説明

ポリエステル組成物およびそれを用いたフィルム

【課題】イソフタル酸およびポリエチレングリコールを含有し、かつポリエステルの劣化による異物の発生を抑制し、輝度の高いディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合したポリエステル組成物であって、融点が200〜230℃、ガラス転移温度が50〜65℃、ポリエチレングリコールの数平均分子量が500〜2000、アンチモン元素を含まず、重縮合触媒にチタン化合物を用い、チタン原子換算で0.5〜50ppm含有し、さらに、下記一般式(1)で示す5価のリン化合物および/または3価のリン化合物をリン原子換算で合計1〜50ppm含有し、アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素の合計含有量が5〜50ppmであることを特徴とするポリエステル組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合したポリエステル組成物およびそれを用いたディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルに関する。詳しくは、特定のリン化合物を含有することで耐熱性および耐酸性を向上させ、異物の発生を抑制し、かつ、アンチモン元素を含まず、特定のチタン化合物を重縮合触媒として使用することで、更に耐熱性が向上し、輝度が非常に高いディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
イソフタル酸やポリエチレングリコールを含有したポリエステル組成物およびフィルムは、優れた光学特性、結晶化特性、機械特性を有しており、異種ポリマーまたは粒子を多量に含有し、フィルム延伸時にその界面でボイドを生成する白色フィルム等様々な用途に広く使用されている。しかしながら、該ポリエステル組成物は、イソフタル酸、ポリエチレングリコールを含有しているため、耐熱性および耐酸性に劣り、ポリエステルの劣化により異物が発生するという問題がある。また、白色フィルムとして使用する際には、通常のアンチモン触媒を重縮合触媒として使用する場合、析出したアンチモンにより輝度を低下させるという問題がある。それらの問題は、白色フィルムの中でも、近年、特に高い輝度が求められるディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムとしては、必ずしも十分ではなかった。
【0003】
ここで、異物の少ないポリエステル組成物としては、例えば、特許文献1では、アルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素物の合計含有量を規定し、特定のリン化合物、チタン化合物を含有するポリエステル組成物が記載されているが、アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素の合計含有量が多いため、それ自体がリン化合物等と反応し異物を生成したり、多量の金属元素によりポリエステルが劣化しやすくなる課題がある。また、イソフタル酸およびポリエチレングリコールを含有しているポリエステル組成物においては、該傾向がより顕著であり、必ずしも十分な異物抑制効果が得られない課題がある。
【0004】
また、特許文献2では、白色ポリエステルフィルムとして、硫酸バリウムを含有したポリエステル組成物について記載があるものの、チタン化合物を使用していないため、例えば、アンチモン触媒等の触媒の析出物等で、更なる高輝度化が要求されるディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムとしては、輝度が不十分であることが考えられる。また、イソフタル酸およびポリエチレングリコールを含有していないため結晶性が高く、粒子を多量に含有する該フィルム構成においては、延伸時に、分散した粒子または異種ポリマー周りにできたボイドを起点にフィルムが破れやすくなるという課題がある。
【特許文献1】特開2004−359744号公報
【特許文献2】特公昭60−30930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記した従来の課題を解決し、イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合し、特定のリン化合物、特定のチタン化合物を含有することで、耐熱性が
高いため異物が少なく、白色フィルムとした際に、アンチモン元素を含まないため輝度が非常に高く、イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合しているため結晶性が低く、破れが発生しにくいディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した、本発明の目的は、イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合したポリエステル組成物であって、融点が200〜230℃、ガラス転移温度が50〜65℃、ポリエチレングリコールの数平均分子量が500〜2000、アンチモン元素を含まず、重縮合触媒にチタン化合物を用い、チタン原子換算で0.5〜50ppm含有し、さらに、下記一般式(1)で示す5価のリン化合物および/または3価のリン化合物をリン原子換算で合計1〜50ppm含有し、アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素の合計含有量が5〜50ppmであることを特徴とするポリエステル組成物によって達成される。
【0007】
【化1】

【0008】
(但し、式中、R、R、Rは炭素数1以上の炭化水素基である。Xはカルボニル基、エステル基のいずれかを示す。nは、0または1である。)
