説明

ポリエステル系防汚ポリマー含有洗浄剤または清浄剤

本発明は、ポリエステル系防汚ポリマーを添加することにより、一次および二次洗浄作用が低下することのない、洗浄剤または清浄剤中のLASのMESによる部分的または完全な置き換えに関する。見解は、それによる、布地洗浄における損失を消費者が受け入れる必要のない、石油化学に基づく界面活性剤の脂肪化学に基づく界面活性剤への置き換えを開示する。これは、洗浄剤および清浄剤分野における持続可能で経済的な活動の方向へのさらなるステップとなる。スルホン酸エステルを含有する洗浄剤または清浄剤においてポリエステル系防汚ポリマーは、布地洗浄の灰色化の低減のために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪化学に基づく少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤ならびにポリエステル系防汚ポリマーを含有する洗浄剤または清浄剤および手動または自動布地洗浄におけるそれらの使用に関する。
【0002】
さらに、布地洗浄における布地の灰色化を低減するための、スルホン酸エステル含有洗浄剤または清浄剤におけるポリエステル系防汚ポリマーの使用に関する。さらに、洗浄温度40℃以下において、前述の洗浄剤または清浄剤を使用する布地の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、人間社会は環境影響をより包括的に低減し、その結果、経済活動をより持続可能なものとする一般的必要性を生じている。
したがって、洗浄剤および清浄剤の部門においても同様に、特にできる限り環境適合性であり持続可能性の原則に適合する有効な製剤を作り出すことは、消費者および産業界の両者の要求である。
【0004】
このため、例えば欧州における一般的なおよび特定の洗浄剤の今日の開発は、法的規定および基準(例えば欧州共同体洗剤条例)に基づいている。それにより、洗浄剤に現在使用される全ての界面活性剤に対して、一次分解は少なくとも80%でなければならず、(28日後の)完全な生分解は、少なくとも60%でなければならない。
【0005】
さらなる要求は、法的規定や基準に適合するだけでなく、それに加えて、できる限り環境保全の要因に役立つよう貢献することである。
【0006】
化石または石油化学原料の埋蔵量が限られているという事実は、多くの消費者に不利な点であると考えられており、その結果、そのような資源の保護が、非常に好まれる。さらに、化石原料に基づく界面活性剤は、しばしば、嫌気性条件下で分解されにくい。
【0007】
したがって、特に、その界面活性剤の少なくとも一部、より良くはほとんどが、または完全に持続可能な原料に基づいて製造されるこの種類の洗浄剤または清浄剤処方を利用可能とするための一般的な要求が存在する。しかしながら、この要求はさらに、その界面活性剤の少なくとも一部、より良くはほとんどが、または完全に持続可能な原料に基づいて製造された系に基づき、消費者により期待され、今日では当然のこととなった非常に良好な一次および二次洗浄力(一次=汚れ除去力;二次=灰色化抑制)を可能とする試みにも関係している。
【0008】
しかしながら、最も大きな経済的重要性の存在する界面活性剤群(石油化学原料に基づくアルキルベンゼンスルホン酸塩)と比較して、持続可能な原料に基づく界面活性剤は、しばしば処方組みがより困難であり、さらに通常、同一の投入量で、洗浄力(好ましくは汚れ除去力、特に脂肪汚れを含む染みを洗浄する能力)はより低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この一般的な背景に対して、本発明により特に達成されるべき課題は、界面活性成分が石油化学資源におけるストレスを最小限にする洗浄剤または清浄剤を提供することである。この課題は、本発明の方法により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主題は、脂肪化学に基づく少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤、ならびにポリエステル系防汚ポリマーを含有する洗浄剤または清浄剤である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「脂肪化学に基づく」とは、本発明の目的に対して、問題となる界面活性剤(例えば陰イオン性界面活性剤)が、主に植物から、また動物、油および/または脂肪から生じる原料に実質的に基づいていることを意味する。重要な植物性油脂は、例えば、菜種油、ヒマワリ油、亜麻仁油、ココナツ脂肪、ココナツ油、パーム油、パーム核油、大豆油、ピーナッツ油、ヒマシ油である。重要な動物性脂肪は、例えば牛脂および鶏脂である。
【0012】
全ての天然油脂は、主に偶数の炭素数を有する直鎖状不飽和炭素鎖の脂肪酸だけを含むという事実に注目すべきである。ここで、1つの例外は、3%のC17脂肪酸を有する牛脂である。
【0013】
化石、特に石油化学原料、すなわち、特に石油および天然ガスから入手可能な基本物質は、そこからはっきりと区別される。
【0014】
実質的に(すなわち、少なくとも一部が、より良くはほとんどが、または完全に)脂肪化学に基づく陰イオン性界面活性剤、すなわち、実質的に天然油脂の持続可能な原料に基づく陰イオン界面活性剤は、特にスルホン酸エステルであり、好ましくはスルホン酸メチルエステル(MES)、脂肪アルコール硫酸塩(FAS)である。
【0015】
それにより、(実質的に脂肪化学に基づく)スルホン酸エステルは本発明に特に好ましく用いることができる。スルホン酸エステルは、洗浄剤および清浄剤の当業者に周知であるため、この点において記述を簡単にすることができる。好ましく用いられるスルホン酸エステルは、通常α位に隣接して、分子中に末端エステル官能基およびスルホネート官能基を含有する。これらのα−スルホン酸エステルは、例えば、アルキルエステルと通常のスルホン酸化剤、好ましくは空気希釈した乾燥三酸化硫黄(SO)を80℃で反応させ、その後中和することにより得ることができる。ココナツ油(C12/C14鎖)、パーム核油(パーム核スルホ脂肪酸エステル)または獣脂メチルエステル(C16/C18鎖)が、特に好ましい。
【0016】
特に好ましいスルホン酸エステルは、下記式で記載することができる。
【化1】

【0017】
この式(I)中、Rは平均C〜C22アルキル基である。特に好ましくは、C10〜C18アルキル基、C12〜C14アルキル基、C14〜C16アルキル基、C12〜C15アルキル基、C〜C10アルキル基、C16〜C18アルキル基、C16アルキル基、C12〜C16アルキル基、またはC12〜C18アルキル基であり得る。しかしながら最も好ましくは、C16〜C18アルキル基、C12〜C16アルキル基、C16アルキル基、またはC12〜C18アルキル基である。
【0018】
この式(I)中、Rは、平均C〜Cアルキル基、特に好ましくはメチル基である。
【0019】
この式(I)中、nは1または2の数、好ましくは1である。
【0020】
この式(I)中、Mn+は対イオンを表し、Mは好ましくはNa、K、Ca、Mg、H、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、またはそれらの混合物である。本発明中、n+は、Mの種類により1+または2+である。対イオンとして、Na、K、またはMgが好ましい。
【0021】
同様に、(実質的に脂肪化学に基づく)脂肪アルコール硫酸塩を本発明に特に好ましく用いることができる。脂肪アルコール硫酸塩は、洗浄剤および清浄剤の当業者に周知である。好ましく使用し得る脂肪アルコール硫酸塩は、式(II)、RO−SOXで記載することができる。これらは、例えば、好ましくは飽和脂肪酸と濃硫酸、気体三酸化硫酸、クロロスルホン酸、アミドスルホン酸との反応により得られうる。
【0022】
式(II)、RO−SOXにおいて、Rは、特に、6〜22個の、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する直鎖状(または分枝状)脂肪族アルキル基および/またはアルケニル基を表し、Xは、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム、またはグルカンモニウムを表す。C12/14、C12/18およびC16/18脂肪アルコールに基づく脂肪アルコール硫酸塩、好ましくはそれらのナトリウム塩が特に好ましい。
【0023】
分枝状1級アルコールの場合、これらはオキソアルコールであり、例えばSHOP法による、α位オレフィン上での一酸化炭素と水素の反応により得られるオキソアルコールである。したがって、オキソアルコールに基づくアルキル硫酸塩は、脂肪化学に基づく陰イオン性界面活性剤ではない。
【0024】
(脂肪化学に基づく陰イオン性界面活性剤として)スルホン酸エステルおよび/または脂肪アルコール硫酸塩、ならびにポリエステル系防汚ポリマーを含有する本発明の洗浄剤または清浄剤が、本発明に特に好ましい。
【0025】
本発明において、脂肪化学に基づく陰イオン性界面活性剤は、石油化学原料に基づく陰イオン性界面活性剤、すなわち、アルカンスルホン酸塩、好ましくは2級アルカンスルホン酸塩(SAS)、ならびにアルキルベンゼンスルホン酸塩、例えば好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ならびにα−オレフィンスルホン酸塩と区別される。
【0026】
石油化学原料に基づく陰イオン性界面活性剤の総量は、製剤全体に基づいて、有利には20重量%未満、好ましくは15重量%未満、より有利には10重量%未満、さらに有利には5重量%未満、特に1重量%未満である。特に、実際に、石油化学原料に基づく陰イオン界面活性剤は、本発明に全く含まれない。
【0027】
しかしながら、本発明の洗浄剤または清浄剤がアルキルベンゼンスルホン酸塩を含有している場合(あり得るが、本発明には好ましくない)、全洗浄剤または清浄剤に基づき、多くても20重量%未満、例えば0.01〜15重量%未満の量、好ましくは10重量%未満、5重量%未満、さらに1重量%未満である。しかしながら、特に、本発明の好ましい実施態様においては、本発明の製剤がアルキルベンゼンスルホン酸塩を全く含有しない。
【0028】
アルキルベンゼンスルホン酸塩は、下記一般式を有する。
【化2】

〔式中、Rはアルキル基(原則としてC8〜C12)を表し、Mは1価の陽イオン、好ましくはナトリウムを表す。〕
【0029】
本発明の洗浄剤または清浄剤がアルカンスルホン酸塩を含有している場合(あり得るが、本発明には好ましくない)、全洗浄剤または清浄剤に基づき、多くても15重量%未満、例えば0.01〜10重量%未満の量、好ましくは5重量%未満または1重量%未満の量である。
【0030】
しかしながら、特に、本発明の好ましい実施態様においては、本発明の製剤がアルキルスルホン酸塩を全く含有しない。
【0031】
「アルカンスルホン酸塩」は、一般式R−SO−OM[式中、Rは(通常2級)アルキル基を表し、Mは1価陽イオン、好ましくはナトリウムである。]の化合物に対する総称である。
【0032】
本発明の洗浄剤または清浄剤がα−オレフィンスルホン酸塩を含有している場合(あり得るが、本発明には好ましくない)、全洗浄剤または清浄剤に基づき、多くても15重量%未満、例えば0.01〜10重量%未満の量、好ましくは5重量%未満または1重量%未満の量である。
【0033】
しかしながら、特に、本発明の好ましい実施態様においては、本発明の製剤がα−オレフィンスルホン酸塩を全く含有しない。
【0034】
「α−オレフィンスルホン酸塩」は、一般式R−CH=CH−(CH−SO−OM[式中、Rは(原則として直鎖状1級)アルキル基を表し、Mは1価の陽イオン、好ましくはナトリウムである(n=1または2)。]の化合物の総称である。
【0035】
工業グレードのα−オレフィンスルホン酸塩は、通常、製造的理由から、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩とアルケンスルホン酸塩を2:1の割合で製造される。
【0036】
脂肪アルコールエーテル硫酸塩(FAES)は、実質的に脂肪化学に基づき得ることができる。すなわち、(実質的に)脂肪化学原料とアルキレンオキシド(好ましはエチレンオキシド)との反応により脂肪アルコールアルコキシレートを産出し、その後、例えば三酸化硫黄と反応させ、脂肪アルコールエーテル硫酸塩に中和することにより得ることができる。本発明に必要なアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドは、原則として、石油化学資源に由来する。しかしながら、それは例えば、(例えば砂糖大根由来の)バイオエタノールのエチレンへの反応、その後のエチレンオキシドへの酸化によりバイオマスから回収することもできる。これは、特にブラジルやインドのような国において、対応する安価なバイオマスが利用可能な場合に、特に、経済的に非常に有用である。本発明の目的のために、脂肪アルコールエーテル硫酸塩の群は、アルキレンオキシドの由来に関係なく、とにかく脂肪アルコール成分を脂肪化学資源から入手し得るため、(実質的に)脂肪化学原料に基づく陰イオン界面活性剤に分類される。
【0037】
したがって、本発明の好ましい実施態様によれば、脂肪アルコールエーテル硫酸塩は、本発明の製剤中に、全洗浄剤または清浄剤に基づき、例えば0〜20重量%、有利には0.01〜15重量%、好ましくは1〜10重量%の量で含まれている。
【0038】
しかしながら、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、非常に少量(例えば、製剤全体に対して2重量%未満、または1重量%未満)の脂肪アルコールエーテル硫酸塩が含まれ、または実際には、本発明の製剤中に脂肪アルコールエーテル硫酸塩は全く含まれない。
【0039】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の洗浄剤または清浄剤中に、ポリエステル系防汚ポリマーは、製剤全体に基づき、0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%、有利には0.1〜1重量%、特に0.15〜0.8重量%の量で含まれている。出願人は、この量の防汚ポリマーが、布地洗浄の一次および二次洗浄力に関して、良好な結果を達成し得ることに寄与することを見出した。本発明の洗浄剤または清浄剤においては、2重量%を超えるポリエステル系防汚ポリマーの使用も可能である。
【0040】
スルホン酸エステル、好ましくはスルホン酸メチルエステル(MES)が、本発明の洗浄剤または清浄剤中に(実質的に)脂肪化学に基づく陰イオン界面活性剤として含まれる場合、製剤全体に基づき、有利には1〜20重量%、より有利には3〜15重量%、特に5〜10重量%の量であり、これが本発明の好ましい実施態様である。
【0041】
アルキルベンゼンスルホン酸塩、好ましくは直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)は、本発明の洗浄剤または清浄剤中に含まれる場合、製剤全体に基づき、有利には0.01〜20重量%、より有利には0.1〜10重量%、特に1〜5重量%の量であり、これも本発明の好ましい実施態様である。
【0042】
スルホン酸エステル、好ましくはMES、およびベンゼンスルホン酸塩、好ましくはLASが同時に用いられる場合、本発明の目的に対して、スルホン酸エステルの量比は少なくともアルキルベンゼンスルホン酸塩と同量であることが好ましく、それより多いことがより優位である。したがって、好ましい実施態様において、スルホン酸エステルとアルキルベンゼンスルホン酸塩の量比は、好ましくは少なくとも1:1、好ましくは少なくとも1.1:1、特に1.2:1である。スルホン酸エステルとアルキルベンゼンスルホン酸塩の量比は等量、例えば2:1または3:1であってもよく、例えば1:1〜20:1の範囲、または1.1:1〜10:1の範囲であってもよい。
【0043】
しかしながら、すでに記載したように、本発明の洗浄剤または清浄剤は、製剤全体に基づき、例えば1重量%未満のような非常に少量のアルキルスルホン酸塩を含有することができ、またアルキルベンゼンスルホン酸塩を全く含まなくても良い。
【0044】
アルキルベンゼンスルホン酸塩が、スルホン酸エステルにより一部または全て置き換えられる場合、布地、特にポリエステル混紡織物、また綿布地およびその混紡織物の灰色化が、布地洗浄において非常に増加し、それは視覚的な問題をもたらし、そのため消費者に不満をもたらす結果となり得る。
【0045】
全く驚くべきことに、ポリエステル系防汚ポリマーが(LASが全く存在しない状態で)MESとの組み合わせで使用される場合、または(MESによるLASの一部置き換えを伴い)MESを含む組み合わせで使用される場合、布地の灰色化、特にポリエステルおよびポリエステル混紡織物の灰色化がかなり軽減されることが見出されている。さらに、非常に良好な一次洗浄力が達成され得る。
【0046】
布地洗浄における非常に良好な一次および二次両方の洗浄力を備え、かなり高い割合で持続可能原料、すなわちMESに基づく界面活性剤を含有する消費製品を提供することがこの方法において可能である。逆に言えば、石油化学に基づく陰イオン界面活性剤(例えば特にLAS)を減らすことができ、または実際に全く省くことも可能である。
【0047】
特に、下記に直接的に記載されるような、ポリエステル系防汚ポリマーが本発明に利用される場合に、前述の一次および二次洗浄力における非常に良好な結果は達成される。
【0048】
本発明に、特に、実質的に下記からなる構造単位I〜IIIまたはI〜IVを包含するポリエステル系防汚ポリマーが含まれる場合も本発明の好ましい実施態様である。
−[(OCHR-CHR)-O-OC-Ph-CO-] (I)
−[(OCHR-CHR)-O-OC-sPh-CO-] (II)
−[(OCHR-CHR)-OR] (III)
−[多官能性単位] (IV)
[式中、a、b、およびcは、互いに独立して、それぞれ1〜200の数を表し、
d、e、およびfは、互いに独立して、それぞれ1〜50の数を表し、
gは、0〜5の数を表し、
Phは、1,4−フェニレン基を表し、
sPhは、5位を−SOMe基により置換した1,3−フェニレン基を表し、
Meは、Li、Na、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−またはテトラアルキルアンモニウムを表し、アンモニウムイオンのアルキル基はC〜C22アルキル基またはC〜C10ヒドロキシアルキル基、またはそれらの混合物を表し、
、R、R、R、R、およびRは、互いに独立して、それぞれ水素またはC
18n−またはイソ−アルキル基を表し、
は、直鎖状または分枝状C〜C30アルキル基あるいは直鎖状または分枝状C〜C30アルケニル基、5〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、C〜C30アリール基、またはC〜C30アリールアルキル基を表し、
「多官能性単位」は、エステル化反応をすることができる3〜6個の官能基を有する単位を表す。]
【0049】
これらの中でも、R、R、R、R、R、およびRが互いに独立して、水素またはメチルを表し、Rがメチルを表し、a、bおよびcが互いに独立して、1〜200、特に1〜20、特に好ましくは1〜5の数であり、極めて好ましくはaおよびbが1であり、およびcが2〜10の数であり得、dが1〜25、特に1〜10、特に好ましくは1〜5の数を示し、eが1〜30、特に2〜15、特に好ましくは3〜10の数を示し、fが0.05〜15、特に0.1〜10、特に好ましくは0.25〜3の数を示すポリエステルが好ましい。この種類のポリエステルは、例えば、テレフタル酸ジアルキルエステル、5−スルホイソフタル酸ジアルキルエステル、アルキレングリコール、場合によってはポリアルキレングリコール(a、bおよび/またはcは1より大きい)、および単末端キャップポリアルキレングリコール(単位IIIに相当)の重縮合により得ることができる。1より大きい数のa、b、cに対して、ポリマー骨格は存在し、その結果係数は、平均として、その間の任意の値であり得るということに注意すべきである。この値は、数平均分子量を反映する。テレフタル酸と1つまたはそれ以上の二官能性脂肪族アルコールとのエステルは、単位(I)として適当である;数平均分子量100〜2000g/molを有するエチレングリコール(RおよびRはそれぞれH)および/または1,2−プロピレングリコール(R=HおよびR=CHまたはその逆の場合)および/または短鎖ポリエチレングリコールおよび/またはポリ[エチレングリコール−コ−プロピレングリコール]を、本発明において使用することが好ましい。例えば、ポリマー鎖あたり1〜50の単位(I)が構造中に含まれ得る。5−スルホイソフタル酸と1つまたはそれ以上の二官能性脂肪族アルコールとのエステルは、単位(II)として適当であり、前述のものは本発明において好ましく使用される。例えば、ポリマー鎖あたり1〜50の単位(II)が構造中に含まれ得る。構造(III)の非イオン性単末端キャップポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルとして、平均分子量100〜2000g/molを有するポリ[エチレングリコール−コ−プロピレングリコール]モノメチルエーテル、および一般式CH−O−(CO)−H[式中、n=1〜99、特に1〜20、特に好ましくは2〜10である。]を使用することが好ましい。ポリエステル構造の量的換算により達成し得る最大理論平均分子量が、この種類の単末端キャップエーテルを使用して事前に定義されているため、構造単位(III)の好ましい利用量は、以下に記載される平均分子量を達成するために必要な量であると考えられる。さらに構造単位(I)、(II)および(III)から生じる直鎖状ポリエステルに加えて、架橋状または分枝状ポリエステル構造も本発明に使用し得る。これは、架橋効果を有し、かつ少なくとも3個から最大6個のエステル化反応をすることができる官能基を有する多官能性構造単位(IV)の存在により表される。本発明において列挙し得る官能基の分類は、酸、アルコール、エステル、アンヒドライドまたはエポキシ基である。本発明において、1つの分子中に異なる官能性が存在していてもよい。クエン酸、リンゴ酸、酒石酸および没食子酸、特に好ましくは2,2−ジヒドロキシメチルプロピオン酸が、それらの例となり得る。さらに、多価アルコール、例えばペンタエリスリトール、グリセロール、ソルビトールおよび/またはトリメチロールプロパンを使用し得る。多価アルコールまたは芳香族カルボン酸、例えばベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸(ヘミメリト酸)、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸(トリメリト酸)、またはベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸(トリメシン酸)も含まれる。架橋モノマーの重量比は、ポリエステルの総重量に基づいて、例えば10重量%以下、特に5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下の量であり得る。構造単位(I)、(II)、および(III)ならびに、必要に応じて(IV)を含むポリエステルは、一般的に、700〜50,000g/molの範囲の数平均分子量を有する;数平均分子量は、狭分布ポリアクリル酸ナトリウム塩標準を仕様して、水溶液におけるサイズ排除クロマトグラフィーにより測定することができる。
【0050】
数平均分子量は、好ましくは800〜25,000g/mol、特に1,000〜15,000g/mol、特に好ましくは1,200〜12,000g/molの範囲である。本発明によれば、40℃以上の軟化点を示す固体ポリマーを、二つめのタイプの粒子成分として使用することが好ましい。;それらは、好ましくは50〜200℃、特に好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは100〜120℃の軟化点を有する。ポリエステルの合成は既知の方法、例えば、はじめに上記成分を標準気圧下で触媒を加えて加熱し、その後、使用されるグリコールの高化学量論的な量を蒸留することにより、真空下で必須の分子量を構築するような方法を使用することができる。既知のエステル交換および縮合触媒、例えば、チタン酸テトライソプロピル、ジブチルスズオキシド、アルカリまたはアルカリ土類金属アルコール化合物、または三酸化アンチモン/酢酸カルシウムは、該反応に適当である。さらなる詳細として、EP442101を参照することができる。
【0051】
好ましく使用されるポリエステルは、容易に粉末にすることあるいは規定の粒度の顆粒に圧縮または凝集することができる固体粘稠度のポリエステルである。造粒は、合成により溶融物として得られたコポリマーを、例えば酸素または窒素のようなガスの冷却流により冷却することにより、あるいはフレーキングローラーまたは移動ベルトを使用することによりフレーク状に固めるような方法で行うことができる。この粗原料は、必要に応じて、例えばローラーフレームやふるいミルでさらに粉砕することができ、その後さらに上述したようにふるいにかけ円形化することができる。造粒は、固形化後ポリマーを粉末状に粉砕し、その後、上述したように圧縮または凝集し、円形化し、規定の粒度を有する顆粒に加工することにより行うことができる。
【0052】
MESによるLASの部分的または全く完全な置き換えにおいて、布地洗浄における一次および二次洗浄力を非常に効果的に維持するだけでなく、場合によっては実際に洗浄力を増加させることができる上述した防汚ポリマーが特に好ましい。好ましく使用される防汚ポリマーは、WO2007/079850A1(ここでそのまま参照する)にも記載される。
【0053】
特に有利に使用される防汚ポリマーは、顆粒状であり、特に下記の粒度分布を有するものである:
>1.6mm 1%
0.8〜1.6mm 20%
0.4〜0.8mm 50〜80%
0.1〜0.4mm 15〜45%
<0.1mm 5%
【0054】
本発明のさらなる好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は、さらに非イオン性界面活性剤を含有し、持続可能原料に基づく非イオン性界面活性剤、好ましくは脂肪化学原料に(実質的に)基づく非イオン性界面活性剤を使用することが本発明にとって好ましい。中でも、好ましく使用し得る持続可能原料に基づく非イオン性界面活性剤は、特に糖構造、例えば好ましくはアルキルポリグルコシド(APG)、糖エステル、特にスクロースエステルおよび/または糖アミド、特にグルカミド、脂肪酸サルコシネート、アルカノールアミド、タンパク質/脂肪酸縮合物、ならびに脂肪アミンである。
【0055】
糖界面活性剤は、例えば、アルキルグルコースエステル、アルドビオンアミド、グルコンアミド(糖酸アミド)、グリセロールアミド、グリセロール糖脂質、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド糖界面活性剤(糖アミド)、およびアルキルポリグリコシドの糖界面活性剤類に含まれる、既知の表面活性化合物である。
【0056】
本発明において、特に好ましく使用し得る糖界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、糖アミド(特にグルカミド)および糖エステル、例えば好ましくはスクロースエステルであり、中でも特にアルキルポリグリコシドである。
【0057】
特に好ましい糖アミドは、式(III):R'C(O)N(R'')[Z]〔式中、R'は、5〜21個、好ましくは5〜17個、特に7〜15個、特に好ましくは7〜13個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和アルキル基、好ましくは直鎖状不飽和アルキル基を表し、R''は、6〜22個、好ましくは6〜18個、特に8〜16個、特に好ましくは8〜14個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和アルキル基、好ましくは直鎖状不飽和アルキル基、C1〜5アルキル基、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルまたはn−ペンチル基あるいは水素を表し、Zは、糖基、すなわち単糖基を表す。〕で示すことができる。特に好ましい糖アミドは、グルコースのアミド、グルカミド、例えばラウロイルメチルグルカミドである。
【0058】
グルカミドは、N−アルキル化、好ましくはN−メチル化脂肪酸アミドであり、これはN−アルキル−(N−メチル)グルコサミンと脂肪酸メチルエステルとの反応により得ることができる。
【0059】
特に好ましいグルカミドは、下記一般式(IV)により示すことができる。
【化3】

