説明

ポリカーボネートポリマーを含む感光性セラミック組成物

【課題】 新規なポリカーボネートポリマーならびに感光性組成物およびテープでのその使用を提供すること。
【解決手段】 本発明は、式(IV)の繰返し単位を含むポリマーを対象とする。本発明は、(a)セラミック、金属、金属酸化物または金属合金から選択される無機固体の細分割粒子、(b)ガラス転移温度が550〜825℃の範囲、表面積/重量比が10m2/g以下、粒子の少なくとも95重量%が1〜10μmである有機ビヒクル中に分散された無機結合剤の細分割粒子の混合物を含み、前記有機ビヒクルが(c)前述のポリマー、(d)光開始系、(e)有機媒体を含む感光性組成物を対象とする。有機媒体を除去すると前記組成物をテープとして利用できる。所与の組成物で、先述のポリマーを5−カルボメトキシ−5−メチル−1,3−ジオキシン−2−オンから得たポリカーボネートに置換できる。
【化11】

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリカーボネートポリマー、ならびに感光性組成物およびテープ中でのその使用に向けられる。
【0002】
【従来の技術】電子回路の製作においては導体、抵抗体、誘電体または基材を構築するのに感光性ペーストが広く使用されている。当業界ではペーストの使用をセラミック素地のテープに置き換えることが求められている。セラミックテープは主に、多層セラミック基材および現在のその他のテープ製品を構築するための誘電または絶縁材料として使用される。
【0003】ペーストおよびテープは、両方とも、あるペーストおよびテープにそれらの使用に必要な素地特性を与えるポリマー、界面活性剤、可塑剤、光反応性成分のような成分を含む。最終使用の特性を達成するため有機物は、プロセス中に系から完全に除去される。このような有機物の除去は通常、有機成分の最も高い分解温度よりも高い温度に系を加熱することによって実施される(「バーンアウト」プロセス)。
【0004】セラミックテープ/ペースト製品の応用がますます複雑化し、新たな技術領域にまで広がるにつれ、この有機物バーンアウトの天井温度を下げる必要性が増している。このような必要性は例えば、パネル基材にウィンドウガラスを使用し、したがって焼成温度を、基材ガラスの低い軟化温度(〜600℃)よりも低く維持しなければならない新進のフラットパネルディスプレイ技術の1つであるプラズマディスプレイパネルの製品開発に存在する。
【0005】セラミック製品に対して当業界で現在使用されている有機物(重合後のセルロースまたはアクリレートポリマーおよびモノマー)の分解温度は、いくつかの応用のバーンアウト段階で許される上限に近い。したがって本明細書に開示したポリカーボネートおよびこのようなポリカーボネートの使用は、ペーストおよびテープで使用することができるより低い分解温度の必要性を満たす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規なポリカーボネートポリマーならびに感光性組成物およびテープでのその使用を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、繰返し単位(IV)を含むポリマーであって、
【0008】
【化5】