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合したポリエステル組成物において、特定のリン化合物を含有することでポリエステルの劣化による異物の発生を抑制し、アンチモン元素を含まず、特定のチタン化合物を含有することで、重縮合触媒として一般的に使用されているアンチモンの析出が少ないため、輝度の非常に高いディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明におけるポリエステル組成物とは、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなるポリエステルに、イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合したポリエステル組成物をいう。イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合するポリエステルとしては従来公知の、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等を挙げることができ、これらのうちポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが特に好ましい。
【0011】
本発明のポリエステル組成物は、イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合したポリエステル組成物であって、融点が200〜230℃、ガラス転移温度が50〜65℃、ポリエチレングリコールの数平均分子量が500〜2000、アンチモン元素を含まず、重縮合触媒にチタン化合物を用い、チタン原子換算で0.5〜50ppm含有し、さらに、下記一般式(1)で示す5価のリン化合物および/または3価のリン化合物をリン原子換算で合計1〜50ppm含有し、アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素の合計含有量が5〜50ppmであることを特徴とするポリエステル組成物である。
【0012】
【化1】

【0013】
(但し、式中、R、R、Rは炭素数1以上の炭化水素基である。Xはカルボニル基、エステル基のいずれかを示す。nは、0または1である。)
本発明のポリエステル組成物は、融点が200〜230℃であることが必要である。融点が230℃を超える場合、フィルムの結晶性が高くなり、ディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルム等の異種ポリマーまたは粒子を多量に含有するフィルムにおいては、破れが発生しやすくなる。また、200℃未満では、耐熱性が不足し、異物が増える。よって、好ましくは205〜225℃、より好ましくは210〜220℃である。
【0014】
本発明のポリエステル組成物は、ガラス転移温度が50〜65℃であることが必要である。ガラス転移温度が50℃未満の場合、耐熱性が不足するため、製膜安定性が損なわれ、ガラス転移温度が65℃を超える場合、フィルムの結晶性が高くなりフィルムの成形加工性が損なわれる。
【0015】
本発明のポリエステル組成物は、前記した特性を与えるために、ポリエステルはイソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合したものであることが必要である。イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合することにより、ポリエステルの融点およびガラス転移温度を、所定の範囲とすることができる。
【0016】
ポリエステルの融点およびガラス転移温度を、所定の範囲とするためには、イソフタル酸の共重合率としては、好ましくは10〜14モル、より好ましくは11〜13モルであり、ポリエチレングリコールの共重合率は、4〜8重量%、好ましくは5〜7重量%である。
【0017】
本発明のポリエステル組成物は、ディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムとする際に、非相溶の粒子や異種ポリマー(ポリメチルペンテン等)等の分散性の向上および低融点化の観点から、ポリエチレングリコールの数平均分子量が500〜2000の範囲にあることが必要である。かかる範囲のポリエチレングリコールを共重合することにより、ポリエステルの低融点化によるフィルム破れの抑制およびポリメチルペンテン等の分散性が向上しフィルムの輝度を向上させることが可能となる。
【0018】
ポリエチレングリコールの数平均分子量が500未満では融点は低下するものの耐熱性が不足し異物が発生しやすくなり、また2000を超える場合、低融点化が十分でなく、破れが発生しやすくなったり、非相溶の粒子や異種ポリマー(ポリメチルペンテン等)等の分散性が低下しフィルムの輝度が低下する。よって本発明におけるポリエチレングリコールの数平均分子量は、700〜1800の範囲が好ましく、さらには800〜1500の範囲が好ましい。
【0019】
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、ポリエステル組成物に他の共重合成分が含まれていてもよい。
【0020】
本発明のポリエステル組成物は、異物抑制の観点から、下記一般式(1)で示す5価のリン化合物および/または3価のリン化合物を、ポリエステルに対してリン原子換算で合計1〜50ppm添加・配合することが必要である。好ましくは5〜40ppmであり、より好ましくは10〜30ppmである。50ppmを超えると重縮合触媒として使用しているチタン化合物が失活し十分な重合活性が得られない。1ppm未満では得られたポリエステル組成物の色調や耐熱性が悪化する。
【0021】
【化1】

【0022】
