説明

ポリオール混合物の製造方法

ポリウレタンを得るために更に加工され、少なくとも1種のグラフトポリオールを含むポリオール混合物の製造方法であって、
ポリオールの混合を、ポリオールの製造とポリウレタンの製造との間に連続混合法で行うことを特徴とするポリオール混合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンの製造に使用可能なポリオール混合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイソシアネートと、イソシアネート基に対して反応性を有する少なくとも2個の水素原子を有する化合物との反応を経由するポリウレタンの製造方法は、これまで公知であり、広く開示されている。イソシアネート基に対して反応性を示す少なくとも2個の水素原子を有する化合物として、殆どの場合、ポリオール、特にポリエーテルアルコール及び/又はポリエステルアルコールを使用する。フィラーを含むポリオールは、多くの用途に用いられている。フィラーとして、エチレン性不飽和化合物、特にスチレン及び/又はアクリロニトリルのポリマーが屡々使用され、これは、ポリオール内でin−situ製造される。この種のポリオールは、屡々ポリマーポリオール又はグラフトポリオールと称され、同様に周知であり、例えば非特許文献1に更に詳細に記載されている。
【0003】
グラフトポリオールは、殆どの場合、軟質ポリウレタンフォーの製造で使用される。工業的に良好な方法により、ポリマー含有率の高いグラフトポリオール(以下、フィラーと称する)が調製され、その後、この物質を、無充填ポリオールと混合して、フィラーの含有率を特定の要件に適合させる。これにより、用いられるグラフトポリオールの範囲を限定する場合もあるが、製造設備の能力が有効活用され、在庫の保持が簡素化される。従って、グラフトポリオールは、通常、他のポリオールとの混合物で使用される。
【0004】
例えば、特許文献1は、固体含有量が30〜65質量%のグラフトポリオールを調製し、その後、他のポリオールとの混合を経由して、ポリオール混合物中の固体含有量を所望の含有量に調節することについて記載している。かかる混合は、殆ど場合、撹拌器付きタンク内においてバッチで行われる。
【0005】
グラフトポリオールと他のポリオールとの上記の混合は、殆ど場合、ポリウレタンの製造直前に行われる。個々のポリオールを相互に別個にポリウレタンの製造のための計量導入装置へ計量導入することも一般的である。しかしながら、得られるポリウレタンの品質が不十分であることが見出された。例えば、フォームは、不均一であり且つ満足できないフォーム構造を有し、そして分解する、すなわちひび割れする傾向にある。
【0006】
【特許文献1】PCT/EP03/02576
【非特許文献1】Kunststoffhandbuch, 第7巻 "Polyurethane", 第3版 1993, Carl-Hanser-Verlag Munich, Vienna, 3.3.1.1部
【発明の開示】
【0007】
従って、本発明の目的は、ポリウレタン、特に良好な品質を有するポリウレタンを形成するために加工可能であり且つグラフトポリオールを含むポリオール混合物の製造方法を見出すことにある。
【0008】
驚くべきことに、混合が実際のポリウレタンの製造前に行われ且つ混合の品質が高い場合、グラフトポリオールと他のポリオールとの安定な混合物を得、そして更に加工して、良好な品質のポリウレタン、特に均一なフォーム構造を有し且つ良好な機械特性を有するポリウレタンフォームを形成できることが見出された。
【0009】
高い品質の混合は、特にスタティックミキサーを用い連続混合を間に介して達成されるのが好ましい。この実施の形態により、特に、完全で且つ積極的ではない混合となる。
【0010】
従って、本発明は、ポリウレタンを得るために更に加工され、少なくとも1種のグラフトポリオールを含むポリオール混合物の製造方法であって、ポリオールの混合を、ポリオールの製造とポリウレタンの製造のと間に連続混合法で行うことを特徴とするポリオール混合物の製造方法を提供する。
【0011】
更に本発明は、
a)ポリイソシアネートと、
b)イソシアネート基に対して反応性を示す少なくとも2個の水素原子を有する化合物と、を反応させることによりポリウレタンを製造する方法であって、イソシアネート基に対して反応性を示す少なくとも2個の水素原子を有する化合物b)として、少なくとも1種のグラフトポリオールを含むポリオール混合物を使用し、ポリオールの混合をポリオールの製造とポリウレタンの製造との間に連続混合法によって行うことを特徴とするポリウレタンの製造方法を提供する。
【0012】
更に本発明は、本発明の方法によって製造されるポリオール混合物及びポリウレタンを提供する。本発明の方法によって製造されるポリウレタンは、殆どの場合、軟質ポリウレタンフォームである。
【0013】
ポリオール混合物を製造するために用いられるグラフトポリオールは、ポリエーテルアルコール又はポリエステルアルコールであっても良い。好適なグラフトポリエーテルアルコールは、例えばPCT/EP03/02576に記載されている。グラフトポリエステルアルコールは、例えばEP622384に記載されている。
