ジメチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする上記[1]、及び[3]乃至[5]のいずれかに記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0025】
[9]触媒組成物が、1−メチルピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン、及びN,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有することを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0026】
[10]下記一般式(1)
【0027】
【化4】

[上記式(1)中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R、R、R、及びRは各々独立して水素原子、又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。]
で示されるアミン化合物を含有するポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0028】
[11]上記一般式(1)で示されるアミン化合物と、下記一般式(2)
【0029】
【化5】

[上記式(2)中、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物、及び下記一般式(3)
【0030】
【化6】

[上記式(3)中、R、及びRは各々独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、Rは炭素原子数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物とを含有する上記[10]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0031】
[12]触媒組成物が、上記一般式(1)で示されるアミン化合物と上記一般式(2)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、その混合比率が、上記一般式(1)で示されるアミン化合物/上記一般式(2)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)であることを特徴とする上記[11]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0032】
[13]触媒組成物が、上記一般式(1)で示されるアミン化合物と上記一般式(3)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、その混合比率が、上記一般式(1)で示されるアミン化合物/上記一般式(3)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)であることを特徴とする上記[11]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0033】
[14]触媒組成物が、上記一般式(1)で示されるアミン化合物、上記一般式(2)で示されるアミン化合物、及び上記一般式(3)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、上記一般式(1)で示されるアミン化合物/上記一般式(2)で示されるアミン化合物/上記一般式(3)で示されるアミン化合物=10〜45/10〜45/10〜45(重量比)であることを特徴とする上記[11]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0034】
[15]上記一般式(1)で示されるアミン化合物が、1−メチルピペラジン、1−エチルピペラジン、1−プロピルピペラジン、1−イソプロピルピペラジン、1−ブチルピペラジン、1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、1,2−ジメチルピペラジン、1,2,5−トリメチルピペラジン、及び1,2,6−トリメチルピペラジンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする上記[10]乃至[14]のいずれかに記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0035】
[16]上記一般式(2)で示されるアミン化合物が、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)モルホリン、、及びN−(2−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(1−ヒドロキシメチルプロピル)モルホリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする上記[11]、[12]、又は[14]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0036】
[17]上記一般式(3)で示されるアミン化合物が、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシブチル)アミン、及びN,N−ジメチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする上記[11]、[13]、又は[14]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0037】
[18]1−メチルピペラジンを含有することを特徴とする上記[10]に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0038】
[19]1−メチルピペラジンと、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン、及びN,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物とを含有することを特徴とする上記[11]乃至[14]のいずれかに記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【発明の効果】
【0039】
本発明の触媒組成物を、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造の際に触媒として用いると、フォーム成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチがなく、更に揮発性のアミン化合物をほとんど排出しない低臭気なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームが得られるため、本発明は産業上極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0041】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法に用いられる触媒組成物は、上記一般式(1)で示されるアミン化合物、上記一般式(2)で示されるアミン化合物、及び上記一般式(3)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含む組成物である。
【0042】
