説明

ポリカーボネートジオール及びその製造法、並びにそれを用いたポリウレタン及び活性エネルギー線硬化性重合体組成物

【課題】高硬度で耐擦性に優れると共に、親水性に優れ、塗料、コーティング剤、合成・人工皮革、高機能エラストマー用途等に有用なポリカーボネート系ポリウレタンを与える新規ポリカーボネートジオールと、このポリカーボネートジオールを原料とするポリウレタンを提供する。また優れた耐汚染性及び硬度を有する硬化膜が得られる活性エネルギー線硬化性重合体組成物を提供する。
【解決手段】特定のジオール二種と炭酸ジエステルとを、周期表1族又は2族金属を用いた化合物であるエステル交換触媒の存在下に反応させて得られ、前記エステル交換触媒の金属の含有量が100重量ppm以下であるポリカーボネートジオール、このポリカーボネートジオールを用いて得られるポリウレタン、このポリカーボネートジオールの反応物であるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)イソソルビド、イソマンニド、及びイソイディッドから選ばれる少なくとも1種のジオール、(ii)ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜15のジオール、及び(iii)炭酸ジエステルを、エステル交換触媒存在下に反応させて得られるポリカーボネートジオールであって、
前記エステル交換触媒が、周期表1族金属を用いた化合物又は2族金属を用いた化合物であり、
前記ポリカーボネートジオールに含有される前記エステル交換触媒の量が、その金属の重量比として100ppm以下であるポリカーボネートジオール。
【請求項2】
ポリカーボネートジオールに含有される前記エステル交換触媒の量が、その金属の重量比として0.1ppm以上である請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項3】
前記エステル交換触媒が周期表2族金属を用いた化合物である請求項1又は2に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項4】
分子鎖中の少なくとも一部に下記式(A)で表される繰り返し単位、及び下記式(B)で表される繰り返し単位を含み、数平均分子量が250以上5,000以下であり、かつ下記式(I)で表される末端(A)率が1.2以上1.9以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
【化1】

【化2】

(Xはヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜15の2価の基を表す。)
【数1】

【請求項5】
前記反応における最高温度が180℃未満である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項6】
分子鎖中の少なくとも一部に下記式(A)で表される繰り返し単位、及び下記式(B)で表される繰り返し単位を含み、数平均分子量が250以上5,000以下であり、かつ下記式(I)で表される末端(A)率が1.2以上1.9以下であるポリカーボネートジ
オール。
【化3】