【0014】
グラフトポリオールは、上述したように、ポリオール(殆どの場合、キャリヤーポリオール(carrier polyol)と称される)中のオレフィン性不飽和モノマー、主としてスチレン及びアクリロニトリルの重合を介して製造される。グラフトポリオールの安定性を得て、そして粒子の沈殿を防止するために、屡々マクロマーと称される不飽和基を導入したポリオールの存在下で重合を行うか、或いは不飽和基を有するキャリヤーポリオールを用いるのが望ましい。
【0015】
ポリマーがキャリヤーポリオール中に存在する形は、通常、粒子の形である。粒子の直径は、殆どの場合、0.1〜4μmの範囲である。粒径を大きくすると、グラフトポリオールを更に加工している間に問題を引き起こすであろう。
【0016】
軟質ポリウレタンフォームの製造に好適なグラフトポリオールのヒドロキシ価は、主として10〜50mgKOH/gの範囲であり、15〜45mgKOH/gの範囲であるのが好ましい。使用されるキャリヤーポリオールは、主として慣用の軟質フォームポリエーテルアルコールである。これは、20〜100mgKOH/gの範囲のヒドロキシ価を主として有し、2価又は3価アルコール、例えばグリセロール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール又はプロピレングリコールへのアルキレンオキサイドの付加反応を介して製造されるのが一般的である。
【0017】
グラフトポリオールと混合されることもあるアルコールとして、主としてポリエーテルアルコール及び/又はポリエステルアルコールを使用可能であり、これらは、公知であり且つポリウレタンフォームの製造に一般的である。
【0018】
好適なポリエステルアルコールは、例えば、炭素原子数2〜12、好ましくは2〜6の多価アルコール、好ましくはジオールを用いて、炭素原子数2〜12の有機ジカルボン酸、好ましくは炭素原子数8〜12の脂肪族ジカルボン酸から調製可能である。使用可能なジカルボン酸は、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及び異性体のナフタレンジカルボン酸であり、アジピン酸が好ましい。本発明の場合、ジカルボン酸は、個々に、又は相互に混合した混合物で使用可能である。遊離ジカルボン酸の代わりに、対応のジカルボン酸誘導体、例えば、炭素原子数1〜4のアルコールのジカルボン酸エステル、又はジカルボン酸の無水物を使用することも可能である。
【0019】
2価アルコール及び多価アルコール、特にジオールは、例えば、エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2−若しくは1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、グリセロール、及びトリメチロールプロパンである。エタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、又は少なくとも2種の上述したジオールからなる混合物、特に1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールからなる混合物である。ラクトン、例えばε−カプロラクトン、又はヒドロキシカルボン酸、例えばヒドロキシカプロン酸及びヒドロキシ安息香酸から誘導されるポリエステルポリオールを使用することも可能である。
【0020】
ポリエステルアルコールのヒドロキシ価は、40〜100mgKOH/gの範囲であるのが好ましい。
【0021】
使用されるポリエーテルアルコールは、公知の方法、例えば、アルキレン基に2〜4個の炭素原子を有する1種以上のアルキレンオキサイドを出発材料として、触媒としてアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ金属のアルコレートを使用し、2〜3個の反応性水素原子を含む少なくとも1種の開始剤分子を添加するアニオン重合によって製造される。好適なアルキレンオキサイドは、例えば、テトラヒドロフラン、プロピレン1,3−オキサイド、ブチレン1,2−又は2,3−オキサイド、そして好ましくはエチレンオキサイド及びプロピレン1,2−オキサイドである。アルキレンオキサイドを個々に、連続して交互に或いは混合物として使用することができる。プロピレン1,2−オキサイドとエチレンオキサイドの混合物が好ましく、その際に、10〜50%の量のエチレンオキサイドをエチレンオキサイド末端ブロック(EOキャップ)として用い、これにより、得られるポリオールは、70%を超える第1級OH末端基を有する。
【0022】
開始剤分子として、水又は2価及び3価のアルコール、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン等を使用可能である。ポリエーテルアルコール、好ましくはポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンポリオールの官能価は、2〜3の範囲であり、その分子量は、1000〜8000の範囲であり、好ましくは2000〜7000の範囲である。
