説明

ポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用のアミン触媒、及びそれを用いたポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法

【課題】成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチがなく、更に製品中から揮発性のアミン化合物をほとんど排出しない低臭気なポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法、及びそれに使用される新たな触媒を提供する。
【解決手段】一般式(1)


[R、R、Rは各々独立して水素原子、又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。Rは水素原子、あるいは官能基としてアミノ基、ヒドロキシ基を持つエーテル酸素が存在しても良いアルキル基を表す。]で示されるアミン化合物からなる触媒をポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用のアミン触媒組成物及びそれを用いたポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法に関する。更に詳しくは、フォーム成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチ(焼け)がなく、更に揮発性のアミン化合物をほとんど排出しないポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームを製造するための触媒組成物及びポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
軟質ポリウレタンフォームとは、オープンセル構造を有し、圧縮の硬さが極めて小さく、可撓性のあるフォームである。このうち、幅の広い厚板状のものや長くて連続したフォームブロックは、スラブストック、略してスラブと呼ばれ、後に適当な形状に切断されて使用される。中でも、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームは、軽量で弾性に優れるため、自動車、家具、寝具、クッション、衣料等の製品に広く使用されている。
【0003】
ポリウレタンフォームはポリイソシアネートとポリオールを、触媒及び必要に応じて発泡剤、整泡剤、さらに必要ならば架橋剤等の他の助剤の存在下に反応させて製造される。ポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームでは、一般に、ポリオールとしてポリエステルポリオールを用い、触媒としてアミン系触媒を使用して良好なフォームを製造している。
【0004】
フォームのスコーチを発生させずにフォームの成形性(収縮と変形)が良好なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームを製造するには、触媒として、特定のアミン化合物が使用される。例えば、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン等が知られている。
【0005】
しかしながら、前記したアミン化合物をポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム用の触媒として用いた場合、成形フォーム中にアミン化合物がフリーの形で残留し、揮発性のアミンとして徐々に排出するため製品の臭気問題が発生する。この問題を解決する方法として、これらのアミン化合物に対しアミン臭気の少ない触媒であるN−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等を用いてポリウレタンフォームを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
更に分子内にポリイソシアネートと反応しうる1級及び2級のアミノ基又はヒドロキシアルキル基を有するアミン化合物をポリウレタンフォームの製造に使用する方法が提案されている(例えば、特許文献2〜特許文献5参照)。
【0007】
上記特許文献によれば、これらのアミン化合物は、ポリイソシアネートと反応した形でポリウレタン樹脂骨格中に固定化されるため、上記問題を回避できるとしている。
【0008】
しかしながら、これら分子内に反応性基を有するアミン化合物をポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造に用いると、フォームが収縮したりフォーム内部のスコーチが発生する等、良好なフォームが成形できないという問題があった。
【0009】
なお、本件出願人は、上記の背景技術に鑑み、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを、下記一般式(I)
【0010】
【化1】

[上記式(I)中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R、R、R、及びRは各々独立して水素原子、又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。]
で示されるアミン化合物、下記一般式(II)
【0011】
【化2】

[上記式(II)中、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物、及び下記一般式(III)
【0012】
【化3】

[上記式(III)中、R、及びRは各々独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、Rは炭素原子数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有する触媒組成物、発泡剤及び整泡剤の存在下に反応させるポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法について、既に特許出願している(特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平7−258367号公報
【特許文献2】特開昭46−4846号公報
【特許文献3】特開平4−85317号公報
【特許文献4】特開2003−206327号公報
【特許文献5】特開2004−27010号公報
【特許文献6】特開2009−120831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造において、成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチがなく、更に製品中から揮発性のアミン化合物をほとんど排出しない低臭気なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法、及びそれに使用される新たな触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造の際に特定のアミン化合物を触媒として用いると、フォーム成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチがなく、更に揮発性のアミン化合物をほとんど排出しない低臭気なポリウレタン軟質ポリウレタンフォームが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
即ち、本発明は以下に示すとおりの、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用のアミン触媒、及びそれを用いたポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法である。
【0017】
[1]下記一般式(1)
【0018】
【化4】