〔上記式(IV)中、R'は、5〜21個、好ましくは5〜17個、特に7〜15個、特に好ましくは7〜13個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和アルキル基、好ましくは直鎖状不飽和アルキル基、例えばn−C12を表し、R''は、6〜22個、好ましくは6〜18個、特に8〜16個、特に好ましくは8〜14個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和アルキル基、好ましくは直鎖状不飽和アルキル基、C1〜5アルキル基、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルまたはn−ペンチル基あるいは水素、特に低級アルキル基、通常メチル基を表す。〕
【0060】
アルキルポリグリコシド(APG)は、好ましく用いられる糖界面活性剤であり、好ましくは、一般式(V):RO(AO)[G]〔式中、Rは、6〜22個、好ましくは6〜18個、特に8〜16個、特に好ましくは8〜14個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル基を表し、[G]は、グリコシド結合糖基を表し、xは、1〜10の数を表し、AOはアルキレンオキシ基、例えばエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基を表し、aは、0〜20の平均アルコキシル化度を表す。〕で示される。基(AO)は、異なるアルキレンオキシ単位、例えばエチレンオキシまたはプロピレンオキシ単位を含有することができ、この場合aは全アルコキシル化度の平均(すなわち、エトキシル化度およびプロポキシル化度の合計)である。他に記載のない限り、または以下に詳細に記載しない限り、APGsのアルキル基Rは、表示された数の炭素原子を有する直鎖状不飽和基である。
【0061】
APGsは非イオン性界面活性剤であり、調製有機化学の関係方法により得ることができる既知の物質である。指数xはオリゴマー化度(DP)(すなわち、モノ−およびオリゴグリコシドの分布)を表し、上述したように1〜10の間の数を表す。特定の化合物のxが常に整数でなければならず、この場合、主に値xは1〜6であるのに対して、特定のアルキルグリコシドに対する値xは、通常少数値で表される分析的に確認された計算値である。1.1〜3.0の平均オリゴマー化度xを有するアルキルグリコシドが、好ましくは使用される。応用工学の視点から、1.7未満、特に1.2〜1.6のオリゴマー化度を有するアルキルグリコシドが好ましい。キシロース、特にグルコースが、グリコシド糖として使用される。
【0062】
アルキル基またはアルキレン基R(前述の式(V):RO(AO)[G]に関する)は、8〜18個、好ましくは8〜14個の炭素原子を有する1級アルコールに由来し得る。典型的な例は、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、およびウンデシルアルコールならびにそれらの工業用混合物であり、それらは例えば、工業用脂肪酸メチルエステルの水素化により、またはローレンオキソ合成によるアルデヒドの水素化により得られる。しかしながら、アルキル基またはアルキレン基Rは、好ましくはラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、またはオレイルアルコールに由来することが好ましい。さらに、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラシジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコールおよびそれらの工業用混合物も挙げられる。
【0063】
好ましいAPGsは、アルコキシル化されておらず(a=0)、したがって、式(VI):RO[G]〔式中、Rは、前述したように、4〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状、飽和または不飽和アルキル基を表し、[G]はグリコシド結合糖基、好ましくはグルコース基を表し、xは1〜10、好ましくは1.1〜3、特に1.2〜1.6の数を表す。〕で示すことができる。対応する好ましいアルキルポリグリコシドは、例えば、1.4または1.5のDPを有するC8〜10およびC12〜14アルキルポリグリコシド、特にC8〜10アルキル−1,5−グルコシドおよびC12〜14アルキル−1,4−グルコシドである。
【0064】
特に好ましいAPGsは、例えば、下記式(VI)により示される。
【化4】

【0065】
ここで、平均オリゴマー化度xは、好ましくは1.2〜1.5である。アルキル基は、好ましくはC8〜C16の範囲であることが好ましい(したがって、上記式中のnは7〜15であることが好ましい)。
【0066】
糖エステルも、好ましく使用し得る非イオン性界面活性剤である。糖エステルは、糖アルコール(特にスクロース)と有機酸または無機酸(特に脂肪酸またはそれらの誘導体)とのエステル(すなわち、スクロースエステル)であり、例えば、スクロースと脂肪酸を溶液または融液において反応させることにより、あるいはトリグリセリドを使用するアルカリ触媒エステル交換により得ることができる。本発明において短鎖脂肪酸のモノエステル(例えばラウリン酸のモノエステル)が好ましい。
【0067】
スクロースエステルの非限定的な例として、例えば、説明に役立つ下記式VIII〜Xが挙げられる。
【化5】

【化6】

【0068】
これらの式VIII〜X中のnは、好ましくは1〜20の範囲の数である。スクロースエステルが一般的に複合混合物であるため(特にヒドロキシ官能性のものが存在するため)、上記式は主として説明に役立てることを意図するものである。
【0069】
脂肪酸サルコシネートも、好ましく使用し得る非イオン性界面活性剤である。「脂肪酸サルコシネート」とは、脂肪酸とN−メチルグリシンの縮合生成物をいう。脂肪酸サルコシネートは、N−メチルグリシンと脂肪酸クロリドとの反応により製造することができる。例えば、C12〜C18脂肪酸に基づく脂肪酸サルコシネートが特に好ましい。脂肪酸サルコシネートは、顕著な起泡性に優れ、また低い水硬度感受性および優れた皮膚親和性を示す。
【0070】
好ましく使用し得る脂肪酸サルコシネートは、下記一般式(XI)で示すことができる。
【化7】

〔式中、Rは、好ましくは8〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和アルキル基を表す。〕
【0071】
同様に、脂肪酸アルカノールアミドも、本発明に好ましく使用し得る。脂肪酸アルカノールアミドは、例えばアルカノールアミドと脂肪酸、脂肪酸メチルエステルまたは脂肪酸グリセリドとの反応により得ることができる。
【0072】
好ましい脂肪酸アルカノールアミドは、下記式(XII)により示すことができる。
【化8】

【0073】
−COは、一般的に脂肪酸基、特にステアリン基、ヤシ脂肪基またはオレイン基を表す。ジ−またはモノエタノールアミンまたはアミノプロパノールをアルカノールアミンとして使用することができ、それにより、上記式中のRおよびnの意味は定義付けられる。
【0074】
脂肪アミンも同様に、本発明に使用し得る。脂肪アミンは、例えば、脂肪アルコールをアンモニアまたは短鎖アルキルアミンまたはジアルキルアミンと脱水素化触媒の存在下、210〜260℃で反応させる方法により得ることができる。脂肪アミンの塩は、カチオン化活性乳化剤である。これらは、また、用語「脂肪アミン」に包含される。4級アンモニウム化合物は、アルキル化により得ることができる。4級アンモニウム化合物も、用語「脂肪アミン」に包含される。アミンオキシドは、脂肪アミンを、例えば過酸化水素により酸化することにより得ることができる。これらも用語「脂肪アミン」に包含される。
【0075】
本発明に使用し得るアミンオキシドには、アルキルアミンオキシド、特にアルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドアミンオキシド、およびアルコキシアルキルアミンオキシドが含まれる。好ましいアミンオキシドは、下記式(XIII):R−Oで示すことができる。式中、
は、飽和または不飽和C6〜22アルキル基、好ましくはC8〜18アルキル基、特に飽和C10〜16アルキル基、例えば飽和C12〜14アルキル基であり、アルキルアミドアミンオキシドにおいてはカルボニルアミドアルキレン基−CO−NH−(CH)−を介して、アルコキシアルキルアミンオキシドにおいてはオキシアルキレン基−O−(CH)−を介して窒素原子Nに結合し、それぞれzは1〜10、好ましくは2〜5、特に3の数を表す。
、Rは、互いに独立して、場合によってヒドロキシ置換されていてよいC1〜4アルキル基、例えばヒドロキシエチル基、特にメチル基である。
【0076】
適するアミンオキシドの例は、INCIに従って命名された以下の化合物である:アーモンドアミドプロピルアミンオキシド、ババスアミドプロピルアミンオキシド、ベヘンアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミンオキシド、ココ−モルホリンオキシド、デシルアミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジアミノピリミジンオキシド、ジヒドロキシエチルC8−10アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC9−11アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12−15アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチル獣脂アミンオキシド、水素化パーム核アミンオキシド、水素化獣脂アミンオキシド、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルC12−15アルコキシプロピルアミンオキシド、イソステアラミドプロピルアミンオキシド、イソステアラミドプロピルモルホリンオキシド、ラウラミドプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、メチルモルホリンオキシド、ミルクアミドプロピルアミンオキシド、ミンクアミドプロピルアミンオキシド、ミリスタミドプロピルアミンオキシド、ミリスタミンオキシド、ミリスチル/セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、オリーブアミドプロピルアミンオキシド、パルミタミドプロピルアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG−3 ラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシドリン酸カリウム、トリスホスホノメチルアミンオキシドカリウム、セサミドプロピルアミンオキシド、ダイズアミドプロピルアミンオキシド、ステアラミドプロピルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、獣脂アミドプロピルアミンオキシド、獣脂アミンオキシド、ウンデシレンアミドプロピルアミンオキシドおよびコムギ胚アミドプロピルアミンオキシド。好ましいアミンオキシドは、例えばコカミドプロピルアミンオキシドである。
【0077】
タンパク質/脂肪酸縮合物も同様に、本発明に使用し得る。タンパク質/脂肪酸縮合物は、例えば、タンパク質加水分解物を、例えば脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、好ましくは脂肪酸クロリドまたは置換無水マレイン酸によりアシル化することにより得ることができる。
【0078】
特に好ましいタンパク質/脂肪酸縮合物は、下記式により示すことができる。
【化9】