【0023】
上述したように、混合装置としてスタティックミキサーを使用するのが好ましい。この種の装置は、当業者等に周知である。例えば、EP0097458には、この種の、液体を混合するための装置が開示されている。
【0024】
スタティックミキサーは、通常、固定インターナルを備えた管状の装置であり、管の断面にわたる個々の物質流を混合するために働く。スタティックミキサーは、種々の基本的な処理操作、例えば混合、2層の間での物質交換、化学反応又は熱移動を行うための連続法において用いることができる。
【0025】
出発材料は、ポンプを用いることにより生じる圧力降下を介して均質化される。スタティックミキサー中における流れの性質に応じて、混合の2種類の基本的な原理を区別することができる。
【0026】
層流混合器(ミキサー)において、均質化は、個々の成分流を分離(分割)し、転換することによって行われる。層の数を連続的に倍増することにより、層厚は薄くなり、これはマクロレベルでの完全な混合が達成されるまで行う。拡散法によるマクロレベルでの混合は、滞留時間に応じて異なる。層流混合操作は、らせん型混合器又は交差導管を具備する混合器中で行われる。層流は、専断力が小さく、滞留時間分布が狭い通常の管状流に類似している。
【0027】
乱流混合器において、個々の材料流を均質化する目的で、渦が特に引き起こされる。この場合、特定の乱流混合器のように、交差導管を備える混合器が適当である。
【0028】
本発明の方法の場合、両方の種類の混合器を用いることができる。
【0029】
使用されるインターナルは、流れを分割し且つ転換させる立体形状の本体から構成されているのが一般的であり、このようなインターナルにより、個々の成分を転換し、混合し、そして再結合する。
【0030】
スタティックミキサーは、市販の混合装置であり、例えば、Fluitec Georg AG(ネフテンバッハ、スイス)から提供され、種々の利用分野に用いられる装置である。
【0031】
上述のスタティックミキサーを用いることにより、均質化を極めて良好に行うことができる。これにより得られるポリオール混合物は、貯蔵安定性を有し、ポリウレタンの製造に必要な他の成分と困難なく混合可能である。なお、他の成分は、以下に更に詳細に示される。
【0032】
本発明のポリオール混合物をポリイソシアネートと反応させて、ポリウレタンを形成することができ、特に、軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0033】
ポリイソシアネートとして、一般的で且つ公知の脂肪族(脂環式)及び/又は特に芳香族のポリイソシアネートを使用する。特にジフェニルジイソシアネート(MDI)及び/又はトリレンジイソシアネート(TDI)を用いて、本発明の軟質ポリウレタンフォームを製造する。ポリイソシアネートは、純粋な化合物の形で、又は変性された形、例えばウレトジオン、イソシアヌレート、アロファネート若しくはビウレットの形で用いることができるが、特に、イソシアネートプレポリマーとして知られているように、ウレタン基とイソシアネート基を含む反応生成物の形で用いることができる。
【0034】
ポリオールに加え、低分子量の連鎖延長剤及び架橋剤を用いることも可能である。これらは、低分子量の多価アルコール、好ましくはジオール及び/又はトリオールを含み、分子量は400ダルトン未満、好ましくは60〜300ダルトン、特に好ましくは60〜200ダルトンである。
【0035】
使用可能なジオールは、例えば、脂肪族、脂環式及び/又はアリール脂肪族のジオール、例えば炭素原子数2〜14個、好ましくは2〜6個のアルカンジオール及び/又は炭素原子数4〜8個、好ましくは4〜6個のジアルキレングリコールである。例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及び/又はジアミン、例えばエチレンジアミン、及び/又はアミノアルコール、例えばエタノールアミンを使用する。
【0036】
軟質ポリウレタンフォームは、触媒、発泡剤、そして慣用の助剤及び/又は添加剤の存在下で製造されるのが好ましい。
【0037】
本発明の方法で用いられる発泡剤は、殆どの場合に水であり、イソシアネート基と反応して、二酸化炭素を形成する。有利に使用される水の量は、フォームの所望の密度に応じて異なり、イソシアネート基に対して反応性を示す少なくとも2個の水素原子を有する100質量部の化合物に対して、0.1〜8質量部、好ましくは1.5〜5質量部である。
【0038】