[上記式(1)中、R、R、Rは各々独立して水素原子、又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。Rは水素原子、下記一般式(2)
【0019】
【化5】

(上記式(2)中、Rは水素原子、又はメチル基を表し、nは1〜2の整数を表す。)
で表される官能基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、又は3−アミノプロピル基を表す。]
で示されるアミン化合物からなるポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォーム製造用のアミン触媒〔ただし、下記一般式(I)
【0020】
【化6】

[上記式(I)中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R、R、R、及びRは各々独立して水素原子、又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。]
で示されるアミン化合物、下記一般式(II)
【0021】
【化7】

[上記式(II)中、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物、及び下記一般式(III)
【0022】
【化8】

[上記式(III)中、R、及びRは各々独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、Rは炭素原子数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有することはない〕。
【0023】
[2]一般式(1)で示されるアミン化合物が、下記一般式(3)
【0024】
【化9】

[上記式(3)中、Rは水素原子、又はメチル基を表す。Rは水素原子、ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、又は3−アミノプロピル基を表す。]
で示されるアミン化合物であることを特徴とする上記[1]に記載のアミン触媒。
【0025】
[3]一般式(1)で示されるアミン化合物が、1−(2’−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)イミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)イミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)イミダゾールからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のアミン触媒。
【0026】
[4]ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを、触媒、発泡剤及び整泡剤の存在下に反応させて、ポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造する方法において、触媒として上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のアミン触媒を使用することを特徴とするポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法。
【発明の効果】
【0027】
本発明のアミン触媒を、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造の際に用いると、フォーム成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチがなく、更に揮発性のアミン化合物をほとんど排出しない低臭気なポリウレタン軟質ポリウレタンフォームが得られるため、本発明は産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例におけるライズタイムの測定方法の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施例におけるフォームのVOC量の測定方法の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0030】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォーム製造用のアミン触媒は、上記一般式(1)で示されるアミン化合物からなる。
【0031】
上記一般式(1)のアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、1−(2’−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)イミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−4−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−4−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−4−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−4−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−5−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル))−5−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル))−5−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル))−5−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−エチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−エチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2−エチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2−エチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−4−エチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−4−エチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−4−エチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−4−エチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−5−エチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−5−エチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−5−エチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−5−エチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル))−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル))−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル))−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル))−2,4−ジエチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2,4−ジエチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2,4−ジエチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2,4−ジエチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジエチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2,5−ジエチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2,5−ジエチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2,5−ジエチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−4,5−ジエチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジエチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−4,5−ジエチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−4,5−ジエチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,4,5−トリメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2,4,5−トリメチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2,4,5−トリメチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2,4,5−トリメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,4,5−トリエチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2,4,5−トリエチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2,4,5−トリエチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2,4,5−トリエチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−4−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−4−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−4−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−4−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−5−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−5−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−5−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−5−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−4、5−ジエチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−4、5−ジエチル−2−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−4、5−ジエチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−4、5−ジエチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル))−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル))−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル))−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル))−5−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−5−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−5−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−5−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,5−ジエチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2,5−ジエチル−4−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2,5−ジエチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2,5−ジエチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−4−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−4−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−4−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−4−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2,4−ジエチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2,4−ジエチル−5−メチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2,4−ジエチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2,4−ジエチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−5−エチル−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−5−エチル−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−5−エチル−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−5−エチル−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−4−エチル−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−4−エチル−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−4−エチル−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−4−エチル−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−エチル−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−エチル−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(5’−ヒドロキシ−3’−オキソペンチル)−2−エチル−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−メチル−5’−ヒドロキシ−3’−オキソヘキシル)−2−エチル−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)イミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)イミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)イミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−4−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−4−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−4−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−5−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−5−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−5−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2−エチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2−エチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2−エチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−4−エチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−4−エチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−4−エチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−5−エチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−5−エチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−5−エチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2,4−ジエチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2,4−ジエチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2,4−ジエチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2,5−ジエチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2
,5−ジエチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2,5−ジエチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−4,5−ジエチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−4,5−ジエチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−4,5−ジエチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2,4,5−トリメチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2,4,5−トリメチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2,4,5−トリメチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2,4,5−トリエチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2,4,5−トリエチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2,4,5−トリエチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−4−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−4−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−4−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−5−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−5−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−5−エチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−4,5−ジエチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−4,5−ジエチル−2−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−4,5−ジエチル−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−5−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−5−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−5−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2,5−ジエチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2,5−ジエチル−4−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2,5−ジエチル−4−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−4−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−4−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−4−エチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2,4−ジエチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2,4−ジエチル−5−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2,4−ジエチル−5−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−5−エチル−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−5−エチル−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−5−エチル−2,4−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−4−エチル−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−4−エチル−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−4−エチル−2,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2−エチル−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2−エチル−4,5−ジメチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2−エチル−4,5−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。
【0032】
これらのうち、触媒活性が高いため、1−(2’−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)イミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)イミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)イミダゾール、1−(2’−アミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)−2−メチルイミダゾールがより好ましく、1−(2’−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)イミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)イミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)イミダゾールがさらに好ましい。
【0033】
上記一般式(1)で示されるアミン化合物は、文献既知の方法にて容易に製造できる。例えば、1−(2’−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール等は、イミダゾールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加反応させれば得られる。また、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール等は、2−メチルイミダゾールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加反応させれば得られる。
【0034】
本発明のアミン触媒は、上記一般式(1)で示されるアミン化合物を単独で又は2種以上を任意に混合して用いても良い。
【0035】
本発明のアミン触媒は、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製品中においては、ポリウレタン樹脂骨格中に固定化され、フリーのアミン化合物としてほとんど存在しないため、揮発性のアミン化合物として排出されない。このため、アミン化合物の揮発による臭気を防止することが可能となる。
【0036】
本発明のアミン触媒は、上記一般式(I)で示されるアミン化合物、上記一般式(II)で示されるアミン化合物、及び上記一般式(III)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有することはない。
【0037】