本発明の一般式(1)のアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、1−メチルピペラジン[以下、N−メチルピペラジンと称する場合がある。]、1−エチルピペラジン、1−プロピルピペラジン、1−イソプロピルピペラジン、1−ブチルピペラジン、1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、1−ペンチルピペラジン、1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシルピペラジン、1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,2−ジメチルピペラジン、1−エチル−2−メチルピペラジン、2−メチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−2−メチルピペラジン、1−ブチル−2−メチルピペラジン、2−メチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、2−メチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、2−メチル−1−ペンチルピペラジン、2−メチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−2−メチルピペラジン、2−メチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、2−メチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,3−ジメチルピペラジン、1−エチル−3−メチルピペラジン、3−メチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−3−メチルピペラジン、1−ブチル−3−メチルピペラジン、3−メチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、3−メチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、3−メチル−1−ペンチルピペラジン、3−メチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−3−メチルピペラジン、3−メチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、3−メチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、2−エチル−1−メチルピペラジン、1,2−ジエチルピペラジン、2−エチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−2−エチルピペラジン、1−ブチル−2−エチルピペラジン、2−エチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、2−エチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、2−エチル−1−ペンチルピペラジン、2−エチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、2−エチル−1−ヘキシルピペラジン、2−エチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、2−エチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、3−エチル−1−メチルピペラジン、1,3−ジエチルピペラジン、3−エチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−3−エチルピペラジン、1−ブチル−3−エチルピペラジン、3−エチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、3−エチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、3−エチル−1−ペンチルピペラジン、3−エチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、3−エチル−1−ヘキシルピペラジン、3−エチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、3−エチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,2,3−トリメチルピペラジン、1−エチル−2,3−ジメチルピペラジン、2,3−ジメチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−2,3−ジメチルピペラジン、1−ブチル−2,3−ジメチルピペラジン、2,3−ジメチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、2,3−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、2,3−ジメチル−1−ペンチルピペラジン、2,3−ジメチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−2,3−ジメチルピペラジン、2,3−ジメチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、2,3−ジメチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,2,5−トリメチルピペラジン、1−エチル−2,5−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−2,5−ジメチルピペラジン、1−ブチル−2,5−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、2,5−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、2,5−ジメチル−1−ペンチルピペラジン、2,5−ジメチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−2,5−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、2,5−ジメチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,2,6−トリメチルピペラジン、1−エチル−2,6−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−2,6−ジメチルピペラジン、1−ブチル−2,6−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、2,6−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、2,6−ジメチル−1−ペンチルピペラジン、2,6−ジメチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−2,6−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、2,6−ジメチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,3,5−トリメチルピペラジン、1−エチル−3,5−ジメチルピペラジン、3,5−ジメチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−3,5−ジメチルピペラジン、1−ブチル−3,5−ジメチルピペラジン、3,5−ジメチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、3,5−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、3,5−ジメチル−1−ペンチルピペラジン、3,5−ジメチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−3,5−ジメチルピペラジン、3,5−ジメチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、3,5−ジメチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン等が挙げられる。
【0043】
これらのうち、1−メチルピペラジン、1−エチルピペラジン、1−プロピルピペラジン、1−イソプロピルピペラジン、1−ブチルピペラジン、1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、1,2−ジメチルピペラジン、1,2,5−トリメチルピペラジン、及び1,2,6−トリメチルピペラジンは、触媒活性が高いためより好ましい。
【0044】