【化4】

(Xはヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜15の2価の基を表す。)
【数2】

【請求項7】
前記数平均分子量が500以上5,000以下である、請求項6に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項8】
(i)イソソルビド、イソマンニド、及びイソイディッドから選ばれる少なくとも1種のジオール、(ii)ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜15のジオール、及び(iii)炭酸ジエステルを、エステル交換触媒存在下に反応させて得られる請求項6又は7に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項9】
前記エステル交換触媒が周期表1族金属を用いた化合物又は2族金属を用いた化合物である請求項8に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項10】
前記エステル交換触媒が周期表2族金属を用いた化合物である請求項9に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項11】
前記反応における最高温度が180℃未満である請求項8乃至10のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項12】
(i)イソソルビド、イソマンニド、及びイソイディッドから選ばれる少なくとも1種のジオール、(ii)ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜15のジオール、及び(iii)炭酸ジエステルを、エステル交換触媒存在下に反応させてポリカーボネートジオールを製造するポリカーボネートジオールの製造方法であって、
前記反応における最高温度が180℃未満であるポリカーボネートジオールの製造方法。
【請求項13】
前記エステル交換触媒が周期表1族金属を用いた化合物又は2族金属を用いた化合物である請求項12に記載のポリカーボネートジオールの製造方法。
【請求項14】
前記エステル交換触媒が周期表2族金属を用いた化合物である請求項13に記載のポリカーボネートジオールの製造方法。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオールの製造方法により得られるポリカーボネートジオール。
【請求項16】
前記炭酸ジエステルがジフェニルカーボネートである請求項1乃至5、8乃至11及び15のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項17】
炭酸ジエステルの含有量が1重量%以下である請求項1乃至5、8乃至11、15及び16のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項18】
前記(i)のジオールに含まれるギ酸の量が20ppm以下である請求項1乃至5、8乃至11、及び15乃至17のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項19】
分子鎖の末端がアルキルオキシ基又はアリールオキシ基である数の割合が、前記分子鎖の全末端数に対して5%以下である請求項1乃至5、8乃至11、及び15乃至18のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項20】
ハーゼン色数の値(APHA値:JIS K0071−1に準拠)が100以下である請求項1乃至11、及び15乃至19のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項21】
分子量分布が1.5〜3.5である請求項1乃至11、及び15乃至20のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール。
【請求項22】
請求項1乃至11、及び15乃至21のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオールを用いて得られるポリウレタン。
【請求項23】
幅10mm、長さ100mm、厚み約50〜100μmの短冊状のサンプルに対して、チャック間距離50mm、引張速度500mm/分にて、温度23℃、相対湿度55%で測定した引張破断伸度が400%以下である請求項22に記載のポリウレタン。
【請求項24】
幅10mm、長さ100mm、厚み約50〜100μmの短冊状のサンプルに対して、チャック間距離50mm、引張速度500mm/分にて、温度23℃、相対湿度55%で測定した100%モジュラスが10MPa以上である請求項22又は23に記載のポリウレタン。
【請求項25】
厚み約50〜100μmのフィルム状のサンプルについて、JIS L0849に準じて実施した荷重4.9Nでの摩擦試験(500回往復)において、重量減少率が2%以下である請求項22乃至24のいずれか1項に記載のポリウレタン。
【請求項26】
請求項1乃至11、及び15乃至21のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオールと、ポリイソシアネートとを反応させてプレポリマーとし、該プレポリマーと鎖延長剤とを反応させることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
【請求項27】
請求項1乃至11、及び15乃至21のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート、及び鎖延長剤を一括に混合した後、反応させることを特徴とするポリウレタンの製造方法。
【請求項28】
請求項22乃至25のいずれか1項に記載のポリウレタンを用いて製造した塗料又はコーティング剤。
【請求項29】
請求項22乃至25のいずれか1項に記載のポリウレタンを用いて製造した人工皮革又は合成皮革。
【請求項30】
請求項22乃至25のいずれか1項に記載のポリウレタンを用いて製造した水系ポリウレタン塗料。
【請求項31】
請求項22乃至25のいずれか1項に記載のポリウレタンを用いて製造した医療用材料。
【請求項32】
請求項22乃至25のいずれか1項に記載のポリウレタンを用いて製造した接着剤。
【請求項33】
請求項1乃至11、及び15乃至21のいずれか1項に記載のポリカーボネートジオール、ポリイソシアネート、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、を含む原料の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
【請求項34】
ポリイソシアネート、ポリカーボネートジオール、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、を含む原料の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物において、
前記ポリカーボネートジオールが、下記式(A)で表される繰り返し単位を10質量%以上含み、前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が500以上5,000以下、かつ1分子当りの平均水酸基数が2.2以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
【化5】

【請求項35】
前記ポリカーボネートジオールが、下記式(B)で表される繰り返し単位をさらに含むことを特徴とする、請求項34に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
【化6】

(式(B)中、Xはヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜15の二価の基を表す。)
【請求項36】
前記式(B)のXが炭素数6の二価の基であることを特徴とする、請求項35に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
【請求項37】
ポリイソシアネート、ポリカーボネートジオール、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、を含む原料の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化性重合体組成物において、
前記ポリカーボネートジオールが、(i)イソソルビド、イソマンニド、及びイソイディッドから選ばれる少なくとも1種のジオール、(ii)ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜15のジオール、及び(iii)炭酸ジエステルを、エステル交換触媒存在下に反応させて得られるポリカーボネートジオールであって、前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が500以上5,000以下、かつ1分子当りの平均水酸基数が2.2以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
【請求項38】
前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が3,000以下であることを特徴とする請求項34乃至37のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
【請求項39】
計算網目架橋点間分子量が500〜10,000であることを特徴とする請求項34乃至38のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
【請求項40】
前記原料が、前記ポリカーボネートジオールを除く数平均分子量500を超える高分子量ポリオールをさらに含むことを特徴とする請求項34乃至39のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
【請求項41】
前記原料が、前記ポリカーボネートジオールを除く数平均分子量500以下の低分子量ポリオールをさらに含むことを特徴とする請求項34乃至40のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
【請求項42】
前記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとをウレタン化反応させてなる構造を有し、
前記ウレタンプレポリマーは、前記ポリイソシアネートと前記ポリカーボネートジオールとをウレタン化反応させてなることを特徴とする請求項34乃至41のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物。
【請求項43】
請求項34乃至42のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性重合体組成物に、活性エネルギー線を照射してなる硬化膜。
【請求項44】
基材上に、請求項43に記載の硬化膜からなる層を有する積層体。

【公開番号】特開2012−72350(P2012−72350A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89632(P2011−89632)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】