(但し、式中、R、R、Rは炭素数1以上の炭化水素基である。Xはカルボニル基、エステル基のいずれかを示す。nは、0または1である。)
一般式(1)に示す5価のリン化合物としては、例えばトリメチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテート、エチルジメチルホスホノアセテート、トリエチルホスホノアセテート、トリエチル3−ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノプロピネート、トリエチル2−ホスホノブチレート、tert−ブチルジエチルホスホノアセテート、ジエチルホスホノ酢酸、トリメチル2−ホスホノアクリレート、トリエチル4−ホスホノクロトネート、アリールジエチルホスホノアセテート、ジメチル(3−オキソプロプル)ホスホネート、ジメチル(3−フェノキシアセトニル)ホスホネート、ジエチル(3−オキソプロプル)ホスホネート、ジエチル(2−オキソ−2−フェニルエチル)ホスホネート、ジエチル(ヒドロキシメチル)ホスホネート等を挙げることができる。上記した5価のリン化合物は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの5価のリン化合物を用いることで、ポリエステルの劣化による異物の発生を抑制することが可能となる。これらの5価のリン化合物のうちでも特に、異物抑制の効果の点からトリエチルホスホノアセテートが好ましい。一般式(1)に該当しない5価のリン化合物としては、一般的に使用しているものとしてリン酸等が挙げられるが、酸性度が高いため、イソフタル酸、ポリエチレングリコールを共重合したポリエステルにおいては、ポリエステルを劣化させ異物を生成してしまう。
【0023】
また、本発明において、5価のリン化合物に加え3価のリン化合物を併用してもよい。3価のリン化合物は、耐熱性を向上させると共に、チタン化合物で重縮合したポリエステル組成物の色調を良化させる効果がある。3価のリン化合物としては、市販の耐熱安定剤を適用することができ、例えばトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4―ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1―ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4―ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0024】
本発明のポリエステル組成物は、異物抑制およびディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムとした際の輝度向上の観点から、チタン触媒を用いて重縮合反応することが必要であり、好ましく、チタン原子として0.5〜50ppm含有することが必要である。50ppmを越える場合は、含有する金属量が増えることから色調が悪化し、また、0.5ppm未満の場合は、重合活性が十分でないため重合時間が結果として遅延してしまい、結果として色調が悪化したり、所定の重合度まで重合することができない。よって、チタン原子の含有量は、好ましくは3〜40ppm、より好ましくは5〜30ppmである。また、通常のアンチモン触媒は、重縮合反応中にポリエステル組成物内部に一部のアンチモンが析出してしまい、ディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムとした際に光の損失を招きフィルムの輝度を低下させてしまう。また、ゲルマニウム触媒は、色調は優れるものの非常に高価であり、生産で使用する上では、コスト競争力に劣る。
【0025】
本発明のポリエステル組成物において、重縮合用触媒としてのチタン化合物の置換基がアルコキシ基、フェノキシ基、アシレート基、アミノ基、水酸基の少なくとも1種であるチタン化合物が好ましく用いられる。
【0026】
具体的なアルコキシ基には、テトラエトキシド、テトラプロポキシド、テトライソプロポキシド、テトラブトキシド、テトラ−2−エチルヘキソキシド等のチタンテトラアルコキシド、アセチルアセトン等のβ−ジケトン系官能基、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸等のヒドロキシ多価カルボン酸系官能基、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のケトエステル系官能基が挙げられ、特に脂肪族アルコキシ基が好ましい。また、フェノキシ基には、フェノキシ、クレシレイト等が挙げられる。また、アシレート基には、ラクテート、ステアレート等のテトラアシレート基、フタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸またはそれらの無水物等の多価カルボン酸系官能基、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、カルボキシイミノ二酢酸、カルボキシメチルイミノ二プロピオン酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラミノ六酢酸、イミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二プロピオン酸、メトキシエチルイミノ二酢酸等の含窒素多価カルボン酸系官能基が挙げられ、特に脂肪族アシレート基が好ましい。また、アミノ基には、アニリン、フェニルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。また、これらの置換基を2種含んでなるジイソプロポキシビスアセチルアセトンやトリエタノールアミネートイソプロポキシド等が挙げられる。中でもヒドロキシ多価カルボン酸系官能基である乳酸および/またはクエン酸が異物抑制と耐熱性向上、色調の観点から好ましい。