本発明の一般式(2)のアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン[以下、N−ヒドロキシイソプロピルモルホリンと称する場合がある。]、N−(4−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキブチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキブチル)モルホリン、N−(1−ヒドロキシメチルプロピル)モルホリン、N−(5−ヒドロキシペンチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシ−1−メチルブチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシ−2−メチルブチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシ−3−メチルブチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシペンチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)モルホリン、N−(6−ヒドロキシヘキシル)モルホリン、N−(5−ヒドロキシ−1−メチルペンチル)モルホリン、N−(5−ヒドロキシ−2−メチルペンチル)モルホリン、N−(5−ヒドロキシ−3−メチルペンチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシメチルペンチル)モルホリン、N−(2−エチル−4−ヒドロキシブチル)モルホリン等が挙げられる。
【0045】
これらのうち、触媒活性の高さの点から、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)モルホリン、、N−(2−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(1−ヒドロキシメチルプロピル)モルホリンがより好ましい。
【0046】
本発明の一般式(3)のアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン[以下、N,N−ジメチルイソプロパノールアミンと称する場合がある。]、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキブチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキブチル)アミン、N,N−ジメチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(5−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシ−1−メチルブチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジエチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジエチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジエチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジエチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジエチル−(3−ヒドロキブチル)アミン、N,N−ジエチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミン、N,N−ジエチル−(5−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジエチル−(4−ヒドロキシ−1−メチルブチル)アミン、N,N−ジエチル−(4−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジエチル−(4−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミン、N,N−ジエチル−(4−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジエチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジプロピル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジプロピル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジプロピル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジプロピル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジプロピル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジプロピル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジプロピル−(3−ヒドロキブチル)アミン、N,N−ジプロピル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミン、N,N−ジプロピル−(5−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジプロピル−(4−ヒドロキシ−1−メチルブチル)アミン、N,N−ジプロピル−(4−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジプロピル−(4−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミン、N,N−ジプロピル−(4−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジプロピル−(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジブチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジブチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジブチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジブチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジブチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジブチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジブチル−(3−ヒドロキブチル)アミン、N,N−ジブチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミン、N,N−ジブチル−(5−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジブチル−(4−ヒドロキシ−1−メチルブチル)アミン、N,N−ジブチル−(4−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジブチル−(4−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミン、N,N−ジブチル−(4−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジブチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン等が挙げられる。
【0047】
これらのうち、触媒活性の高さの点から、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジメチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミンがより好ましい。
【0048】
本発明の方法に用いられる触媒組成物の成分である上記一般式(1)、(2)、又は(3)で示されるアミン化合物は、それぞれ文献既知の方法にて容易に製造できる。
【0049】
