説明

ポリカーボネートの新規な分解方法

【課題】 国内年産25万トン超のポリカーボネート(PC)系廃棄物の再原料化(再資源化)を図るための効率的かつ経済的なPCの分解方法を提供する。
【解決手段】 ビスフェノール系ポリカーボネート(PC)を、
(3).脂肪族ジアミン、ポリアミン、アミノアルコール、またはアミノチオール、あるいは、
(4).ジアミノアルカン、ポリアミン、アミノアルコール、またはアミノチオール、
と反応させることによりPCの一つの構成単位であるビスフェノール系化合物、あるいは工業用化学原料となる環状ジチイールカーボネートや環状尿素を製造することを特徴とするビスフェノール系ポリカーボネート(PC)の分解方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昨今、産業廃棄物の処理において問題になっている廃棄ポリカーボネートの新規な分解方法に関するものである。
更に詳しくは、本発明は、廃棄ポリカーボネートからその出発原料等を効率的に回収することができる新規かつ経済的な廃棄ポリカーボネートの分解方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、ポリカーボネート(以下、PCと略記することがある。)を解重合(分解)して原料を再生する方法としては、次の三つの方式が知られている。
(1).加フェノール分解法:
これは、PCをフェノールとともに加熱することによりPCの主原料であるビスフェノールA(以下、BPAと略記することがある。)及び炭酸ジフェニルに変換し、両者を蒸留により分離回収するものである。
(2).加メタノール分解法:
これは、塩基触媒の存在下にPCをメタノール及びPCを溶解するがBPAを溶解しない溶媒、例えば、トルエンとの混合溶媒中で加熱処理することによりPCの主原料であるBPAを定量的に製造し、同時にPCの一方のモノマー原料である炭酸ジメチルを蒸留により分離回収するものである。
(3).アルカリ加水分解法:
これは、PCからPCの主原料であるBPAのみを回収することを目的とするPCの分解方式であり、PCの他の構成単位である炭酸誘導体を回収することができないものである。
【0003】
前記したPCを解重合(分解)してPCの出発原料(モノマー)を再生する従来法は、過酷な反応条件及び長時間の分解反応を要するものであったり、あるいは特殊な分解設備が必要であったりするものである。加えて、分解生成物(PCの構成モノマー)の収率の点でも難点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記した従来のPCの分解技術、特に、PCを解重合してPCの構成モノマー(出発物質)を回収する従来のPC分解法の欠点を解消するべく創案されたものである。
【0005】
そして、本発明は、廃棄されたプラスチックを新たなプラスチック材料及び化学工業用原料として再資源化して再利用を図る、という地球的な環境資源問題に解決策を与えようとするものである。
【0006】
このため、本発明者は、国内年産25万トン超のPC廃棄物の再資源化(再原料化)を目指して鋭意検討を加えた。
その結果、従来の方式と比較して極めて穏和な反応条件下でPCを迅速に解重合することができ、PCのモノマーであるBPAなどのビスフェノール類はもとより化学工業原料として有用な炭酸誘導体、例えば環状ジチイールカーボネート誘導体(以下、DTCと略記することがある。)や環状尿素(以下、CUと略記することがある。)を効率よく再生できる方式を見出すことに成功した。
本発明は、前記知見をベースにして完成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のポリカーボネート(PC)を解重合してPCの構成モノマー(PCの出発原料物質)ならびに有用な化学工業材料を得るPCの新規な分解方法を概説すれば、以下の三つの方式(三つの発明)に区分することができる。
【0008】
本発明のPCの新規な分解方法に関する第一の発明は、ビスフェノール系ポリカーボネート(PC)を、
(1).脂肪族ジオール、ポリオール、または対応するエポキシド、及び、
(2).アルキレンカーボネート、
と反応させることによりPCの一つの構成単位であるビスフェノールAなどのビスフェノール及び/又は前記ビスフェノールのモノ及びビスヒドロキシアルキルエーテル化合物を製造することを特徴とするビスフェノール系ポリカーボネート(PC)の分解方法に関するものである。以下、「PC分解方法1」ということがある。
【0009】
本発明のPCの新規な分解方法に関する第二の発明は、ビスフェノール系ポリカーボネート(PC)を、
(3).アルカンジチオール、ポリチオール、またはヒドロキシチオール、
と反応させることによりPCの一つの構成単位であるビスフェノール、及び、PCの他の構成単位である炭酸の誘導体としての環状ジチイールカーボネート(DTC)を製造することを特徴とするビスフェノール系ポリカーボネート(PC)の分解方法に関するものである。以下、「PC分解方法2」ということがある。
【0010】
本発明のPCの新規な分解方法に関する第三の発明は、ビスフェノール系ポリカーボネート(PC)を、
(4).ジアミノアルカン、ポリアミン、アミノアルコール、またはアミノチオール、
と反応させることによりPCの一つの構成単位であるビスフェノール、及び、PCの他の構成単位である炭酸の誘導体としての環状尿素(CU)を製造することを特徴とするビスフェノール系ポリカーボネート(PC)の分解方法に関するものである。以下、「PC分解方法3」ということがある。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、産業廃棄物の処理問題で大きな問題となっている廃棄されたPC製品を極めて緩和な条件下で効果よくかつ経済的に分解することができるとともに、有用なプラスチック原材料ならびに工業用化学原料を得ることができる。
従って、本発明は地球的な環境資源問題の解決策として極めて有用なツールを提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の技術的構成及び実施態様について詳しく説明する。
本発明のポリカーボネート(PC)の分解方法において、分解の対象となるPCはビスフェノールA(BPA)などのビスフェノール類モノマーと炭酸(または炭酸エステル)を主な構成モノマーとして製造されるものであり、最広義に解釈されるものである。
本発明でいうPCとしては、ポリカーボネートあるいはポリカーボネートを含む重合体組成物、例えば、ポリカーボネートを主成分とするポリエステル類など、及びこれらの廃プラスチックを例示することができる。
周知のように、典型的なPCとしては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン、即ち、ビスフェノールA(BPA)と炭酸エステルとの重合反応により調製されたものがある。
本発明において、PCとしては前記したものに限定されない。例えば、ビスフェノール系化合物として、前記したビスフェノールA(BPA)のほかにビス(4−オキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−オキシフェニル)ブタンなどを用いて調製したPCがある。
【0013】
以下、前記PC分解方法1〜3について、ビスフェノールとしてビスフェノールAを用いたビスフェノールA系PCを例にとって、詳しく説明する。
なお、本発明において、前記したように分解の対象となるPCはビスフェノールA系PCに限定されない。そして、ビスフェノールA以外のビスフェノールを用いたPCの分解方法は、以下に説明するビスフェノールA系PCの分解方法により容易に類推できるものである。
【0014】
(1).<PC分解方法1>について:
このPC分解方法1は、水酸化カリウムなどの触媒を溶解した所望の溶媒中で、PCを脂肪族ジオールあるいは前記脂肪族ジオールのエポキシド類(以下、この成分をEGと略記することがある。)、及び、アルキレンカーボネート(以下、この成分をECと略記することがある。)と反応させるものである。
このPC分解方法1の反応式を下記の化1に示す。なお、化1において、RはHまたはアルキル基を示し、nは1〜2の整数を示す。
【0015】
【化1】

