説明

ポリカプロアミドの製造方法

【課題】繊維、射出成形品、フィルム用原料として好適なカプロラクタム環状2量体の含有量が少ないポリカプロアミドを効率的かつ安定的に製造することを課題とする。
【解決手段】1)含水率2〜14重量%のカプロラクタム水溶液を220〜300℃の温度で5〜60分間加熱処理しアミノ基量0.05mmol/1g以上のポリカプロアミドプレポリマを得る工程、2)1)得られたポリカプロアミドプレポリマを重合温度240〜270℃以下で5〜12時間、液相にて重合し、カプロラクタム環状2量体が0.3重量%以下、カプロラクタムが6〜10重量%のポリカプロアミドを得る工程
3)2)得られたポリカプロアミドと、90〜130℃の水とをポリカプロアミド1重量部に対して水0.5〜1.2重量部の割合で連続的に向流接触させカプロラクタム環状2量体含有量が0.04重量%以下のポリカプロアミドを得る工程、を含むポリカプロアミドの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリカプロアミドの製造方法に関する。更に詳しくは繊維、射出成形品、フィルム用原料として好適なカプロラクタム環状2量体の含有量が少ないポリカプロアミドを効率的かつ安定的に製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カプロラクタムを主原料とするポリカプロアミド樹脂はその優れた特性を活かして衣料用繊維、産業用繊維に使われ、さらに、自動車分野、電気・電子分野などにおいて射出成形品として、また、食品包装用途を中心に押出フィルム、延伸フィルムとしても広く使われている。
【0003】
カプロラクタムを主原料とするポリカプロアミド樹脂は通常、カプロラクタムを少量の水の存在下に加熱することによって製造される。この製造方法は比較的単純なプロセスであり、世の中で広く採用されている製造方法である。「ポリアミド樹脂ハンドブック」(福本修編、日刊工業新聞社)の第63頁〜65頁に記載されている汎用的なポリカプロアミドの重合方法の概略を以下に説明する。
【0004】
カプロラクタムを溶融し、約260℃に加熱された常圧重合塔に供給し、この重合塔内で約10時間の滞留の後、塔下部からストランド状にして水槽に吐出されペレット化される。次にペレットはモノマや環状2量体などのオリゴマを除去するための熱水抽出塔に供給され、塔下部から送られる熱水でモノマ、オリゴマを向流抽出された後、下部から取り出される。抽出後のペレットは多量の水を含んでいるため、真空又は不活性ガス雰囲気中、約100℃で乾燥される。
【0005】
一般に重合後のポリカプロアミドは重合の平衡で残存する未反応カプロラクタムモノマおよびカプロラクタム環状2量体などのポリカプロアミドオリゴマを含有するため、このままの状態で繊維やフィルム、射出成形品原料として使用すると、モノマやオリゴマが成形加工時に揮発し、最終製品である繊維やフィルム、射出成形品を得る際に口金汚れや糸切れ、外観不良を発生させ、得られる製品の機械物性や外観も低下するなど、数多くの問題を発生させる。特にカプロラクタム環状2量体は、モノマ、オリゴマの中でも融点が347〜348℃(「ポリアミド樹脂ハンドブック」(福本修編、日刊工業新聞社)の第61頁)と高く後工程での悪影響は極めて大きい。そこで、これらの未反応モノマとオリゴマを除去することが必要であり、前記のとおりこれまで一般的には熱水による抽出を行われている。この熱水抽出工程には熱水がポリカプロアミド1重量部あたり、1.5〜3.0重量部程度用いられるのが通常であり、このように多量の熱水を得るために多くのエネルギーを要する。また抽出したモノマ、オリゴマを含む熱水からモノマ、オリゴマを分離するための濃縮操作、蒸留操作、あるいはオリゴマからモノマを得る解重合操作および不純物を除去する精製操作などでも多くのエネルギーが必要となる。
【0006】
そこで本抽出操作を効率的に行う方法として、例えば特許文献1、特許文献2がある。また、熱水による抽出工程を省略する手段として例えば特許文献3がある。
【0007】
