説明

ポリオレフィン微多孔膜

【課題】安全性に優れ、電池の容量劣化やサイクル劣化を防止することができる安価なセパレータで、電解液の含浸性も良好な、電池の生産性も高くなるセパレータとして好適なポリオレフィン微多孔膜の提供。
【解決手段】希土類酸化物からなる無機粒子が多孔膜の少なくとも空隙部に存在することを特徴とするポリオレフィン微多孔膜。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分離膜、特にリチウムイオン電池用セパレータに好適なポリオレフィン微多孔膜とそれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン微多孔膜は、精密濾過膜、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料などに使用されており、特にリチウムイオン電池用セパレータとして使用されている。近年、リチウムイオン電池は、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータなどの小型電子機器に用いられ、さらには電気自動車、小型バイク、電気アシスト自転車などへの応用も図られている。
リチウム電池やリチウムイオン電池等の非水系2次電池における正極材および負極材は、通常、集電体としての金属箔の表面に活物質を担持させて構成される。例えば、リチウム2次電池の負極材としては、銅箔に、リチウム単体粒子、リチウムとアルミニウムなどとの合金粒子、カーボンやグラファイトなどのリチウムイオンを吸着または吸収する材料の粒子、リチウムイオンをドーピングした導電性高分子材料の粒子を活物質として付着させたもの、およびこれらにシリカ等の無機物をブレンドしたものが知られている。正極材としては、アルミニウム箔に例えば、(CF)nの組成式で示されるフッ化黒鉛粒子、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2、MnO2、V25、CuO、Ag2CrO4などの金属酸化粒子、CuSなどの金属硫化物粒子を活物質として付着させたものが知られている。電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートなどの有機溶媒に、LiPF、LiCF3SO3、LiClO4、LiBF4、LiN(C2SO22、LiPF3(C253などを電解質とする非水系の電解液が使用されている。
【0003】
セパレータにはポリエチレン微多孔膜が使用されているが、その理由はポリエチレン微多孔膜が透過性に優れているとともに電池の安全性確保のために、130℃から150℃でポリマーを溶融させて連通孔を閉塞し、電流をシャットダウンする機能を有するからである。シャットダウンとは、微多孔膜の孔が溶融した樹脂によって閉塞され、膜の電気抵抗が増大することにより、リチウムイオンの流れを遮断する現象である。微多孔膜を電池セパレータとして使用する場合、シャットダウン温度ができるだけ低いことが望ましい。さらにセパレータの機能として、孔閉塞後もフィルム形状を維持し、電極間の絶縁性を保持する必要もある。安全性を高めるために微多孔膜のポリマーの部分はポリオレフィン樹脂を使用することが必須で、ポリエチレン樹脂を使用するのが好ましい。また、電解液の含浸性、電池の高温保存特性を改善する目的でポリオレフィン樹脂に無機粒子を含有させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体とで構成される無機質含有多孔膜が開示されており、含浸性およびシャットダウン特性と耐熱性を達成している。また膜中に無機粒子を含有させることにより、膜の高温での寸法安定性・電解液との含浸性が向上する。しかしながら、無機粉体として記載されているのは、無水ケイ酸、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化マグネシウム等であり、希土類酸化物についての記載はない。
【0004】
リチウム電池では、上記の安全性の問題以外にも、電解液中にフッ化水素酸(HF)が発生する問題がある。すなわち、電解質にLiPF、LiCF3SO3、LiBF4、LiN(C2SO22、LiPF3(C253等を用いている場合には、これらの電解質と電極等に吸着している水分とが反応してフッ化水素酸(HF)を発生させることがある。フッ化水素酸(HF)は、リチウムや正極活物質と反応してリチウムイオンを消費したり、正極活物質の構造を破壊し、容量劣化やサイクル劣化の原因となったり、電池缶を腐食させたりする。そのため捕捉して電池の劣化を抑える必要がある。上記フッ化水素酸(HF)の発生を抑制するために、電解液の製造過程においてモレキュラーシーブや無水硫酸カルシウムなどを用いて電解液を脱水し、数10ppmオーダーにまで水分含有量を下げる手法もあるが、容器の気密性や保存環境が悪いと水分が浸入してくるので、本質的な解決手段とならない。また、電解液の添加剤にフッ化水素酸(HF)に対して優先的に反応する炭酸リチウム、水酸化リチウムを配合することによる改良がなされている。例えば、特許文献2は、フッ化水素酸(HF)の発生の原因となる水を捕捉し、フッ化水素酸(HF)が発生した場合でもこれを捕捉し電池の容量劣化やサイクル劣化を防止することができるセパレータを提供する技術として、ポリオレフィン微多孔膜の片面または両面に、Si−N結合を有する化合物からなる薄膜が形成されていることを特徴とする技術を開示している。しかしながら、この技術では、薄膜を形成させるために工程が増加し、コストが高いものとなり、また、表面の薄膜形成のために電解液の含浸性が悪化するという問題点があった。