上記一般式(I)で示されるアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、1−メチルピペラジン、1−エチルピペラジン、1−プロピルピペラジン、1−イソプロピルピペラジン、1−ブチルピペラジン、1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、1−ペンチルピペラジン、1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシルピペラジン、1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,2−ジメチルピペラジン、1−エチル−2−メチルピペラジン、2−メチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−2−メチルピペラジン、1−ブチル−2−メチルピペラジン、2−メチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、2−メチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、2−メチル−1−ペンチルピペラジン、2−メチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−2−メチルピペラジン、2−メチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、2−メチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,3−ジメチルピペラジン、1−エチル−3−メチルピペラジン、3−メチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−3−メチルピペラジン、1−ブチル−3−メチルピペラジン、3−メチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、3−メチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、3−メチル−1−ペンチルピペラジン、3−メチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−3−メチルピペラジン、3−メチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、3−メチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、2−エチル−1−メチルピペラジン、1,2−ジエチルピペラジン、2−エチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−2−エチルピペラジン、1−ブチル−2−エチルピペラジン、2−エチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、2−エチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、2−エチル−1−ペンチルピペラジン、2−エチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、2−エチル−1−ヘキシルピペラジン、2−エチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、2−エチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、3−エチル−1−メチルピペラジン、1,3−ジエチルピペラジン、3−エチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−3−エチルピペラジン、1−ブチル−3−エチルピペラジン、3−エチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、3−エチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、3−エチル−1−ペンチルピペラジン、3−エチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、3−エチル−1−ヘキシルピペラジン、3−エチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、3−エチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,2,3−トリメチルピペラジン、1−エチル−2,3−ジメチルピペラジン、2,3−ジメチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−2,3−ジメチルピペラジン、1−ブチル−2,3−ジメチルピペラジン、2,3−ジメチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、2,3−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、2,3−ジメチル−1−ペンチルピペラジン、2,3−ジメチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−2,3−ジメチルピペラジン、2,3−ジメチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、2,3−ジメチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,2,5−トリメチルピペラジン、1−エチル−2,5−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−2,5−ジメチルピペラジン、1−ブチル−2,5−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、2,5−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、2,5−ジメチル−1−ペンチルピペラジン、2,5−ジメチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−2,5−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、2,5−ジメチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,2,6−トリメチルピペラジン、1−エチル−2,6−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−2,6−ジメチルピペラジン、1−ブチル−2,6−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、2,6−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、2,6−ジメチル−1−ペンチルピペラジン、2,6−ジメチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−2,6−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、2,6−ジメチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン、1,3,5−トリメチルピペラジン、1−エチル−3,5−ジメチルピペラジン、3,5−ジメチル−1−プロピルピペラジン、1−イソプロピル−3,5−ジメチルピペラジン、1−ブチル−3,5−ジメチルピペラジン、3,5−ジメチル−1−(1−メチルプロピル)ピペラジン、3,5−ジメチル−1−(2−メチルプロピル)ピペラジン、3,5−ジメチル−1−ペンチルピペラジン、3,5−ジメチル−1−(2−メチルブチル)ピペラジン、1−ヘキシル−3,5−ジメチルピペラジン、3,5−ジメチル−1−(2−メチルペンチル)ピペラジン、3,5−ジメチル−1−(3−メチルペンチル)ピペラジン等が挙げられる。
【0038】
上記一般式(II)で示されるアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシブチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキブチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキブチル)モルホリン、N−(1−ヒドロキシメチルプロピル)モルホリン、N−(5−ヒドロキシペンチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシ−1−メチルブチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシ−2−メチルブチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシ−3−メチルブチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシペンチル)モルホリン、N−(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)モルホリン、N−(6−ヒドロキシヘキシル)モルホリン、N−(5−ヒドロキシ−1−メチルペンチル)モルホリン、N−(5−ヒドロキシ−2−メチルペンチル)モルホリン、N−(5−ヒドロキシ−3−メチルペンチル)モルホリン、N−(4−ヒドロキシメチルペンチル)モルホリン、N−(2−エチル−4−ヒドロキシブチル)モルホリン等が挙げられる。
【0039】
上記一般式(III)で示されるアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(2−ヒドロキブチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキブチル)アミン、N,N−ジメチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミン、N,N−ジメチル−(5−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシ−1−メチルブチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミン、N,N−ジメチル−(4−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジメチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジエチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジエチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジエチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジエチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジエチル−(3−ヒドロキブチル)アミン、N,N−ジエチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミン、N,N−ジエチル−(5−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジエチル−(4−ヒドロキシ−1−メチルブチル)アミン、N,N−ジエチル−(4−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジエチル−(4−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミン、N,N−ジエチル−(4−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジエチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジプロピル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジプロピル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジプロピル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジプロピル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジプロピル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジプロピル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジプロピル−(3−ヒドロキブチル)アミン、N,N−ジプロピル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミン、N,N−ジプロピル−(5−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジプロピル−(4−ヒドロキシ−1−メチルブチル)アミン、N,N−ジプロピル−(4−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジプロピル−(4−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミン、N,N−ジプロピル−(4−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジプロピル−(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジブチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジブチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジブチル−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミン、N,N−ジブチル−(4−ヒドロキシブチル)アミン、N,N−ジブチル−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)アミン、N,N−ジブチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミン、N,N−ジブチル−(3−ヒドロキブチル)アミン、N,N−ジブチル−(1−ヒドロキシメチルプロピル)アミン、N,N−ジブチル−(5−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジブチル−(4−ヒドロキシ−1−メチルブチル)アミン、N,N−ジブチル−(4−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン、N,N−ジブチル−(4−ヒドロキシ−3−メチルブチル)アミン、N,N−ジブチル−(4−ヒドロキシペンチル)アミン、N,N−ジブチル−(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)アミン等が挙げられる。