特許文献1には、抽出塔内での液混合を防止し効率的にモノマ、オリゴマの抽出を行う方法を提供することを課題とし、抽出塔内の向流接触域内に上に開いた漏斗型筒状物を多段に設け、その漏斗型筒状物で塔断面を部分的に狭窄化させることにより、抽出槽を直列に多段に連ねたような液濃度の異なる段に隔離させ、狭窄部における下部からの抽出水の速い流速で上部からの高濃度液の下降流を防止することが示されている。特許文献1において具体的に開示された熱水量はポリアミド1.0重量部あたり1.0重量部であるが前記したような通常の方法により重合されたポリカプロアミドを特許文献1の方法にそのまま適用してもカプロラクタム環状2量体含有量を十分低減することは困難である。
【0008】
特許文献2にはオリゴマの抽出速度を速めるためにその溶媒であるカプロラクタムを抽出塔内へ供給しオリゴマの抽出速度を高める方法が示されている。しかしながら実施例において用いられた熱水量はポリアミド1.0重量部あたり1.3重量部であり、前記のとおり多くのエネルギーを要するだけでなく、、また前記したような通常の方法により重合されたポリカプロアミドを特許文献2の方法にそのまま適用してもカプロラクタム環状2量体含有量を十分低減することは困難である。
【0009】
特許文献3では、重合時に生成するオリゴマを抑制しかつ溶融状態あるいは固相状態から主としてモノマのみを除去する方法が示されている。しかしながら、オリゴマ生成を抑制するためには重合温度を融点以下とする必要があり安定連続生産のためには高度な生産管理技術を要する。さらに溶融状態あるいは固相状態からモノマを除去する際に、ポリカプロアミドの重合が進むため、比較的高重合度のポリカプロアミドを得る場合に本製法は限定される。また、上記製法では安定連続生産に課題が残る。
【特許文献1】特公昭47−28918号公報
【特許文献2】特公昭63−40445号公報
【特許文献3】特開平11−343341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、繊維、射出成形品、フィルム用原料として好適なカプロラクタム環状2量体の含有量が少ないポリカプロアミドを効率的かつ安定的に製造することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成から成る。
1)含水率2〜14重量%のカプロラクタム水溶液を220〜300℃の温度で5〜60分間加熱処理しアミノ基量0.05mmol/1g以上のポリカプロアミドプレポリマを得る工程
2)1)の工程で得られたポリカプロアミドプレポリマを重合温度240〜270℃で5〜12時間、液相にて重合し、カプロラクタム環状2量体が0.3重量%以下、カプロラクタムが6〜10重量%のポリカプロアミドを得る工程
3)2)の工程で得られたポリカプロアミドと、90〜130℃の水とを、ポリカプロアミド1重量部に対して水0.5〜1.2重量部の割合で連続的に向流接触させカプロラクタム環状2量体含有量が0.04重量%以下のポリカプロアミドを得る工程
を含むポリカプロアミドの製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の方法によって、繊維、射出成形品、フィルム用原料として好適なカプロラクタム環状2量体の含有量が少ないポリカプロアミドを効率的かつ安定的に製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明について以下に詳述する。
【0014】
本発明のポリカプロアミドの製造方法では、
まず含水率2〜14重量%のカプロラクタム水溶液を220〜300℃の温度で5〜60分間加熱処理しアミノ基量0.05mmol/1g以上のポリカプロアミドプレポリマを得、該ポリカプロアミドプレポリマを重合温度240〜270℃で5〜12時間、液相にて重合し、カプロラクタム環状2量体が0.3重量%以下、カプロラクタムが6〜10重量%のポリカプロアミドを得る。
【0015】
本発明にいうポリカプロアミドプレポリマとは、カプロラクタムの加熱処理により得られる組成物であり、鎖状オリゴマ、環状オリゴマ、未反応モノマを含む混合物を言う。上記アミノ基量はカプロラクタムが水との反応で加水分解・開環されたアミノカプロン酸あるいはアミノカプロン酸にさらに1分子以上のカプロラクタムが付加した鎖状のカプロアミドオリゴマの片方の末端基の合計量である。
