説明

ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体、及びそれを含有する外用剤組成物

【課題】皮膚や毛髪に効率的に作用することで優れた肌荒れ修復効果、傷んだ毛髪の修復効果を有する新規な構造のイオン性のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体、及びそれを含有する医薬品、化粧品などの外用剤組成物を提供すること。
【解決手段】ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルの硫酸エステル及び/又はその塩、リン酸エステル及び/又はその塩、アルキルカルボン酸及び/又はその塩、カルボン酸エステル及び/又はその塩、4級アンモニウム化合物は、それらの効果が顕著に優れることを見出した。これらを利用することにより、皮膚や毛髪に効率的に作用することで優れた肌荒れ修復効果、傷んだ毛髪の修復効果を有する、医薬品や化粧品などの皮膚外用組成物を簡便に製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン性のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体、及びそれを含有する外用剤組成物に関する。更に詳しくは、乳化剤、可溶化剤、分散剤として利用可能な肌荒れ修復効果、傷んだ毛髪の修復効果を有する新規な構造のイオン性のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体、及びそれを含有してなる医薬用外用剤、化粧料等に関する。
【背景技術】
【0002】
コレステロールは細胞、細胞間脂質の構成成分であり、皮膚バリア機能を増強することから、皮膚や毛髪を健常にする成分として使用されている。ステロール類は、毛髪との馴染みが良く、毛髪、皮膚に分子サイズで供給すると肌荒れ修復効果、毛髪修復効果を奏することが期待されているが、例えば、代表的なステロールであるコレステロールの融点は130℃を超え、また、結晶性も高く、化粧品や医薬品に利用される油性成分との相溶性が低いことから、皮膚用又は毛髪用の外用組成物に配合することが困難であった。
【0003】
そのような課題を解決すべく、ステロール類の皮膚や毛髪への供給方法や各種ステロール誘導体が検討されてきた。
【0004】
ステロール類の皮膚や毛髪への供給するために、例えばステロールを配合した可溶化、エマルション、ナノエマルション、ベシクルなどの製剤化方法がある。しかしながら、ステロール類が130℃付近の融点を有し、又結晶化し易いために、容易に又は長期間結晶を析出しない製品を作ることが非常に困難である。また、化粧品や医薬品において利用されるリポソームには微量のコレステロール、フィトステロールがリポソーム構成成分として使用されているが、その作製は大変面倒で、高コストな工程により作られている。例えば、ステロール類、レシチン類を有機溶剤に溶解して均一にした後、薄膜にし、もしくはスプレードライなどで溶媒を飛ばして複合体を形成し、この複合体を高圧ホミジナイザーなどの大きな機械力を使用して水に微細に分散するというのが一般的な方法である。従って、無溶媒でかつ簡便にリポソームを作成する方法が望まれている。
【0005】
ステロール誘導体としては、コレステロールやフィトステロールなどと脂肪酸、有機酸などのエステルが皮膚、毛髪用油性成分として使用されている。具体的には、12−ヒドロキシステアリン酸コレステロール、12−ヒドロキシステアリン酸フィトステロール、オレイン酸コレステロール、イソステアリン酸コレステロールなどである(特許文献1〜2)。
【0006】
また、ステロール類を親油基とする乳化可溶化剤として、ポリオキシエチレン付加体が使われている。具体的なステロール類由来の乳化可溶化剤としてはポリオキシエチレン付加体が医薬化粧品用乳化可溶化剤(BPSシリーズ、DHCシリーズ、日光ケミカルズ社製)として、またラノステロール含むラノリンアルコールのポリオキシエチレン付加体(BWAシリーズ、日光ケミカルズ社製)が知られているほか、我々は、フィトステロールにポリオキシプロピレンおよびポリオキシエチレンを付加して合成した化合物は多価アルコールのべたつき感を低減することができることが報告されている(特許文献3)。
【0007】
ところで、イオン性のステロール誘導体については、いくつか報告されている。例えば、ステロール硫酸エステル塩は生体構成成分で化粧品及び医薬品での応用が望まれている。しかしながら、合成が難しいこと、合成できても精製が困難であり高価になることなどから、使用されていない。
【0008】
ところで、本発明者らは、すでにポリオキシアルキレンステロールエーテルの融点が低いことを見出している。例えば、ポリオキシプロピレン(5)フィトステロールエーテルの融点は28℃である。
【0009】
本発明者らは上述の事情に鑑み、適切なポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルを原料としたイオン性の誘導物であれば、上記課題が解決できるのではないかと想定し、イオン性のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体について鋭意研究の結果、ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルの硫酸エステル及び/又はその塩、リン酸エステル又はその塩、アルキルカルボン酸及び/又はその塩、カルボン酸エステル及び/又はその塩、4級アンモニウム及び/又はその塩は、皮膚や毛髪に効率的に作用する肌あれ改善効果や毛髪修復効果が顕著に優れることを見出した。
【0010】
なお、イオン性のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体としては、ポリオキシエチレンステロールエーテルシュウ酸誘導体(特許文献4)が知られているが、これは、ポリオキシエチレンの付加モル数が10モル以上を対象にした報告である。また、リン酸ポリオキシエチレンステロールエーテルリン酸誘導体(特許文献5)が知られているが、これは透明化粧水を提供するためのもので、水溶性の高いポリオキシエチレンの付加モル数が10モル以上を対象にした報告であり、ポリオキシアルキレン付加モル数が1〜10未満のイオン性のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体の外用組成物における効能は十分に明らかにされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開昭52−79030号公報
【特許文献2】特開平05−017317号公報
【特許文献3】特開2008−31074号公報
【特許文献4】特開昭58−223436号公報
【特許文献5】特開2006−306729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、皮膚や毛髪に効率的に作用することで優れた肌荒れ修復効果、傷んだ毛髪の修復効果を有する新規な構造のイオン性のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体、及びそれを含有する医薬品、化粧品などの外用剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本課題に対し、皮膚や毛髪に効率的に作用することで優れた肌荒れ修復効果、傷んだ毛髪の修復効果を有する新規な構造のイオン性のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を見出すために鋭意研究を行った結果、ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又ポリオキシアルキレンスタノールエーテルの硫酸エステル及び/又はその塩、リン酸エステル又はその塩、アルキルカルボン酸及び/又はその塩、カルボン酸エステル及び/又はその塩、4級アンモニウム及び/又はその塩は、それらの効果が顕著に優れることを見出した。
【発明の効果】
【0014】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を利用することにより、皮膚や毛髪に効率的に作用することで優れた肌荒れ修復効果、傷んだ毛髪の修復効果を有する、医薬品や化粧品などの皮膚外用組成物を簡便に製造することができる。また、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体は、単独で水に溶解する(分子サイズで水に分散する)ので、医薬品や化粧品等の外用剤組成物に簡便に利用できる。更には、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体は、乳化剤、可溶化剤、分散剤としても利用可能であるだけでなく、無溶媒でかつ簡便にリポソームを作成することができる他、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体と、ステロール類と、より好ましくはレシチン類とを併用することで、ステロール類の結晶析出を抑制し、ステロール類を効率的に皮膚や毛髪に吸着させることができるため、それらの効果が更に向上する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、化学式(1)で示すポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体に関する。