〔式中、nは、好ましくは1〜13である。〕
例えば、Lamepon(登録商標)グレード、Gluadin(登録商標)グレード、Hostapon(登録商標)KCG、またはAmisoft(登録商標)グレードが非常によく知られている。
【0079】
アルコキシル化脂肪アルコールは実質的に脂肪化学に基づき得ることができる。つまり、対応する脂肪酸とアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドとの反応により得ることができる。必要なアルキレンオキシドはバイオマスを介して回収し得るが、一般的には石油化学資源からすすめられる。本発明の目的に対して、アルコキシル化された脂肪アルコールは、いずれの場合も脂肪アルコールが脂肪化学資源から得られるため、アルキレンオキシドの起源に関係なく脂肪化学原料に(実質的に)基づく界面活性剤に分類される。
【0080】
12〜18個の炭素原子天然由来のアルコール(例えば、ヤシ、パーム、パーム核、獣脂またはオレイルアルコール)からなる直鎖残基、およびアルコール1モルあたり平均2〜8EOを有するを有するアルコールエトキシレートが好ましく使用される。中でも好ましいエトキシル化アルコールは、例えば、3EO〜6EOを有するC12〜C14アルコール、7EOを有するC〜C11アルコール、3EO、5EO、7EOまたは8EOを有するC13〜C15アルコール、4EO、5EO、7EOまたは9EOを有するC14〜C15アルコール、3EO、5EOまたは7EOを有するC12〜C18アルコール、およびそれらの混合物、例えば3EOを有するC12〜C14アルコールと7EOを有するC12〜C18アルコールの混合物である。上記のエトキシル化度は統計的な平均値であり、特定の生成物において、整数または分数であり得る。
【0081】
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は、非イオン性界面活性剤、特に脂肪化学に基づく非イオン性界面活性剤を、製剤全体に基づいて0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、特に1〜10重量%の量で含有する。
【0082】
本発明において、持続可能原料、すなわち好ましくは脂肪化学に基づく非イオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0083】
本発明において、アルコキシル化脂肪アルコールも好ましく使用し得る。
【0084】
本発明の洗浄剤または清浄剤が、アルコキシル化アルコールを、製剤全体に基づいて0〜20重量%、好ましくは0.01〜15重量%、特に1〜10重量%の量で含有する場合、これは本発明の好ましい実施態様に対応する。
【0085】
また、非常に少量、例えば、製剤全体に基づいて5重量%以下、好ましくは3重量%以下、特に2重量%以下、またはさらに1重量%以下のアルコキシル化脂肪アルコールを使用することも有利であり得る。実際には、全くアルコキシル化脂肪アルコールを含まなくてもよい。
【0086】
本発明の洗浄剤または清浄剤に含まれる界面活性剤の総量は、一般的に変化する。例えば、本発明の洗浄剤または清浄剤において、合計5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%、特に15〜30重量%の量の界面活性剤は、布地洗浄における洗浄力に関して非常に有利であることがわかった。
【0087】
本発明のさらなる好ましい実施態様において、本発明の洗浄剤または清浄剤は酵素、好ましくはアミラーゼ、プロテアーゼ、マンナーゼ、タンナーゼ、カルボアンヒドラーゼ、ぺクチナーゼ、リパーゼ、および/またはセルラーゼを包含し、有利には製剤全体に基づき、酵素を0.01〜5重量%の量で包含する。
酵素は、さらに下記でも取りあげる。
【0088】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の洗浄剤または清浄剤が、実際に下記のものを包含する事実は注目すべきである。
(a)特に1〜20重量%の量のスルホン酸エステル、好ましくはMES、
(b)特に0〜20重量%、例えば0.01〜5重量%の量のアルキルベンゼンスルホン酸塩、好ましくはLAS、
(c)有利には0〜15重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%の量の非イオン性界面活性剤、
(d)有利には0〜5重量%の量の酵素、
ならびに、さらに必要に応じて、洗浄剤または清浄剤の成分を包含する(「重量%」は、それぞれ製剤全体に基づく。)。
【0089】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の洗浄剤または清浄剤は、少なくとも50重量%、好ましくは60重量%より多くの、70重量%より多くの、80重量%より多くのまたは90重量%より多くの、有利には95重量%より多くの、より有利には99重量%より多くの、特に実際には100重量%の脂肪化学原料に基づく界面活性剤を含有する(「重量%」は、含まれる全界面活性剤の量に基づく。)。
【0090】
本発明のさらなる好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は、ゼオライト含有ビルダー系、好ましくはゼオライトを包含するゼオライト含有ビルダー系を、例えば、製剤全体に基づいて1〜50重量%、有利には5重量%より多くの、さらに有利には10重量%より多くの、さらに有利には15重量%より多くの、特に20重量%以上の量で含有する。
【0091】
本発明の他の好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は、可溶性ビルダー系、好ましくはナトリウム、ケイ酸塩、クエン酸塩および/またはポリカルボン酸塩を包含する可溶性ビルダー系を、特に製剤全体に基づき2.5〜60重量%の総量で含有する。
【0092】
本発明の他の好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は、リン酸塩を含有し、好ましくはリン酸塩を、製剤全体に基づき1〜40重量%、特に5〜30重量%の量で含むビルダー系を含有する。
【0093】
さらなる本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は7.5より高いpH(5%溶液、20℃にて測定)を有する。
【0094】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、あらゆる形態、すなわち、固形状、液状、ペースト状または半固形状で存在し得る。しかしながら、本発明の洗浄剤または清浄剤が固形状で存在することが好ましい。本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は、固形状で、特に粉末上または顆粒状で存在し、有利には成形体、特にタブレット状で存在する。
【0095】
本発明のさらなる課題は、手動または自動布地洗浄における、特に布地洗浄における布地の灰色化を低減するための、本発明の洗浄剤または清浄剤、好ましくはスルホン酸エステルを含有する洗浄剤または清浄剤の使用である。
【0096】
本発明のさらなる課題は、ポリエステル系防汚ポリマー、特に上述したポリエステル系防汚ポリマーの、スルホン酸エステル含有洗浄剤または清浄剤における、布地洗浄における布地の灰色化を低減するための使用である。
【0097】
本発明のさらなる課題は、ポリエステル系防汚ポリマー、特に上述したポリエステル系防汚ポリマーの、スルホン酸エステル含有洗浄剤または清浄剤における、一次洗浄力を増加するための使用である。
【0098】
スルホン酸エステル含有洗浄剤または清浄剤におけるポリエステル系防汚ポリマーの上記使用が、洗浄剤または清浄剤中のLAS含量15重量%以下、例えば0.01〜12重量%、好ましくは10重量%以下、有利には5重量%以下(「重量%」は、全洗浄剤または清浄剤に基づく)である場合、LAS含量は、特に0重量%であり、したがって、これが本発明の好ましい実施態様である。
【0099】
上記使用が、綿に基づく、合成繊維、好ましくはポリエステルに基づく、および/または混紡繊維、特にポリエステル/綿混紡繊維に基づく布地の布地洗浄に対して用いられる場合も本発明の好ましい実施態様である。
【0100】
さらなる本発明の課題は、本発明の洗浄剤または清浄剤を使用する布地洗浄方法であり、該方法において、洗浄温度は40℃以下、好ましくは30℃以下である。より高い洗浄温度、例えば60℃以上などで洗浄することも、当然可能である。しかしながら、非常に良好な洗浄結果を、例えば40℃以下、より好ましくは30℃以下の低い洗浄温度で得ることができる。
【0101】
完全にクレームされることのない、本発明の洗浄剤または清浄剤のいくつかの可能な成分を、以下でさらに詳細に説明する。
【0102】
陰イオン性界面活性剤、例えばスルホン酸塩および硫酸塩タイプの陰イオン性界面活性剤を使用することができる。適当な陰イオン性界面活性剤は、すでに列挙している。一般に、脂肪化学に基づく界面活性剤が、常に本発明にとって好ましい。
【0103】
さらに適当な陰イオン性界面活性剤は、例えばスルホン酸化脂肪酸グリセロールエステルである。「脂肪酸グリセロールエステル」は、モノ−、ジ−およびトリエステル、それらの混合物であると理解され、それらは、1〜3モルの脂肪酸を有するモノグリセロールのエステル化により、または0.3〜2モルのグリセロールを有するトリグリセリドのエステル交換による製造により得ることができる。好ましいスルホン酸化脂肪酸グリセロールエステルは、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸、例えばヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸のスルホン酸化生成物である。
【0104】
本発明の製剤は、スルホン化脂肪酸グリコールエステルを、例えば、製剤全体に基づいて0.01重量%より多く含有し得る。しかしながら、好ましい実施態様によれば、本発明の製剤は、スルホン化脂肪酸グリコールエステルを含有しない。すなわち、スルホン化脂肪酸グリコールエステル含量は、それぞれ製剤全体に基づいて、5重量%未満、好ましくは3重量%未満、有利には1重量%未満であり、特に全くスルホン化脂肪酸グリコールエステルを含有しない。
【0105】
好適なアルキル(アルケニル)硫酸塩は、C12〜C18脂肪アルコール、例えばヤシ油脂肪アルコール、獣脂脂肪アルコール、ラウリル、ミリスチル、セチルまたはステアリルアルコール、またはC10〜C20オキソアルコールの硫酸セミエステルの、およびこれら鎖長の第2級アルコールのセミエステルの、アルカリ塩、特にナトリウム塩である。
【0106】
石油化学に基づいて製造された合成直鎖アルキル基を含有し、脂肪化学原料に基づく適当な化合物に類似した分解挙動を有する、上記の鎖長のアルキル(アルケニル)硫酸塩も好適である。洗浄技術のためには、C12〜C16アルキル硫酸塩およびC12〜C15アルキル硫酸塩、ならびにC14〜C15アルキル硫酸塩が好ましい。
【0107】
1〜6モルのエチレンオキシドによりエトキシル化された直鎖または分枝状C7〜21アルコールの硫酸モノエステル、例えば、平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)を有する2−メチル分枝C9〜11アルコールまたは1〜4EOを有するC12〜18脂肪アルコールの硫酸モノエステルも適当である。それらの高い起泡性のため、これらは、特に清浄剤において比較的少量で、例えば1〜5重量%の量で好ましく使用される。好ましくは、本発明の製剤は硫酸モノエステルを含まなくてもよい。
【0108】
陰イオン性界面活性剤の他の類は、脂肪アルコールエトキシレートとクロロ酢酸ナトリウムを塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるエーテルカルボン酸の類である。それらは、一般式R10O−(CH−CH−O)−CH−COOH〔式中、R10はC〜C18であり、pは0.1〜20である。〕を有する。エーテルカルボン酸は、水硬度に反応せず、優れた界面活性特性を示す。
【0109】
エーテルカルボン酸は、必要に応じて、本発明の製剤に、例えば製剤全体に基づいて0.01重量%より多い量で含有され得る。しかしながら、本発明のさらなる好ましい実施態様によれば、本発明の製剤は、エーテルカルボン酸を含まない。すなわちエーテルカルボン酸の含量が5重量%未満、好ましくは3重量%未満、有利には1重量%未満であり、特にエーテルカルボン酸を全く含有しない(「重量%」は、それぞれ製剤全体に基づく)。
【0110】
また、例えばジ−またはポリヒドロキシアルカン、単糖および二糖、ポリエチレングリコールと、無水マレイン酸と炭素原子10〜25個の鎖長を有し、酸価10〜140を有する少なくとも1つの不飽和カルボン酸の最終付加物との部分エステルも適当な陰イオン性界面活性剤である。
【0111】
特に好ましい陰イオン性界面活性剤は、スルホスクシネート、スルホスクシナメートおよびスルホスクシンアミド、特にスルホスクシネートおよびスルホスクシナメート、特に好ましくはスルホスクシネートである。スルホスクシネートは、スルホコハク酸HOOCCH(SOH)CHCOOHのモノおよびジエステルの塩であり、「スルホスクシナメート」は、スルホコハク酸のモノアミドの塩であり、「スルホスクシンアミド」は、スルホコハク酸のジアミドの塩である。
【0112】
塩は、好ましくは、アルカリ金属塩、アンモニウム塩およびモノ、ジおよびトリアルカノールアンモニウム塩、例えば、モノ、ジおよびトリエタノールアンモニウム塩、特に、リチウム、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩、特に好ましくはナトリウムまた
はアンモニウム塩、さらに特に好ましくはナトリウム塩である。
【0113】
スルホスクシネートにおいて、スルホコハク酸の1つまたは両方のカルボキシル基が、4〜22個、好ましくは6〜20個、特に8〜18個、より好ましくは10〜16個、特に好ましくは12〜14個の炭素原子を有する非分枝または分枝の飽和または不飽和の非環式または環式の、場合によってアルコキシル化した1つまたは2つの同一かまたは異なるアルコールによりエステル化されていることが好ましい。特に好ましいくは、非分枝および/または飽和および/または非環式および/またはアルコキシル化アルコール、特に、非分枝飽和脂肪アルコール、および/または、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドでアルコキシル化され、アルコキシル化度1〜20、好ましくは1〜15、特に1〜10、より好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜4を有する非分枝飽和脂肪アルコールのエステルである。本発明において、モノエステルがジエステルより好ましい。特に好ましいスルホスクシネートは、スルホコハク酸ラウリルポリグリコールエステル二ナトリウム塩(ラウリル−EOスルホスクシネート二ナトリウム塩;INCI:Disodium Laureth Sulfosuccinate)であり、これは、例えば、スルホスクシネート含量30重量%を有するTego(登録商標)Sulfosuccinate F 30(Goldschmidt)として商業的に入手可能である。
【0114】
スルホスクシナメートまたはスルホスクシンアミドにおいて、スルホコハク酸の1つまたは両方のカルボキシル基が、好ましくは第一級または第二級アミンと共にカルボン酸アミドを形成し、該アミンは、4〜22個、好ましくは6〜20個、特に8〜18個、より好ましくは10〜16個、特に好ましくは12〜14個の炭素原子を有する非分枝または分枝の飽和または不飽和の非環式または環式の、場合によりアルコキシル化した1つまたは2つの同一かまたは異なるアルキル基を有する。非分枝および/または飽和および/または環式アルキル基、特に、非分枝飽和脂肪アルキル基が特に好ましい。
【0115】
International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbookに詳細に記載され、INCI名に従って呼称される下記のスルホスクシネートおよびスルホスクシナメートも適している:アンモニウムジノニルスルホスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ジアンモニウムジメチコンコポリオールスルホスクシネート、ジアンモニウムラウラミド−MEAスルホスクシネート、ジアンモニウムラウリルスルホスクシネート、ジアンモニウムオレアミドPEG−2スルホスクシネート、ジアミルナトリウムスルホスクシネート、ジカプリルナトリウムスルホスクシネート、ジシクロヘキシルナトリウムスルホスクシネート、ジヘプチルナトリウムスルホスクシネート、ジヘキシルナトリウムスルホスクシネート、ジイソブチルナトリウムスルホスクシネート、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、ジナトリウムセテアリルスルホスクシネート、ジナトリウムコカミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウムコカミドグルコシドスルホスクシネート、ジナトリウムココイルブチルグルセス-10スルホスクシネート、ジナトリウムC12−15パレススルホスクシネート、ジナトリウムデセス−5スルホスクシネート、ジナトリウムデセス−6スルホスクシネート、ジナトリウムジヒドロキシエチルスルホスクシニルウンデシレネート、ジナトリウムジメチコンコポリオールスルホスクシネート、ジナトリウム水素化コットンシードグリセリドスルホスクシネート、ジナトリウムイソデシルスルホスクシネート、ジナトリウムイソステアラミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウムイソステアラミドMIPA−スルホスクシネート、ジナトリウムイソステアリルスルホスクシネート、ジナトリウムラネス−5スルホスクシネート、ジナトリウムラウラミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウムラウラミドPEG−2スルホスクシネート、ジナトリウムラウラミドPEG−5スルホスクシネート、ジナトリウムラウレス−6スルホスクシネート、ジナトリウムラウレ−9スルホスクシネート、ジナトリウムラウレス−12スルホスクシネート、ジナトリウムラウリルスルホスクシネート、ジナトリウムミリスタミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウムノノキシノール−10スルホスクシネート、ジナトリウムオレアミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウムオレアミドMIPA−スルホスクシネート、ジナトリウムオレアミドPEG−2スルホスクシネート、ジナトリウムオレス−3スルホスクシネート、ジナトリウムオレイルスルホスクシネート、ジナトリウムパルミタミドPEG−2スルホスクシネート、ジナトリウムパルミトレアミドPEG−2スルホスクシネート、ジナトリウムPEG−4コカミドMIPA−スルホスクシネート、ジナトリウムPEG−5ラウリルシトレートスルホスクシネート、ジナトリウムPEG−8パルムグリセリドスルホスクシネート、ジナトリウムリシノレアミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウムシトステレス−14スルホスクシネート、ジナトリウムステアラミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウムステアリルスルホスクシナメート、ジナトリウムステアリルスルホスクシネート、ジナトリウムタラミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウム獣脂アミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウム獣脂スルホスクシナメート、ジナトリウムトリデシルスルホスクシネート、ジナトリウムウンデシレナミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウムウンデシレナミドPEG−2スルホスクシネート、ジナトリウム小麦ゲルマミドMEA−スルホスクシネート、ジナトリウム小麦ゲルマミドPEG−2スルホスクシネート、ジ−TEA−オレアミドPEG−2スルホスクシネート、ジトリデシルナトリウムスルホスクシネート、ナトリウムビスグリコールリシノスルホスクシネート、ナトリウム/MEAラウレス−2スルホスクシネート、テトラナトリウムジカルボキシエチルステアリルスルホスクシナメート。他の適するスルホスクシナメートは、ジナトリウムC16〜18−アルコキシプロピレンスルホスクシナメートである。
【0116】
本発明の洗浄剤または清浄剤の陰イオン性界面活性剤の総含有量は、広い範囲内で変化してよい。例えば、本発明の製剤は、非常に多量の、好ましくは40、50、60重量%までの、またはそれ以上の量の陰イオン界面活性剤を含有し得る。同様に、本発明の製剤は、非常に少量の、例えば15または10重量%未満または、5重量%未満、またはそれより少ない量の陰イオン性界面活性剤を含有し得る。しかしながら、有利には、陰イオン性界面活性剤は、本発明の製剤に、1〜40重量%、特に5〜30重量%の量で含まれる;10重量%以上、さらに15重量%以上の濃度が特に好ましい。好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は、全洗浄剤または清浄剤に基づいて少なくとも0.1重量%の陰イオン性界面活性剤を含有する。
【0117】
非イオン性界面活性剤に加えて、石鹸を本発明の洗浄剤または清浄剤に含有することができる。飽和脂肪酸石鹸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、水素化エルカ酸およびベヘン酸の塩、ならびに、特に天然脂肪酸、例えばココナツ、パーム核または獣脂脂肪酸から誘導される石鹸混合物が特に適当である。製剤の石鹸含有量は、陰イオン性界面活性剤に関係なく、製剤全体に基づいて好ましくは3重量%以下、特に0.5〜2.5重量%である。しかしながら、他の好ましい実施態様によれば、本発明の製剤は石鹸を含有しない。
【0118】
陰イオン性界面活性剤および石鹸は、それらのナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩の形態、および有機塩基、例えば、モノ、ジまたはトリエタノールアミンの可溶性塩の形態で存在することができる。それらは、好ましくは、それらのナトリウムまたはカリウム塩の形態、特にナトリウム塩の形態で存在する。陰イオン性界面活性剤および石鹸は、インサイチューで、例えば陰イオン性界面活性酸および、必要に応じて、脂肪酸が噴霧乾燥される組成物に導入され、噴霧乾燥される組成物中でアルカリ担体により中和されることにより製造される。
【0119】
有利には、本発明の洗浄剤または清浄剤は非イオン性界面活性剤も含有し得る。
【0120】
それらの濃度は、例えば、2または3または5重量%以下である。有用であるなら、例えば10重量%または15重量%または30重量%、40重量%、50重量%までの、またはそれ以上の多量の非イオン性界面活性剤を含有してもよい。適当な下限値は、0.01、0.1、1、2、3、または4重量%の値であり得る(「重量%」はそれぞれ製剤全体に基づく)。
【0121】
好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は、非イオン性界面活性剤を、好ましくは全洗浄剤または清浄剤に基づき少なくとも0.1重量%の量で含有する。別の好ましい実施態様によれば、本発明の製剤は、非イオン性界面活性剤を含まない。
【0122】
先行技術により既知の全ての非イオン性界面活性剤を、本発明の製剤に含有することができるが、脂肪化学に基づく非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0123】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、陽イオン性界面活性剤も含有することができる。適当な陽イオン性界面活性剤は、例えば、界面活性4級化合物、特にアンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ヨードニウムまたはアルソニウム基を有する界面活性4級化合物である。抗菌性作用を有する4級界面活性化合物の使用は、製剤に抗菌性作用を持たせることができ、またはすでに他の成分により存在する抗菌性作用を向上させることができる。
【0124】
特に好ましい陽イオン性界面活性剤は、ある程度の抗菌活性を有し、一般式:(R)(RII)(RIII)(RIV)N〔式中、R〜RIVは、同一または異なるC1〜22アルキル基、C7〜28アラルキル基または複素環基であり、その中で2つの基、または(ピリジン中でのような芳香族結合の場合には)3つの基が、窒素原子とともに複素環、例えばピリジニウムまたはイミダゾリニウム化合物を形成し、Xは、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、水酸化物イオンまたは類似の陰イオンである。〕で示される、4級アンモニウム化合物(QACs、INCI:4級アンモニウム化合物)である。最適な抗菌作用のために、少なくとも1つの基は、好ましくは8〜18個、特に12〜16個の炭素原子の鎖長を有する。
【0125】
QACsは、3級アミンとアルキル化剤、例えば、塩化メチル、塩化ベンジル、硫酸ジメチル、臭化ドデシル、またはエチレンオキシドとの反応により製造することができる。1つの長鎖アルキル基および2つのメチル基を有する3級アミンのアルキル化は、特に容易に進行し、2つの長鎖基および1つのメチル基を有する3級アミンの4級化も、塩化メチルを使用することにより穏やかな条件下で行うことができる。3つの長鎖アルキル基またはヒドロキシ置換アルキル基を有するアミンは低い反応性を有し、好ましくは硫酸ジメチルを使用して4級化される。
【0126】
適当なQACsの例は、塩化ベンザルコニウム(N−アルキル−N,N−ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、CAS No. 8001-54-5)、ベンザルコンB(m,p−ジクロロベンジルジメチル−C12−アルキルアンモニウムクロリド、CAS No. 58390-78-6)、塩化ベンズオキソニウム(ベンジルドデシル−ビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド)、臭化セトリモニウム(N−ヘキサデシル−N,N−トリメチルアンモニウムブロミド、CAS No. 57-09-0)、塩化ベンゼトニウム(N,N−ジメチル−N−[2−[2−[p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]エトキシ]エチル]ベンジルアンモニウムクロリド、CAS No. 121-54-0)、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、例えばジ−n−デシルジメチルアンモニウムクロリド(CAS No. 7173-51-5-5)、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド(CAS No. 2390-68-3)、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、1−セチルピリジニウムクロリド(CAS No. 123-03-5)およびヨウ化チアゾリン(CAS No. 15764-48-1)、ならびにこれらの混合物である。好ましいQACsは、C〜C18アルキル基を有する塩化ベンザルコニウム、特にC12〜C14アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリドである。特に好ましいQACは、ココペンタエトキシメチルアンモニウムメトスルフェート(INCI:PEG−5ココモニウムメトスルフェート;Rewoquat(登録商標)CPEM)である。
【0127】
本発明の洗浄剤または清浄剤に含まれる抗菌性陽イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤との起こり得る不適合性を回避するため、使用する陽イオン性界面活性剤は、最大限陰イオン性界面活性剤に対する適合性を有するものであり、および/またはできる限り少ない量で使用され、あるいは、特に本発明の実施態様では、陽イオン性界面活性剤を全く含まない。
【0128】
例えば4級アンモニウム化合物を含むさらなる陽イオン性界面活性剤を、特に、仕上げ(avivage)物質とともに下記に記載する。これらも、本発明の製剤に好ましく含有され得る。
【0129】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、1つまたはそれ以上の陽イオン性界面活性剤を、有利には、全組成物に基づいて、0〜30重量%、より有利には0〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%の量で含有する。適当な下限値は、0.5、1,2または3重量%であり得る。好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は、全洗浄剤または清浄剤に基づき、好ましくは少なくとも0.01重量%の量の陽イオン性界面活性剤を含有する。他の好ましい実施態様によれば、本発明の製剤は陽イオン性界面活性剤を含有しない。
【0130】
同様に、本発明の洗浄剤または清浄剤は、両性界面活性剤も含有し得る。これらを以下でさらに詳細に記載する。
【0131】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、1つまたはそれ以上の両性界面活性剤を、有利には、全組成物に基づき、0〜30重量%、より有利には0〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%の量で含有する。好ましい実施態様によれば、本発明の製剤は両性性界面活性剤を含有しない。
【0132】
本発明の洗浄剤または清浄剤のさらなる成分は、有機または無機ビルダー物質である。中でも無機ビルダー物質は、水溶性または不溶性成分、例えばアルミノケイ酸塩、特にゼオライトである。
【0133】
好ましい実施態様において、本発明の洗浄剤または清浄剤はリン酸塩を含まない。リン酸塩含有製剤も可能である。
【0134】
本発明の洗浄剤または清浄剤が、全洗浄剤または清浄剤に基づき、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、または少なくとも20重量%または少なくとも30重量%、あるいはそれ以上(例えば少なくとも50重量%)のゼオライト含有量を有することは、有利な条件となり得る。
【0135】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、可溶性ビルダーを、例えば、好ましくは製剤全体の総重量に基づき、50重量%までの量、有利には0.1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%の量で含有することができ、炭酸ナトリウムが可溶性ビルダーとしては特に好ましい。しかしながら、本発明の製剤が、10重量%未満、例えば5重量%未満の可溶性ビルダーを含有することも、有利な条件となり得る。好ましい実施態様によれば、本発明の製剤は、可溶性ビルダーを含まない。
【0136】
使用し得る結合水含有の微細結晶性合成ゼオライトは、好ましくはゼオライトAおよび/またはゼオライトPである。ゼオライトMAP(登録商標)(Crosfield Co.の製品)が、例えばゼオライトPとして特に好ましい。しかしながら、ゼオライトXならびにA、Xおよび/またはPの混合物も適当である。VEGOBOND AX(登録商標)(Condea社の製品)として購入し得る、ゼオライトXおよびゼオライトAの共結晶化ナトリウム/カリウムアルミニウムシリケートも特に興味深い。
【0137】
ゼオライトは、好ましくは、噴霧乾燥粉末としてまたは、調製してまだ湿潤状態である未乾燥性安定化懸濁液として使用され得る。ゼオライトを懸濁液として使用する場合には、その懸濁液は、安定化剤として微量の非イオン性界面活性剤、例えば、ゼオライトに基づき1〜3重量%の、2〜5個のエチレンオキシド基を有するエトキシ化C12〜C18脂肪アルコール、4〜5個のエチレンオキシド基を有するC12〜C14脂肪アルコールまたはエトキシル化イソトリデカノールを含有し得る。好ましいゼオライトは、10μm未満(体積分布;測定方法:コールターカウンター)の平均粒度を示し、好ましくは18〜22重量%、特に20〜22重量%の結合水を含有する。
【0138】
さらなる特に好適なゼオライトは、フォージャサイト型ゼオライトである。鉱物フォージャサイトは、ゼオライトXおよびYとともに、二重六員環サブユニットD6Rを特徴とするゼオライト構造グループ4のフォージャサイト型に属する。前記フォージャサイト型の他、ゼオライト構造グループ4は、鉱物菱沸石およびグメリン沸石、そして合成ゼオライトR(菱沸石型)、S(グメリン沸石型)、LおよびZK−5も含む。最後に記載した2つの合成ゼオライトには鉱物類似体は存在しない。
【0139】
フォージャサイト型のゼオライトは、D6Rサブユニットを介して四面体的に結合したβケージからなり、そのβケージはダイヤモンドの炭素原子と同じように配置されている。本発明の好適なフォージャサイト型ゼオライトの三次元網目構造は、2.2Åおよび7.4Åの孔を有する。さらに基本セルは直径およそ13Åの8個の空洞を含み、式:Na86[(AlO)86(SiO) 106]・264HOによって記載され得る。ゼオライトXの網目構造は、無水結晶に基づいて約50%の空洞容積を有する。その空洞容積は全ての既知ゼオライトの最大空間である(ゼオライトY:空洞容積 約48%、フォージャサイト:空洞容積 約47%)。
【0140】
本発明では、用語「フォージャサイト型ゼオライト」とは、ゼオライト構造グループ4のフォージャサイトサブグループを構成する3種類のゼオライト全てを特徴づけるものである。したがって、ゼオライトXだけでなく、ゼオライトYおよびフォージャサイト、ならびにこれらの化合物の混合物も、本発明に好ましく、純粋なゼオライトXが好ましい。
【0141】
本発明によれば、フォージャサイト型ゼオライトと他のゼオライトとの混合物または共結晶化物も好ましく、その混合物または共結晶化物は必ずしもゼオライト構造グループ4に属している必要はないが、少なくとも50重量%のゼオライトがフォージャサイト型であることが好ましい。
【0142】
適当なケイ酸アルミニウムは市販されており、それらを調製する方法は、標準的な研究論文に記載されている。
【0143】
X型の市販ゼオライトの例は、次式により記載することができる。
【化10】

