説明

ポリカチオン性ポリ四級生成物、またはそれを含む水性組成物

【課題】製紙用助剤として有用なポリカチオン性ポリ四級生成物。
【解決手段】(A1)下式のオリゴヒドロキシアルカン、X−(OH)X1・・・(Ia)(、または式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、または一以上の式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンとC2-3アルカンジオールとの混合物、および(A2 )下記平均式のポリアルキレングリコール、HO−(アルキレン−O)x2−H・・・(Ib)から選択されるオリゴヒドロキシアルカンと、エピクロロヒドリンの反応であって、分子量92以上のオリゴヒドロキシ化合物の全モルに対してエピクロロヒドリン少なくとも2モル、およびC2-3アルカンジオールの全モル当量に対してエピクロロヒドリン1〜4モルの割合における反応で、塩素末端停止付加物(E)を与える反応、および、少なくとも一の下式のアミノ化合物、による(E)の四級化、または架橋化反応により得られるポリカチオン性ポリ四級生成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
水性製紙組成物(原料)―様々な使用材料、即ち、パルプ(未使用ファイバー、損紙および/または再生紙からのパルプ)、およびウエットエンド(wet end)添加剤、装置、ならびに製造条件に基づいて―から紙を製造するに当たり、その原料は、ある程度の量の不溶解成分、顕微鏡サイズに非常に細かく懸濁された成分を含む。それは通常完全には紙ウェブ中に保持されないで、バックウォーター(白水)中に存在し、バックウォーター中には、懸濁微粒子が濁りとして見られる。
【0002】
製紙の原料の調製には、通常下記の操作が含まれる。(1)パルプ化、(2)叩解および精製、(3)ウェットエンド剤の添加、ならびに4)計量および混合。
【0003】
(1)「パルプ化」において、様々な繊維状材料(未使用繊維、損紙、再生紙)は、適切な分散装置(パルパー、デフレイカー(deflakers))を利用して水中に分散される。
(2)「叩解または精製」によって、繊維は、所望の製紙に適した方法により(一次繊維壁を除去し、ブル−ジング、膨潤、水和、などにより)、物理的に変性される。
操作(1)および(2)は、所望により互いに結合することができる。
【0004】
集成装置の製紙機へ原料を輸送する前に、ウェットエンド剤が添加される[操作(3)]。
所望の場合、(3)の添加の前に、異なった種類の製紙材料が計量され、混合される[操作(4)]。機械損紙または再生紙(後者は好ましくは脱インキされる。)は、好ましくは別々に再パルプ化されて、その後計量され、他のパルプと混合される。
【0005】
紙組成物原料は、しばしば損紙と混合された未精製の未使用繊維、またはリサイクルされた紙のために脱インキされ、再生された、必要により損紙と混合された繊維を含む。
【0006】
排水から得られる白水の様々な成分は、主として下記の段階に由来する。工程1)および/または2)から、例えば、リグニンスルホネート、リグニン分解生成物、木材抽出物、セルロース誘導体(例えば、ヘミセルロース)が生ずる。工程3)および4)、並びに特に場合によりコートされた損紙または再生紙を使用すると、充填剤(例えば、ホワイト顔料、分散剤、湿潤剤など)、他の添加剤(例えば、改質でんぷん、カルボキシメチルセルロース、サイジング剤、分散剤、染料、蛍光漂白剤、コーティングバインダー、湿潤剤、珪酸ナトリウム、殺生物剤、脱インキ洗剤、など)、および使用する水(例えば、フミン酸、および水硬質塩)から由来する成分を生ずる。
【0007】
バックウォーター中のそれら汚染物質(溶解成分、および顕微鏡レベルに細かく懸濁された成分)の種類および割合は、幅広く変わる。それらの量は、特に損紙からの原料か、再生紙かに関連し、またホワイトウォーターが系中にリサイクルされる場所に関連する。これらのバックウォーターの成分は、それを精製上で、特にホワイトウォーターが系中にリサイクルされる場合、やっかいものとなる。上記の多くのアニオン性汚染物質があると、製造上の問題、例えば、シート破損、またはシート品質の損失(例えば、孔および不均一性)を産み出し、また、アニオン性汚染物質と不活性錯体を形成することによりカチオン性添加剤(例えば、凝集剤、排水補助剤、保持助剤、湿潤強化樹脂、合成サイジング剤、カチオン性染料、など)の活性を損なう。
【0008】
したがって上記のバックウォーター成分の量を減少し、全てのカチオン性ウェットエンド添加剤の活性を高めるための手段を発見することが望まれている。ヨーロッパ特許第0810322公開公報には、ポリエチレングリコール、エピクロロヒドリン、およびある種の一級ジアミンとアルカリ架橋剤との反応により得たある種のポリアミノエーテルが記載され、それが保持剤、排水剤、定着剤、および凝集剤として適していると明細書に記載されている。しかしながらそこに記載された発明の問題点は、製紙工程における保持と排水効率のみが拠り所であることであり、またその技術水準を上回る改良は、排水および保持に係るもののみが記載されている。
【0009】
ヨーロッパ特許第810322公開公報、国際特許95/15996号公開公報、米国特許第4056510号明細書、および米国特許第4281199号明細書から、ポリオール/エピクロロヒドリン付加物とポリアミンの反応性生物からのある種ポリマーが公知であり、それは非四級であることが必須であり、また製紙工程の様々なフェーズでパルプの添加剤としても使用できる。
【0010】
ここで、驚くべきことに下記に定義する高カチオン密度のポリカチオン性ポリ四級ポリマー(P)が製紙工程中の定着剤として特に格別優れていることが分かった。
【0011】
本発明は、下記に定義するポリカチオンポリマー(P)、その製造方法、使用、およびその水性組成物に関する。
【0012】
本発明は、第一の態様として、(A)分子量92以上のオリゴヒドロキシアルカンであって、(A1)下式のオリゴヒドロキシアルカン
X−(OH)X1 (Ia)
(式中、XはC3-6アルカンのX1価基を示す。X1は3からX中の炭素数の数を示す。)、または
式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、または
一以上の式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンとC2-3アルカンジオールとの混合物、および
(A2 )下記平均式のポリアルキレングリコール、
HO−(アルキレン−O)x2−H (Ib)
(式中、アルキレンはC2-4アルキレンを示し、またx2は2〜40の数を示す。)
から選択される、前記オリゴヒドロキシアルカンと、
(B)エピクロロヒドリンの反応であって、
前記分子量92以上のオリゴヒドロキシ化合物の全モルに対してエピクロロヒドリン少なくとも2モル、およびC2-3アルカンジオールの全モル当量に対してエピクロロヒドリン1〜4モルの割合における反応で、塩素末端停止付加物(E)を与える反応、および、
(C)(C1)少なくとも一の下式のアミノ化合物、
【化1】