【0016】
本発明のポリカプロアミドの製造方法ではカプロラクタム水溶液を調製する。この時の含水率の下限は総量に対し、2重量%であり、好ましくは2.5重量%、特に好ましくは3重量%である。また含水率の上限は総量に対し、14重量%であり、好ましくは13重量%、特に好ましくは12重量%である。含水量が2重量%未満であるとアミノ基量0.05mmol/1g以上のポリカプロアミドプレポリマを得るに際しカプロラクタム環状2量体が多く生成し、重合後の環状2量体量が0.3重量%を超え、熱水抽出後に0.01重量%以下の環状2量体を含むポリカプロアミドを効率的に得ることが困難となる。また含水率が14重量%を超えると原料を加熱するエネルギーが大きくなるために好ましくない。
【0017】
本発明のアミノ基量0.05mmol/1g以上のポリカプロアミドプレポリマを得るための処理温度の下限は220℃であり、好ましくは225℃、特に好ましくは230℃である。また処理温度の上限は300℃であり、好ましくは290℃、特に好ましくは280℃である。なお、本発明における処理温度とはポリカプロアミドプレポリマを得る際の系内温度を指す。本処理温度において、カプロラクタム水溶液の水分率を前記した本発明の範囲に維持するためには、処理時の圧力を、処理温度での蒸気圧以上に維持する必要があるが、このような圧力制御は圧力調節弁などを用いて行うことが可能である。処理温度が220℃未満ではアミノ基量0.05mmol/1g以上のポリカプロアミドプレポリマを得るに際し時間を要するために生産性に劣り、工業的生産には不適当である。
【0018】
また、処理温度が300℃を超えると短時間で処理が可能であるが水分を保持するための圧力が高くなるために設備に高い耐圧性が必要となり設備費用が割高となること、またアミノ基量の生成速度、カプロラクタム環状2量体の生成速度が速くなりすぎるために工業的な安定性に欠ける。
【0019】
本発明のポリカプロアミドプレポリマを調製する際の処理時間は5〜60分間である。上限として好ましくは50分以下、特に好ましくは40分以下である。60分を超えるとポリカプロアミドプレポリマ中にカプロラクタム環状2量体量が多く生成し重合後の環状2量体量が0.3重量%を超え、後述する熱水抽出後に0.01重量%以下の環状2量体を含むポリカプロアミドを効率的に得ることが困難となる。5分未満でアミノ基量0.05mmol/1g以上のポリカプロアミドプレポリマを得ようとするとアミノ基量の生成速度、カプロラクタム環状2量体の生成速度が大きくなるために工業的な安定性に欠ける。
【0020】
本発明においてポリカプロアミドプレポリマは、アミノ基量が0.05mmol/1g以上となるように調製される。さらに、好ましくは0.07mmol/1g以上、特に好ましくは0.09mmol/1g以上である。アミノ基量が0.05mmol/1g未満では、得られたポリカプロアミドプレポリマからポリカプロアミドを重合する際に残存するカプロラクタムのアミノ基への付加速度すなわちカプロラクタムの消費速度が遅くなるため、カプロラクタムが水との反応でカプロラクタム鎖状2量体を経由してカプロラクタム環状2量体を生成しやすく、重合後のカプロラクタム環状2量体量が0.3重量%を超え、熱水抽出後に0.01重量%以下の環状2量体を含むポリカプロアミドを効率的に得ることが困難となる。アミノ基量に上限はないが、0.4mmol/gを超えても効果は変わらないため生産性の点で通常0.4mmol/g以下の範囲が採用される。
【0021】
本発明においては上記のように得られたポリカプロアミドプレポリマを重合温度240〜270℃で5〜12時間、液相にて重合を進め、カプロラクタム環状2量体が0.3重量%以下、カプロラクタムが6〜10重量%のポリカプロアミドを得る。ここで言う重合温度とは重合中の系内平均温度を示す。系内平均温度とは、重合系内に少なくとも3点の温度計を、可能な限り均等(すなわち、重合前半、重合中盤、重合後半の温度が測定できるよう)に設置しその平均値で求められる温度をいう。
【0022】