【0005】
更に、特許文献3には、電池の内部抵抗を低下する目的で、無機物微粒子をセパレータを構成する不織布やフィルムにコーティング等することで、セパレータの表面に、表面電位をもたせる技術も提案されている。この特許文献3には、無機物粒子として、酸化マグネシウムや酸化ベリリウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウムと共に酸化セシウムも記載されている。しかしながら、無機物の付与方法が表面コーティングであるため、フッ化水素酸(HF)の捕捉が十分でない。また、実施例で使用されているのは酸化チタンである。
【特許文献1】特開2001-266831号公報
【特許文献2】特開2002−367584号公報
【特許文献3】特開平11-339754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は上記のような状況に鑑み、フッ化水素酸が発生した場合でも、これ捕捉できる多孔膜を提供するものである。特にリチウム2次電池のような2次電池において、安全性に優れ、フッ化水素酸(HF)の発生の原因となる水を捕捉し、フッ化水素酸(HF)が発生した場合でもこれを捕捉し電池の容量劣化やサイクル劣化を防止することができる安価なセパレータを提供することである。また、溶液中に溶存するフッ化水素酸を捕捉することができる分離膜を提供するものである。更には、前記セパレータを用いた電池を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特殊な無機粒子の機能に着目し、分散方法を検討した結果、上記課題を解決することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1)希土類酸化物からなる無機粒子が多孔膜の少なくとも空隙部に存在することを特徴とするポリオレフィン微多孔膜。
(2)希土類酸化物が酸化セリウムである、上記(1)のポリオレフィン微多孔膜。
(3)無機粒子の平均凝集粒径が1μm未満である、上記(1)又は(2)のポリオレフィン微多孔膜。
(4)希土類酸化物からなる無機粒子とポリオレフィンと可塑剤とを含むポリオレフィン樹脂組成物を用いて相分離法により得られる、上記(1)〜(3)いずれかポリオレフィン微多孔膜。
(5)希土類酸化物からなる無機粒子とポリオレフィンと可塑剤とを下記式(1)の条件下で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得る工程、該ポリオレフィン樹脂組成物を押出成形する工程、得られた押出成形体を多孔化する工程を含む、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
1. 6≦可塑剤質量/(可塑剤吸油量×無機粒子質量×可塑剤密度)×100≦1.2 (1)
(式中、可塑剤質量、無機粒子質量の単位はg、可塑剤吸油量の単位はml/100g、可塑剤密度の単位はg/cmである)
(6)希土類酸化物が酸化セリウムである、上記(5)のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
(7)無機粒子の平均凝集粒径が1μm未満である、上記(5)又は(6)のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
(8)可塑剤とポリオレフィンの相分離により多孔化する、上記(5)〜(7)いずれかのポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
(9)上記(1)〜(4)いずれかのポリオレフィン微多孔膜を用いた非水二次電池用セパレータ。
(10)上記(1)〜(4)いずれかのポリオレフィン微多孔膜を用いたリチウムイオン二次電池用セパレータ。