RO−(AO)n−B (1)
[式中、Rはコレステロール、フィトステロール、ラノステロール、エルゴステロール及びこれらの水素添加物であるコレスタノール、フィトスタノール、ラノスタノール、エルゴスタノールから選択されるステロール骨格を示し、Aはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドから選択される1種以上を共重合、ブロック重合又はランダム重合させたポリオキシアルキレン基を示し、nは、1〜10未満の整数を表す。また、Bは硫酸エステル基又はその塩、リン酸エステル基又はその塩、アルキルカルボン酸基又はその塩、カルボン酸エステル基又はその塩、4級アンモニウム基又はその塩を表す。]
【0016】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体の構成要素であるステロール類、即ち化学式(1)のRは、コレステロール、フィトステロール、ラノステロール、及びこれらの水素添加したコレスタノール、フィタスタノール、ラノスタノールなどをいう。
【0017】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体の中間生成物であるポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルとは、上記ステロール類に任意に上記のアルキレンオキシド単位、即ち化学式(1)のAOを含むものであり、具体的には、上記ステロール類に低級アルキレングリコールであるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールを付加させるか、又はエチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドから選択される2種以上を共重合、ブロック重合又はランダム重合させたポリオキシアルキレン基を通常の方法で付加したものである。本中間生成物では、好ましくは特殊な金属系触媒を用いて合成して、ポリオキシアルキレン鎖の分布の狭いことが望ましい。このポリオキシアルキレンオキシド付加モル数、即ち化学式(1)のnは、は10モル未満、好ましくは5モル以下である。
【0018】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体は、中間生成物であるポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルにイオン性を持たせる官能基であり(即ち化学式(1)のB)、具体的には、硫酸エステル基、リン酸エステル基、アルキルカルボン酸基、カルボン酸エステル基、4級アンモニウム基によりアニオン性もしくはカチオン性を付与した化合物である。
【0019】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体は公知の方法で容易に合成が可能である。
【0020】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルの硫酸エステル及び/又はその塩は、原料ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルにピリジンなどの無水硫酸錯体、もしくはスルファミン酸、もしくはクロロスルフォン酸を付加して得られるが、製造法はこれに限定されるものではない。
【0021】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルのアルキルカルボン酸及び/又はその塩は、原料ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルに水素化ナトリウムなどを作用させ、アルコラートを生成させ、それにモノクロル酢酸ソーダを付加して得たり、もしくは、無水クロム酸や過マンガン酸カリウムなどの酸化剤を作用させて得らたり、もしくは、TEMPOやAZADO酸化後、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸ナトリウムでさらに酸化させて得られるが、製造法はこれに限定されるものではない。
【0022】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルのカルボン酸エステル及び/又はその塩は、原料ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルに無水コハク酸や、無水マレイン酸、無水フタル酸などの二塩基酸無水物やアルキルフタル酸を作用させて得られるが、製造法はこれに限定されるものではない。
【0023】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルのリン酸エステル及び/又はその塩は、原料ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルにオキシ塩化リンや五酸化二リンなどのリン酸化剤を作用させて得られるが、製造法はこれに限定されるものではない。
【0024】
上記ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルの硫酸エステル、リン酸エステル、アルキルカルボン酸、カルボン酸エステルの塩としては、特に限定されるものではなく、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、アルギニン、リジンから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせからなるもの等が挙げられるが、特にナトリウム、カリウムが好ましい。
【0025】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルの4級アンモニウム化合物について、4級アンモニウム基は特に限定されないが、下記化学式(2)で示す構造を有することが好ましい。
【化1】

[式中、R2、R3、R4は水素、炭素数1〜22のアルキル基、アルケニル基、置換基を有してもよいアリール基を示す。また、R2、R3、R4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、環構造を形成してもよい。R5は水素、置換基を有してもよい炭素数1〜22のアルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、ベンゾイル基、アセチル基、ヒドロキシ基又はハロゲンを示す。R1は置換基を有してもよい炭素数1〜22のアルキル基、アルケニル基、アリーレン基を示す。]
【0026】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルの4級アンモニウム化合物の合成方法としては、例えば、原料ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルにグリシジルトリメチルアンモニウムクロリドなどのカチオン化剤を作用させて得たり、酸性触媒下、モノクロロ酢酸とエステル化させ、次いで、三級アミン類を付加させ、四級カチオン化物が得られるが、製造法はこれに限定されるものではない。
【0027】
上記ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルの4級アンモニウム化合物の塩としては、特に限定されるものではなく、ハロゲン、有機酸、アミノ酸、脂肪酸、炭素数1〜22のアルキル基又はアルケニル基を有するリン酸エステル、ホスホン酸エステル、スルホン酸エステル、硫酸エステルのアニオン残基から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせ等が挙げられるが、特にハロゲン、有機酸、アミノ酸が好ましい。
【0028】
一般的な親水性界面活性剤は軽微な皮膚刺激を有するが、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体は、後述する通り、皮膚刺激性が確認されず、優れた肌あれ改善効果、毛髪修復効果を示す。本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を利用することにより、皮膚や毛髪に効率的に作用することで優れた肌荒れ修復効果、傷んだ毛髪の修復効果を有する、医薬品や化粧品などの皮膚外用組成物を簡便に製造することができる。