【0016】
前記PC分解方法1において、前記化1に示されるようにポリエステル類の製造原料となるBPAのビスヒドロキシエチルエーテル(BHE−BPAと略記する。)を効率よく製造することができる。このほか、BPAのモノヒドロキシエチルエーテル(MHE−BPAと略記する。)やBPAも得られる。前記PC分解方法1により得られるBHE−BPA,MHE−BPA、及びBPAは、ポリカーボネート(PC)やポリエステルあるいはエポキシ樹脂などの重要な原料(構成モノマー)になるものである。
前記したBHE−BPAなどの分解生成物は、PC:EG:ECのモル比により変化する。例えば、
(a) PC:EG:EC(モル比)=1.0:過剰量(excess):1.0
、及び、
(b) PC:EG:EC(モル比)=1.0:過剰量(excess):1.6
のケースについて分解生成物を調べた結果を、下記の表1に示す。
【0017】
【表1】

【0018】
前記PC分解方法1において、前記化1中のアルキレンカーボネート(EC)の使用量は、次の理由から下記の化2で示される化学量論量の2モル当量以下が好ましい。
即ち、加えるべきアルキレンカーボネート(EC)の使用量は、本来的にはPCとジオール(又はポリオール)との反応により必要理論量(2モル当量)の1/2(1モル当量)が供給されるはずであるが、必要量の残りの1/2(1モル当量)についてはやや過剰量を反応系に加えることが好ましい。
【0019】
【化2】