(11)セパレータとして、上記(1)〜(4)いずれかのポリオレフィン微多孔膜を用い、電解質として、リチウムフッ素化合物を用いた非水系二次電池。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フッ化水素酸が発生した場合でも、これ捕捉できる微多孔膜が提供される。特に非水系二次電池にセパレータとして用いた場合、侵入してくる微量の水及び水と電解液の反応によってできたフッ化水素酸(HF)を吸着し、非水系二次電池の容量維持とサイクル特性が向上するものである。希土類酸化物からなる無機粒子を含有することにより、セパレータとして用いた時には、従来のシャットダウン特性を維持しながら、電解液との含浸性に優れ、耐熱性が向上し、高温での寸法安定性に優れ、サイクル特性に優れた電池が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のポリオレフィン微多孔膜、その製造方法、それを用いた電池の好ましい態様について説明する。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、フッ化水素酸捕捉の点から、希土類酸化物を含むことが必須である。希土類酸化物としては、例えば、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ネオジムが挙げられるが、フッ化水素酸を補足する能力が高いことから酸化セリウムが好ましい。使用する無機粒子としては本発明の効果を損なわない範囲で既知の無機物質を混合することができる、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等が好適である。
【0010】
希土類酸化物の含有量は、用途や希土類酸化物の種類により適宜選択できるが、一般に3重量%以上60重量%以下が好ましく、5重量%以上50重量%以下がより好ましく、10重量%以上40重量%以下が更に好ましい。希土類酸化物はフッ化水素酸(HF)の捕捉能の観点から10重量%以上が好ましく、分散状態の観点から40重量%以下が好ましい。
希土類酸化物以外の無機物と希土類酸化物の合計含有量も好ましくは3〜60重量%である。
本発明は希土類酸化物からなる無機粒子の一部または大部分が空隙内に存在する。このような状態は、例えば、以下の方法で確認できる。本発明のポリオレフィン微多孔膜の水銀圧入法による細孔径分布は、図1に示すように、無機原料由来であると考えられるシャープなピークを有する。これは、無機粒子が樹脂に埋没することなく、多孔体の表面且つ空隙内に存在してものと推測できる。
【0011】
本発明では、微多孔膜を製造する工程で無機微粒子を膜中に適度なサイズで分散させることができ、膜構造が均一となり、高い強度と高い安全性を持った微多孔膜が得られる点から、無機粒子の平均凝集粒子径が1μm未満であることが好ましい。ここで、平均凝集粒子径とはレーザー回折/散乱式粒度分布測定で求めたメディアン径をいう。
本発明の微多孔膜は、後述のように、ポリオレフィン、無機粒子、可塑剤からなるポリオレフィン樹脂組成物を用いて相分離法により得られることが好ましい。この場合、無機粒子は、使用する可塑剤に対する吸油量が150ml/100g以上が好ましく、より好ましくは150ml/100g以上1000ml/100g以下である。さらに好ましくは150ml/100g以上500ml/100g以下である。吸油量が150ml/100g以上の場合、無機粒子を溶融混練、押出しシート化すると、シート中に凝集物が生じにくく高倍率の延伸が可能であり、高強度かつ薄膜を達し得るので好ましい。また1000ml/100g以下の場合、無機粒子及び希土類酸化物の嵩密度が大きいために生産時における扱いが容易であることに加え、凝集物が生じにくいので好ましい。
【0012】
本発明に使用するポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のホモポリマー、コポリマー、更にはこれらのブレンド物が挙げられる。ポリエチレンとしては、高密度、中密度または低密度ポリエチレンが挙げられ、一種類あるいは二種類以上を混合して使用できる。また重合触媒も特に制限はなく、チーグラー・ナッタ系触媒やフィリップス系触媒やメタロセン系触媒などが挙げられる。機械強度の観点から、高密度ポリエチレンが好ましい。また機械強度と高透過性を両立させる観点から、ポリエチレンの粘度平均分子量は10万以上1200万以下が好ましく、より好ましくは20万以上300万以下である。ポリプロピレンとしては、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーが挙げられ、一種類または二種類以上を混合して使用することができる。また重合触媒も特に制限はなく、チーグラー・ナッタ系触媒やメタロセン系触媒などが挙げられる。また立体規則性にも特に制限はなく、アイソタクチックやシンジオタクチックやアタクチックを使用することができるが、入手の点でアイソタクチックポリプロピレンを使用するのが望ましい。さらに本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオレフィンにはポリエチレン或いはポリプロピレン以外のポリオレフィン及び酸化防止剤、核剤などの添加剤を適量添加してもよい。
【0013】
本発明の微多孔膜の最終的な膜厚は機械的強度の点から、2μm以上が好ましく、5μm以上が更に好ましい。また電池容量の点から、40μm以下であることが好ましく、更には35μm以下であることが好ましい。
