説明

ポリエーテルエーテルケトン製メルトブロー不織布、その製造方法及びそれからなる耐熱性電池セパレータ

【課題】鉛フリーはんだリフロー処理しても、セパレータが融解または破損せず、電極がショートすることなく、薄膜化に充分対応できる上、耐熱性及び引張強度に優れた、ポリエーテルエーテルケトン樹脂のメルトブロー不織布、それを用いた電池セパレータ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる耐熱性メルトブロー不織布であって、平均繊維径が1〜20μm、目付が5〜120g/m、通気度が1〜400cc/cm/sec、厚みが0.05〜1.0mm、引張強度が2〜50N/25mm及び引張伸度が1〜100%である物性を有することを特徴とするメルトブロー不織布、それを用いた電池セパレータ及びその製造方法などを提供した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエーテルエーテルケトン製メルトブロー不織布、その製造方法及びそれからなる耐熱性電池セパレータに関し、更に詳しくは、耐熱性のポリエーテルエーテルケトン樹脂を原料として用いた、耐熱性の電池またはキャパシターのセパレータ用メルトブロー不織布、その製造方法及びそれからなる耐熱性電池セパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ポリオレフィン、特にポリプロピレンのメルトブロー不織布は、その特性を生かし、各種のフィルター濾材や、電池用セパレータ、電解コンデンサー用セパレータ、キャパシター用セパレータ等に使用されている。特にリチウム電池(一次、二次)においては、有機溶媒に不溶で電解質や電極活物質に安定なセパレータとして多用されている。
しかしながら、一般に、電池内部および外部で短絡が起きた場合、大電流が放電され、それによりジュール熱や化学反応熱により、セパレータが熱溶融したり破損したりして、正負電極が直接ショートする結果、内部ショートが拡大し、多量の熱を周囲に放出し、多量のガスが噴出する恐れがあるという問題があった。このような問題点を解決するためには、イオンが通らなくすることによって電流を遮断する機能であるシャットダウン機能や、セパレータ自身の収縮や溶融しない機能を有することが望まれていた。
このような観点から、従来からセパレータとして用いられているポリプロピレンのメルトブロー不織布は、ポリプロピレンの融点が160〜180℃程度であるため、高温での長時間使用において、セパレータの溶解による短絡がおこりやすかった。
【0003】
また、現状では、耐熱性電解液、外部の短絡時保護回路、ポリマー電解質等の安全性が高まり、高温で作動可能な二次電池も求められ、そのため、耐熱性に優れ、かつショートしないセパレータが求められてきた。
さらに、近年は、鉛フリーはんだリフローに対応できる電池が注目されていて、従来のリフローはんだ処理温度領域よりも、さらに高温での処理が可能な電池セパレータが求められている。
【0004】
このような耐熱性に優れ、高温での処理が可能な電池セパレータとして、ポリフェニレンスルフィド樹脂を用いたメルトブロー不織布が提案され(例えば、特許文献1〜3参照。)、高温下における非溶融性電池セパレータなどとして、種々の電池に用いられるようになってきている。
また、ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の耐熱性樹脂を用いたメルトブロー不織布として、特定のポリアミドからなるメルトブロー不織布が提案され(例えば、特許文献4、5参照。)、さらに、ポリメチルペンテンのメルトブロー不織布も提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
【0005】
しかしながら、例えば、ポリフェニレンスルフィド不織布のセパレータは、融点が250〜280℃程度であり、鉛フリーはんだリフロー処理においては、セパレータの溶解による短絡が懸念されている。
そのため、鉛フリーはんだリフロー処理の際にも、処理が十分可能な、耐熱性に優れたメルトブロー不織布からなる電池セパレータが強く求められている。
【特許文献1】特開2004−348984号公報
【特許文献2】特開2004−047280号公報
【特許文献3】特開2002−343329号公報
【特許文献4】特開2005−220447号公報
【特許文献5】特開2004−342396号公報
【特許文献6】特開2002−124238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、鉛フリーはんだリフロー処理しても、セパレータが融解または破損せず、電極がショートすることなく、薄膜化に充分対応できる上、耐熱性及び引張強度に優れた、ポリエーテルエーテルケトン樹脂のメルトブロー不織布を用いた電池セパレータ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、不織布の原料として、耐熱性のポリエーテルエーテルケトン樹脂を用いることにより、そして、特定の方法によりメルトブローすることにより、特定の物性を有するメルトブロー不織布が製造可能となり、また、その特定物性を有するポリエーテルエーテルケトン樹脂製メルトブロー不織布を用いることにより、薄膜化、耐熱性、耐破れ性に優れた電池セパレータが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる耐熱性メルトブロー不織布であって、平均繊維径が1〜20μm、目付が5〜120g/m、通気度が1〜400cc/cm/sec、厚みが0.05〜1.0mm、引張強度が2〜50N/25mm及び引張伸度が1〜100%である物性を有することを特徴とするメルトブロー不織布が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、カレンダー加工処理を施すことにより、さらに、寸法安定性及び引張強度が向上した不織布であることを特徴とするメルトブロー不織布が提供される。
