説明

ポリエーテルスルホネート構造を有する新規な界面活性剤、その界面活性剤の製造方法、及び第三級原油製造のためのその界面活性剤の使用方法

【課題】本発明は、ポリエーテルスルホネート構造を有する新規な界面活性剤、及びその界面活性剤を製造するための改良された方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上記目的は、ヘッドグループ(head group)としてプロパノニルスルホン酸基を持つポリエーテルスルホネート構造を有する界面活性剤、そのような界面活性剤の製造方法、及び第三鉱油抽出を含む様々な目的のためのそれらの界面活性剤の使用方法により達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドグループ(head group)としてプロパノニルスルホン酸基を持つポリエーテルスルホネート構造を有する新規な界面活性剤、そのような界面活性剤の製造方法、及び第三級鉱油抽出のためのその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
天然鉱油埋蔵物中では、鉱油は不浸透性の頂上層により土壌の表面に向かって密封された多孔性貯留岩中の空洞中に存在する。空洞は、非常に微細な空洞、毛細管、細孔のようなものでも良い。細かい細孔のくびれ部は、例えば、約1μmのみの直径を有する。鉱油と同様に、天然ガスの画分を含んで、埋蔵物は多くの又は少量の塩含量を伴う水を含む。埋蔵物中の水の塩含量は、だいたい5〜20質量%であるが、また、最大27質量%までの塩含量を含む埋蔵物も存在する。溶解した塩は、例えば、アルカリ金属塩でも良いが、しかしながらまた、いくつかの埋蔵物では、埋蔵物中の水はかなり多量のアルカリ土類金属イオン、例えば、最大5質量%までのカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを含む。
【0003】
鉱油の抽出においては、第一抽出と、第二抽出と、第三抽出との間には区別が設けられている。
【0004】
第一抽出では、埋蔵物の穴あけの開始後、埋蔵物の内因的な圧力のためにひとりでにボアホール(borehole)を通して表面へ鉱油が流れる。内因的な圧力は、例えば、メタン、エタン、又はプロパンのような埋蔵物中に存在するガスに起因して生じる。第一抽出によって、埋蔵物のタイプに従って、通常埋蔵物中に存在する鉱油の量の約5〜10%のみを抽出することができるけれども、その後内因的な圧力はもはや抽出のためには十分ではない。
【0005】
それゆえに、第一抽出後、第二抽出が用いられる。第二抽出では、鉱油の抽出のために供給される、いわゆる生産穴と呼ばれるボアホールに加えて、更なるボアホールが鉱油含有類層にあけられる。その内因的な圧力を維持し又は再び増大させるために、水がこれらのいわゆる注入穴を通して埋蔵物中に注入される。水の注入の結果として、鉱油はその類層中で空洞を通して注入穴から生産穴方向へゆっくりと力を受ける。しかしながら、これは空洞が完全にオイルで満たされている限りにおいてのみ作用し、そしてより粘りけのあるオイルが水により前方へ押し進められる(図1参照)。動源の水が空洞を通りぬけると直ぐに、この時から水は最小の抵抗の経路、すなわち、形成された径路を通過して流れ、もはやオイルを前方に推し進めない。この状況は、図2に示されている。オイルと水の異なる極性のために、その二つの成分の間に高い界面エネルギー又は界面張力が生じる。それゆえ、その二つは、結果として球状のオイル小滴が生じる最も小さい接触面積を採用し、そのオイル小滴はもはや微細な毛細管に適合して通りぬけない。こうして、流水の終わりには、オイルは不連続な(分離された球状小滴の)形状で毛細管中に閉じ込められる。
【0006】
第一及び第二抽出を用いて、一般的に埋蔵物中に存在する鉱油の量の約30〜35%のみが通常される。
【0007】
鉱油の産出は、第三オイル抽出のための方法により更に高められることが知られている。第三オイル抽出のレビューは、例えば、“Journal of Petroleum Science and Engineering”(19巻、1998年、265−280ページ)に記載されている。第三オイル抽出は、例えば、熱水又は蒸気が埋蔵物中に圧入される熱的方法を含む。これが、そのオイルの粘度を低下させる。また、流れの媒体は、CO又は窒素のようなガス使用されても良い。
【0008】
また、第三鉱油抽出は、好適な化学物質がオイル抽出のための助剤として使用される方法を含む。これらは流水の終わりの状況に影響を与えるために、また、結果として岩石類層の範囲内でしっかりと鉱油を抽出するために、従来より使用されている。
【0009】
粘性と毛細管力は、第二抽出の終わりに埋蔵物岩石の細孔に閉じこめられた鉱油に作用し、お互いに関するこれら二種の力の割合は顕微鏡によるオイル分離により決定される。無次元パラメータ、いわゆるキャピラリー数を用いることにより、これらの力の動作が記載される。粘性力(速さ×力がかかる層の粘性)の毛細管力(オイルと水との間の界面張力×岩石の湿気)に対する割合は、
【0010】
【数1】