【0020】
前記PC分解方法1において、使用する触媒としては、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩、より具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムなどを例示ことができる。
【0021】
前記PC分解方法1において、使用する溶媒としては、ジオールまたはポリオールが好ましい。
この種のジオールまたはポリオールとしては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、プロパントリオール、あるいは反応生成物であるBHE−BPAなどを例示することができる。
本発明において、溶媒として反応生成物であるBHE−BPAを利用することは経済性の観点から好ましいことである。なお、溶媒として反応生成物を利用できることは後述のPC分解法2〜3においても同様であり、本発明の大きな特徴点となっている。
【0022】
前記PC分解方法1において、使用するEG成分としては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、プロパントリオール、1,2,ω−アルカントリール、1,3ω−アルカントリオール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテンオキシドなどを例示することができる。
【0023】
前記PC分解方法1において、使用するEC成分としては、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,3−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、3−ヒドロキシメチルエチレンカーボネート、3−(ヒドロキシアルキル)エチレンカーボネートなどを例示することができる。
【0024】
前記PC分解方法1において、PCの分解反応(解重合反応)は、例えば、常圧下では180℃で約10分間、170℃で約20分間、160℃で約60分間、150℃で約100分間、行えばよく、これにより定量的にBHE−BPAを得ることができる。
【0025】
本発明において、PCの分解反応後、BHE−BPAなどの分解生成物は、過剰量のEG成分から分離して洗浄、乾燥、精製など常法に従って処理すればよい。
【0026】
前記した本発明のPC分解方法1の大きな特徴点は、この種のBHE−BPAの生成反応においてはアルキリデンカーボネートを出発材料とするが、本発明においては廃PCを使用することができる点にある。
本発明において出発材料としては、固形状のもの、フィルム及びペレット状のものなど所望の形状、形態のものを使用することができる。ただし、反応速度論の観点からみて、その表面積ができるだけ大きいものが好ましいことはいうまでもないことである。
【0027】
(2).<PC分解方法2>について:
このPC分解方法2は、酸または塩基触媒の所定量を溶解した溶媒中で、あるいは無触媒条件下で例えばジオキサン中もしくは目的生成物と同じジチイールカーボネート中においてアルカンジチオール(dithiol)あるいはポリチオールとPCを反応させるものである。
このPC分解方法2の反応式を下記の化3に示す。
【0028】
【化3】

【0029】
前記PC分解方法2において、前記化3に示されるように、BPAと環状ジチイールカーボネート誘導体(式中DTCで示されている。)が効率よく生成する。これら分解生成物は、工業用化学原料、医農薬製造原料などとして有用である。
【0030】
前記PC分解方法2において、使用する酸または塩基触媒としては、アルカリ金属の水酸化物及び炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩、アルミニウム、亜鉛、ホウ素などの金属のハロゲン化物などを例示することができる。
【0031】
前記PC分解方法2において、アルカンジオチール(dithiol)あるいはポリチオールとしては、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、ヒドロキシチオール、及びこれらの光学活性異性体あるいは置換体などを例示することができる。
【0032】
前記PC分解方法2において、PCの分解反応(解重合反応)は、例えば、常圧下では60〜80℃の温度、塩基触媒量0.5〜5%、PCとアルカンジチオール(またはポリチオール)のモル比1:1、反応時間45分〜4時間、という条件で行えばよい。
【0033】
前記PC分解方法2において、反応生成物は常法により単離すればよい。例えば、反応溶媒としてジオキサンを使用した場合はジオキサンを蒸発させ、また、反応溶媒として環状ジチイールカーボネート(DTC)を使用した場合は生成物は溶媒と同じであるから生成物と溶媒を共に蒸発単離すればよい。
【0034】
(3).<PC分解方法3>について:
このPC分解方法3は、酸または塩基触媒下あるいは無触媒条件下で、所望の溶媒、例えばジオキサン中もしくは目的生成物と同じ環状尿素中においてジアミノアルカン(diamine)あるいはポリアミンと反応させるものである。
このPC分解方法3の反応式を下記の化4に示す。
【0035】
【化4】