【0040】
本発明のアミン触媒は、上記一般式(I)で示されるアミン化合物、上記一般式(II)で示されるアミン化合物、及び上記一般式(III)で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有することなく、ポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造において、成形性に優れ、かつフォーム内部のスコーチがなく、更に製品中から揮発性のアミン化合物をほとんど排出しない低臭気なポリエステル系軟質ポリウレタンフォームを製造することができるものである。
【0041】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを、触媒、発泡剤及び整泡剤の存在下に反応させてポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造する方法において、触媒として、上記した本発明のアミン触媒を使用することをその特徴とする。本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法により得られる製品としては、例えば、自動車、家具、寝具、クッション、衣料等の製品が挙げられる。
【0042】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法に使用されるポリエステルポリオールとしては、特に制限はなく、従来公知のポリエステルポリオールを使用することができる。例えば、ジカルボン酸及び/又はモノカルボン酸を過剰のジオール類及び/又はポリヒドロキシアルコール類を反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。具体的には、アジピン酸、グルタル酸、琥珀酸、フタル酸若しくはその無水物、又は脂肪酸(例えば、リノール酸、オレイン酸等)と、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、又はペンタエリスリトールとの反応から得られるポリエステルポリオール等が例示される。
【0043】
これらポリエステルポリオールの分子量は100〜5000の範囲のものが使用できる。好ましくは分子量1000〜3000の範囲のポリエステルポリオールである。
【0044】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法に使用されるポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、従来公知のポリイソシアネートを使用することができる。例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフチレンジイシシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、及びこれらの混合物等が挙げられる。TDIとその誘導体としては、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、TDIの末端イソシアネートプレポリマー誘導体等を挙げることができる。これらポリイソシアネートのうち、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、これらの混合物等が好ましく使用される。
【0045】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法において、これらポリイソシアネートとポリエステルポリオールの使用比率としては、特に限定するものではないが、イソシアネートインデックス(イソシアネート基/イソシアネート基と反応しうる活性水素基)で表すと、通常60〜130の範囲である。
【0046】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法において、上記一般式(1)で示されるアミン化合物を単独でポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法に用いると、フォームの成形性が良く、フォーム内部のスコーチがなく、更には揮発性アミンをほとんど排出しない低臭気なポリウレタン軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0047】
本発明のアミン触媒をポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造に用いる際の使用量は、使用されるポリオ−ルを100重量部としたとき、通常0.01〜10重量部の範囲であるが、好ましくは0.05〜5重量部の範囲である。本発明のアミン触媒を上記範囲を超えて多量に用いると、ポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの生産ラインへの適合性に欠け、また揮発性アミンの量も多くなるため好ましくない。
【0048】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法に使用される触媒は、上記した本発明のアミン触媒であり、それ以外の触媒(以下、「他の触媒」と称する。)を使用する必要は特にないが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の触媒を併用してもよい。他の触媒としては、例えば、上記一般式(I)〜(III)で示されるアミン化合物以外の、従来公知の有機金属触媒、第3級アミン触媒等を挙げることができる。
【0049】
有機金属触媒としては、特に限定するものではないが、例えば、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。これらのうち、スタナスジオクトエートが好適に使用できる。
【0050】
第3級アミン触媒としては、特に限定するものではないが、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等の第3級アミン化合物が挙げられる。
【0051】
また、第3級アミン触媒として、上記一般式(1)で示されるアミン化合物以外の、反応性基を持つ第3級アミン化合物を使用してもよい。例えば、N,N−ジメチル−N’N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’N’−ビス(ヒドロキシエチル)ネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−N’N’−ビス(ヒドロキシエチル)ヘキサンジアミン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル)ピペリジン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’N’−ビス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’N’−ビス(ヒドロキシプロピル)プロパンジアミン、N,N−ジメチル−N’N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ネオペンタンジアミン、N,N−ジメチル−N’N’−ビス(ヒドロキシプロピル)ヘキサンジアミン、N−(N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル)ピペリジン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N’N’−ビス(ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、3−キヌクリジノール等が挙げられる。
【0052】
本発明のアミン触媒と他の触媒とを併用する場合、他の触媒としては、少量の使用で反応性を高めることができるため、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルが特に好ましい。またその使用量は、触媒組成物全体(本発明のアミン触媒と他の触媒との合計量)の10重量%以下にすることがより好ましい。
【0053】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法に用いられる発泡剤としては、水や、低沸点化合物(例えば、炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物等)が好適なものとして例示される。炭化水素化合物としては、例えば、従来公知のメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等が使用できる。ハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、従来公知のハロゲン化メタン、ハロゲン化エタン類、フッ素化炭化水素類が使用でき、具体的には、塩化メチレン、HCFC−141b、HFC−245fa、HFC−365mfc等が使用できる。これら発泡剤の使用においては、水と低沸点有機化合物を単独で使用しても、併用してもよい。本発明の製造方法において特に好ましい発泡剤は水である。発泡剤の使用量は、目的とする製品の密度により変わり得るため、特に限定するものではないが、ポリエステルポリオール100重量部に対して通常0.1重量部以上であり、好ましくは0.5〜10.0重量部の範囲である。
【0054】
本発明の製造方法に用いられる整泡剤は、従来公知の有機シリコーン系整泡剤であり、特に限定するものではない。整泡剤の使用量は、ポリオール100重量部に対して0.1〜10重量部である。
【0055】
本発明の製造方法において、必要であれば、架橋剤又は鎖延長剤を使用することができる。架橋剤又は鎖延長剤としては、低分子量の多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等)、低分子量のアミンポリオール類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、又はポリアミン類(例えば、エチレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンビスオルソクロルアニリン等)等が例示される。
【0056】
本発明の製造方法には、必要に応じて、着色剤、難燃剤、老化防止剤その他従来公知の添加剤等も使用できる。これらの添加剤の種類、添加量は公知の形式と手順を逸脱しないならば通常使用される範囲で十分使用することができる。
【0057】
本発明の製造方法により得られるポリウレタン樹脂は、揮発性のアミン触媒をほとんど排出しないポリウレタン樹脂であり、ポリウレタン樹脂1g当りの揮発性のアミン触媒量が通常200ppm以下である。なお、本発明において、揮発性のアミン触媒量とは、ポリウレタン樹脂を90℃で30分加熱し、更に120℃で60分加熱したときにポリウレタン樹脂からガス状で発生する(ポリウレタン樹脂1g当りの)アミン触媒の総量を示す。
【0058】
本発明のポリエステル系軟質ポリウレタンフォームの製造方法により製造される製品は種々の用途に使用できる。例えば、ポリエステル系軟質ポリウレタンフォームは、軽量で弾性に優れるため、自動車、家具、寝具、クッション、衣料品等が挙げられる。
【0059】
なお、本発明において、軟質ポリウレタンフォームとは、一般的にオープンセル構造を有し、高い通気性を示す可逆変形可能なフォームをいう[例えば、Gunter Oertel著、「Polyurethane Handbook」(1985年版)Hanser Publishers社(ドイツ),p.161〜233や、岩田敬治著、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(1987年初版)日刊工業新聞社、p.150〜221参照]。軟質ポリウレタンフォームの物性としては、特に限定するものではないが、一般的には、密度が10〜100kg/m、圧縮強度(ILD25%)が200〜8000kPa、伸び率が50〜500%の範囲である。本発明において、軟質ポリウレタンフォームは、使用する原料及びフォーム物性から半硬質ポリウレタンフォームを含むものとする。
【0060】
半硬質ポリウレタンフォームは、フォーム密度及び圧縮強度は軟質ポリウレタンフォームよりも高いものの、軟質ポリウレタンフォームと同様にオープンセル構造を有し、高い通気性を示す可逆変形可能なフォームである[例えば、Gunter Oertel著、「Polyurethane Handbook」(1985年版)Hanser Publishers社(ドイツ),p.223〜233、岩田敬治著、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(1987年初版)日刊工業新聞社、p.211〜221参照]。半硬質ポリウレタンフォームは、使用するポリオール、イソシアネート等の原料も軟質ポリウレタンフォームと同様であるため、一般に軟質ポリウレタンフォームに分類される。半硬質ウレタンフォームの物性としては、特に限定するものではないが、一般的には、密度が40〜800kg/m、圧縮強度(ILD25%)が10〜200kPa、伸び率が40〜200%の範囲である。
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定して解釈されるものではない。
【0062】
実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例15.
本発明のアミン触媒及び比較例の触媒を用いポリエステル系軟質ポリウレタンフォームを製造した例を以下に示す。
【0063】
ポリエステルポリオール、水、整泡剤を表2に示した原料配合比にて調合し、プレミックスAとした。
【0064】
【表1】