上記ポリカプロアミドプレポリマを重合するために用いる重合装置には特に制限はなく、一般的にカプロラクタムの重合に用いられる装置を用いることができる。具体的には連続式常圧重合装置、回分式重合装置などの液相重合装置が挙げられる。中でも生産性の面から連続式常圧重合装置が好ましい。上記重合を行う重合装置はポリカプロアミドプレポリマを得る工程を行う反応槽と別に設けることが、温度制御が容易になる点で好ましい。
【0023】
重合温度、重合時間は重合後のカプロラクタム環状2量体が0.3重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、カプロラクタムが6〜10重量%、好ましくは7〜9重量%となるように上記範囲から選べばよいが、好ましい重合温度は250〜265℃、好ましい重合時間は6〜10時間である。なお、重合温度プロファイルは常法に従って任意に設定できる。
【0024】
重合後の環状2量体が0.3重量%を超えると熱水抽出後に0.04重量%以下の環状2量体を含むポリカプロアミドを効率的に得ることが困難となる。また、カプロラクタムが6重量%未満では、熱水抽出操作でのオリゴマ抽出速度が低下し熱水抽出後に0.04重量%以下の環状2量体を含むポリカプロアミドを効率的に得ることが困難となる。またカプロラクタムが6重量%未満とするためには通常の重合後にモノマを除去する工程が必要となる。カプロラクタムが10重量%を超えるとポリカプロアミド収率が低いために経済的に好ましくない。重合温度を低くすることや、重合時間を短くすることにより環状2量体の含有量を低減することができ、重合時間を長くすることによりカプロラクタム含有量を減らすことができる。
【0025】
重合温度は240℃未満であれば重合速度が遅く重合に長時間を要し経済的でないばかりか重合中にカプロラクタム環状2量体が0.3重量%を超えて生成するために、熱水抽出後に0.04重量%以下の環状2量体を含むポリカプロアミドを効率的に得ることが困難となり当初の目的を達成することが出来ない。また、270℃を超える場合も、カプロラクタム環状2量体の生成速度が大きくなるために重合後の環状2量体量が0.3重量%を超え、熱水抽出後に0.04重量%以下の環状2量体を含むポリカプロアミドを効率的に得ることが困難となる。重合時間が5時間未満ではカプロラクタムが10重量%を超えたり、カプロラクタムを10重量%以下とするために重合温度が270℃を超えることが必要となりカプロラクタム環状2量体の生成速度が大きくなる等の問題がある。また、12時間を超えるとカプロラクタム環状2量体の含有率が0.3重量%を超え生成することや経済的ではないなどの問題を生じる。
【0026】
本発明のポリカプロアミドの重合度は特に限定されず、最終製品である繊維、フィルム、射出成形品の物性や加工性を満足する範囲であれば良い。本発明においてはまた、固相重合操作を付加することも可能である。この固相重合操作は、特に限定されないが、乾燥と同時に行うことができるという観点から、熱水抽出後に行うことが好ましい。重合度を例示すればサンプル濃度0.01g/mLの98%硫酸溶液の25℃における相対粘度として、2.0以上である。さらに、好ましくは2.05〜7.0、特に好ましくは2.1〜6.5、最も好ましくは2.15〜6.0である。相対粘度が2.0未満では機械物性の発現が不十分である場合があり、8.0を越えると溶融粘度が高すぎて成形が困難となる場合がある。
【0027】
本発明のポリカプロアミドの製造方法では、重合開始時に、ポリカプロアミドプレポリマに対してさらにカプロラクタムを追添加して重合することができる。カプロラクタムの追添加量は、ポリカプロアミドプレポリマと追添加カプロラクタムからなる原料組成物中のアミノ基量が0.05mmol/1g以上となる範囲であれば、特に制限はない。
【0028】
本発明のポリカプロアミドの製造方法で用いる原料には主にカプロラクタムを用いるが、発明の目的を阻害しない範囲で、1種または2種以上の他のラクタムおよびその誘導体をポリカプロアミドの原料全体の10mol%を超えない範囲で併用して用いてもかまわない。10mol%を超えると得られるポリカプロアミドポリマの結晶性が低下する場合がある。かかる併用ラクタムおよびその誘導体の具体例としては、バレロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ウンデカラクタム、ラウロラクタムなどを挙げることができる。