気孔率は、好ましくは25%〜70%、より好ましくは30%〜60%の範囲である。気孔率が25%以下であると透過性が低下し、70%以上であると電池用セパレータとして使用した場合、自己放電する可能性が大きくなる。
本発明の微多孔膜の突き刺し強度は、電池用セパレータとして使用した場合、脱落した活物質等や充放電に伴う電極の膨張収縮によるセパレータの突き破れを低減し、短絡を防ぎやすい点で、3N/20μm以上が好ましく、微多孔膜の加熱時の幅収縮を低減できる点で25N/20μm以下が好ましい。より好ましくは4N/20μm以上20N/20μm以下、更に好ましくは5N/20μm以上10N/20μm以下である。
【0014】
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、例えばポリオレフィン樹脂と無機粒子、可塑剤を溶融混練し、押出成形、延伸、可塑剤抽出、熱処理の工程を適宜組み合わせることにより製造される。また、ポリオレフィンに無機粒子を混練しフィルム状に押出した後、延伸により多孔化する延伸開孔法を用いる事もできる。これらのうち、希土類酸化物からなる無機粒子とポリオレフィンと可塑剤とを含むポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練、押出成形した後、相分離法により多孔化する方法が、微多孔膜の空隙部全体に希土類酸化物が存在する点で好ましい。この理由は明確ではないが、次のように考えられる。ポリオレフィン樹脂と希土類酸化物からなる無機粒子とポリオレフィンと可塑剤とを含むポリオレフィン樹脂組成物を用いて相分離法により無機物と可塑剤をミキサーまたは押出機で溶融混練工程のときに1相になる。その後、冷却するにつれてポリマーと可塑剤が液液相分離になり、2相になる。この時に無機物は可塑剤の結晶核となろうとするので、可塑剤中に存在する。延伸などの工程を経て、可塑剤を抽出するとそこが空隙部になる。空隙部内は無機物のみ存在することになり、このことにより樹脂内に埋没する可能性は低くなると考える。それによりポリオレフィン微多孔膜の空隙部全体に希土類酸化物が存在し、電解液に混在した水、水酸化フッ素フッ化水素酸(HF)を捕捉することが可能となると推測される。
【0015】
本発明においてポリオレフィン樹脂と無機粒子と可塑剤を溶融混練する方法は、あらかじめポリオレフィン樹脂と無機粒子と可塑剤をヘンシェルミキサー等で所定の割合で事前混練してから押出機に投入する方法や、ポリオレフィン樹脂と無機粒子、さらには可塑剤の一部を所定の割合で事前混練してから押出機に投入し、押出機で加熱溶融させながら任意の比率で可塑剤を導入し、さらに混練することが挙げられる。特に、ポリオレフィン樹脂と無機粒子とを下記(1)式の範囲で指定される可塑剤とをヘンシェルミキサー等で事前混練したものを二軸押出機に投入し、所定可塑剤添加量の残り分をサイドフィードする方法は、無機粒子の分散性がより良好なシートを得ることができる点で好ましい。
【0016】
本発明の微多孔膜は、希土類酸化物からなる無機粒子とポリオレフィンと可塑剤とを下記式(1)の条件下で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得る工程、該ポリオレフィン樹脂組成物を押出成形する工程、得られた押出成形体を多孔化する工程を含む方法により、好適に得られる。
2.6≦可塑剤質量/(可塑剤吸油量×無機粒子質量×可塑剤密度)×100≦1.2 (1)
(式中、可塑剤質量、無機粒子質量の単位はg、可塑剤吸油量の単位はml/100g、可塑剤密度の単位はg/cmである)
上記式(1)において、可塑剤質量/(可塑剤吸油量×無機粒子質量×可塑剤密度)×100の値が0.6以上の場合には、無機粒子が適度に可塑剤を保持しポリオレフィン樹脂との嵩密度の差が小さくなるために均一に分散する点で好ましい。上記値が1.2以下の場合は、大量の可塑剤中に無機粒子を混練することによる無機粒子の凝集を防げる点で好ましい。さらに好ましい条件は上記値が0.7以上1.0以下である。最終的に添加する混練物の割合が上記の範囲内であれば、一度に押出機等を用いてポリオレフィン樹脂、無機粒子、可塑剤を混練しても、予め一定量を混合した後、残りを追加して混合する方法のいずれであっても、無機粒子の分散性の良好なシートが得られるために構わない。
【0017】
溶融混練には、一軸押出機や二軸押出機などを用いる方法が挙げられるが、混練性を上げるために、2軸押出機を用いるのが好ましく、多軸押出機や混練性を上昇させる公知の付加装置を用いても良い。溶融混練の温度は160℃以上300℃以下が好ましい。
可塑剤は、ポリオレフィンと混合した際に、その融点以上において相溶することのできる有機化合物が望ましい。このような可塑剤として、例えば流動パラフィンやパラフィンワックスなどの炭化水素類、ジ2エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸エステル類、その他、セバシン酸エステル類、ステアリン酸エステル類、アジピン酸エステル類、リン酸エステル類が挙げられる。これらの可塑剤は単独で使用しても、2種以上混合して使用してもかまわない。可塑剤の溶融混練される全混合物中に占める割合は、20重量%以上80重量%以下が好ましい。無機表面に空孔を多く形成する目的で、液液相分離挙動を示す組成の組み合わせが好ましい。