【0027】
本発明のポリエステル組成物は、アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素の合計含有量が5〜50ppmであることが必要である。50ppmを超えると、添加しているリン化合物と反応し異物を生成したり、その金属元素自体でポリエステルを劣化させやすくなり、5ppm未満であると静電印加性が劣り、フィルムのドラムとの密着性が悪くなる。よって、好ましくは10〜45ppm、より好ましくは、15〜40ppmである。
【0028】
本発明のポリエステル組成物の具体的な製造方法としては、例えばポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合したポリエステル組成物について説明すると、テレフタル酸、イソフタル酸およびポリエチレングリコールとエチレングリコ−ルとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチルおよびポリエチレングリコールとエチレングリコールとをエステル交換反応させる第1段階の反応と、この第1段階の反応生成物を重縮合反応させる第2段階とによって製造する方法等を挙げることができる。この際、反応触媒、添加物として、従来公知のアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛が用いられ、重縮合触媒としてはチタン化合物が使用される。さらに下記一般式(1)で示す5価のリン化合物および/または3価のリン化合物が任意の段階で添加・配合される。
【0029】
【化1】

【0030】
本発明の改質ポリエステルには必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤あるいはポリシロキサンなどの消泡剤を配合してもよく、さらには滑り性などを付与する目的でクレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、湿式および乾式法シリカさらにはコロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナなどの無機粒子さらにはアクリル、スチレンなどを構成成分とする有機粒子等を配合してもよい。
【0031】
また、該ポリエステル組成物は、ディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルムに好適に使用される。白色ポリエステルフィルムは、フィルム内部に微細なボイドを含有することによって白色化されていることが好ましい。微細なボイドの形成は、フィルム母材、例えばポリエステル中に、非相溶な異種ポリマーまたは粒子を細かく分散させ、それを延伸することにより達成される。延伸に際して、この非相溶異種ポリマーまたは粒子の周りにボイド(気泡)が形成され、これが光に散乱作用を発揮するため、白色化され、高反射率を得ることが可能となる。非相溶ポリマーは、例えば、例えば、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリビニル−t−ブタン、1,4−トランス−ポリ−2,3−ジメチルブタジエン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレン、ポリフルオロスチレン、ポリ−2−メチル−4−フルオロスチレン、ポリビニル−t−ブチルエーテル、セルロールトリアセテート、セルロールトリプロピオネート、ポリビニルフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどから選ばれた融点200℃以上のポリマーである。中でもポリエステル母材に対して、ポリオレフィン、とくにポリメチルペンテンが好ましい。また、粒子としては酸化チタンや硫酸バリウム等が好ましく使用される。
【0032】
この非相溶な異種ポリマーまたは粒子は均一に分散されている程好ましい。均一分散により、フイルム内部に均一にボイドが形成され、白色化の度合、ひいては反射率が均一になる。非相溶ポリマーを均一分散させるには、低比重化剤を分散助剤として添加することが有効である。本発明のポリエステル組成物は、該低比重化剤として使用される。低比重化剤とは、比重を小さくする効果を持つ化合物のことであり、本発明ではポリエチレングリコールとイソフタル酸が使用される。また、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールの共重合体なども、非相溶ポリマーの分散性を向上させるために添加してもよい。
【0033】
次に本発明の白色ポリエステルフイルムの製造方法について説明するが、かかる例に限定されるものではない。非相溶ポリマーとしてポリメチルペンテンを、低比重化剤として本発明のポリエチレングリコールおよびイソフタル酸を共重合し、チタン化合物で重縮合反応したポリエステル組成物、同様にチタン化合物で重縮合反応したポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコール共重合組成物を、共重合物を含まないポリエチレンテレフタレート組成物(チタン化合物で重縮合反応)に混合し、それを充分混合・乾燥させて270〜300℃の温度に加熱された押出機Bに供給する。必要な場合は、SiO などの無機物添加剤を含んだポリエチレンテレフタレート組成物(チタン化合物で重縮合反応)を常法により押出機Aに供給して、Tダイ3層口金内で押出機A層のポリマーが両表層にくるようA層/B層/A層なる構成の3層にラミネートしてもよい。
【0034】
この溶融されたシートを、ドラム表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気力にて密着冷却固化し、該未延伸フイルムを80〜120℃に加熱したロール群に導き、
