説明

ポリシルアルキレンシロキサンの製造プロセス

本発明は中間体シロキサンモノマーの精製プロセス及び高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンを生成するための該モノマーの使用に関する。シロキサンモノマーは、シロキサンモノマー及び線状オリゴマーの混合物を形成する、酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下で、以下に示す構造の環状モノマーの開環重合により調製される。線状オリゴマーを次に抽出及び廃棄した後、該中間体シロキサンモノマー混合物を出発物質として用いる開環重合のさらなるステップを行う。第2重合ステップは該シロキサンモノマー混合物の融点範囲内の温度で行う。中間体、最終生成物及びそれらの製造方法について記載する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シロキサンモノマー混合物の製造プロセス及び高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンを製造するための、該シロキサンモノマー混合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリシルアルキレンシロキサンは、純粋なシロキサンよりもイオン性物質による分子鎖切断の影響を受けにくく、そのため、熱及び化学安定性が必要な用途に求められる。しかしながら、これらのポリマー/コポリマーは調製するのが困難及び/又は高価である。ポリシルアルキレンシロキサンの調製のさまざまな化学プロセスはそれらの製造について知られているが、これらの現行プロセスの一般的な欠点は長鎖ポリマーをもたらすことができないことである。以前に提案されたプロセスの例としては以下が挙げられる。
【0003】
米国特許第5117025号は、環状シルエチレンシロキサンの開環重合プロセスについて記載する。得られた生成物は最大約50,000の平均分子量を有する。その手順は、合成するのが難しく、ストリンジェントな実験条件を要するモノマーの使用を含み、この両方はこの技術における商業的な利益を制限する。
【0004】
明確化のため、シロキサン化学反応に対する開環重合はシクロシロキサン系出発物質を用いる重合プロセスに関する。シクロシロキサン系出発物質は、酸又は塩基のような「開環重合」触媒の存在下での反応によるシクロシロキサンの開環を含む重合プロセスを受ける。所望の得られた高分子化合物と、環状化合物及び/又は線状オリゴマーの混合物との間の平衡が重合反応中に形成される。得られる平衡は、主にシロキサンの性質及び量、用いられる触媒並びに反応温度によって決まる。こうした重合プロセスは、一般的には溶媒の非存在下で行われるが、従来は溶媒(例えば極性及び非極性有機溶媒)中、又は、エマルジョン中で調製されてきた。しかしながら、溶媒及び/又はエマルジョンの使用は、反応が完了した後それらを除去するのに複雑なプロセスが必要であるため推奨されていない。
【0005】
米国特許第5442083号は、Si−H末端オルガノシロキサンと2個の炭素−炭素二重結合又は代替経路として1個の炭素−炭素二重結合及び1個の炭素−炭素三重結合を含有する不飽和脂肪族炭化水素との間のヒドロシリル化重合プロセスについて記載する。環状シルエチレンシロキサンの開環重合に代わるものとして、シリル水素官能性中間体を用いてこうしたポリマーを生成する方法が記載されている。しかしながら、得られる生成物の分子量はかなり限定されている(<10,000)。米国特許第5442083号の筆者は、部分的に解重合し、シルアルキレンシロキサンコポリマーの収率の低下をもたらすので、開環重合経路が好ましくないことを示す。
【0006】
シルアルキレンシロキサンコポリマー合成の方法としてのヒドロシリル化段階成長重合は特有の不利点も含有する。高重合度(DP)コポリマーを生成するため、Si−H及び不飽和炭化水素部分の化学量論はできるだけ1:1に近くなければならない。このバランスを乱す副反応は、不飽和炭化水素モノマー上に末端基を生成し、モノマーがヒドロシリル化の影響を受けにくくすることにより、コポリマーのDPを限定する。
【0007】
国際公開第WO99/67319号は、開環重合により高分子量シルアルキレンを得るための手順について開示する。しかしながら、アルキル鎖中の炭素数は少なくとも6である。
【0008】
Interranteらは、ポリ(ジメチルシリレンメチレン−co−ジメチルシロキサン)を生成する1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンの開環重合の方法を記載している。代替のシルメチレンシロキサンポリマーを開環重合により適度な収率で生成するのに、トリフリン酸(トリフルオロメタンスルホン酸)が室温で用いられる[Polym.Preprints 2001,42(1),225]。しかしながら、Interranteらにより教示されるプロセスは、実際に本明細書において求める高分子量線状ポリマーの生成には適さない大環状分子を高い割合で生成すると考えられる。Interranteらは、最大30,000の適度な分子量を有するポリマーを生成することができるのみだった。
【0009】
米国特許第6,080,829号は、本明細書において用いる出発分子の合成に用いることができる環状モノマーを生成する方法について記載する。また、Journal of Inorganic and Organometallic Polymers 1999,9(1),35−53において、Tapsak他は、イオン交換樹脂を用いるカチオン性開環重合により6〜14個の炭素原子を有する線状アルキル鎖を含有する高分子量シルアルキレンシロキサンを良好な収率で生成する方法をさらに記載する。米国特許第6,534,587B1号は、Tapsakにより開発された上記技術を用いてシルアルキレンシロキサン及びシロキサンのコポリマーを生成する方法について記載する。
【発明の概要】
【0010】
活性化シロキサンモノマーと、その後の高分子量(>100,000g/mol)線状ポリシルアルキレンシロキサンの生成のための新規プロセスが見出された。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例で得られた生成物のHNMRの結果である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明によると、
a)シロキサンモノマー及び線状オリゴマーの混合物を形成する、酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下での、以下の構造の環状モノマーの開環重合を行うステップと、
【0013】
【化1】