プレミックスA 523gを1000mlポリエチレンカップに取り、本発明の実施例の触媒組成物及び比較例の触媒を、各々の反応性が下記のライズタイムで85±10秒となる量を添加し、25℃に温度調整した。
【0065】
別容器で25℃に温度調整したポリイソシアネート液(T−80)をイソシアネートインデックス{イソシアネート基/OH基(モル比)×100)}が95となる量だけ、上記プレミックスAのカップの中に入れ、素早く攪拌機にて9000rpmで10秒間攪拌した。混合攪拌した混合液を25℃に温度調節したモールド(内寸法、25×25×25cmのアルミ製)内に移して評価に必要な数のフォームを成形し、発泡中の反応性とフォーム成形性、フォームの臭気及びフォームのVOC(揮発性有機化合物)を確認した。
【0066】
次に、フォーム成形性について良好な結果を示した触媒については、原料スケールをアップさせ、上記と同様な操作にて、イソシアネートインデックス{イソシアネート基/OH基(モル比)×100}}が112となる混合液を、25℃に温度調節したモールド(内寸法、50×50×50cmの木製)内に移しフォーム成形した。混合液を入れた時点から30分後にフォームを脱型し、成形フォームを得た。上記成形フォームからフォームの内部スコーチを測定し比較し、これらの結果を表2〜表4にあわせて示す。
【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
【表4】

