説明

ポリエステル複合フィラメントを含むたて糸伸縮性織布

平織、綾織および繻子織構造を含むたて糸伸縮性織布が開示される。布はよこ糸とたて糸とを含む。たて糸の約15重量パーセント〜約55重量パーセントは、約20%〜約80%のヒートセット後の捲縮収縮値を有するポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(トリメチレンテレフタレート)とを含むポリエステル複合連続フィラメントである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織布、具体的には織布のたて糸方向に延伸されたポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(トリメチレンテレフタレート)とのポリエステル複合フィラメントを含む織布に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(トリメチレンテレフタレート)とを含むポリエステル複合繊維は公知である。かかる繊維は例えば米国特許公報(特許文献1)に開示されている。かかる繊維は、米国特許公報(特許文献2)に、ならびに(特許文献3)、(特許文献4)、(特許文献5)、(特許文献6)、(特許文献7)、および(特許文献8)に開示されているように、織布で使用されてきた。しかしながら、かかる布は、ポリエステル複合繊維の不必要にも高い特性を有することができ、かかる繊維をより効率的に使用する布が捜し求められている。
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2001/0055683号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0092339号明細書
【特許文献3】特開2002−004145号公報
【特許文献4】特開2001−303394号公報
【特許文献5】特開平11−172545号公報
【特許文献6】特開2001−316923号公報
【特許文献7】特開2002−180354号公報
【特許文献8】特開2002−1555449号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、平織、綾織、または繻子織構造のたて糸伸縮性織布に関する。織布はよこ糸とたて糸とを有し、たて糸の約15重量パーセント〜約55重量パーセントは、ポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(トリメチレンテレフタレート)とを含むポリエステル複合連続フィラメントである。ポリエステル複合たて糸は、好ましくは約20%〜約80%のヒートセット後の捲縮収縮値を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
比較的低いレベルのある種のポリエステル複合糸を含むにもかかわらず意外にも高い伸長および回復性のたて糸伸縮性織布が製造できることが今分かった。
【0006】
本明細書で用いるところでは、「ポリエステル複合フィラメント」は、フィラメント断面が例えばサイド−バイ−サイド、偏心したシース−コアであるまたはそこから有用な捲縮が発現することができる他の好適な断面であるように、フィラメントの長さに沿って互いに密に付着したポリエステルのペアを含む連続フィラメントを意味する。「糸」は複数の連続フィラメントを意味する。「追杼」は、ポリエステル複合フィラメントよこ糸(「第1の糸」)および(「第2」)のよこ糸が布の交互のピックである織構造を意味する。「共挿入」は、ポリエステル複合フィラメント糸(「第1の糸」)および(「第2」)のよこ糸が同じピック中に1つとして織られた織構造を意味する。「別々に織られた」は、織られる前に一緒に撚られたまたは交絡されずに、糸が完成布内で互いに別々であることを意味し、本明細書では「別々に織られた」は、実質的に類似のフィラメント(場合により互いに交錯した)束を織ることまたは共挿入構造へ織ることを排除しない。
【0007】
本発明の布は、平織、綾織、および繻子織構造物からなる群から選択されるたて糸伸縮性織布である。たて糸伸縮性織布は、よこ糸と、たて糸の約15〜約55重量パーセント(好ましくは約22〜約33重量パーセント)がポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(トリメチレンテレフタレート)とを含むポリエステル複合連続フィラメントである、たて糸とを有する。他のたて糸は、綿、羊毛、またはリンネルのような、例えば、紡績スフ糸であることができ、それらはまた単一成分ポリ(エチレンテレフタレート)繊維、単一成分ポリ(トリメチレンテレフタレート)繊維、ポリカプロラクタム繊維、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)繊維、アクリル繊維、モダクリル繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、およびそれらの組合せのものであることができる。
【0008】