【0014】
(ここで、Xは、
(i)1〜14個の炭素原子を有する線状又は分岐アルキレン基、及び、
(ii)6〜20個の炭素原子を有する芳香族基
から選択され、各Rは同じ又は異なり、H、OH、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基又は最大18個の炭素原子を有する炭化水素オキシ基であり、nは1〜6の整数である)
b)任意に適切な溶媒を用いてステップ(a)において調製された線状オリゴマーを除去するステップと、
c)前記溶媒が存在する場合には除去するステップと、
を具えるプロセスによって得られる、シロキサンモノマー混合物が提供される。
【0015】
プロセスステップは順次的である。
【0016】
本発明の第2実施形態によると、
a)シロキサンモノマー及び線状オリゴマーの混合物を形成する、酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下での、以下の構造の環状モノマーの開環重合を行うステップと、
【0017】
【化2】

【0018】
(ここで、Xは、
(i)1〜14個の炭素原子を有する線状又は分岐アルキレン基、及び、
(ii)6〜20個の炭素原子を有する芳香族基
から選択され、各Rは同じ又は異なり、H、OH、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基又は最大18個の炭素原子を有する炭化水素オキシ基であり、nは1〜6の整数である)
b)任意に、適切な溶媒を用いてステップ(a)において調製された線状オリゴマーを除去するステップと、
c)前記溶媒が存在する場合には除去するステップと、
を具える、シロキサンモノマー混合物を得るための方法が提供される。
【0019】
開環重合反応の終わりに抽出される上述の「線状オリゴマー」は、適度な分子量(例えば、トリプル検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定され、ポリスチレン分子量標準に基づいて計算された、20,000〜45,000g/molの分子量)のマクロシロキサンである。開環重合反応が完了すると、これらの線状オリゴマーは(かなりの割合の環状モノマー出発物質及びその誘導体を含有する)シロキサンモノマーの混合物と平衡となる。しかしながら、この場合、線状オリゴマーは分離及び廃棄され、得られるシロキサンモノマー混合物は保持及び、適切であれば、後述するように第2開環重合反応に用いられる前に精製される。これらの線状オリゴマー又はマクロシロキサンは、通常こうした開環ポリマーの最終生成物として回収されるが、線状オリゴマーの除去と、残りのシロキサンモノマー混合物の第2開環重合反応での使用によって、本明細書において記載するように著しく高分子量の生成物を得ることができることが見出された。
【0020】
本発明のさらなる実施形態では、上述のプロセスからもたらされるシロキサンモノマー混合物の、以下の繰り返し単位を含む高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンの調製における使用を提供する。
【0021】
【化3】