で表わされる。
【0011】
この公式では、μは鉱油を流動させる流体の粘性であり、νはダルシー流速(単位面積あたりの流れ)であり、σは鉱油を流動させる液体と鉱油との間の界面張力であり、そしてθは鉱油と岩石との間の接触角である(“C.Melrose, C.F.Brander, J.Canadian Petr.Techn.”(58巻,8月−12月,1974年))。キャピラリー数が大きいほど、オイルの流動化の度合いが大きくなり、それゆえまた、オイル除去の度合いも大きくなる。
【0012】
第二鉱油抽出の終わりにかけてのキャピラリー数が約10−6の範囲であり、さらなる鉱油を流動させるために約10−3から10−2にキャピラリー数を増加させることが必要であることは、当業者にとって公知である。この目的のために、例えば、鉱油と水相との間の界面張力σを好適な界面活性剤の添加により低下させることができる。また、この技術は“界面活性剤攻法”として知られている。界面活性剤攻法のための好適な界面活性剤は特にσの値を10−2mN/m(超低の界面張力)より低下させることができる界面活性剤である。このように、オイル小滴の形状を変化させることができ、流水を用いてそれらを毛細管孔に押し通すことができる。
【0013】
その後、オイル小滴は連続するオイルバンク(oil bank)に結合することが要求される。これは慨略的に図3に示されている。連続するオイルバンクの形成は、2種の利点がある。最初に、連続するオイルバンクは新しい多孔性岩石を通って前進する際、そこに在在するオイル小滴はそのバンクに溶け込むことができる。更に、オイルバンクを形成するためのオイル小滴の結合は、油−水の界面を大きく減少させ、従って、もはや要求されない界面活性剤は放出される。それから、放出された界面活性剤は類層中に残留するオイル小滴を流動させることができる。これは、図4に概略的に示されている。また、水相とオイル相の間の超低界面張力は、オイル小滴とオイルバンクを結合させるために要求され、新しいオイル小滴をオイルバンク中に組み込ませるために要求される。さもなければ、個々のオイル小滴は残留し、又はオイルバンク中に組み込まれない。これは界面活性剤攻法の効率の良さを減少させる。
【0014】
概して、界面活性剤攻法後、圧力を維持するために、水は類層中に注入されないが、むしろポリマーの高粘度の水性溶液が、高増粘動作(high thickening action)を伴って注入される。この技術は、“ポリマー攻法”として知られている。
【0015】
界面活性剤攻法では、界面活性剤は水相とオイル層とを有するマイクロエマルション(ウィンザー型III)を形成する。マイクロエマルション(ウィンザー型III)は特に小さい小滴のエマルションでは無く、むしろ熱的に安定な、水、油、及び界面活性剤の液体混合物であって、非常に低い界面張力を有し、且つたいてい低い粘度を有する。それは過剰量の水と過剰量の油との平衡状態にある。鉱油類層中でエマルションを輸送するために、低粘度であることが要求される。輸送される相が過度な高粘度では、ポリマー攻法のうちに非常に高い圧力が適用されなければならないだろう。これは第一に高価であり、また特にその圧力が鉱油類層中で新しい空洞を望まざることに爆破するかもしれないという恐れがある。加えて、流動化したオイル小滴の連続するオイルバンクへの結合が、過度に硬粘度の場合に妨げられる。
【0016】
第三鉱油抽出のための界面活性剤への要求は、他のアプリケーションのための界面活性剤への要求とは大きく異なる。
【0017】
その界面活性剤は、鉱油の十分な流動化を可能にするために、水とオイルとの間の界面張力(一般的に、約20mN/m)を特に10−2mN/mより低い値に減少させるべきである。従来、これは約30℃〜約130℃の埋蔵物の温度で、高い塩含量の水の存在下で、特にまた、高いカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの存在下で実施されなければならず、そうしてまた、界面活性剤は高い塩含量で埋蔵物中の水に溶解されなければならない。同時に、マイクロエマルションが形成される範囲の温度窓は、非常に広くあるべきである。類層中で界面活性剤の損失を未然に防ぐために、界面活性剤は低い粘性傾向又は大きな界面活性剤の超構造を有するべきであり、且つ低い吸湿容量を有するべきである。更に、類層中に存在する条件下では、界面活性剤は高い化学的安定性を有するべきである。これは、特に長期の高い安定性を含む。類層中での界面活性剤フラッド(surfactant flood)の移動速度は、しばしば1メートル/1日より小さい。注入穴と抽出穴との間の距離によって、鉱油埋蔵物中での界面活性剤の滞留時間は数カ月となっても良い。
【0018】
第三鉱油抽出における使用のために、様々なポリエステルスルホネートがすでに提案されている。
【0019】
US3,811,505には、埋蔵物中で使用するための陰イオン界面活性剤と非イオン性界面活性剤の混合物が開示されており、その埋蔵物中の水に0.5〜0.9質量%の多価イオンが含まれている。その陰イオン界面活性剤はそれぞれ5〜25個の炭素原子を含むアルキルスルホネート又はアルキルホスフェートであり、アルキル基がそれぞれ5〜25個の炭素原子を有するアルキルアリルスルホネート又はアルキルアリルスルホネートである。非イオン性界面活性剤は、6〜20個のエトキシ基を有し、且つ5〜20個の炭素原子を有するアルキル基を有するポリエトキシル化アルキルフェノール、又は6〜20個の炭素原子を有し、且つ6〜20個のエトキシ基を有するポリエトキシル化脂肪族アルコールである。
【0020】
US3,811,504には、2種の異なる陰イオン界面活性剤の混合物、及び埋蔵物中で使用するための非イオン性界面活性剤であって、その埋蔵物中の水に0.15〜1.2%のカルシウム及びマグネシウムイオンが含まれている非イオン性界面活性剤が開示されている。前者の陰イオン界面活性剤はアルキル又はアルキルアリルスルホネートを含み、もうひとつのものはアルキルポリエトキシスルファートを含み、そして非イオン性界面活性剤はポリエトキシル化脂肪族又は芳香族アルコールを含む。類似の組成をとる界面活性剤混合物は、例えば、US3,508,621、US3,811,507、又は3,890,239に開示されている。
【0021】
US4,077,471には、類層の埋蔵物中の水が7〜22%の塩含量を有するその類層中での使用のための界面活性剤混合物が開示されている。その混合物は、水溶性アルキルポリアルコキシアルキルスルホネート又はアルキルアリルポリアルコキシアルキルスルホネート、及びエトキシル化脂肪族アルコール又はエトキシル化アルキル置換芳香族アルコールから得られる水不溶性非イオン性界面活性剤を含む。
【0022】
EP003183B1には、一般式R−O−ポリプロポキシ−ポリエトキシ−Xで表わされる界面活性剤が開示されている。式中のXは、硫酸、スルホネート、ホスフェート、又はカルボン酸基である。本発明の好ましい実施の形態では、Rは10〜16個の炭素原子を有する分岐アルキル基であってよく、例えばイソトリデシル基であってよい。
【0023】
ポリエーテルスルホネートを製造するために、末端スルホン酸基を有するアルキルアルコキシレートを提供するために末端OH基が更なる反応工程で利用される、対応するアルキルアルコキシレートから生じさせることが可能である。この目的のために、公知の方法でアルキルアルコキシレートの末端OH基を好適な脱離基、例えば、OHをClと置換するSOCl、PCl、又はCOClとの反応により置換することができる。第二工程では、NaSOとの反応により塩素原子を求核的に−SOHと置き換えることができる。この反応は、特に、比較的大きな炭素基及び比較的小さいアルコキシ鎖を有するアルキルアルコキシレートの場合に問題がある。なぜなら、そのとき、アルキルアルコキシレートはもはや特に水溶性ではないからである。結果は、しばしば非イオン性界面活性剤及び陰イオン的に変性された界面活性剤の混合物を導く不完全な反応をもたらす。
【0024】
代わりになるべきものとして、アルキルアルコキシレートのOH基をプロパンスルトン、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸の環状無水物と反応させることができる。プロパンスルトンは、毒性があり、発癌性があるという不具合を有する。加えて、立体要求性アルコール(例えば、第二級アルコール)との反応は、しばしば不完全である。
【0025】
さらに、US4,978,780に開示されるように、ビニルスルホン酸又はその塩をAlkyoxylateのOH基に付加することができる。しかしながら、ビニルスルホン酸は比較的高価な化学物質である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】US3,811,505
【特許文献2】US3,811,504
【特許文献3】US3,508,621
【特許文献4】US3,811,507
【特許文献5】US3,890,239
【特許文献6】US4,077,471
【特許文献7】EP003183B1
【特許文献8】US4,978,780
【非特許文献】
【0027】
【非特許文献1】“Journal of Petroleum Science and Engineering”(19巻、1998年、265−280ページ)
【非特許文献2】“C.Melrose, C.F.Brander, J.Canadian Petr.Techn.”(58巻,8月−12月,1974年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
ポリエーテルスルホネート構造を有する界面活性剤を製造するための改良された方法を提供することが本発明の目的であった。
【課題を解決するための手段】
【0029】
従って、一般式(I)
【0030】
【化1】