よこ糸はたて糸と同じもの、またはそれとは異なるものであることができる。布はたて糸伸縮性だけであることができ、またはそれは両伸縮性であることができ、該布では有用な伸長および回復性はたて糸およびよこ糸の両方向に示され、かかるよこ糸伸縮性はポリエステル複合フィラメント糸、スパンデックス、溶融紡糸エラストマーなどによって提供することができる。よこ糸がポリエステル複合フィラメント(「第1」)糸を含む場合、それらは、例えば、追杼または共挿入構造で、第2糸(場合により紡績スフ糸)と共に存在することができる。
【0009】
複合フィラメント糸は、ポリエステル複合フィラメントがよこ糸に全く存在しない場合(すなわち、ポリエステル複合フィラメントがたて糸だけに存在する場合)、総布重量を基準にして約13〜約28重量パーセント(好ましくは約13〜約19重量パーセント)存在することができる。
【0010】
ポリエステル複合フィラメントは、ポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(トリメチレンテレフタレート)とを約30/70〜約70/30の重量比で含み、約20%〜約80%、好ましくは約30%〜約60%のヒートセット後の捲縮収縮値を有する。様々なコモノマーを、かかるコモノマーが繊維捲縮の量に悪影響を及ぼさないという条件で、および本発明の便益が有害な影響を受けないならば、複合フィラメントのポリエステル中へ少量組み入れることができる。例には、4〜12個の炭素原子を有する線状の、環式の、および分岐の脂肪族ジカルボン酸(およびそれらのジエステル);8〜12個の炭素原子を有す芳香族ジカルボン酸(およびそれらのエステル(例えばイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、および5−ナトリウム−スルホイソフタル酸);ならびに3〜8個の炭素原子を有する線状の、環式の、および分岐の脂肪族ジオール(例えば1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジオール)が挙げられる。イソフタル酸、ペンタン二酸、5−ナトリウム−スルホイソフタル酸、ヘキサン二酸、1,3−プロパンジオール、および1,4−ブタンジオールが好ましい。ポリエステルはまた、その中に二酸化チタンのような添加剤を組み入れられることもできる。
【0011】
本発明の布がそれからなるポリエステル複合フィラメント糸の線密度は、約70デニール〜約900デニール(78デシテックス〜1000デシテックス)の範囲であることができる。
【0012】
ポリエステル複合フィラメント糸は、複合フィラメントと他のもの、例えば、単一成分繊維またはスフ繊維との撚られたまたは交絡された組合せではないことが好ましい。言い換えれば、複合フィラメント糸は高い伸長および回復性を得るための、および高い布表面平滑性を与えるための、追加工程の費用を避けるために布中の他の糸とは別々に織られていることが好ましい。
【0013】
約3重量%未満の樹脂または類似の材料が布中に存在するまたは布に付けられることがさらに好ましい。なぜならば、かかる樹脂処理は費用を追加し得るが、本発明の便益はこの費用を負うことなく達成されるからである。本発明の別の便益は、複合フィラメント中のポリエステルが化学的手段によって、例えば、高アルカリ性溶液のような化学薬品処理の適用によって布から部分的に除去される必要がないことである。かかる樹脂および化学薬品処理は本発明に関連して依然として用いられるかもしれないが、本発明者らは、本織布の伸長および回復性が危うくされるかもしれず、従ってかかる追加工程を排除することが好ましいと考える。
【0014】
本発明の布は平織、綾織、または繻子織構造のものであることができる。有用な綾織構造の例には、正則斜文織(例えば、2/1、1/2、1/3、および2/2綾織)、改質綾織(modified twill)(その場合追加リフトが織り面に加えられた)、ヘリンボン、および山形斜文織が挙げられる。有用な繻子織構造の例には、5−エンド(例えば1/5および2/5)ならびに8エンド(例えば3/8)織りが挙げられる。
【0015】
本発明の織布を製造するために用いることができる織機タイプには、エアジェット織機、シャトル織機、水ジェット織機、レイピア織機、およびグリッパー(プロジェクタイル)織機が含まれる。
【0016】
試験される前に、布および繊維は21℃±1℃および65%±2%相対湿度で16時間順化させられた。
【0017】
ヒートセット後収縮値は次の通り測定した。使用されるべき複合ポリエステルフィラメントのサンプルを、約0.1gpd(0.09dN/テックス)の張力のかせリールで5000±5総デニール(5550デシテックス)のかせの形にした。かせを70±2°F(21±1℃)および65±2%相対湿度で最低16時間順化させた。かせをスタンドから実質的に垂直に吊し、1.5mg/デニール(1.35mg/デシテックス)重り(例えば5550デシテックスかせに対して7.5g)をかせの底部に吊し、重りの付いたかせを平衡長さに達するに任せ、かせの長さを1mm内まで測定し「C」として記録した。1.35mg/デシテックス重りは試験の継続期間中かせ上にそのままにしておいた。次に、500g重り(100mg/d、90mg/デシテックス)をかせの底部から吊し、かせの長さを1mm内まで測定し、「L」として記録した。捲縮収縮値(パーセント)(この試験について下記のように、ヒートセットする前)は、式