(式中、YはC2-3アルキレンを示し、yは0の数を示し、R1はC1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、またR2は、水素を示す。)
による(E)の四級化、または架橋化反応により得られるポリカチオン性ポリ四級生成物(P)に関する。
本発明は、第二の態様として、(A1)下式のオリゴヒドロキシアルカン
X−(OH)x1 (Ia)
(式中、XはC3-6アルカンのX1価基を示す。X1は3からX中の炭素数の数を示す。)、または
式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、または
一以上の式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンとC2-3アルカンジオールとの混合物、および
(B)エピクロロヒドリンの反応であって、
前記式(Ia)のオリゴヒドロキシC3-6アルカン化合物の全モルに対してエピクロロヒドリン2〜2・x1モル、およびC2-3アルカンジオールの全モル当量に対してエピクロロヒドリン1〜4モルの割合における反応で、塩素末端停止付加物(E1)を与える反応、および、
(C1)下式の少なくとも一のアミノ化合物による、
【化2】

(式中、YはC2-3アルキレンを示し、yは0〜3の数を示し、R1はC1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、またR2は、C1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示す。)
(E1)の架橋化、四級化反応により得られるポリカチオン性ポリマー(P1 )である、ポリカチオン性ポリ四級生成物(P)に関する。
本発明は、第三の態様として、(A1)がグリセロール、およびx1が4〜6である式(Ia)の化合物の混合物である、上記第2の態様に係るポリ四級ポリマー(P1)に関する。
本発明は、第四の態様として、上記第1〜3のいずれか一項の態様に係る、ポリ四級生成物(P)を含む、水性組成物に関する。
【0013】
分子量92以上のオリゴヒドロキシアルカンとして、公知の化合物、特に低分子量の、3〜6個の水酸基を有するオリゴヒドロキシアルカン、またはポリアルキレングリコールを使用することができる。
【0014】
好ましくは(A)は、下記のものから選ばれる。
(A1)下式のオリゴヒドロキシアルカン
X−(OH)x1 (Ia)
(式中、XはC3-6アルカンのX1価基を示す。X1は3からX中の炭素数の数を示す。)、または
式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、または
一以上の式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンとC2-3アルカンジオールとの混合物、および
(A)下記平均式のポリアルキレングリコール、
HO−(アルキレン−O)x2−H (Ib)
(式中、アルキレンはC2-4アルキレンを示し、またx2は2〜40の数を示す。)
【0015】
アミンとして、アミノ基の窒素の少なくともいくつかが、反応を妨げない脂肪族置換基、好ましくは低分子量アルキルまたはヒドロキシアルキルで置換されている公知の脂肪族モノまたはオリゴアミンを使用することができる。好ましくは(C)が、
(C1)少なくとも一の下式のアミノ化合物、
【化3】