【0009】上式でR1ないしR7のそれぞれが、独立に、水素またはアルキルであり、R8が水素またはメチルであるポリマーに向けられる。
【0010】本発明はさらに、(a)セラミック、金属、金属酸化物または金属合金から成る群から選択された無機固体の細かく分割された粒子と、(b)ガラス転移温度が550から825℃の範囲にあり、重量に対する表面積の比が10m2/g以下で、粒子の少なくとも95重量%が1〜10μmのサイズを有し、有機ビヒクル中に分散された無機結合剤の細かく分割された粒子の混合物を含み、前記有機ビヒクルが、(c)先に記載したポリマーと、(d)光開始系と、(e)有機媒体を含む感光性組成物に向けられる。有機媒体を除去すると上記組成物をテープとして利用することができる。さらに所与の組成物において、先に記載したポリマーを5−カルボメトキシ−5−メチル−1,3−ジオキシン−2−オンの重合から得たポリカーボネートに置き換えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、ペーストおよびテープ用の感光性厚膜組成物に使用されるポリカーボネートとして知られた、アクリレート側基を有し、主査がカーボネート化されたポリマーの使用を含む。ポリカーボネートポリマーを、従来の感光性組成物中の標準的なアクリル性モノマーおよび/またはポリマーに置き換えることができる。ポリカーボネートの使用を含むテープまたはペーストは、有機物のバーンアウトのための焼成温度が基質材料によって制限される場合の応用を意図している。本発明は、このポリマーの主鎖中のカーボネート基の熱分解温度が低いことを利用する。本発明はまた、新規のポリカーボネートポリマー、ならびにペーストおよびテープ用の組成物でのその使用に向けられる。より低い分解温度を有するペーストおよびテープを生み出すためには、ある種のポリカーボネートポリマー結合剤を、光開始系を伴った無機固体および無機結合剤と混合し、感光性ペーストおよびテープを形成する。本発明の諸成分を新規のポリカーボネートポリマーとともに以下に論じる。
【0012】A.セラミック固体および金属粉体本発明は、セラミック、金属、金属合金、金属酸化物またはこれらの混合物を含む実質的にどのような高融点無機固体材料にでも適用可能である。しかし本発明は、アルミナ、チタネート、ジルコネート、スタンネートのような固体を使用して誘電ペーストまたはテープの分散物を作製するのに特に適している。本発明はまた、このような材料の前駆物質、すなわち焼成すると誘電性固体に変換される固体材料、およびこれらのいずれかの混合物にも適用可能である。本発明で使用に適した多くの誘電性固体には、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、PbTiO3、CaZrO3、BaZrO3、CaSnO3、BaSnO3およびAl23が含まれる。セラミック技術分野の熟練者には明白なことだが、本発明の組成物に使用されうるセラミック固体の正確な化学組成は、レオロジー的意味において通常はそれほど重要でない。さらに、セラミック固体が有機分散物中で膨潤特性を有しないことが好ましい。これは、分散物のレオロジー特性がそれによって実質的に変化する可能性があるためである。適当な導電性無機固体には、例えば銀、金、銅、白金、ならびにこれらの合金、酸化物および混合物、さらにルテニウム酸鉛パイロクロア(lead ruthenate pyrochlore)などがある。
【0013】分散物の膜または層を焼成して有機媒体を除去し、無機結合剤およびセラミック固体の焼結を行うときに有機媒体を十分完全にバーンアウトするためには、本発明の分散物が粒径0.3μm未満の固体をあまり多く含んではならないことが分かっている。しかし、20μmを上回るセラミック固体がないことが好ましく、さらに、無機固体の少なくとも75重量%は1〜10μmのサイズを有するべきである。言い換えると、分散物を使用して、通常はスクリーン印刷によって塗布される厚膜ペーストを作るときには、最大粒径がスクリーンの厚さを上回ってはならず、分散物を使用して乾式感光膜を作るときには最大粒径が膜の厚さを上回ってはならない。無機固体の少なくとも90重量%が1〜10μmの範囲に収まることが好ましい。
【0014】さらに、セラミック粒子の表面積/重量比が10m2/gを超えないことが好ましい。これはこのような粒子が、随伴する無機結合剤の焼結特性に不利な影響を及ぼす傾向があるためである。表面積/重量比が5m2/gを超えないことがさらに好ましい。表面積/重量比が1〜5m2/gのセラミック粒子は、非常に満足であることがわかっている。
【0015】B.無機結合剤本発明で使用するガラスフリットは無機結晶微粒子の焼結を助ける。これは、無機固体よりも低融点の周知のいずれかの組成物でありうる。それにもかかわらず、デバイスの十分な密封性を得るためには、無機結合剤のガラス転移温度(Tg)は550〜825℃であることが好ましく、550〜750℃であることがさらに好ましい。融解が550℃未満で起こる場合には、有機材料がおそらくは封入され、有機成分が分解するときに誘電体層中に膨れ(blister)が形成されることになる。一方、825℃を超えるガラス転移温度では、銅メタライゼーションと両立する焼結温度、例えば900℃を使用したときに多孔質の誘電体が生じる傾向がある。
【0016】最も好ましく使用されるガラスフリットは、ホウケイ酸鉛フリット、ビスマス、カドミウム、バリウム、カルシウムまたはその他のアルカリ土類金属のホウケイ酸塩フリットのようなホウケイ酸塩フリットである。このようなガラスフリットの調製は周知であり、例えば、成分の酸化物の形態でガラスの成分を一緒に融解し、融解した組成物を水中に注いでフリットを形成することから成る。もちろん、バッチの材料は、フリット製造の通常の条件下で所望の酸化物を与える任意の化合物とすることができる。例えば、三酸化二ホウ素はホウ酸から得られ、二酸化ケイ素はヒウチ石(flint)から生産され、酸化バリウムは炭酸バリウムから生産される、などである。フリットの粒径を小さくし、実質的に均一にするため、ガラスは、水を用いてボールミル中で粉砕することが好ましい。次いでこれを水中で沈降させて微粉を分離し、微粉を含む上澄み液を除去する。その他の分級方法を使用してもよい。
【0017】ガラスは、所望の成分を所望の割合で混合し、この混合物を加熱して融解物を形成する、従来のガラス製造技法によって調製される。当技術分野で周知のとおり、加熱は、融解物が完全に均一な液体となるようなピーク温度および時間で行われる。この作業ではこれらの成分を、プラスチック製のボールを入れたポリエチレン製の広口びんの中で振盪することによって前もって混合し、次いで所望の温度の白金るつぼ中で融解させる。融解物は、ピーク温度で1時間〜1時間半加熱する。次いで融解物を冷水中に注ぎ入れる。急冷中の水の最高温度は、水−対−融解物の比を増大させることによってできるだけ低く保つ。風乾するか、またはメタノールで洗って水をメタノールで置換するかによって水から分離した後の粗フリットから残留水分を除去する。次いで粗フリットを、アルミナボールを使用してアルミナ容器中で3〜5時間粉砕する。アルミナによるフリットの汚染は、X線回折解析の観測限界に達しない。
【0018】粉砕したフリットのスラリーを粉砕機から取り出した後、過剰な溶媒をデカンテーションによって除去し、フリット粉を室温で風乾する。乾かしたフリット粉を、325メッシュのふるいを通してふるいに掛け、何れの大粒子をも完全に除去する。セラミック固体の場合と同様に無機結合剤の表面積−対−重量比は10m2/g以下であるべきであり、粒子の少なくとも95重量%が1〜10μmの粒径を有しているべきである。
【0019】より大きな粒子の重量部とより小さな粒子の重量部が等しくなる点として定義される無機結合剤の50%点が、セラミック固体のそれと同じか、またはそれよりも低いことが好ましい。所与の粒径のセラミック固体では、気密封止を達成するのに必要な無機結合剤/セラミック固体比は、無機結合剤のサイズが小さくなるにつれて小さくなる。所与の無機固体−無機結合剤系では、無機固体に対する無機結合剤の比が気密封止を達成するのに必要な値よりも大幅に大きい場合に、誘電体層は焼成後に膨れを形成する傾向がある。この比が大幅に小さい場合には焼成された誘電体は多孔質となり、したがって気密封止を達成できない。
【0020】先に述べた粒径および表面積の制限の範囲内である場合でも、無機結合剤粒子が1〜6μmであるほうが好ましい。この理由は、大きな表面積を有するより小さな粒子は有機材料を吸着する傾向があり、したがって完全な分解を妨げるからである。一方、より大きなサイズの粒子は焼結特性に劣る傾向がある。無機結合剤に対するセラミック固体の比が0.6〜2であることが好ましい。
【0021】C.光架橋性有機ポリマー/モノマー先に述べたとおり、本発明の分散物の結合剤成分は有機ポリカーボネートポリマーである。5−カルボメトキシ−5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの重合の結果得られるポリマーをポリマー結合剤の成分として使用することができる。5−カルボメトキシ−5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンのポリカーボネートポリマーは、Weilandt,K.D.,Keul,H.andHocker,H.,Macromol.Chem.Phys.197,3851−3868(1996)に開示されたとおりに調製することができる。5−カルボメトキシ−5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンは、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸をメタノールを反応させて2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸メチルとし、次いでこれをトリエチルアミンの存在下でトリホスゲンと反応させ、所望の生成物5−カルボメトキシ−5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンを白色固体として得ることによって調製されうる。
【0022】ポリカーボネートポリマーを選択する場合の別の選択肢は、5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オンのメタ(アクリレート)エステルの重合から得られるものである。5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オンのメタ(アクリレート)エステルは、酸補足剤としてのトリエチルアミンの存在下で、メタ(アクリロイル)クロライドと5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オンから調製されうる。5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オンの調製はKrimm等に対する米国特許第4,440,937号に開示されている。
【0023】5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オンのような環状カーボネートの(メタ)アクリレートエステルの重合により、以下の繰返し単位(IV)を有するポリマーが得られる。
【0024】
【化6】