【0029】
本発明のポリカプロアミドの製造方法では、カプロラクタムに対して5mol%以下のジカルボン酸、ジアミン、およびこれらの塩の中から選ばれる少なくとも1種の添加剤を加熱処理前の原料中あるいは重合段階に供給して重合することができる。このことにより、必要な重合時間の更なる短縮が可能である。ただし、この添加量としてはカプロラクタムに対して4mol%以下が好ましく、更に好ましくは3mol%以下である。添加剤の添加量が5mol%を超えると得られるポリカプロアミドポリマーの融点・結晶性が低下し、成形性・成形品物性が低下する場合がある。
【0030】
添加剤を構成するジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0031】
添加剤を構成するジアミンとしては、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、ジエチルアミノプロピルアミンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミンなどが挙げられる。
【0032】
この添加剤としては、好ましくはジカルボン酸とジアミンの塩であり、より好ましくは脂肪族及び/又は芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンから誘導される塩であり、最も好ましくは、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンから誘導される塩および/またはテレフタル酸とヘキサメチレンジアミンから誘導される塩である。
【0033】
前記添加剤の供給方法に特に制限はない。加熱処理前の原料中あるいは重合装置そのまま添加してもよく、水などの溶媒に溶解し、溶液として添加しても良い。
【0034】
本発明のポリカプロアミドの製造方法では、必要に応じてカルボン酸化合物で末端を封鎖することや重合度を調整することができる。モノカルボン酸を添加して末端封鎖する場合には、得られたポリカプロアミド樹脂の末端基濃度が末端封鎖剤を使用しない場合に比べて低下する。一方、ジカルボン酸で末端封鎖した場合には全末端基量は変化しないが、アミノ末端基とカルボキシル末端基との比率を変えることができる。カルボン酸化合物の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸のような脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸のような脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸のような芳香族モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0035】
また、末端封鎖剤の添加方法としてはポリカプロアミドプレポリマの加熱処理前にカプロラクタム等の原料と同時に仕込む方法、加熱処理途中で添加する方法、加熱処理後、常圧重合装置投入前に添加する方法などが採用される。末端封鎖剤はそのまま添加しても良いし、少量の溶剤に溶解して添加してもかまわない。
【0036】
本発明の製造方法においては、用途に応じて例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、充填剤(グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ベントナイト、モンモリロナイト、合成雲母等の粒子状、繊維状、針状、板状充填材等)、他の重合体(他のポリカプロアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン等)を任意の時点で添加することができる。
【0037】