【0029】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を医薬品や化粧品等の外用剤組成物に配合する場合、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体の配合量は、皮膚外用剤の用途や形態により異なり、制限されるものではないが、通常0.01〜40質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%である。この範囲であれば、本発明の効果をより発揮できる。
【0030】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を配合した外用剤組成物においては、通常医薬品、医薬部外品、化粧品に用いられる各種の成分、例えば、流動パラフィンなどの炭化水素、植物油脂、ロウ類、合成エステル油、シリコーン系の油相成分、高級アルコール、アルキルグリセリルエーテル、脂肪酸、界面活性剤、保湿剤、生理活性成分、紫外線吸収剤、粉体、高分子化合物、溶剤、pH調整剤、中和剤、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、香料、色素等を配合できる。これらを例示すると、油性原料としては、スクワラン、流動パラフィンなどの炭化水素類、オリーブ油、マカデミアンナッツ油、ホホバ油などの植物油、牛脂などの動物油、トリイソオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、パルミチン酸イソオクチルなどのエステル類、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、シクロメチコンなどのシリコーン類など。高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコールなど。アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキラルコール及びそれらの脂肪酸エステルなど。脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸など。界面活性剤としては、POEソルビタンモノオレート、POEソルビタンモノステアレートなどのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレートなどのPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレートなどのPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレート、POEモノイソステアレートなどのPOE脂肪酸エステル類、POEオレイルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEステアリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類、ショ糖脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどのノニオン界面活性剤、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸セッケン類、ラウリル硫酸ナトリウム、POEラウリル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル類、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイル−N−メチルタウリンナトリウム、ラウリルグルタミン酸ナトリウムなどのアシル化アミノ酸塩類、モノラウリルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、第4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤など。保湿成分としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、アミノ酸などのNMF成分、水溶性コラーゲン、エラスチンなど。生理活性成分としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、エラグ酸、ルシノールなどの美白剤、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、セラミドなどの肌荒れ防止剤、レチノール及びそれらの誘導体、ビタミンA酸およびそれらの誘導体などの抗老化剤や各種ビタミン類やその誘導体など。紫外線吸収剤としては、ジベンゾイルメタン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、安息香酸系化合物、サリチル酸系化合物、メトキシケイ皮酸系化合物など。粉体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、マイカなど。pH調整剤、中和剤としては、乳酸、クエン酸、エデト酸ナトリウムなど。酸化防止剤としては、α−トコフェロール、没食子酸など。防腐剤、抗菌剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、ソルビン酸などが挙げられる。
【0031】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を配合した外用剤組成物の剤型は任意であり、ローション、乳液、クリーム、パック、軟膏、分散液、固形物、ムース等の任意の剤型をとることができる。また、用途としては、化粧料の他、皮膚外用剤、医薬用軟膏等に好適に使用できる。
【0032】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体は、単独で水に溶解する(分子サイズで水に分散する)ので、医薬品や化粧品等の外用剤組成物に簡便に利用できる。更には、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体は、乳化剤、可溶化剤、分散剤としても利用可能であるだけでなく、無溶媒でかつ簡便にリポソームを作成することができる。
【0033】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体(以下(A)成分とする)については、(B)前記(A)以外のステロール類及び/又は液晶形成成分と、より好ましくは(C)レシチン類とを併用することで、ステロール類の結晶析出を抑制し、ステロール類を効率的に皮膚や毛髪に吸着させることができる。そのため、ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を単独で用いるよりも、上記成分と併用することでそれらの効果が更に向上する。
【0034】
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体と、ステロール類と、より好ましくはレシチン類との併用について詳述する。
【0035】
本発明の(A)ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体と、(B)前記(A)以外のステロール類及び/又は液晶形成成分と、より好ましくは(C)レシチン類との併用した外用組成物は、水分散物として提供することができる。
水分散物としては、本発明の(A)ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体と(B)前記(A)以外のステロール類及び/又は液晶形成成分を配合して出来る可溶化、マイクロエマルション、ナノエマルション、ステロールの結晶析出しないエマルション、ベシクル、リポソームなどが挙げられる。
【0036】
本発明の(A)ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体と、(B)前記(A)以外のステロール類及び/又は液晶形成成分とを併用した水分散物の製造方法としては、特に限定されるものではないが、(A)ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体と(B)前記(A)以外のステロール類及び/又は液晶形成成分を僅かな溶媒、もしくはジプロピレングリコールに溶解し、これを水に分散させると透明な水分散物を得ることができる。
【0037】