長手方向に2.0〜5.0倍縦延伸し、20〜50℃のロール群で冷却する。続いて、縦延伸したフイルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き90〜140℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に横延伸する。延伸倍率は、縦、横それぞれ2.5〜4.5倍に延伸するが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は9〜16倍であることが好ましい。面積倍率が9倍未満であると得られるフイルムの白さが不良となり、逆に16倍を越えると延伸時に破れを生じやすくなり製膜性が不良となる傾向がある。こうして二軸延伸されたフイルムの平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で150〜230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取り本発明のディスプレイ反射板用白色ポリエステルフイルムを得る。
【実施例】
【0035】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0036】
なお、物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)ポリエステル組成物のガラス転移温度、融点
測定するサンプルを約10mg秤量し、アルミニウム製パン、パンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC7型)によって測定した。測定においては窒素雰囲気中で20℃から285℃まで16℃/分の速度で昇温した後液体窒素を用いて急冷し、再び窒素雰囲気中で20℃から285℃まで16℃/分の速度で昇温する。この2度目の昇温過程でガラス転移温度、融点を測定した。
(2)ポリエステル組成物の色調
スガ試験機(株)社製の色差計(SMカラーコンピューター形式SM−3)を用いて、ハンター値(L値、b値)として測定した。
(3)ポリエステル組成物中の金属元素含有量
蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)を使用し、あらかじめ求めた検量線より求めた。
(4)ポリエステル組成物の異物個数
ポリエステル組成物を重縮合反応後、チップ状にし、10kgのポリエステル組成物を観察して、ポリエステル組成物中にある異物(最大直径100μm以上)の個数を確認した。
(5)ポリエステル組成物のゲル化物量
ポリエステル組成物1gを凍結粉砕して直径300μm以下の粉体状とし真空乾燥する。この試料を、オイルバス中で、大気下、300℃で2.5時間熱処理する。これを、50mlのオルトクロロフェノール(OCP)中、80〜150℃の温度で0.5時間溶解させる。続いて、ブフナー型ガラス濾過器(最大細孔の大きさ20〜30μmで濾過し、洗浄・真空乾燥する。濾過前後の濾過器の重量の増分より、フィルターに残留したOCP不溶物の重量を算出し、OCP不溶物のポリエステル重量(1g)に対する重量分率を求め、ゲル化物量(%)とした。
(6)ポリエステルフィルムの平均相対反射率
日立ハイテクノロジーズ製分光光度計(U―3310)に積分球を取り付け、標準白色板(酸化アルミニウム)を100%とした時の反射率を400〜700nmにわたって測定する。得られたチャートより5nm間隔で反射率を読み取り、平均値を計算し、平均相対反射率とする。
【0037】
参考例1(触媒A.クエン酸キレートチタン化合物の合成方法)
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。
【0038】
参考例2(触媒B.乳酸キレートチタン化合物の合成方法)
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。
【0039】
参考例3(触媒C.チタンアルコキシド化合物の合成方法)
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(496g、8.00モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応フラスコに、NaOH(125g、1.00モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えて透明な黄色の液体を得た(Ti含有量4.44重量%)。
【0040】
実施例1
高純度テレフタル酸76重量部、イソフタル酸10重量部(11.6モル)およびエチレングリコール39重量部とのエステル化反応物即ちビスヒドロキシエチルテレフタレート(低重合体)をエステル化反応槽で255℃で溶融し、これに高純度テレフタル酸76重量部、イソフタル酸10重量部(11.6モル)およびエチレングリコール39重量部の組成からなる混合物を加え、255℃で攪拌しながら無触媒でエステル化反応を行った。エステル化反応を続け、水の留出量がエステル化反応率で97%以上となる理論留出量に達したところで、テレフタル酸86重量部に相当する反応物を重縮合反応装置に移行した。重縮合反応装置に移行したテレフタル酸86重量部に相当する反応物に、5価のリン化合物としてトリエチルホスホノアセテート(TEPA)をリン原子換算で10ppmとなるように添加し、さらに参考例1に示したチタン化合物(触媒A)をチタン原子換算で5ppmとなるように添加し、酢酸マグネシウム4水塩をマグネシウム元素として25ppmとなるように添加した後、数平均分子量1000のポリエチレングリコール(PEG)6重量部を添加し、重縮合反応装置内容物を撹拌しながら減圧および昇温し、エチレングリコールを留出させながら重合を行った。なお、減圧は60分かけて常圧から133Pa以下に減圧し、昇温は60分かけて255℃から280℃まで昇温した。
