説明

ポリオレフィン分散液、フロスおよびフォーム

ポリオレフィン分散液、フロスおよびフォーム、ならびにそれらから製造される物品を開示する。水性分散液から熱可塑性フォームを生成するための方法も開示する。前記水性分散液は、熱可塑性樹脂、水および安定剤を含むことができる。前記方法は、少なくとも1つの起泡性界面活性剤を前記水性分散液に添加して混合物を形成することと、難燃剤および/または相変化材料を添加することと、その混合物を起泡させてフロスを作ることと、水の少なくとも一部分を除去してフォームを生じさせることとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する実施形態は、一般に、ポリオレフィンフォームの製造に関する。具体的には、本明細書に開示する実施形態は、難燃剤および/または相変化剤を含有するポリオレフィン分散液、フロスおよびフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーフォームは、その物理的および機械的特性のため、ポリマーフォームを多種多様な用途、例えば、防火遮断層、吸収性物品、消音、断熱、スポーツ防護用品および包装材料に適する。フォームおよびフォーム材料には次の6つの基本タイプがある。連続気泡タイプ、独立気泡タイプ、軟質タイプ、硬質タイプ、網状タイプおよびシンタクチックタイプ。連続気泡フォームは、相互に接続した気孔または気泡を有し、濾過用途に適する。独立気泡フォームは、相互に接続した気孔または気泡を有さないが、浮力または浮選用途に有用である。軟質フォームは、ひび割れまたは離層することなく、曲がること、たわむこと、または衝撃を吸収することができる。網状フォームは、細い材料のストランドが相互に接続している網様構造から成るマトリックスを有する、非常に開放的な構造を有する。硬質フォームは、柔軟性がほとんど無いか全く無いマトリックスを特徴とする。シンタクチックフォームは、プラスチックまたは樹脂マトリックスによって互いに保持されている硬質マイクロスフェアまたはガラスマイクロバルーンから成る。フォーム技術の中で急速に拡大しつつある分野は、より厳しい政府基準によって課される難燃性物品に関する要求を満たすための難燃性フォームの開発である。
【0003】
ポリマーフォームの可燃性を減少させる最も一般的な方法は、難燃剤、例えばハロゲン化化合物またはリン酸エステル、のフォーム配合物への添合である。そのような化合物は、フォームの難燃特性の多少の改善をもたらすが、これらの材料の添合は、他のフォーム特性を損なわせることがある。例えば、政府の難燃性基準の厳重さが増してきている布張り家具業界では、従来の難燃剤系は、その難燃剤系の添合に随伴する剛性の増大のため、布のソフトな感触を低下させることが多い。
【0004】
燃焼には空気が必要であるので、難燃用途には、多くの場合、独立気泡フォームが使用されてきた。独立気泡フォーム材料の中に閉じ込められる利用可能な可燃性空気の量は限られているからである。一般に、独立気泡フォームは、空気以外のガス発泡剤、例えばフルオロ炭化水素、を使用してフォーム構造を作ることによって形成される。しかし、独立気泡構造のため、独立気泡フォーム内の利用可能な限られた容量が、そのフォーム構造の完全性を維持しながら添合することができる難燃性添加剤の量を限定する。さらに、難燃性フォームを布に塗布すると、それらが堅くなる傾向があるので、ソフトな感触が消費者にとって重要であり得る場合、独立気泡フォームはあまり望ましくないと一般に考えられている。
【0005】
加えて、独立気泡構造よって、添合することができる難燃性添加剤のタイプが限定される場合があり、難燃剤をフォームに添合することができる方法も限定されることがある。例えば、独立気泡ガス発泡フォームは、難燃性添加剤、例えば臭素化、塩素化またはリン系材料の添合によって難燃性にすることができる。添合することができるこれらの難燃性材料の量は、その材料と発泡させるポリマーの相溶性によって制限される場合もある。ガス発泡フォームには、フォームを形成するために良好な皮膜形成能が必要である。実際は粒状であるまたは発泡用材料と不相溶性である難燃性添加剤の使用は、その皮膜形成能を妨げて、良好な質のフォームの形成を難しくする。
【0006】
難燃用途における独立気泡フォームの使用に関するもう1つの欠点は、独立気泡フォームが、多くの場合、炎源から離れて収縮しないという点である。独立気泡の中に閉じ込められたガスのため、独立気泡フォームは、炎のほうに膨脹して火の良好な燃料源となる場合がある。
【0007】
連続気泡フォームは、独立気泡フォームの二次加工によって形成することができる。これは、当業者に公知の制限がある、フォーム構造への難燃剤の組み込みのために、さらなる方法を使用する手だてとなり得る。
【0008】
上で論じた、より堅い独立気泡フォームとは対照的に、連続気泡フォームは、消費者が布材料に求める弾力性およびソフトな感触といった特質を有する。連続気泡構造は、一般に、水(水蒸気)を発泡剤として使用して形成され、空気が最終フォーム構造の空隙空間の大部分を構成する。連続気泡構造は、有意な量の可燃性空気を閉じ込め、その上、より大きな空隙が、より大量の難燃性フィラーおよび他の添加剤を取り込むための、より大きな表面積および容量を提供する。重要なことは、フォーム構造を傷つけることなく、連続気泡構造がより多くのこれらの添加剤を収容できることである。
【0009】
難燃剤をフォームに組み込むための方法が幾つか存在する。例えば、難燃剤は、一般に、米国特許公開第20040138351号に記載されているものなどのドライブレンドプロセスによって従来の発泡フォームに組み込まれている。米国特許公開第20040138351号公報では、ポリエチレンを様々な可能なメラミンおよび有機ハロゲンまたは有機リン系難燃剤組成物とドライブレンドし、その後、ペレット化したブレンドを発泡させてフォームにした。
【0010】
米国特許第5,132,171号には、難燃剤を含有する連続気泡フォームが開示されている。この連続気泡フォームは、難燃剤が組み込まれている独立気泡フォームを機械的圧縮に付して気泡膜を破壊し、結果として連続気泡構造を生じさせることにより形成される。第二の難燃剤を含有する溶液にフォームを含浸させ、過剰な溶液をしぼり出すことによって、第二の難燃剤もその連続気泡構造に含浸させる。異なる難燃剤のこの二段階の組み込みが、難燃性の相乗的改善をもたらした。
【0011】
難燃剤ゲルコーティングを発泡ポリマー材料の上に配置する、難燃剤を組み込むためのもう1つ戦略が、米国特許公開第20010006865号に開示されている。このプロセスは、独立気泡フォームを用いて行うこともでき、連続気泡フォームを用いて行うこともできるが、連続気泡フォームをゲルコーティングする利点は、浸漬およびしぼり出しプロセスによってフォーム構造全体にゲルコーティングが含浸されることとなる点である。
【0012】
フォームの形成における最後の課題は、乾燥プロセス中の一貫性がなく望ましくないフォームのつぶれであるため、これは、フォームの特性を制御し難くする。この問題をさらに複雑にするのは、最終フォーム構造に悪影響を与えることがある界面活性剤および難燃性添加剤の存在であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許公開第20040138351号
【特許文献2】米国特許第5,132,171号
【特許文献3】米国特許公開第20010006865号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、基本的なフォームの機能を保ちながら難燃特性を強化する発泡技術の開発が、引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、水性分散液に関する。前記水性分散液は、熱可塑性樹脂と、少なくとも1つの安定剤と、少なくとも1つの難燃剤と、水をと含むことができる。
【0016】
もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、水性フロスに関する。前記水性フロスは、熱可塑性樹脂と、水と、起泡性界面活性剤と、ガスと、少なくとも1つの難燃剤とを含むことができる。
【0017】
他の態様において、本明細書に開示する実施形態は、水性分散液から誘導されるフォームに関し、前記水性分散液は、熱可塑性樹脂と、少なくとも1つの安定剤と、少なくとも1つの難燃剤と、水とを含むことができる。
【0018】
他の態様において、本明細書に開示する実施形態は、水性フロスから誘導されるフォームに関し、前記フロスは、熱可塑性樹脂と、水と、起泡性界面活性剤と、ガスと、少なくとも1つの難燃剤とを含むことができる。
【0019】
もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、水性分散液から難燃性熱可塑性フォームを生成するための方法に関する。前記水性分散液は、熱可塑性樹脂と、水と安定剤とを含むことができる。前記方法は、少なくとも1つの起泡性界面活性剤を水性分散液に添加して混合物を作ることと、難燃剤を添加することと、その混合物を起泡させてフロスを作ることと、水の少なくとも一部分を除去してフォームを生じさせることとを含むことができる。
【0020】
もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、水性分散液に関する。前記水性分散液は、熱可塑性樹脂と、少なくとも1つの安定剤と、少なくとも1つの相変化材料と、水とを含むことができる。
【0021】
もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、難燃性フォームに関する。前記フォームは、熱可塑性樹脂と少なくとも1つの難燃剤とを含むことができ、前記少なくとも1つの難燃剤は、その熱可塑性樹脂とその少なくとも1つの難燃剤の総重量の約5から約70パーセントであり得る。
【0022】
もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、水性フロスに関する。前記水性フロスは、熱可塑性樹脂と、水と、起泡性界面活性剤と、ガスと、少なくとも1つの相変化材料とを含むことができる。
【0023】
もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、水性分散液から熱可塑性フォームを生成するための方法に関する。前記水性分散液は、熱可塑性樹脂と、水と安定剤とを含むことができる。前記方法は、少なくとも1つの起泡性界面活性剤を水性分散液に添加して混合物を形成することと、相変化材料を添加することと、その混合物を起泡させてフロスを作ることと、水の少なくとも一部分を除去してフォームを生じさせることとを含み、この場合、作られるフォームは、20重量パーセントまたはそれ以下の残留水を含む。
【0024】
もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、フォームに関する。前記フォームは、熱可塑性樹脂と少なくとも1つの相変化材料とを含むことができ、前記少なくとも1つの相変化材料は、その熱可塑性樹脂とその少なくとも1つの相変化材料の総重量の約5から約70パーセントであり得る。
【0025】
本発明の他の態様および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本明細書に開示する実施形態に従って分散液を配合する際に使用することができる押出機を示す。
【0027】
【図2】本明細書に開示するフォーム/椅子張り構造の実施形態の温度対時間挙動を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書に開示する実施形態は、難燃性フォームおよびそのようなフォームを形成する方法に関する。特に、一定の実施形態は、熱可塑性樹脂および難燃性添加剤を用いて形成されるフォームに関する。本発明に開示する他の実施形態は、熱可塑性樹脂および相変化材料を用いて形成されるフォームに関する。特に、本実施形態は、難燃性添加剤、相変化材料、またはそれらの組み合わせと併せられているポリオレフィンの水性分散液から形成されるフォームに関する。以下の説明には、本発明を理解できるように多数の詳細を記載する。しかし、これらの詳細を用いずに本発明を実施することができること、および記載する実施形態からの非常に多くの変形および変更が可能であり得ることは、当業者には理解される。
【0029】
本明細書に開示する1つの実施形態は、難燃性熱可塑性フォームを生成するための方法を含む。本開示の難燃性構造は、難燃性添加剤と水性分散液を混合することによって形成することができ、この場合の水性分散液は、熱可塑性樹脂と、水と、分散安定剤とを含むことができる。前記難燃性添加剤と水性分散液の混合物を起泡させてフロスを作ることができ、それを布または他の支持体上に置き、その後、乾燥させて水の少なくとも一部分を除去し、フォームを形成することができる。
【0030】
本明細書において用いる場合、用語「起泡させる」または「起泡された」は、相当な容量の空気または他のガスを液体に組み込むプロセスを指し、一部の実施形態において、起泡された材料の少なくとも10容量パーセントは、気体成分から成る。他の実施形態において、起泡された材料の少なくとも30容量パーセントは、気体成分から成り;起泡された材料の少なくとも50容量パーセントは、気体成分から成り;起泡された材料の少なくとも70容量パーセントは、気体成分から成り;起泡された材料の少なくとも80容量パーセントは、気体成分から成り;起泡された材料の少なくとも85容量パーセントは、気体成分から成り;およびさらに他の実施形態において、起泡された材料の少なくとも90容量パーセントは、気体成分から成る。前記液体は、分子溶液、ミセル溶液、または水性もしくは有機媒質中の分散液であり得る。一般に、起泡された液体は、機械的方法、例えば、周囲条件下での高剪断混合または場合によっては、攪拌しながらのその系へのガスの注入によって作られる。用語「フロス」は、本明細書において用いる場合、乾燥するまたは液体媒質を除去する前の、上で説明したような起泡された液体を指す。
【0031】
用語「フォーム」は、本明細書において用いる場合、フロスから液体媒質の相当な部分を除去することによって形成された弾性構造を指す。液体媒質をフロスから除去すると、ポリマーは皮膜を形成して、結果として生ずる構造に安定性を与える。皮膜形成は、中でも、フロスの中のポリマーの融点、液体媒質の除去率(すなわち、蒸発率)および全フロス組成をはじめとする、可変因子に依存し得る。例えば、水性分散液から形成されたフロスから水を除去すると、その分散液に含まれるポリマーが合着して皮膜を形成し、結果として生ずるフォームに構造および弾性を与える。一部の実施形態において、残留液体の量が、0から20重量パーセント;他の実施形態において0から10重量パーセント;およびさらに他の実施形態において0から8重量パーセントの範囲にわたるフォームを形成することができる。
【0032】
本明細書に開示するフォームの実施形態は、連続気泡フォームであり得る。本明細書において用いる場合、「連続気泡」は、互いに接続して、相互に接続した網様構造を形成している起泡を意味する。さらに、「連続気泡率」は、フォーム中の気泡の総容量に対する連続気泡の容量の比率を意味する。
【0033】
水性分散液
【0034】
より一般的に、本明細書に開示する実施形態は、難燃剤、相変化材料およびこれらの組み合わせを含むフロスおよびフォームの形成に有用である水性分散液および水性分散液から製造される化合物に関する。本明細書に開示する実施形態において使用される分散液は、水、(A)少なくとも1つの熱可塑性樹脂、および(B)分散安定剤を含む。これらを以下でより詳細に論じる。
【0035】
熱可塑性樹脂
本開示の水性分散液の実施形態に含まれる熱可塑性樹脂(A)は、それだけでは水に容易に分散することができない樹脂である。用語「樹脂」は、本明細書において用いる場合、合成ポリマーまたは化学的に改質された天然樹脂を含むと考えなければならない。
【0036】
本明細書に開示する実施形態において使用される樹脂は、エラストマー、およびオレフィンポリマーのブレンドを含むことができる。一部の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、半結晶性樹脂である。用語「半結晶性」は、標準的な示差走査熱分析(DSC)評価に付したときに少なくとも1つの吸熱を有する樹脂を同定するためのものである。一部の半結晶性ポリマーは、最大吸熱を過ぎて走査温度を上昇させると比較的ゆるやかな傾きを示すDSC吸熱を示す。これは、シャープな融点であると一般に考えられているものを有するポリマーではなく、広い融点範囲のポリマーを表す。分散液に有用な一部のポリマーは、単一の融点を有するが、他のポリマーは、1つより多くの融点を有する。
【0037】
一部のポリマーにおいて、融点の1つまたはそれ以上がシャープである場合があり、例えば、ポリマーのすべてまたは一部が、かなり狭い温度範囲(例えば、数摂氏度)で溶融する。他の実施形態において、ポリマーは、約20℃の範囲にわたる広い溶融特性を示すことがある。さらに他の実施形態において、ポリマーは、50℃より大きい範囲にわたる広い溶融特性を示すことがある。
【0038】