【0031】
[式中、Rは6〜30個の炭素原子を有する直鎖の、分岐の、飽和の、又は不飽和の脂肪族及び/又は芳香族炭化水素基であり、Rはk個のアルコキシ単位のそれぞれについて、独立したそれぞれ水素、又は1〜10個の炭素原子を有する直鎖の、分岐の、脂肪族の、又は芳香族の炭化水素基であり、kは0〜35であり、及びMはH及び/又はx価の対イオン1/x Yx+である。] で表わされる界面活性剤が発見された。
【0032】
更に、そのような界面活性剤を製造するための方法、及び第三鉱油抽出を含む様々な目的のためのそれらの使用方法が発見された。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第二オイル抽出の開始時の状況である。完全にオイルが岩石の細孔を満たしている。
【図2】第二オイル抽出の終わりの状況である。フラッディング水は経路を形成し、更なるオイルを回収することなく経路を通して流れる。
【図3】鉱油類層中での界面活性剤攻法の概略図である。連続するオイルバンクとの組み合わせの前(A)及び後(B)で、岩石細孔からのオイル小滴が放出される。
【図4】鉱油類層中での連続するオイルバンクの発生を示す概略図である。オイルバンクは、流れ方向に新しいオイル小滴を吸収する。界面活性剤は流れ方向と反対方向に放出される。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明に関して、以下に詳述する:
本発明の界面活性剤は一般式(I)
【0035】
【化2】