なお、各測定項目の測定方法は以下のとおりである。
【0070】
・反応性の測定項目:
クリームタイム:発泡開始時間、フォームが上昇開始する時間を目視にて測定した、
ライズタイム:フォームの上昇が停止する時間を、レーザ変位センサ(キーエンス社製、型式:LF−2510)を用いて測定した(図1参照)。
【0071】
・フォームの成形性:アルミ製モールドで成形したフォームを1週間養生した後、目視にて観察し、成形性として次のように評価した。
【0072】
◎:収縮と変形がない(収縮率=0%),
○:収縮と変形が少しある(収縮率=5%未満),
△:収縮と変形がある(収縮率=5〜20%),
×:収縮と変形が顕著である(収縮率=20%以上)。
【0073】
ここで、収縮率とは、成型性試験の前後におけるフォームの体積の変化率をいう。
【0074】
・フォームの臭気:アルミ製モールドで成形したフォームを1週間養生した後、モールド成型フォームの中心部をカットし、断面部分を10人のモニターによって臭いを嗅いで貰い、臭いの強さを以下のとおり評価した。
【0075】
◎:ほとんど臭い無し,
○:微かに臭気あり,
△:臭気有り,
×:強い臭気有り。
【0076】
・フォームのVOC:アルミ製モールドで成形したフォームを1日養生した後表面部分をカットし、採取したフォーム片(15mg)を昇温脱離ガス分析装置(TDS、Gerstel社製、型式:TDS−2A)で90℃、30分間加熱し、フォーム中のVOCを脱離させ、捕集管で収集した[図2の(1)参照]。次にこの捕集管を加熱し、VOCガスをガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS、アジレント・テクノロジー社製、型式:HP6890/5973)に注入し、VOC量を測定した[図2の(2)参照]。この測定値をフォーム1g中から脱離したVOC量に換算し表記した。なお、表中、n.d.は定量限界の量以下であることを示す。
【0077】
・フォームのスコーチ:木製モールドで成形したフォームを1週間養生した後、モールド成形フォームの中心部をカットし、断面を目視にて観察しスコーチとして次のように評価した。なお、色表現は、JIS規格「物体の色名」Z8102に沿った表現を用いた。
【0078】
◎:フォーム内部の変色がない(ごくうすい、黄みの、白),
○:フォーム内部の変色が少しある(うすい、黄みの、白),
△:フォーム内部の変色がある(こい、黄みの、白),
×:フォーム内部の変色が顕著である(うすい、黄みの、黄)。
【0079】
実施例1〜実施例4から明らかなように、本発明のアミン触媒を用いたポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームはフォーム成形性に優れ、フォーム内部のスコーチがほとんど無かった。また、フォームの臭気がほとんどなく、VOC量も少なかった。
【0080】
これに対し、比較例1〜比較例4及び比較例15は、分子内に反応性基を持たない3級アミン触媒を用いた例である。比較例1〜比較例4は揮発性のアミン触媒がフォーム中から排出され臭気がありVOC量が多かった。比較例15はフォームが収縮変形し成形性が悪かった。
【0081】
また、比較例5〜比較例14は、分子内にポリイソシアネートと反応しうる1級及び2級アミノ基、又はヒドロキシエチル基を持つアミン触媒の単独で使用した例であるが、比較例5、比較例8はフォームにスコーチが発生した。また、比較例6、比較例7、比較例9〜比較例14はフォームが収縮変形し成形性が悪かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