上記一般式(1)で示されるアミン化合物は、例えば、相当するピペラジン骨格を有するアミン化合物にアルデヒド類や相当するグリコール類を反応させることにより製造することができる。
【0050】
上記一般式(2)で示されるアミン化合物は、例えば、モルホリンに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシド類を反応させる方法により得られる。また、モルホリンと相当するグリコール類を反応させる方法によっても製造することができる。
【0051】
上記一般式(3)で示されるアミン化合物は、例えば、相当するジアルキルアミンとアルキレンオキシド又はグリコール類との反応によって製造することができる。
【0052】
本発明の製造方法に用いられる触媒組成物は、上記一般式(1)で示されるアミン化合物、上記一般式(2)で示されるアミン化合物、及び上記一般式(3)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有するが、これらのアミン化合物は単独又は任意に混合されて用いても良い。
【0053】
本発明の製造方法に用いられる触媒組成物は、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製品中においては、ポリウレタン樹脂骨格中に固定化され、フリーのアミン化合物としてほとんど存在しないため、揮発性のアミン化合物として排出されない。このため、アミン化合物の揮発による臭気を防止することが可能となる。
【0054】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを、触媒、発泡剤及び整泡剤の存在下に反応させてポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造する際に、触媒として、上記した本発明の触媒組成物を使用することを特徴とする。
【0055】
得られるポリエステル系軟質ポリウレタンフォームを用いた製品としては、例えば、自動車、家具、寝具、クッション、衣料等が挙げられる。
【0056】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法に使用されるポリエステルポリオールとしては、従来公知のポリエステルポリオールを使用することができる。例えば、ジカルボン酸及び/又はモノカルボン酸と過剰のジオール類及び/又はポリヒドロキシアルコール類を反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
【0057】
具体的には、アジピン酸、グルタル酸、琥珀酸、フタル酸若しくはその無水物、又は脂肪酸(リノール酸、オレイン酸等)等のジカルボン酸及び/又はモノカルボン酸と、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、又はペンタエリスリトール等のジオール類及び/又はポリヒドロキシアルコール類との反応から得られるポリエステルポリオール等が例示される。
【0058】
これらポリエステルポリオールの重量平均分子量は、100〜5000の範囲のものが使用できる。好ましくは重量平均分子量1000〜3000の範囲のポリエステルポリオールである。
【0059】
本発明の製造方法に使用されるポリイソシアネートは、従来公知のものであればよく、例えば、
トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフチレンジイシシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、
ジシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0060】
本発明の製造方法に使用されるTDIとその誘導体としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物又はTDIの末端イソシアネートプレポリマー誘導体を挙げることができる。これらポリイソシアネートのうち、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート及びこれらの混合物が好ましく使用される。
【0061】
本発明の製造方法において、これらポリイソシアネートとポリエステルポリオールの使用比率としては、特に限定するものではないが、イソシアネートインデックス(イソシアネート基/イソシアネート基と反応しうる活性水素基)で表すと、通常60〜130の範囲、好ましくは80〜120の範囲である。
【0062】
本発明の製造方法において、上記一般式(1)で示されるアミン化合物を単独でポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法に用いると、フォームの成形性が良く、フォーム内部のスコーチがなく、更には揮発性アミンをほとんど排出しない低臭気なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。しかしながら、上記一般式(1)で示されるアミン化合物は、取り扱いが難しいため、上記一般式(2)で示されるアミン化合物及び/又は上記一般式(3)で示されるアミン化合物と混合して用いることがより好ましい。混合比率としては、通常、上記一般式(1)で示されるアミン化合物/上記一般式(2)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)、好ましくは30〜70/70〜30(重量比)の範囲である。また、通常、上記一般式(1)で示されるアミン化合物/一般式(3)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)、好ましくは30〜70/70〜30(重量比)の範囲である。
【0063】
本発明の製造方法において、上記一般式(2)で示されるアミン化合物を単独でポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法に用いると、フォームの成形性が良く、フォーム内部のスコーチがなく、更には揮発性アミンをほとんど排出しない低臭気なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。しかしながら、上記一般式(2)で示されるアミン化合物は、触媒自身の触媒活性が低いことから、上記一般式(1)で示されるアミン化合物及び/又は上記一般式(3)で示されるアミン化合物と混合して用いることがより好ましい。混合比率としては、通常、上記一般式(2)で示されるアミン化合物/上記一般式(1)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)、好ましくは30〜70/70〜30(重量比)の範囲である。また、通常、上記一般式(2)で示されるアミン化合物/上記一般式(3)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)、好ましくは30〜70/70〜30(重量比)の範囲である。
【0064】
本発明の製造方法において、上記一般式(3)で示されるアミン化合物を単独でポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法に用いると、フォームの成形性が良く、フォーム内部のスコーチがなく、更には揮発性アミンをほとんど排出しない低臭気なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。しかしながら、上記一般式(3)で示されるアミン化合物は、触媒自身の臭気が強いことから、上記一般式(1)で示されるアミン化合物、及び/又は上記一般式(2)で示されるアミン化合物と混合して用いることがより好ましい。混合比率としては、通常、上記一般式(3)で示されるアミン化合物/上記一般式(1)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)、好ましくは30〜70/70〜30(重量比)の範囲である。また、通常、上記一般式(3)で示されるアミン化合物/上記一般式(2)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)、好ましくは30〜70/70〜30(重量比)の範囲である。
【0065】