【0009】
一方、本発明の第3の発明によれば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂を350〜450℃の押出機で溶融した後、380〜450℃に設定したダイに送り込み、ダイノズルから吐出させると同時に、380〜450℃の高温エアーブローガスにより延伸して微細繊維化し、ノズルから5〜30cm離れたコレクタに補集することを特徴とする、第1の発明に係るメルトブロー不織布の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1又は2の発明のメルトブロー不織布を用いてなることを特徴とする耐熱性及び引張強度に優れる電池セパレータが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、不織布の原料として、耐熱性のポリエーテルエーテルケトン樹脂を用いることにより、特定の物性を有するメルトブロー不織布を得ることができ、また、そのポリエーテルエーテルケトン樹脂製のメルトブロー不織布は、薄膜化、耐熱性、耐破れ性に優れた電池セパレータとして、好適に用いることができ、さらに、その耐熱性電池セパレータは、短絡などの発熱時において、溶融破断(メルトダウン)のような爆発的熱暴走を防止することができる安全性に優れたセパレータであり、特に安全性を重視する高エネルギー密度の電池セパレータとして使用できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる耐熱性メルトブロー不織布であって、平均繊維径が1〜20μm、目付が5〜120g/m、通気度が1〜400cc/cm/sec、厚みが0.05〜1.0mm、引張強度が2〜50N/25mm及び引張伸度が1〜100%である物性を有することを特徴とするメルトブロー不織布である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0012】
1.ポリエーテルエーテルケトン樹脂
本発明において、不織布の原料樹脂として用いられるポリエーテルエーテルケトン樹脂(以下、PEEK樹脂又はPEEKと称することもある)は、高温特性、耐摩耗性、耐薬品性に優れており、オキシ−1、4−フェニレン−オキシ−フェニレン−カーボニル−1、4−フェニレンの繰り返し単位から構成される重合体であり、下記式で表され、例えば、ビクトレックス・エムシー社から、PEEK(登録商標)の名称で市販されているものであり、340〜343℃程度の融点(DSCによる)、143℃のTg(ガラス転移温度、DSCによる)を有している。
【0013】
【化1】

【0014】
2.ポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布
本発明のポリエーテルエーテルケトン製の不織布は、メルトブロー法によって得られるメルトブロー不織布である。
メルトブロー法として、公知(例えば、特許文献1参照。)の方法、すなわち、熱可塑性樹脂(例えば、ポリフェニレンスルフィド樹脂、PPS)を単軸押出機で溶融し、一列に配列した複数のノズル孔から溶融ポリマーとして吐出し、オリフィスダイに隣接して設備した噴射ガス口から高温高速空気をして、吐出された溶融ポリマーを細繊維化し、次いで、繊維流をコレクタであるコンベアネット上等に捕集して不織布を製造する方法では、本発明のポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布を得ることができない。
本発明においては、原料のポリエーテルエーテルケトンは融点が高い(343℃程度)ため、溶融可能、すなわち高温加熱可能な二軸押出機、および次のメルトブロー法の条件により、メルトブロー不織布を作製することができ、好ましい。
【0015】
メルトブロー装置ダイにおいて、ノズル孔は、0.2〜0.8mmφが好ましく、ノズル個数は、5〜15個/cmであるのが好ましい。ノズル孔径が0.2mm未満では、吐出樹脂圧力が高くなり、一方、ノズル孔径が0.8mmを超えると、繊維を細くすることが出来ない。また、ノズル個数が5個/cm未満では、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の吐出圧力が高くなり、一方、ノズル個数が15個/cmを超えると、繊維同士が融着しすぎて、不織布の均一性を失うこととなる。
【0016】
また、メルトブロー法の製造条件において、PEEK樹脂の押出温度は、350〜450℃、好ましくは390〜440℃、また、ダイの温度は、380〜450℃、好ましくは390〜440℃、さらに、高速空気温度は、380℃〜450℃、好ましくは390〜440℃である。
押出機・ダイおよびエア温度が前記範囲を下回ると、吐出樹脂圧力が高くなり、また、細い繊維が得られない。一方、前記範囲を超えると、樹脂のゲル化が促進され、劣化する。また、コンベアネットを傷つけるばかりでなく、できた不織布のコンベアネットからの剥離性が悪く、安定的に生産することが困難である。