CC=100×(L−C)/L
に従って計算した。
【0018】
500g重りを取り除き、かせを次にラックに吊し、適所に依然として1.35mg/デシテックス重り付きで、オーブン中約225°F(107℃)で5分間ヒートセットし、その後ラックおよびかせをオーブンから取り出し、上記のように2時間順化させた。この工程は、複合繊維中に最終捲縮を発現させるための一方法である、商業的乾式ヒートセッティングをシミュレートするようにデザインされている。かせの長さを上記のように測定し、その長さを「C」として記録した。500g重りを再びかせから吊し、かせ長さを上記のように測定し、「L」として記録した。ヒートセット後の捲縮収縮値(%)は、式
CC=100×(L−C)/L
に従って計算した。
【0019】
実施例では、特に記載のない限り、ドルニエ(Dornier)レイピア織機を500ピック毎分で用いてインチ当たり55ピック(22ピック/cm)の平織布および未整理状態でインチ当たり62ピック(24ピック/cm)の1/3綾織布を製造した。ポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(トリメチレンテレフタレート)との糸(「複合ポリエステル糸」)は、デュポン・テキスタイルス・アンド・インテリアーズ(DuPont Textiles and Interiors)から入手可能な、150デニール(167デシテックス)、34フィラメントT−400エラスタレレ(Elasterelle)であり、それは40重量%ポリ(エチレンテレフタレート)と60重量%ポリ(トリメチレンテレフタレート)とであり、47%のヒートセット後の捲縮収縮値を有した。巻き返し前に、たて糸に使用されるべき複合繊維糸を、サイジング浴の温度が107°F(42℃)に設定されたスジキ(Suziki)シングルエンド・サイジング機を用いてポリ(ビニルアルコール)サイズで300ヤード/分(274m/分)でサイズ塗布した。サイズ塗布糸を190°F(88℃)で約5分間乾燥させた。よこ糸は30綿番手のリング精紡綿であった。ポリ(エチレンテレフタレート)糸(「単一成分ポリエステル糸」)は、使用される場合、ユニフィ社(Unifi,Inc.)によって製造されたテクスチャード加工され、交錯させられた150デニール(167デシテックス)、50フィラメント糸であった。
【0020】
各生機布を、低い張力下に160°F、180°Fおよび202°F(それぞれ、71℃、82℃、および94℃)で3回それを熱水に通し、次に6重量%シンサザイム(Synthazyme)(登録商標)(ドゥーリー・ケミカルズ有限責任会社(Dooley Chemicals LLC)製のデンプン加水分解酵素)、1重量%ルビット(Lubit)(登録商標)64(シブロン社(Sybron,Inc.)製の非イオン性滑剤)、および0.5重量%マーポル(Merpol)(登録商標)LFH(界面活性剤そしてイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Company)の登録商標)でそれを160°F(71℃)で30分間脱サイズ/前洗浄し、引き続き0.5重量%リン酸三ナトリウムの添加して仕上げた。布を次に1重量%ルビット(登録商標)64および1重量%マーポル(登録商標)LFHで110°F(43℃)で5分間洗浄し、pH5.2で230°F(110℃)で30分間黄色分散染料(そして綿が布中に存在する場合には黄色反応性染料)でジェット染色し、次に、たて糸方向に下方供給しながら340°F(171℃)で40秒間テンター・フレームでヒートセットした。(仕上げ成分についての重量パーセントは布重量を基準とする。)
【0021】
実施例での布のパーセント利用可能伸長(Percent Available Stretch)は次の通り測定した。3つの60×6.5cmサンプル検体を各布からカットした。長い寸法はたて糸方向に対応した。各検体を、それが5cm幅になるまで各サイドで等しく解いた。布の一端を折り重ねてループを形成し、継ぎ目を幅方向に縫い付けてループを固定した。布の未ループ化端から6.5cmのところに第1ラインを引き、第1ラインから50cm(「GL」)離して、第2ラインを引いた。サンプルを20±2℃および65±2%相対湿度で少なくとも16時間順化させた。サンプルを次に第1ラインのところで固定し、垂直に吊した。30ニュートン重りをループから吊し、サンプルを、交互にそれを重りで3秒間伸長させ、次に布に荷重がかからないように重りを支えることによって3回運動させた。重りを再び加え、ライン間の距離(「ML」)を最も近いミリメートルまで記録した。パーセント利用可能伸長は式I
%利用可能伸長=100×(ML−GL)/GL (I)
から計算し、3つの検体からの結果を平均した。
【0022】