本発明のポリカプロアミドの製造方法では、前記重合方法により得られたポリカプロアミドを熱水と連続的に向流接触させながら低重合物を除去する(熱水抽出)に際し、ポリカプロアミド1重量部に対して0.5〜1.2重量部の熱水を用いることで最終的にカプロラクタム環状2量体含有量が0.04重量%以下のポリカプロアミドを効率よく得ることが可能となる。
【0038】
重合後のポリカプロアミドは通常の方法で一旦ペレット化される。ペレットの形状、サイズは特に限定されないが、直径1.2mm〜3.0mm、長さ2.0mm〜4.0mmの円筒状が好ましい。直径が1.2mm未満であったり、長さが2.0mm未満ではペレット化に多くのコストを要することがあり、また直径が3.0mmを超えたり、長さが4.0mmを超える場合は、熱水抽出操作に多くの時間を要する場合がある。
【0039】
ペレットは熱水と連続的に向流接触させるための熱水抽出装置としては、抽出塔の上部にペレットの供給口と熱水排出口を有し、抽出塔の下部にペレット排出口と熱水供給口を有する装置であって、ペレット供給口から排出口に向けてペレットが降下すると共に、熱水供給口から導入された熱水がペレットと向流接触しながら上昇し、熱水排出口から排出される構造を有するものが好ましい。ここでペレットは、熱水が下部から導入され上部より排出される抽出装置の上部へ供給され、下部より抽出装置内がペレットで充填された状態が維持されるように排出される。
【0040】
なお、抽出時間は3〜40時間、好ましくは5〜30時間、さらに好ましくは7〜25時間である。抽出時間が3時間未満では十分に環状2量体を除去することはできず、また40時間を超える場合は長時間を要するために経済的でないばかりか抽出操作中にポリカプロアミドの加水分解が起こり重合度が低下することがある。
ここで抽出装置の抽出塔の形状は特に限定されず、通常のポリカプロアミドの熱水抽出装置に用いられる抽出塔であれば良いが、例えば円筒形状の場合では塔の長さ(L)と直径(D)の比であるL/Dは5以上50以下が好ましい。5未満であれば熱水の異常混合が生じやすく、50を超える場合は、塔の長さが長くなり設備コストが上昇する。
【0041】
最終的なポリカプロアミド中のカプロラクタム環状2量体含有量の上限は0.04重量%、好ましくは0.03重量%、より好ましくは0.02重量%、さらに好ましくは0.01重量%、特に好ましくは0.008重量%、最も好ましくは0.005重量%である。カプロラクタム環状2量体量が0.04重量%を超えた場合は、繊維、フィルム、射出成形品へ加工する際にカプロラクタム環状2量体が多く揮発し、口金汚れや糸切れ、外観不良を発生させ、得られる製品の機械物性や外観も低下する。カプロラクタム環状2量体含有量の下限は特に限定されないが0.001重量%が好ましい。0.001重量%未満であっても効果は小さい。
【0042】
ポリカプロアミドペレットと連続的に向流接触させる熱水の量は、ポリカプロアミド1重量部に対して0.5〜1.2重量部であり、好ましくは0.55〜1.1重量部、特に好ましくは0.6〜1.0重量部、もっとも好ましくは0.65〜0.95重量部である。
【0043】
ポリカプロアミドペレットを熱水で向流接触させることによりカプロラクタムおよびカプロラクタム環状2量体などのオリゴマがペレットから熱水側へ移動する(すなわちカプロラクタムおよびカプロラクタム環状2量体などのオリゴマが抽出される)。ポリカプロアミドペレットと連続的に向流接触させる熱水の量をポリカプロアミド1重量部に対して1.2重量部以下とすることでポリカプロアミドペレット中から抽出されるカプロラクタムの熱水中濃度を十分高くすることができ、そのカプロラクタムはカプロラクタム環状2量体の良溶媒であるため、カプロラクタム環状2量体の抽出を効率的に行うことができる。1.2重量部を超えると、カプロラクタム環状2量体の良溶媒であるカプロラクタムの熱水中濃度が十分高くならないためにカプロラクタム環状2量体をペレットから効率よく除去できない。熱水の量がポリカプロアミド1重量部に対して0.5重量部未満であると熱水中のカプロラクタムの濃度が高くなりカプロラクタム環状2量体量の抽出速度自体は高くなるが、熱水中のカプロラクタム環状2量体量も多くなるためにカプロラクタム環状2量体の熱水とポリカプロアミドペレットとにおける平衡濃度差からカプロラクタム環状2量体が十分減少しない。