本明細書に開示する実施形態において使用することができる熱可塑性樹脂(A)の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマー、およびプロピレン−1−ブテンコポリマーによって一般に代表されるような、アルファ−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセンのホモポリマーおよびコポリマー(エラストマーを含む);エチレン−ブタジエンコポリマーおよびエチレン−エチリデンノルボルネンコポリマーによって一般に代表されるような、アルファ−オレフィンと共役または非共役ジエンのコポリマー(エラストマーを含む);ならびにエチレン−プロピレン−ブタジエンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエンコポリマー、エチレン−プロピレン−1,5−ヘキサジエンコポリマー、およびエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネンコポリマーによって一般に代表されるような、2つまたはそれ以上のアルファ−オレフィンと共役または非共役ジエンのコポリマーなどのポリオレフィン(エラストマーを含む);エチレンビニル化合物コポリマー、例えば、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、エチレン−ビニルクロライドコポリマー、エチレンアクリル酸またはエチレン−(メタ)アクリル酸コポリマー、およびエチレン−(メタ)アクリレートコポリマー;スチレンコポリマー(エラストマーを含む)、例えば、ポリスチレン、ABS、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、α−メチルスチレン−スチレンコポリマー、スチレンビニルアルコール、スチレンアクリレート、例えばスチレンメタクリレート、スチレンブチルアクリレート、スチレンブチルメタクリレート、ならびにスチレンブタジエンおよび架橋スチレンポリマー;ならびにスチレンブロックコポリマー(エラストマーを含む)、例えば、スチレンブタジエンコポリマーおよびそれらの水和物、ならびにスチレン−イソプレン−スチレントリブロックコポリマー;ポリビニル化合物、例えば、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ビニルクロライド−ビニリデンクロライドコポリマー、ポリメチルアクリレート、およびポリメチルメタクリレート;ポリアミド、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、およびナイロン12;熱可塑性ポリマー、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート;ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシドなど;ならびにポリ−ジシクロペンタジエンポリマーおよび関連ポリマー(コポリマー、ターポリマー)をはじめとするガラス状炭化水素系樹脂;飽和モノ−オレフィン、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネートおよびビニルブチラートなど;ビニルエステル、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、フェニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートおよびブチルメタクリレートなどをはじめとする、モノカルボン酸のエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、それらの混合物;開環メタセシスおよびクロスメタセシス重合によって生成される樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で使用することができ、または2つもしくはそれ以上を併用することができる。特定の熱可塑性樹脂の例としては、約70から約95重量パーセントのスチレン含有量を有する、スチレンブタジエンコポリマーが挙げられる。
【0039】
適する樹脂のタイプの1つとして、ジ−またはポリ−カルボン酸とジオール(ジフェノールを含む)のエステル化生成物を使用することができる。これらの樹脂は、米国特許第3,590,000号において例証されており、これは、本明細書に参照として取り入れられている。樹脂の他の特定の例としては、スチレン/メタクリレートコポリマー、およびスチレン/ブタジエンコポリマー;懸濁重合スチレンブタジエン;ビスフェノールAとプロピレンオキシドの反応に続いて、その結果として生じた生成物とフマル酸の反応によって得られるポリエステル樹脂;ならびにジメチルテレフタレート、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオールおよびペンタエリトリトール、スチレンアクリレート、ならびにこれらの混合物の反応の結果として生ずる分岐ポリエステル樹脂が挙げられる。
【0040】
さらに、特定の実施形態は、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、プロピレン−エチレンコポリマーおよびスチレン系コポリマーを組成物の1成分として利用する。他の実施形態は、脂肪族ジオールを含有するもの、例えば、The Dow Chemical Company(ミシガン州、ミッドランド)から入手できるUNOXOL 3,4ジオール、をはじめとするポリエステル樹脂を使用する。
【0041】
選択された実施形態において、1つの成分は、エチレン−アルファオレフィンコポリマーまたはプロピレン−アルファオレフィンコポリマーから形成される。特に、選択された実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、1つまたはそれ以上の非極性ポリオレフィンを含む。
【0042】
特定の実施形態では、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、それらのコポリマー、およびそれらのブレンド、ならびにエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーを使用することができる。一部の実施形態において、好ましいオレフィン系ポリマーとしては、Elstonに発行された米国特許第3,645,992号に記載されているような、均一ポリマー;Andersonに発行された米国特許第4,076,698号に記載されているような、高密度ポリエチレン(HDPE);不均一に分岐している線状低密度ポリエチレン(LLDPE);不均一に分岐している超低密度線状ポリエチレン(ULDPE);均一に分岐している、線状エチレン/アルファ−オレフィンコポリマー;例えば、米国特許第5,272,236号および同第5,278,272号(これらの開示は、本明細書に参照として取り入れられている)に開示されているプロセスによって作製することができる、均一に分岐している、実質的に線状のエチレン/アルファ−オレフィンポリマー;ならびに高圧フリーラジカル重合エチレンポリマーおよびコポリマー、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)またはエチレンビニルアセテートポリマー(EVA)が挙げられる。
【0043】
米国特許第6,566,446号、同第6,538,070号、同第6,448,341号、同第6,316,549号、同第6,111,023号、同第5,869,575号、同第5,844,045号、または同第5,677,383号(これらのそれぞれは、その全体が本明細書に参照として取り入れられている)に記載されている、ポリマー組成物およびそれらのブレンドも、一部の実施形態では好適であり得る。一部の実施形態において、前記ブレンドは、2つの異なるチーグラー・ナッタポリマーを含むことがある。他の実施形態において、前記ブレンドは、チーグラー・ナッタポリマーとメタロセンポリマーのブレンドを含むことがある。さらに他の実施形態において、ここで使用されるポリマーは、2つの異なるメタロセンポリマーのブレンドである場合がある。他の実施形態において、シングルサイト触媒ポリマーを使用することができる。
【0044】
一部の実施形態において、前記ポリマーは、プロピレン系コポリマーまたは共重合体である。一部の特定の実施形態において、前記プロピレン/エチレンコポリマーまたは共重合体は、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有することを特徴とする。用語「実質的にアイソタクチックなプロピレン配列」および類似の用語は、その配列が、1つの実施形態において約0.85より大きい;もう1つの実施形態において約0.90より大きい;もう1つの実施形態において0.92より大きい;およびさらにもう1つの実施形態において0.93より大きい、13C NMRによって測定されるアイソタクチックトリアッド(mm)を有することを意味する。アイソタクチックトリアッドは、当分野において周知であり、例えば、米国特許第5,504,172号およびWO 00/01745に記載されており、13C NMRスペクトルによって決定されるコポリマー分子鎖中のトリアッドユニットの点から観たアイソタクチック配列を指す。
【0045】
他の特定の実施形態において、ベースポリマーは、エチレンビニルアセテート(EVA)系ポリマーである場合がある。他の実施形態において、前記ベースポリマーは、エチレン−メチルアクリレート(EMA)系ポリマーである場合がある。他の特定の実施形態において、前記エチレン−アルファーオレフィンコポリマーは、エチレン−ブテン、エチレン−ヘキセン、またはエチレン−オクテンコポリマーまたは共重合体である場合がある。他の特定の実施形態において、前記プロピレン−アルファオレフィンコポリマーは、プロピレン−エチレンまたはプロピレン−エチレン−ブテンコポリマーまたは共重合体である場合がある。
【0046】
1つの特定の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、エチレンと1−オクテンなどのアルカンを含むコモノマーとのアルファ−オレフィン共重合体を含み得る。前記エチレンとオクテンのコポリマーは、単独で存在する場合もあり、または別の熱可塑性樹脂、例えばエチレン−アクリル酸コポリマー、との組み合わせで存在する場合もある。一緒に存在する場合、エチレンとオクテンのコポリマーとエチレン−アクリル酸コポリマーの間の重量比は、約1:10から約10:1、例えば、約3:2から約2:3の範囲にわたり得る。エチレン−オクテンコポリマーなどのポリマー樹脂は、約50%未満、例えば約25%未満の結晶化度を有し得る。一部の実施形態において、前記ポリマーの結晶化度は、5から35パーセントの範囲にわたり得る。他の実施形態において、前記結晶化度は、7から20パーセントの範囲にわたり得る。
【0047】
本明細書に開示する実施形態は、少なくとも1つのマルチブロックオレフィン共重合体を含むことができるポリマー成分を含む場合もある。好適なマルチブロックオレフィン共重合体としては、例えば、米国特許仮出願第60/818,911号に記載されているものを挙げることができる。用語「マルチブロックコポリマー」は、好ましくは線形様式で連結されている、2つまたはそれ以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と呼ぶ)を含むポリマー、すなわち、重合されるエチレン官能基に関して、ペンダントまたはグラフト式でではなく末端対末端で連結されている、化学的に区別されるユニットを含むポリマーを指す。一定の実施形態において、前記ブロックは、それらに組み込まれているコモノマーの量もしくはタイプ、密度、結晶化度の量、そのような組成のポリマーに起因する微結晶サイズ、立体規則性のタイプ(アイソタクチックもしくはシンジオタクチック)もしくは立体規則度、位置規則性もしくは位置不規則性、分岐の量(長鎖分岐もしくは超分岐を含む)、均一性、または任意の他の化学的もしくは物理的特性が異なる。前記マルチブロックコポリマーは、それらのコポリマーを製造する固有のプロセスに起因する、多分散指数(PDIまたはM/M)の固有の分布、ブロック長分布、および/またはブロック数分布を特徴とする。より具体的には、連続プロセスで製造されるとき、前記ポリマーの実施形態は、約1.7から約8;他の実施形態では約1.7から約3.5;他の実施形態では約1.7から約2.5;およびさらに他の実施形態では約1.8から約2.5または約1.8から約2.1の範囲にわたるPDIを有することができる。バッチまたはセミバッチプロセスで製造されたとき、ポリマーの実施形態は、約1.0から約2.9;他の実施形態では約1.3から約2.5;他の実施形態では約1.4から約2.0;およびさらに他の実施形態では約1.4から約1.8の範囲にわたるPDIを有することができる。
【0048】
マルチブロックオレフィン共重合体の一例は、エチレン/α−オレフィンブロック共重合体である。マルチブロックオレフィン共重合体のもう1つの例は、プロピレン/α−オレフィン共重合体である。以下の説明は、大部分のモノマーとしてエチレンを有する共重合体に焦点を当てているが、一般的なポリマー特性に関してはプロピレン系マルチブロック共重合体に同様にあてはまる。
【0049】
エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、化学的または物理的特性の点で異なる2つまたはそれ以上の重合モノマーユニットの多数の(すなわち、2つまたはそれ以上)のブロックまたはセグメントを特徴とする重合形態(ブロック共重合体)で、エチレンおよび1つまたはそれ以上の共重合性α−オレフィンコモノマーを含むことができる。一部の実施形態において、前記コポリマーは、マルチブロック共重合体である。一部の実施形態において、前記マルチブロック共重合体は、以下の式、
(AB)
によって表すことができ、式中、nは、少なくとも1であり、様々な実施形態においてnは、1より大きい整数、例えば、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上であり;「A」は、ハードブロックまたはセグメントを表し;および「B」は、ソフトブロックまたはセグメントを表す。好ましくは、AおよびBは、分岐または星型式でではなく線形式で連結される。「ハード」セグメントは、エチレンが、一部の実施形態では95重量パーセントより多い量、および他の実施形態では98重量パーセントより多い量で存在する、重合ユニットのブロックを指す。言い換えると、ハードセグメントにおけるコモノマー含有量は、そのハードセグメントの総重量の、一部の実施形態では5重量パーセント未満、および他の実施形態では2重量パーセント未満である。一部の実施形態において、ハードセグメントは、すべてまたは実質的にすべてエチレンで構成される。一方、「ソフト」セグメントは、コモノマー含有量が、一部の実施形態ではそのソフトセグメントの総重量の5重量パーセントより多い、様々な実施形態では8重量パーセントより多い、10重量パーセントより多い、または15重量パーセントより多い、重合ユニットのブロックを指す。一部の実施形態において、ソフトセグメントにおけるコモノマー含有量は、20重量パーセントより多い場合があり、様々な他の実施形態では25重量パーセントより多い、30重量パーセントより多い、35重量パーセントより多い、40重量パーセントより多い、45重量パーセントより多い、50重量パーセントより多い、または60重量パーセントより多い場合がある。
【0050】
一部の実施形態において、AブロックおよびBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。言い換えると、ブロックコポリマーは、
AAA−AA−BBB−BB
のような構造を有さない。
【0051】
他の実施形態において、ブロックコポリマーは、第三のブロックを有さない。さらに他の実施形態では、ブロックAも、ブロックBも、2つまたはそれ以上のセグメント(またはサブブロック)、例えば先端セグメント(tip segment)、を含まない。
【0052】
マルチブロック共重合体は、ゼロより大きい値から約1.0の範囲にわたる平均ブロック指数、ABI、および約1.3より大きい分子量分布、M/M、によって特徴付けることができる。平均ブロック指数、ABI、は、5℃の増分での20℃から110℃の分取TREFで得られるポリマー画分のそれぞれについてのブロック指数(「BI」)の重量平均である。
ABI=Σ(wBI
(式中、BIは、分取TREFで得られるマルチブロック共重合体のi番目の画分についてのブロック指数であり、wは、i番目の画分の重量百分率である)。
【0053】
同様に、その平均値についての二次モーメントの平方根(以後、二次モーメント重量平均ブロック指数と呼ぶ)は、次のように定義することができる。
【数1】

【0054】
それぞれのポリマー画分についてのBIは、次の2つの方程式(これらの両方が同じBI値を与える)、
【数2】

の一方によって定義され、式中、Tは、i番目の画分についての解析的昇温溶離分別(ATREF)溶離温度(好ましくは、ケルビンで表される)であり、Pは、下で説明するようにNMRまたはIRによって測定することができる、i番目の画分についてのエチレンモル分率である。PABは、(分別前の)全エチレン/α−オレフィン共重合体のエチレンモル分率であり、これもNMRまたはIRによって測定することができる。TおよびPは、純粋な「ハードセグメント」(これは、共重合体の結晶セグメントを指す)についてのATREF溶離温度およびエチレンモル分率である。近似として、または「ハードセグメント」組成が不明であるポリマーについては、TおよびP値を高密度ポリエチレンホモポリマーについての値とする。
【0055】
ABは、マルチブロック共重合体と同じ組成(PABのエチレンモル分率を有する)および分子量のランダムコポリマーについてのATREF溶離温度である。TABは、次の方程式、
Ln PAB=α/TAB+β
を用いて、(NMRによって測定される)エチレンのモル分率から計算することができ、この式中のαおよびβは、広い組成のランダムコポリマーの十分に特性付けされている多数の分取TREF画分および/または狭い組成を有する十分に特性付けされている多数のランダムエチレンコポリマーを用いる検量線の作成によって決定することができる2つの定数である。なお、αおよびβは計器によって変わることがある。さらに、その検量線を作成するために用いた分取TREF画分および/またはランダムコポリマーについての適切な分子量範囲およびコモノマータイプを用いて、対象となるポリマー組成で適切な検量線を作成する必要がある。わずかな分子量効果がある。同様の分子量範囲から検量線が得られたら、そのような効果は、本質的に無視してもよい。一部の実施形態において、ランダムエチレンコポリマーおよび/またはランダムコポリマーの分取TREF画分は、次の関係を満たす。
Ln P=−237.83/TATREF+0.639
【0056】
上の検量方程式は、エチレンのモル分率、P、を、狭い組成のランダムコポリマーについてのおよび/または広い組成のランダムコポリマーの分取TREF画分についての解析的TREF溶離温度、TATREF、と関係付けるものである。TXOは、同じ組成のものであり、Pのエチレンモル分率を有する、ランダムコポリマーについてのATREF温度である。TXOは、LnP=α/TXO+βから計算することができる。逆に言えば、PXOは、同じ組成のものであり、TのATREF温度を有する、ランダムコポリマーについてのエチレンモル分率であり、Ln PXO=α/T+βから計算することができる。
【0057】
それぞれの分取TREF画分についてのブロック指数(BI)が得られたら、全ポリマーについての重量平均ブロック指数、ABI、を計算することができる。一部の実施形態において、ABIは、ゼロより大きいが、約0.4より小さく、または約0.1から約0.3である。他の実施形態において、ABIは、約0.4より大きく、且つ約1.0までである。さらに他の実施形態において、ABIは、約0.4から約0.7、約0.5から約0.7、または約0.6から約0.9の範囲内である。一部の実施形態において、ABIは、約0.3から約0.9、約0.3から約0.8、または約0.3から約0.7、約0.3から約0.6、約0.3から約0.5、または約0.3から約0.4の範囲内である。他の実施形態において、ABIは、約0.4から約1.0、約0.5から約1.0、または約0.6から約1.0、約0.7から約1.0、約0.8から約1.0、または約0.9から約1.0の範囲内である。
【0058】
マルチブロック共重合体のもう1つの特徴は、その共重合体が、分取TREFによって得ることができる少なくとも1つのポリマー画分を含むことができることであり、この場合、前記画分は、約0.1より大きく、且つ約1.0までのブロック指数を有し、前記ポリマーは、約1.3より大きい分子量分布、M/M、を有する。一部の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.6より大きく、且つ約1.0まで、約0.7より大きく、且つ約1.0まで、約0.8より大きく、且つ約1.0まで、または約0.9より大きく、且つ約1.0までのブロック指数を有する。他の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.1より大きく、且つ約1.0まで、約0.2より大きく、且つ約1.0まで、約0.3より大きく、且つ約1.0まで、約0.4より大きく、且つ約1.0まで、または約0.4より大きく、且つ約1.0までのブロック指数を有する。さらに他の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.1より大きく、且つ約0.5まで、約0.2より大きく、且つ約0.5まで、約0.3より大きく、且つ約0.5まで、または約0.4より大きく、且つ約0.5までのブロック指数を有する。さらに他の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.2より大きく、且つ約0.9まで、約0.3より大きく、且つ約0.8まで、約0.4より大きく、且つ約0.7まで、または約0.5より大きく、且つ約0.6までのブロック指数を有する。
【0059】
本明細書に開示する実施形態において使用されるエチレンα−オレフィンマルチブロック共重合体は、エチレンと少なくとも1つのC−C20α−オレフィンとの共重合体であり得る。前記共重合体は、C−C18ジオレフィンおよび/またはアルケニルベンゼンをさらに含むことができる。エチレンとの重合に有用な適する不飽和コモノマーとしては、例えば、エチレン不飽和モノマー、共役または非共役ジエン、ポリエン、アルケニルベンゼンなどが挙げられる。そのようなコモノマーの例としては、C−C20α−オレフィン、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。一定の実施形態において、α−オレフィンは、1−ブテンまたは1−オクテンであり得る。他の適するモノマーとしては、スチレン、ハロ置換またはアルキル置換スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、およびナフテン系化合物(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、およびシクロオクテンなど)が挙げられる。
【0060】
本明細書に開示するマルチブロック共重合体は、従来の、ランダムコポリマー、ポリマーの物理的ブレンド、および逐次的モノマー付加、可動性触媒およびアニオンまたはカチオンリビング重合技術によって作製されたブロックコポリマーとは異なり得る。特に、等価の結晶化度またはモジュラスで同じモノマーおよびモノマー含有量のランダムコポリマーと比較して、本共重合体は、より良好な(より高い)耐熱性(例えば、融点によって測られる)、より高いTMA針侵入温度、より高い高温引張強度、および/またはより高い高温捩り貯蔵弾性率(high-temperature torsion storage modulus)(例えば、動的機械分析によって決定される)を有する。同じモノマーおよびモノマー含有量を含有するランダムコポリマーと比較して、本マルチブロック共重合体は、より低い圧縮永久ひずみ(特に、高温で)、より低い応力緩和、より高い耐クリープ性、より高い引裂強度、より高い耐ブロッキング性、より高い結晶化(凝固)温度に起因するより早い硬化、より高い回復率(特に、高温で)、より良好な耐摩損性、より高い収縮力、ならびにより良好な油およびフィラー受容性を有するので、充填材の特性は、本マルチブロック共重合体の実施形態の使用の恩恵を受けことができる。
【0061】
他のオレフィン共重合体としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレンなどをはじめとするモノビニリデン芳香族モノマーを含むポリマーが挙げられる。特に、エチレンとスチレンを含む共重合体を使用することができる。他の実施形態において、エチレンとスチレンとC−C20αオレフィンを含む、場合によってはC−C20ジエンを含む、コポリマーを使用することができる。
【0062】
適する非共役ジエンモノマーとしては、6から15個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環式炭化水素ジエンを挙げることができる。適する非共役ジエンの例としては、直鎖非環式ジエン、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン;分岐鎖非環式ジエン、例えば、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、およびジヒドロミリセン(dihydromyricene)とジヒドロオシネン(dihydroocinene)の混合異性体,単環脂環式ジエン、例えば、1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンおよび1,5−シクロドデカジエン;ならびに多環脂環式縮合および架橋環ジエン、例えば、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニルおよびシクロアルキリデンノルボルネン、例えば、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、およびノルボルナジエンが挙げられるが、これらに限定されない。EPDMを作製するために一般に使用されるジエンのうち、特に好ましいジエンは、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、およびジシクロペンタジエン(DCPD)である。
【0063】
本明細書に開示する実施形態に従って使用することができる望ましいポリマーの1類は、エチレンと、C−C20α−オレフィン、特にプロピレンと、場合によっては1つまたはそれ以上のジエンモノマーとの弾性共重合体を含む。この実施形態において使用するために好ましいα−オレフィンは、式CH=CHRによって表され、式中、Rは、1から12個の炭素原子の線状または分岐アルキル基である。適するα−オレフィンの例としては、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、および1−オクテンが挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいα−オレフィンは、プロピレンである。これらのプロピレン系ポリマーは、当分野において、一般に、EPまたはEPDMポリマーと呼ばれる。そのようなポリマー、特にマルチブロックEPDMタイプのポリマー、を作製する際に使用するために適するジエンとしては、4から20個の炭素原子を含む、共役または非共役、直鎖または分岐鎖、環式または多環式ジエンが挙げられる。好ましいジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、および5−ブチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。特に好ましいジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
【0064】
選択された実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、エチレン−アルファオレフィンコポリマーまたはプロピレン−アルファオレフィンコポリマーから形成される。特に、選択された実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、1つまたはそれ以上の非極性ポリオレフィンを含む。
【0065】
前記オレフィンポリマー、コポリマー、共重合体およびマルチブロック共重合体は、そのポリマー構造に少なくとも1つの官能基を組み込むことによって、官能化することができる。例示的官能基としては、例えば、エチレン不飽和一および二官能性カルボン酸、エチレン不飽和一および二官能性カルボン酸無水物、それらの塩ならびにそれらのエステルを挙げることができる。そのような官能基をオレフィンポリマーにグラフトさせることができ、またはそれをエチレンおよび任意の追加のコモノマーと共重合させて、エチレンと官能性コモノマーと任意の他のコモノマー(単数または複数)の共重合体を形成することができる。ポリエチレンに官能基をグラフトさせるための手段は、例えば、米国特許第4,762,890号、同第4,927,888号および同第4,950,541号に記載されており、これらの開示は、それら全体が本明細書に参照として取り入れられている。1つの特に有用な官能基は、無水マレイン酸である。
【0066】
官能性ポリマー中に存在する官能基の量は、様々であり得る。前記官能基は、一部の実施形態において少なくとも約1.0重量パーセント、他の実施形態において少なくとも約5重量パーセント、およびさらに他の実施形態において少なくとも約7重量パーセントの量で存在し得る。前記官能基は、一部の実施形態において約40重量パーセント未満、他の実施形態において約30重量パーセント未満、およびさらに他の実施形態において約25重量パーセント未満の量で存在し得る。
【0067】
一定の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、0.863g/ccと0.911g/ccの間の密度、および0.1から100g/10分のメルトインデックス(2.16kg重量で190℃)を有する、エチレン−オクテンコポリマーまたは共重合体であり得る。他の実施形態において、前記エチレン−オクテンコポリマーは、0.863g/ccと0.902g/ccの間の密度、および0.8から35g/10分のメルトインデックス(2.16kg重量で190℃)を有することができる。
【0068】
一定の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、5重量%と20重量%の間のエチレン含有量、および0.5から300g/10分のメルトフローレート(2.16kg重量で230℃)を有する、プロピレン−エチレンコポリマーまたは共重合体であり得る。他の実施形態において、前記プロピレン−エチレンコポリマーまたは共重合体は、9重量%と12重量%の間のエチレン含有量、および1から100g/10分のメルトフローレート(2.16kg重量で230℃)を有することができる。
【0069】
一定の他の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、0.911g/ccと0.925g/ccの間の密度、および0.1から100g/10分のメルトインデックス(2.16kgの重量で190℃)を有する、低密度ポリエチレンであり得る。
【0070】
他の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、50パーセント未満の結晶化度を有することができる。好ましい実施形態において、前記ベースポリマーの結晶化度は、5から35パーセントであり得る。さらに好ましい実施形態において、前記結晶化度は、7から20パーセントの範囲にわたり得る。
【0071】
一定の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、半結晶性ポリマーであり、110℃未満の融点を有し得る。好ましい実施形態において、前記融点は、25から100℃であり得る。さらに好ましい実施形態において、前記融点は、40℃と85℃の間であり得る。
【0072】
他の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、ガラス状ポリマーであり、110℃未満のガラス転移温度を有することができる。好ましい実施形態において、前記ガラス転移温度は、20から100℃であり得る。さらに好ましい実施形態において、前記ガラス転移温度は、50から75℃であり得る。
【0073】
一定の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、10,000g/モルより大きい重量平均分子量を有し得る。他の実施形態において、前記重量平均分子量は、20,000から150,000g/モル;さらに他の実施形態において、50,000から100,000g/モルであり得る。
【0074】
1つまたはそれ以上の前記熱可塑性樹脂が、前記水性分散液中に、約1重量%から約96重量%の量で含有されることがある。例えば、前記熱可塑性樹脂は、約10重量%から約60重量%、およびもう1つの実施形態では約20重量%から約50重量%の量で、前記水性分散液中に存在することがある。
【0075】
分散安定剤
【0076】
本明細書に開示する実施形態は、安定な分散液またはエマルジョンの形成を促進するために安定剤を使用する。選択された実施形態において、前記安定剤は、界面活性剤、ポリマー(上で詳述した熱可塑性樹脂またはベースポリマーとは異なる)、またはそれらの混合物であり得る。他の実施形態において、前記樹脂は、自己安定剤であり、そのため、追加の外因性安定剤を必要としない場合がある。例えば、自己安定性系としては、部分加水分解ポリエステルを挙げることができ、この場合、ポリエステルと塩基水溶液を併せることにより、ポリエステル樹脂および界面活性剤様安定剤分子を生成することができる。特に、前記安定剤は、分散剤、フォームを起泡させるための界面活性剤として使用することができ、または両方の目的に役立つ場合もある。加えて、1つまたはそれ以上の安定剤を併用してもよい。
【0077】
一定の実施形態において、安定剤は、コモノマーまたはグラフトされたモノマーのいずれかとして極性基を有する、極性ポリマーであり得る。好ましい実施形態において、安定剤は、コモノマーまたはグラフトされたモノマーのいずれかとして極性基を有する、1つまたはそれ以上の極性ポリオレフィンを含むことがある。典型的なポリマーとしては、エチレン−アクリル酸(EAA)およびエチレン−メタクリル酸コポリマー、例えば、商標PRIMACOR(商標)(Dow Chemical Companyの商標)、NUCREL(商標)(E.I.DuPont de Nemoursの商標)、およびESCOR(商標)(ExxonMobilの商標)ならびに米国特許第4,599,392号、同第4,988,781号、および同第5,398,437号(これらのそれぞれは、その全体が本明細書に参照として取り入れられている)に記載されているものが挙げられる。他の適するポリマーとしては、エチレンエチルアクリレート(EEA)コポリマー、エチレンメチルメタクリレート(EMMA)、およびエチレンブチルアクリレート(EBA)が挙げられる。他のエチレン−カルボン酸コポリマーも使用することができる。多数の他の有用なポリマーも使用できることは、当業者には理解される。
【0078】