〔式中、xは、0〜276の数値である。〕
これらのゼオライトの孔径は8.0〜8.4Åである。
【0144】
例えば、ゼオライトA−LSXも適当であり、それはゼオライトXとゼオライトAとの共結晶化物に相当し、無水形態では式:(M2/nO+M’2/nO)・Al・zSiO〔式中、MおよびM’は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であってよく、zは、2.1〜2.6の数である。〕を有する。この製品は、CONDEA Augusta S.p.A.からVEGOBOND AXという商品名で市販されている。
【0145】
Y型のゼオライトも市販されており、例えば下記式により記載することができる。
【化11】

〔式中、xは、0〜276の数である。〕
これらのゼオライトの孔径は8.0Åである。
【0146】
適当なゼオライトの粒度は、有利には0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、特に1〜30μmの範囲にあり、いずれの場合も標準的な粒度測定法を用いて測定される。他の好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は、ゼオライトを含有しない。
【0147】
本発明の好ましい実施態様では、含まれる無機成分の全ては、好ましくは、水溶性であるべきである。そのため、これらの実施態様では、記載したゼオライト以外のビルダー物質を使用する。
【0148】
他の好適なビルダー物質は、ポリアセタールであり、このポリアセタールは、ジアルデヒドと、5〜7個の炭素原子および少なくとも3つのヒドロキシ基を有するポリオールカルボン酸との反応により得ることができる。好ましいポリアセタールは、例えばグリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、およびそれらの混合物のようなジアルデヒドと、例えばグルコン酸および/またはグルコヘプトン酸のようなポリオールカルボン酸とから得られる。
【0149】
他の好適な有機ビルダー物質は、デキストリン、例えばデンプンの部分的加水分解により得ることができる炭水化物のオリゴマーまたはポリマーである。この加水分解は、通常の方法により行うことができ、例えば酸触媒または酵素触媒による方法がある。加水分解産物は、好ましくは、平均分子量が400〜500,000g/molの範囲のものである。ここでは、デキストロース当量(DE)が0.5〜40、特に2〜30の範囲の多糖類が好ましく、この場合、DEは、DEが100であるデキストロースと対照する多糖類の還元効果の慣例的な指標である。DEが3〜20であるマルトデキストリンおよびDEが20〜37である乾燥グルコースシロップ、そして2,000〜30,000g/molの範囲のより高い分子量を有する、いわゆる黄色デキストリンおよび白色デキストリンのいずれも使用することができる。好ましいデキストリンは、英国特許出願第9419091号に記載されている。そのようなデキストリンの酸化誘導体は、糖類の環の少なくとも1つのアルコール官能基をカルボン酸官能基へと酸化することができる酸化剤によるデキストリンの反応生成物である。
【0150】
オキシジスクシネートおよび他のジスクシネート誘導体、好ましくは、エチレンジアミンジスクシネートもまた、さらなる好適な共ビルダーである。エチレンジアミンN,N’−ジスクシネート(EDDS)を、そのナトリウム塩またはマグネシウム塩の形で使用することが好ましい。これに関連して、グリセロールジスクシネートおよびグリセロールトリスクシネートも好ましい。適当な使用量は、例えば、全洗浄剤または清浄剤に基づいて3〜15重量%である。
【0151】
使用することができる他の有機共ビルダーは、例えば、アセチル化ヒドロキシカルボン酸またはそれらの塩であり、それらは、場合によって、ラクトン形態で存在していてもよく、少なくとも4個の炭素原子と少なくとも1つのヒドロキシ基および最大でも2つの酸基を含有する。
【0152】
共ビルダー特性を有するさらなる物質はホスホネートである。これらは、特に、ヒドロキシアルカンホスホネートまたはアミノアルカンホスホネートである。ヒドロキシアルカンホスホネートでは、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネート(HEDP)が共ビルダーとして特に重要である。1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネートは、ナトリウム塩として使用することが好ましく、ジナトリウム塩は中性であり、テトラナトリウム塩はアルカリ性(pH9)である。適当なアミノアルカンホスホネートは、好ましくは、エチレンジアミンテトラメチレンホスホネート(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート(DTPMP)およびそれらの高級同族体である。それらは、中性のナトリウム塩の形で、例えば、EDTMPのヘキサナトリウム塩として、またはDTPMPのヘプタナトリウム塩およびオクタナトリウム塩として、使用することが好ましい。ビルダーとして使用されるホスホネートの類中でも、HEDPが好ましい。加えて、アミノアルカンホスホネートは、顕著な重金属結合能を有する。それゆえ、特に製剤が漂白剤も含む場合には、アミノアルカンホスホネート、特にDTPMP、または前記ホスホネートの混合物を使用することが好ましい。
【0153】
リン酸塩を含有することが許容される場合では、リン酸塩、特にトリリン酸五ナトリウム、場合によってピロリン酸塩およびオルトリン酸塩も使用することができ、それらは主としてカルシウム塩の沈殿剤として作用する。リン酸塩は、大部分は食器洗浄機用製剤に使用されるが、洗浄剤に使用されることもある。
【0154】
「アルカリ金属リン酸塩」は、様々なリン酸(メタリン酸(HPOおよびオルトリン酸HPO、ならびにより高分子量の代表物とは区別されていてよい)のアルカリ金属(特にナトリウムおよびカリウム)塩に対する総称である。リン酸塩は、数多くの利点を兼ね備える:リン酸塩は、アルカリ担体として働き、機械部品への石灰かすの沈積や布地への石灰の付着を防ぎ、さらに、洗浄力に貢献する。
【0155】
リン酸二水素ナトリウム、NaHPO、二水和物(密度1.91g/cm、融点60℃)として、そして一水和物(密度2.04g/cm)として存在する。どちらの塩も、水に極めて溶けやすい白色粉末であり、加熱すると結晶水を失い、200℃では弱酸性二リン酸塩(二リン酸水素二ナトリウム、Na)へと変換され、高温ではトリメタリン酸ナトリウム(Na)とマッドレル塩(下記参照)へと変換される。NaHPOは、酸性で反応し;それは、リン酸を、水酸化ナトリウムを用いてpH4.5に調整した場合に生成し、その懸濁液は噴霧乾燥される。リン酸二水素カリウム(第一または単塩基リン酸カリウム、重リン酸カリウム、KDP)、KHPOは、密度2.33g/cmの白色塩であり、融点は253℃であり(ポリリン酸カリウム、(KPOの形成により分解)、水に容易に溶解する。
【0156】
リン酸水素二ナトリウム(第二リン酸ナトリウム)、NaHPOは、水に極めて溶けやすい無色の結晶性塩である。リン酸水素二ナトリウムは、無水形態で、そして2モルの水(密度2.066g/cm、95℃で水消失)、7モルの水(密度1.68g/cm、融点48℃(5HOを消失))および12モルの水(密度1.52g/cm、融点35℃(5HOを消失))を有する状態で存在し、100℃で無水状態になり、さらに激しく加熱すると、二リン酸塩、Naへと転化する。リン酸水素二ナトリウムは、指示薬としてフェノールフタレインを用いて炭酸ナトリウム溶液でリン酸を中和することにより調製される。リン酸水素二カリウム(第二または二塩基リン酸カリウム)、KHPOは、白色の非晶質塩であり、水に容易に溶解する。
【0157】
リン酸三ナトリウム(第三リン酸ナトリウム)、NaPOは、無色の結晶であり、この結晶は、十二水和物としては密度が1.62g/cm、融点が73〜76℃(分解)であり、十水和物(19〜20%Pに相当する)としては融点が100℃であり、無水形態(39〜40%Pに相当する)では密度が2.536g/cmである。リン酸三ナトリウムは、水に容易に溶解し、アルカリ性反応を呈し、正確に1モルのリン酸二ナトリウムと1モルのNaOHの溶液を蒸発させることにより調製される。リン酸三カリウム(第三または三塩基リン酸カリウム)、KPOは、密度2.56g/cmの白色潮解性顆粒状粉末であり、融点が1340℃であり、水に容易に溶解し、アルカリ性反応を呈する。リン酸三カリウムは、例えば、塩基性スラグに炭と硫酸カリウムとを加えて加熱したときに生成する。より溶けやすく、それにより、より高活性のリン酸カリウムは、価格が比較的高いにもかかわらず、清浄剤産業においては、対応するナトリウム化合物と比べて非常に好ましい。
【0158】
二リン酸四ナトリウム(ピロリン酸ナトリウム)、Naは、無水形態(密度2.534g/cm、融点988℃、880℃とも報告されている)で、そして十水和物(密度1.815〜1.836g/cm、融点94℃(水を消失))として存在する。どちらの物質も無色の結晶であり、この結晶は水に溶け、アルカリ性反応を呈する。Naは、リン酸二ナトリウムを200℃より高い温度で加熱すると、またはリン酸と炭酸ナトリウムとを化学量論比で反応させ、その溶液を噴霧乾燥することにより生成する。十水和物は、重金属塩と硬度成分とを錯体化し、それにより水の硬度を低下させる。二リン酸カリウム(ピロリン酸カリウム)、Kは、三水和物の形で存在し、密度2.33g/cmの無色の吸湿性粉末であり、この粉末は水溶性であり、その1%濃度の溶液の25℃でのpHは10.4である。
【0159】
NaHPOの縮合またはKHPOの縮合により、高分子量のリン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムが生成し、それらは、環状代表物(メタリン酸ナトリウムまたはメタリン酸カリウム)、および鎖状タイプ(ポリリン酸ナトリウムまたはポリリン酸カリウム)に区別することができる。後者のものについては、特に多くの名前が用いられている:溶成または焼成リン酸塩、グレーアム塩、クロール塩およびマッドレル塩。高分子のリン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムの全てを、まとめて「縮合」リン酸塩と称する。
【0160】
産業上重要な三リン酸五ナトリウム、Na10(トリポリリン酸ナトリウム)は、非吸湿性の白色水溶性塩であり、この塩は無水であるか、または6HOを含んで結晶化しており、一般式:NaO−[P(O)(ONa)−O]−Na〔式中、n=3〕を有する。室温では100gの水に約17gの無水塩が溶け、60℃では約20g、100℃では約32g溶ける;その溶液を100℃で2時間加熱すると、加水分解により約8%のオルトリン酸塩と15%の二リン酸塩が生成する。三リン酸五ナトリウムの調製では、リン酸を、炭酸ナトリウム溶液または水酸化ナトリウム溶液と化学量論比で反応させ、その溶液を噴霧乾燥する。グレーアム塩と二リン酸ナトリウムと同様に、三リン酸五ナトリウムは数多くの不溶性金属化合物(石灰石鹸などを含む)を溶解する。三リン酸五カリウム、K10(トリポリリン酸カリウム)は、例えば、50重量%濃度の溶液(>23%P、25%KO)の形で市販されている。ポリリン酸カリウムは、洗浄剤および清浄剤業界において広く使用されている。本発明において同様に使用することができるトリポリリン酸ナトリウムカリウムも存在する。これらは、例えば、トリメタリン酸ナトリウムをKOHで加水分解すると生成する。
【化12】