【0022】
(X、R及びnは上述のとおりである。)
本発明に従って用いられる環状モノマーは、以下の一般構造を有する。
【0023】
【化4】

【0024】
(各Xは、同じでも、異なっていてもよく、
(i)1〜14個の炭素原子を有する線状又は分岐アルキレン基、及び
(ii)6〜20個の炭素原子を有する芳香族基
から選択される。)
あるいは、各Xは1〜6個の炭素原子を有する線状又は分岐アルキレン基である。一般的には、Xはメチレン基又はエチレン基である。線状又は分岐アルキレン基はある程度の置換を含有することができる。
【0025】
本明細書の目的のため、「置換」とは炭化水素基中の1個以上の水素原子が別の置換基を置き換えられていることを意味する。こうした置換基の例としては、塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素のようなハロゲン原子;クロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル、及びノナフルオロへキシルのようなハロゲン原子含有基;酸素原子;(メタ)アクリル、カルボキシル及びポリエーテルのような酸素原子含有基;窒素原子;アミノ官能性基、アミド官能性基、及びシアノ官能性基のような窒素原子含有基;硫黄原子;並びにメルカプト基のような硫黄原子含有基が挙げられる。
【0026】
環状モノマー中の各Rは同じ又は異なっていてもよく、H、OH、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基又は最大18個の炭素原子を有する炭化水素オキシ基から選択される。あるいは、Rは任意で置換された、最大8個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基である。任意で置換されたアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、トリフルオロプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルとすることができる。アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、及びブテニルとすることができる。さらなる代替として、Rは6〜12個の炭素原子を有するアリール、アルカリル又はアラルキル基を含むことができる。アリール及びアラルキル基は、例えば、フェニル、トリル、及びベンゾイルとすることができる。置換基は上で定義したとおりであってもよい。好適なR基は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、一般的にはメチル及び/又はエチル基である。
【0027】
nの値は1〜6である。あるいはnの値は2〜6であるが、nは2、3又は4の値を有することが好ましい。
【0028】
Xがメチレン基であり、各Rがメチル基であり、nが2である場合、環状モノマーの具体例は1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンである。
【0029】
本プロセスのステップ(a)中に用いられる開環重合触媒は、1個以上の適切な塩基性触媒を含むことができる。これらとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム又は水酸化セシウムのようなアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド又はアルカリ金属水酸化物及びアルコールの錯体、並びにカリウムシラノレート、ルビジウムシラノレート、セシウムシラノレート、ナトリウムシラノレート及びリチウムシラノレート又はトリメチルカリウムシラノレートのようなアルカリ金属シラノレートが挙げられる。用いることができる他の塩基性開環重合触媒としては、水酸化テトラアルキルアンモニウム及びシロキサン四量体の反応からもたらされる生成物である触媒が挙げられる。これらの各種触媒剤は本重合プロセスに対して異なる相対反応性を有し、従ってそれらについて補正をしなければならない。例えば、水酸化ナトリウムは反応を他よりゆっくり触媒し、従って反応はいずれかの所定の温度でより時間がかかるだろう。一方、水酸化セシウムは反応をより急速に行わせる。よって、水酸化セシウムは、低い反応温度を用いる場合又は非常に高い粘度を有するシリコーンガムを生成することが望ましい場合、より効果的であり得る。上記のうち、水酸化カリウムの活性形態であり、オクタメチルシクロテトラシロキサンのようなモノマー溶液中に非常に可溶性でもあるので、カリウムシラノレートがとくに好ましい。触媒濃度は約5ppm〜約500ppmのKOH当量とすることができる。カリウムシラノレートのKOH当量は約0.05重量%〜6.0重量%KOHの範囲内である。本発明のプロセスの好適な実施形態では、カリウムシラノレートは約20重量ppmのKOH濃度で用いられる。
【0030】