[上記式(1)中、R、R、Rは各々独立して水素原子、又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。Rは水素原子、下記一般式(2)
【化2】

(上記式(2)中、Rは水素原子、又はメチル基を表し、nは1〜2の整数を表す。)
で表される官能基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、又は3−アミノプロピル基を表す。]
で示されるアミン化合物からなるポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォーム製造用のアミン触媒〔ただし、下記一般式(I)
【化3】

[上記式(I)中、Rは炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R、R、R、及びRは各々独立して水素原子、又は炭素原子数1〜2のアルキル基を表す。]
で示されるアミン化合物、下記一般式(II)
【化4】

[上記式(II)中、Rは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物、及び下記一般式(III)
【化5】

[上記式(III)中、R、及びRは各々独立して炭素原子数1〜4のアルキル基、Rは炭素原子数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。]
で示されるアミン化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物を含有することはない〕。
【請求項2】
一般式(1)で示されるアミン化合物が、下記一般式(3)
【化6】

[上記式(3)中、Rは水素原子、又はメチル基を表す。Rは水素原子、ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、又は3−アミノプロピル基を表す。]
で示されるアミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載のアミン触媒。
【請求項3】
一般式(1)で示されるアミン化合物が、1−(2’−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2’−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2’−アミノエチル)イミダゾール、1−(2’−アミノプロピル)イミダゾール、1−(3’−アミノプロピル)イミダゾールからなる群より選ばれる1種又は2種以上のアミン化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアミン触媒。
【請求項4】
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを、触媒、発泡剤及び整泡剤の存在下に反応させて、ポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造する方法において、触媒として請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアミン触媒を使用することを特徴とするポリエステル系軟質ポリウレタンスラブフォームの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−105813(P2011−105813A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260381(P2009−260381)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】