【0025】このポリマーはホモポリマーでもよく、または、例えば別の環状カーボネートと共重合させたコポリマーでもよい。このポリマーは、ポリカーボネート若しくはポリ(カーボネート−エステル)、またはその他のコポリマーでありうる。R1、R2、R4ないしR7が水素、R3がアルキルであることが好ましく、R3がエチルであるとさらに好ましい。また、R1ないしR7では、アルキルが1〜20個の炭素原子を含むことが好ましい。
【0026】5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オン(メタ)アクリレートエステル(1)の重合は、イットリウムトリイソプロポキシド、オクタン酸第一スズのような触媒を用いると溶液中およびバルクの両方で簡単に起こり、ポリカーボネートが得られる。この重合を触媒するのに、しばしばその他のエステル交換反応触媒を使用することができる。オクタン酸第一スズを用いた重合を120℃のバルクで実行した。その結果得られるポリカーボネート(2)はしばしば広い多分散性を有する。触媒の濃度を下げると、通常、ポリカーボネートの分子量は予想されるとおり増大するが、この増大はしばしば線形ではない。
【0027】イットリウムトリイソプロポキシドを用いて開始される重合は通常、〜2の多分散性を有するポリカーボネートを生じた。オクタン酸第一スズの場合と同様に、触媒濃度が低下するにつれてポリマーの分子量は増大する。熱重量分析(TGA)は、非酸化的環境中、すなわち窒素中でポリマーは200℃を超えると、すっかり分解することを示した。
【0028】
【化7】