水と混合する場合、適宜、物理発泡剤として知られている発泡剤を使用しても良い。これは、調製物の成分に対して不活性であり且つ大気圧下で100℃未満、好ましくは50℃未満、特に−50〜+30℃の沸点を有する液体である。従って、この液体は、発熱重付加反応に付された場合に気化する。かかる液体として、炭化水素、例えばペンタン、n−ブタン、イソブタン及びプロパン、エーテル、例えばジメチルエーテル及びジエチルエーテル、ケトン、例えばアセトン及びメチルエチルケトン、酢酸エチル、そして好ましくはハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、トリフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、及び1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンを使用するのが好ましい。これらの低沸点液体相互の混合物又は低沸点液体と置換されていても良い他の炭化水素との混合物を用いることも可能である。
【0039】
水と共に用いられる物理発泡剤の量は、所望のフォームの密度の関数として簡単な方法で決定可能であり、イソシアネート基に対して反応性を示す少なくとも2個の水素原子を有する100質量部の化合物に対して、0〜50質量部、好ましくは0〜20質量部である。
【0040】
イソシアネート基に対して反応性を示す少なくとも2個の水素原子を有する化合物及び水とポリイソシアネートとの間の反応を促進するために、一般的なポリウレタン触媒を反応混合物に導入する。第三級アミン等の塩基性のポリウレタン触媒、例えば、ジメチルベンジルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノジエチルエーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)尿素、N−メチル−若しくはN−エチルモルホリン、ジメチルピペラジン、ピリジン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−アザビシクロ[3.3.0]オクタン、ジメチルアミノエタノール、2−(N,N−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N’,N’’−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロトリアジンを使用するのが好ましく、そして特にトリエチレンジアミンを使用するのが好ましい。
【0041】
しかしながら、金属塩を用いることも適当であり、例えば塩化鉄、塩化亜鉛、鉛オクトエート、そして好ましくは、スズ塩、例えばスズのジオクトエート、スズジエチルヘキサノエート、及びジブチルスズジラウレート、更に特に、第三級アミンとスズの有機塩からなる混合物を用いるのが適当である。第三級アミンに対して0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%の触媒、及び/又はポリヒドロキシ化合物の質量に対して0.01〜0.5質量%、好ましくは0.05〜0.25質量%の金属塩を使用するのが有利である。
【0042】
助剤及び/又は添加剤を反応混合物に導入しても良い。例えば、対加水分解安定剤、他の安定剤、有孔調節剤(pore regulator)、殺菌作用及び殺バクテリア作用を有する物質、染料、顔料、フィラー、表面活性剤、及び難燃剤が特記に値する。
【0043】
例えば、出発材料の均質化を促進するために働き、適宜、フォームの気泡構造(セル構造)の調節に適当である物質を用いることができる。例示として、シロキサン−オキシアルキレン共重合体及び他の有機ポリシロキサン、オキセチル化(oxethylated)アルキルフェノール、オキセチル化脂肪アルコール、パラフィン油、ひまし油のエステル、又はリシノール酸エステルが特記に値し、使用量は、100質量部のポリヒドロキシ化合物に対して、0.2〜8質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
【0044】
好適な難燃剤は、例えば、リンを含み及び/又はハロゲン原子を含む化合物、例えばリン酸トリクレジル、トリス−2−クロロエチルホスフェート、トリクロロプロピルホスフェート及びトリス−2,3−ジブロモプロピルホスフェートである。
【0045】
上述のハロゲン置換ホスフェートの他に、無機難燃剤、例えば三酸化アンチモン、酸化ヒ素、リン酸アンモニウム及び硫酸カルシウム、又はメラミンを用いて、ポリウレタンフォームに対する難燃性をもたらすことができる。
【0046】
100質量部のポリヒドロキシ化合物に対して、5〜50質量部、好ましくは5〜25質量部の上述の難燃剤を用いるのが有効であると判明した。
【0047】
使用される出発材料に関する詳細は、例えば、Guenter Oertel(Carl-Hanser-Verlag, Munich)編によるKunststoffhandbuch, 第7巻, Polyurethane, 第3版 1993において見出すことができる。
【0048】
本発明のポリウレタンを製造するために、有機ポリイソシアネートa)を、発泡剤、触媒、及び上述の助剤及び/又は添加剤の存在下で、少なくとも2個の反応性水素原子を有する化合物と反応させる。この処理において、本発明のポリオール混合物、そして発泡剤、触媒、及び上述の助剤及び/又は添加剤を、反応前に組み合わせて、ポリオール成分として知られている成分を形成するが、この成分をイソシアネート成分と接触させる。ポリオール成分についても同様に、スタティックミキサーによって連続的に製造可能である。