ポリマーの極性基が、事実上、酸性または塩基性である場合、その安定剤ポリマーを中和剤で部分的にまたは完全に中和して、対応する塩を形成することができる。一定の実施形態において、前記安定剤、例えば長鎖脂肪酸またはEAAの中和は、モルベースで25から200%;他の実施形態ではモルベースで50から110%であり得る。例えば、EAAの場合、中和剤は、塩基、例えば水酸化アンモニウムまたは水酸化カリウムである。他の中和剤としては、例えば水酸化リチウムまたは水酸化を挙げることができる。適切な中和剤の選択が、配合される具体的な組成物に依存すること、およびそうした選択が、の当業者の知識の範囲内であることは、当業者には理解される。
【0079】
使用することができる他の安定剤としては、12から60個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸または脂肪酸塩が挙げられる。他の実施形態において、前記長鎖脂肪酸または脂肪酸塩は、12から40個の炭素原子を有することができる。
【0080】
有用であり得る追加の安定剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤の例としては、スルホネート、カルボキシレート、およびホスフェートが挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、第四アミンが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、エチレンオキシドを含有するブロックコポリマー、およびシリコーン界面活性剤が挙げられる。安定剤として有用な界面活性剤は、外部界面活性剤である場合もあり、内部界面活性剤である場合もある。外部界面活性剤は、分散液作製中に化学反応を起こしてポリマーにならない界面活性剤である。ここで有用な外部界面活性剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩およびラウリル硫酸塩が挙げられる。内部界面活性剤は、分散液作製中に化学反応を起こしてポリマーになる界面活性剤である。ここで有用な内部界面活性剤の例としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸およびその塩が挙げられる。
【0081】
特定の実施形態において、分散剤または安定剤は、使用されるベースポリマー(またはベースポリマー混合物)の量に基づき、ゼロより大きい重量%から60重量%の範囲にわたる量で使用することができる。例えば、長鎖脂肪酸またはそれらの塩を、ベースポリマーの量に基づき、0.5から10重量%使用することができる。他の実施形態では、エチレン−アクリル酸またはエチレン−メタクリル酸コポリマーを、ベースポリマーの量に基づき、0.5から60重量%の量で使用することができる。さらに他の実施形態では、スルホン酸塩を、ベースポリマーの量に基づき、0.5から10重量%の量で使用することができる。
【0082】
上で論じたように、1つより多くの安定剤を使用することができ、組み合わせたものを、例えば、分散液としておよび界面活性剤として、使用することができる。
【0083】
分散剤
【0084】
1つの実施形態において、前記水性分散液は、その水性分散液の約1重量%より多い;もう1つの実施形態において約2%より多い;およびさらにもう1つの実施形態において約3%より多い量で、分散剤を含むことができる。もう1つの実施形態において、前記水性分散液は、その水性分散液の約10重量%未満;もう1つの実施形態において約8%未満;およびさらにもう1つの実施形態において5%未満の量で、分散剤を含むことができる。
【0085】
ポリオレフィン樹脂粒子に適する分散剤としては、12個より多いおよび好ましくは18から36個の炭素原子の炭素鎖長の脂肪酸の塩を挙げることができる。前記塩は、脂肪酸のアルカリ金属またはアンモニウム塩であってもよく、これらは、その酸を対応する塩基、例えば、NaOH、KOH、およびNHOHで中和することによって作製される。これらの塩は、より十分に下で説明するように、分散段階においてインサイチューで形成することができる。適切な脂肪酸分散剤を押出し溶融段階のための分散剤として役立つように選択して、所望の平均粒径(これは、1つの実施形態では0.2マイクロメートルと25マイクロメートルの間、およびもう1つの実施形態では0.5マイクロメートルと10マイクロメートルの間である)を獲得することができる。もう1つの実施形態において、前記ポリオレフィン粒子の粒径は、0.5から1.5マイクロメートルの範囲にわたり得る。
【0086】
ポリオレフィン樹脂粒子の比較的安定な水性分散液を作るために使用される分散剤が、利用されるポリオレフィン粒子の性質に依存して変わる場合があることは、通常の当業者には理解される。加えて、使用される分散剤は、後続のフロス作製に使用される起泡性界面活性剤と同じであっても、異なっていてもよい。
【0087】
分散液配合物
【0088】
本明細書に開示する実施形態の分散液配合物は、液体媒質、例えば水と、熱可塑性樹脂と、分散安定剤と、場合によってはフィラーを含むことができる。熱可塑性樹脂および分散安定剤に関して、一部の実施形態において、熱可塑性樹脂は、その組成物中のベースポリマーと分散安定剤の総量の(重量で)約30%から99%の間を構成することがある。他の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、その組成物中のベースポリマーと分散安定剤の総量の(重量で)約50%から80%の間を構成することがある。さらに他の実施形態において、前記熱可塑性樹脂は、その組成物中のベースポリマーと分散安定剤の総量の(重量で)約70%を構成することがある。
【0089】
1つの実施形態において、本明細書に開示する水性分散液は、粒径が約0.2から10マイクロメートル;もう1つの実施形態において約0.5から5マイクロメートル;および約1から2マイクロメートルの範囲にわたるポリオレフィン樹脂粒子を含むことができる。従って、水性分散液と混合した熱可塑性繊維と比較すると、前記ポリオレフィン樹脂粒子は、以下でさらに論じる繊維より数桁小さい。
【0090】
特定の実施形態において、前記ポリオレフィン樹脂としては、エチレンおよび/またはプロピレンと、CからC10オレフィンから選択される、好ましくはアルファ−オレフィン、さらに好ましくはCからCアルファ−オレフィン、ならびに最も好ましくはn−ブテン、n−ヘキセンおよびn−オクテンから選択される他のモノマーとのコポリマーおよび共重合体を挙げることができる。前記樹脂のエチレンまたはプロピレン含有量は、ポリオレフィン粒子の約2から98重量パーセントの範囲にわたり得る。よりソフトで、より軟質のフォームが望まれる場合、エチレンがポリオレフィンの約98から50重量パーセントを構成する、主としてエチレンに基づくポリオレフィンを選択することができる。より大きな曲げ弾性率のより堅いフォームが望まれる場合、プロピレンがポリオレフィンの約98から50パーセントを構成する、主としてプロピレンに基づくまたは他のポリオレフィンを選択することができる。選択されたコモノマー(単数または複数)が、そのポリオレフィンの残りの部分を構成し得る。
【0091】
1つの実施形態において、前記ポリオレフィン樹脂としては、約0.1から25g/10分;もう1つの実施形態において0.25から22g/10分;さらにもう1つの実施形態において0.5から18g/10分の、ASTM D1238(2.16kg重量で190℃)に従って決定されるメルトインデックス(「MI」)を有するエチレン系ポリオレフィンを挙げることができる。もう1つの実施形態において、前記ポリオレフィン樹脂としては、約0.25から85g/10分;もう1つの実施形態において約0.7から70g/10分;さらにもう1つの実施形態において約1.4から60;およびさらにもう1つの実施形態において約2から50g/10分の、ASTM D1238(2.16kgで230℃)に従って決定されるメルトフローレート(「MFR」)を有するプロピレン系ポリオレフィンを挙げることができる。
【0092】
1つの実施形態において、前記ポリオレフィン樹脂は、約0.845から0.925g/cc;もう1つの実施形態において約0.85から0.91;さらにもう1つの実施形態において約0.855から0.905;およびさらにもう1つの実施形態において約0.86から0.90の範囲にわたる密度を有するエチレン系ポリオレフィンを含むことができる。
【0093】
ここでの使用に特に適するポリオレフィンの1類は、エチレンと1−オクテンまたは1−ブテンとのコポリマーであり、この場合、エチレンが、1つの実施形態ではそのコポリマーの約50から90重量パーセント、およびもう1つの実施形態ではそのコポリマーの約55から85重量パーセントを構成し、ならびに1−オクテンまたは1−ブテンが、1つの実施形態ではそのコポリマーの約10から50重量パーセント、およびもう1つの例ではそのコポリマーの約15から45重量パーセントを構成し、このエチレンコポリマーは、1つの実施形態では約0.25から30g/10分、およびもう1つの実施形態では0.5から20g/10分の範囲にわたるメルトインデックスを有する。
【0094】
ポリオレフィンのもう1つの好ましい類は、1−プロペンとエチレン、1−オクテン、1−ヘキサンまたは1−ブテンとのコポリマーを含み、この場合、1−プロペンが、1つの実施形態ではそのコポリマーの約65から95重量パーセント、およびもう1つの実施形態ではそのコポリマーの約75から93重量%を構成し、ならびにエチレン、1−オクテン、1−ヘキサンまたは1−ブテンが、1つの実施形態ではそのコポリマーの約5から35重量パーセント、およびもう1つの実施形態ではそのコポリマーの約7から25重量%を構成し、ならびにそのコポリマーは、1つの実施形態では約0.7から85g/10分、およびもう1つの実施形態では1.4から55g/10分の範囲にわたるメルトフローレートを有する。
【0095】
前記熱可塑性樹脂および前記分散安定剤は、好ましくは、液体媒質(これは、一部の実施形態では水である)に分散させる。一部の実施形態では、約6から約14のpH範囲を獲得するために十分な塩基を添加して、結果として得られる分散液を中和する。特定の実施形態では、約9から約12の間のpHを維持するために十分な塩基を添加する。分散液中の含水量は、熱可塑性樹脂と分散安定剤を併せた含有量(固体含有量)が、(容量で)約1%から約74%の間になるように制御することができる。もう1つの実施形態において、前記固体含有量は、(容量で)約25%から約74%の間の範囲にわたる。さらにもう1つの実施形態において、前記固体含有量は、(フィラーを伴わず、重量で)約30%から約50%の間の範囲にわたる。さらにもう1つの実施形態において、前記固体含有量は、(フィラーを伴わず、重量で)約40%から約55%の間である。
【0096】
本明細書に開示する実施形態に従って形成される分散液は、約0.3から約3.0マイクロメートルの間の平均粒径を有することを特徴とし得る。他の実施形態において、分散液は、約0.8から約1.2マイクロメートルの平均粒径を有することができる。「平均粒径」は、本明細書において用いる場合、体積平均粒径を意味する。粒径を測定するには、例えば、レーザー回折技術を利用することができる。本明細書における粒径は、分散液中のポリマーの直径を指す。球形でないポリマー粒子の場合、粒子の直径は、その粒子の長軸と短軸の平均である。粒径は、Beckman−Coulter LS230レーザー回折粒径分析装置または他の適する装置を用いて測定することができる。
【0097】
特定の実施形態では、熱可塑性樹脂、安定剤およびフィラーを、押出機において、水および中和剤(例えば、アンモニア、水酸化カリウム、またはこれら2つの組み合わせ)と一緒に溶融混練して、分散化合物を形成する。多くの他の中和剤を使用できることは、当業者に理解される。一部の実施形態において、フィラーは、ベースポリマーおよび安定剤をブレンドした後、添加することができる。
【0098】
当分野において公知のいずれの溶融混練手段を使用してもよい。一部の実施形態では、混練機、回転ステーター(rotostator)、BANBURY(登録商標)ミキサー、一軸スクリュー押出機、または多軸押出機が使用される。本明細書に開示する実施形態の分散液を製造するためのプロセスは、特に限定されない。例えば、1つの好ましいプロセスは、上で述べた成分を、米国特許第5,756,659号および米国特許公開第20010011118号に従って溶融混練することを含むプロセスである。
【0099】
図1は、ここで用いる分散液を形成する際に使用することができる押出装置を略図で示すものである。押出機20(一定の実施形態では、二軸スクリュー押出機)が、背圧調整装置、メルトポンプ、またはギアポンプ30に連結されている。本実施形態は、塩基溜め40および初期水溜め50(これらのそれぞれが、ポンプを含む(図示せず))も備えている。塩基および初期水の望ましい量が、それぞれ、塩基溜め40および初期水溜め50から供給される。いずれの適するポンプを使用してもよいが、一部の実施形態では、240barの圧力で約150cc/分の流量を供給するポンプを使用して、塩基および初期水を押出機20に供給する。他の実施形態では、液体噴射ポンプによって、200barで300cc/分または133barで600cc/分の流量が供給される。一部の実施形態において、前記塩基および初期水は、予熱装置で予熱される。
【0100】
起泡性界面活性剤
【0101】
本明細書に開示する実施形態は、安定なフロスの形成を容易にするまたは促進するために、および起泡を助長するために、界面活性剤を使用する。起泡および乾燥段階中のフロスの生成および安定化は、最初にフロスを作るときにポリオレフィン樹脂の水性分散液に起泡性界面活性剤を添加することによって達成することができる。加えて、これらの界面活性剤は、所望される場合には、乾燥フォームの水湿潤を改善するために使用することもできる。適する起泡性界面活性剤は、カチオン性、非イオン性およびアニオン性界面活性剤から選択することができる。1つの実施形態では、アニオン性界面活性剤を使用することができる。
【0102】
一部の実施形態において、前記起泡性界面活性剤は、アルキルセルロースエーテル、ヒドロキシアルキルセルロースエーテル、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースエーテル、ガーガム、キサンタンガム、および少なくとも20,000の分子量のポリオキシエチレン樹脂、またはこれらの組み合わせであり得る。他の適する起泡性界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤から選択することができる。カチオン性界面活性剤の例としては、第四アミン、第一アミン塩、ジアミン塩、およびエトキシル化アミンが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、エチレンオキシドを含有するブロックコポリマー、シリコーン界面活性剤、アルキルフェノールエトキシレート、ならびに8個を越える炭素原子を含有するアルキル基の線状および第二アルコールエトキシレートが挙げられる。
【0103】
アニオン性界面活性剤の例としては、スルホネート、カルボキシレート、およびホスフェートが挙げられる。1つの実施形態において、水性分散液からのフロスの作製に有用なアニオン性界面活性剤は、カルボン脂肪酸、好ましくは12から36個の炭素原子を含む脂肪酸、例えば、ステアリン酸またはラウリル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、エルカ酸などのカルボン酸塩およびエステルアミドから選択することができる。
【0104】
一部の実施形態において、前記界面活性剤としては、両性界面活性剤、例えば、中でも、アミノプロピオネート、両性スルホネート、ベタイン、イミダゾール系両性物質、およびスルタインを挙げることができる。例えば、前記界面活性剤は、イミダゾリンから誘導することができ、アセテート形(塩を含有する)である場合もあり、プロピオネート形(塩なし)である場合もある。適する両性界面活性剤の例としては、中でも、界面活性剤、例えば、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、ココアミドプロピルヒドロキシルスルタイン、アルキルエーテルヒドロキシプロピルスルタイン、カプリロアンフォヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、カプリロアンフォジプロピオン酸二ナトリウム、ココアンフォ酢酸ナトリウム、ココアンフォ二酢酸二ナトリウム、ココアンフォプロピオン酸ナトリウム、イミノジプロピオン酸オクチル二ナトリウム、ココアンフォヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、イミノジプロピオン酸ラウリル二ナトリウム、ステアロアンフォ酢酸ナトリウム、および牛脂イミノジプロピオン酸二ナトリウムが挙げられる。当分野において公知の他の両性界面活性剤も使用することができる。
【0105】
安定剤として有用な界面活性剤は、外部界面活性剤である場合もあり、内部界面活性剤である場合もある。外部界面活性剤は、分散液作製中に化学反応を起こしてポリマーにならない界面活性剤である。ここで有用な外部界面活性剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩およびラウリル硫酸塩が挙げられる。内部界面活性剤は、分散液作製中に化学反応を起こしてポリマーになる界面活性剤である。ここで有用な内部界面活性剤の例としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸およびその塩が挙げられる。
【0106】