【0029】塩化メチレンまたは酢酸エチルのような重合溶媒を除去に際して、フェノチアジンのような添加された安定剤の非存在下でこのポリマーが架橋反応を受ける可能性を表すものとして、真空下で一晩乾燥した後に架橋された不溶性物質が生じる。安定剤が存在するかまたは不必要である場合には、重合可能な他の(メタ)アクリレートの存在下または非存在下で光重合またはラジカル重合によって架橋を起こすことができる(下記参照)。したがって、5−カルボメトキシ−5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンの重合の結果得られるポリカーボネートを、光成型可能な従来のモノマーを使用したペーストまたはテープフォトレジスト調合物中の結合剤として使用することができる。このポリカーボネートの分子量は応用例に依存し、分子量10,000Mn未満はペースト組成物に有用であり、10,000を超えるものはテープまたはシートに有用である。
【0030】5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オンの(メタ)アクリレートエステルの重合の結果得られるポリカーボネートを、光成型可能な従来のモノマーを使用し、または使用しないでペーストまたはテープフォトレジスト調合物中の架橋可能な結合剤として使用することができる。このポリカーボネートの分子量は応用例に依存し、分子量10,000未満はペースト組成物に有用であり、10,000を超えるものはテープまたはシートに有用である。
【0031】重量平均分子量の低い(Mw<10,000)ポリカーボネートは低い融点を有し、これは、他の適合した高分子量のポリマーと混合し、テープを形成するために、コーディングされた膜を十分に乾燥させる必要があるが、ペーストを製造するためには、低分子量のポリカーボネートは良い選択である。ポリアルキルカーボネートポリマーは好ましい適合ポリマーである。このポリカーボネートポリマーを補助的な熱分解可能なポリマー結合剤とともに使用することもできる。好ましい熱分解可能なポリマー結合剤は、(1)C1-10アルキルアクリレート、C1-10アルキルメタアクリレート、α−メチルスチレンおよび0〜2重量%のエチレン性不飽和カルボン酸、アミンまたはシランを含む化合物のホモポリマーおよびコポリマー、(2)C1-10モノオレフィンのホモポリマーおよびコポリマー、(3)C1-4アルキレンオキシドのホモポリマーおよびコポリマー、ならびにこれらの混合物である。
【0032】低分子量(Mn<10,000)のポリカーボネートを、従来の他の(メタ)アクリレートモノマーとともに使用することができる。このような好ましいモノマーには、t−ブチルアクリレートおよびメタアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレートおよびジメタアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレートおよびメタアクリレート、エチレングリコールジアクリレートおよびジメタアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレートおよびジメタアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレートおよびジメタアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレートおよびジメタアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレートおよびジメタアクリレート、デカメチレングリコールジアクリレートおよびジメタアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレートおよびジメタアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレートおよびジメタアクリレート、グリセロールジアクリレートおよびジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびジメタアクリレート、グリセロールトリアクリレートおよびトリメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメタアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレートおよびトリメタアクリレート、ポリオキシエチル化されたトリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメタアクリレート、および米国特許第3,380,831号に開示された類似化合物、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびテトラメタアクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチル−2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタアクリレート、ビスフェノールAのジ−(3−メタアクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノールAのジ−(2−メタアクリルオキシエチル)エーテル、ビスフェノールAのジ−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノールAのジ−(2−アクリルオキシエチル)エーテル、1,4−ブタンジオールのジ(3−メタアクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、トリエチレングリコールジメタアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレートおよびジメタアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレートおよびトリメタアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレートおよびジメタアクリレート、1−フェニルエチレン1,2−ジメタアクリレート、フマル酸ジアリル、スチレン、1,4−ベンゼンジオールジメタアクリレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、並びに1,3,5−トリイソプロペニルベンゼンが含まれる。さらに、分子量が少なくとも300のエチレン性不飽和化合物、例えば、炭素2〜15個のアルキレングリコールまたはエーテル結合1〜10個のポリアルキレンエーテルグリコールから調製されたアルキレンまたはポリアルキレングリコールジアクリレート、ならびに米国特許第2,927,022号に開示のエチレン性不飽和化合物、例えば、付加重合可能な複数のエチレン結合を特に末端結合として有する化合物も有用である。特に好ましいモノマーは、ポリオキシエチル化されたトリメチロールプロパントリアクリレート、エチル化されたペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、および1,10−デカンジオールジメタアクリレートである。先に述べたカーボネートポリマーとともに本発明で使用することができる光硬化可能なモノマーの若干は、以下の化学構造に対応する一定の単−、二−および三−官能メタアクリレートである。
【0033】
【化8】