樹脂吐出量は、0.2〜3.0g/min/hole、好ましくは0.5〜2.0g/min/holeであり、樹脂吐出量が少ないと、吐出樹脂圧力が前記範囲を下回るとともに、均一な不織布が得られず、一方、樹脂吐出量が前記範囲を超えると、吐出樹脂圧力が高くなるとともに、細い繊維が得られない。
【0017】
また、本発明のポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布は、次の物性を有していることが好ましい。
【0018】
(1)平均繊維径
ポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布の平均繊維径は、1〜20μm、好ましくは2〜8μmである。平均繊維径が1μm未満では、強度が弱くなるばかりではなく、電池セパレータに用いた際には、電池の内部抵抗が大きくなりすぎる。一方、平均繊維径が20μmを超えると、電池セパレータに用いた際には、内部短絡の危険性が高まる。
【0019】
(2)目付
ポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布の目付は、5〜120g/m、好ましくは10〜70g/mである。目付が5g/m未満では、強度が不足し、アセンブリでの信頼性が低下し、電池セパレータに用いた場合、ショ−トが起こりやすいため好ましくない。一方、目付が120g/mを超えると、不織布製造時にケバ立ちが起こりやすくなり、安定的に生産することが困難となる。また、電池セパレータに用いた場合、内部抵抗が上昇する。
【0020】
(3)通気度
ポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布の通気度は、1〜400cc/cm/sec、好ましくは10〜200cc/cm/secである。通気度が10cc/cm/sec未満であると、電池セパレータに用いた場合、内部抵抗が大きく、一方、400cc/cm/secを超えると、電池セパレータに用いた場合、内部短絡の危険性が高まる。
【0021】
(4)厚み
ポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布の厚みは、0.05〜1.0mmである。厚さが0.05mm未満であると、電池セパレータに用いた場合、内部短絡の危険性が高まり、一方、1.0mmを超えると、電池容量が低下する。
【0022】
(5)引張強度
ポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布の引張強度は、2〜50N/25mmであり、好ましくは、10〜40N/25mmである。引張強度が2N/25mm未満であれば、アセンブリ時に切れが生じ易くなる。一方、引張強度が50N/25mmを超えると、極端に伸度が低下し、アセンブルする際に自由度の低下から不具合が生じやすくなる。
【0023】
(6)引張伸度
ポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布の引張伸度は、1〜100%であり、好ましくは、10〜80%である。引張伸度が1%未満であれば、アセンブリ時に切れが生じ易くなる。一方、引張伸度が100%以上であると、ネッキングが起こりやすく、安定してアセンブルすることができない。
【0024】
3.不織布のカレンダー処理
本発明においては、上記のメルトブロー法によって得られたポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布をカレンダー処理することが好ましい。
本発明に係る電池セパレータは、カレンダー処理した上記のメルトブロー法によって得られたポリエーテルエーテルケトンのメルトブロー不織布(以下、カレンダー処理品とも称する)を用いることにより、寸法安定性、引張強度が向上することによる耐破れ性等が付与されるという効果がある。特に、カレンダー処理により、耐熱性、耐収縮性に優れたセパレータを得ることができる。
【0025】
本発明におけるカレンダー処理としては、メルトブロー不織布を成形後、通常、加熱温度が150〜250℃、好ましくは170〜230℃で行なう。具体的な方法としては、メルトブロー不織布を所定の温度に加熱した2対のロール間を加圧して処理する方法を言う。
【0026】
4.電池セパレータ
本発明のポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布は、耐熱性であるため、耐熱性が求められる鉛フリーはんだリフロー処理用電池セパレータに、好適に用いることができる。特にカレンダー処理品は、引張強度が強く、熱収縮率が小さいため、溶融破断(メルトダウン)のような爆発的熱暴走を防止する安全性に優れており、耐熱性を要する電池セパレータとして、好ましい。
【0027】
また、本発明のポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布、或いは本発明に係る電池セパレータには、その目的に応じて、界面活性剤塗布等により不織布表面の親液性を向上させて、用いることができる。
【実施例】
【0028】
本発明を以下の実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性値は、下記の方法で測定した。
【0029】
(1)目付:試料長さ方向から、100×100mmの試験片を採取し、水分平衡状態の重さを測定し、1m当たりの目付重量に換算して求めた。