1つの実施形態において、良好な「手」触りまたは布のような感触が、完成フォームに望まれるとき、飽和脂肪酸誘導体(例えば、ステアリン酸またはパルミチン酸の塩)を使用することができる。他の適するアニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホネート、第二n−アルカンスルホネート、アルファ−オレフィンスルホネート、ジアルキルジフェニレンオキシドスルホネート、スルホコハク酸エステル、イソチオネート、線状アルキル(アルコール)スルフェート、および線状アルコールエーテルスルフェートが挙げられる。起泡性界面活性剤が、分散液を作製するために使用されるものと異なる場合もあり、または異ならない場合もあることは理解される。これらの界面活性剤は、フロス形成を支援するためにも、フロスの安定化を助長するためにも役立つ。特定の実施形態において、前記界面活性剤は、アルカリ金属、モノ−、ジ−およびトリ−アルカノール(モノー、ジ−およびトリエタノール)アミン、ならびにラウリルスルフェート、ドデシルベンゼンスルフェート、アルコールエトキシスルフェートおよびイソチオネートのアンモニウム塩、N−オクチルデシルスルホスクシニメート(N-octyldecylsulfosuccinimate)の二塩基性塩、ならびにそれらの混合物のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0107】
一部の実施形態において、前記起泡性界面活性剤は、以下で説明するような、結果として生ずるフロスが、熱可塑性ポリマーの乾燥重量に基づき、0.01から10重量パーセントの起泡性界面活性剤を含有することができるような量で、使用することができる。他の実施形態において、前記フロスは、熱可塑性ポリマーの乾燥重量に基づき0.02から3.0重量パーセント;他の実施形態において熱可塑性ポリマーの乾燥重量に基づき0.03から2.5重量パーセント;およびさらに他の実施形態において熱可塑性ポリマーの乾燥重量に基づき0.05から10.0重量パーセント、の起泡性界面活性剤を含有することができる。様々な他の実施形態において、前記起泡性界面活性剤は、熱可塑性ポリマーの乾燥重量に基づき0.01、0.02、0.03、0.04または0.05重量パーセントの下限から、熱可塑性ポリマーの乾燥重量に基づき2.0、2.5、3.0、4.0、5.0または10,0重量パーセントの上限の範囲にわたる量で(与えた上限と下限の任意の組み合わせで)、フロス中に存在することができる。
【0108】
難燃剤
【0109】
本明細書に開示する分散液、フロスおよびフォームの実施形態は、その配合に難燃剤もしくはイントメッセント、またはこれらの任意の組み合わせを使用して、その分散液、フロスまたはフォームを堆積させる材料の燃焼性を低下させることができる。難燃剤は、炎または火の進行を遅らせる材料である。難燃性添加剤は、無機塩、金属酸化物または水酸化物、ハロゲン化化合物、リン酸化合物、ホウ酸塩化合物、メラミン化合物の任意の組み合わせを含むことができる。1つの実施形態では、水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウムまたは対応する金属酸化物を増量剤難燃材料として使用することができる。さらなる実施形態では、メラミン化合物を他の難燃剤と併用して、イントメッセント効果をもたらすことができる。さらにもう1つの実施形態では、ハロゲン化化合物、例えば、塩素化パラフィン、ハロゲン化リン酸エステル、またはハロゲン含有ポリマーを使用することができる。さらにもう1つの実施形態では、リン含有難燃剤、例えば、リン酸エステル、ハロゲン含有リン酸エステル、リン含有ポリオール、またはビニルホスホネートのポリマーを使用することができる。さらにもう1つの実施形態では、米国特許公開第2003/0207969号、同第2004/0097620号、同第2004/0116565号および同第2004/0138351号(これらのそれぞれが、本明細書に参照として取り入れられている)に記載されているような窒素含有イントメッセントおよび他の難燃剤を使用することができる。
【0110】
一部の実施形態において、前記難燃剤は、下で説明するような、結果として生ずるフロスが、熱可塑性樹脂と安定剤と難燃剤の総重量に基づき15から75重量パーセントの難燃剤を含有することができるような量で、使用することができる。他の実施形態において、前記フロスは、熱可塑性樹脂と安定剤と難燃剤の総重量に基づき20から70重量パーセント;他の実施形態において熱可塑性樹脂と安定剤と難燃剤の総重量に基づき25から65重量パーセント;およびさらに他の実施形態において熱可塑性樹脂と安定剤と難燃剤の総重量に基づき30から50重量パーセントの難燃剤を含有することができる。様々な他の実施形態において、前記難燃剤は、熱可塑性樹脂と安定剤と難燃剤の総重量に基づき10、15、20、25または30重量パーセントの下限から、熱可塑性樹脂と安定剤と難燃剤の総重量に基づき50、55、60、65または70重量パーセントの上限の範囲にわたる量で(与えた上限と下限の任意の組み合わせで)、フロス中に存在することができる。
【0111】
一部の実施形態において、前記難燃剤は、以下で説明するような、結果として生ずるフォームが、5から80重量パーセントの難燃剤を含有することができるような量で、使用することができる。他の実施形態において、前記フォームは、5から70重量パーセント;他の実施形態において20から70重量パーセント;他の実施形態において25から65重量パーセント;およびさらに他の実施形態において30から50重量パーセントの難燃剤を含有することができる。様々な他の実施形態において、前記難燃剤は、5、10、15、20、25または30重量パーセントの下限から、50、55、60、65または70重量パーセントの上限の範囲にわたる量で(与えた上限と下限の任意の組み合わせで)、フォーム中に存在することができる。
【0112】
相変化材料
【0113】
本明細書に開示する分散液、フロスおよびフォームは、相変化材料を含む場合がある。一部の実施形態において、相変化材料としては、カプセル封入またはマイクロカプセル封入ワックス、塩水和物、脂肪酸またはエステル、およびパラフィンを挙げることができる。相変化材料は、その相変化材料の温度がそれぞれ、特定の温度より上に上昇または下に低下したときの相変化に起因する熱を、吸収または放出することができる。例えば、温度がワックスの融点を超えると、カプセル封入されたワックスが溶融し、過剰な熱を吸収する。逆に、温度が降下すると、カプセル封入されたワックスは再び固体となり、熱を放出する。相変化材料の一例は、BASFから入手できるMICRONAL(登録商標)である。一部の実施形態において、相変化材料は、約0℃の温度で相変化を受けることがある。相変化材料が相変化を受ける温度をスイッチング温度と呼ぶことができる。様々な他の実施形態において、相変化材料は、0℃と100℃の間のスイッチング温度を有することがある。他の実施形態において、相変化材料は、約25℃のスイッチング温度を有することができる。様々な他の実施形態において、相変化材料は、約0℃またはそれより高い、約10℃またはそれより高い、約20℃またはそれより高い、約25℃またはそれより高い、または約35℃またはそれより高いスイッチング温度を有することがある。
【0114】
様々な実施形態において使用される相変化材料のスイッチング温度は、その相変化材料が暴露されることとなる環境に依存し得る。例えば、熱帯環境で使用するための物品は、加熱が望まれる場合も、冷却が望まれることもある相対温度のため、穏やかな環境または極寒環境で使用するための物品より高いスイッチング温度を有する相変化材料を有することがある。
【0115】
一部の実施形態において、前記相変化材料は、下で説明するような、結果として生ずるフォームが、5から80重量パーセントの相変化材料を含有することができる量で、使用することができる。他の実施形態において、前記フォームは、5から70重量パーセント;他の実施形態において20から70重量パーセント;他の実施形態において25から65重量パーセント;およびさらに他の実施形態において30から50重量パーセントの相変化材料を含有することができる。様々な他の実施形態において、前記相変化材料は、5、10、15、20、25または30重量パーセントの下限から、50、55、60、65または70重量パーセントの上限の範囲にわたる量で(与えた上限と下限の任意の組み合わせで)、フォーム中に存在することができる。
【0116】
添加剤
【0117】
前記フォームは、それらが計画される用途に依存して、熱可塑性樹脂と分散安定剤の重量の(乾燥ベースで)約2から100パーセントの範囲にわたる量で、フィラー材料を、場合によっては含有することがある。これらの任意の成分としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン粉末、ポリマー粒子、中空ガラス球体、ポリマー繊維、例えばポリオレフィン系ステープルモノフィラメント、さらなるイントメッセント、さらなる難燃剤などを挙げることができる。難燃用途における使用のために設計されたフォームの場合、有利には、起泡を開始する前に添加剤および難燃剤を粒子分散液に直接添加することができる。他の実施形態において、本明細書に開示する分散液、フロスおよびフォームは、フィブリルまたは繊維様材料、例えば、天然または合成繊維、例えば、米国特許仮出願番号60/818,911に開示されているものを含むことがある。
【0118】
フィブリルまたは繊維様材料と分散液を併せ、起泡させ、乾燥させてフォームを形成すると、フィブリル状構造が結果として生じ得る。このフォーム形態は、高いランダム度、および従来のポリオレフィンフロスフォームと比較して大きな表面開口部を有することを特徴とする。前記フォームの内部構造は、不織フィブリルと、従来のポリオレフィンフロスフォームに比べて大きい空隙空間を有する、非気泡性構造を示す場合もある。1つの実施形態において、前記吸収性構造(フォーム)は、非気泡性、フィブリル状形態を有することがある。本明細書において用いる場合、「非気泡性、フィブリル状構造」は、フィブリルまたは糸様フィラメントから成るまたはそれらを有する、開放型ランダム非気泡性形態を指す。非気泡性フィブリル状構造は、例えば、均一でなく、反復性でないことがある(例えば、フィブリルが、不織繊維様ウェブを形成する場合、およびストラットの大部分が内部接続されていない場合)。
【0119】
フロス作製
【0120】
フロスは、周囲条件下で機械的方法、例えば高剪断、機械的混合手順を使用して分散液の水性相内に空気または他のガスを閉じ込めることによって、または場合によっては、攪拌しながらその系にガスを圧入することによって、分散液/界面活性剤/難燃剤混合物から作製することができる。他の実施形態において、フロスは、分散液/界面活性剤/相変化材料混合物から作製することができる。フロスに組み込むことができる空気または他のガス(この場合、空気に加えてのガス、または空気以外のガスが望ましい)は、1つの実施形態では結果として生ずるフロスの少なくとも30容量%、もう1つの実施形態では少なくとも80容量%、もう1つの実施形態では少なくとも85容量%、およびさらにもう1つの実施形態では少なくとも90容量%を構成し得る。最初に、フロスの製造に使用するすべての成分を穏やかな攪拌で互いに混合して、空気が閉じ込められるのを避けることができる。一部の実施形態において、前記難燃剤および/または相変化材料は、起泡させる前に分散液混合物に添加することができる。他の実施形態において、前記難燃剤および/または相変化材料は、起泡させた後にその混合物に添加することができる。他の実施形態において、前記難燃剤および/または相変化材料は、起泡させている間に添加することができる。
【0121】
一部の実施形態において、前記フロスの成分としては、(a)熱可塑性樹脂、(b)水、(c)少なくとも1つの気泡性界面活性剤、(d)ガス、および(e)少なくとも1つの難燃剤および/または少なくとも1つの相変化材料を挙げることができる。前記フロスは、これらの成分から形成することができ、この場合、フロスは、約15から75重量パーセントの成分(a)、約25から75重量パーセントの成分(b)、約0.1から10重量パーセントの成分(c)、約5から50重量パーセントの成分(e)を含み、(d)は、そのフロス中に存在するすべての成分の総容量の少なくとも30パーセントを構成するような量で存在する。
【0122】
前記成分のすべてを十分に混合したら、その混合物を高剪断機械的混合にさらすことができる。この段階の間、非流動性の堅いフロスが形成されるまで、より多くの空気が連続水性相内に閉じ込められるにつれてその混合物の体積粘性は増大し得る。所望の粘度を有するフロスを得るために必要な混合時間は、気泡性界面活性剤の量およびタイプならびに機械的剪断の量に伴って変わることがある。空気を高速攪拌して濃化水性分散液にすることができる任意の機械混合装置、例えば、調理用ブレンダー/ハンドミキサー、ワイヤーホイップ付きHorbartミキサー、回転ステーター、またはより大きな規模では、Cowie−Riding Twin Foamer(Cowie Riding Ltd.)を使用することができる。市販の発泡機により、高剪断混合ヘッドに空気を注入して非常に低い(50g/L未満の)密度のフロスを得ることもできる。
【0123】
フロス密度は、例えば、所定容量および重量のカップにフロスのサンプルを抜き取り、そのフロスを満たしたカップを計量し、その後、そのサンプルの密度を計算することによって、測定することができる。市販の起泡機において、空気を混合ヘッドに直接加えて、低密度フロスの発生を助長することもできる。所望のフロス密度を得るために、起泡装置の速度を上昇または低下させることができる。1つの実施形態において、前記フロス密度は、約0.04から0.45g/cc、もう1つの実施形態において約0.04から0.15g/cc、もう1つの実施形態において0.05から0.10g/cc、およびさらにもう1つの実施形態において0.07から0.08g/ccの範囲内であり得る。所望のフロス密度が得られたら、場合によっては、そのフロスをフォームに変換する前に支持体上に塗布してもよい。他の実施形態において、前記フロス密度は、約0.02g/ccから0.7g/ccの範囲内であり得る。上で詳述したようなフロスの密度は、湿潤ベースでのものである。
【0124】
ポリマーを含むフロスおよびフォームは、2004年8月25日に出願され、WO2005/021622として発行されたPCT出願番号PCT/US2004/027593(本明細書に参照として取り入れられている)に開示されているようにして形成することもできる。他の実施形態では、前記ポリマーを、任意の公知の手段、例えば、過酸化物、電子ビーム、シラン、アジド、ガンマ線、紫外線、または他の架橋技術の使用により、架橋させることもできる。前記ポリマーを、グラフト化(例えば、無水マレイン酸(MAH)、シラン、もしくは他のグラフト化剤の使用により)、ハロゲン化、アミノ化、スルホン化、または他の化学的改質などにより、化学的に改質することもできる。
【0125】
乾燥および回収段階
【0126】
1つの実施形態において、前記フォームは、本明細書に開示するとおり作製したフロスの液体/水性要素の少なくとも一部分を除去することにより、前記フロスから作製することができる。他の実施形態において、前記フォームは、前記フロスの液体/水性要素の少なくとも大部分、すなわち、50重量パーセントより多くを除去することによって、前記フロスから作製することができる。さらに他の実施形態において、前記フォームは、前記液体/水性要素の実質的にすべてを除去することによって作製することができる。様々な実施形態において、前記液体/水性要素の30重量パーセントより多く、50重量パーセントより多く、80重量パーセントより多く、90重量パーセントより多く、95重量パーセントより多く、98重量パーセントより多く、または99重量パーセントより多くを除去することができる。液体部分を除去する手段は、フロスの嵩のつぶれの量を最小にするように選択することができる。1つの実施形態では、最適な乾燥のために選択された温度で、強制通風(forced air)乾燥オーブンによって、前記フロスを乾燥させ、フォームに変換することができる。1つの実施形態では、前記フロスを約60℃と120℃の間(約140°Fと250°Fの間)の温度に加熱することができる。
【0127】
熱可塑性樹脂の特性が許せば、フロスの泡の表面上のポリオレフィン樹脂粒子の粘性を壊すことなく、または部分的に乾燥したフロスの有意な(例えば、30容量パーセントより多くの)つぶれを生じさせずに、フロスからできる限り急速に水を除去することができる最も高い温度で、加工を行うことができる。1つの実施形態において、熱可塑性樹脂の溶融範囲に近いが、それを超えない温度でフロスを乾燥させることが望ましい場合がある。もう1つの実施形態では、フォームが、その最終形態および寸法で完全に「乾燥」してしまう、ならびにフロス中の水の少なくとも95重量パーセントが除去されてしまう前に、フロスがつぶれるのを回避するまたは少なくとも最小にするために、前記熱可塑性樹脂中の非晶質領域が合体し始める温度に達することが望ましい場合がある。結果として生ずる「乾燥」フォームは、1つの実施形態では約0.02から0.07g/cm、およびもう1つの実施形態では約0.03から0.05g/cmの密度を有することができる。他の実施形態において、前記フォームは、0.02g/cmと0/30g/cmの間の密度を有することができる。上で詳述したようなフォーム密度は、そのフォーム中に存在し得る一切の水を除く、乾燥ベースでのものである。
【0128】