【0034】
【化9】


【0035】
【化10】


【0036】上式で、R1、R2、およびR3は、アルキル、アリールまたはアラルキル基から独立に選択されるか、または3つのR基のうちの1つがHである場合には、他の2つのR基がアルキル、アリールまたはアラルキル基から選択されることが好ましい。前者の例は、2,2−ジメチルプロパンジメタアクリレート(DMPDMA)およびトリメチロールプロパントリメタアクリレート(TMPTMA)である。
【0037】D.光開始系適切な光開始系は、熱的には不活性であるが、周囲温度で化学線に曝されると遊離基を生成するものである。これらは、共役炭素環系中に2つの環内炭素原子を有する化合物である置換または非置換の多核キノン、例えば、9,10−アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントレンキノン、ベンズアントラセン−7,12−ジオン(benz(a)anthracene-7-12-dione)、2,3−ナフタセン−5,12−ジオン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、レテンキノン、7,8,9,10−テトラヒドロナフトラセン−5,12−ジオン、および1,2,3,4−テトラヒドロベンズアントラセン−7,12−ジオン(1,2,3,4-tatra-hydrobenz(a)anthracene-7-12-dione)を含む。他の光重合開始剤もまた、その幾つかが85℃程度の低い温度で熱的に活性であったとしても有用であり、これらは、米国特許第2,760,863号に記載されており、ベンゾイン、ピバロイン、アシロインエーテル、例えば、ベンゾインメチルおよびエチルエーテルのようなビシナル−ケタルドニルアルコール、ならびにα−メチルベンゾイン、α−アリルベンゾイン、およびα−フェニルベンゾインを含めたα−炭化水素が置換された芳香族アシロインを含む。米国特許第2,850,445号、2,875,047号、3,097,096号、3,074,974号、3,097,097号および3,145,104号に開示されている光還元性染料および還元剤、並びに、米国特許第3,427,161号、3,479,185号および3,549,367号に記載されているフェナジン、オキサジンおよびキノン類の染料、ミヒラーケトン、ベンゾフェノン、ロイコ染料を含めた水素供与体を有する2,4,5−トリフェニルイミダゾリル二量体、および、これらの混合物を開始剤として使用することができる。さらに、米国特許第4,162,162号に開示されている増感剤は、光開始剤および光阻害剤と用いると有用である。光開始剤または光開始系は、乾式光重合可能層の総重量を基準にして0.05〜10重量%存在する。
【0038】E.有機媒体有機媒体の主目的は、組成物の細かく分割された固体成分がセラミックまたは他の基質に容易に適用することができる形態で、これを分散させるためのビヒクル(vehicle)の役目を果たすことである。したがって有機媒体は第一に、固体が十分な程度の安定性で分散可能なものでなければならない。第二には、有機媒体のレオロジー特性は、分散物に良好な適用特性を与えるようなものでなければならない。
【0039】分散物を膜にするときには、セラミック固体および無機結合剤が分散した有機媒体は、揮発性有機溶媒に溶解された前述のポリマー結合剤、モノマーおよび開始剤、ならびに任意選択で可塑剤、離型剤、分散剤、ストリッピング剤、防汚剤、湿潤剤のような他の溶解された材料から成る。
【0040】有機媒体の溶媒成分は、溶媒の混合物であってもよく、ポリマーの完全な溶液を得るように、かつ、周囲雰囲気中で、または常圧で比較的低いレベルの熱を加えることによって溶媒が分散物から蒸発するのに十分に高い揮発性を有するものを選択する。さらに溶媒は、有機媒体中に含まれる他のどの添加剤の沸点および分解温度よりも低い温度で十分に沸騰しなければならない。したがって常圧での沸点が150℃よりも低い溶媒が最も頻繁に使用される。このような溶媒には、酢酸エチル、メタノール、イソプロパノール、アセトン、キシレン、エタノール、メチルエチルケトン、2,2,4−トリエチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート、トルエン、ならびにエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルのようなエチレングリコールモノアルキルおよびジアルキルエーテルが含まれる。
【0041】膜に更なる柔らかさが必要がある場合、有機媒体はしばしば、1種または複数の可塑剤を含む。このような可塑剤は、セラミック基材への良好なラミネーションを保証するのに役立ち、さらに組成物の非露光領域の現像性を高める。しかし、注型した膜を焼成するときに除去しなければならない有機材料の量を低減させるため、このような材料の使用は最小限にするべきである。当然ながら可塑剤の選択は主に、修飾されなければならないポリマーによって決定される。さまざまな結合剤系で使用されている可塑剤には、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジベンジル、アルキルホスフェート、ポリアルキレングリコール、グリセロール、ポリ(エチレンオキシド)、ヒドロキシエチル化されたアルキルフェノール、トリクレシルホスフェート、トリエチレングリコールジアセテート、およびポリエステル可塑剤がある。