【0044】
抽出操作に用いる熱水の温度は、90℃以上130℃以下である。90℃未満であるとカプロラクタム環状2量体の抽出速度が遅く効率的な抽出操作が難しくなる。また、130℃を超えるとポリカプロアミドペレットが融着を起こす懸念がある。好ましくは、90〜110℃、特に好ましくは90〜100℃である。100℃以下の場合には温度を保持するための大気圧以上の加圧対応設備が不要となり設備コスト低減が可能となる。
【0045】
本発明の製造方法によって得られたポリカプロアミドは、乾燥操作あるいはさらに重合度を高めるための固相重合、さらにあるいは、用途に応じて例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、充填剤(グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ベントナイト、モンモリロナイト、合成雲母等の粒子状、繊維状、針状、板状充填材)、他の重合体(他のポリカプロアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン等)を任意の時点で添加することができる。
【0046】
成形方法は従来のポリカプロアミドと同様に、通常の成形方法によって可能である。成形方法に関しては特に制限はなく、射出成形、押出成形、吹込成形、プレス成形などの公知の成形方法が利用できる。ここでいう成形品とは射出成形等による狭義の成形品の他、繊維、フィルム、シート、チューブ、モノフィラメント等の賦形物をも含む。
【実施例】
【0047】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、明細書本文および実施例、比較例に記した特性値の定義および測定方法は以下のとおりである。
【0048】
(1)アミノ基量
被測定物約0.2gを精秤し、フェノール・エタノール混合溶媒(83.5:16.5、体積比)25ccに溶解後、0.02N塩酸水溶液を用いて滴定した。
【0049】
(2)ポリカプロアミド中のカプロラクタム量およびカプロラクタム環状2量体量
ポリカプロアミドを粉砕し、JIS標準ふるい24meshを通過し、124meshは不通過のポリカプロアミド粉末を集め、該粉末約20gをメタノール200mlで3時間ソックスレイ抽出し、抽出液中に含まれるカプロラクタムを高速液体クロマトグラフを用いて定量した。測定条件は下記のとおりである。なお測定に先立ち、カラム保持時間の確認と検量線の作成をカプロラクタムおよびカプロラクタム環状2量体の標準サンプルを用いて実施した。
高速液体クロマトグラフ:ウォーターズ社600E
カラム:GLサイエンス社 ODS−3
検出器:ウォーターズ社484Tunable Absorbance Detector
検出波長:254nm
インジェクション体積:10μl
溶媒:メタノール/水(20:80(体積比))
流速:1ml/min
(3)硫酸相対粘度(ηr)
熱水抽出前のポリカプロアミドの場合は、ポリカプロアミドを粉砕し、JIS標準ふるい24meshは通過し、124mesh不通過のポリカプロアミド粉末を集め、該粉末約20gをメタノール200mlで3時間ソックスレイ抽出し、残分を乾燥後測定試料とする。熱水抽出後のポリカプロアミドの場合は、乾燥後測定試料とする。98%硫酸中、試料0.01g/ml濃度、25℃でオストワルド式粘度計を用いて測定を行った。
【0050】
実施例1〜9、比較例1〜9
図1に示す装置を用いて加熱処理、重合を行った。図1は加熱処理および重合装置の概略図である。
【0051】