を有する。
【0036】
本発明の界面活性剤(I)は、炭化水素基R、kアルコキシ単位からなるポリオキシアルキレン基より構成されており、ヘッドグループとしてプロパノニルスルホン酸基を有する。このkアルコキシ単位は同じであっても異なっていても良い。
【0037】
その式(I)では、Rは6〜30個の炭素原子、好ましくは10〜22個の炭素原子を有する直鎖の、分岐の、飽和の、又は不飽和の脂肪族炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基である。
【0038】
好適なR基の例は、特に、直線の又は分岐したC10−からC22−のアルキル基、及び直線の又は分岐したC12−からC22−のアルケニル基を含む。それらは、好ましくは直線の又は分岐したC10−からC22−のアルキル基であり、より好ましくは直線の又は分岐したC12−からC20−のアルキル基であり、最も好ましくは直線の又は分岐したC16−からC18−のアルキル基である。その基が分岐する場合、0.5より大きい分岐度であることが好ましい。
【0039】
基は、それぞれ独立的にH、又は1〜10個の炭素原子を有する直鎖の、分岐の脂肪族又は芳香族の炭化水素基である。Rは好ましくはH、又はメチル、エチル、及び/又はフェニル基であり、そしてより好ましくはH又はメチル基である。換言すれば、アルコキシ基は好ましくはエトキシ基及び/又はプロポキシ基である。また、上述の式では、−CHCH(R)O−としてのアルコキシ基の表現はもっぱらその式−CH(R)CHO−の単位、すなわち、アルコキシ基の界面活性剤への逆方向での組み込みを含むべきであり、また、もちろん一つの界面活性剤分子中で両方の配列が表現されることも可能である。式(I)中で示されているような配列が好ましい。界面活性剤中に存在するアルコキシ基の少なくとも50%がエトキシ基であることが好ましい。
【0040】
上述の式(I)中の数kは、0〜35であり、好ましくは1〜35であり、より好ましくは1〜20であり、最も好ましくは2〜15である。公知の方法で、それは、その界面活性剤中に存在するアルコキシ基の平均に基づいており、その平均はもちろん自然数であることを必要とせず、むしろまた、なんらかの有理数であってもよい。
【0041】
式(I)では、MはH又はx価の対イオン1/x Yx+である。ここでのxは対イオンの電荷である。それは、好ましくは有機基又はアルカリ金属イオンを有するアンモニウムイオン、NHのような一価の対イオンである。Yは好ましくはLi、Na、及びKであり、より好ましくはNaである。従って、アルキルエーテルスルホネートは遊離酸として又はその遊離酸の塩として存在してもよい。
【0042】
本発明の好ましい実施の形態では、本発明の界面活性剤は一般式(II)
【0043】
【化3】

である。
【0044】
ここでの数nは、0〜15、好ましくは0〜7、そしてより好ましくは0〜5の値を表わし、mは0〜20、好ましくは1〜20、より好ましくは2〜15の値を表わし、それぞれの場合においてnとmの合計は上の方で定義された値kをもたらす。好ましくはm>n、すなわち、好ましい変形では、エトキシ基の数はアルコキシ基の数より大きい。
【0045】
本発明の−両方のタイプの基が存在する−界面活性剤中でのアルコキシ基及びエトキシ基の配列は、ランダムであっても交互であっても良く、又はブロック構造が存在しても良い。実際にアルコキシ及びエトキシ基が、RO−アルコキシブロック−エトキシブロック−CHC(O)−CH−SOM配列中に配置されるブロック構造であることが好ましい。
【0046】
本発明の界面活性剤は、最初の合成段階で一般式(III)
【0047】
【化4】

のアルキルアルコキシレートが製造されることを特徴とする三段階の合成で製造することができる。
【0048】
アルキルアルコキシレート(III)は、アルキレンオキシド
【0049】
【化5】