【0036】
前記PC分解方法3において、化4に示されるように、BPAと環状尿素誘導体(式中DTUで示されている。)が効率よく生成する。これら分解生成物は、工業用化学原料ならびに溶媒などとして有用である。
【0037】
前記PC分解方法3において、使用する酸または塩基触媒としては、前記したPC分解方法2と同様のものを使用することができる。
【0038】
前記PC分解方法3において、ジアミノアルカン(diamine)あるいはポリアミンとしては、1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、1、3−ジアミノプロパン、及びそれらのN,N´−ジアルキル置換体、またはアミノアルコール、アミノチオール、及びこれらの光学活性異性体あるいは置換体などを例示することができる。
前記PC分解方法3において、前記ジアミン類としてはN,N´−ジアルキル置換ジアミノアルカン類が好ましく、ジアルキル置換基のないものは、目的とする反応生成物(CU)の中間体としてのウレタン誘導体で反応が停止するものが多く環状構造を与えにくい。
【0039】
前記PC分解方法3において、PCの分解反応(解重合反応)は、例えば、常圧下では100〜80℃の温度、塩基触媒量1〜10%、PCとジアミンのモル比1:1.0〜1.2、反応時間30分〜2時間、という条件で行えばよい。
【0040】
前記PC分解方法3において、反応生成物は常法により単離すればよい。例えば、反応溶媒としてジオキサンを使用した場合はジオキサンを蒸発させ、また、反応溶媒として反応生成物と同じ環状尿素(CU)を使用した場合は反応生成物と溶媒を共に蒸発により単離すればよい。
【実施例】
【0041】
以下、本発明のPC分解方法を実施例により更に詳しく説明する。
なお、本発明は実施例のものに限定されないことはいうまでもないことである。
【実施例1】
【0042】
エチレングリコール6.4gに水酸化ナトリウム(純度96%)を約0.02g加えて加温溶解し、ここに重量平均分子量Mw=22×103 のPC(BPA系PC)のペレット状試料(直径2.5mm、長さ3mm)を1.27g(5mmol)、ECを0.70g(8mmol)加え、窒素雰囲気下180℃で攪拌しながら20分間反応させた。
冷却後カラムクロマトグラフにより生成物であるBHE−BPAを生成分離した。収率は定量的であり、BPAの生成は確認できなかった。
EC添加量の減少、反応時間の短縮、反応温度の低下は、BHE−BPA生成の減少とともにモノヒドロキシエチルエーテル(MHE−BPAと略記)ならびにBPAの副生をもたらした。
【実施例2】
【0043】
エチレンジチイルカーボネート(EDTCと略記する。)9.0g中に重量平均分子量Mw=22×103 のPC(BPA系PC)のペレット状試料(直径2.5mm、長さ3mm)を2.54g(10mmol)、水酸化ナトリウムを0.02g(0.5mmol)加えて加温溶解し、ここに1,2−エタンジチオール0.94g(10mmol)をゆっくりと加え、窒素雰囲気下80℃で攪拌しながら45分間反応させた。
冷却後カラムクロマトグラフにより生成物であるEDTCを同じく溶媒のEDTCとともに定量的に精製分離した。
NaOH添加量の減少、反応時間の短縮、反応温度の低下は、EDTC生成の減少とともに中間体生成物のビス[4−(4−ヒドキロキシ−α,α−ジメチルベンジル)フェニル]カーボネートの副生をもたらした。
【実施例3】
【0044】
ジオキサン8ml中に重量平均分子量Mw=22×103 のPC(BPA系PC)のペレット状試料(直径2.5mm、長さ3mm)を0.76g(3mmol)、N,N´−ジメチルエチレンジアミンを0.36g(3.6mmol)、炭酸ソーダを0.02g(0.3mmol)加えて100℃で60分間反応させた。
冷却後溶媒を除去し、塩化メチレンを加えて残渣を溶解し、希NaOH水と振ってBPAを除去し(この水溶液からBPAを回収した)、乾燥のあと塩化メチレンを除去し、残渣を酢酸エチル/ヘキサン、メタノール/酢酸エチル混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフにかけて1,3−ジメチル−2−イミダゾリヂノン(DMIと略記する。)を収率91%で単離した。BPAの収率は89%であった。
この反応をオートクレーブ中140℃で行うとDMIおよびBPAの収率は向上した。またジオキサンに代わりDMIを溶媒に用いても同様の生成物収率を得ることができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビスフェノール系ポリカーボネート(PC)を、
(3).アルカンジチオール、ポリチオール、またはヒドロキシチオール、
と反応させることによりPCの一つの構成単位であるビスフェノール、及び、PCの他の構成単位である炭酸の誘導体としての環状ジチイールカーボネートを製造することを特徴とするビスフェノール系ポリカーボネート(PC)の分解方法。
【請求項2】
反応が、酸または塩基触媒の存在下または無触媒条件で行われるものである請求項1に記載のビスフェノールA系ポリカーボネート(PC)の分解方法。
【請求項3】
反応が、反応生成物と同種の環状ジチイールカーボネートを溶媒に用いて行われるものである請求項1に記載のビスフェノール系ポリカーボネート(PC)の分解方法。
【請求項4】
ビスフェノール系ポリカーボネート(PC)を、
(4).ジアミノアルカン、ポリアミン、アミノアルコール、またはアミノチオール、
と反応させることによりPCの一つの構成単位であるビスフェノール、及び、PCの他の構成単位である炭酸の誘導体としての環状尿素を製造することを特徴とするビスフェノール系ポリカーボネート(PC)の分解方法。
【請求項5】
反応が、酸または塩基触媒の存在下または無触媒の条件下で行われるものである請求項4に記載のビスフェノール系ポリカーボネート(PC)の分解方法。
【請求項6】
反応が、反応生成物と同種の環状尿素を溶媒に用いて行われるものである請求項4に記載のビスフェノール系ポリカーボネート(PC)の分解方法。

【公開番号】特開2009−108101(P2009−108101A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27882(P2009−27882)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【分割の表示】特願2000−5325(P2000−5325)の分割
【原出願日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願人】(000002336)財団法人生産開発科学研究所 (10)
【Fターム(参考)】