実施例での布のパーセント回復(Percent Recovery)は、100%マイナスパーセント布伸び(Percent Fabric Growth)(%布伸び(Fabric Growth))として計算し、%布伸びは次の通り測定した。3つの新検体を利用可能伸長試験について記載したように調製し、前に測定した利用可能伸長の80%まで伸ばし、伸ばした状態に30分間保持した。それらを次に拘束なしに60分間弛緩させ、ライン間の長さ(「L」)を再び測定した。パーセント布伸びは式II
%布伸び=100×(L−GL)/GL (II)
から計算し、3つの検体からの結果を平均した。
【0023】
実施例の布構造でのたて糸繰り返しパターンを記載する際に、「ビ」は複合を意味し、「モノ」は単一成分を意味する。用いられる繰り返しパターンは、存在する複合フィラメントのたて糸の重量パーセントに関して最も均一であるものであった。例えば、複合フィラメント糸が50重量パーセントレベルである場合、繰り返しパターンはビ/ビ/モノ/モノよりむしろビ/モノ/ビ/モノであり、複合フィラメント糸がたて糸に33重量パーセントレベルで存在する場合、繰り返しパターンはビ/ビ/モノ/モノ/モノ/モノよりむしろビ/モノ/モノ/ビ/モノ/モノであった。しかしながら表面外観、伸長、および回復の点で高い布均一性を得るために最も均一な繰り返しパターンを用いると、かかるパターンは必要とされない。
【0024】
実施例で製造された布の利用可能伸長(「伸長」)および「回復」性は、表I(平織布)およびII(綾織布)に提示される。明確にするために、実施例で使用された糸は、たて糸エンド・パーセントがたて糸重量パーセントに等しいように、同じ線密度を有した。表中、「複合重量パーセント」は総たて糸重量を基準とする。「複合重量%当たりの伸長」および「複合重量%当たりの回復」は、たて糸だけ中の複合ポリエステル糸の相対量に関する。
【実施例】
【0025】
(実施例1)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)で交互に配置された、複合ポリエステル糸対単一成分ポリエステル糸の1:1エンド比(50/50重量比)を有する平織布を製造した。布は加工後で80インチ(203cm)幅および未晒しの生機状態で78インチ(198cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は100エンド/インチ(39エンド/cm)および96ピック/インチ(38ピック/cm)の糸密度を有し、4.86オンス/平方ヤード(165g/m)の重さがあり、総布重量を基準にして28重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0026】
(実施例2)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)でビ/モノ/モノ繰り返しパターンに配置された、複合ポリエステル糸対単一成分ポリエステル糸の1:2エンド比(33/67重量比)を有する平織布を製造した。布は加工後で80インチ(203cm)幅および未晒しの生機状態で78インチ(198cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は90エンド/インチ(35エンド/cm)および97ピック/インチ(38エンド/インチ)の糸密度を有し、4.49オンス/平方ヤード(152g/m)の重さがあり、総布重量を基準にして19重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0027】
(実施例3)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)でジ/モノ/モノ/モノ繰り返しパターンに配置された、複合ポリエステル糸対単一成分ポリエステル糸の1:3エンド比(25/75重量比)を有する平織布を製造した。布は加工後で80インチ(203cm)幅および未晒しの生機状態で78インチ(198cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は100エンド/インチ(39エンド/cm)および95ピック/インチ(37ピック/cm)の糸密度を有し、4.55オンス/平方ヤード(154g/m)の重さがあり、総布重量を基準にして14重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0028】
(実施例4)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)で交互に配置された、複合ポリエステル糸対単一成分ポリエステル糸の1:1エンド比(50/50重量比)を有する綾織布を製造した。布は加工後で80インチ(203cm)幅および生機状態で75インチ(190cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は104エンド/インチ(41エンド/cm)および88ピック/インチ(35ピック/cm)の糸密度を有し、5.47オンス/平方ヤード(185g/m)の重さがあり、総布重量を基準にして27重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0029】