乾燥フォームの一部の実施形態は、0.01cmから2.5cmの範囲にわたる平均厚を有することができる。乾燥フォームの他の実施形態は、0.05cmから2.0cm;およびさらに他の実施形態では1から1.5cmの範囲にわたる平均厚を有することができる。乾燥フォームの実施形態を含む物品は、0.1cmから2.5cm;他の実施形態では0.5cmから2.0cm;およびさらに他の実施形態では1.0cmから1.5cmの範囲にわたる平均厚を有するフォームの少なくとも1つの層を含むことができる。一部の実施形態では、2つまたはそれ以上のフォームを一緒にラミネートすることができ;様々な実施形態において、前記2つまたはそれ以上のフォームは、同じもしくは異なる密度、同じもしくは異なる気泡サイズ、または同じもしくは異なる構造(連続気泡、独立気泡など)を有することがある。他の実施形態では、1つまたはそれ以上のフォームを支持体、例えばフィルムにラミネートすることができる。一部の実施形態では、支持体をフロスでコーティングすることができ、この場合、前記コーティングは、接着剤を用いても用いなくても行うことができる。
【0129】
所望フォームを形成するためのフロスの乾燥は、バッチモードで行ってもよいし、または連続モードで行ってもよい。連続式でフロスを配置または運ぶことができるトンネルまたはチャンバに並んでいる、例えば、従来の強制通風乾燥オーブンまたは列をなす赤外線加熱ランプもしくは誘電加熱装置、例えば高周波エネルギー発生装置(一般に、1から100MHzの間の範囲の許容される周波数帯域で運転する)およびマイクロ波エネルギー発生装置(一般に、400から2500MHzの間の範囲の許容される周波数帯域で運転する)をはじめとする装置を、乾燥に利用することができる。フロスを乾燥させてフォームを形成するために、そのような乾燥エネルギー源を併用、同時または逐次的に適用、することができる。1つの実施形態において、乾燥は誘電装置および強制通風乾燥オーブンを同時に使用することを含む。約0.25から0.6cmの厚さを有するフォームの場合、強制通風オーブンを約75℃で運転し、高周波発生装置によってそのフロスを約45から50℃の初期温度に加熱すると、45から90秒ほどの迅速さで乾燥を達成することができる。乾燥運転温度は、フォームを作製するために使用するポリオレフィン樹脂粒子の性質および溶融範囲(例えば、DSCによって判定する)に従って選択することができる。様々な国で工業的使用に許容されている誘電過熱周波数帯域は、参考文献「Foundations of Industrial Applications of Microwave and Radio Frequency Fields」, Rousy, G and Pierce, J.A.(1995)に、より詳細に示されている。
【0130】
一部の実施形態において、結果として生ずるフォームは、連続気泡フォームであり得る。一定の実施形態において、前記フォームの気泡の大部分の気泡サイズは、約1から3000マイクロメートルの間;他の実施形態において約5マイクロメートルと1000マイクロメートルの間;さらに他の実施形態において10マイクロメートルと500マイクロメートルの間の範囲にわたり得る。一部の実施形態において、前記連続気泡フォームは、65%より大きい連続気泡率を有することができる。他の実施形態において、前記連続気泡フォームは、75%より大きい;他の実施形態において85%より大きい;およびさらに他の実施形態において95%より大きい連続気泡率を有することができる。
【0131】
結果として生ずるフォームの燃焼性は、非難燃性対照サンプルの燃焼性より低くあることができる。一部の実施形態において、前記フォームは、ASTM D4986 気泡高分子材料の水平燃焼特性の標準試験法(Standard Test Method for Horizontal Buring Characteristics of Cellular Polymeric Materials)に従って、非難燃性対照サンプルの80%またはそれより短い燃焼長さを有することができる。ASTM D4986は、気泡ポリマー材料の燃焼の相対速度ならびに燃焼の程度および時間を判定するための試験法である。他の実施形態において、前記フォームは、ASTM D4986に従って、非難燃性対照サンプルの70%またはそれより短い;他の実施形態において60%またはそれより短い;およびさらに他の実施形態において50%またはそれより短い燃焼長さを有することができる。他の実施形態において、結果として生ずるフォームは、自己消火性である場合もある。
【0132】
一部の実施形態において、本明細書に開示するフォームは、特に、防火遮断層、吸収性物品、消音材、断熱材(例えば、衣料の中の断熱層)、包装材料、吸臭剤、香料担体、パッド材、またはフォームが有用であり得る他の用途において使用することができる。他の実施形態では、難燃性物品、例えば、布張り家具、寝具、マットレス、自動車のカーペットまたは座席、カーテン、ドラペリー、カーペット、または他の物品を、上で説明した分散液、フロスおよび/またはフォームから形成されるラミネート構造から作ることができる。
【0133】
他の実施形態では、上で説明したフロスの少なくとも1つの層で支持体をコーティングすることができる。他の実施形態では、上で説明したフォームを使用して、難燃性物品を形成することができる。前記難燃性物品は、布およびその布の上に堆積された、上で説明したような難燃性連続気泡フォームを含むことができ、この場合、フォーム層と布の層が接着剤なしで融着していることもあり、またはフォームが布に少なくとも部分的に含浸されていることもある。
【0134】
さらに他の実施形態では、上で説明したフロスが少なくとも1つの支持体の上に堆積されている(すなわち、置かれている、細工されている、または塗布されている)ラミネートを形成することができる。前記少なくとも1つの支持体は、フロス、フォーム、熱可塑性シートもしくはフィルム、織もしくは不織布、ガラス繊維、またはメルトスパンボンドもしくはメルトブローされた材料であり得る。
【0135】
一部の実施形態では、上で説明したフォームの少なくとも1つの層が少なくとも1つの支持体に接着されているラミネートを形成することができる。前記少なくとも1つの支持体は、フロス、フォーム、熱可塑性シートもしくはフィルム、織もしくは不織布、ガラス繊維、またはメルトスパンボンドもしくはメルトブローされた材料であり得る。前記フォーム層は、前記支持体の密度とは異なる密度を有することがある。他の実施形態において、前記ラミネート構造は、第一のフォーム層と第二のフォーム層を含むことがあり、この場合、第一のフォーム層および第二のフォーム層の密度は、同じ場合もあり、異なる場合もある。他の実施形態では、同じ場合もあり、または異なる場合もある2層の支持体層の間に、本明細書に開示するフロスまたはフォームを堆積させることができる。
【実施例】
【0136】
(実施例1)
フォームおよびフロスの作製
【0137】
49%の水、48.75%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyから入手できる、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、0.51%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.51%のSTEPHANOL WAT−K(イリノイ州、ノースフィールドのStepan Chemical Companyから市販されている、ティーラウリル硫酸塩(Tea Lauryl sulfate))、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.026%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する108.6グラムの水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、24.9グラムの水、および35.1グラムのMARTINAL(登録商標)OL−104G(Albemarle Corporationから入手できる水酸化アルミニウム)と混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0138】
そのフロスを、292g/mの布重量を有する100%オレフィン布張り地の裏に塗布し、0.25インチ(6.4mm)の高さに均す。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で25分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終フォームの高さは、約3.7mmであると測定される。結果として生ずる最終フォーム/布構造は、613g/mのフォーム重量および約0.165g/cmのフォーム密度を有する。結果として生ずる最終フォームは、38.8%のMARTINAL(登録商標)OL−104Gおよび61.2%の分散固体という組成を有する。
【0139】
ASTM D4986気泡高分子材料の水平燃焼特性の標準試験法を用いて水平燃焼性能について試験したとき、前記フォーム/布サンプルは、3分の経過時間の後、3.5cmの燃焼長さを与える。
【0140】
(比較例1)
【0141】
49%の水、48.75%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、0.51%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.51%のSTEPHANOL WAT−K(イリノイ州、ノースフィールドのStepan Chemical Companyから市販されている、ティーラウリル硫酸塩)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.026%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する約100グラムの水性分散液を、ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールに入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0142】
そのフロスを、292g/mの布重量を有する100%オレフィン布張り地の裏に塗布し、0.25インチ(6.4mm)の高さに均す。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で25分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終フォームの高さは、約4.1mmであると測定される。結果として生ずる最終フォーム/布構造は、238g/mのフォーム重量および約0.058g/cmのフォーム密度を有する。
【0143】
ASTM D4986気泡高分子材料の水平燃焼特性の標準試験法を用いて水平燃焼性能について試験したとき、前記フォーム/布サンプルは、3分の経過時間の後、10.5cmの燃焼長さを与える。
【0144】
分散液−難燃剤混合物から形成した実施例1のフォームの燃焼長さは、3.5cmであった。比較して、難燃剤混合物を伴わない、実施例1において使用したものに類似した分散液から形成した比較例1のフォームの燃焼長さは、10.5cmであった。
【0145】
(実施例2)
【0146】
48.7%の水、49.05%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1.02%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.17%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.028%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する75.47グラムの水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、14.53グラムの水、および40.00グラムのMELAPUR(登録商標)MC XL(Ciba Specialty Chemicals Corporationから入手できるメラミンシアヌレート)と混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach、TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0147】
そのフロスを、217g/mの布重量を有する、69.5%綿/30.5%ポリエステルマットレス布地(mattress ticking)の裏に塗布し、0.25インチ(6.4mm)の高さに均す。その均したフロスの上に18.3g/mの重量を有するポリプロピレン不織布を置く。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で60分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終フォームの高さは、約5.93mmであると測定される。結果として生ずる最終フォーム/布構造は、559g/mのフォーム重量および約0.094g/cmのフォーム密度を有する。結果として生ずる最終フォームは、50.6%のMELAPUR(登録商標)MC XLおよび49.4%の分散固体という組成を有する。
【0148】
ASTM D4986気泡高分子材料の水平燃焼特性の標準試験法を用いて水平燃焼性能について試験したとき、前記フォーム/布サンプルは、3分の経過時間の後、4.2cmの燃焼長さを与え、自己消火性である。
【0149】
(実施例3)
【0150】
48.7%の水、49.05%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1.02%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.17%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.028%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する79.28グラムの水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、31.54グラムの水、および75.89グラムのMELAPUR(登録商標)MC XL(Ciba Specialty Chemicals Corporationから入手できるメラミンシアヌレート)と混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0151】
そのフロスを、100g/mの布重量を有する100%ポリエステルマットレス布地の裏に塗布し、0.25インチ(6.4mm)の高さに均す。その均したフロスの上に18.3g/mの重量を有するポリプロピレン不織布を置く。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で50分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終フォームの高さは、約5.32mmであると測定される。結果として生ずる最終フォーム/布構造は、1026g/mのフォーム重量および約0.193g/cmのフォーム密度を有する。結果として生ずる最終フォームは、65.1%のMELAPUR(登録商標)MC XLおよび34.9%の分散固体という組成を有する。
【0152】
(実施例4)
【0153】
49%の水、48.75%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、0.51%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.51%のSTEPHANOL WAT−K(イリノイ州、ノースフィールドのStepan Chemical Companyから市販されている、ティーラウリル硫酸塩)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.026%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する116.45グラムの水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、13.9グラムの水、および33.25グラムのMAGNIFIN(登録商標)H−5MV(Albemarle Corporationから入手できる水酸化マグネシウム)と混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0154】
そのフロスを、292g/mの布重量を有する100%オレフィン布張り地の裏に塗布し、0.25インチ(6.4mm)の高さに均す。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で25分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終フォームの高さは、約3.5mmであると測定される。結果として生ずる最終フォーム/布構造は、813g/mのフォーム重量および約0.232g/cmのフォーム密度を有する。結果として生ずる最終フォームは、35.8%のMAGNIFIN(登録商標)H−5MVおよび64.2%の分散固体という組成を有する。
【0155】
ASTM D4986気泡高分子材料の水平燃焼特性の標準試験法を用いて水平燃焼性能について試験したとき、前記フォーム/布サンプルは、3分の経過時間の後、4.0cmの燃焼長さを与える。
【0156】
(実施例5)
【0157】