とアルコールR−OHとのアルコキシル化反応(alkoxylating)によって基本的に公知の方法で製造することができ、そのアルコキシル化は一般式(III)で示される末端−CHCH(CH)−OH基を有するアルキルアルコキシレートを得るためにプロピレンオキシドを用いて終了されることを特徴とする。
【0050】
アルコールR−OHは、界面活性剤中で要求される疎水性のR基に従って対応するように選択される。好適なアルコールの例は、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、又はエイコサノールを含む。それぞれの場合において、それらは1−アルカノールでもよく、又はOH基が1位に配置されていない他のアルカノールでもよい。そのアルコールは直鎖であっても良く、又は分岐されていても良い。それらは、例えば、脂肪アルコールでよく、又は好ましくはヒドロホルミル化したオレフィンにより得られるアルコールであってもよい。また、後者はオキソアルコールとして知られる。その合成のために、もちろん純粋なアルコールだけでなく異なるアルコールの一般的な混合用混合物もまた使用することができる。
【0051】
この場合、アルコキシル化は、アルコールが最初にアルキレンオキシドと−その界面活性剤の要求される特性に従って−反応するような方法で、本発明に従って実施される。全てのアルキレンオキシドが消費された後で、又は少なくとも大部分のアルキレンオキシドが使用された後で、−CHCH(CH)−OH−単位で終結された生成物を得るために、アルコール1モルあたり少なくとも1モルのプロピレンオキシドがアルコキシル化を完了するために再び添加される。従って、アルコキシル化により合計でアルコール1モルあたりk+1モルのアルキレンオキシドが得られる。アルコキシル化はランダムに進行するので、完全に−CHCH(CH)−OH−単位で終結された生成物を得るためにはプロピレンオキシドを少なくとも僅かな過剰量で使用することが望ましい。
【0052】
基本的に、アルコキシル化は公知のアルコキシル化触媒を用いる当業者に公知の方法により実施することができる。但し、アルコキシル化が、末端プロピレンオキシド基が−CH(CH)−CHOHのように逆向きではなく、主に−CHCH(CH)−OHの向きに実際に組み込まれるように行われることが条件である。アルキレンオキシド基の向きを、アルコキシル化触媒の選択によって左右することができることは、当業者にとって公知である。例えば、酸性触媒反応により結果としてCH(CH)−CHOH−の向きの単位が大きな割合で得られる一方で、塩基触媒反応又はDMC触媒による触媒反応が、非常に圧倒的にCHCH(CH)−OH−の向きへのアルコキシ基の組み込みを導く。
【0053】
塩基触媒によるアルコキシル化では、アルコールR−OHを圧力反応容器中でアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化カリウム、又は、例えば、ナトリウムメトキシドのようなアルカリ金属アルコキシドと混合することができる。減圧(例えば、<100mbar)及び/又は昇温(30〜150℃)により、混合物中にいまだ存在する水を抜き出すことができる。その後、アルコールは対応するアルコキシドの形で存在する。その後、不活性ガス(例えば、窒素)が不活性化のために使用され、アルキレンオキシドが60〜180℃の温度で、最大10barの圧力まで徐々に添加される。但し、合成されたアルキルアルコキシドが末端基として−CHCH(CH)−OH−基を有するように、アルキレンオキシドの添加がアルコール1モルあたり少なくとも少なくともプロピレンオキシド1モルの添加と共に終了することが条件である。その後は、触媒は酸(例えば、酢酸又はリン酸)の添加により中和することができ、もし必要であれば濾過することも可能である。一般的に、KOH触媒反応により製造されるアルキルアルコキシレートは比較的広い分子量分布を有する。
【0054】
本発明の好ましい実施の形態では、アルキルアルコキシレート(III)は当業者に公知の、塩基触媒による合成の場合より狭い分子量分布を導く技術を用いて合成される。この目的のために、使用される触媒は、DE4325237A1に記載されているように、例えば複水酸化物粘土でも良い。アルコキシル化は、より好ましくは複金属シアン化物触媒(DMC触媒)を用いて実施することができる。好適なDMC触媒は、例えば、DE10243361A1中に、特に、段落[0029]〜[0041]に、そしてその中に引用される文献に開示されている。例えば、Zn−Co型の触媒を使用することができる。その反応を実施するために、アルコールR−OHをその触媒と混合することができ、そしてその混合物は上述のように脱水することができ、そして記載されているようにアルキレンオキシドと反応させることができる。その触媒は少量であるために、その触媒は生成物中に残留することができる。DMC触媒反応により製造された本発明の触媒は、それらの触媒がKOH触媒反応により製造された生成物よりも水−鉱油系において界面張力の良好な低下を結果としてもたらすという点において注目に値する。
【0055】
また、もちろん、最初のアルコキシル化の酸触媒反応、及び遅くとも最後に残ったプロピレンオキシド分子の添加より前に塩基触媒反応へ転換することにより、2段階でその合成を実施することも可能である。
【0056】
更なる合成段階では、アルキルアルコキシレート(III)は末端基としてアセトニル基を有するアルキルアルコキシレート(IV)に酸化される。
【0057】
【化6】