(実施例5)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)でビ/モノ/モノ繰り返しパターンに配置された、複合ポリエステル糸対単一成分ポリエステル糸の1:2エンド比(33/67重量比)を有する綾織布を製造した。布は加工後で80インチ(203cm)幅および生機状態で75インチ(190cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は90エンド/インチ(35エンド/cm)および92ピック/インチ(36ピック/cm)の糸密度を有し、4.92オンス/平方ヤード(167g/m)の重さがあり、総布重量を基準にして18重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0030】
(実施例6)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)でビ/モノ/モノ/モノ繰り返しパターンに配置された、複合ポリエステル糸対単一成分ポリエステル糸の1:3エンド比(25/75重量比)を有する綾織布を製造した。布は加工後で80インチ(203cm)幅および生機状態で78インチ(198cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は100エンド/インチ(39エンド/cm)および107ピック/インチ(42ピック/cm)の糸密度を有し、5.67オンス/平方ヤード(192g/m)の重さがあり、総布重量を基準にして13重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0031】
(実施例7)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)で交互に配置された、複合ポリエステル糸対サイズ塗布30綿番手リング精紡綿の1:1エンド比(50/50重量比)を有する平織布を製造した。布は加工後で80インチ(203cm)幅および生機状態で78インチ(198cm)幅であった。染色および仕上げ後に、灰色の布は88エンド/インチ(35エンド/cm)および98ピック/インチ(39ピック/cm)の糸密度を有し、4.78オンス/平方ヤード(162g/m)の重さがあり、総布重量を基準にして28重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0032】
(実施例8)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)でビ/モノ/モノ繰り返しパターンに配置された、複合ポリエステル糸対単一成分ポリエステル糸の1:2エンド比(33/67重量比)を有する綾織布を製造した。よこ糸は単一成分ポリエステル糸であった。布は加工後で80インチ(203cm)幅および生機状態で75インチ(190cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は120エンド/インチ(47エンド/cm)および90ピック/インチ(35ピック/cm)の糸密度を有し、5.85オンス/平方ヤード(198g/m)の重さがあり、総布重量を基準にして18重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0033】
(実施例9)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)で交互に配置された、複合ポリエステル糸対単一成分ポリエステル糸の1:1エンド比(50/50重量比)を有する平織布を製造した。よこ糸はもっぱら複合ポリエステル糸からなった。布は加工後で80インチ(203cm)幅および生機状態で76インチ(193cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は、たて糸およびよこ糸方向にそれぞれ、26%および25%の利用可能伸長、ならびに112エンド/インチ(44エンド/cm)および95ピック/インチ(37ピック/cm)の糸密度を有した。布の重量は5.8オンス/平方ヤード(197g/m)であり、それは総布重量を基準にして72重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0034】
(実施例10)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)で交互に配置された、複合ポリエステル糸対単一成分ポリエステル糸の1:1エンド比(50/50重量比)を有する綾織布を製造した。よこ糸は、追杼方式で織られた、複合ポリエステル糸と30綿番手リング精紡綿とであった。布は加工後で80インチ(203cm)幅および生機状態で76インチ(193cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は、たて糸およびよこ糸方向にそれぞれ、50%および17%の利用可能伸長、ならびに115エンド/インチ(45エンド/cm)および90ピック/インチ(35ピック/cm)の糸密度を有した。布は6.44オンス/平方ヤード(218g/m)の重さがあり、それは総布重量を基準にして50重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0035】