49%の水、48.75%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、0.51%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.51%のSTEPHANOL WAT−K(イリノイ州、ノースフィールドのStepan Chemical Companyから市販されている、ティーラウリル硫酸塩)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.026%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する179.89グラムの水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、37.0グラムの水、および24.27グラムのEXOLIT(登録商標)AP−760(Clariant Corporationから入手できる、ポリリン酸アンモニウムと窒素に基づく非ハロゲン化難燃剤)と混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0158】
そのフロスを、217g/mの布重量を有する69.5%綿/30.5%ポリエステルマットレス布地の裏に塗布し、0.25インチ(6.4mm)の高さに均す。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で25分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終フォームの高さは、約4.47mmであると測定される。結果として生ずる最終フォーム/布構造は、1253g/mのフォーム重量および約0.280g/cmのフォーム密度を有する。結果として生ずる最終フォームは、20.9%のEXOLIT(登録商標)AP−760および79.1%の分散固体という組成を有する。
【0159】
ASTM D4986気泡高分子材料の水平燃焼特性の標準試験法を用いて水平燃焼性能について試験したとき、前記フォーム/布サンプルは、3分の経過時間の後、3.0cmの燃焼長さを与え、ほぼ自己消火性である。
【0160】
(実施例6、7、8)
【0161】
48.7%の水、49.06%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1.02%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.028%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、水、およびMELAPUR(登録商標)MC XL(Ciba Specialty Corporationから入手できる、メラミンシアヌレート)と、表1に示すとおりの量で混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0162】
そのフロスを、100g/mの布重量を有する100%ポリエステルマットレス布地の裏に塗布し、0.25インチ(6.4mm)の高さに均す。その均したフロスの上に18.3g/mの重量を有するポリプロピレン不織布を置く。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で50分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終フォームの高さ、最終フォーム/布構造のフォーム重量、およびフォーム密度を、表1に示す。結果として生ずる最終フォームは、約60%のMELAPUR(登録商標)MC XLおよび40%の分散固体という組成を有する。容易に気づくことだが、前記混合物中の水の量は、最終フォームの密度に劇的な影響を及ぼす。
【表1】

【0163】
(実施例9、10、11、12)
【0164】
48.7%の水、49.06%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1.02%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.028%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、水、MARTINAL(登録商標)OL−107C水酸化アルミニウムおよびMELAPUR(登録商標)MC XLメラミンシアヌレートと、表2に示すとおりの量で混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0165】
そのフロスを、100g/mの布重量を有する100%ポリエステルマットレス布地の裏に塗布し、0.25インチ(6.4mm)の高さに均す。その均したフロスの上に18.3g/mの重量を有するポリプロピレン不織布を置く。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で50分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終フォームの高さ、最終フォーム/布構造のフォーム重量、およびフォーム密度を、表2に示す。
【表2】

【0166】
(実施例13)
【0167】
48.7%の水、49.06%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1.02%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.028%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する91.32グラムの水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、25.84グラムの水および68.65グラムのMARTINAL(登録商標)OL−107C(Albemarle Corporationから入手できる水酸化アルミニウム)と混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0168】
そのフロスを、100g/mの布重量を有する100%ポリエステルマットレス布地の裏に塗布し、0.125インチ(3.2mm)の高さに均す。その均したフロスの上に不織ガラスマット(Owens Corning Corporationから入手できる、416g/m重量、0.054cm厚)を置く。そのガラスマットの裏に追加のフロス層を塗布し、0.125インチ(3.2mm)の高さに均す。この均したフロスの第二の層の上に18.3g/cmの重量を有するプロピレン不織布を置く。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で50分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終フォームの高さは、5.57mmであると測定される。結果として生ずる最終フォーム/ガラスマット/布構造は、1237g/mのフォーム重量および0.222g/cmのフォーム密度を有する。結果として生ずる最終フォームは、59.4%のMARTINAL(登録商標)OL−107Cおよび40.6%の分散固体という組成を有する。
【0169】
耐燃試験
【0170】
直接燃焼試験(direct under burn test)に従って、実施例9、10、11、12および13のフォームラミネートを耐燃性および耐熱性について試験する。直接燃焼試験は、材料の直火に耐えるおよびその火の熱から防護する能力の指標を与える。ASTM D4986 気泡高分子材料の水平燃焼特性の標準試験法が、材料の直火の延焼を阻止する能力の指標をもたらすのに対し、直接燃焼試験は、材料の直火の熱伝搬を弱める能力の指標をもたらす。炎がサンプルと直接接触する状態になるように、バーナーファンの頂部の約1cm上に間隔の広い(1インチ×1インチ)金属網でサンプルを支持する。試験温度に耐えることができる熱電対を、サンプルの裏(炎でない)側と直接接触する状態に固定する。その後、サンプルの裏の温度をより正確に測定するために、1片のウレタンフォーム、約1/2”厚、をサンプルおよび熱電対の上に置いて断熱する。その後、もう1つの間隔の広い網をそのウレタンフォーム上に置いて、試験中、サンプルを平坦に保つ。その後、ASTM D4986において使用したものに類似した炎源を120秒間、そのサンプルの下に置く。その後、熱電対によって測定される裏面温度を時間に対して記録する。耐燃、例えばガラス不織布に有能であるが、断熱には有能でない材料は、この試験で急速な温度上昇を有する。断熱、例えばウレタンフォームに有能であるが、耐燃には有能でない材料は、燃えるので、この試験で急速な温度上昇を有する。裏面温度対時間データを表3に示す。
【表3】

【0171】
(実施例14、15、16)
【0172】
48.7%の水、49.06%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1.02%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.028%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、水およびMARTINAL(登録商標)OL−107C水酸化アルミニウムまたはMELAPUR(登録商標)MC XLメラミンシアヌレートと混合する。乾燥ベースで60重量%の難燃性フォームを得るために、前記分散液、難燃剤および水の湿潤重量パーセントは、それぞれ、48.7%、37.5%および13.8%である。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0173】
MARTINAL(登録商標)OL−107Cフロスを、18.3g/mの布重量を有するポリプロピレン不織布の裏に塗布し、0.125インチ(3.2mm)の高さに均す。その均したフロスの上に不織ガラスマット(Owens Corning Corporationから入手できる、表4に示すとおりの重量および製品)を置く。そのガラスマットの裏にMELAPUR(登録商標)MC XLフロスを塗布し、0.125インチ(3.2mm)の高さに均す。この均したフロスの第二の層の上に100g/cmの布重量を有する100%ポリエステルマットレス布地を置く。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で70分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終全ラミネート高、および最終フォーム重量を表4に示す。
【表4】

【0174】
耐燃試験
【0175】
直接燃焼試験に従って、実施例14、15および16のフォームラミネートを耐燃性および耐熱性について試験した。裏面温度対時間データを表5に示す。
【表5】

【0176】
(実施例17、18)
【0177】
48.8%の水、48.95%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1.02%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.028%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、水およびMARTINAL(登録商標)OL−104C水酸化アルミニウムと、下の表に示すとおりの量で混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0178】
MARTINAL(登録商標)OL−104Cフロスを、18.3g/mの布重量を有するポリプロピレン不織布の裏に塗布し、0.250インチ(6.4mm)の高さに均す。その均したフロスの上に不織ガラスマット(Owens Corning Corporation、70g/m、0.72mm厚)を置く。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で70分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終全ラミネート高、および最終フォーム重量を表6に示す。
【表6】

【0179】
(実施例19、20、21)
【0180】
48.8%の水、48.95%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1.02%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.028%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する420.29グラムの水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、32.57グラムの水および176.33グラムのMARTINAL(登録商標)OL−104C水酸化アルミニウムと混合して、45%の最終乾燥レベルのMARTINAL(登録商標)OL−104Cを有するフォームを得る。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0181】
MARTINAL(登録商標)OL−104Cフロスを、不織ガラスマット(Owens Corning Corporation、70g/m、0.72mm厚)の上に塗布し、0.250インチ(6.4mm)の高さに均す。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で70分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。MARTINAL(登録商標)OL−104Cフォームの最終フォーム重量を表7に示す。
【0182】
48.8%の水、48.95%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1.02%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.028%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する水性分散液のブレンドを、プラスチック容器の中で、水およびMELAPUR(登録商標)MC XLメラミンシアヌレートと、下の表に示す量で混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0183】
MELAPUR(登録商標)MC XLフロスを、不織ガラスマットの反対側に塗布し、下の表に示すとおりの高さに均す。再び、そのフロスを約75℃の乾燥温度で70分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。乾燥後に結果として生ずる最終全ラミネート高および最終フォーム重量を表7に示す。
【表7】

【0184】
耐燃試験
【0185】
直接燃焼試験に従って、実施例17、18、19、20および21のフォームラミネートを耐燃性および耐熱性について試験する。裏面温度対時間データを表8に示す。
【表8】

【0186】
(実施例22、23、24)
【0187】
48.8%の水、48.95%の62/38パーセントのエチレン/1−オクテン含有量のコポリマー(The Dow Chemical Companyによって供給されている、ENGAGE(登録商標)8200エラストマー)、1.02%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1.02%のHYSTRENE(登録商標)4516(Chemtura Corporationから入手できるステアリン酸)、0.18%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.028%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)という組成を有する水性分散液のブレンドを、下の表に示す重量に従って、プラスチック容器の中で、水およびMICRONAL(登録商標)DS5001(BASFから入手できる相変化マイクロカプセル)と混合する。家庭用高剪断手持ち式ミキサー(Hamilton Beach TURBO−TWISTER(商標))を使用して、その混合物を振盪し、均質化する。ワイヤービーターの付いたHobart型スタンドミキサーの下の従来の混合ボールにその混合物を入れる。そのブレンドを3分間、高速で混合し、それによって空気を閉じ込め、フロスを生じさせる。
【0188】
そのフロスを、256g/mの布重量を有する58%ポリエステル/42%アクリル系布張り生地の裏に塗布し、0.25インチ(6.4mm)の高さに均す。そのフロスを、約75℃の乾燥温度で60分間、Blue M強制通風オーブンに入れる。結果として生ずるフォームの高さ、フォーム重量およびフォーム密度を表9に示す。
【表9】

【0189】
70℃に予熱した強制通風オーブンに実施例22、23および24からのフォームを入れる。布張り生地とフォームの間に熱電対を挿入する。強制通風オーブンを止める。そのフォーム/布張り構造の温度対時間挙動を図2に示す。
【0190】
(実施例25)
【0191】
49%の水、46.6%のENGAGE(登録商標)8200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているエチレン−オクテンコポリマー)、2%のUNICID(登録商標)350(オハイオ州、シンシナチのBaker−Petrolite Corp.から入手できる、式CH(CHCOOH(式中、nは、約23の平均値を有する)の一塩基酸)、1%のステアリン酸、1%のSTEPHANOL WAT−K(イリノイ州、ノースフィールドのStepan Chemical Companyから市販されている、ティーラウリル硫酸塩)、0.35%のMETHOCEL(登録商標)E4MP(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されているメチルセルロース誘導体)および0.05%のDOWICIL(登録商標)200(ミシガン州、ミッドランドのThe Dow Chemical Companyから市販されている殺生物剤)を含む水性オレフィン分散液に、35.0gの水酸化アルミニウム粉末を添加した。その混合物を激しく振盪して、その水酸化アルミニウム粉末をその液体に分散させ、その後、24.9gの水で希釈した。その後、その混合物を、フロスが生成されるまで、3から5分間、高速で混合する。1/4インチのスタンドオフおよびスクリードを用いて、このフロスを織布の裏に塗布する。その後、そのフロスを負荷した布を25分間、75℃の空気対流式オーブンに入れて、水を除去し、オレフィンフォームを形成する。