(式中、YはC2-3アルキレンを示し、yは0〜3の数を示し、R1はC1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、またR2は、yが1〜3のときは、C1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、yが0のときは、水素を示す。)
(C2)下式の3級アミン
N(R13 (III)
および
(C3)少なくとも一の下式のジアミン
【化4】

(式中、R3は水素、C1-3アルキル、またはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、またwは2〜6の数を示す。)
【0016】
このように(P)の製造方法は、(A)と(B)とを(B)/(A)の比が上記に示す範囲で反応させて塩素末端停止付加物(E)を与えて、また(E)は(C)と反応させてポリ四級生成物を与えることに特徴を有する。
【0017】
反応成分およびそれらのモル比は、ポリ四級生成物、即ち分子当たり少なくとも2つの四級アンモニア基を有する生成物が形成されるように、好ましくはポリマー特性を有する生成物、即ち(A)から由来する繰り返し単位を含む生成物、特に架橋された生成物、または/およびその生成物において、(A)がポリマー特性を有し、好ましくは(A2)に対応するポリアルキレングリコールである、生成物が形成されるように選択される。
【0018】
このように好ましい特徴に応じて、本発明は、
(A1)下式のオリゴヒドロキシアルカンと、
X−(OH)x1 (Ia)
(式中、XはC3-6アルカンのX1価基を示す。X1は3からX中の炭素数の数を示す。)、または
式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、または
一以上の式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンとC2-3アルカンジオールとの混合物、
(B)エピクロロヒドリンとの、
式(Ia)のオリゴヒドロキシC3-6アルカン化合物の全モルに対してエピクロロヒドリン2〜2x1モル、およびC2-3アルカンジオールの全モル当量に対してエピクロロヒドリン1〜4モルの割合における反応で、塩素末端停止付加物(E1)を与える反応、
および、
(C1)下式の少なくとも一のアミノ化合物による、
【化5】

(式中、YはC2-3アルキレンを示し、yは0〜3の数を示し、R1はC1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、またR2は、yが1〜3のときは、R1 を示し、yが0のときは、水素を示す。)
(E1)の架橋化、四級化反応、および必要により、
(C2)下式の三級アミンによる
N(R13 (III)
鎖端停止、四級化反応により得られる、ポリカチオン性ポリ四級生成物(P1)を提供する。
【0019】
このように(P1)の製造方法は、(A1)が式(Ia)の化合物の全モル数に対して2〜2x1モルの(B)、およびC2-3アルカンジオールの全モル数に対して1〜4モルの(B)の割合で、(B)と反応させて、塩素末端停止付加物(E1)を与え、またその(E1)を(C1)、および必要に応じて(C2)と反応させることを特徴とする。
【0020】
式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンとして公知の化合物、例えばグリセロール、トレイトール、トリメチロール−エタン、又は−プロパン、および5または6個の炭素原子を有する従来の炭水化物、例えばソルビトール、マンニトール、ズルシトール、およびペンタエリスリトールの還元生成物が利用できる。
【0021】
式(Ia)の好ましい化合物は、下式のものである。
H−(CHOH)x1−H (Ia')
【0022】
4〜6個の炭素原子を有する式(Ia)の化合物は、ラセミ混合物または単一光学的異性体の形態で利用することができる。それらは、周囲温度で固体であり、またしたがって便宜的に、周囲温度で液体であるグリセロール、エチレングリコール、およびプロピレングリコールから選択される少なくとも一つの化合物との混合物として利用できる。そのような混合物の量比は、その混合物が選択された反応温度で液体であるように適切に選択され、好ましくは2〜3個の炭素原子を有する化合物の全重量部に対して、4〜6個の炭素原子を有する式(Ia)の化合物1〜4重量部の範囲である。最も好ましくは、x1が5または6である式(Ia')の化合物と、x1が3である式(Ia')の化合物(即ち、グリセロール)との混合物が利用できる。
【0023】
エピクロロヒドリン(B)対オリゴヒドロキシ化合物または混合物(A1)のモル比は、式(Ia)の化合物のモル当たりエピクロロヒドリン3〜1.5・x1モル、好ましくは3〜x1モル、およびC2-3アルカンジオールのモル当量当たりエピクロロヒドリン1〜4モル、好ましくは1〜2モルの範囲である。
【0024】
他の好ましい特徴によると、本発明は、
(A2)下記平均式のオリゴアルキレングリコールと、
HO−(アルキレン−O)x2−H (Ib)
(式中、アルキレンはC2-4アルキレンを示し、またx2は2〜40の数を示す。)
(B)エピクロロヒドリンとの、
オリゴアルキレングリコールの全モルに対してエピクロロヒドリン2モル以上、好ましくは2〜8モルの割合における反応で、塩素末端停止付加物(E2)を与え、
また(E2)と
(C2)下式の三級アミン、
N(R13 (III)
または
(C3)下式の少なくとも一のジアミン
【化6】