表1、2記載の組成のカプロラクタム水溶液を原料貯槽1に投入し、ついで圧力計3を吐出側に有する原料供給ポンプ2を用い、加熱筒5を備えた加熱処理槽4に供給し、内容物を加熱し、表1記載の条件下で連続的に加熱処理を行った。次いで得られたポリカプロアミドプレポリマを加熱筒10を備えた重合塔9に供給、内容物を加熱して表1記載の条件で常圧下で連続重合を行い、重合塔9下部より重合反応生成物であるポリカプロアミドを排出、ペレタイズ化し径約2mm、長さ約3mmの円筒状ポリカプロアミドペレットを得た。なお、加熱処理槽の圧力はカプロラクタム水溶液から水分が加熱処理時に蒸発しないように調圧弁6により維持、調整し、調圧弁後の圧力を大気圧解放することでポリカプロアミドプレポリマから蒸発した水分を重合塔9上部から充填塔11を経由して系外へ排出した。なお充填塔での還流比は1とし、蒸発した水分中に含まれるカプロラクタムを回収した。また重合温度は、重合塔内の上部、中部、下部に設置した温度計により、測定し、平均値を表1、2に記載した。
【0052】
引き続き、図2に示す装置を用いて熱水による低重合物除去を行った。図2は、低重合物除去装置の概略図である。ポリカプロアミドペレットを抽出塔12へ上部口13から供給し、表1、2記載の条件下で連続的に熱水による低重合物除去を行い抽出塔12の下部に設置したロータリーバルブ14を用いて取り出した。抽出塔12内のポリカプロアミドペレットの滞留時間は20時間とした。熱水は温度95℃で、抽出塔12の下部15より供給し上部16より排出した。なお、ここで用いた円筒形状抽出塔の高さ(L)と直径(D)の比であるL/Dは30であった。
【0053】
ポリカプロアミドプレポリマの分析に際しては、重合塔9への供給前に採取口8からバルブ7をカプロラクタム水溶液から水分が加熱処理時に蒸発しないように加熱処理槽の圧力を維持するように開けポリカプロアミドプレポリマを採取した。
【0054】
ポリカプロアミドプレポリマのアミノ基量および重合後、低重合物除去前のポリカプロアミド中のカプロラクタムおよびカプロラクタム環状2量体の含有量および低重合物除去後のポリカプロアミド中のカプロラクタム環状2量体の含有量分析結果を表1に示す。
【0055】
表1、2の結果から明らかなように本発明の製造方法では、カプロラクタム環状2量体量含有量が0.01重量%以下と非常に少ないポリカプロアミドが得られる。
【0056】
【表1】

【0057】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、カプロラクタム環状2量体の含有量が少ないポリカプロアミドの効率的かつ安定的なな製造法であり、本発明の方法で得られたポリカプロアミドは繊維、射出成形品、フィルム用原料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施例で用いた加熱処理および重合装置の概略図である。
【図2】実施例で用いた低重合物除去装置の概略図である。
【符号の説明】
【0060】
1:原料貯槽
2:原料供給ポンプ
3:圧力計
4:加熱処理槽
5:加熱筒
6:調圧弁
7:バルブ
8:ポリカプロアミドプレポリマ採取口
9:重合塔
10:加熱筒
11:充填塔
12:抽出塔
13:抽出塔上部口
14: ロータリーバルブ
15:熱水供給口
16:熱水排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)含水率2〜14重量%のカプロラクタム水溶液を220〜300℃の温度で5〜60分間加熱処理しアミノ基量0.05mmol/1g以上のポリカプロアミドプレポリマを得る工程
2)1)の工程で得られたポリカプロアミドプレポリマを重合温度240〜270℃以下で5〜12時間、液相にて重合し、カプロラクタム環状2量体が0.3重量%以下、カプロラクタムが6〜10重量%のポリカプロアミドを得る工程
3)2)の工程で得られたポリカプロアミドと、90〜130℃の水とをポリカプロアミド1重量部に対して水0.5〜1.2重量部の割合で連続的に向流接触させカプロラクタム環状2量体含有量が0.04重量%以下のポリカプロアミドを得る工程
を含むポリカプロアミドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−231052(P2007−231052A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51345(P2006−51345)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】