【0042】F.スリップ調製物スリップ(slip)は、有機媒体中に適正に分散された無機粉体の分散混合物である。有機媒体中に無機粉体を良好に分散させる一般的な方法は、従来のボールミリング法を使用するものである。ボールミリングは、セラミック製のミリングジャーおよびミリング媒体(球形または円筒形のアルミナまたはジルコニアペレット)から成る。混合物全体をミリングジャーに入れ、ミリング媒体を加える。漏れのないようにジャーをふたで密閉した後にローラ上で転がして、ジャーの内部のミリング媒体に混合効率が最適となる回転速度でタンブリング動作を起こさせる。回転の長さは、性能仕様を満足する十分に分散した無機粒子を得るのに必要な時間である。不十分な分散は、最終的な焼成部分に受け入れがたいエッジバンプに繋がる。
【0043】スリップは、ブレードまたはバーコーティング法によって基材に塗布することができ、次いで周囲温度または加熱によって乾燥する。次いでスリップを、従来のコーティング法によって基材ベース上でテープの形態に注型する。注型したテープは、乾式膜フォトレジスト業界で使用されているもののような単純なホットロールラミネーションによって基材に単純に適用する。乾燥後のコーティングの厚さは応用に応じて数ミクロンから数十ミクロンとすることができる。
【0044】テープコーティング操作は、従来のフォトレジストコーティングで使用されている操作と同様である。スリップは、ポリエチレンテレフタレート(PET)膜基材の移動ウェブ上にスロットダイを通して押し出し、乾燥ゾーンを通過させて、コーティング溶媒を加熱蒸発させて乾燥テープの形態とし、次いでカバーシート上に積層し、その後、これをワイドストック(widestock)ロールとして巻きあげる。カバーシートは、巻きあげたロールの中でテープがベース膜のもう一方の側に貼り付くのを防ぐために使用される。シリコーンでコーディングされたPET膜、ポリプロピレンまたはポリエチレンをカバーシートとして使用することができる。カバーシートは、基材に積層する前に取り除く。したがって、取り除くときにカバーシートとテープの間で分離が起こるように、カバーシートのテープに対する付着力はベース膜のそれよりも弱くなければならない。
【0045】有機物に対する無機固体の重量比が2.0から6.0の範囲にあることが好ましく、2.6から4.5であることがより好ましい。十分な分散、感光、およびレオロジー特性を得るためにはこの比が6.0以下であることが必要である。しかし2.5未満では、バーンオフされなければならない有機物の量が多すぎ、最終的な層の品質が損なわれる。有機物に対する無機固体の比は無機固体の粒径、有機成分、および無機固体表面の前処理に依存する。粒子をオルガノシランカップリング剤で処理するときには、有機物に対する無機固体の比を大きくすることができる。焼成欠陥を最小化するためにより低レベルの有機物を使用することが好ましい。有機物に対する無機固体の比は可能な限り高いことが、本質的には重要である。本発明での使用に適したオルガノシランは一般式RSi(OR’)3に対応するものであり、この式でR’はメチルまたはエチルであり、Rはアルキル、メタアクリルオキシプロピル、ポリアルキレンオキシド、または膜の有機マトリックスと相互作用する他の有機官能基から選択される。
【0046】G.ペースト調製物分散物を厚膜ペーストとして適用するときには、レオロジーを適切に調整し、揮発性のより低い溶媒を使用することによって従来の厚膜有機媒体を使用することができる。
【0047】本発明の組成物を厚膜組成物として調合するときには通常、組成物をスクリーン印刷によって基材に適用する。したがって組成物は、スクリーンを容易に通過することができるような適切な粘性を有していなければならない。さらに組成物は、スクリーンを通過した後に速やかに固化し、これによって良好な解像度を与えるようなチキソトロピックであるべきである。レオロジー特性が主に重要であるが、有機媒体は、固体および基材の適切な湿潤性、良好な乾燥速度、乱暴な取扱いに耐える乾燥された膜の十分強度、および良好な焼成特性をも与えるように調合されることが好ましい。焼成された組成物の外観が満足のいくものであることも重要である。
【0048】これらの全ての基準から見て、さまざまな不活性液体を有機媒体として使用することができる。ほとんどの厚膜組成物向けの有機媒体は、典型的には溶媒に樹脂を溶かした溶液であり、しばしば樹脂とチキソトロピック剤の両方を含む溶媒溶液である。溶媒は通常、130〜350℃の範囲で沸騰する。
【0049】この目的に特に適した樹脂は、低級アルコールのポリメタアクリレートおよびエチレングリコールモノアセテートのモノブチルエーテルである。
【0050】厚膜の応用に最も広く使用される溶媒は、α−またはβ−テルピネオールのようなテルペン、またはこれらの混合物と、ケロセン、フタル酸ジブチル、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ヘキサメチレングリコール、高沸点アルコールおよびアルコールエステルのような他の溶媒とを含むものである。それぞれの応用に対する所望の粘性および揮発性の要求を得るため、これらおよび他の溶媒をさまざまな組合せで調合する。
【0051】一般に使用されるチキソトロピック剤には、水素化されたひまし油およびその誘導体がある。もちろん、チキソトロピック剤を組み込むことは必ずしも必要であるとは限らない。これは、任意の懸濁物に固有のずり減粘(shear thinning)と結びつけられた溶媒/樹脂特性が、もっぱらこれについて適切であるからである。
【0052】分散物中の無機固体に対する有機媒体の比はかなり変化させることができ、分散物に適用されるべき方法および使用する有機媒体の種類に依存する。通常は、良好な被覆を達成するため、分散物が、相補的に固体60〜90重量%および有機媒体40%〜10重量%を含む。このような分散物は通常、半流動体のコンシステンシーを有し、一般に「ペースト」と呼ばれる。
【0053】ペーストは、三本ロール練り機上で調製すると都合がよい。ブルックフィールド粘度計を用いて低、中、高のずり速度で室温で測定したときペーストの粘度は、典型的には、下表の範囲にある。
【0054】
【表1】