【0041】
重縮合反応装置の撹拌トルクが所定の値に達したら重縮合反応装置を窒素ガスにて常圧へ戻し、ガット状のポリマーを水槽へ吐出した。水槽で冷却されたポリエステルガットはカッターにてカッティングし、イソフタル酸、ポリエチレングリコールを含有するポリエチレンテレフタレート組成物のチップを得た。
【0042】
得られたポリエステル組成物の特性を表1に示す。本発明のポリエステル組成物は異物は確認されず、ゲル化物量は0.2%と良好であった。
【0043】
次に共重合物を含まずチタン化合物で重縮合反応させ得たポリエチレンテレフタレート65重量部、上記本発明のイソフタル酸、ポリエチレングリコールを共重合し、チタン化合物で重縮合反応させ得たポリエステル組成物を10重量部、チタン化合物で重縮合反応させ得たポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールの共重合物(東レデュポン(株)製“ハイトレル”)を5重量部、押出し温度を320℃に設定しポリメチルペンテンを20重量部となるように混合し、270〜300℃に加熱された押出機Bに供給(B層)し、一方、チタン化合物で重縮合反応させ得たポリエチレンテレフタレートのチップを98重量部に、チタン化合物で重縮合反応させ得た数平均粒径2.5μmの二酸化珪素2重量%マスターチップを2重量部混合したものを180℃で3時間真空乾燥した後、280℃に加熱された押出機Aに供給(A層)、これらポリマーをA層/B層/A層となり、厚み比率で1:8:1となるように積層装置を通して積層し、Tダイよりシート状に成形した。さらにこのフイルムを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フイルムを85〜98℃に加熱したロール群に導き、長手方向に3.4倍縦延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフイルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き130℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後テンター内で230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取り厚み250μmのアンチモン元素を含まないフイルムを得た。得られたフイルムの平均相対反射率は104%であり、ディスプレイ反射板用白色ポリエステルフイルムとして良好なフィルムであった。物性を表1に示す。
【0044】
実施例2、3
チタン化合物を参考例に示した触媒B、Cへ変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。ポリエステル組成物は、異物およびゲル化物量も低く、フィルムとしても平均相対反射率が高いものであった。
【0045】
実施例4、5
チタン化合物量を変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。実施例5は、チタン化合物が多いため、若干b値が上がったものの、異物も少なく、フィルムとしても平均相対反射率が高いものであった。
【0046】
実施例6、7
PEGの数平均分子量を変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。異物個数は3個および1個、ゲル化物量は1.8%および1.3%と若干増えたものの良好であり、フィルムとしても平均相対反射率が高いものであった。
【0047】
実施例8
5価のリン化合物をトリメチルホスホノアセテート(TMPA)に変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。ポリエステル組成物は、異物個数、ゲル化物量共に良好で、フィルムも平均総体反射率が高いものであった。
【0048】
実施例9、10
TEPAの添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。ポリエステル組成物のb値が若干上昇したものの、異物個数、ゲル化物量共に良好で、フィルムとしても平均総体反射率が高いものであった。
【0049】
実施例11
5価のリン化合物としてTEPAをリン元素として5ppm、3価のリン化合物としてADEKA製PEP36(ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト)をリン元素として5ppm、すなわち5価と3価のリン化合物を合計でリン元素として10ppm添加すること以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。3価のリン化合物は、チタン化合物を使用した場合にb値を下げる効果を有しており、b値が低いポリエステル組成物を得た。また、フィルムについても平均総体反射率が高いものであった。
【0050】
実施例12
マグネシウム元素としての添加量を45ppmにした以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。若干異物、ゲル化物量が増えたものの、フィルムとしては、平均総体反射率の高いものであった。
【0051】
実施例13、14
イソフタル酸の共重合率、ポリエチレングリコールの添加量を変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0052】
比較例1
重合触媒をアンチモンにする以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。異物個数、ゲル化物量の低い良好なポリエステル組成物を得たものの、フィルムとした際には、重合時に添加したアンチモンの一部が析出し、光を損失させるためか、平均総体反射率が低いものしか得られなかった。