本発明において、上記一般式(1)で示されるアミン化合物、上記一般式(2)で示されるアミン化合物、及び上記一般式(3)で示されるアミン化合物を混合して使用する場合、混合比率としては、通常、一般式(1)で示されるアミン化合物/一般式(2)で示されるアミン化合物/一般式(3)で示されるアミン化合物=10〜45/10〜45/10〜45(重量比)、好ましくは20〜40/20〜40/20〜40の範囲である。
【0066】
本発明の触媒組成物をポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造に用いる際の使用量は、使用されるポリオ−ルを100重量部としたとき、通常0.01〜10重量部の範囲であるが好ましくは0.05〜5重量部の範囲である。本発明の触媒組成物を上記範囲を超えて多量に用いると、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの生産ラインへの適合性に欠け、また揮発性アミンの量も多くなるため好ましくない。
【0067】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法に使用される触媒は、上記した本発明の触媒組成物であるが、それ以外にも本発明を逸脱しない範囲で他の触媒を併用して用いることができる。そのような他の触媒としては、例えば、従来公知の有機金属触媒、アミン系触媒等を挙げることができる。
【0068】
有機金属触媒としては、従来公知のものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。これらのうち、スタナスジオクトエートが好適に使用できる。
【0069】
アミン系触媒としては、従来公知のものであればよく、特に限定するものではないが、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等の第3級アミン化合物が挙げられる。また、上記一般式(1)、(2)又は(3)で示されるアミン化合物以外の、反応性基を持つ第3級アミン化合物も使用でき、例えば、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、3−キヌクリジノール等が挙げられる。
【0070】
本発明の触媒組成物以外の他の触媒を併用する場合、少量の使用で反応性を高めることができるトリエチレンジアミン及びビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルが特に好ましい。またその使用量は、触媒組成物全体の10重量%以下にすることがより好ましい。
【0071】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法に用いられる発泡剤としては、水、低沸点有機化合物が好適なものとして例示される。低沸点有機化合物としては、例えば、炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物等の低沸点化合物が挙げられる。炭化水素化合物としては、例えば、従来公知のメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等が使用できる。ハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、従来公知のハロゲン化メタン、ハロゲン化エタン類、フッ素化炭化水素類が使用でき、具体的には、塩化メチレン、HCFC−141b(化学名:1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、HFC−245fa(化学名:1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、HFC−365mfc(化学名:1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)等が使用できる。これら発泡剤の使用においては、水と低沸点有機化合物を単独で使用しても、併用してもよい。本発明の製造方法において特に好ましい発泡剤は水である。
【0072】
本発明の製造方法における発泡剤の使用量は、目的とする製品の密度により変わり得るため、特に限定するものではないが、ポリエステルポリオール100重量部に対して、通常0.1重量部以上であり、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。
【0073】
本発明の製造方法に用いられる整泡剤は、従来公知の有機シリコーン系整泡剤であり、特に限定するものではない。整泡剤の使用量は、ポリオール100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
【0074】
本発明の製造方法において、必要であれば、架橋剤又は鎖延長剤を使用することができる。架橋剤又は鎖延長剤としては、低分子量の多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等)、低分子量のアミンポリオール類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、ポリアミン類(例えば、エチレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンビスオルソクロルアニリン等)等が例示される。
【0075】
本発明の製造方法には、必要に応じて、着色剤、難燃剤、老化防止剤等の添加剤、及び/又はその他従来公知の添加剤等も使用できる。これらの添加剤の種類、添加量は公知の形式と手順を逸脱しないならば通常使用される範囲で十分使用することができる。
【0076】
本発明の製造方法により得られるポリエステル系軟質ポリウレタンフォームは種々の製品に使用できる。本発明の製造方法により得られるポリエステル系軟質ポリウレタンフォームは、軽量で弾性に優れており、これを用いた製品としては、例えば、自動車、家具、寝具、クッション、衣料品等が挙げられる。
【0077】
なお、本発明において、軟質ポリウレタンフォームとは、Gunter Oertel著、「Polyurethane Handbook」(1985年版)Hanser Publishers社(ドイツ),p.161〜233や、岩田敬治著、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(1987年初版)日刊工業新聞社、p.150〜221に記載の、一般的にオープンセル構造を有し、高い通気性を示す可逆変形可能なフォームをいう。軟質ポリウレタンフォームの物性は、特に限定されるものではないが、一般的には、密度が10〜100kg/m、圧縮強度(ILD25%)が200〜8000kPa、伸び率が50〜500%の範囲である。本発明の軟質ポリウレタンフォームは、使用する原料及びフォーム物性から半硬質ポリウレタンフォームを含むものとする。
【0078】
半硬質ポリウレタンフォームは、Gunter Oertel著、「Polyurethane Handbook」(1985年版)Hanser Publishers社(ドイツ),p.223〜233や、岩田敬治著、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(1987年初版)日刊工業新聞社、p.211〜221に記載されているように、フォーム密度及び圧縮強度は軟質ポリウレタンフォームよりも高いものの、軟質ポリウレタンフォームと同様にオープンセル構造を有し、高い通気性を示す可逆変形可能なフォームである。また、使用するポリオール、イソシアネート等の原料も軟質ポリウレタンフォームと同様であるため、一般に軟質ポリウレタンフォームに分類される。半硬質ウレタンフォームの物性は、特に限定されるものではないが、一般的には、密度が40〜800kg/m、圧縮強度(ILD25%)が10〜200kPa、伸び率が40〜200%の範囲である。
【実施例】
【0079】
以下、本発明を実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定して解釈されるものではない。
【0080】
実施例1〜実施例15、比較例1〜比較例16、及び参考例1〜参考例4.
本発明の触媒組成物、参考例、及び比較例の触媒を用いポリエステル系軟質ポリウレタンフォームを製造した例を以下に示す。
【0081】
N−メチルピペラジン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、及びN−ヒドロキシイソプロピルモルホリンを、表1に示した調合比にて混合し、本発明の触媒組成物C−1〜C−12を調合した。
【0082】
【表1】