なお、油性成分と、(A)ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体と(B)前記(A)以外のステロール類及び/又は液晶形成成分を良く攪拌しながら一般的な乳化法で水相を加えると、エマルションとなり、ステロール類の結晶析出はほとんど起こらない。
【0038】
また、(A)ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体と(B)前記(A)以外のステロール類及び/又は液晶形成成分、(C)レシチン類をジプロピレングリコールなどの溶媒を使用して、機械力で微細分散させると安定なリポソームができる。
【0039】
このような水分散物は、本発明の(A)ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を使用して、初めて作ることができるものである。
【0040】
本水分散物の比率(質量比)は特に規定されるものではないが、本発明の(A)ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体と(B)前記(A)以外のステロール類の質量比(A)/(B)は、100/1〜1/10、好ましくは10/1〜1/10である。また、レシチン類を併用する場合は、ステロール類/レシチン類の質量比は1/10〜10/1で、好ましくは3/10〜10/10である。
【0041】
本水分散物に使用される(B)前記(A)以外のステロール類としては、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、エルゴステロールなどの植物ステロール(フィトステロール)、コレステロール、ラノステロール、エルゴステロール、ミコステロール、チモステロール及びこれらの水素添加物であるコレスタノール、フィトスタノール、ラノスタノール、エルゴスタノール、もしくはこれらの親油性ポリオキシアルキレン付加物であるポリオキシアルキレン付加コレステロール、ポリオキシアルキレン付加フィトステロール、ポリオキシアルキレン付加ラノステロール、ポリオキシアルキレン付加エルゴステロールおよびそれらの水素添加物であるポリオキシアルキレン付加コレスタノール、ポリオキシアルキレン付加フィトスタノール、ポリオキシアルキレン付加ラノスタノール、ポリオキシアルキレン付加エルゴスタノールなどが挙げられる。これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中で特に好ましいのは、コレステロール、コレスタノール、植物ステロール、植物スタノール、ポリオキシエチレン付加フィトステロール、ポリオキシプロピレン付加フィトステロールである。また、液晶形成成分としては、セタノールなどの高級アルコール、POE(10)オレイルアルコールなどの高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、セラキルアルコール、キミルアルコール、バチルアルコールなどのアルキルグリセリルエーテル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸トリグリセリルなどの非イオン性界面活性剤、上記ポリオキシエチレン付加フィトステロールやポリオキシプロピレン付加フィトステロールなどを挙げることができ、これらに限定されるものではない。これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中で特に好ましいのは、セラキルアルコール、キミルアルコール、バチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル等のアルキルグリセリルエーテル、モノオレイン酸ジグリセリル等の脂肪酸モノグリセリド、ポリオキシプロピレン付加フィトステロールである。
【0042】
本水分散物に使用される(C)レシチン類としては、大豆レシチン、卵黄レシチン、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチンなどのレシチン類、これらのレシチン類を酵素処理によりモノアシル体としたリゾレシチンおよびまたは水素添加リゾレシチン、ヒドロキシル化したヒドロキシレシチンなどを挙げることができる。また、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリンなどのレシチン中のリン脂質分画物もそれぞれ単品およびまたは混合して使用できる。これらの中で特に好ましいのは、大豆レシチン、水素添加大豆レシチンである。
【0043】
(A)ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体、及び、B)前記(A)以外のステロール類及び/又は液晶形成成分に加えて、(C)レシチン類を併用することで、その相乗効果により、ステロール類の結晶析出を抑制し、ステロール類を効率的に皮膚や毛髪に吸着させる効果がより向上する。
【0044】
本水分散物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上述したような化粧品、医薬部外品、医薬品等に配合される成分、例えば、流動パラフィンなどの炭化水素、植物油脂、ロウ類、合成エステル油、シリコーン系の油相成分、フッ素系の油相成分、高級アルコール類、脂肪酸類、界面活性剤、保湿剤、生理活性成分、紫外線吸収剤、粉体、高分子化合物、溶媒、pH調整剤、中和剤、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、香料、色素等を配合することができる。
【0045】
なお、ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体として、アミノ酸型(グリシン型、アミノプロピオン酸型)、ベタイン型(アミノ酢酸ベタイン型、スルホベタイン型)、等の両イオン性のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体や、ホスホリルコリン化ポリオキシアルキレンステロールエーテル及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテルについても、本発明の効果及び使用が期待できる。
【0046】
また、本発明の外用剤組成物は、肌荒れの予防及び緩和効果、日焼けによる色素沈着・しみ・そばかす・肝班等の予防及び緩和効果を発揮するが、毛髪の傷み改善及び/又は予防の効果も期待できる。
【0047】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。配合量は質量%である。
【実施例1】
【0048】
(製造例1)POP(5)フィトステロールエーテル硫酸ナトリウムの合成
POP(5)フィトステロールエーテル(日光ケミカルズ株式会社製)17.5gをトルエン150g、ピリジン12.3gに溶かし、無水硫酸・ピリジンコンプレックスを10.0g仕込んだ。室温で18時間反応させ、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和した。水洗後、減圧下でトルエンを留去し、POP(5)フィトステロールエーテル硫酸ナトリウム8.94gを得た。IR分析(2964.5cm−1、2958.2cm−1、2875cm−1、1463.7cm−1、1380.1cm−1、1244.3cm−1、1106.8cm−1)。
【実施例2】
【0049】
(製造例2)POE(1)フィトステロールエーテルメチルカルボン酸ナトリウムの合成
POE(2)フィトステロールエーテル(日光ケミカルズ株式会社製)10.0g、AZADO(日産化学社製、2-Azaadamantane N-Oxyl)0.002g、トルエン50g、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.7)50gを仕込んだ。NaOCl(0.3%)11.87g添加し、次いでNaOCl(25%)11.54g添加した。30℃で15時間反応させた。純水を100mL加え、水酸化ナトリウム水溶液により、pH8.5に調整した。亜硫酸水素ナトリウム3.37gを添加して、1時間攪拌した。酢酸エチル抽出を行い、水相を酸性(pH3)にし、酢酸エチル抽出を再度行い、酢酸エチル相を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、減圧濃縮しPOE(1)フィトステロールエーテルメチルカルボン酸ナトリウム9.4gを得た。IR分析(3405.8cm−1、2967.8cm−1、2850.5cm−1、2661.3cm−1、1758.9cm−1、1380.9cm−1、1107.3cm−1)。
【実施例3】
【0050】
(製造例3)POE(1)POP(5)フィトステロールエーテルマレイン酸エステルナトリウムの合成