【0161】
これらは、本発明に従って、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウムまたはこれら2つの混合物と全く同じように使用することができる。トリポリリン酸ナトリウムとトリポリリン酸ナトリウムカリウムとの混合物、またはトリポリリン酸カリウムとトリポリリン酸ナトリウムカリウムとの混合物、またはトリポリリン酸ナトリウムとトリポリリン酸カリウムとトリポリリン酸ナトリウムカリウムとの混合物もまた、本発明に使用することができる。
【0162】
本発明の好ましい実施態様において、炭酸塩およびケイ酸塩を、無機ビルダー物質として使用する。
【0163】
本明細書では、特に一般式:NaMSi2x+1・yHO〔式中、Mはナトリウムまたはカリウムであり、xは1.6〜4、好ましくは1.9〜4.0の数であり、yは0〜20の数であり、xの好ましい値は2、3または4である。〕の結晶性層状ケイ酸ナトリウムについて言及する。しかしながら、このような結晶性シリケートは噴霧乾燥処理によりその結晶構造を少なくとも部分的に失うため、結晶性シリケートを、処理された噴霧乾燥製品に、直ちにまたは後に添加することが好ましい。示した式の好ましい結晶性層状シリケートは、Mがナトリウムであり、xが2もしくは3の値のものである。特に、β−二ケイ酸ナトリウムおよびδ−二ケイ酸ナトリウム、NaSi・yHOの両方が好ましい。このような化合物は、例えば、SKS(登録商標)(Clariant社)という名称で市販されている。例えば、SKS−6(登録商標)は、主として、式:NaSi・yHOを有するδ−二ケイ酸ナトリウムであり、SKS−7(登録商標)は、主として、β−二ケイ酸ナトリウムである。酸(例えば、クエン酸または炭酸)との反応で、δ−二ケイ酸ナトリウムよりカネマイト、NaHSi・yHOが生じ、これはSKS−9(登録商標)およびSKS−10(登録商標)(Clariant)という名称で市販されている。これらの層状シリケートの化学変性品を利用することも有利であり得る。例えば、層状シリケートのアルカリ度は適当に影響を受け得る。δ−二ケイ酸ナトリウムと比べて、リン酸塩でドープした層状シリケートまたは炭酸塩でドープした層状シリケートは、結晶形態が変わっており、より迅速に溶解し、δ−二ケイ酸ナトリウムのものより高いカルシウム結合能を示す。例えば、一般実験式:xNaO・ySiO・zP〔式中、xとyとの比率が0.35〜0.6の数値に相当し、xとzとの比率が1.75〜1200の数値に相当し、かつyとzとの比率が4〜2800の数値に相当する。〕の層状シリケートが知られている。層状シリケートの溶解度は、特に微粉層状シリケートを用いることによっても高めることができる。結晶性層状シリケートと他の成分の化合物も使用することができる。とりわけ、崩壊効果において有利であるセルロース誘導体との化合物、およびポリカルボン酸塩(例えば、クエン酸)またはポリカルボン酸塩ポリマー(例えば、アクリル酸のコポリマー)との化合物について言及する。
【0164】
好ましいビルダー物質としては、NaO:SiOが1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、特に1:2〜1:2.6である非晶質ケイ酸ナトリウムも含まれ、それは二次的洗浄特性を有する。本発明において、用語「非晶質(の)」とは、「X線非晶質(の)」を意味すると理解される。これは、ケイ酸塩は、X線回折実験において、結晶性物質に典型的なシャープなX線反射を生じないが、その代わりに数度単位の回折角の幅を有する散乱X線の最大値を1つまたはそれ以上常に示すということを意味する。しかしながら、電子回折実験において、ケイ酸塩粒子が不明瞭なまたは、はっきりとした回折最大値を示す場合にさえ、特に良好なビルダー特性を非常に容易に得ることができる。これは、生成物がサイズ10〜数百nmの微結晶領域を有するという意味であり、その値は最大50nmまで、特に最大20nmまでが好ましい。通常の水ガラスよりもゆっくりと溶解する、この種のいわゆるX線非晶質シリケートは、公知である。圧縮非晶質シリケート、複合非晶質シリケート、および過乾燥X線非晶質シリケートは、特に好ましい。(X線)非晶質シリケートの、特にゼオライトを含まない製剤における含有量は、好ましくは、1〜10重量%であり、これは本発明の好ましい実施態様に相当する。
【0165】
特に好ましい無機水溶性ビルダーは、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属重炭酸塩であり、好ましい実施態様は、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム、特に炭酸ナトリウムである。アルカリ金属炭酸塩の、特にゼオライトを含まない製剤における含有量は、非常に広範囲にわたって変動し得、好ましくは1〜50重量%、有利には5〜40重量%、特に8〜30重量%であり、アルカリ金属炭酸塩の含有量は、通常、(X線)非晶質シリケートの含有量よりも高い。他の好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤はアルカリ金属炭酸塩を含有しない。
【0166】
使用し得る有機ビルダーは、例えばそのような使用について生態学上異議がないという条件で、アルカリ金属、(特に)ナトリウムの塩の形態で使用し得るポリカルボン酸、例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、ならびにこれらの混合物である。好ましい塩は、ポリカルボン酸、例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸、アミノカルボン酸、およびこれらの混合物の塩である。これらの酸は酸自体としても使用し得る。このような酸は、そのビルダー作用に加えて、一般には、酸性化成分の特性も有し、そのため、例えば本発明の顆粒の場合のように、洗浄剤および清浄剤の低弱なpHを確立するのにも役立つ。これに関しては、特にクエン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸、およびそれらの任意の望ましい混合物が挙げられ得る。
【0167】
ポリカルボン酸塩も有機ビルダーとして適当である。これらは、例えば、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のアルカリ金属塩、例えば相対分子量が500〜70,000g/molのものである。本明細書のために、ポリカルボン酸塩ポリマーに関して記述される分子量は、各々の酸形態の重量平均分子量Mであり、これは原則としてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、UV検出器を用いて測定したものである。測定は、外部ポリアクリル酸標準に対して行われ、調査するポリマーとのその構造的類似性から実際の分子量値が得られる。これらの値は、標準としてポリスチレンスルホン酸を用いて得られた分子量データとは著しく異なる。ポリスチレンスルホン酸を用いて測定された分子量は、一般に、本明細書において記述される分子量よりもずっと高い。
【0168】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、ポリマーも含み得る。適当なポリマーは、特にポリアクリレートであり、このポリアクリレートは、好ましくは2,000〜20,000g/molの分子量を有する。この群においては、それらの優れた溶解性から、分子量が2000〜10,000g/mol、特に好ましくは3,000〜5,000g/molである短鎖ポリアクリレートが好ましい。
【0169】
また、ポリカルボン酸塩コポリマー、特にアクリル酸とメタクリル酸とのコポリマーの塩、およびアクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸とのコポリマーの塩も適している。50〜90重量%のアクリル酸と50〜10重量%のマレイン酸とを含むアクリル酸とマレイン酸とのコポリマーの塩が特に好適であることが証明されている。それらの相対分子量は、遊離酸に基づいて、一般に2,000〜70,000g/mol、好ましくは20,000〜50,000g/mol、特に30,000〜40,000g/molである。
【0170】
有機ビルダー物質の洗浄剤または清浄剤における含有量は、広範囲にわたって変動し得る。2〜20重量%の含有量が好ましく、特に最大でも10重量%の含有量が特によく受け入れられる。他の好ましい実施態様によれば、本発明の洗浄剤または清浄剤は有機ビルダー物質を含有しない。
【0171】
この時点で、他に記載がない限り、「重量%」は、それぞれ全洗浄剤または清浄剤に基づく。
【0172】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、灰色化阻害剤(再付着防止剤)、中性塩および/または布地柔軟助剤(例えば陽イオン性界面活性剤)の群から選択される成分も含有することができ、このような組成物は好ましい。
【0173】
抗灰色化剤の目的は、繊維から分離された汚れを洗濯槽中に懸濁した状態に保つことである。通常有機性の水溶性コロイドが、この目的に適しており、その例は、カルボン酸ポリマーの水溶性塩、サイズ、ゼラチン、デンプンもしくはセルロースのエーテルカルボン酸もしくはエーテルスルホン酸の塩、またはセルロースもしくはデンプンの酸性硫酸エステルの塩が適している。酸基を含む水溶性ポリアミドもこの目的に適している。さらに、上記以外の可溶性デンプン調製物およびデンプン製品、例えばデンプン分解物、アルデヒドデンプンなども使用可能である。また、ポリビニルピロリドンも使用可能である。しかしながら、セルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、および混合エーテル、例えばメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、ならびにそれらの混合物、そして、ポリビニルピロリドンを、例えば洗浄剤または清浄剤に基づいて、好ましくは0.1〜5重量%の量で使用することも好ましい。
【0174】
硫酸ナトリウムは中性塩の好適な典型例である。これは、例えば、0〜60重量%、好ましくは2〜45重量%の割合で使用することができる。
【0175】
以下でより詳細に記載される好適な柔軟剤(または仕上げ剤)は、例えば、対応するモンモリロナイト型、例えばベントナイトの膨潤性層状シリケート、および陽イオン性界面活性剤である。
【0176】
洗浄剤または清浄剤における含水量は、好ましくは0〜30重量%未満、特に0.5〜20重量%未満、最大でも15重量%、最大でも10重量%、最大でも5重量%、最大でも3重量%、または最大でも2重量%の値であることが特に好ましい。これらの計算には、存在し得るゼオライトのようなアルミノケイ酸塩に結合している水は含んでいない。
【0177】
必要に応じて洗浄剤または清浄剤に含まれ得る非イオン性界面活性剤を、以下にさらに詳細に記載する。これらの非イオン性界面活性剤は、後処理工程において微粒子洗浄剤または清浄剤に適用することができる。しかしながら、全ての非イオン性界面活性剤は、もちろん、本発明の洗浄剤または清浄剤中に直接含まれていることが有利であり得る。
【0178】
使用し得る非イオン性界面活性剤は、例えば、アルコキシル化された、有利にはエトキシル化された、特に、好ましくは、8〜18個の炭素原子と、アルコール1モル当たり平均して1〜12モルのエチレンオキシド(EO)とを有する第一級アルコールであり、そのアルコール基は、直鎖であってよい(または、2位でメチル分枝していてよく、またはオキソアルコール基に通常存在するように直鎖基とメチル分枝基とを混合状態で含有していてもよい)。
【0179】
好ましいアルコールエトキシレートは、例えば狭い同族体分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤の他に、12を超えるEOを含有する脂肪アルコールを使用することもできる。その例は、14EO、16EO、20EO、25EO、30EOまたは40EOを含有する(獣脂)脂肪アルコールである。
【0180】
好ましい非イオン性界面活性剤は、例えば、エチレンオキシド(EO)および/またはプロピレンオキシド(PO)でアルコキシル化されており、アルコキシル化度が30までである、1つまたはそれ以上の非分枝(または分枝)、飽和または不飽和C10〜22アルコール、好ましくは、エトキシル化度が30未満、好ましくは1〜20、特に1〜12、特に好ましくは1〜8、より特に好ましくは2〜5であるエトキシル化C10〜18脂肪アルコール、例えば2、3または4EOを有するC12〜14脂肪アルコールエトキシレート、または3EOを有するC12〜14脂肪アルコールエトキシレートと4EOを有するC12〜14脂肪アルコールエトキシレートとの重量比1:1の混合物、または5、8もしくは12EOを有するイソトリデシルアルコールエトキシレートである。
【0181】
さらに、使用し得る非イオン性界面活性剤の類は、例えばアルコキシル化された、好ましくはエトキシル化またはエトキシル化およびプロポキシル化された脂肪酸アルキルエステル、好ましくはアルキル鎖に1〜4個の炭素原子を有する、特に脂肪酸メチルエステルである;例えば、平均3〜15EO、特に平均5〜12EOを有するC12〜C18脂肪酸メチルエステルを、特に好ましく使用し得る。
【0182】
すでに上述したアミンオキシドタイプの非イオン性界面活性剤、例えばN−ココアルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドおよびN−獣脂アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド、ならびに脂肪酸アルカノールアミドタイプも好ましい。
【0183】
また、アルコキシル化アミンも適当であり、有利にはエトキシル化および/またはプロポキシル化された、特にアルキル鎖に好ましくは1〜18個の炭素原子を有する、アミン1モル当たり平均して1〜12モルのエチレンオキシド(EO)および/または1〜10モルのプロピレンオキシド(PO)とを有する第一級および第二級アミンである。
【0184】
有利には、本発明の洗浄剤または清浄剤は、発泡防止剤、例えば発泡防止パラフィン油または発泡防止シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサンも含み得る。これらの活性物質の混合物の使用もまた可能である。特に明示した発泡防止活性物質の場合、室温で固体である適当な添加剤は、パラフィンワックス、公知の方法により疎水化もされ得るケイ酸、およびC2〜7ジアミンとC12〜22カルボン酸から得られるビスアミドである。
【0185】
発泡防止パラフィン油は好ましく使用される。それらは、パラフィンワックスと混合されていてもよく、明確な融点を持たない複合物質混合物である。特徴付けるためには、融解範囲および/または凝固点を、通常、示差熱分析(DTA)により測定する。凝固点は、徐冷によりパラフィンが液体の状態から固体の状態へ転移する温度をいうと理解される。17個より少ない炭素原子を有するパラフィンは本発明には使用することができない;したがって、パラフィン油混合物中のそれらの濃度は可能な限り低くすべきであり、通常の分析法、例えばガスクロマトグラフィーを用いて有意に測定することができる限界よりも低いことが好ましい。20℃〜70℃の範囲で固化するパラフィンを使用することが好ましい。室温で固体にさえ見えるパラフィンワックス混合物が、異なる割合の液体パラフィン油を含み得ることは、考慮しなければならない。本発明に使用することができるパラフィンワックスの場合、40℃での液体分率は可能な限り高いが、この温度ではまだ100%には達していない。好ましいパラフィンワックス混合物では、40℃での液体分率は少なくとも50重量%、特に55〜80重量%であり、60℃では液体分率は少なくとも90重量%である。そのため、パラフィンは、少なくとも70℃に下がった温度、好ましくは、少なくとも60℃に下がった温度で流動性を有し、ポンプ輸送できる。さらに、パラフィンは可能な限り揮発性画分を含んではならないことに注目しなければならない。好ましいパラフィンワックスは、1重量%未満、特に0.5重量%未満の、大気圧下、110℃で蒸発し得る成分を含む。本発明に使用し得るパラフィンは、例えば、Lunaflex(登録商標)(Fuller製)およびDeawax(登録商標)(DEA Mineraloel AG製)という商標名で入手することができる。
【0186】
パラフィン油は、12〜22個、好ましくは14〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪酸と2〜7個の炭素原子を有するアルキレンジアミンとから得られる、室温で固体であるビスアミドを含んでよい。適当な脂肪酸は、天然脂肪または硬化油、例えば獣脂または水添パーム油から得ることができるような、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびベヘン酸、ならびにそれらの混合物である。適当なジアミンは、例えば、エチレンジアミン−1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミンおよびトルイレンジアミンである。好ましいジアミンは、エチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンである。特に好ましいビスアミドは、ビスミリストイルエチレンジアミン、ビスパルミトイルエチレンジアミン、ビスステアロイルエチレンジアミン、およびそれらの混合物、ならびにそれらに対応するヘキサメチレンジアミンの誘導体である。
【0187】
洗浄剤または清浄剤は、好ましくは、UV吸収剤も含有していてよく、このUV吸収剤は、有利には処理した布地に付着し、繊維の光安定性および/または他の配合成分の光安定性を向上させる。「UV吸収剤」とは、紫外線を吸収することができ、吸収したエネルギーを再び、長波長放射エネルギー、例えば、熱として放出することができる有機物質(光保護フィルター)をいうと理解される。このような望ましい特性を有する化合物は、例えば、無放射失活により活性となる化合物、および2位および/または4位に置換基を有するベンゾフェノンの誘導体である。さらに、置換ベンゾトリアゾール、2位にシアノ基を有しているまたは有していない3位でフェニル置換されているアクリレート(桂皮酸誘導体)、サリチレート、有機Ni錯体およびにウンベリフェロンおよび内因性ウロカニン酸のような天然物質も好ましい。特に重要なのは、ビフェニル誘導体、特に、CibaからTinosorb(登録商標)FDまたはTinosorb(登録商標)FRとして市販されているスチルベン誘導体である。記載すべきUV−B吸収剤は、3−ベンジリデンカンファーまたは3−ベンジリデンノルカンファーおよびそれらの誘導体、例えば、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー;4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−オクチルおよび4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミル;桂皮酸エステル、好ましくは、4−メトキシシ桂皮酸2−エチルヘキシル、4−メトキシ桂皮酸プロピル、4−メトキシ桂皮酸イソアミル、2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン);サリチル酸エステル、好ましくは、サリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸4−イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル;ベンゾフェノン誘導体、好ましくは、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;ベンザルマロン酸エステル、好ましくは、4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルヘキシル;トリアジン誘導体、例えば、2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジンおよびオクチルトリアゾン、またはジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB)など;プロパン−1,3−ジオン、例えば、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンなど;ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体である。さらに適しているものには、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカンモニウム塩;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩;3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば、4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸、およびそれらの塩などがある。
【0188】
適当な典型的なUV−Aフィルターは、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば、1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)、1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)−プロパン−1,3−ジオン、およびエナミン化合物である。UV−AフィルターとUV−Bフィルターは、当然、混合物として使用することもできる。上述した可溶性物質に加えて、不溶性光保護顔料(すなわち、微分散する、好ましくは、ナノ化された金属酸化物または塩)も本目的に適している。適当な金属酸化物の例は、特に、酸化亜鉛および二酸化チタン、加えて、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物、ならびにそれらの混合物である。ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムまたはステアリン酸亜鉛を塩として使用することができる。これらの酸化物および塩は、皮膚ケアおよび皮膚保護エマルションならびに装飾用化粧品に用いる顔料として既に使用されている。これらの粒子は、100nm未満、好ましくは5〜50nm、特に15〜30nmの平均直径を有すべきである。これらは球状であってよいが、楕円形状または球から幾分他の方向に外れた形状を有する粒子を使用することもできる。また、顔料は、表面処理されていてもよく、すなわち親水化または疎水化されることもできる。典型的な例は、被覆二酸化チタン、例えば、二酸化チタンT805(Degussa)またはEusolex(登録商標)T2000(Merck)などである。ここで、適当な疎水性被覆剤は、第一にシリコーンであり、具体的には、トリアルキルオキシオクチルシランまたはシメチコンである。好ましくは、微粒酸化亜鉛を使用する。さらなる好適なUV光保護フィルターは、関連先行技術中から収集することができる。
【0189】
洗浄剤または清浄剤は、UV吸収剤を、有利には0.01〜5重量%、好ましくは0.03〜1重量%の割合で含む。また、それらは後に、例えば他の物質と一緒に、洗浄剤または清浄剤に添加することもできる。
【0190】
また、本発明の洗浄剤または清浄剤は、タブレットまたは成形体として存在することができる。本特許出願において、「タブレットまたは成形体」とは、それらの製造方法に関係なく、寸法安定性のある固形物をいう。このような物体は、例えば、結晶化、鋳造、注入成形、反応焼結もしくは熱焼結、(同時)押出、マイクロカプセル化、ペレット化、または圧縮法、例えばカレンダリングまたは打錠により製造することができる。本特許出願においては、打錠による「タブレット」または「成形体」の製造が特に好ましい。よって、タブレットは、圧縮粒子材料からなることが好ましい。
【0191】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、好ましくは崩壊助剤を含み得る。適当な膨潤性崩壊助剤は、例えば、ベントナイトまたは他の膨潤性シリケートである。合成ポリマー、特に衛生分野に使用される超吸収材または架橋ポリビニルピロリドンも使用することができる。
【0192】
デンプンおよび/またはセルロースに基づいたポリマーは、特に有利には膨潤性崩壊助剤として使用される。これらのベース物質は、単独で、またはさらなる天然および/または合成ポリマーとの混合物を加工して膨潤性崩壊助剤とされ得る。最も簡単なケースでは、セルロース含有材料または純セルロースは、造粒、圧縮または他の加圧法により二次粒子に転換することができ、その二次粒子は水と接触することで膨潤するため、崩壊剤として作用する。木材は、熱的または化学的/熱的方法により、木材または木材チップ(おがくず、製材くず)から得ることができる、実績のあるセルロース含有材料である。熱機械的パルプ(TMP)法または化学熱機械的パルプ法(CTMP)によるこのセルロース材料は、加圧により圧縮され、好ましくは、ロールにより圧縮され、粒子状に転換され得る。もちろん、純セルロースも全く同じように使用することができるが、純セルロースはより高価な原料である。ここで、微結晶性および非結晶性の微粉セルロース、ならびにそれらの混合物を使用することができる。
【0193】
別の方法は、造粒助剤を加えてセルロース含有材料を造粒するものである。例えば、合成ポリマーまたは非イオン性界面活性剤の溶液は、造粒助剤として実績がある。本発明の製剤で洗浄した布地への堆積物を防止するために、使用するセルロースまたはセルロース含有材料中のセルロースの一次繊維長は200μm未満であるべきで、100μm未満、特に50μm以下のものが好ましい。
【0194】
二次粒子は、理想的には、好ましくは、90重量%を超える粒子が粒度200μm以上である粒度分布を有する。特定の粉末比率は、それにより製造されたタブレットの改善された貯蔵安定性に寄与し得る。例えば、0.1mm未満の微粉比率が、10重量%まで、好ましくは8重量%までの濃度で存在し得る。
【0195】
さらに、本発明の洗浄剤または清浄剤は、仕上げ物質あるいはコンディショニング物質または成分を含有し得る。本発明のため、用語「コンディショニング」とは、好ましくは、布地、服地および織物の仕上げ処理をいうと理解されるべきである。コンディショニングは、布地の好ましい特性、例えば、改善された柔軟性、改善された光沢および色の鮮やかさ、改善された香りの効果、フェルト化の減少、摩擦性の減少によるアイロンのかけ易さ、しわおよび静電気の減少、そして、染色布地における色移りの防止などを与える。
【0196】
柔軟性および仕上げ特性を改善するために、本発明の製剤は柔軟剤成分を含有し得る。このような化合物の例は、ヘアケア剤および布地仕上げに使用されるような、第4級アンモニウム化合物、カチオン性ポリマー、および乳化剤である。以下により詳細に記載されるこれらの柔軟剤化合物は、本発明の製剤の全てに含まれ得るが、特に、柔軟性効果を有することが意図される製剤に含まれ得る。
【0197】
適当な例は、式(A)および(B)の4級アンモニウム化合物である。
【化13】