【0049】
本発明によると、グラフトポリオールから誘導されるポリオール混合物を簡単に製造することができる。本発明のポリオール混合物を用いて製造されるポリウレタンは、別の混合法を用いたポリウレタンと比較して、良好な気泡構造を有している。
【0050】
以下の実施例で本発明を詳細に説明する。
【実施例】
【0051】
各々の実施例で、30kg/m3のエンベロープ密度(envelope density)を有する軟質ポリウレタンフォームを製造した。
【0052】
[実施例1]
固体含有率が40質量%で、ヒドロキシ価が27.3mgKOH/gのグラフトポリオール27質量部は、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドのグリセロールへの付加反応により調製されヒドロキシ価が46mgKOH/gのポリエーテルアルコール中におけるモル比が2:1のアクリロニトリルとスチレンとのin−situ重合により調製され、そして上記のグラフトポリオールを、Fluitec CSE-X(登録商標)スタティックミキサーを用いて73質量部のポリエーテルアルコールと混合させた。混合物の固体含有量は、10質量%であった。
【0053】
混合物を、3.5質量部の水、1.1質量部のTegostab(登録商標)BF2370フォーム安定剤、0.2質量部のアミン触媒のLupragen(登録商標)N201/N206(質量換算で3:1の割合)及び0.18質量部のスズジオクトエートと混合した。
【0054】
この混合物を、実験室系においてトリレンジイソシアネートを用いて20/80で発泡させ、その際のインデックスは110であった。
【0055】
表1には、発泡性能とフォームの機械特性が示されている。
【0056】
[比較実施例1]
手順は実施例1と同様であるが、ポリエーテルアルコールを混合ヘッドに別個に計量導入した。
【0057】
表1には、発泡性能とフォームの機械特性が示されている。
【0058】
[実施例2]
手順は実施例1と同様であるが、36質量部のグラフトポリオールと64質量部のポリエーテルアルコールを使用した。ポリオール混合物の固体含有量は、15質量%であった。
【0059】
表1には、発泡性能とフォームの機械特性が示されている。
【0060】
[比較実施例2]
手順は実施例2と同じであるが、ポリエーテルアルコールを混同ヘッドに別個に計量導入した。
【0061】
表1には、発泡性能とフォームの機械特性が示されている。
【0062】
【表1】

【0063】
表によると、本発明の方法により製造されたフォームの加工特性及び機械特性は、従来の方法により製造されたフォームより良好であることが示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンを得るために更に加工され、少なくとも1種のグラフトポリオールを含むポリオール混合物の製造方法であって、
ポリオールの混合を、ポリオールの製造とポリウレタンの製造との間に連続混合法で行うことを特徴とするポリオール混合物の製造方法。
【請求項2】
連続混合法がスタティックミキサーを用いて行われる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
グラフトポリオールがグラフトポリエーテルアルコールである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
グラフトポリオールがグラフトポリエステルアルコールである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ポリウレタンを形成するために更に加工され且つ請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により製造されるポリオール混合物。
【請求項6】
a)ポリイソシアネートと、
b)イソシアネート基に対して反応性を示す少なくとも2個の水素原子を有する化合物と、を反応させることによりポリウレタンを製造する方法であって、
イソシアネート基に対して反応性を示す少なくとも2個の水素原子を有する化合物b)として、少なくとも1種のグラフトポリオールを含むポリオール混合物を使用し、ポリオールの混合をポリオールの製造とポリウレタンの製造との間に連続混合法によって行うことを特徴とするポリウレタンの製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法に基づき製造されるポリウレタン。

【公表番号】特表2007−506825(P2007−506825A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527358(P2006−527358)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010722
【国際公開番号】WO2005/033168
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】