定法に従い合成したPOE(1)POP(5)フィトステロールエーテル7.49g、無水マレイン酸0.98g、テトラヒドロフラン50gを仕込んだ。70℃で4時間還流させた。冷却後、10%水酸化ナトリウム水溶液を10g添加し、30分攪拌後、減圧下、テトラヒドロフランおよび過剰の水を留去し、POE(1)POP(5)フィトステロールエーテルマレイン酸エステルナトリウム8.57gを得た。IR分析(3397.8cm−1、2970.3cm−1、2965.3cm−1、2865.0cm−1、1761.2cm−1、1377.3cm−1、1110.7cm−1)。
【実施例4】
【0051】
(製造例4)POE(5)フィトステロールエーテルリン酸ナトリウムの合成
POE(5)フィトステロールエーテル(日光ケミカルズ株式会社製)10.0gをトルエン50gに溶解し、窒素雰囲気下、五酸化二リン1.15gを添加し、90℃で1時間撹拌した。次に、10%水酸化ナトリウム水溶液を12.6g添加し、30分間撹拌後、減圧下、トルエンおよび過剰の水を留去し、POE(5)フィトステロールエーテルリン酸ナトリウム11.7gを得た。IR分析(2933.2cm−1、2867.6cm−1、1460.8cm−1、1377.9cm−1、1243.9cm−1、1101.2cm−1、1017.3cm−1)。
【実施例5】
【0052】
(製造例5)塩化POP(5)フィトステロールエーテルトリメチルアンモニウムの合成
POP(5)フィトステロールエーテル(日光ケミカルズ株式会社製)14.1gと水酸化カリウム1.1gを仕込み、95℃まで加温、攪拌した。窒素雰囲気下、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド3.8gを添加し、140℃で2時間攪拌した。減圧下、水分を留去し、塩化POP(5)フィトステロールエーテルトリメチルアンモニウム15.8gを得た。IR分析(2964.1cm−1、2928.6cm−1、2867.6cm−1、1460.8cm−1、1377.9cm−1、1105.2cm−1
【実施例6】
【0053】
(製造例6)POP(5)フィトスタノールエーテル硫酸ナトリウムの合成
実施例1のPOP(5)フィトステロールエーテルをPOP(5)フィトスタノールエーテルに変えて、実施例1と同様に合成し、POP(5)フィトスタノールエーテル硫酸ナトリウム8.80gを得た。IR分析(2964.5cm−1、2958.2cm−1、2875cm−1、1463.7cm−1、1380.1cm−1、1244.3cm−1、1106.8cm−1)。
【実施例7】
【0054】
(製造例7)POE(1)フィトスタノールエーテルメチルカルボン酸ナトリウムの合成
実施例2のPOE(2)フィトステロールエーテルをPOP(2)フィトスタノールエーテルに変えて、実施例2と同様に合成し、POP(1)フィトスタノールエーテルメチルカルボン酸ナトリウム9.0gを得た。IR分析(3405.8cm−1、2967.8cm−1、2850.5cm−1、2661.3cm−1、1758.9cm−1、1380.9cm−1、1107.3cm−1)。
【実施例8】
【0055】
(製造例8)POE(1)POP(5)フィトスタノールエーテルマレイン酸エステルナトリウムの合成
実施例3のPOE(1)POP(5)フィトステロールエーテルをPOE(1)POP(5)フィトスタノールエーテルに変えて、実施例3と同様に合成し、POE(1)POP(5)フィトスタノールエーテルマレイン酸エステルナトリウム8.4gを得た。IR分析(3397.8cm−1、2970.3cm−1、2965.3cm−1、2865.0cm−1、1761.2cm−1、1377.3cm−1、1110.7cm−1)。
【実施例9】
【0056】
(製造例9)POE(5)フィトスタノールエーテルリン酸ナトリウムの合成
実施例4のPOE(5)フィトステロールエーテルをPOE(5)フィトスタノールエーテルに変えて、実施例4と同様に合成し、POE(5)フィトスタノールエーテルリン酸ナトリウム12.0gを得た。IR分析(2933.2cm−1、2867.6cm−1、1460.8cm−1、1377.9cm−1、1243.9cm−1、1101.2cm−1、1017.3cm−1)。
【実施例10】
【0057】
(製造例10)塩化POP(5)フィトスタノールエーテルトリメチルアンモニウムの合成
実施例5のPOP(5)フィトステロールエーテルをPOP(5)フィトスタノールエーテルに変えて、実施例5と同様に合成し、塩化POP(5)フィトスタノールエーテルトリメチルアンモニウム14.0gを得た。IR分析(2964.1cm−1、2928.6cm−1、2867.6cm−1、1460.8cm−1、1377.9cm−1、1105.2cm−1
【実施例11】
【0058】
(ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体の水溶液の荒れ肌改善効果)
表1の通り、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を合成し、肌荒れ修復効果を評価した。
下記試料の0.1%水溶液又は下記試料の0.01%に更にフィトステロールを0.01%加えた水溶液を用いて、角質水分蒸散量(TWEL)の測定を2チャンネル水分蒸散モニターAS−TW2(ASAHI BIOMED社製)を使用して行った。男性ボランティア(26―51歳)12名により、長期連用(4週)によるTEWL低下効果を評価した。試料の塗布部位は大腿部内側とし、塗布回数は2回/日とした。塗布開始前および塗布開始2、4週間経過後の塗布部位のTWELを測定し、この変化率から肌荒れ修復効果を評価した。なお、測定は、22℃、相対湿度45%に調整した恒温・恒湿室で行った。
【0059】
(結果)
表1に示すように、2週間及び4週間の連用において、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体が、比較品に対し有意に減少し、本発明品の皮膚改善効果が確認された。また、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体にフィトステロールをさらに0.01質量%併用することで、その変化率から相乗効果を示すことが明らかとなった。

【表1】

【実施例12】
【0060】
(ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を配合したクリームの荒れ肌改善効果)
【0061】
本発明のポリオキシプロピレン(5)フィトステロールエーテル硫酸ナトリウム(フィトステ5PO/SU・Na:製造品(SU−2))又はポリオキシプロピレン(3)フィトスタノールエーテルエチルカルボン酸アルギニン(フィトスタ3PO/CM・Na:製造品(AC−2))を配合した表2に示す処方のクリームを調製し、30代の男性ボランティア10名を用いて連用(2週間)による皮膚表面水分量測定試験を実施した。試料の塗布部位は脹脛とし、塗布回数は2回/日とした。塗布開始1、2週間経過後の塗布部位の皮膚コンダクタンスの変化を皮膚表面水分量測定装置SKICON200を用いて測定した。
【0062】
(結果)
表3に示すように、1週間及び2週間の連用において、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を含むクリームが比較例に対して皮膚コンダクタンスを上昇させることが確認された。従って、本発明品のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を含むクリームの保湿効果が確認された。
【表2】


(調整方法)
A相を80℃に加温して均一に溶解し、攪拌しながら、同温度に加温したB相を加えて、乳化した。40℃まで攪拌しながら冷却して試料とした。
【表3】

【実施例13】
【0063】
(ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を配合した毛髪用ミストによる毛髪修復効果)
【0064】
本発明のポリオキシエチレン(7)フィトステロールエーテル硫酸ナトリウム(フィトステ7EO/SU・Na:製造品(SU−1))、ポリオキシプロピレン(3)フィトステロールエーテルリン酸ナトリウム(フィトステ5EO/P・Na:製造品(P−2))、POE(5)フィトステロールエーテルクエン酸ナトリウム(フィトステ3EO/CA・Na:製造品(CE−1))又は塩化POE(6)フィトスタノールエーテルトリメチルアンモニウム(フィトスタ6EO/TMA・Cl:製造品(CA−1))を配合した表4に示す毛髪用の保湿ミストを調製し、20〜50の女性ボランティア10名を用いた毛髪修復効果の評価試験、及び毛束を用いた毛髪の水分量測定試験をおこなった。
毛髪修復効果の評価試験は、毛髪用保湿ミストを10日間使用した後に、毛髪のまとまり、修復感、つや感について聞き取り調査をおこない、下記判断基準により評価し、その評価値の平均値を算出して評価した。