【0018】
押出成形は、スリットダイやTダイなどのシートダイから押出しキャストロールなどで冷却する方法や、インフレーション法により行い、これによりゲルシートを得る。
延伸としては、高機械強度、縦横の物性バランスをとるためには、二軸延伸が好ましい。好ましくは同時二軸延伸、逐次二軸延伸である。延伸温度は、好ましくは100℃以上から135℃以下である。延伸倍率は、膜強度の観点で好ましくは面積倍率で3倍以上から200倍以下である。
可塑剤の抽出は膜を抽出溶媒に浸漬することにより行い、その後膜を十分乾燥させる。抽出溶媒は、ポリオレフィン、無機粒子に対して貧溶媒であり、かつ可塑剤に対しては良溶媒であり、沸点がポリオレフィンの融点よりも低いことが望ましい。このような抽出溶媒として、例えば塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタンなどの塩素系溶剤、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、ヒドロフルオロカーボン、ヒドロフルオロエーテル、環状ヒドロフルオロカーボン、ペルオロカーボン、ペルフルオロエーテルなどのハロゲン系有機溶剤、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテル類、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、メタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられる。またこれらの抽出溶媒を二種類以上使用してもよい。この中では特に塩化メチレンが好ましい。また、これらの抽出溶媒はコストを低下させるために一度使用したものを蒸留等の手段により回収することが好ましい。セパレータの性能を損なわない範囲にて回収作業をするのはいうまでもない。
【0019】
また抽出後には、膜厚、透気度などの膜物性を調整するため必要に応じて延伸を加えてもよい。該抽出後の延伸は一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸が挙げられ、好ましくは同時二軸延伸、逐次二軸延伸である。延伸温度は、好ましくは100℃以上から135℃以下である。延伸倍率は、好ましくは面積倍率で1倍を越えて20倍以下である。無機粒子を効率的に表面に存在させる目的で、5倍〜20倍がさらに好ましい。
熱処理は、高温雰囲気下での膜収縮を低減するために、例えばテンター、一軸延伸機、あるいは両方を用いて、100℃以上ポリエチレンの融点以下の温度範囲で、幅方向、長さ方向、あるいは両方向にその収縮応力を緩和することにより行う。
【0020】
上記のように作製したポリオレフィン微多孔膜は、各層とも孔が三次元的に入り組んでいる三次元網目構造をとっていることが好ましい。このとき、その三次元網目構造が各層でつながっていることが好ましい。三次元網目構造とは、表面が葉脈状であり、三方向からの断面の膜構造がスポンジ状である構造である。葉脈状とはフィブリルが網状構造を形成している状態である。これらは走査型電子顕微鏡で表面および断面を観察することにより確認できる。三次元網目構造のフィブリル径は0.01μm以上0.3μm以下であることが好ましく、走査型電子顕微鏡で観察できる。また、無機粒子の平均一次粒径の形状も確認することができ、空隙部、表面での凝集粒径が計測できる。平均凝集粒径は1μm未満が好ましく、空隙部への均一分散性の観点から0.5μm以下がより好ましく、0.1μm以下がさらに好ましい。
【0021】
本発明の微多孔膜はフッ化水素酸(HF)の捕捉能に優れているため、非水二次電池用セパレータとして有用である。
本発明の微多孔膜をセパレータとして用いた電池は、例えば、微多孔膜を幅10〜100mm、長さ200〜2000mmの縦長形状のセパレータを得る工程、このセパレータを、正極―セパレータ―負極―セパレータ、または負極―セパレータ―正極―セパレータの順で重ね、円または扁平な渦巻状に巻回し、巻回体を得る工程、巻回体を電池缶内に収納し、更に電解液を注入する工程を経て製造することができる。本発明の微多孔膜はフッ化水素酸の捕捉能が優れているため、LiPF、LiCF3SO3、LiBF4、LiN(C2SO22、LiPF3(C253等のフッ素化合物とのLi塩を電解質として使用する非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池に用いた場合に、優れた効果を発揮する。
【実施例】
【0022】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。実施例において示される試験方法は次の通りである。
(1)膜厚
ダイヤルゲージ「PEACOCK No.25」(尾崎製作所、商標)にて測定した。MD10mm×TD10mmのサンプルを切り出し、格子状に9箇所(3点×3点)の膜厚を測定した。得られた平均値を膜厚(μm)とした。