〔式(A)中、RおよびRは、12〜24個の炭素原子を有する非環状アルキル基を表し、Rは、飽和C〜Cアルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し、Rは、R、RまたはRであり、あるいは芳香族基を表す。Xは、ハロゲン化物イオン、メト硫酸イオン、メトリン酸イオンまたはリン酸イオンあるいはそれらの混合物を表す。〕
式(A)の陽イオン性化合物の例は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジ獣脂ジメチルアンモニウムクロリドまたはジヘキサデシルアンモニウムクロリドである。
【0198】
式(B)の化合物は、いわゆるエステルクォート(esterquat)である。エステルクォートは、著しく生分解性に優れる。ここで、Rは、12〜22個の炭素原子を有し、0、1、2または3個の二重結合を有する、脂肪族アルキル基であり;Rは、H、OHまたはO(CO)Rであり、Rは、Rとは独立に、H、OHまたはO(CO)Rである〔式中、RおよびRは、互いに独立に、各々、12〜22個の炭素原子を有し、0、1、2または3個の二重結合を有する、脂肪族アルキル(アルケニル)基である。〕。m、nおよびpは、各々、互いに独立に、1、2または3の値を有し得る。Xは、ハロゲン化物イオン、メト硫酸イオン、メトリン酸イオンまたはリン酸イオン、およびそれらの混合物であり得る。Rが基O(CO)R、RおよびRが16〜18個の炭素原子を有するアルキル基である化合物が好ましい。さらに、RがOHである化合物が特に好ましい。式(B)の化合物の例は、メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジ(獣脂アシルオキシエチル)アンモニウムメトスルフェート、ビス(パルミトイル)エチルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトスルフェートまたはメチル−N,N−ビス(アシルオキシエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメトスルフェートである。不飽和アルキル鎖を有する式(IV)の四級化化合物を使用する場合、対応する脂肪酸のヨウ素価が5〜80、好ましくは10〜60、特に15〜45であり、かつシス/トランス異性体比(重量%で)が30:70より高い、好ましくは50:50より高い、特に70:30より高い、アシル基が好ましい。一般的な市販品の例は、Stepantex(登録商標)という商標名でStepanより販売されているメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェート、またはDehyquat(登録商標)で知られているCognisの製品、またはRewoquat(登録商標)で知られているGoldschmidt−Witcoの製品である。さらに好ましい化合物は、式(C)のジエステルクォートであり、これはRewoquat(登録商標)W222LMまたはCR3099という名称のもと入手可能であり、柔らかさに加えて、安定性および着色防止も保証する。
【化14】

ここで、R21およびR22は、互いに独立に、各々、12〜22個の炭素原子を有し、0、1、2または3個の二重結合を有する脂肪族基である。
【0199】
上記の4級化合物に加えて、他の既知の化合物、例えば、式(D)の4級イミダゾリニウム化合物を使用することもできる。
【化15】

〔式中、Rは、H、または1〜4個の炭素原子を有する飽和アルキル基であり、R10およびR11は、互いに独立に、各々、12〜18個の炭素原子を有する脂肪族の飽和または不飽和アルキル基であり、R10は、O(CO)R20[式中、R20は、12〜18個の炭素原子を有する脂肪族の飽和または不飽和アルキル基である。]であってもよく、ZはNH基または酸素であり、Xは陰イオンであり、qは1〜4の整数値であり得る。
【0200】
さらなる適当な4級化合物は、式(E)により記載される。
【化16】

〔式中、R12、R13およびR14は、互いに独立に、C1〜4アルキル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基を表し、R15およびR16は、それぞれ選択的に独立して、C8〜28アルキル基を表し、rは、0〜5までの数である。〕
【0201】
式(A)および(B)の化合物に加えて、短鎖水溶性4級アンモニウム化合物、例えば、トリヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトスルフェートまたはアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、およびトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、およびトリセチルメチルアンモニウムクロリドも使用し得る。
【0202】
柔軟性効果を有するプロトン化アルキルアミン化合物、ならびに陽イオン性乳化剤の非4級化プロトン化前駆体も適当である。
【0203】
本発明に使用し得るさらなる陽イオン性化合物は、四級化タンパク質加水分解物である。
【0204】
適当な陽イオン性ポリマーとしては、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary(The Cosmetic, Toiletry and Fragrance, Inc., 1997)に記載されているようなポリクオタニウムポリマー、特にポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、およびポリクオタニウム−10ポリマー(Ucare polymer IR 400;Amerchol)(メルクォート(Merquat)としても知られている)、ポリクオタニウム−4コポリマー、例えば、アリルジメチルアンモニウムクロリドを介して結合された4級アンモニウム基とセルロース骨格を有するグラフトコポリマー、陽イオン性セルロース誘導体、例えばカチオン性グアー、例えばグアーヒドロキシプロピルトリアンモニウムクロリド、および同様の4級化グアー誘導体(例えば、Cosmedia Guar、製造業者:Cognis GmbH)、陽イオン性4級糖誘導体(陽イオン性アルキルポリグルコシド)、例えば、市販品Glucqat(登録商標)100(CTFA命名法によれば「ラウリルメチルグルセス−10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド」)、PVPとジメチルアミノメタクリレートとのコポリマー、ビニルイミダゾールとビニルピロリドンとのコポリマー、アミノシリコーンポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0205】
同様に、ポリ4級化ポリマー(例えば、BASFのLuviquat Care)、およびキチンベースの陽イオン性バイオポリマー、ならびにそれらの誘導体、例えばChitosan(登録商標)(製造業者:Cognis)という商品名のもと入手可能なポリマーも使用することができる。
【0206】
本発明によれば、陽イオン性シリコーン油、例えば、市販品Q2−7224(製造業者:Dow Corning;安定化トリメチルシリルアモジメチコン)、Dow Corning929エマルション(ヒドロキシルアミノ変性シリコーンを含み、アモジメチコンとも称される)、SM−2059(製造業者:General Electric)、SLM−55067(製造業者:Wacker)、Abil(登録商標)−Quat3270および3272(製造業者:Th. Goldschmidt;ジ4級ポリジメチルシロキサン、クオタニウム−80)、およびSiliconquat Rewoquat(登録商標)SQ 1(Tegopren(登録商標)6922、製造業者:Goldschmidt-Rewo)なども使用し得る。
【0207】
また、式(F)の化合物も使用することができる。
【化17】

これは、それらの非4級化形態、または、示されるように、それらの4級化形態のアルキルアミドアミンであってよい。R17は、12〜22個の炭素原子を有し、0、1、2または3個の二重結合を有する脂肪族アルキル(アルケニル)基であってよい。sは、0〜5の値である。R18およびR19は、互いに独立に、それぞれ、H、C1〜4アルキル基またはヒドロキシアルキルである。好ましい化合物は、脂肪酸アミドアミン、例えばTego Amid(登録商標)S18の名称のもと入手可能なステアリルアミドプロピルジメチルアミン、またはStepantex(登録商標)X9124の名称のもと入手可能な3−獣脂アミドプロピルトリメチルアンモニウムメトスルフェートであり、それらは良好なコンディショニング効果だけでなく、色移り防止効果、特にそれらの優れた生分解性で区別される。
【0208】
特に好ましいのは、少なくとも1つのアルキル鎖がエステル基および/またはアミド基によって分断されているアルキル化4級アンモニウム化合物、特にN−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−(ジ獣脂アシルオキシエチル)アンモニウムメトスルフェートである。
【0209】
適当な非イオン性柔軟剤は、ポリオキシアルキレングリセロールアルカノエート、ポリブチレン、長鎖脂肪酸、エトキシル化脂肪酸エタノールアミド、アルキルポリグリコシド、特にソルビタンモノ−、ジ−およびトリエステル、ならびにポリカルボン酸の脂肪酸エステルである。
【0210】
本発明の製剤は、柔軟剤を、いずれの場合も製剤全体に基づいて0.01〜80重量%、通常0.1〜70重量%、好ましくは0.2〜60重量%、特に0.5〜40重量%の量で含有し得る。
【0211】
本発明の製剤の全てに対する他の界面活性剤として、いわゆるジェミニ界面活性剤が挙げられる。このジェミニ界面活性剤は、一般に、1分子当たり2つの親水基と2つの疎水基とを有する化合物を意味する。これらの基は、通常、いわゆる「スペーサー」で相互に分離されている。このスペーサーは、通常、炭素鎖であり、それは疎水基が互いに独立に作用し得る十分に離された、十分に長いものである必要がある。そのような界面活性剤は、一般に、異常に低い臨界ミセル濃度と水の表面張力を大幅に低下させる能力を特徴とする。しかしながら、例外的なケースでは、「ジェミニ界面活性剤」という表現は、二量体界面活性剤だけでなく、三量体界面活性剤をも意味すると理解される。
【0212】
適当なジェミニ界面活性剤は、例えば、硫酸化ヒドロキシ混合エーテルまたは二量体アルコールビス−および三量体アルコールトリス−スルフェート、ならびにエーテル硫酸塩である。末端キャップされた二量体および三量体混合エーテルは、特に二官能性および多官能性に優れる。したがって、前記末端キャップ界面活性剤は、優れた湿潤性を有し、低発泡性であり、そのため、特に自動洗浄、ケア提供(care-providing)またはクリーニング法に使用するのに特に好適である。
【0213】
しかしながら、関連先行技術に記載のとおり、ジェミニポリヒドロキシ脂肪酸アミドまたはポリポリヒドロキシ脂肪酸アミドも使用することができる。
【0214】
さらなる適当な界面活性剤は、下記式のポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。
【化18】

〔式中、RCOは、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基であり、R23は、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基であり、[Z]は3〜10個の炭素原子と3〜10個のヒドロキシ基とを有する直鎖状または分枝状ポリヒドロキシアルキル基である。〕
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは既知の物質であり、通常、還元糖を、アンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンで還元的アミノ化し、その後、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸クロリドでアシル化することにより得ることができる。
【0215】
また、ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群には、下記式の化合物が含まれる。
【化19】

〔式中、Rは、7〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基またはアルケニル基であり、R24は、2〜8個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状または環状アルキル基あるいはアリール基であり、R25は、1〜8個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状あるいは環状アルキル基またはアリール基またはオキシアルキル基であり、C1〜4アルキル基またはフェニル基が好ましい、[Z]は、アルキル鎖が少なくとも2つのヒドロキシ基により置換されている直鎖状ポリヒドロキシアルキル基、またはこの基のアルコキシル化、好ましくはエトキシル化もしくはプロポキシル化誘導体である。〕
【0216】
[Z]は、好ましくは、糖、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロースの還元的アミノ化により得られる。その後、N−アルコキシ−またはN−アリールオキシ−置換化合物は、例えば触媒としてのアルコキシドの存在下で、脂肪酸メチルエステルと反応させることにより、所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに変換され得る。
【0217】
また、本発明の洗浄剤または清浄剤は、好ましくは、両性界面活性剤も含む。多数のモノ−、ジ−およびトリアルキル化アミノオキシドに加えて、ベタインは重要な類である。
【0218】
ベタインは、既知の界面活性剤であり、大部分は、アミン化合物のカルボキシアルキル化、好ましくは、カルボキシメチル化により調製される。好ましくは、出発物質は、ハロカルボン酸またはそれらの塩、特にクロロ酢酸ナトリウムと縮合され、ベタイン1モル当たり1モルの塩が生成される。例えばアクリル酸のような不飽和カルボン酸の付加も可能である。命名、そして特にベタインと「真の」両性界面活性剤との区別に関しては、適切な技術文献を参照することができる。好適なベタインの例は、特に式(G)の第2級、第3級アミンのカルボキシアルキル化生成物に代表される。
【化20】

〔式中、R26は、6〜22個の炭素原子を有するアルキル基および/またはアルケニル基であり、R27は、水素または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、R28は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは、1〜6の数値であり、Xは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属またはアンモニウムである。〕
典型的な例は、ヘキシルメチルアミン、ヘキシルジメチルアミン、オクチルジメチルアミン、デシルジメチルアミン、ドデシルメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ドデシルエチルメチルアミン、C12/14−ココアルキルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、セチルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルエチルメチルアミン、オレイルジメチルアミン、C16/18獣脂アルキルジメチルアミン、およびそれらの工業用混合物のカルボキシメチル化生成物である。
【0219】
また、式(H)で示されるアミドアミンのカルボキシル化生成物も適当である。
【化21】

〔式中、R31COは、6〜22個の炭素原子と0または1または3個の二重結合を有する脂肪族アシル基であり、mは、1〜3の数値であり、R29、R30、nおよびXは、前記と同じ意味を有する。〕
典型的な例は、6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、すなわちヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸およびエルカ酸、ならびにそれらの工業用混合物と、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミンおよびN,N−ジエチルアミノプロピルアミンとの反応生成物であり、これらの反応生成物はクロロ酢酸ナトリウムと縮合される。C8/18−ヤシ油脂肪酸−N,N−ジメチルアミノプロピルアミドとクロロ酢酸ナトリウムとの縮合生成物を使用することが好ましい。
【0220】
また、本発明に使用し得るベタインに適した出発物質は、式(J)で示されるイミダゾリンである。
【化22】