本プロセスのステップ(a)において用いられる開環重合触媒は、1個以上の適切な酸性触媒を含むことができる。いずれかの適切な酸性開環重合触媒を触媒として用いることができる。あるいはこうした触媒の混合物を用いることができる。これらとしては酸性溶液、例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、バレリアン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、オクタン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、BF、AlCl、t−BuCl/EtAlCl、Cl/BCl、AlBr、AlBr.TiCl、I、SnCl、WCl、AlEtCl、PF、VCl、AlEtCl、BFEtO、PCl、PCl、POCl、TiCl、SbCl、(CC+(SbCl)−のようなルイス酸、アクリル酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、官能基化オルガノハロシラン、ジシラザン、酢酸ジメチルビニルシリル又は五酸化リンと組み合わされた官能基化オルガノハロシラン、リン酸トリクロロエチル、リン酸トリス(メチルシリル)及びリン酸のようなリン酸系化合物、(酸性ホスファゼンとも称される)ハロゲン化ホスホニトリル触媒、並びにホスファゼン塩基(例えば、その内容を本明細書に参照により組み入れる欧州特許第EP086461号及び同第EP1008598号に記載されるもの)を含む溶液が挙げられる。酸性溶液についてドライアイスベースの溶液を想定することもできる。強プロトン酸、とくにヘテロポリ酸、過塩素酸、硫酸、塩酸、HI、HBr、HClO、HSO、HNO、HPO、パラ−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸(トリフリン)酸のようなペルフルオロアルケンスルホン酸又はメチルトシレート、メチルトリフレート及びシリルエステルトリフルオロメタンスルホン酸のような強酸のエステル若しくは塩は好適な触媒である。このプロセスにとくに適した触媒はトリフリン酸である。
【0031】
好適な塩化ホスホニトリル触媒としては、米国特許明細書第3,839,388号及び第4,564,693号又は欧州特許出願第215470号に従って調製されたもの、並びに、英国特許第2252975号に記載されるような、一般式[X(PX=N)PX[M(v−t+1)IIIを有するハロゲン化ホスホニトリルイオン系触媒が挙げられる。一般式中、Xはハロゲン原子を表し、Mはポーリングスケールに従って1.0〜2.0の電気陰性度を有する原子であり、RIIIは最大12個の炭素原子を有するアルキル基であり、sは1〜6の値を有し、vはMの価数又は酸化状態であり、tは0〜v−1の値を有する。
【0032】
本発明において用いるのに適したさらなる代替触媒は、以下の一般式:
−PCl=N(−PCl=N)−PCl−O
を有する有機ケイ素基を含有する酸素含有クロロホスファゼンを含むことができる。式中、Zは酸素によってリンに結合した有機ケイ素基、塩素原子又はヒドロキシル基を表し、nは0又は1〜8の整数を表す。前記触媒は、上記及び/又はそれらの互変異性体の縮合生成物を含むこともできる(触媒は、Zがヒドロキシル基である場合、互変異性体形態で存在する)。塩素原子のすべて又はいくつかはQ基により置き換えることができ、Qはヒドロキシル基、一価有機基、例えばアルコキシ基又はアリールオキシ基、塩素以外のハロゲン原子、有機ケイ素基及びリン含有基を表す。式(I)の酸素含有クロロホスファゼンは好適には塩素原子をQ基により置き換えていないものである。多数のホスファゼン塩基及びそれらの合成経路については文献、例えば、Schwesinger et al,Liebigs Ann.1996年,1055−1081頁に記載されている。
【0033】
ステップ(a)における反応はいずれかの適切な温度で行うことができる。15℃〜50℃の温度であることが好ましい。反応を行うため、任意で不活性雰囲気を採用できる。
【0034】
いずれかの適切な分離プロセスを用い、ステップ(a)の終わりにオリゴマー副生成物(すなわち線状オリゴマー)を除去(抽出)することができる。1つの適切な既知の分離プロセスは、ステップ(a)の終わりに回収された混合物への溶媒の導入であり、オリゴマーを沈殿させた後、ろ過等により容易に抽出することができ、添加された溶媒はその後シロキサンモノマー混合物を残して除去される。用いることができる他の分離プロセスとしては、これらに限定されないが、溶媒抽出、サイズ排除、イオン交換又は液体クロマトグラフィーが挙げられる。
【0035】
前述したように、前記シロキサンモノマー混合物は、驚くべきことに高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンを生成することが見出された。高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンは、一般的には、シロキサンモノマー混合物の開環重合を、好適にはシロキサンモノマー混合物の製造に用いるものと同じ触媒の存在下で、行うことによって調製される。代替触媒又はその混合物を用いることができるが、好ましくはない。このプロセスにとくに適した触媒は、例えば、トリフリン酸である。
【0036】
本発明の第4実施形態では、以下の繰り返し単位を含むポリシルアルキレンシロキサンポリマーを得るためのプロセスであって、
【0037】
【化5】