(2)透気度 (sec/100cc)
JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計「G−B2」(東洋精器(株)製、商標)で測定した。
(3)突刺強度(N/20μm)
カトーテック製のハンディー圧縮試験器「KES−G5」(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで微多孔膜を固定した。次に固定された微多孔膜の中央部を、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secで、25℃雰囲気下にて突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として生の突刺強度(N)を得た。これに16(μm)/膜厚(μm)を乗じることにより16μm膜厚換算突刺強度(N/16μm)を算出した。
【0023】
(4)可塑剤吸油量 (ml/100g)
可塑剤吸油量測定器「FRONTEX S410」(商標)を用いて測定を行った。無機粒子5gを投入し、混練しながら可塑剤を滴下した。混練時のトルクが上昇し、最大トルクの70%に減少するときの可塑剤添加量(ml)を求め、それと無機粒子重量(g)より、次式を用いて計算した。
可塑剤吸油量(ml/100g)=可塑剤添加量/無機粒子重量×100
(5)電解液の含浸性
電解液として1mol/Lの六フッ化リン酸リチウム溶液(溶媒:プロピレンカーボネート)を使用し、グローブボックス内で該電解液を微多孔膜に滴下した。30秒後に電解液の液滴と微多孔膜が接している面の90%以上が透明であった場合を含浸性が特に良好(◎)と判定し、90%未満80%以上であった場合を含浸性が良好(○)と判定し、80%未満であった場合を含浸性が十分ではない(×)と判定した。
【0024】
(6)高温保存特性 (%)
(a)正極の作製
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物LiCoOを92.2重量%、導電材としてリン片グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.3重量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)3.2重量%をN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを作製する。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターで塗布し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形する。このとき、正極の活物質塗布量は250g/m、活物質嵩密度は3.00g/cmになるようにする。これを面積2.00cmの円形に打ち抜く。
(b)負極の作製
負極活物質として人造グラファイト96.9重量%、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4重量%とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス1.7重量%を精製水中に分散させてスラリーを作製する。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗布し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形する。このとき、負極の活物質塗布量は106g/m、活物質嵩密度は1.35g/cmになるようにする。これを面積2.05cmの円形に打ち抜く。
(c)簡易電池組立
ポリオレフィン微多孔膜、正極、負極、電解液(1mol/Lの六フッ化リン酸リチウム溶液(溶媒:エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/2)をアルミニウムおよびステンレス製のセル内に組み込んで、簡易リチウムイオン電池を作製する。
(d)高温保存特性評価
上記のように組み立てた簡易電池を25℃雰囲気下、3mA(約0.5C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を3mAから絞り始めるという方法で、合計6時間の充電を行う。そして3mAの電流値で電池電圧3.0Vまで放電する。
【0025】
次に25℃雰囲気下、6mA(約1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計3時間充電を行う。そして6mAの電流値で電池電圧3.0Vまで放電する。このときの放電容量をA(mAh)とする。