(式中、R3は水素またはC1-3アルキルを示し、wは2〜6の数を示す。)
との反応により得られる、ポリカチオン性ポリ四級ポリマー(P2)を提供する。
【0025】
以上のとおり、(P2)の製造方法は、(A2)を式(Ib)のジオールの全モル数に対して(B)2以上のモルの比で(B)と反応させて、塩素末端停止付加物(E2)を与え、また(E2)を(C2)または(C3)と反応させることに特徴がある。
【0026】
式(Ib)中のアルキレンは、エチレン、プロピレン、および/またはブチレンであり、また式(Ib)のポリアルキレングリコールはホモ−またはコ−ポリマーであってもよく、好ましくは(pH7、20℃で少なくとも10g/lの水への溶解性を有する)水溶性生成物である。式(Ib)のポリアルキレングリコールとして、好ましくはエチレンオキシ単位の主要部を含むポリエチレングリコールおよびコポリアルキレングリコールが利用される。より好ましくは、ポリエチレングリコール、即ちアルキレンがエチレンのみを意味する式(Ia)の化合物が利用される。
【0027】
(E2)と(C2)とを反応させて適切にジ四級生成物(P2')を与えるには、より高い分子量の開始ポリエチレングリコール(A2)、特にx2が4〜40、より好ましくは5〜36の範囲のポリエチレングリコールが好ましい。一方、(E2)と(C3)とを反応させて適切にポリ四級生成物(P2'')を与えるには、より低い分子量の開始ポリエチレングリコール(A2)、特にx2が2〜24、より好ましくは3〜12の範囲のポリエチレングリコールが好ましい。
【0028】
(A)と(B)との反応は、好ましくはいかなる溶剤もない状態で、しかも、例えばルイス酸、好ましくはボロントリフルオリド、好ましくはそのエーテラートまたは酢酸錯体の形態の触媒の存在下で行われる。この反応は、エポキシ環を開環し、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル−1基を形成して、エピクロロヒドリンが水酸基に付加する反応である。この反応は発熱反応であり、反応温度は、冷却されて好ましくは100℃未満に保たれ、より好ましくは60〜85℃の範囲に保たれる。エピクロロヒドリンは、(A)の利用可能の水酸基と反応し、また反応が進むにつれて、その反応の間に形成される2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル−1基の水酸基とも反応することができ、そこで式(I)の水酸基のいくつかは(B)と反応しないままでもよい。モル比、オリゴヒドロキシ化合物の官能性(例えば、x1の価)、および式(Ia)の光学的立体配置に基づいて、(特にx1が4〜6であるとき)、(A)のOH基と(B)との反応度は変わり、(A)中にもともと存在するOH基全数の50〜95%の範囲である。得られた付加物(E)は、クロロ末端停止生成物である。その後、この生成物は(C)と反応させる。
【0029】
1、R2、およびR3中のC1-3アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルであることができ、より低分子量のものが好ましく、特にエチルおよびメチルが好ましい。C2-3ヒドロキシアルキル基は、好ましくは2−ヒドロキシエチル、または2−ヒドロキシプロピルである。そのC1-3アルキル基およびC2-3ヒドロキシアルキル基の中で、C1-3アルキル基が好ましく、特に特にエチルおよびメチルが好ましい。式(II)中のインデックスyは、0〜3のどの数であってもよく、好ましくは0〜2、より好ましくは0または1である。式(II)の代表的なアミンは、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、N,N'−ジエタノール−N',N'−ジメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、およびヘキサメチルトリエチレンテトラミンであり、その中で、二官能性アミン、特により分子量の小さいものが好ましく、とりわけジメチルアミンおよびテトラメチルエチレンジアミンが好ましい。式(III)の代表的なアミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、およびトリエタノールアミンであり、その中で、トリメチルアミンおよびトリエチルアミンが好ましい。式(IV)において、インデックスwは、好ましくは2または3である。式(IV)の代表的なアミンは、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエタノールアミノプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、N,N−ジエタノール−N',N'−ジメチルエチレンジアミンである。
【0030】
(C)/(E)のモル比は、好ましくはできる限り高い四級アンモニア基密度で、好ましくは高分子特性を有する生成物(P)が得られるように選定する。(C1)/(E1)のモル比は、好ましくは塩素に関して(E1)の全モル当量に対して、(C1)0.5モル±30%、例えば±10%が用いられるように選定される。(C2)/(E2)のモル比は、好ましくは塩素に関して(E2)の全モル当量に対して、(C2)1モル±30%、例えば±10%が用いられるように選定される。(C3)/(E2)のモル比は、好ましくは塩素に関して(E2)の全モル当量に対して、(両R3が水素であるとき)(C3)0.9モル±40%、例えば±20%が用いられるように、または(両R3が水素以外のものであるとき)(C3)0.5モル±30%、例えば±10%が用いられるように、または(R3の一つが水素で、他方が水素以外のものであるとき)(C3)0.7モル±35%、例えば±15%が用いられるように選定される。
【0031】
(C)と(E)との反応は、適切には水性媒体、例えば水性反応混合物の全重量について20〜90%、好ましくは30〜80%の範囲の水含量で、また好ましくは加熱、例えば50〜100℃、好ましくは60〜95℃の範囲の温度で行われる。反応の間、少なくともその開始時には、アミン(C)の塩基度は、アルキル化剤として使用される塩化物(E)で(C)を四級アルキル化するのに十分とする。反応混合物のpHは、好ましくは4〜9の範囲、開始時は好ましくは7〜9の範囲である。反応が進行するにつれて、混合物のアルカリ度および(C)の濃度が減少する。もし、この反応生成物中に、望むより高い割合の共有結合された塩素部分がある場合、例えば化合物(C2)および/または適切な強塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムである更なる反応物が添加される。もし開始架橋反応物が二級モノアミン(例えば、もし式(II)中でyがゼロなら)であるなら、適切な強塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムが、便宜的に四級化促進のために加えられる。pHは好ましくは、7〜9の範囲に保持される。
【0032】
反応が完了し、所望の程度に達したとき、反応混合物は適切に従来の酸、好ましくは鉱酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸)または低分子量(例えば、1〜6個の炭素原子)の脂肪族カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸、クエン酸、または乳酸)を、添加することにより適切に酸性化し、好ましくはpH6未満、より好ましくは3〜5の範囲に達するようにする。その反応の進行は、反応混合物の粘度を監視することにより追跡される。その粘度は、架橋度、即ち四級化度の経験的結果を与える。適切な粘度は、例えば5000mPa・s(5000cP)以下、好ましくは200〜3000mPa・s(200〜3000cP)の範囲である。
【0033】
得られたポリ四級ポリマー(P1)は、模式的に、少なくとも式(Ia)の化合物の誘導体について下記の平均式で表される。
【化7】