【0038】
(ここで、X、R及びnは、請求項8において定義したとおりである。)
前記シロキサンモノマー混合物を、上述したように同様の酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下において、前記混合物の融点範囲内の温度で、開環重合するステップを具える、プロセスを提供する。
【0039】
本発明のまたさらなる実施形態では、以下の繰り返し単位を含む高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンポリマーを得るためのプロセスであって、
【0040】
【化6】

【0041】
(ここで、X、R及びnは、請求項8において定義したとおりである。)
a)シロキサンモノマー及び線状オリゴマーの混合物を形成する、酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下での、以下の構造の環状モノマーの開環重合を行うステップと、
【0042】
【化7】

【0043】
(ここで、X及びRは前述のとおりであり、nは1〜6の整数である。)
b)任意に、適切な溶媒を用いてステップ(a)において調製された線状オリゴマーを除去するステップと、
c)前記溶媒が存在する場合には除去し、シロキサンモノマー混合物を調製するステップと、
d)該シロキサンモノマー混合物を、上述した同様の酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下で、該シロキサンモノマー混合物の融点範囲内の温度で開環重合するステップと、
を具える、プロセスを提供する。
【0044】
この2段階プロセスが第1開環重合反応において生成された線状オリゴマーよりかなり大きな分子量のポリマーの生成をもたらすことは、驚くべきことである。誤解を回避するべく、本明細書において記載する高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンは、トリプル検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定され、ポリスチレン分子量標準に基づいて計算される100000(g/Mol)より大きな数平均分子量(Mn)を有するポリシルアルキレンシロキサンの意味とする。
【0045】
おそらくもっとも驚くべきことは、開環重合反応が前記シロキサンモノマー混合物の融点範囲内の温度で行われる場合、この第2開環重合ステップのみが所望の高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンを生成すると考えられる事実である。純粋な化合物は、融点として絶対値を有することができ、混合物が10℃か15℃程度である温度範囲にかけて溶融することが理解されるだろう。そのため、トリフリン酸が、ステップ(a)及び環状モノマー1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンから高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンを生成する開環重合の両方において触媒として用いられる場合、シロキサンモノマー混合物の開環重合は、約17℃〜30℃の範囲内の温度で行うことができる。
【0046】
ここで本発明について実施例によって説明する。
【実施例】
【0047】
本出願は幅広い出発物質の選択肢を含むが、以下の実施例は環状モノマーとして(ただの例を目的として)1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンを用いる。以下の実施例及び比較例を通して、分子量Mn、環状二量体(1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタン)含有量、及び、ポリマーの線状性を(あるいはGPC(すなわちゲル透過クロマトグラフィー)と称されることもある)テトラヒドロフラン溶媒中でのトリプル検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定した。Viscotek CorporationのTDA300−EXD装置をMark Houwinkパラメーター及びこれによりポリマーの線状性を測定する手段として用い、光散乱、粘度及び屈折率を測定した。試験した試料は10mg ml−1の濃度を有し、100μlをシステムに注入した。ポリマーのガラス温度(Tg)を(20℃/分で−150℃〜100℃の走査温度、インジウム及びn−オクタンで較正されたPERKIN ELMER Pyris 1装置を用いる)示差走査熱量法を用いて測定した。
(環状モノマーの調製)
環状モノマーは、いずれかの適切な調製方法によって調製することができる。1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンの場合、その調製経路についていくつか記載されており、これらのいずれかを用いることができるが、完全を期すため、この一連の実施例においてその調製に用いられる2段階法を以下に示す。
(ビス−(クロロジメチルシリル)−メタンの合成)
40.4g(0.2519mol)[1mol部]のビス−(トリメチルシリル)−メタン(Gelest)、200g(1.84mol)[7.3mol部]のトリメチルクロロシラン(Aldrich)及び4g(0.03mol)[0.12mol部]の塩化アルミニウム(Aldrich)を3口丸底フラスコ中に添加し、57℃、アルゴンブランケット下で撹拌した。形成されたいずれかのテトラメチルシランを反応器から蒸留し、ビス(クロロシラン)を形成した。反応の温度を80℃より低く維持し、調製期間中を通してトリス−クロロシラン又は他の異性体の形成を防止した。48時間後、150gのトリメチルクロロシランを回収した。冷却後、反応混合物を室温で蒸発させ、20mlのアセトンをフラスコ中に添加し、触媒を不活性化した。最終生成物を63℃、20mmHgの減圧下での蒸留により精製した。約95%の純度を約80%の収率とともに得た。
(1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンの合成)
酸化亜鉛(17.5g、0.209mol)(1.6mol部)及び酢酸エチル(54ml)を、滴下漏斗、機械的攪拌器、及び窒素出口を有する還流冷却器を備えた250ml丸底3口フラスコ中に導入した。1時間かけて、40mlの酢酸エチル中の(27g、0.1343mol)(1mol部)のビス−(クロロジメチルシリル)−メタンの溶液を室温でフラスコに添加した。添加が完了した後、撹拌を8時間継続させた。次に得られた混合物を83mlの飽和重炭酸ナトリウム水溶液中に激しい撹拌下で導入した。有機相を無水硫酸ナトリウムを用いて分離及び乾燥させた。得られた乾燥生成物を次に60℃、1mbarの減圧下での蒸留により精製した。約15gの1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンが得られ、これは約40%の収率に対応する。精製した生成物のHNMR(400Mhz、CDCl)を図1に示す;δ=0(s、24H)SiCH;−0.23(s、2H)SiCH
[比較例1]
Interrante他により主張されたプロセスに従って、以下のプロセスを用いる1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンの開環重合のための一連の1段階プロセスにより高分子量線状ポリマーを生成することを試みた。重合条件及び結果を以下に表1において記載する。
【0048】
各プロセスでは、上述のように得られた2gの1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタン、及び、2μlのトリフリン酸を3口丸底フラスコ中に導入し、アルゴンブランケット下で以下に示した条件で撹拌した。
【0049】
【表1】