次に、ポリエステルポリオール、水、整泡剤、スズ触媒、及びトルエンジイソシアネートを表2に示した原料配合比にて調合し、プレミックスAとした。
【0083】
【表2】

上記プレミックスA 523gを1000mlポリエチレンカップに取り、本発明の触媒組成物C−1〜C−12、参考例、及び比較例の触媒を、各々の反応性が下記のライズタイムで85±10秒となる量を添加し、25℃に温度調整した。
【0084】
別容器で25℃に温度調整したポリイソシアネート液(T−80)をイソシアネートインデックス{イソシアネート基/OH基(モル比)×100)}が95となる量だけ、上記プレミックスAのカップの中に入れ、素早く攪拌機にて9000rpmで10秒間攪拌した。混合攪拌した混合液を25℃に温度調節したモールド(内寸法、25cm×25cm×25cmのアルミ製)内に移して評価に必要な数のフォームを成形し、発泡中の反応性、フォーム成形性、フォームの臭気及びフォームのVOC(揮発性有機化合物)を確認した。
【0085】
次に、フォーム成形性について良好な結果を示した触媒組成物については、原料スケールをアップさせ、上記と同様な操作にて、イソシアネートインデックス{イソシアネート基/OH基(モル比)×100)}が112となる混合液を、25℃に温度調節したモールド(内寸法、50cm×50cm×50cmの木製)内に移しフォーム成形した。混合液を入れた時点から30分後にフォームを脱型し、成形フォームを得た。前記成形フォームからフォームの内部スコーチ(焼け)を測定し比較した。
【0086】
更に実施例の触媒組成物については、作業性(取り扱い)及び触媒の臭気を測定し比較した。また、触媒活性は上記検討で得られた触媒添加量から触媒活性の強弱を判定した。
【0087】
実施例1〜実施例15、比較例1〜比較例16、及び参考例1〜参考例4の結果を表3〜表8にあわせて示す。
【0088】
【表3】