【0055】利用する有機媒体(ビヒクル)の量およびタイプは、主に最終的な所望の製剤の粘度およびプリント厚によって決定される。
【0056】写真画像の視認性を向上させるため、さまざまな染料および顔料を添加することもできる。しかし、使用される任意の着色剤は、好ましくは、使用する化学線の放射に対して透明であるべきであるが、可視または紫外線スペクトル領域内の他の放射に不透明であるか、またはこれらを強く吸収しうる。
【0057】上述した多くの特性および組成物のパラメータに加え、全ての有機および無機成分が実質的にハロゲンを含まないことも非常に重要である。これは、通常の焼成条件下で、ハロゲン化された化合物は、隣接する導電層ならびにこれらを焼成する炉の表面の腐食の原因となるからである。
【0058】実際の例を示すことによって本発明をさらに詳細に説明する。しかし、これらの実例の何れによっても本発明の範囲が限定されることはない。
【0059】
【実施例】表に示す値は全て、組成物全体に対する重量%である。
【0060】ポリカーボネートの調製(実施例1)
5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オンのモノマーメタアクリレートエステルの調製ドライボックス内で、機械式スターラーおよび圧力等化添加漏斗を装備した2リットルフラスコに、THF(600mL)、5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オン(160g)、および新たに蒸留したトリエチルアミン(152g)を加えた。塩化メタアクリロイルを添加漏斗の中に入れた。窒素下で装置をドライボックスから取り出し、溶液を−87℃まで冷却した。冷却した溶液に塩化メタアクリロイルを撹拌しながらゆっくりと加えた。アミン添加完了後、混合物をそのまま室温まで暖め、次いで、室温で一晩撹拌した。トリエチルアミン/HCl塩をろ過で除去し、ろ液を減圧濃縮した。得られた物質を塩化メチレンに溶解し、次いで水洗し(3×200mL)、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過により取り除いた後、ろ液を減圧濃縮した。ヘキサン(300mL)を加えて濃い粘性物質を沈澱させ、この白色固体をろ過し、真空乾燥して生成物〜140gを得た。
【0061】5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オンのメタアクリレートエステルの典型的な溶液重合ドライボックス内で、スターラーを装備したガラスびんに、5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−オンのメタアクリレートエステル(2.00g)および塩化メチレン(2.0mL)を加えた。均一溶液になった後、イットリウムトリイソプロポキシド(トルエン中の0.1M溶液0.5mL)を加えた。3時間後、塩化メチレンおよび水を加えて重合を終わらせた。有機相を分離し、再び水洗し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、次いで減圧濃縮し、次いで真空下で1時間乾燥した。次いで同量の酢酸エチルを加え、50%固溶体を調製した。乾燥を一晩続けると翌日には加工しにくい塊が得られる。ゲル浸透クロマトグラフィー(PS STD):11,660、PD=3.99。
【0062】成分材料以下に述べる実施例では、指示の特性を有する以下の成分材料を使用した。
【0063】(実施例2)
a.誘電体スリップ向けの調合
【0064】
【表2】