毛束を用いた毛髪の水分量測定試験は、毛髪用保湿ミスト2gを毛束2gに塗布して自然乾燥した。25℃、相対湿度40%の雰囲気中に24時間保存して調湿した後、カールフィッシャー法により水分量を測定し、未処理毛に対する変化率で評価した。
(毛髪のまとまり感、修復感、つや感についての評価)
3:顕著に改善された。
2:改善された。
1:若干肌改善された。
0:全く効果が感じられない。
【0065】
(結果)
表5に示すように、毛髪修復効果の評価試験において本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を含む毛髪用ミストは、毛髪に修復感、つや感があるという評価が得られた。また、毛髪の水分量測定試験より、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を含む毛髪用ミスト毛髪の水分保持能に優れることが示された。更に、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体にPOE(30)フィトステロールを併用することで、毛髪修復効果及び毛髪の水分保持能が向上しており、相乗効果を示すことが明らかとなった。
【表4】

【表5】

【実施例14】
【0066】
(ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体を利用したナノエマルション1)
【0067】
本発明のポリオキシエチレン(4)ポリオキシブチレン(1)フィトステロールエーテルリン酸アルギニン(4EO・1BO/P・Arg:製造品(P−4))又は塩化POP(3)フィトステロールエーテルトリメチルアンモニウム(フィトステ3PO/TMA・Cl:製造品(CA−2))と、POE(10)フィトステロールとを表6に記載の比率で組み合わせて、その乳化性能を評価した。得られた乳化物については、粒径及び安定性(40℃、3ヶ月保存)を測定した。
【0068】
(結果)
表6に示すように、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体は、単独でも十分な乳化性能を有しており、微細なエマルションを得られることが確認された。また、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体とPOE(10)フィトステロールを同量程度で組み合せると透明〜半透明のエマルションが得られることが確認された。即ち、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体は、POE付加フィトステアリルエーテルと組合せると相乗的に優れた乳化力の発現が見られ、高圧ホモジナイザーを使わずに、ホモミキサーにて容易にナノエマルションを調製できることが示された。
本試験で得られた乳化物はいずれも、40℃に3ヶ月放置して安定であった。
【0069】
(処方)
A相 乳化剤* 2.0(%)
大豆油 10.0
B相 精製水 残余
本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はPOE(10)フィトステロール
(調製方法)
A相を加温し均一に溶解した。ホモミキサーにてA相を攪拌しながらB相を添加し、乳化した。
【表6】

【実施例15】
【0070】
(ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体を利用したナノエマルション2)
【0071】
実施例14で使用したポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体と、各種液晶形成成分とを表7に示すように組み合わせて乳化性能を評価した。
【0072】
(結果)
表7に示すように、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体は、液晶形成成分と組み合せることで相乗的に優れた乳化力の発現が見られ、ホモミキサーにて容易にナノエマルションを調製できることが示された。
【0073】
(処方)
A相 ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体 0.8(%)
液晶形成成分 1.2
大豆油 10.0
B相 精製水 残余
(調製方法)
A相を加温し均一に溶解した。ホモミキサーにてA相を攪拌しながらB相を添加し、乳化した。
【表7】

【実施例16】
【0074】
(ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体を利用した半透明のエマルション)
【0075】
本発明のPOE(2)POB(1)コレステロールエーテルメチルカルボン酸イソプロパノールアミン(コレステ2EO・1BO/CM・IPA:製造品(AC−3))と、バチルアルコールと組み合わせた下記処方にてローションを作成した。
【0076】
(結果)
ローションは半透明なエマルションであった。40℃に3ヶ月放置したところ外観に変化はなく、顕微鏡で観察しても、ローションに含まれるセラミドの結晶の析出は認められず、安定に配合できることが示された。
【0077】
(処方)
A相 コレステ2EO・1BO/CM・IPA
(製造品(AC−3)) 0.5(%)
モノイソステアリン酸グリセリル 0.5
バチルアルコール 0.5
イソオクタン酸トリグリセリド 10.0
セラミド3 0.1
B相 防腐剤 適量
精製水 残余
(調製方法)
A相を加温し均一に溶解した。ホモミキサー攪拌をしながら、B相を加えて乳化した。乳化終了後攪拌をしながら冷却して、室温にて放置した。
【実施例17】
【0078】
(ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を利用したリポソーム)
【0079】
実施例14及び15と同様の調製方法にて、本発明のポリオキシエチレン(7)フィトスタノールエーテル硫酸ナトリウム(フィトスタ7EO/SU・Na:製造品(SU−1))、ポリオキシプロピレン(3)フィトステロールエーテルリン酸ナトリウム(フィトステ5PO/P・Na:製造品(P−2))、POE(1)POP(5)コレスタノールエーテルマレイン酸ナトリウム(コレスタ1EO・5PO/MA・Na:製造品(CE−3))又は塩化POP(3)フィトステロールエーテルトリメチルアンモニウム(フィトステ3PO/TMA・Cl:製造品(CA−2))を利用したリポソームを調製した。得られたリポソームについては、粒径及び安定性(40℃、6ヶ月保存)を測定した。
【0080】
(結果)
表8に示すように、本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を利用することで、有機溶剤を使うことなく安定なリポソームを作ることができた。本試験で得られたリポソームはいずれも、6ヶ月放置して安定であった。
【0081】
(処方)
A相 精製レシチン(PC含量80%) 2.0(%)
ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又は
ポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体 2.0
エチレングリコール 10.0
精製水 1.0
B相 精製水 残余
(調製方法)
A相を70℃に加熱し均一に混合した。A相を攪拌しながら同温度以上に加温したB相を加え、ホモミキサーにて3000rpm、10分間処理した後、急冷した。
【表8】

【実施例18】
【0082】
(ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を利用した可溶化物)
【0083】
実施例14及び15と同様の調製方法にて、実施例17で使用したポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を可溶化剤として利用したビタミンE配合のローションを調製した。得られたローションについては、40℃にて保存したときの本ローションに含まれるビタミンEの残存率(%)を測定した。
【0084】
(結果)
表9に示すように、ビタミンEを安定に可溶化したローションを得ることができた。本ローションに含まれるビタミンEは長期間安定であった。
【0085】
(処方)
A相 セラキルアルコール 1.0(%)
ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又は
ポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体 0.5
ビタミンE 0.1
スクワラン 2.0
B相 精製水 残余
【表9】

【0086】
次に、実施例を挙げて本発明のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を配合した皮膚外用組成物について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例19】