次に25℃雰囲気下、6mA(約1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計3時間充電を行う。充電状態に保持したセルを60℃雰囲気下で7日間保存する。その後セルを取り出し25℃雰囲気下、6mAの電流値で電池電圧3.0Vまで放電する。次に25℃雰囲気下、6mA(約1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を6mAから絞り始めるという方法で、合計3時間充電を行う。そして6mAの電流値で電池電圧3.0Vまで放電する。このときの放電容量をB(mAh)とする。BのAに対する比率から、容量維持率を高温保存特性として算出する。
【0026】
(7)平均凝集粒径(μm)
島津製作所(株)製レーザー回折/散乱式粒度分布測定器 SALD-3000を用いて下記条件で測定した。測定で求めたメディアン径を平均凝集粒径とした。
測定溶媒 : 工業用アルコール
日本アルコール販売(株)製 エキネンF−8
組成:エタノール86.4%、メタノール7.3%、水分6.3%
分散条件 : 200rpmで攪拌しながら40Wの超音波を10分の照射後に測定
シリカ屈折率設定値 : 実数部・・・1.40、虚数部・・・0
測定温度 : 25℃
本発明を実施例に基づいて説明する。
【0027】
[実施例1]
高密度ポリエチレン(密度0.95、粘度平均分子量25万)29.7重量%、酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−(3‘、5’−ジ−t−ブチル4‘−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量%、酸化セリウム(吸油量200ml/100g)20重量%、可塑剤として、DOPを40重量%加えた後、ミキサーで攪拌し原料を調整した。口径25mm、L/D=48の二軸押出機フィーダーを介して投入した。さらに、DOP10重量%をサイドフィードで押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練した後、押出機先端に取り付けたTダイから押出した。ただちに25℃に冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ1.5mmのシートを成形した。このシートを同時二軸延伸機で120℃の条件で7×7倍に延伸した後、塩化メチレンに浸漬して、DOPを抽出除去後乾燥し、テンター延伸機により125℃の条件で横方向に1.5倍延伸した後、130℃で7%幅方向に緩和して熱処理を行い、微多孔膜を得た。なお、ポリエチレン、無機粒子、可塑剤の事前混練における「可塑剤質量/(可塑剤給油量×無機粒子質量×可塑剤密度)×100」の値(以下、「式(1)値」という)は、1.01であった。得られた膜は図1に示すように水銀圧入法による細孔径分布において無機原料由来と考えられるシャープなピークを有しており、無機粒子が膜の空隙部に存在していた。作成した微多孔膜の物性は表1に示す。
【0028】
[実施例2]
高密度ポリエチレンを39.7重量%、酸化セリウムを10重量%(吸油量200ml/100g)に変更した以外は、実施例1と同様に微多孔膜を作製した。なお、ポリエチレン、無機粒子、可塑剤の事前混練における式(1)値は、1.01であった。得られた膜は図1に示すように水銀圧入法による細孔径分布において無機原料由来と考えられるシャープなピークを有しており、無機粒子が膜の空隙部に存在していた。作製した微多孔膜の物性を表1に示す。
【0029】
[実施例3]
可塑剤をDOPのかわりに流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)に変更した以外は、実施例2と同様に微多孔膜を作製した。なお、ポリエチレン、無機粒子、可塑剤の事前混練における式(1)値は0.86であった。得られた膜は図1に示すように水銀圧入法による細孔径分布において無機原料由来と考えられるシャープなピークを有しており、無機粒子が膜の空隙部に存在していた。作製した微多孔膜の物性を表1に示す。
【0030】
[実施例4]
酸化セリウム10重量%のかわりに酸化セリウム7重量%と吸油量200ml/100gの疎水性シリカ3重量%を用いた以外は実施例2と同様に微多孔膜を作製した。なお、ポリエチレン、無機粒子、可塑剤の事前混練における式(1)値は、1.01であった。得られた膜は図1に示すように水銀圧入法による細孔径分布において無機原料由来と考えられるシャープなピークを有しており、無機粒子が膜の空隙部に存在していた。作製した微多孔膜の物性を表1に示す。
【0031】
[実施例5]
酸化セリウム10重量%のかわりに酸化セリウム7重量%と吸油量200ml/100gのアルミナ3重量%を用いた以外は実施例2と同様に微多孔膜を作製した。なお、ポリエチレン、無機粒子、可塑剤の事前混練における式(1)値は、1.01であった。得られた膜は図1に示すように水銀圧入法による細孔径分布において無機原料由来と考えられるシャープなピークを有しており、無機粒子が膜の空隙部に存在していた。作製した微多孔膜の物性を表1に示す。
【0032】
[比較例1]