(式中、
1は、上記に定義した式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカン(A1)のn価の基を示し、
nは、2〜x1の数を示し、
mは、0〜3の数を示し、また
Zは、(C1)またはそれに代わって(C3)から由来する四級アンモニウム基を示し、あるいはyが0であるとき、また対応する三級アミン基を示してもよく、および/または、同じ分子、または2つ以上の異なった分子の2つ以上の記号Zが一緒になって(C1)の架橋反応から由来するモノ、ビス、トリ、またはテトラ四級架橋を形成する。ただし、式(V)は少なくとも1つの四級アンモニウム基を含む。)
【0034】
より好ましくは、四級アンモニウム基を含む基Zは、下式によって表される。
(下式の一価の四級基Z)
【化8】

(下式の2つ以上の置換基Zが一緒になって形成された架橋ブリッジ)
【化9】

【0035】
(式中、A-は、アニオンを示し、
y1は、0または1を示し、
pは、0〜2を示し、
qは、0〜2を示し、
p1は、0〜1を示し、
q1は、1〜2を示し、
p+qは、0〜2であり、また
p1+q1は、1〜2である。)
【0036】
式(V)中、指数nは、x1より低い価を有し、特にx1が4〜6の範囲であるとき、nは、例えば2〜4の範囲にある。式(VIII)において、qは好ましくは0であり、式(IX)において、インデックスq1は、好ましくは1を示す。
【0037】
上記式において、対イオンA-1は、四級化の間、またはその後の酸性化、好ましくは塩化物またはギ酸塩により形成されたいかなるアニオンであってもよい。
上記の生成物(P)の中で、架橋されたものが好ましい。
【0038】
そのようにして製造された組成物は、いつでも使用でき、所望により(P)の濃度を水による希釈、または蒸発により調整され、または半透膜による膜ろ過により脱塩され、また場合により濃縮される。
【0039】
生成された水性組成物中の(P)の濃度は、10〜80重量%、より好ましくは20〜70重量%の範囲である。
【0040】
そのようにして製造されたポリマー(P)は、便宜上、上記の方法により製造された水性組成物の形態で、製紙における助剤、特にバックウォーター成分、例えば製紙工程からのバックウォーター中の濁りを減少させるための定着剤として使用される。
【0041】
このように、本発明は、また水性原料から製紙する方法、とくにウェットウェブまたはシートを製造する方法(ここで(P)は補助薬として、特に定着剤として利用できる。)を提供する。本明細書では、「紙」として、板紙および注型紙型(cast paper shapes)をも意図する。本明細書では、水性原料として、製紙に使用されるあらゆる原料、特にセルロース原料を意図し、ここでパルプ懸濁液は、従来製紙に使用されるごときあらゆる原料、例えば未使用ファイバー(化学または機械パルプ)、機械損紙(特に被覆損紙)、および再生紙(特に脱インキされ、場合により漂白された再生紙)のごときあらゆる原料に由来することができる。また、水性紙パルプまたは原料は、ある品質が求められるとき、サイズ剤、染料、蛍光増白剤、凝集剤、排水および/または保持助剤のごとき添加剤を、さらに含有することができる。その原料濃度は、採用されるパルプ、機械、工程、および必要とされる紙質に適する、いかなる従来の範囲において、例えば乾燥パルプ重量当たり0.4〜10%、好ましくは0.8〜6%の範囲で変え得る。本発明の特別の特徴によると、被覆破損紙から得たパルプは、場合により他のパルプと混合して用いられる。
【0042】
ポリカチオンポリマー(P)は、乾燥パルプに基づいて、好ましくは0.05〜0.5重量%、より好ましくは0.1〜0.4重量%の範囲の濃度で使用される。(P)として、一種類の(P)のみ、例えば、(P1)、(P2')、(P2'')のみ、またはそれらの二種類以上の混合物、例えば、(P1)と(P2')または(P2'')との、例えば10/90〜90/10の重量比内の混合物も使用できる。そのpHは、弱塩基性〜明らかな酸性の範囲内、好ましくはpH4〜pH8の範囲内、より好ましくはpH5〜7の範囲内である。この紙は、いかなる従来の製紙機械を用いても、またそれ自体公知の方法によって製造することができる。得られるバックウォーターは、汚染物質含量の減少されたもの、特に濁りの減少されたものとなり、また結果的にそれぞれBODおよび/またはCOD値もまた減少される。(P)の使用により、他のカチオン性ウエット−エンド添加剤、例えば凝集剤、排水助剤、または保持助剤の効率性の改善も獲得され、また最適品質の紙を得ることができる一方、アニオン性汚染物質を妨げるので紙破損は、それに応じて減少する。また、本発明のポリカチオンポリマー(P)は、紙に対して従来使用されていた蛍光増白剤との相溶性においても格別優れている。
【0043】
下記の実施例において、部およびパーセンテージは、他に記載がない限り、重量で示される。重量部は、グラムがミリリットルに関連するように容量部に関連する。その温度は、℃温度によって示される。
【0044】
実施例1