【0087】
(ローション1 <可溶化>)
POE(3)コレステロールエーテルリン酸ナトリウム 0.1(%)
コレステロール 0.1
DPG 10.0
精製水 残余
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
フィトステロールが安定に可溶化できており、透明ローションが得られた。
【実施例20】
【0088】
(ローション2 <ナノエマルション>)
フィトステロール 0.1(%)
マカデミアナッツ油 5.0
POB(3)フィトステロールエーテル硫酸ナトリウム
(製造品(SU−3)) 0.5
精製水 残余
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
フィトステロールが安定に乳化されており、半透明ローションが得られた。
【実施例21】
【0089】
(ローション3 <リポソーム>)
フィトステロール 0.05
水素添加大豆レシチン(PC含量80%) 0.2
POP(5)コレステロールエーテルクエン酸ナトリウム
0.05
DPG 7.0
天然ビタミンE 0.02
精製水 残余
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
実施例13の毛髪修復効果の評価試験を実施したところ、毛髪に修復感、艶感が優れていた。
【実施例22】
【0090】
(化粧水)
エチルアルコール 5.0(%)
グリセリン 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
POE(4)POB(2)フィトステロールエーテ
ル硫酸アルギニン(製造品(SU−5))1.0
フィトステロール 0.1
POP(5)フィトステロール 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.03
トリメチルグリシン 1.0
ポリアスパラギン酸ナトリウム 0.1
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.1
酢酸トコフェロール 0.1
EDTA−2Na 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.05
水酸化カリウム 0.02
防腐剤 適量
精製水 残余
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル及び酢酸トコフェロールが安定に可溶化できており、透明ローションが得られた。
【実施例23】
【0091】
(乳液)
スクワラン 5.0(%)
2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
ジメチルポリシロキサン 0.5
パルミチン酸セチル 0.5
ベヘニルアルコール 1.5
ステアリン酸 0.5
セラミド2 0.1
水素添加トコフェロール 0.1
キミルアルコール 0.1
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン
1.0
テトラオレイン酸POE(40)ソルビタン
1.5
POE(2)POP(2)フィトステロールエーテ
ルリン酸ナトリウム(製造品(P−3))0.2
POE(30)フィトステロール 0.1
プロピレングリコール 7.0
キサンタンガム 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
実施例12の荒れ肌改善効果の評価試験を実施したところ、保湿効果が優れており、乳化状態も良好であった。
【実施例24】
【0092】
(保湿クリーム)
3−O−ヘキサデシル−L−アスコルビン酸
0.3(%)
トリヘキシルデカン酸ピリドキシン 0.5
dl−α−トコフェロール 0.2
パルミチン酸レチノール 0.1
水添レチノール 0.1
スクワラン 10.0
ミリスチン酸イソセチル 6.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
マカデミアナッツ油 1.0
ジメチルポリシロキサン 0.2
セタノール 5.0
POE(20)セチルエーテル 1.0
テトラオレイン酸POE(40)ソルビット
0.5
モノステアリン酸グリセリル 1.0
水素添加大豆レシチン 0.2
POE(1)POP(3)フィトステロールエー
テル硫酸ナトリウム(製造品(SU−4))
0.2
1,3−ブチレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
常法に従い調製した。
(結果)
実施例12の荒れ肌改善効果の評価試験を実施したところ、保湿効果が優れており、乳化状態も良好であった。
【実施例25】
【0093】
(日焼け止めクリーム)
流動パラフィン 7.0(%)
デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0
セチルアルコール 4.0
縮合リシノール酸ヘキサグリセリル 0.5
POE(20)セチルエーテル 1.0
パラメトキシ桂皮酸オクチル 7.0
酸化チタン 3.0
POP(5)フィトステロールエーテル硫酸ナト
リウム(製造品(SU−2)) 0.5
dl−α−トコフェロール 0.2
1,3−ブチレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.3
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.1
クワエキス 0.1
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
実施例12の荒れ肌改善効果の評価試験を実施したところ、保湿効果が優れており、乳化状態も良好であった。
【実施例26】
【0094】
(ファンデーションクリーム)
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5(%)
サリチル酸エチルヘキシル 5.0
酸化チタン 8.0
酸化亜鉛 5.0
ジメチコン6mm/s 4.0
フェニルメチルシリコーン 3.0
トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン 2.0
パルミチン酸エチルヘキシル 5.0
モノステアリン酸ポリグリセリル−2 0.8
ステアリルアルコール 1.4
ベヘニルアルコール 1.6
POP(3)フィトスタノールエーテルエチルカル
ボン酸ナトリウム(製造品(AC−2)) 0.3
POE(5)フィトステロールエーテルメチルカル
ボン酸ナトリウム(製造品(AC−1)) 0.2
1,3−ブチレングリコール 7.0
グリセリン 5.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.2
キサンタンガム 0.3
EDTA−2Na 適量
アルギニン 適量
防腐剤 適量
精製水 残余
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
実施例12の荒れ肌改善効果の評価試験を実施したところ、保湿効果が優れており、乳化状態も良好であった。
【実施例27】
【0095】
(クレンジングクリーム)
グリチルレチン酸ステアリル 0.1(%)
セタノール 1.0
ステアリルアルコール 2.0
酢酸トコフェロール 0.3
オリーブスクワラン 5.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 10.0
水添ポリデセン 15.0
シクロメチコン 25.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
グリセリン 2.0
POE(5)フィトステロールエーテルリン酸カリウム
(製造品(P−1)) 1.0
POP(3)フィトステロール 0.2
防腐剤 適量
精製水 残余
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
パネルを用いて官能評価を実施したところ、肌荒れしにくく、洗い上がりの肌の状態が良好であった。また、乳化状態も良好であった。
【実施例28】
【0096】
(スクラブ剤配合洗顔クリーム)
ラウリン酸 3.0
ミリスチン酸 15.0
パルミチン酸 3.0
ステアリン酸 3.0
POE(80)硬化ヒマシ油 2.0
モノステアリン酸グリセリル 2.0
ジステアリン酸PEG−3 2.0
硬化ヒマシ油 1.0
ココイルメチルタウリンナトリウム(30%水溶液)
4.0
POE(3)アルキル(12,13)エーテル硫酸ナト
リウム(27%水溶液) 10.0
コカミドプトピルベタイン(30%水溶液) 9.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0