高密度ポリエチレン(密度0.95、粘度平均分子量25万)49.7重量%、口径25mm、L/D=48の二軸押出機フィーダーを介して投入した。酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−(3‘、5’−ジ−t−ブチル4‘−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.3重量%、口径25mm、L/D=48の二軸押出機フィーダーを介して投入した。さらに、流動パラフィン50重量%をサイドフィードで押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練した後、押出機先端に取り付けたTダイから押出した。ただちに25℃に冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ1.6mmのシートを成形した。このシートを同時二軸延伸機で120℃の条件で7×7倍に延伸した後、塩化メチレンに浸漬して、流動パラフィンを抽出除去後乾燥し、テンター延伸機により125℃の条件で横方向に1.5倍行った後、130℃で7%幅方向に緩和して熱処理を行い、微多孔膜を得た。作成した微多孔膜の物性は表1に示す。
表1より明らかなとおり、本発明の微多孔膜には電池の長期信頼性における良好な効果が見られた。他方ポリエチレン樹脂からなる微多孔膜は、4.2Vに保持したリチウムイオン電池内において60℃、7日間経過後、電池容量の低下が見られた。
【0033】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のポリオレフィン微多孔膜は、精密濾過膜、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料などに使用でき、特にリチウムイオン電池用セパレータに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のポリオレフィン微多孔膜(一例)の水銀圧入法による細孔径分布図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類酸化物からなる無機粒子が多孔膜の少なくとも空隙部に存在することを特徴とするポリオレフィン微多孔膜。
【請求項2】
希土類酸化物が酸化セリウムである、請求項1記載のポリオレフィン微多孔膜。
【請求項3】
無機粒子の平均凝集粒径が1μm未満である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
【請求項4】
希土類酸化物からなる無機粒子とポリオレフィンと可塑剤とを含むポリオレフィン樹脂組成物を用いて相分離法により得られる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
【請求項5】
希土類酸化物からなる無機粒子とポリオレフィンと可塑剤とを下記式(1)の条件下で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物を得る工程、該ポリオレフィン樹脂組成物を押出成形する工程、得られた押出成形体を多孔化する工程を含む、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
0. 6≦可塑剤質量/(可塑剤吸油量×無機粒子質量×可塑剤密度)×100≦1.2 (1)
(式中、可塑剤質量、無機粒子質量の単位はg、可塑剤吸油量の単位はml/100g、可塑剤密度の単位はg/cmである)
【請求項6】
希土類酸化物が酸化セリウムである、請求項5記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【請求項7】
無機粒子の平均凝集粒径が1μm未満である、請求項5又は6に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【請求項8】
可塑剤とポリオレフィンの相分離により多孔化する、請求項5〜7のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜を用いた非水二次電池用セパレータ。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜を用いたリチウムイオン二次電池用セパレータ。
【請求項11】
セパレータとして、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜を用い、電解質として、リチウムフッ素化合物を用いた非水系二次電池。

【図1】
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【公開番号】特開2008−88284(P2008−88284A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270362(P2006−270362)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】