【0089】
【表4】

【0090】
【表5】

【0091】
【表6】

【0092】
【表7】

【0093】
【表8】

なお、各測定項目の測定方法は以下のとおりである。
【0094】
(1)反応性(秒)の測定項目.
クリームタイム:発泡開始時間、フォームが上昇開始する時間を目視にて測定した。
【0095】
ライズタイム:フォームの上昇が停止する時間をレーザ変位センサ[キーエンス社製、型式:LF−2510]にて測定した(図1参照)。
【0096】
(2)フォーム物性の測定項目.
・フォームの成形性:アルミ製モールドで成形したフォームを1週間養生した後、目視にて観察し、成形性を以下のとおり評価した。
【0097】
◎:収縮と変形がない(収縮率=0%)、
○:収縮と変形が少しある(収縮率=5%未満)、
△:収縮と変形がある(収縮率=5〜20%)、
×:収縮と変形が顕著である(収縮率=20%以上)。
【0098】
ここで、収縮率とは、成型性試験の前後におけるフォームの体積の変化率をいう。
【0099】
・フォームの臭気:木製モールドで成形したフォームを1週間養生した後、モールド成形フォームの中心部をカットし、断面部分を10人のモニターによって臭いを嗅いで貰い、臭いの強さを以下のとおり評価した。
【0100】
◎:ほとんど臭い無し、
○:微かに臭気あり、
△:臭気有り、
×:強い臭気有り。
【0101】
・フォームのスコーチ性:木製モールドで成形したフォームを1週間養生した後、モールド成形フォームの中心部をカットし、断面を目視にて観察しスコーチとして次のように評価した。色表現は、JIS規格「物体の色名」Z8102に準拠した表現を用いた。
【0102】
◎:フォーム内部の変色がない(ごくうすい、黄みの、白)、
○:フォーム内部の変色が少しある(うすい、黄みの、白)、
△:フォーム内部の変色がある(こい、黄みの、白)、
×:フォーム内部の変色が顕著である(うすい、黄みの、黄)、
−:フォーム成形性が悪いため、スコーチ性評価が出来なかった。
【0103】
・フォームのVOC量:アルミ製モールドで成形したフォームを1日養生した後、表面部分をカットし、採取したフォーム片(15mg)を昇温脱離ガス分析装置(TDS:Gerstel社製、型式:TDS−2A)で90℃、30分間加熱し、フォーム中のVOCを脱離させ、捕集管で収集した[図2の(1)参照]。次にこの捕集管を加熱し、VOCガスをガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS:アジレント・テクノロジー社製、型式:HP6890/5973)に注入し、VOC量を測定した[図2の(2)参照]。この測定値をフォーム1g中から脱離したVOC量に換算し、上記表中に示した。なお、表中、n.d.は定量限界の量以下であることを示す。
【0104】
(3)触媒活性:本発明の触媒組成物及び比較例の触媒を、各々の反応性がライズタイムで85±10秒となる様に調整し使用量を求め、触媒の量から以下のとおり評価した。
【0105】
◎:活性が強い(触媒使用量=2.0pbw未満)、
○:十分な活性がある(触媒使用量=2.0〜2.5pbw)、
△:活性が弱い(触媒使用量=2.5〜3.0pbw)、
×:活性が非常に弱い(触媒使用量=3.0pbw以上)。
【0106】
(4)触媒の臭気:触媒を内容積30ccのガラス瓶に1g入れ、10人のモニターによってその臭いを嗅いで貰い、臭いの強さを以下のとおり評価した。
【0107】
◎:ほとんど臭い無し、
○:微かに臭気あり、
△:臭気有り、
×:強い臭気有り。
【0108】
(5)作業性(取り扱い易さ):上記した(3)触媒活性及び(4)触媒の臭気の評価を踏まえ、触媒の取り扱い易さを以下のとおり評価した。
【0109】
◎:取り扱い易い、
○:普通に取り扱える、
△:取り扱いに注意がいる、
×:取り扱い難い。
【0110】
実施例1〜実施例15から明らかなように、本発明の触媒組成物を用いたポリエステル系軟質ポリウレタンフォームはフォーム成形性に優れ、フォーム内部のスコーチがほとんどなかった。また、フォームの臭気がほとんどなく、VOC量も少なかった。また、実施例3〜実施例5、実施例9〜実施例11、実施例14、及び実施例15のポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームは、作業性(取り扱い)が良く、触媒活性が高く、触媒の臭気が少なかった。
【0111】
これに対し、比較例1〜比較例4及び比較例16は、分子内に反応性基を持たない3級アミン化合物を触媒に用いた例である。比較例1〜比較例4は揮発性のアミン化合物の触媒がフォーム中から排出され臭気がした。比較例16はフォームが収縮変形し成形性が悪かった。
【0112】
また、比較例5〜比較例15は、分子内にポリイソシアネートと反応しうる1級及び2級アミノ基、又はヒドロキシアルキル基を持つアミン化合物を触媒として単独で使用した例であるが、比較例5、及び比較例8はフォームにスコーチが発生した。また、比較例6、比較例7、及び比較例9〜比較例15はフォームが収縮変形し成形性が悪かった。
【0113】
さらに、参考例1〜参考例4は、本発明の触媒組成物に用いられるアミン化合物と、他の触媒として、分子内に1級及び2級のアミノ基又はヒドロキシアルキル基を有するアミン化合物を使用した例である。具体的には、他の触媒として、比較例5で使用したアミン化合物(フォームにスコーチが発生)、又は比較例6で使用したアミン化合物(フォームが収縮変形)との混合物を使用した。これら他の触媒が触媒組成物全体の10重量%を超えているため、参考例1、参考例2、及び参考例4は、比較例5と同様にフォームにスコーチが発生した。また、参考例3は、比較例6と同様にフォームが収縮変形し成形性が悪かった。これらの参考例から明らかなように、本発明の触媒組成物以外の他の触媒を併用する場合には、本発明を逸脱しない範囲で用いる必要があり、多量に使用することは好ましくない。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施例におけるライズタイムの測定方法の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施例におけるフォームのVOC量の測定方法の概略を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを、下記一般式(1)
【化1】

[上記式(1)中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R、R、R、及びRは各々独立して水素原子、又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。]
で示されるアミン化合物、下記一般式(2)
【化2】