グリセリン 30.0
水酸化カリウム 5.4
精製水 8.25
POE(5)フィトステロールエーテルメチルカルボ
ン酸ナトリウム(製造品(AC−1)) 1.0
EDTA−4Na 0.05
スクラブ剤 8.0
防腐剤 適量
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
パネルを用いて官能評価を実施したところ、肌荒れしにくく、洗い上がりの肌の状態が良好であった。
【実施例29】
【0097】
(コンディショニングシャンプー)
POE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
(27%水溶液) 30.0(%)
カルボキシル化POE(4.5)ラウリルエー
テルナトリウム(25%水溶液) 25.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(30%)
10.0
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 1.0
塩化POE(1)POP(2)コレステロールエーテ
ルトリメチルアンモニウム(製造品(CA−4))
1.0
ジステアリン酸ポリエチレングリコール 2.0
スクワラン 2.0
コレステロール 0.1
水酸化レシチン 0.5
大豆蛋白加水分解物 0.2
リン酸 0.4
防腐剤 適量
精製水 残余
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
実施例8の毛髪修復効果の評価試験を実施したところ、保湿効果が優れており、乳化状態も良好であった。
【実施例30】
【0098】
(ヘアコンディショナー)
塩化POB(5)フィトステロールエーテルモノセチル
ジメチルアンモニウム 2.0(%)
塩化POP(3)フィトステロールエーテルトリメチル
アンモニウム(製造品(CA−2)) 2.0
POE(10)コレスタノール 1.0
水素添加大豆レシチン 1.0
リゾレシチン 0.1
ステアリン酸 2.0
ベヘニルアルコール 8.0
ジメチコン6mm/s 8.0
イソステアリルアルコール 2.0
ジメチルポリシロキサン(シリコーンゴム) 1.0
流動パラフィン 1.0
ステアリン酸ポリグリセリル 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
グルタミン酸 0.8
防腐剤 適量
精製水 残余
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
実施例8の毛髪修復効果の評価試験を実施したところ、保湿効果が顕著に優れており、乳化状態も良好であった。
【実施例31】
【0099】
(入浴剤)
テトラオレイン酸POE(30)ソルビタン 7.0(%)
POE(2)オレイルエーテル 2.0
セスキオレイン酸ソルビタン 2.0
水酸化レシチン 0.5
グリセリン 0.5
混合植物エキス 1.4
ホホバ油 1.0
POE(3)フィトステロールエーテルクエン酸ナト
リウム(製造品(CE−1)) 1.0
POE(3)フィトステロール 0.3
dl−α―トコフェロール 0.1
防腐剤 適量
流動パラフィン(#70) 残部
(調製方法)
常法に従い、調製した。
(結果)
パネルを用いて官能評価を実施したところ、入浴後は肌荒れしにくく、肌の状態が良好であった。
【実施例32】
【0100】
外用剤(軟膏製剤)
POP(5)フィトステロールエーテル硫酸ナトリウム
(製造品(SU−2)) 5.0(%)
POE(30)セチルエーテル 2.0
モノステアリン酸グリセリル 10.0
流動パラフィン 10.0
白色ワセリン 5.0
セタノール 6.0
プロピレングリコール 10.0
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
軟膏組成物の製造方法の常法に従い、乳化組成物を調製した。
(結果)
実施例12の荒れ肌改善効果の評価試験を実施したところ、保湿効果が優れており、乳化状態も良好であった。
【実施例33】
【0101】
外用剤(乳剤)
POB(3)フィトステロールエーテルプロピルカル
ボン酸ナトリウム 1.0(%)
リン酸化グリセリルエーテル 1.0
白色ワセリン 1.0
マイクロクリスタリンワックス 3.0
フィトステロール 0.2
ラノリン 10.0
モノオレイン酸ソルビタン 4.75
モノオレイン酸POE(20)ソルビタン 0.25
グリセリン 5.0
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
乳剤組成物の製造方法の常法に従い、乳化組成物を調製した。
(結果)
実施例12の荒れ肌改善効果の評価試験を実施したところ、保湿効果が優れており、乳化状態も良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(1)で示すポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体。
RO−(AO)n−B (1)
[式中、Rはコレステロール、フィトステロール、ラノステロール、エルゴステロール及びこれらの水素添加物であるコレスタノール、フィトスタノール、ラノスタノール、エルゴスタノールから選択されるステロール骨格を示し、Aはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドから選択される1種以上を共重合、ブロック重合又はランダム重合させたポリオキシアルキレン基を示し、nは、1〜10未満の整数を表す。また、Bは硫酸エステル基又はその塩、リン酸エステル基又はその塩、アルキルカルボン酸基又はその塩、カルボン酸エステル基又はその塩、4級アンモニウム基又はその塩を表す。]
【請求項2】
前記nが、1〜5の整数であることを特徴とする請求項1に記載のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体。
【請求項3】
前記Bのカルボン酸エステル基が、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、シュウ酸の1種又は2種以上の混合物に由来する基であり、4級アンモニウム基が、トリアルキルアンモニウム基である請求項1又は2に記載のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体を含有する外用剤組成物。
【請求項5】
次の成分(A)、(B)を含有する外用剤組成物。
(A)前記ポリオキシアルキレンステロールエーテル誘導体及び/又はポリオキシアルキレンスタノールエーテル誘導体
(B)前記(A)以外のステロール類
【請求項6】
前記成分(B)のステロール類が、コレステロール、フィトステロール、ラノステロール、エルゴステロール及びこれらの水素添加物であるコレスタノール、フィトスタノール、ラノスタノール、エルゴスタノール、もしくはこれらのポリオキシアルキレン付加物であるポリオキシアルキレン付加コレステロール、ポリオキシアルキレン付加フィトステロール、ポリオキシアルキレン付加ラノステロール、ポリオキシアルキレン付加エルゴステロールおよびそれらの水素添加物であるポリオキシアルキレン付加コレスタノール、ポリオキシアルキレン付加フィタスタノール、ポリオキシアルキレン付加ラノスタノール、ポリオキシアルキレン付加エルゴスタノールからなる群から選択される1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項5に記載の外用剤組成物。
【請求項7】
更に成分(C)としてレシチン類を含有する請求項5又は6に記載の外用剤組成物。
【請求項8】
前記成分(C)のレシチン類が、植物由来レシチン、それらの水素添加物、それらの水酸化物からなる群から選択される1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項7に記載の外用剤組成物。
【請求項9】
前記外用剤組成物が、皮膚用化粧料である請求項4〜8のいずれか1項に記載の外用剤組成物。
【請求項10】
前記外用剤組成物が、毛髪用化粧料である請求項4〜8のいずれか1項に記載の外用剤組成物。

【公開番号】特開2011−195461(P2011−195461A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60553(P2010−60553)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000226437)日光ケミカルズ株式会社 (60)
【出願人】(000228729)日本サーファクタント工業株式会社 (44)
【出願人】(301068114)株式会社コスモステクニカルセンター (57)
【Fターム(参考)】