【0192】
上で説明した手順によって生成したフォーム布構造は、613g/mのフォーム重量および0.165g/cmのフォーム密度を有する。ASTM D4986 気泡高分子材料の水平燃焼特性の標準試験法に従って燃焼性について試験したとき、そのフォーム布構造は、フォーム/布構造中に難燃剤がない対照材料が3分間で11cmを超えるのに比べ、3分間で3.5cmの燃焼伝搬速度をもたらした。
【0193】
難燃性布物品における本開示フォームの使用に言及したが、上述の説明により本発明を限定する意図はない。それどころか、本明細書に開示するフォームは、具体的には、吸収性物品、消音材、断熱材、包装材料、またはフォームが有用である他の用途において使用することができる。
【0194】
本明細書に開示する実施形態の利点としては、次のうちの1つまたはそれ以上を挙げることができる。本起泡プロセスにおいて生成される連続気泡構造のため、難燃性添加剤の負荷量が多いフォームを入手することができる。この連続気泡構造により、結果として生じるフォームは、弾力性およびソフトな感覚をはじめとする布用途に望ましい特性を示すことができる。さらに、独立気泡フォームの機械的開放を含む必要をうまく回避して、起泡により連続気泡構造を生成することができる。最後に、本フォームは、周囲温度で、発泡剤を必要とせずに生成することができる。
【0195】
限られた数の実施形態に関して本発明を説明したが、本明細書に開示する本発明の範囲を逸脱することなく他の実施形態を考案できることは、当業者には理解される。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)熱可塑性樹脂と;
(b)少なくとも1つの安定剤と;
(c)少なくとも1つの難燃剤と;
(d)水と
を含む、水性分散液。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンホモポリマー、コポリマーもしくはマルチブロック共重合体;ポリプロピレンホモポリマー、コポリマーもしくはマルチブロック共重合体、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項3】
前記難燃剤が、無機塩、イントメッセント、ハロゲン化化合物、リン酸化合物、ホウ酸塩化合物、メラミン化合物、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項4】
前記少なくとも1つの難燃剤が、前記熱可塑性樹脂と前記少なくとも1つの安定剤と前記少なくとも1つの難燃剤の総重量の約5から70%を構成する、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項5】
少なくとも1つの相変化材料をさらに含む、請求項1に記載の水性分散液。
【請求項6】
a)熱可塑性樹脂と;
b)水と;
c)起泡性界面活性剤と;
d)ガスと;
e)少なくとも1つの難燃剤と
を含む、水性フロス。
【請求項7】
前記フロスが、約15から75重量パーセントの成分(a)と、約25から75重量パーセントの成分(b)と、約0.1から10重量パーセントの成分(c)と、約5から50重量パーセントの成分(e)とを含み、(d)が、そのフロス中に存在する全成分の総容量の少なくとも10パーセントを構成するような量で存在する、請求項6に記載のフロス。
【請求項8】
前記起泡性界面活性剤が、アルキルセルロースエーテル、ヒドロキシアルキルセルロースエーテル、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースエーテル、グアーガム、キサンタンガム、および少なくとも20,000の分子量のポリオキシエチレン樹脂のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のフロス。
【請求項9】
前記起泡性界面活性剤が、成分(a)の乾燥重量に基づき約0.05から約10重量パーセントの量で存在する、請求項8に記載のフロス。
【請求項10】
前記熱可塑性樹脂(a)が、ポリエチレンホモポリマー、コポリマーもしくはマルチブロック共重合体;ポリプロピレンホモポリマー、コポリマーもしくはマルチブロック共重合体、またはそれらの組み合わせを含む、請求項6に記載のフロス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの難燃剤が、前記熱可塑性樹脂と前記起泡性界面活性剤と前記少なくとも1つの難燃剤の総重量の約5から約70パーセントを構成する、請求項6に記載のフロス。
【請求項12】
前記難燃剤が、無機塩、イントメッセント、ハロゲン化化合物、リン酸化合物、ホウ酸塩化合物、メラミン化合物、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含む、請求項6に記載のフロス。
【請求項13】
相変化材料をさらに含む、請求項6に記載のフロス。
【請求項14】
フィブリルまたは繊維様材料をさらに含む、請求項6に記載のフロス。
【請求項15】
請求項1に記載の水性分散液から誘導される連続気泡難燃性フォーム。
【請求項16】
請求項6に記載の水性フロスから誘導される連続気泡難燃性フォーム。
【請求項17】
前記フォームの気泡の大部分の気泡サイズが、約5マイクロメートルと1000マイクロメートルの間の範囲にわたる、請求項16に記載のフォーム。
【請求項18】
ASTM D4986気泡高分子材料の水平燃焼特性の標準試験法(Standard Test Method for Horizontal Buring Characteristics of Cellular Polymeric Materials)に従って、非難燃性対照サンプルの80%またはそれより短い水平燃焼長さを有する、請求項16に記載のフォーム。
【請求項19】
乾燥ベースでの前記フォームの密度が、0.02g/cmと0.30g/cmの間である、請求項16に記載のフォーム。
【請求項20】
熱可塑性樹脂と水と安定剤とを含む水性分散液から難燃性熱可塑性フォームを生成する方法であって、
少なくとも1つの起泡性界面活性剤を前記水性分散液に添加して混合物を形成することと;
難燃剤を添加することと;
その混合物を起泡させてフロスを作ることと;
前記水の少なくとも一部分を除去して前記フォームを生じさせることと
を含む、方法。
【請求項21】
支持体の少なくとも一部分を前記フロスの層でコーティングすることと;
そのフロスから前記水の大部分を除去することと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記フォームが、連続気泡構造を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記フォームが、フィブリル状形態を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレンホモポリマー、コポリマーもしくはマルチブロック共重合体;ポリプロピレンホモポリマー、コポリマーもしくはマルチブロック共重合体、またはそれらの組み合わせを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記難燃剤が、無機塩、イントメッセント、ハロゲン化化合物、リン酸化合物、ホウ酸塩化合物、メラミン化合物、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記無機塩が、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムから選択される少なくとも1つを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記フォームが、約5から70重量%の難燃剤を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記フロスが、湿潤ベースで0.04から0.45g/cmの範囲にわたる密度を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記コーティングが、接着剤なしで行われる、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記フォームが、前記水の一部分を除去した後、乾燥ベースで0.02から0.30g/cmの範囲にわたる密度を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記分散液が、難燃剤をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
請求項20に記載のプロセスによって形成されるフォーム。
【請求項34】
前記難燃剤が、前記水の少なくとも一部分を除去した後に添加される、請求項33に記載のフォーム。
【請求項35】
前記難燃剤が、起泡前に添加される、請求項33に記載のフォーム。
【請求項36】
前記フォームが連続気泡フォームである、請求項33に記載のフォーム。
【請求項37】
前記フォームが75%より大きい連続気泡率を有する、請求項33に記載のフォーム。
【請求項38】
前記フォームがフィブリル状形態を有する、請求項33に記載のフォーム。
【請求項39】
前記フォームが接着剤なしで布に直接積層される、請求項33に記載のフォーム。
【請求項40】
請求項33に記載のフォームを含む、防火遮断層、消音層、温度調節材料、衣料の中の断熱層、吸臭剤、パッド材、または香料担体。
【請求項41】
作られるフォームが、20重量パーセントまたはそれ以下の残留水を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項42】
作られるフォームが、0から10重量パーセントの残留水を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
作られるフォームが、0から8重量パーセントの残留水を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
支持体の少なくとも一部分を前記フロスの層でコーティングすることをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記フォームが、連続気泡構造を有する、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレンホモポリマー、コポリマーもしくはマルチブロック共重合体;ポリプロピレンホモポリマー、コポリマーもしくはマルチブロック共重合体、またはそれらの組み合わせを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記難燃剤が、無機塩、イントメッセント、ハロゲン化化合物、リン酸化合物、ホウ酸塩化合物、メラミン化合物、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記無機塩が、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムから選択される少なくとも1つを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記フォームが、約5から70重量%の難燃剤を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
前記フロスが、湿潤ベースで0.04から0.45g/cmの範囲にわたる密度を有する、請求項41に記載の方法。
【請求項52】
前記コーティングが、接着剤なしで行われる、請求項44に記載の方法。
【請求項53】
前記フォームが、前記水の少なくとも一部分を除去した後、乾燥ベースで0.02から0.30g/cmの範囲にわたる密度を有する、請求項41に記載の方法。
【請求項54】
前記フォームの容量が、前記フロスの容量の少なくとも60パーセントである、請求項41に記載の方法。
【請求項55】
布と;
その布の上に堆積された請求項33に記載のフォームと
を含む、難燃性物品。
【請求項56】
前記フォーム層および布層が、接着剤なしで融着されている、請求項55に記載の物品。
【請求項57】
前記フォームが、前記布に少なくとも部分的に含浸されている、請求項55に記載の物品。
【請求項58】
(a)請求項6に記載のフロスの少なくとも1つの層と、(b)前記フロス層(a)が堆積される少なくとも1つの支持層とを含むラミネート。
【請求項59】
(b)少なくとも1つの支持層が、フロスの層、フォームの層、熱可塑性シートもしくはフィルム、織もしくは不織布、ガラス繊維、またはメルトスパンボンドもしくはメルトブローされた材料から作製される、請求項58に記載のラミネート。
【請求項60】
(a)請求項16に記載のフォームの少なくとも1つの層と、(b)前記フォーム層(a)が接着される少なくとも1つの支持層とを含むラミネート構造。
【請求項61】
(b)前記少なくとも1つの支持層が、フォームの層、熱可塑性シートもしくはフィルム、織もしくは不織布、ガラス繊維、またはメルトスパンボンドもしくはメルトブローされた材料から選択される、請求項60に記載のラミネート構造。
【請求項62】
前記フォーム層(a)が、支持体(b)の密度と異なる密度を有する、請求項60に記載のラミネート構造。
【請求項63】
前記フォーム層(a)が、請求項16に記載のフォームの少なくとも第一および第二の層を含み、前記第一の層が、前記第二の層の密度と異なる密度を有する、請求項60に記載のラミネート構造。
【請求項64】
請求項60に記載のラミネート構造を含む難燃性物品。
【請求項65】
(a)熱可塑性樹脂と;
(b)少なくとも1つの難燃剤と
を含み、
前記少なくとも1つの難燃剤が、前記熱可塑性樹脂と前記少なくとも1つの難燃剤の総重量の約5から約70パーセントを構成する、
フォーム。
【請求項66】
前記難燃剤が、無機塩、イントメッセント、ハロゲン化化合物、リン酸化合物、ホウ酸塩化合物、メラミン化合物、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含む、請求項65に記載のフォーム。
【請求項67】
(a)熱可塑性樹脂と;
(b)少なくとも1つの安定剤と;
(c)少なくとも1つの相変化材料と;
(d)水と
を含む、水性分散液。
【請求項68】
a)熱可塑性樹脂と;
b)水と;
c)起泡性界面活性剤と;
d)ガスと;
e)少なくとも1つの相変化材料と
を含む、水性フロス。
【請求項69】
前記フロスが、約15から75重量パーセントの成分(a)と、約25から75重量パーセントの成分(b)と、約0.1から10重量パーセントの成分(c)と、約5から50重量パーセントの成分(e)とを含み、(d)が、そのフロス中に存在する全成分の総容量の少なくとも30パーセントを構成するような量で存在する、請求項68に記載のフロス。
【請求項70】
前記少なくとも1つの相変化材料が、前記熱可塑性樹脂と前記少なくとも1つの安定剤と前記少なくとも1つの相変化材料の総重量の約5から70%を構成する、請求項68に記載のフロス。
【請求項71】
前記相変化材料が、マイクロカプセル封入ワックス、脂肪酸またはエステル、パラフィン、塩水和物、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含む、請求項68に記載のフロス。
【請求項72】
請求項67に記載の水性分散液から誘導されるフォーム。
【請求項73】
請求項68に記載の水性フロスから誘導されるフォーム。
【請求項74】
熱可塑性樹脂と水と安定剤とを含む水性分散液から熱可塑性フォームを生成する方法であって、
少なくとも1つの起泡性界面活性剤を前記水性分散液に添加して混合物を形成することと;
相変化材料を添加することと;
その混合物を起泡させてフロスを作ることと;
前記水の少なくとも一部分を除去して前記フォームを生成することと
を含み、
作られるフォームが、20重量パーセントまたはそれ以下の残留水を含む、方法。
【請求項75】
(a)熱可塑性樹脂と;
(b)少なくとも1つの相変化材料と
を含み、
前記少なくとも1つの相変化材料が、前記熱可塑性樹脂と前記少なくとも1つの相変化材料の総重量の約5から約70パーセントを構成する、
フォーム。
【請求項76】
前記相変化材料が、マイクロカプセル封入ワックス、脂肪酸またはエステル、パラフィン、塩水和物、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含む、請求項75に記載のフロス。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−516821(P2010−516821A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534859(P2009−534859)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/082539
【国際公開番号】WO2008/052122
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】