【0058】
酸化は当業者に公知の方法、例えば、H及び遷移金属触媒との酸化により、又は、例えば、Pd/Cのような好適な触媒を用いるOとの酸化により実施することができる。一般的に、この段階での転換は90%より多い。
【0059】
生じたアセトニル基を末端基とするアルキルアルコキシレート(IV)は、本発明の界面活性剤(I)を得るために、最終的にSO又は他のSO源、例えば、オレウム、又はCl−SOHと反応させることができる。
【0060】
【化7】

【0061】
その反応は、例えば、US4,987,249、US5,430,180、又は“W.Grot,J.Org.Chem.”(30巻、1965年、515−517ページ)に記載された方法により実施することができる。一般的に、この段階での転換も90%より多い。スルホン化が実施された後で、反応混合物は塩基、例えば、NaOH又はKOHで中和することができる。
【0062】
基本的に、本発明の界面活性剤(I)は、アルキルポリエーテルスルホネートが慣例的に界面活性剤として使用される全てのアプリケーションで使用することができる。Rの適切な選択、及びアルコキシ基の長さとタイプの適切な選択のおかげで、特定のアプリケーションのために、本発明の界面活性剤(I)の特性を簡単な方法で調節することができる。それらは、例えば、洗浄及びクリーニングの組成物、鉱石の抽出、金属加工、織物の製造、革加工、エマルション安定化、又は農薬の製剤において使用することができる。
【0063】
本発明の好ましい実施の形態では、本発明の界面活性剤は第三鉱油抽出のために使用される。オイルと水との間の界面張力を高度に低下させることにより、それらは鉱油類層中で原油の特に良好な流動化をもたらす。
【0064】
この目的のために、それらは鉱油埋蔵物中に少なくとも一つの注入穴を通して適切な製剤の形状で注入され、そして原油又は原油と水のエマルションが少なくとも一つの生産穴を通して埋蔵物から抜き取られる。一般的に、埋蔵物にはいくつかの注入穴といくつかの生産穴が提供される。界面活性剤製剤の注入、いわゆる、“界面活性剤攻法”の後に、水のその類層中への注入(“水攻法”)又は好ましくは高増粘動作を伴うポリマーの高粘度水溶液の注入(“ポリマー攻法”)により圧力を維持することができる。しかしながら、界面活性剤を最初にその類層中で作用させることが可能となる技術もまた知られている。当業者は、“界面活性剤攻法”、“水攻法”、及び“ポリマー攻法”の技術性能の詳細を知っており、埋蔵物のタイプに従って適切な技術を採用する。
【0065】
本発明の界面活性剤は、界面活性剤攻法のために、好ましくは、水性類層中での界面活性剤攻法のために使用することができる。水の添加に加えて、その製剤は、溶媒として50質量%以下の量の、好ましくは20質量%以下の量の水混和性アルコールを更に含んでよい。
【0066】
第三鉱油抽出のために、それぞれの場合において本発明の界面活性剤(I)の1種のみを使用することができる。しかしながら、少なくとも1種の本発明の界面活性剤(I)と少なくとも1種の更なる界面活性剤とを含む製剤を使用することが好ましい。
【0067】
この場合、本発明の界面活性剤は、界面活性剤として、又は共界面活性剤として使用することができる。“共界面活性剤”は、また、“二次界面活性剤”とも呼ばれ、基本的に公知の方法で、比較的少量で他の界面活性剤又は界面活性剤混合物に、それらの特性プロファイルを改良するために添加される界面活性剤を意味すると解される。界面活性剤混合物中で使用される全ての界面活性剤の合計量に基づいて、全ての本発明の界面活性剤(I)の量は、要求される特性のそのタイプに従って当業者により決定される。通常、本発明の界面活性剤(I)の量は、その混合物中の全ての界面活性剤の合計量に基づいて1〜99質量%である。その量は、好ましくは10〜95質量%である。
【0068】
界面活性剤(I)と同様に使用することができる更なる界面活性剤の例は、陰イオン界面活性剤、特に有機スルホネート(例えば、オレフィンスルホネート又はアルキルアリルスルホネート)、非イオン性界面活性剤、又は非イオン性界面活性剤のアニオン変性により製造されるアニオン界面活性剤を含む。そのアニオン界面活性剤は、例えば、エーテル硫酸、エーテルスルホネート又はエーテルカルボキシレート、又はアルキルポリオール及び/又はアルキルポリグルコシドである。そのうえ、カチオン及び/又はベタイン性界面活性剤を使用することができる。
【0069】
また、界面活性剤に加えて、その製剤は更なる構成成分、例えば、C−からC−のアルコール及び/又は塩基性塩(いわゆる“アルカリ界面活性剤攻法”)を含む。そのような添加物は、例えば、類層中で保持力を低下させるために使用することができる。
【0070】
第三鉱油抽出に好ましく、且つ本発明の界面活性剤(I)を含む混合物を、以下に記載する。
【0071】
本発明の好ましい実施の形態では、少なくとも1種の本発明の界面活性剤(I)(また、これ以降M1とも呼ばれる)と少なくとも1種の陰イオン界面活性剤(M2)との混合物(M)を、第三鉱油抽出のために使用することができる。そのような混合物は、高塩分埋蔵物中で使用するために特に好適である。使用のために、好ましくは好適な溶媒又は溶媒の混合物と共に、混合物を上述のように製剤化することができる。
【0072】
本発明の界面活性剤(M1)に加えて、好適な構成成分(M2)は、特に、一般式(V)の非イオン性界面活性剤である。
【0073】
【化8】