ソルビトール109.2部をグリセロール55.2部と混合し、100℃に加熱して溶液を形成する。三フッ化ホウ素エーテラート1部を添加し、その混合物を攪拌して70℃に冷却する。エピクロロヒドリン333部を冷却しながら70〜80℃で一時間かけて滴下により添加する。その反応混合物を20℃に冷却して、水性60%ジメチルアミン溶液135部を添加して、その反応混合物をゆっくり90℃に過熱して、1時間保つ。その後、その反応混合物を50℃に冷却し、30%水酸化ナトリウム150部と水100部を添加する。その混合物は、50〜60℃に保ち、その混合物は、それが重合するにつれて、ゆっくり濃化する。この時間の間、追加の水(275部)を、その粘度が増加するにつれて加える。最終的に、反応混合物が1000mPa・s(1000cP)の粘度になると、pH4になるようにギ酸20部を添加してその反応を停止する。
【0045】
実施例2
ソルビトール109.2部に代えて、ペンタエリスリトール81.6部を使用する点で相違するが、実施例1に記載した手順を繰り返す。
【0046】
実施例3
グリセロール55.2部に代えて、エチレングリコール37.2部を使用する点で相違するが、実施例1に記載した手順を繰り返す。
【0047】
実施例4
ジメチルアミン135部に代えて、テトラメチルエチレンジアミン208.8部を使用する点で相違するが、実施例1に記載した手順を繰り返す。
【0048】
実施例5
ソルビトール109.2部およびグリセロール55.2部の混合物に代えて、グリセロール110.4部を使用する点で相違するが、実施例1に記載した手順を繰り返す。
【0049】
実施例6
ポリエチレングリコール200の500部を70℃に加熱して、また三フッ化ホウ素エーテラート2部を添加する。エピクロロヒドリン693.75部を攪拌しながら80〜85℃で2時間かけて滴下により添加する。その反応混合物を50℃に冷却して、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン267.4部を添加して、30%水酸化ナトリウム溶液を添加してそのpHを8.5〜9に調整する。その混合物は、50℃、pH8.5に保ち、その混合物が濃化するにつれて、水3000部でゆっくり希釈する。この粘度が50℃で1000mPa・s(1000cP)になると、pH4になるまでギ酸を混合物に添加する。
【0050】
実施例7
ポリエチレングリコール200に代えて、ポリエチレングリコール400の当量を使用する点で相違するが、実施例6に記載した手順を繰り返す。
【0051】
実施例8
ジメチルアミノプロピルアミンに代えて、テトラメチルエチレンジアミンの当量を使用する点で相違するが、実施例6に記載した手順を繰り返す。
【0052】
応用例A
パルプ100mlをビーカー中に秤量して、500rpmで撹拌する。そのパルプをWhatman No.541ペーパーでろ過して、ろ過物を保持する。ろ過物のCODを分光光度計(HachまたはDR。Lange)を使用して、下記のとおりの標準の手順により測定する。同様に、濁りを、分光光度計を用いて測定する。この度は、ろ過の前に、実施例1のカチオン性ポリマーを1、2、3、および4kg/tの当量、前記パルプに添加するものの、上記手順を繰り返す。そのろ過物のCODおよび濁りを測定し、ブランクテストと比較する。改善された値が得られる。
適用例B、C、D、E、F、およびG
実施例1のカチオン性ポリマーに代えて、それぞれ実施例2、3、4、5、6、および7のものが、同量用いられる点で異なるが、応用例Aが繰り返された。各々の場合において、ブランクテストに比較して改善された結果が得られる。
以下に、本願発明に関連する発明の実施の態様について列挙する。
[実施の態様1](A)一以上のエーテルブリッジでアルカン主鎖が中断されていてもよい、分子量92以上のオリゴヒドロキシアルカン、または
前記オリゴヒドロキシアルカンの二種以上の混合物、または
前記オリゴヒドロキシアルカンの一種以上とC2-3アルカンジオールとの混合物、と、
(B)エピクロロヒドリンとの、
分子量92以上のオリゴヒドロキシ化合物の全モルに対してエピクロロヒドリン少なくとも2モル、およびC2-3アルカンジオールの全モル当量に対してエピクロロヒドリン1〜4モルの割合における反応で、塩素末端停止付加物(E)を与える反応、および、
(C)窒素原子あたり平均して一以下の窒素結合水素を有する少なくとも一の脂肪族モノまたはオリゴアミンによる(E)の四級化、または架橋化反応により得られるポリカチオン性ポリ四級生成物(P)。
[実施の態様2](A)が、
(A1)下式のオリゴヒドロキシアルカン、
X−(OH)X1 (Ia)
(式中、XはC3-6アルカンのX1価基を示す。X1は3からX中の炭素数の数を示す。)、または
式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、または
一以上の式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンとC2-3アルカンジオールとの混合物、および
(A2 )下記平均式のポリアルキレングリコール、
HO−(アルキレン−O)x2−H (Ib)
(式中、アルキレンはC2-4アルキレンを示し、またx2は2〜40の数を示す。)
から選択される、実施の態様1に記載のポリカチオン性ポリ四級生成物(P)。
[実施の態様3](C)が、
(C1)少なくとも一の下式のアミノ化合物、
【化10】