〔式中、R32は、5〜21個の炭素原子を有するアルキル基であり、R33は、ヒドロキシ基、OCOR32またはNHCOR32基であり、mは、2または3である。〕
これらの物質もまた、既知の物質であり、例えば、1または2モルの脂肪酸と、多価アミン、例えばアミノエチルエタノールアミン(AEEA)またはジエチレントリアミンとを環化縮合することにより得ることができる。対応するカルボキシアルキル化生成物は、異なる開鎖ベタインの混合物である。典型的な例は、上述の脂肪酸とAEEAとの縮合生成物、好ましくは、ラウリン酸またはC12/14−ココ脂肪酸も、に基づいたイミダゾリンであり、これらは、その後、クロロ酢酸ナトリウムでベタイン化される。
【0221】
好ましい実施態様において、本発明の洗浄剤または清浄剤は、必要により1つまたはそれ以上の錯化剤を含有し得る。
【0222】
錯化剤(INCI:キレート剤)は、金属イオン封鎖剤とも呼ばれ、例えば製剤の外観の安定性、例えば混濁への悪影響を低減するために、金属イオンを錯化および不活性化することができる成分である。一方で、数多くの成分と不適合である水硬度のカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンを錯化することは重要である。鉄または銅のような重金属のイオンの錯化は、完成した製剤の酸化分解を遅らせる。
【0223】
適当な錯化剤は、例えば、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbookでより詳細に記述され、INCIによって命名された以下の錯化剤である:アミノトリメチレンホスホン酸、β−アラニン二酢酸、カルシウムジナトリウムEDTA、クエン酸、シクロデキストリン、シクロヘキサンジアミン四酢酸、クエン酸ジアンモニウム、ジアンモニウムEDTA、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、ジカリウムEDTA、ジナトリウムアザシクロヘプタンジホスホネート、ジナトリウムEDTA、ピロリン酸二ナトリウム、EDTA、エチドロン酸、ガラクタル酸、グルコン酸、グルクロン酸、HEDTA、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、メチルシクロデキストリン、トリリン酸五カリウム、ペンタナトリウムアミノトリメチレンホスホネート、ペンタナトリウムエチレンジアミンテトラメチレンホスホネート、ペンテト酸五ナトリウム、トリリン酸五ナトリウム、ペンテト酸、フィチン酸、クエン酸カリウム、カリウムEDTMP、グルコン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、カリウムトリスホスホノメチルアミンオキシド、リボン酸、ナトリウムキトサンメチレンホスホネート、クエン酸ナトリウム、ナトリウムジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、ナトリウムジヒドロキシエチルグリシネート、ナトリウムEDTMP、グルセプト酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ナトリウムグリセレス−1−ポリホスフェート、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、フィチン酸ナトリウム、ナトリウムポリジメチルグリシノフェノールスルホネート、トリメタリン酸ナトリウム、TEA−EDTA、TEA−ポリホスフェート、テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、エチドロン酸四カリウム、ピロリン酸四カリウム、テトラナトリウムEDTA、エチドロン酸四ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、トリカリウムEDTA、トリナトリウムジカルボキシメチルアラニネート、トリナトリウムEDTA、トリナトリウムHEDTA、トリナトリウムNTAおよびリン酸三ナトリウム。
【0224】
好ましい錯化剤は、第3級アミン、特に第3級アルカノールアミン(アミノアルコール)である。アルカノールアミンは、官能基としてアミノ基と、ヒドロキシ基および/またはエーテル基の両方を有する。特に好ましい第3級アルカノールアミンは、トリエタノールアミンおよびテトラ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン(N,N,N’,N’−テトラキス−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン)である。第3級アミンと、リシノール酸亜鉛および非イオン性溶解促進剤としての1つまたはそれ以上のエトキシル化脂肪アルコールおよび場合により溶媒との特に好ましい組合せは、先行技術に記載されている。
【0225】
特に好ましい錯化剤は、その塩を含むエチドロン酸(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、HEDP、アセトホスホン酸、INCI:エチドロン酸)である。したがって、好ましい実施態様では、本発明の洗浄剤または清浄剤は、錯化剤としてエチドロン酸および/または1つまたはそれ以上のその塩を含む。
【0226】
特定の実施態様において、本発明の洗浄剤または清浄剤は、1つまたはそれ以上の第3級アミンと1つまたはそれ以上の別の錯化剤、好ましくは、1つまたはそれ以上の錯化剤である酸またはそれらの塩との錯化剤の組合せ、特にトリエタノールアミンおよび/またはテトラ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンとエチドロン酸および/または1つまたはそれ以上のその塩との錯化剤の組合せを含有する。
【0227】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、錯化剤を、有利には、製剤全体に基づいて、0〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、特に0.5〜10重量%、特に好ましくは1〜8重量%、より特に好ましくは1.5〜6重量%の量で含有する。
【0228】
さらなる好ましい実施態様において、本発明の洗浄剤または清浄剤は、必要により、1つまたはそれ以上の上述した酵素を含む。
【0229】
適当な酵素は、特に、ヒドロラーゼ種のもの、例えばプロテアーゼ、カルボアンヒドラーゼ、タンナーゼ、エステラーゼ、リパーゼおよび脂肪分解活性酵素、アミラーゼ、セルラーゼまたは他のグリコシルヒドロラーゼおよび前記酵素の混合物である。これらのヒドロラーゼは全て、洗浄中、汚れ(例えばタンパク質性、油脂性またはデンプン質の汚れ)の除去および灰色化に寄与する。セルラーゼおよび他のグリコシルヒドロラーゼは、さらに、色の保留や、ピリングおよび微小繊維を除去することによる布地の柔らかさの増加にも役立ち得る。漂白および色移り防止のために、オキシドリダクターゼを使用することもできる。
【0230】
特に良好な適性を示すのは、細菌株または菌類、例えばBacillus subtilis、Bacillus licheniformis、Streptomyceus griseusおよびHumicola insolensから得られる酵素活性物質は特に適当である。サブチリシンタイプのプロテアーゼ、特にBacillus lentusから得られるプロテアーゼを使用することが好ましい。これに関して、酵素混合物、例えばプロテアーゼとアミラーゼまたはプロテアーゼとリパーゼもしくは脂肪分解活性酵素との酵素混合物、あるいはプロテアーゼとセルラーゼとの酵素混合物、またはセルラーゼとリパーゼもしくは脂肪分解酵素との酵素混合物、またはプロテアーゼ、アミラーゼとリパーゼもしくは脂肪分解活性酵素との酵素混合物、またはプロテアーゼ、リパーゼもしくは脂肪分解活性酵素とセルラーゼとの酵素混合物、特にプロテアーゼおよび/またはリパーゼ含有混合物もしくは脂肪分解活性酵素含有混合物が特に興味深い。そのような脂肪分解活性酵素の例は、既知のクチナーゼである。また、ペルオキシダーゼまたはオキシダーゼも一部の場合では適当であることがわかっている。適当なアミラーゼとしては、特に、α−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼおよびペクチナーゼが挙げられる。セロビオヒドロラーゼ、エンドグルカナーゼおよびセロビアーゼとも呼ばれるβ−グルコシダーゼ、またはそれらの混合物をセルラーゼとして好ましく使用することができる。様々なタイプのセルロースはCMCアーゼ活性およびアビセラーゼ活性によって異なっているため、所望の活性は、セルラーゼの調整された混合により達成することができる。
【0231】
酵素は、早すぎる分解から酵素を守るために、成形体として担体物質に吸着されているかまたはコーティングされていてよい。酵素、酵素混合物または酵素顆粒の割合は、例えば、製剤全体に基づいて、約0.1〜5重量%、好ましくは0.12〜約2重量%であり得る。
【0232】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、必要により、漂白剤を含有し得る。水中でHを発生させ、漂白剤として働く化合物では、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム四水和物および過ホウ酸ナトリウム一水和物が特に重要である。使用し得るさらなる漂白剤は、例えば、ペルオキシピロホスフェート、クエン酸塩過水和物、およびHを発生する過酸塩または過酸、例えば過硫酸塩または過硫酸である。また、式:HN−CO−NH・Hにより記載することができるウレアペルオキソハイドレートペルカルバミドも使用することができる。特に、例えば製剤が、自動食器洗浄において硬表面を清浄するために使用される場合、それらは必要に応じて、有機漂白剤の群の漂白剤も含んでよいが、そのような漂白剤は、原則として、洗濯洗剤にも使用可能である。典型的な有機漂白剤は、ジアシル過酸化物、例えば、過酸化ジベンゾイルなどである。他の典型的な有機漂白剤は、ペルオキソ酸であり、特定例として、アルキルペルオキソ酸およびアリールペルオキソ酸が言及される。好ましい代表は、過安息香酸およびその環置換誘導体、例えばアルキル過安息香酸であるが、ペルオキシ−α−ナフトエ酸およびモノ過フタル酸マグネシウム、脂肪族または置換脂肪族ペルオキソ酸、例えば過ラウリン酸、過ステアリン酸、ε−フタルイミド過カプロン酸(フタルイミド過ヘキサン酸、PAP)、o−カルボキシベンズアミド過カプロン酸、N−ノネニルアミド過アジピン酸およびN−ノネニルアミド過コハク酸塩、ならびに脂肪族および芳香脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば1,12−ジペルオキシカルボン酸、1,9−ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2−デシルジペルオキシブタン−1,4−ジカルボン酸、N,N−テレフタロイル−ジ−(6−アミノ過カプロン酸)も使用することができる。
【0233】
漂白剤は、それらの早すぎる分解を防ぐために、好ましくは被覆されていてよい。
【0234】
本発明の洗浄剤または清浄剤に、染料を使用することができる;1つまたはそれ以上の染料の量は低く選択して、製剤の使用後に目に見える残留物が残らないようにしなければならない。本発明の製剤は、好ましくは染料を含まない。
【0235】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、好ましくは、1つまたはそれ以上の抗菌活性物質または防腐剤を、通常0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜2重量%、特に0.0002〜1重量%、特に好ましくは0.0002〜0.2重量%、より特に好ましくは0.0003〜0.1重量%の量で含み得る。
【0236】
抗菌活性物質または防腐剤は、抗菌域および作用機序によって、静菌剤および殺菌剤、静真菌剤および殺真菌剤などに区別される。これらの群の重要な物質としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、アルキルアリールスルホネート、ハロフェノールおよび酢酸フェニル水銀がある。本発明の教示の範囲内で、「抗菌作用」および「抗菌活性物質」の概念は、技術的に一般的な意味を有する。適当な抗菌活性物質は好ましくは、アルコール、アミン、アルデヒド、抗菌性の酸またはその塩、カルボン酸エステル、酸アミド、フェノール、フェノール誘導体、ジフェニル、ジフェニルアルカン、尿素誘導体、酸素および窒素アセタールならびにホルマール、ベンズアミジン、イソチアゾリン、フタルイミド誘導体、ピリジン誘導体、抗菌界面活性化合物、グアニジン、抗菌両性化合物、キノリン、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、ヨード−2−プロピルブチルカルバメート、ヨウ素、ヨードフォア、ペルオキソ化合物、ハロゲン化合物、および上記の任意の混合物の群から選択される。
【0237】
ここで、抗菌性物質は、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1,3−ブタンジオール、フェノキシエタノール、1,2−プロピレングリコール、グリセロール、ウンデシレン酸、安息香酸、サリチル酸、ジヒドロ酢酸、o−フェニルフェノール、N−メチルモルホリノアセトニトリル(MMA)、2−ベンジル−4−クロロフェノール、2,2’−メチレンビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、4,4’−ジクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(ジクロサン)、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、クロルヘキシジン、N−(4−クロロフェニル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N,N’−(1,10−デカンジイルジ−1−ピリジニル−4−イリデン)ビス(1−オクタンアミン)ジヒドロクロリド、N,N’−ビス(4−クロロフェニル)−3,12−ジイミノ−2,4,11,13−テトラアザテトラデカンジイミドアミド、グルコプロタミン、抗菌界面活性4級化合物、例えば、1,6−ビス(2−エチルヘキシルビグアニドヘキサン)ジヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−フェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンテトラヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−フェニル−N,N−メチルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−o−クロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−2,6−ジクロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−β(p−メトキシフェニル)ジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−α−メチル−β−フェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−p−ニトロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド、ω:ω−ジ(N,N’−フェニルジグアニド−N,N’)−ジ−n−プロピルエーテルジヒドロクロリド、ω:ω’−ジ−(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)−ジ−n−プロピルエーテルテトラヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−2,4−ジクロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンテトラヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−p−メチルフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−2,4,5−トリクロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンテトラヒドロクロリド、1,6−ジ[N,N’−α−(p−クロロフェニル)エチルジグアニド−N,N’]ヘキサンジヒドロクロリド、ω,ω−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)−m−キシレンジヒドロクロリド、1,12−ジ(N,N’−p−クロロフェニルジグアニド−N,N’)ドデカンジヒドロクロリド、1,10−ジ(N,N’−フェニルジグアニド−N,N’)デカンテトラヒドロクロリド、1,12−ジ(N,N’−フェニルジグアニド−N,N’)ドデカンテトラヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−o−クロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンジヒドロクロリド、1,6−ジ(N,N’−o−クロロフェニルジグアニド−N,N’)ヘキサンテトラヒドロクロリド、エチレンビス(1−トリルビグアニド)、エチレンビス(p−トリルビグアニド)、エチレンビス(3,5−ジメチルフェニルビグアニド)、エチレンビス(p−tert−アミルフェニルビグアニド)、エチレンビス(ノニルフェニルビグアニド)、エチレンビス(フェニルビグアニド)、エチレンビス(N−ブチルフェニルビグアニド)、エチレンビス(2,5−ジエトキシフェニルビグアニド)、エチレンビス(2,4−ジメチルフェニルビグアニド)、エチレンビス(o−ジフェニルビグアニド)、エチレンビス(混合アミルナフチルビグアニド)、N−ブチルエチレンビス(フェニルビグアニド)、トリメチレンビス(o−トリルビグアニド)、N−ブチルトリメチレンビス(フェニルビグアニド)のようなビグアニジンおよびポリグアニジンを含むグアニジン、ならびに酢酸塩、グルコン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、重亜硫酸塩、フッ化物、ポリマレイン酸塩、n−ココアルキルサルコシン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、ペルフルオロオクタン酸塩、ケイ酸塩、ソルビン酸塩、サリチル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、イミノ二酢酸塩、桂皮酸塩、チオシアン酸塩、アルギン酸塩、ピロメリト酸塩、テトラカルボキシ酪酸塩、安息香酸塩、グルタル酸塩、モノフルオロリン酸塩、ペルフルオロプロピオン酸塩のような対応する塩、およびそれらの望ましい混合物から選択することができる。ハロゲン化キシレンおよびクレゾール誘導体、例えばp−クロロメタクレゾールまたはp−クロロメタキシレン、および植物起源(例えば、ハーブまたは野草由来)、動物起源、または微生物起源の天然抗菌活性物質も好適である。抗菌界面活性4級化合物、植物起源の天然抗菌活性物質および/または動物起源の天然抗菌活性物質、特に好ましくは、カフェイン、テオブロミンおよびテオフィリン、ならびに精油、例えばオイゲノール、チモールおよびゲラニオールを包含する群から選ばれる植物起源の少なくとも1つの天然抗菌活性物質、および/または酵素、例えばミルクプロテイン、リゾチームおよびラクトペルオキシダーゼを包含する群から選ばれる動物起源の少なくとも1つの天然抗菌活性物質、および/またはアンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ヨードニウムもしくはアルソニウム基を有する少なくとも1つの抗菌界面活性4級化合物、ペルオキソ化合物および塩素化合物を使用することが好ましい。微生物起源の物質、いわゆるバクテリオシンも使用することができる。グリシン、グリシン誘導体、ホルムアルデヒド、ならびにホルムアルデヒド、ギ酸および過酸化物を容易に遊離する化合物を使用することが好ましい。
【0238】
抗菌活性物質として適当な4級アンモニウム化合物(QACs)については、上記に既に述べた。特に適しているのは、例えば、塩化ベンザルコニウムなどである。ベンザルコニウムハライドおよび/または置換ベンザルコニウムハライドは、例えば、Lonza社製Barquat(登録商標)、Mason社製Marquat(登録商標)、Witco/Sherex社製Variquat(登録商標)、およびLonza社製Hyamine(登録商標)、ならびにLonza社製Bardac(登録商標)として入手可能である。別の市販抗菌活性物質は、N−(3−クロロアリル)ヘキサミニウムクロリド、例えばDow社製Dowicide(登録商標)およびDowicil(登録商標)、塩化ベンゼトニウム、例えばRohm & Haas社製Hyamine(登録商標)1622、塩化メチルベンゼトニウム、例えばRohm & Haas社製Hyamine(登録商標)10X、塩化セチルピリジニウム、例えばMerrell Labs社製Cepacol chlorideである。
【0239】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、必要により、処理した布地の再湿潤性を改善し、処理した布地のアイロンがけを容易にするために、アイロン助剤を含有し得る。例えば、組成物にシリコーン誘導体を使用し得る。これらは、発泡防止特性を示すことから、洗浄活性を有する処方のすすぎ性をさらに改善する。好ましいシリコーン誘導体は、例えば、アルキル基が1〜5個の炭素原子を有し、全体または部分的にフッ素化されている、ポリジアルキルシロキサンまたはアルキルアリールシロキサンである。好ましいシリコーンは、ポリジメチルシロキサンであり、これは、場合により、誘導体化されていてよく、アミノ官能性であってもよく、または4級化されていてよく、またはSi−OH、Si−Hおよび/またはSi−Cl結合を有していてよい。好ましいシリコーンの25℃での粘度は、100〜100,000mPasの範囲であり、シリコーンは、製剤全体に基づいて0.2〜5重量%の量で使用することができる。
【0240】
本発明の粉末(強力)洗浄剤は、好ましくは、例えば、以下から選択される成分を含有する。
− 有利には1〜35重量%、好ましくは5〜25重量%、特に10〜20重量%の量の陰イオン性界面活性剤、好ましくはスルホン酸エステル、特にスルホン酸メチルエステル、
− 有利には0.1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、特に6〜11重量%の量の非イオン性界面活性剤、例えばアルキルグルコシド、脂肪酸グルカミド、脂肪アルコールエトキシレートなど、
− 5〜60重量%、好ましくは10〜55重量%、特に15〜40重量%の量の、洗浄ビルダー、例えばゼオライト、ポリカルボン酸塩、クエン酸ナトリウムなど、
− 有利には1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、特に5〜20重量%の量のアルカリ、例えばカルボン酸ナトリウムなど、
− 有利には5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%の量の漂白剤、例えば過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムなど、
− 有利には1〜6重量%、好ましくは2〜5重量%、特に3〜4重量%の量の腐食防止剤、例えばクエン酸ナトリウムなど、
− 有利には0〜1重量%の量の安定化剤、例えばホスホン酸塩など、
− 有利には0.1〜4重量%、好ましくは0.2〜3重量%、特に1〜2重量%の量の発泡防止剤、例えば石けん、シリコーン油、パラフィンなど、
− 有利には0.01〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、特に0.3〜0.8重量%の酵素、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、タンナーゼ、ペクチナーゼ、カルボアンヒドラーセなど、
− 有利には0〜1重量%の抗灰色化剤、例えばカルボキシメチルセルロースなど、
− 有利には0〜2重量%の量の変色防止剤、例えばポリビニルピロリドン誘導体など、
− 好ましくは0.01〜2重量%の量のポリエステル系防汚ポリマー、
− 有利には0〜60重量%、好ましくは1〜40重量%、特に5〜20重量%の量の調整剤、例えば硫酸ナトリウムなど、
− 有利には0.1〜0.3重量%、特に0.1〜0.4重量%の量の蛍光漂白剤、
− 香料
− 水、
− 石鹸、
− 漂白活性剤、
− セルロース誘導体、
− 防汚剤。
【0241】
本発明の洗浄剤または清浄剤は、好ましくは香油(香料)も含有し得る。
【0242】
本発明において有利に使用し得る粘性香料は、アンジェリカ油、アニス油、アルニカ花油、バジル油、ベイ油、チャンパカ花油、銀モミ油、銀モミ実油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、松葉油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ジンジャーグラス油、グアヤク木油、バルサムガージャン油、ヘリクリサム油、ホー油、ジンジャー油、イリス油、カヤプト油、ショウブ油、カモミール油、カンファー油、カノーガ(Canoga)油、カルダモン油、カッシア油、松葉油、コパイババルサム油、コリアンダー油、カールドペパーミント油、キャラウェイ油、クミン油、レモングラス油、ライム油、タンジェリン油、レモンバーム油、アンブレットシード油、ミルラ油、丁子油、ネロリ油、ニアウリ油、オリバナム油、オレンジ油、オレガノ油、パルマローザ油、パチョリ油、ペルーバルサム油、プチグレイン油、ペッパー油、ペパーミント油、ピメント油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、サンダルウッド油、セロリ油、スターアニス油、ニオイヒバ油、タイム油、バーベナ油、ベチベル油、ジュニパーベリー油、ヨモギ油、冬緑油、イランイラン油、イソップ(ysop)油、シナモン油、シナモン葉油、およびサイプレス油である。
【0243】
しかしながら、天然または合成由来のより高沸点のまたは固体の香料も、本発明において、香油における粘性香料または香料混合物として有利に使用することができる。これらの化合物としては、以下に示す化合物およびそれらの混合物が挙げられる:アンブレットリド、α−アミルシンナムアルデヒド、アネトール、アニスアルデヒド、アニスアルコール、アニソール、アントラニル酸メチル、アセトフェノン、ベンジルアセトン、ベンズアルデヒド、安息香酸エチル、ベンゾフェノン、ベンジルアルコール、ボルネオール、酢酸ボルニル、α−ブロモスチレン、n−デシルアルデヒド、n−ドデシルアルデヒド、オイゲノール、オイゲノールメチルエーテル、オイカリプトール、ファルネソール、フェンチョン、酢酸フェンキル、酢酸ゲラニル、ギ酸ゲラニル、ヘリオトロピン、ヘプチンカルボン酸メチルエステル、ヘプトアルデヒド、ハイドロキノンジメチルエーテル、ヒドロキシシンナムアルデヒド、ヒドロキシシンナミルアルコール、インドール、イロン、イソオイゲノール、イソオイゲノールメチルエーテル、イソサフロール、ジャスモン、カンファー、カルバクロール、カルボン、p−クレゾールメチルエーテル、クマリン、p−メトキシアセトフェノン、メチル−n−アミルケトン、メチルアントラニル酸メチル、p−メチルアセトフェノン、メチルチャビコール、p−メチルキノリン、メチルβ−ナフチルケトン、メチル−n−ノニルアセトアルデヒド、メチルn−ノニルケトン、ムスコン、β−ナフトールエチルエーテル、β−ナフトールメチルエーテル、ネロール、ニトロベンゼン、n−ノニルアルデヒド、ノニルアルコール、n−オクチルアルデヒド、p−オキシアセトフェノン、ペンタデカノリド、β−フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニル酢酸、プレゴン、サフロール、サリチル酸イソアミル、サリチル酸メチル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シクロヘキシル、サンタロール、スカトール、テルピネオール、チメン、チモール、γ−ウンデラクトン、バニリン、ベラトラムアルデヒド、シンナムアルデヒド、シンナミルアルコール、桂皮酸、桂皮酸エチル、および桂皮酸ベンジル。
【0244】
本発明において、香油中に有利に導入し得るより揮発性の香料は、特に、単独でまたはは混合物で使用できる天然または合成由来の低沸点香料である。より揮発性の香料の例としては、アルキルイソチオシアネート(アルキルマスタード油)、ブタンジオン、リモネン、リナロール、酢酸リナリルおよびプロピオン酸リナリル、メントール、メントン、メチルn−ヘプテノン、フェランドレン、フェニルアセトアルデヒド、酢酸テルピニル、シトラール、シトロネラールである。
【0245】
利用し得る香料は、例えば、アミンとアルデヒドの縮合生成物である。アミンとアルデヒドの縮合生成物の好ましい例は、アニスアルデヒドメチルアントラニレート、オーランチオール(ヒドロキシシトロネラルメチルアントラニレート)、ベルダンチオール(4−tert−ブチル−α−メチルジヒドロシンナムアルデヒドメチルアントラニレート)、ベルトシン(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルバルデヒド)、ヒドロキシシトロネラルエチルアントラニレート、ヒドロキシシトロネラルリナリルアントラニレート、メチル−N−(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセニルメチリデン)アントラニレート、メチルナフチルケトンメチルアントラニレート、メチルノニルアセトアルデヒドメチルアントラニレート、メチル−N−(3,5,5−トリメチルヘキシリデン)アントラニレート、バニリンメチルアントラニレートおよび/またはそれらの混合物がある。本発明の香油には好ましくはアミンとアルデヒドの縮合生成物が含有され得る。
【0246】
例えば、アドキサール(2,6,10−トリメチル−9−ウンデセン−1−アール)、アミルアセテート、アニスアルデヒド(4−メトキシベンズアルデヒド)、バクダノール(2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール)、ベンズアルデヒド、ベンゾフェノン、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、3−ヘキセン−1−オール、セタロックス(ドデカヒドロ−3A,6,6,9A−テトラメチルナフト[2,1B]フラン)、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルサリチレート、シトロネロール、クマリン、サリチル酸シクロヘキシル、シマル(2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド)、デシルアルデヒド、エチルバニリン、エチル−2−メチルブチレート、エチレンブラシレート、ユーカリプトール、オイゲノール、エキサルトリド(シクロペンタデカノリド)、フロルヒドラル(3−(3−イソプロピルフェニル)ブタノール)、ガラキソリド(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン)、γ−デカラクトン、γ−ドデカラクトン、ゲラニオール、ゲラニルニトリル、ヘリオナール(α−メチル−3,4−(メチレンジオキシ)ヒドロシンナムアルデヒド)、ヘリオトロピン、酢酸ヘキシル、ヘキシルシンナムアルデヒド、サリチル酸ヘキシル、ヒドロキシアムブラン(2−シクロドデシルプロパノール)、ヒドロキシシトロネラル、イソEスーパー(7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン)、イソオイゲノール、イソジャスモン、コアボン(Koavone)(アセチルジイソアミレン)、ラウリルアルデヒド、IRG201(2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸メチル)、リラル(Liral)(4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド)、マジャントール(Majantol)(2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)プロパノール)、メイオル(Mayor)(4−(1−メチルエチル)シクロヘキサンメタノール)、メチルアントラニレート、メチルβ−ナフチルケトン、メチルセドリロン(メチルセドレニルケトン)、メチルカビコール(1−メチルオキシ−4,2−プロペン−1−イルベンゼン)、メチルジヒドロジャスモネート、メチルノニルアセトアルデヒド、ムスクインダノン(4−アセチル−6−tert−ブチル−1,1−ジメチルインダン)、ネロール、ノナラクトン(4−ヒドロキシノナン酸、ラクトン)、ノルリンバノール(1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−ヘキサノール)、p−t−ブシナル(2メチル−3−(パラ−tert−ブチルフェニル)プロピオンアルデヒド)、p−ヒドロキシフェニルブタノン、パチョリ、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、フェニルヘキサノール/フェノキサノール(3−メチル−5−フェニルペンタノール)、ポリサントール(3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール)、ローザフェン(2−メチル−5−フェニルペンタノール)、サンダルウッド、α−テルピネン、トナリド/ムスクプラス(7−アセチル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリン)、ウンデカラクトン、ウンデカベルトール(4−メチル−3−デセン−5−オール)、ウンデシルアルデヒド、ウンデセンアルデヒド、バニリンおよび/またはそれらの混合物などの香料が、本発明の香油中に含まれる場合が特に有利である。
【0247】
好ましい実施態様において、本発明の洗浄剤または清浄剤は、特定の最小限の香油を含有する。すなわち、全洗浄剤または清浄剤に基づいて、少なくとも0.01重量%、有利には少なくとも0.1重量%、非常に有利には少なくとも0.15重量%、より有利には少なくとも0.2重量%、さらに有利には少なくとも0.25重量%、より有利には少なくとも0.3重量%、特に有利には少なくとも0.35重量%、より特に有利には少なくとも0.4重量%、さらに非常に有利には少なくとも0.45重量%、より有利には少なくとも0.5重量%、さらに非常に有利には少なくとも0.55重量%、さらに非常に有利には少なくとも0.6重量%、さらにより有利には少なくとも0.65重量%、さらにより有利には少なくとも0.7重量%、さらにより有利には少なくとも0.75重量%、さらに非常に有利には少なくとも0.8重量%、さらに非常に有利には少なくとも0.85重量%、特に少なくとも0.9重量%の香油を含有する。上限は、製剤全体に基づいて、例えば、5、3または1重量%である。
【0248】
好ましい実施態様において、香油は、アミルシンナマル、アミルシンナミルアルコール、ベンジルアルコール、サリチル酸ベンジル、シンナミルアルコール、シンナマル、クマリン、オイゲノール、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネラル、ヒドロキシメチルペンチルシクロヘキセンカルボキシアルデヒド、イソオイゲノール、アニシルアルコール、ベンジルベンゾエート、ベンジルシンナメート、シトロネロール、ファルネソール、ヘキシルシンナムアルデヒド、リリアール、d−リモネン、メチルヘプチンカルボネート、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、オークモス抽出物、コウヤノマンネングサ抽出物に挙げられる香料を、8未満、有利には7未満、より有利には6未満、より有利には5未満、さらに有利には4未満、よりさらに有利には3未満、好ましくは2未満含有し、特には含有しない。
【実施例】
【0249】
異なる洗浄剤処方について、一次および二次洗浄力に関する洗浄試験(40℃、Miele W308、主要洗浄周期75分間、16°dH、洗濯物量3.5kg)を行った。様々な種類の織物(綿、綿/ポリエステル混紡織物、ポリエステル)で白色度を比較した。
【0250】
以下の洗浄剤処方について、試験を行った。
【0251】
洗浄剤1:
7EOを有するC12〜C14脂肪アルコール 4重量%
C9〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩 10重量%
過炭酸ナトリウム 18重量%
TAED 3重量%
C12〜18脂肪酸、ナトリウム塩 1.5重量%
PVA/マレイン酸コポリマー 2重量%
ホスホン酸、ナトリウム塩 0.5重量%
カルボン酸ナトリウム 20重量%
ゼオライトA 25重量%
CMC、ナトリウム塩 1重量%
消泡剤 1.3重量%
酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ) +
香料 0.5重量%
蛍光漂白剤 0.3重量%
硫酸ナトリウム 100になるまで
【0252】
洗浄剤2:
7EOを有するC12〜C14脂肪アルコール 4重量%
C9〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩 5重量%
C16〜18スルホン酸メチルエステル 5重量%
過炭酸ナトリウム 18重量%
TAED 3重量%
C12〜18脂肪酸、ナトリウム塩 1.5重量%
PVA/マレイン酸コポリマー 2重量%
ホスホン酸、ナトリウム塩 0.5重量%
カルボン酸ナトリウム 20重量%
ゼオライトA 25重量%
CMC、ナトリウム塩 1重量%
消泡剤 1.3重量%
酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ) +
香料 0.5重量%
蛍光漂白剤 0.3重量%
硫酸ナトリウム 100になるまで
【0253】
洗浄剤2は、LAS(C9〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩)の半量をMES(C16〜18スルホン酸メチルエステル)に置き換えた点において、洗浄剤1と異なる。含まれる界面活性剤の総量は同じである。
【0254】
洗浄剤3:
7EOを有するC12〜C14脂肪アルコール 4重量%
C16〜18スルホン酸メチルエステル 10重量%
過炭酸ナトリウム 18重量%
TAED 3重量%
C12〜18脂肪酸、ナトリウム塩 1.5重量%
PVA/マレイン酸コポリマー 2重量%
ホスホン酸、ナトリウム塩 0.5重量%
カルボン酸ナトリウム 20重量%
ゼオライトA 25重量%
CMC、ナトリウム塩 1重量%
消泡剤 1.3重量%
酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ) +
香料 0.5重量%
蛍光漂白剤 0.3重量%
硫酸ナトリウム 100になるまで
【0255】
洗浄剤3は、LAS(C9〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩)の全量をMES(C16〜18スルホン酸メチルエステル)に置き換えた点において、洗浄剤1と異なる。含まれる界面活性剤の総量は同じである。
【0256】
洗浄剤A:
7EOを有するC12〜C14脂肪アルコール 4重量%
C9〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩 5重量%
C16〜18スルホン酸メチルエステル 5重量%
過炭酸ナトリウム 18重量%
TAED 3重量%
C12〜18脂肪酸、ナトリウム塩 1.5重量%
PVA/マレイン酸コポリマー 2重量%
ホスホン酸、ナトリウム塩 0.5重量%
カルボン酸ナトリウム 20重量%
ゼオライトA 25重量%
CMC、ナトリウム塩 1重量%
消泡剤 1.3重量%
酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ) +
防汚ポリマー 0.2重量%
香料 0.5重量%
蛍光漂白剤 0.3重量%
硫酸ナトリウム 100になるまで
*防汚ポリマー:防汚ポリマーは、請求項8に示された条件に合うポリエステル系防汚ポリマーを使用した。
【0257】
洗浄剤Aは、LAS(C9〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩)の半量をMES(C16〜18スルホン酸メチルエステル)に置き換えた点において、洗浄剤1と異なる。含まれる界面活性剤の総量は同じである。さらに、洗浄剤Aは、0.2重量%の防汚ポリマーを含有する(洗浄剤2との唯一の違い)。
【0258】
洗浄剤B:
7EOを有するC12〜C14脂肪アルコール 4重量%
C16〜18スルホン酸メチルエステル 10重量%
過炭酸ナトリウム 18重量%
TAED 3重量%
C12〜18脂肪酸、ナトリウム塩 1.5重量%
PVA/マレイン酸コポリマー 2重量%
ホスホン酸、ナトリウム塩 0.5重量%
カルボン酸ナトリウム 20重量%
ゼオライトA 25重量%
CMC、ナトリウム塩 1重量%
消泡剤 1.3重量%
酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ) +
防汚ポリマー 0.2重量%
香料 0.5重量%
蛍光漂白剤 0.3重量%
硫酸ナトリウム 100になるまで
*防汚ポリマー:防汚ポリマーは、請求項8に示された条件に合うポリエステル系防汚ポリマーを使用した。
【0259】
洗浄剤Bは、LAS(C9〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩)の全量をMES(C16〜18スルホン酸メチルエステル)に置き換えた点において、洗浄剤1と異なる。含まれる界面活性剤の総量は同じである。さらに、洗浄剤Bは、0.2重量%の防汚ポリマーを含有する(洗浄剤Aとの唯一の違い)。
【0260】
それぞれ、5回の洗浄周期の後、洗浄結果を評価した(5回の試験の平均をそれぞれ示す)。
【0261】
以下の結果は、洗浄剤1により得られた:

【0262】
以下の結果は、(LASをMESにより部分的に置換した)洗浄剤2により得られた:

【0263】
以下の結果は、(LASをMESにより完全に置換した)洗浄剤3により得られた:

【0264】
洗浄剤1〜3の比較により、処方において他の変更なしに、LASをMESに部分的または全て置き換えることが、汚れ除去および洗濯物の白色度の低下を生じることが明らかとなった。特に、ポリエステルの白色度は、劇的に低下した。
【0265】
以下の結果は、(LASをMESにより部分的に置換し、防汚ポリマーを添加した)洗浄剤Aにより得られた:

【0266】
洗浄剤1と比較して、LASをMESにより部分的に置き換えたにもかかわらず、驚くべきことに、防汚ポリマーの添加の結果として、汚れ除去および白色度の両方において、改善がみられた。防汚ポリマーを配合していない点においてのみ異なる洗浄剤2と比較して、汚れ除去および洗濯物の白色度の両方において、非常に改善がみられた。白色度の改善は、特に、綿/ポリエステル混紡において著しく、ポリエステルにおいてはなおさら著しい。
【0267】
以下の結果は、(LASをMESにより完全に置換し、防汚ポリマーを添加した)洗浄剤Bにより得られた:

【0268】
洗浄剤1と比較して、LASをMESにより完全に置き換えたにもかかわらず、驚くべきことに、防汚ポリマーの添加の結果として、汚れ除去および洗濯物(綿および綿/ポリエステル混紡)の白色度の両方において、改善がみられた。ポリエステルの白色度は、若干乏しかった。防汚ポリマーを配合していない点においてのみ異なる洗浄剤3と比較して、汚れ除去および洗濯物の白色度の両方において、非常に改善がみられた。白色度の改善は、特に、綿/ポリエステル混紡において著しく、ポリエステルにおいてはなおさら著しい。
【0269】
これらの実験は、本発明の防汚ポリマーを添加した場合に、一次および二次洗浄力への悪影響なしに、LESのMESによる部分的または完全な置き換えを行えることを裏付ける。添加しない場合には、特にポリエステルの白色度に関して、劇的な低下が生じることがある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル系防汚ポリマーを含有し、脂肪化学に基づく少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含有する洗浄剤または清浄剤。
【請求項2】
ポリエステル系防汚ポリマーを、製剤全体に基づいて、0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%、特に0.1〜1重量%の量で含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
脂肪化学に基づく陰イオン性界面活性剤として、スルホン酸エステル、好ましくはスルホン酸メチルエステル(MES)を、有利には、製剤全体に基づいて、1〜20重量%、より有利には3〜15重量%、特に5〜10重量%の量で含む、請求項1または2に記載の製剤。
【請求項4】
脂肪化学に基づく陰イオン性界面活性剤として、式(I)で示されるスルホン酸エステルを含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の製剤。
【化1】

〔式中、Rは、平均してC〜C22アルキル基、好ましくはC10〜C18アルキル基、C12〜C14アルキル基、C14〜C16アルキル基、C12〜C15アルキル基、C〜C10アルキル基、C16〜C18アルキル基、C16アルキル基、C12〜C16アルキル基、C12〜C18アルキル基、特にC16〜C18アルキル基、C12〜C16アルキル基、C16アルキル基、またはC12〜C18アルキル基であり、
は、平均してC〜Cアルキル基、特に好ましくはメチル基であり、
nは、1または2の数、好ましくは1であり、
n+は、対イオンを表し、Mは好ましくはNa、K、Ca、Mg、H、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、またはそれらの混合物であり、n+は、Mの種類によって1+または2+であり、対イオンMn+としては、Na、K、またはMg2+が好ましい。〕
【請求項5】
アルキルベンゼンスルホン酸塩、好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)を、有利には製剤全体に基づいて0.01〜20重量%、より有利には0.1〜10重量%、特に1〜5重量%の量でさらに含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の製剤。
【請求項6】
アルキルベンゼンスルホン酸塩および/またはアルキルスルホン酸塩、好ましくは2級アルキルスルホン酸塩を含有しない、請求項1〜5のいずれかに記載の製剤。
【請求項7】
非イオン性界面活性剤、特にアルコキシル化脂肪アルコールを、特に、製剤全体に基づいて0.01〜20重量%の量で包含する、請求項1〜6のいずれかに記載の製剤。
【請求項8】
防汚ポリマーが、構造単位I〜IIIまたはI〜IVを包含する、請求項1〜7のいずれかに記載の製剤。
−[(OCHR-CHR)-O-OC-Ph-CO-] (I)
−[(OCHR-CHR)-O-OC-sPh-CO-] (II)
−[(OCHR-CHR)-OR] (III)
−[多官能性単位] (IV)
〔式中、a、b、およびcは、互いに独立して、それぞれ1〜200の数を表し、
d、e、およびfは、互いに独立して、それぞれ1〜50の数を表し、
gは、0〜5の数を表し、
Phは、1,4−フェニレン基を表し、
sPhは、5位を−SOMe基により置換した1,3−フェニレン基を表し、
Meは、Li、Na、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−またはテトラアルキルアンモニウムを表し、アンモニウムイオンのアルキル基はC〜C22アルキル基またはC〜C10ヒドロキシアルキル基、またはそれらの混合物を表し、
、R、R、R、R、およびRは、互いに独立して、それぞれ水素またはC
18n−またはイソ−アルキル基を表し、
は、直鎖状または分枝状C〜C30アルキル基あるいは直鎖状または分枝状C〜C30アルケニル基、5〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、C〜C30アリール基、またはC〜C30アリールアルキル基を表し、
「多官能性単位」は、エステル化反応をすることができる3〜6個の官能基を有する単位を表す。〕
【請求項9】
それぞれ、製剤全体に基づいて、
(a)特に1〜20重量%の量の、スルホン酸エステル、好ましくはMES、
(b)特に0〜20重量%の量の、アルキルベンゼンスルホン酸塩、好ましくはLAS、および
(c)有利には0〜15重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%の量の、非イオン性界面活性剤、および
(d)有利には0〜5重量%の量の、酵素
を包含する、請求項1〜8のいずれかに記載の製剤。
【請求項10】
固形状、特に粉末状または顆粒状で存在する、有利には成形体、特にタブレット状で存在する、請求項1〜9のいずれかに記載の製剤。
【請求項11】
手動または自動布地洗浄における、請求項1〜10のいずれかに記載の製剤の使用。
【請求項12】
布地洗浄における布地の灰色化を低減するためのスルホン酸エステル含有洗浄剤または清浄剤における、ポリエステル系防汚ポリマー、特に請求項8に特徴付けられるポリエステル系防汚ポリマーの使用。
【請求項13】
洗浄剤または清浄剤全体に基づいて、15重量%以下、好ましくは10重量%以下、有利には5重量%以下のLAS含量である、特にLAS含量が0重量%であるスルホン酸エステル含有洗浄剤または清浄剤における、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
綿に基づく布地、合成繊維、好ましくはポリエステルに基づく布地、および/または混紡織物、特にポリエステル/綿混紡織物に基づく布地の洗浄における、請求項11〜13のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれかに記載の製剤を使用し、洗浄温度が40℃以下、特に30℃以下であることを特徴とする布地洗浄方法。

【公表番号】特表2010−535918(P2010−535918A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520520(P2010−520520)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/059619
【国際公開番号】WO2009/021813
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】