【0074】
指数n、m、及びRは、それぞれ上述のように定義されており、Rは脂肪族又はアラリファティック(araliphatic)C10−からC20−の炭化水素基、好ましくは脂肪族及び/又は芳香族のC14−からC18−の炭化水素基である。炭化水素基は、例えば、4−ドデシルフェニル基であってよく、ヘキサデシル、ヘプタデシル、又はオクタデシル基であってよい。
【0075】
また、好ましくは、少なくとも1種のイオン挙動を示す界面活性剤(M1’)及び少なくとも1種の非イオン性挙動を示す界面活性剤(M2’)の混合物であり、界面活性剤(M1’)又は(M2’)の少なくとも1種は本発明の界面活性剤(I)である。“イオン挙動を示す界面活性剤”及び“非イオン性挙動を示す界面活性剤”は、それぞれの場合において、ヘッドグループがイオン性及び非イオン性の構造単位を含む界面活性剤であって、且つ、化学的構造及び/又は使用条件に従って非イオン性挙動又はイオン挙動が優位を占める界面活性剤を意味するものと解される。ポリエーテル単位を有する典型的な非イオン性界面活性剤は、油−水界面活性剤系において温度が上昇するにつれてより疎水的に振る舞う。そのような界面活性剤は比較的低温で最初に水中油のエマルション、すなわち、連続する水相中にオイルのエマルションを形成する。温度が上昇するに連れて、最後に油中水エマルション、すなわち、連続する油相中に水のエマルションへと相転移する。この転移は、例えば、電導率計により観察することができる。連続する水相から不連続の水相への転移は、導電性の大きな低下と関連している。イオン挙動を示す界面活性剤は逆の挙動を有しており、温度の上昇に伴ってより親水的になる。従って、油中水エマルションは温度の上昇と共に水中油エマルションに転換され、その水中油エマルションは同様に電導率計により導電性を観察することができる。
【0076】
また、更なる好ましい実施の形態では、混合物(M)は、構成成分(M1)及び(M2)と同様に高分子の共界面活性剤(M3)を含む。共界面活性剤(M3)の量は、使用される全ての界面活性剤(M1)、(M2)、及び(M3)の全体の量に基づいて49.9質量%以下である。その量は、好ましくは1〜10質量%である。好都合なことに、そのような高分子の共界面活性剤のおかげで、マイクロエマルションを形成するために必要とされる界面活性剤の量を低減することが可能となる。また、それゆえ、そのような高分子の共界面活性剤は“マイクロエマルション増幅剤(microemulsion boosters)”と呼ばれる。
【0077】
高分子の共界面活性剤(M3)は少なくとも1種の親水性ブロックと少なくとも1種の疎水性ブロックとを含む両親媒性のブロックコポリマーである。それらは好ましくは1000〜50000g/モルの分子量Mを有する。一般的に、親水性ブロックと疎水性ブロックはそれぞれ、500g/モルの、好ましくは750g/モルの、より好ましくは1000g/モルのモル質量を少なくとも有するべきである。疎水性及び親水性のブロックはさまざまな方法でお互いに連結されてもよい。そのポリマーは、例えば、疎水性及び親水性のブロックが交互に配置された2ブロックコポリマー又はマルチブロックコポリマーでもよい。その高分子の共界面活性剤(M3)は直線、分岐、又は星型であって良く、又はそれらは主鎖及びその主鎖に結合された1以上の側鎖を有する櫛型ポリマーであっても良い。
【0078】
疎水性ブロックとして、好ましくはポリエチレンオキシドブロック、又はランダムポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックを有するブロックコポリマーが用いられる。このブロックコポリマーにおいて、プロピレンオキシド含量は、そのブロックに重合されたエチレンオキシド及びプロピレンオキシド単位の合計に基づいて40モル%、好ましくは20モル%、より好ましくは10モル%を超えるべきではない。そのブロックは、純粋なポリエチレンオキシドブロックであることが好ましい。その疎水性ブロックは、例えば、ポリプロピレンオキシド又はC−からC12−のアルキレンオキシドである。更に、疎水性ブロックは、例えば、炭化水素単位又は(メト)アクリルエステルから形成されてもよい。
【0079】
好ましい高分子の共界面活性剤(M3)は、ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドブロックコポリマー、ポリイソブテン−ポリエチレンオキシドブロックコポリマー、及び疎水性主鎖とポリエチレンオキシド側鎖とを有する櫛型ポリマーを含む。その櫛型ポリマーにおいては、主鎖は、好ましくは構造単位として基本的にオレフィン又は(メト)アクリレートを含む。ここで“ポリエチレンオキシド”の言葉は、それぞれの場合に上述の定義に従ってプロピレンオキシド単位を含むポリエチレンオキシドブロックを含むものとする。好ましい高分子の共界面活性剤(M3)に関する更なる詳細は、WO2006/131541に開示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中、Rは6〜30個の炭素原子を有する直鎖の、分岐の、飽和の、又は不飽和の脂肪族炭化水素基及び/又は芳香族炭化水素基であり、
はk個のアルコキシ単位のそれぞれについて、独立してそれぞれ水素、又は1〜10個の炭素原子を有する直鎖脂肪族、分岐脂肪族又は芳香族の炭化水素基であり、
kは0〜35であり、及び
MはH及び/又はx価の対イオン1/x Yx+である。]
で表わされる界面活性剤。
【請求項2】
kが、1〜20であることを特徴とする請求項1に記載の界面活性剤。
【請求項3】
前記界面活性剤中のR基の少なくとも50%が、水素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の界面活性剤。
【請求項4】
が、水素又はメチル基であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の界面活性剤。
【請求項5】
が、直鎖又は分岐のC10−からC22−のアルキル基であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の界面活性剤。
【請求項6】
が、直鎖又は分岐のC10−からC20−のアルキル基を含むことを特徴とする請求項1〜4に記載の界面活性剤。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の界面活性剤の製造方法であって、
以下の工程、
・一般式R−OHで表わされるアルコールを、アルコール1モルあたりk+1モルのアルキレンオキシド
【化2】