(2)厚み:試料長さ方向より、100×100mmの試験片を採取し、ダイヤルシックネスゲージで測定した。
(3)通気度:試料長さ方向から、100×100mmの試験片を採取し、JIS L1096「一般織物試験方法」の「通気性A法(フラジール形法)」に準拠し、フラジール型試験機を用いて測定した。
(4)最大孔径:ASTM E128に準拠し、常盤製作所製ポアーサイズ試験機を用いて測定した。試験容器に試料を設置し、その上側にエタノールを満たし、下側より0.4kg/cmGの空気圧を与え、エタノール中に気泡の発生する圧力を求め、予め標準試料で求めた検量線から孔径に換算した。
(5)引張強度、引張伸度:JIS L1085「不織布しん地試験方法」の「引張強さ及び伸び率」に準拠し、つかみ間隔100mm、引張速度300mm/分にて測定した。
(6)繊維径:試験片の任意な5箇所を電子顕微鏡で5枚の写真撮影を行い、1枚の写真につき20本の繊維の直径を測定し、これら5枚の写真について行い、合計100本の繊維径を平均して求めた。
(7)寸法変化率:20cm角の不織布試料の中心及び端に10cmの線を引き、200℃に設定したオーブンで5分間加熱後、線長を測定し、その変化率は、100%の場合は、熱収縮が起きていないことを表す。
(8)製造時の切れ:巻取りの際に不織布が切れてしまうかどうかを表す。
【0030】
[実施例1]
ポリエーテルエーテルケトン(ビクトレックス・エムシー社製、「PEEK90G」)を押出温度400℃にて、メルトブロー(表1ではMBと示す。)し、目付50.1g/m、厚み270μm、通気度45.0cc/cm/sec、最大孔径32.9μm、引張強度10.8N/25mm、引張伸度22.5%、繊維径6.8μm、寸法変化率84%のポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布の物性を、表1に示す。
【0031】
[実施例2]
実施例1で得られた不織布を、180℃でカレンダー処理して、得たカレンダー処理品を用いて、電池セパレータを得た。カレンダー処理をして得られたカレンダー処理品は、目付50.1g/m、厚み170μm、通気度32.0cc/cm/sec、最大孔径26.8μm、引張強度41.4N/25mm、引張伸度15.8%、寸法変化率100%であった。その物性を表1に示す。
【0032】
[比較例1]
公知(例えば、特許文献1参照。)の方法により得られたポリフェニレンスルフィド(PPS)製メルトブロー不織布の物性を、表1に示す。
【0033】
[比較例2]
比較例1で得られたポリフェニレンスルフィド不織布を、180℃でカレンダー処理した得たカレンダー処理品を用いて、電池セパレータを得た。カレンダー処理をして得られたカレンダー処理品の物性測定結果を、表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
表1から明らかなように、本発明のポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布は、従来のPPS不織布に比べて、引張強度に優れた電池セパレータにすることができる。また、カレンダー処理を施したものは、未処理品に比べて引張強度に優れ、熱収縮の少ない寸法安定性が求められる電池セパレータに適している。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のポリエーテルエーテルケトン製のメルトブロー不織布は、薄膜化、耐熱性、耐破れ性に優れた電池セパレータとして、好適に用いることができ、各種電池製造の用途に適用することができる。また、特に、耐熱性と耐破れ性(引張強度)に優れるため、その他の用途、例えば、電気二重層キャパシター用セパレータ、耐熱用液体フィルター、耐熱用エアフィルター、その他耐熱性を要する産業資材等の用途に、好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる耐熱性メルトブロー不織布であって、
平均繊維径が1〜20μm、目付が5〜120g/m、通気度が1〜400cc/cm/sec、厚みが0.05〜1.0mm、引張強度が2〜50N/25mm及び引張伸度が1〜100%である物性を有することを特徴とするメルトブロー不織布。
【請求項2】
カレンダー加工処理を施すことにより、さらに、寸法安定性及び引張強度が向上した不織布であることを特徴とする請求項1に記載のメルトブロー不織布。
【請求項3】
ポリエーテルエーテルケトン樹脂を350〜450℃の押出機で溶融した後、380〜450℃に設定したダイに送り込み、ダイノズルから吐出させると同時に、380〜450℃の高温エアーブローガスにより延伸して微細繊維化し、ノズルから5〜30cm離れたコレクタに補集することを特徴とする、請求項1に記載のメルトブロー不織布の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のメルトブロー不織布を用いてなることを特徴とする耐熱性及び引張強度に優れる電池セパレータ。

【公開番号】特開2008−81893(P2008−81893A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263774(P2006−263774)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(597094215)タピルス株式会社 (4)
【Fターム(参考)】