(式中、YはC2-3アルキレンを示し、yは0〜3の数を示し、R1はC1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、またR2は、yが1〜3のときは、C1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、yが0のときは、水素を示す。)
(C2)下式の3級アミン
N(R13 (III)
および
(C3)少なくとも一の下式のジアミン
【化11】

(式中、R3は水素、C1-3アルキル、またはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、またwは2〜6の数を示す。)
から選択される、実施の態様1または2記載のポリカチオン性ポリ四級生成物(P)。
[実施の態様4](A1)下式のオリゴヒドロキシアルカンと、
X−(OH)x1 (Ia)
(式中、XはC3-6アルカンのX1価基を示す。X1は3からX中の炭素数の数を示す。)、または
式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、または
一以上の式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンとC2-3アルカンジオールとの混合物、
(B)エピクロロヒドリンとの、
式(Ia)のオリゴヒドロキシC3-6アルカン化合物の全モルに対してエピクロロヒドリン2〜2・x1モル、およびC2-3アルカンジオールの全モル当量に対してエピクロロヒドリン1〜4モルの割合における反応で、塩素末端停止付加物(E1)を与える反応、および、
(C1)下式の少なくとも一のアミノ化合物による、
【化12】

(式中、YはC2-3アルキレンを示し、yは0〜3の数を示し、R1はC1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、またR2は、yが1〜4のときは、C1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、yが0のときは、水素を示す。)
(E1)の架橋化、四級化反応、または、
(C2)下式の三級アミンによる
N(R13 (III)
鎖端停止、四級化反応により得られるポリカチオン性ポリマー(P1 )である、実施の態様1〜3のいずれかに記載のポリカチオン性ポリ四級生成物(P)。
[実施の態様5](A2)下記平均式のポリアルキレングリコールと、
HO−(アルキレン−O)x2−H (Ib)
(式中、アルキレンはC2-4アルキレンを示し、またx2は2〜40の数を示す。)
(B)エピクロロヒドリンとの、
ポリアルキレングリコールの全モルに対してエピクロロヒドリン2モル以上の割合における反応で、塩素末端停止付加物(E2)を与え、
また(E2)と
(C2)下式の三級アミン、
N(R13 (III)
または
(C3)下式の少なくとも一のジアミン
【化13】