でアルコキシル化してアルキルアルコキシレート(III)
【化3】

を得る工程であって、このアルコキシル化の際、アルコキシル化の終期にアルコール1モルあたり少なくとも1モルのプロピレンオキシドを使用するアルコキシル化工程、
・好適な酸化剤を用いてアルキルアルコキシレート(III)を酸化してω−アセトニルアルキルアルコキシレート(IV)
【化4】

を得る酸化工程、及び
・スルホン化剤と前記ω−アセトニルアルキルアルコキシレート(IV)を反応させて前記界面活性剤(I)
【化5】

を得る反応工程
を含む方法。
【請求項8】
使用される前記スルホン化剤が、SO、オレウム、及びクロロスルホン酸の群から選択される一つであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記界面活性剤(I)が、スルホン化後に好適な塩基と中和されることを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも2種の異なる界面活性剤(M1)及び(M2)を含む界面活性剤混合物(M)であって、
前記少なくとも2種の異なる界面活性剤の少なくとも1種が、請求項1〜6の何れか1項に記載の本発明の界面活性剤であることを特徴とする界面活性剤混合物(M)。
【請求項11】
(M1)は本発明の界面活性剤(I)であり、(M2)は少なくとも1種の非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項10に記載の界面活性剤混合物(M)。
【請求項12】
イオン挙動を示す少なくとも1種の界面活性剤(M1’)と非イオン性挙動を示す少なくとも1種の界面活性剤(M2’)とを含む、請求項10に記載の界面活性剤混合物(M)。
【請求項13】
前記混合物中で、全ての界面活性剤の合計に基づいて最大49.9質量%までの少なくとも1種の高分子の共界面活性剤(M3)を更に含む、請求項10〜12の何れか1項に記載の界面活性剤混合物(M)。
【請求項14】
前記高分子の共界面活性剤(M3)が、少なくとも1種の疎水性ブロックと少なくとも1種の親水性ブロックとを含むブロックコポリマーであることを特徴とする請求項13に記載の界面活性剤混合物(M)。
【請求項15】
(M3)が、ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドブロックコポリマー、ポリイソブテン−ポリエチレンオキシドブロックコポリマー、及び疎水性主鎖とポリエチレンオキシド側鎖とを有する櫛型ポリマーの群から選択されるポリマーであることを特徴とする請求項14に記載の界面活性剤混合物(M)。
【請求項16】
更に溶媒又は溶媒混合物を含む請求項10〜15の何れか1項に記載の界面活性剤混合物(M)。
【請求項17】
洗浄及びクリーニング組成物、鉱石の抽出、金属加工、織物の製造、革加工、エマルション安定化、又は農薬の製剤における、請求項1〜6の何れか1項に記載の界面活性剤の使用方法。
【請求項18】
第三鉱油抽出のための請求項1〜6の何れか1項に記載の界面活性剤の使用方法。
【請求項19】
第三鉱油抽出のための請求項10〜16の何れか1項に記載の界面活性剤混合物の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−502184(P2011−502184A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529358(P2010−529358)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063834
【国際公開番号】WO2009/050179
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】