【0065】b.プロセス(1)全ての有機成分を溶媒(酢酸エチルとメタノールの10:1混合物)に溶解して、全溶媒含量を28重量%とし、(2)無機物およびミリング媒体をミリングジャーに加え、(3)約24時間ミリングすることによってコーティングスリップを調製した。
【0066】周囲環境で乾燥したときに厚さが約2ミルとなるように、ドローダウンコーティングプロセスを使用してスライドガラス基材上にスリップを直接コーティングした。
【0067】1000mj/cm2の真空下で、コーティング面と接触させて銀エマルジョンをハロゲン化銀ターゲット中に曝した。
【0068】トリプロピレングリコールモノエチルエーテル(TPM)を用いて現像した。
【0069】標準的な素地テープの焼成プロファイルを使用して焼成し、有機物をバーンオフする。
【0070】(実施例3)
a.誘電体テープ向けの調合ポリマーBを唯一の光硬化剤として使用。
【0071】
【表3】


【0072】ポリマーBをモノマーとともに使用。
【0073】
【表4】


【0074】b.プロセス:現像剤としてTPMの代わりに酢酸エチルを使用する他は上記と同じである。
【0075】用語解説ポリマーA− 5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサン−2−オンのメタアクリレートエステルの重合から生じたポリカーボネート(Mw〜9300)。
ポリマーB− 5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサン−2−オンのメタアクリレートエステルの重合から生じたポリカーボネート(Mw〜20300)。
*Irgacure− ビス(2,6−ジベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの50/50ブレンド。有機光開始剤ブレンド。Ciba−Geigy Specialty Chemicals,Oak Brook,IL 60521。
顔料− コバルト・クロマイト・ブルー−グリーン・スピネル(Cobalt chromite Blue-Green Spinel)。The Shepherd Color Company,4539 Dues Drive,Cincinnati,OH 45246。
Benzoflex− Benzoflex 400可塑剤(Plasticizer)。ポリプロピレングリコールジベンゾエート(C36nCl4103。Velsicol Chemical Corporation,5600N.River Road,Rosemont,IL 60018。
フリット− アルカリ土類アルミニウム鉛ホウケイ酸ガラスフリット(カルシウムアルミニウム鉛ホウケイ酸ガラスフリット)。フェロフリット。製造者−DuPont。
アルミナAl23粉。製造者−DuPont。
TMPEOTA− トリメチロールプロパントリエトキシトリアシレート。オリゴマーモノマー。Satomer SR 545。Sartomer Company,Oaklands Corporate Center,468 Thomas Jones Way,Exton,PA 19341。構造:CH3−CH2−C−(−CH2−(O−CH2−CH2−)3−O(CO−CH=CH23CH2=C(COOH)(CH2−COOH)
イタコン酸− 安定剤。Aldrich Company。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 コポリマーであることを特徴とする繰返し単位(IV)を含むポリマー。
【化1】


[上式でR1ないしR7のそれぞれが、独立に、水素またはアルキルであり、R8が水素またはメチルである。]
【請求項2】 架橋されていることを特徴とする繰返し単位(IV)を含むポリマー。
【化2】


[上式でR1ないしR7のそれぞれが、独立に、水素またはアルキルであり、R8が水素またはメチルである。]
【請求項3】 (a)セラミック、金属、金属酸化物または金属合金から成るグループから選択された無機固体の細かく分割された粒子と、(b)550から825℃の範囲のガラス転移温度、10m2/g以下の重量に対する表面積の比、および1〜10μmのサイズを有する少なくとも95重量%の粒子を有する、有機ビヒクル中に分散された無機結合剤の細かく分割された粒子の混合物を含み、前記有機ビヒクルが、(c)下記に記載の繰り返し単位(IV)を含むポリマーと、
【化3】


[上式でR1ないしR7のそれぞれが、独立に、水素またはアルキルであり、R8が水素またはメチルである。]
(d)光開始系と、(e)有機媒体を含むことを特徴とする感光性組成物。
【請求項4】 (a)セラミック、金属、金属酸化物または金属合金から成る群から選択された無機固体の細かく分割された粒子と、(b)550から825℃の範囲のガラス転移温度、10m2/g以下の重量に対する表面積の比、および1〜10μmのサイズを有する少なくとも95重量%の粒子を有する、有機ビヒクル中に分散された無機結合剤の細かく分割された粒子の混合物を含み、前記有機ビヒクルが、(c)5−カルボメトキシ−5−メチル−1,3−ジオキシン−2−オンの重合から生じたポリカーボネートと、(d)光開始系と、(e)光硬化性モノマーと、(f)有機媒体を含むことを特徴とする感光性組成物。
【請求項5】 (a)セラミック、金属、金属酸化物または金属合金から成る群から選択された無機固体の細かく分割された粒子と、(b)550から825℃の範囲のガラス転移温度、10m2/g以下の重量に対する表面積の比、および1〜10μmのサイズを有する少なくとも95重量%の粒子を有する、有機ビヒクル中に分散された無機結合剤の細かく分割された粒子を含み、前記有機ビヒクルが、(c)下記に記載の繰り返し単位(IV)を有するポリマーと、
【化4】


[上式でR1ないしR7のそれぞれが、独立に、水素またはアルキルであり、R8が水素またはメチルである。]
(d)光開始系を含むことを特徴とする感光性素地テープ。
【請求項6】 (a)セラミック、金属、金属酸化物または金属合金から成る群から選択された無機固体の細かく分割された粒子と、(b)550から825℃の範囲のガラス転移温度、10m2/g以下の重量に対する表面積の比、および1〜10μmのサイズを有する少なくとも95重量%の粒子を有する、有機ビヒクル中に分散された無機結合剤の細かく分割された粒子を含み、前記ビヒクルが、(c)5−カルボメトキシ−5−メチル−1,3−ジオキシン−2−オンの重合から生じたポリカーボネートと、(d)光開始系と、(e)光硬化性モノマーを含むことを特徴とする感光性グリーンテープ。
【請求項7】 光硬化性モノマーをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項8】 光硬化性モノマーをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の組成物。

【公開番号】特開2002−322262(P2002−322262A)
【公開日】平成14年11月8日(2002.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−11982(P2002−11982)
【分割の表示】特願2000−245413(P2000−245413)の分割
【出願日】平成12年8月11日(2000.8.11)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】