[上記式(2)中、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物、及び下記一般式(3)
【化3】

[上記式(3)中、R、及びRは各々独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、Rは炭素原子数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有する触媒組成物、発泡剤及び整泡剤の存在下に反応させるポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項2】
一般式(1)で示されるアミン化合物と一般式(2)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、その混合比率が、一般式(1)で示されるアミン化合物/一般式(2)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項3】
一般式(1)で示されるアミン化合物と一般式(3)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、その混合比率が、一般式(1)で示されるアミン化合物/一般式(3)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項4】
一般式(2)で示されるアミン化合物と一般式(3)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、その混合比率が、一般式(2)で示されるアミン化合物/一般式(3)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項5】
一般式(1)で示されるアミン化合物、一般式(2)で示されるアミン化合物、及び一般式(3)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、一般式(1)で示されるアミン化合物/一般式(2)で示されるアミン化合物/一般式(3)で示されるアミン化合物=10〜45/10〜45/10〜45(重量比)であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項6】
一般式(1)で示されるアミン化合物が、1−メチルピペラジン、1−エチルピペラジン、1−プロピルピペラジン、1−イソプロピルピペラジン、1−ブチルピペラジン、1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、1,2−ジメチルピペラジン、1,2,5−トリメチルピペラジン、及び1,2,6−トリメチルピペラジンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項3、及び請求項5のいずれかに記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項7】
一般式(2)で示されるアミン化合物が、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)モルホリン、、及びN−(2−ヒドロキシブチル)モルホリン、及びN−(1−ヒドロキシメチルプロピル)モルホリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4、又は請求項5に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項8】
一般式(3)で示されるアミン化合物が、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシブチル)アミン、及びN,N−ジメチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする請求項1、及び請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項9】
触媒組成物が、1−メチルピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン、及びN,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項10】
下記一般式(1)
【化4】

[上記式(1)中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R、R、R、Rは各々独立して水素原子、又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。]
で示されるアミン化合物を含有するポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【請求項11】
上記一般式(1)で示されるアミン化合物と、下記一般式(2)
【化5】

[上記式(2)中、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物、及び下記一般式(3)
【化6】

[上記式(3)中、R、及びRは各々独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、Rは炭素原子数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有することを特徴とする請求項10に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【請求項12】
触媒組成物が、一般式(1)で示されるアミン化合物と一般式(2)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、その混合比率が、一般式(1)で示されるアミン化合物/一般式(2)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)であることを特徴とする請求項11に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【請求項13】
触媒組成物が、一般式(1)で示されるアミン化合物と一般式(3)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、その混合比率が、一般式(1)で示されるアミン化合物/一般式(3)で示されるアミン化合物=20/80〜80/20(重量比)であることを特徴とする請求項11に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【請求項14】
触媒組成物が、一般式(1)で示されるアミン化合物、一般式(2)で示されるアミン化合物、及び一般式(3)で示されるアミン化合物を含有する触媒組成物であって、上記一般式(1)で示されるアミン化合物/上記一般式(2)で示されるアミン化合物/上記一般式(3)で示されるアミン化合物=10〜45/10〜45/10〜45(重量比)であることを特徴とする請求項11に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【請求項15】
一般式(1)で示されるアミン化合物が、1−メチルピペラジン、1−エチルピペラジン、1−プロピルピペラジン、1−イソプロピルピペラジン、1−ブチルピペラジン、1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、1,2−ジメチルピペラジン、1,2,5−トリメチルピペラジン、及び1,2,6−トリメチルピペラジンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする請求項10乃至請求項14のいずれかに記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【請求項16】
一般式(2)で示されるアミン化合物が、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)モルホリン、、及びN−(2−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(1−ヒドロキシメチルプロピル)モルホリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする請求項11、請求項12、又は請求項14に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【請求項17】
一般式(3)で示されるアミン化合物が、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシブチル)アミン、及びN,N−ジメチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする請求項11、請求項13、又は請求項14に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【請求項18】
1−メチルピペラジンを含有することを特徴とする請求項10に記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【請求項19】
1−メチルピペラジンと、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン、及びN,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物とを含有することを特徴とする請求項11乃至請求項14のいずれかに記載のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−120831(P2009−120831A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274754(P2008−274754)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】