【0053】
比較例2、3
チタン化合物の添加量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。比較例2は、チタン化合物を60ppm添加したためb値が上昇し、重合活性が高すぎて異物が発生、ゲル化物量も高いものであった。また、比較例3は、チタン化合物の量が0.3ppmと非常に少なく逆に重合活性が足りず、規定のトルクまで重合を進めることができなかった。また、比較例2のフィルムは、平均総体反射率に劣るものであった。
【0054】
比較例4
数平均分子量100のPEGを6重量部添加し、イソフタル酸の共重合率を15モルとした以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示すが、PEGの分子量が規定の範囲外であったため、異物個数が30個、ゲル化物量が6.0%と不良であった。
【0055】
比較例5
数平均分子量4000のPEGを9重量部添加した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示すが、PEGの分子量が規定の範囲外であったため、ポリメチルペンテンの分散性が劣ったためか輝度が低いフィルムであった。また、融点も233℃と高くなりフィルムとした際に破れが発生し易い特性であった。
【0056】
比較例6
リン化合物をリン酸(PA)に変更し、リン元素として10ppm添加した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示すが、特定のリン化合物を使用しなかったため、異物個数が44個、ゲル化物量が12.8%と不良であった。
【0057】
比較例7、8
5価のリン化合物であるTEPAの添加量を変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示すが、比較例7については、TEPAの添加量が少ないため、異物個数が39個、ゲル化物量が11.0%と不良であった。また、比較例8はTEPAの添加量が多く、チタン化合物の触媒活性を失活させたため重合遅延し規定のトルクまで上昇せず、途中で重合を終了せざるえなかった。
【0058】
比較例9
製造方法を、テレフタル酸を出発原料とする直接重合法からテレフタル酸ジメチルを出発原料とするDMT法へ変更した。そのため、エステル交換触媒として、十分なエステル交換反応性が得られるように、マグネシウム元素としての添加量を60ppmにしたこと以外は実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。結果を表1に示す。アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素の合計量が多いため、ポリエステルが劣化し、異物個数、ゲル化物量が増え、フィルムとしては、平均総体反射率が低いものであった。
【0059】
比較例10
添加した酢酸マグネシウム4水塩をマグネシウム元素として2ppm添加したこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物およびフィルムを得た。マグネシウムが少なく、静電印加性に劣るためフィルムを製造する際にドラムとの密着性が悪化し、結果として、異物個数が多く、平均総体反射率が低いものしか得られなかった。
【0060】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソフタル酸およびポリエチレングリコールを共重合したポリエステル組成物であって、融点が200〜230℃、ガラス転移温度が50〜65℃、ポリエチレングリコールの数平均分子量が500〜2000、アンチモン元素を含まず、重縮合触媒にチタン化合物を用い、チタン原子換算で0.5〜50ppm含有し、さらに、下記一般式(1)で示す5価のリン化合物および/または3価のリン化合物をリン原子換算で合計1〜50ppm含有し、アルカリ金属元素とアルカリ土類金属元素の合計含有量が5〜50ppmであることを特徴とするポリエステル組成物。
【化1】

(但し、式中、R、R、Rは炭素数1以上の炭化水素基である。Xはカルボニル基、エステル基のいずれかを示す。nは、0または1である。)
【請求項2】
5価のリン化合物が、トリエチルホスホノアセテートであることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物。
【請求項3】
チタン化合物がアルコキシ基、フェノキシ基、アシレート基、アミノ基および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル組成物。
【請求項4】
チタン化合物のアルコキシ基がβ−ジケトン系官能基、ヒドロキシカルボン酸系官能基およびケトエステル系官能基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステル組成物。
【請求項5】
チタン化合物の置換基であるアルコキシ基のヒドロキシカルボン酸系官能基が乳酸および/またはクエン酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステル組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエステル組成物を含有する層が少なくとも一層積層されてなり、かつ、アンチモン元素を含有しないディスプレイ反射板用白色ポリエステルフィルム。

【公開番号】特開2010−121051(P2010−121051A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296507(P2008−296507)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】