(式中、R3は水素またはC1-3アルキル、およびwは2〜6の数を示す。)
との反応により得られるポリカチオン性ポリマー(P2)である、実施の態様1〜3のいずれかに記載のポリカチオン性ポリ四級生成物(P)。
[実施の態様6](A1)がグリセロール、およびx1が4〜6である式(Ia)の化合物の混合物である、実施の態様4に記載のポリ四級ポリマー(P1)。
[実施の態様7](A2)における式(Ib)中のアルキレンがエチレンである、実施の態様5に記載のポリ四級生成物(P2)。
[実施の態様8](A2)における式(Ib)中のx2が3〜6の範囲の数であり、また四級化反応が(C2)で実施される、実施の態様5または7に記載のポリ四級生成物(P2)。
[実施の態様9](A2)における式(Ib)中のx2が4〜10の範囲の数であり、また四級化反応が(C3)で実施される、実施の態様5または7に記載のポリ四級生成物(P2)。
[実施の態様10]実施の態様1〜9のいずれかに記載のポリ四級生成物(P)を含む、水性組成物。
[実施の態様11]製紙における助剤としての、実施の態様1〜9のいずれかに記載のポリ四級生成物(P)またはそれらの水性組成物の形態における使用。
[実施の態様12]被覆損紙からの製紙における定着剤としての、実施の態様11に記載の(P)の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)分子量92以上のオリゴヒドロキシアルカンであって、(A1)下式のオリゴヒドロキシアルカン
X−(OH)X1 (Ia)
(式中、XはC3-6アルカンのX1価基を示す。X1は3からX中の炭素数の数を示す。)、または
式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、または
一以上の式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンとC2-3アルカンジオールとの混合物、および
(A2 )下記平均式のポリアルキレングリコール、
HO−(アルキレン−O)x2−H (Ib)
(式中、アルキレンはC2-4アルキレンを示し、またx2は2〜40の数を示す。)
から選択される、前記オリゴヒドロキシアルカンと、
(B)エピクロロヒドリンの反応であって、
前記分子量92以上のオリゴヒドロキシ化合物の全モルに対してエピクロロヒドリン少なくとも2モル、およびC2-3アルカンジオールの全モル当量に対してエピクロロヒドリン1〜4モルの割合における反応で、塩素末端停止付加物(E)を与える反応、および、
(C)(C1)少なくとも一の下式のアミノ化合物、
【化1】

(式中、YはC2-3アルキレンを示し、yは0の数を示し、R1はC1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、またR2は、水素を示す。)
による(E)の四級化、または架橋化反応により得られるポリカチオン性ポリ四級生成物(P)。
【請求項2】
(A1)下式のオリゴヒドロキシアルカン
X−(OH)x1 (Ia)
(式中、XはC3-6アルカンのX1価基を示す。X1は3からX中の炭素数の数を示す。)、または
式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、または
一以上の式(Ia)のオリゴヒドロキシアルカンとC2-3アルカンジオールとの混合物、および
(B)エピクロロヒドリンの反応であって、
前記式(Ia)のオリゴヒドロキシC3-6アルカン化合物の全モルに対してエピクロロヒドリン2〜2・x1モル、およびC2-3アルカンジオールの全モル当量に対してエピクロロヒドリン1〜4モルの割合における反応で、塩素末端停止付加物(E1)を与える反応、および、
(C1)下式の少なくとも一のアミノ化合物による、
【化2】

(式中、YはC2-3アルキレンを示し、yは0〜3の数を示し、R1はC1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示し、またR2は、C1-3アルキルまたはC2-3ヒドロキシアルキルを示す。)
(E1)の架橋化、四級化反応により得られるポリカチオン性ポリマー(P1 )である、ポリカチオン性ポリ四級生成物(P)。
【請求項3】
(A1)がグリセロール、およびx1が4〜6である式(Ia)の化合物の混合物である、請求項2に記載のポリ四級ポリマー(P1)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリ四級生成物(P)を含む、水性組成物。

【公開番号】特開2009−293049(P2009−293049A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219281(P2009−219281)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【分割の表示】特願2000−556100(P2000−556100)の分割
【原出願日】平成11年6月21日(1999.6.21)
【出願人】(596033657)クラリアント インターナショナル リミティド (48)
【Fターム(参考)】