(実施例11)
たて糸が未整理状態で86エンド/インチ(34エンド/cm)で交互に配置された、複合ポリエステル糸対単一成分ポリエステル糸の1:1エンド比(50/50重量比)を有する平織布を製造した。よこ糸は、追杼方式で織られた、複合ポリエステル糸と単一成分ポリエステル糸とであった。布は加工後で80インチ(203cm)幅および生機状態で75インチ(190cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は、たて糸およびよこ糸方向にそれぞれ、31%および18%の利用可能伸長、ならびに94エンド/インチ(37エンド/cm)および102ピック/インチ(40ピック/cm)の糸密度を有した。布は5.64オンス/平方ヤード(191g/m)の重さがあり、それは総布重量を基準にして50重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0036】
(例12(比較))
たて糸がもっぱら複合ポリエステル糸であり、すなわち、エンド比が1.0である平織布を製造した。よこ糸は30綿番手リング精紡綿であった。ルチ(Ruti)エアジェット織機を500ピック毎分で用いた。加工後で、糸番手は70エンド/インチ(28エンド/cm)および50ピック/インチ(20ピック/cm)であった。布は加工後で67インチ(170cm)幅および生機状態で65インチ(165cm)幅であった。染色および仕上げ後に、布は3.47オンス/平方ヤード(118g/m)の重量ならびに74エンド/インチ(29エンド/cm)および72ピック/インチ(28ピック/cm)の糸密度を有し、それは総布重量を基準にして54重量%の複合ポリエステル糸を含有した。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
表IおよびIIのデータは、意外にもおよび不釣り合いにも(それらの複合フィラメント糸含有率と比較して)高い伸長および回復性が本発明の布によって示されることを示す。記号「nm」は値が「測定されなかった」ことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平織、綾織および繻子織構造からなる群から選択されるたて糸伸縮性織布であって、
複数のよこ糸と複数のたて糸とを含み、該たて糸の約15〜約55重量パーセントが、ポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(トリメチレンテレフタレート)とを含み、および約20%〜約80%のヒートセット後の捲縮収縮値を有するポリエステル複合連続フィラメントであることを特徴とする布。
【請求項2】
前記たて糸の約22〜約33重量パーセントがポリエステル複合連続フィラメントであることを特徴とする請求項1に記載の布。
【請求項3】
前記複合連続フィラメントのたて糸が前記織布構造中の他のたて糸とは別々に織られることを特徴とする請求項1に記載の布。
【請求項4】
前記よこ糸が第1の糸と第2の糸とを含み、および該第1の糸がポリ(エチレンテレフタレート)とポリ(トリメチレンテレフタレート)との複合連続フィラメントを含むことを特徴とする請求項1に記載の布。
【請求項5】
前記よこ糸が追杼ならびに共挿入からなる群から選択される構造を有することを特徴とする請求項4に記載の布。
【請求項6】
前記第2の糸が紡績スフ糸であることを特徴とする請求項4に記載の布。
【請求項7】
存在するポリエステル複合フィラメントのたて糸の重量パーセントに関して最も均一であるように選択されるたて糸繰り返しパターンを有することを特徴とする請求項1に記載の布。
【請求項8】
総布重量を基準にして約13重量パーセント〜約28重量パーセントのポリエステル複合糸を含み、該複合糸はたて糸中にだけ存在することを特徴とする請求項1に記載の布。
【請求項9】
総布重量を基準にして約13重量パーセント〜約19重量パーセントのポリエステル複合糸を含むことを特徴とする請求項1に記載の布。

【公表番号】特表2008−523256(P2008−523256A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544314(P2007−544314)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/036378
【国際公開番号】WO2006/062495
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(505245302)インヴィスタ テクノロジー エスアエルエル (81)
【氏名又は名称原語表記】INVISTA Technologies S.a.r.l.
【住所又は居所原語表記】Talstrasse 80,8001 Zurich,Switzerland
【Fターム(参考)】