【0050】
開始後、ポリマー鎖の分子量は、反応プロセス期間中を通して時間との本質的な直線関係で増加することが観測され、重合プロセスが比較的遅いことを示す。線状オリゴマーは、本プロセスが比較的狭い温度範囲内で行われた場合のみ調製されたこともわかるだろう。他には、驚いたことに、形成された巨大分子は主に大環状分子であることが見出された。狭い温度範囲内で生成された場合、重合の78時間後に約50%の収率が得られたが、平均分子量はたった約30,000g/molだった。実験を30℃で行うことで線状及び環状分子の混合物が調製されるが、温度を約25℃まで低下させると混合物中に存在する線状分子の量が顕著に増加することが見出された。
実施例1
(シロキサンモノマー混合物の調製)
8gの上述のように得られた1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタン(環状モノマー)、及び、8μlのトリフリン酸を、3口丸底フラスコ中に導入し、アルゴンブランケットの下、96時間25℃で撹拌し、シロキサンモノマー及び線状オリゴマーの混合物を調製した。メタノール(クロマトグラフィーグレード)を1体積部の混合物対10体積部のメタノールの量で混合物中に導入した。存在する線状オリゴマーは、メタノールの存在によって沈殿させた後、残ったシロキサンモノマーの混合物を含有する浮遊物から容易に分離した。メタノールを得られた浮遊物から回転蒸発器における蒸発により除去し、シロキサンモノマーの粗混合物を得た。粗混合物を蒸留することによりシロキサンモノマーを精製し、シロキサンモノマーの混合物の98%の収率を得た。精製されたシロキサンモノマーを次にプロトンにより特徴づけ、本発明によるシロキサンモノマー混合物の存在を確認した。
実施例2
(高分子量ポリシルアルキレンシロキサンポリマー(生成物A)の調製)
2gの実施例1において生成されたシロキサンモノマー混合物、及び、2μlのトリフリン酸を3口丸底フラスコ中に導入し、アルゴンブランケット下、4時間25℃で撹拌した。生成物Aを、次に過剰メタノール及び2μLのトリエチルアミンの混合物中に沈殿させることにより回収した。
実施例3
(高分子量ポリシルアルキレンシロキサンポリマー(生成物B)の調製)
4gの上記調製されたシロキサンモノマー混合物、及び、4μlの溶媒(ジクロロメタン)中のトリフリン酸を3口丸底フラスコ中に導入し、アルゴンブランケット下、4時間25℃で撹拌し、生成物Bを生成した。生成物Bを、過剰メタノール及び4μLのトリエチルアミンの混合物中に沈殿させた。
比較例2
実施例3において生成されたメタノール可溶性相を次に蒸発させ、蒸留により精製し、生成物C、すなわち、未反応1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンを得た。1gの実施例3の生成物、及び4μlのトリフリン酸を、その後、生成物Cとともに3口丸底フラスコ中に導入し、アルゴンブランケット下、96時間25℃で撹拌し、生成物Dを得た。しかしながら、このプロセスは、以下の表2において見られるように、高分子量ポリマーを生成することができなかった。これは実施例3において生成されたメタノール可溶性相へのトリエチルアミンの導入が残ったトリフリン酸のようなその中のいずれかの残った酸性種を効率的に中和したためであり得ると考えられる。
【0051】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)シロキサンモノマー及び線状オリゴマーの混合物を形成する、酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下での、以下の構造の環状モノマーの開環重合を行うステップと、
【化1】


(ここで、Xは、
(i)1〜14個の炭素原子を有する線状又は分岐アルキレン基、及び、
(ii)6〜20個の炭素原子を有する芳香族基
から選択され、各Rは同じ又は異なり、H、OH、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基又は最大18個の炭素原子を有する炭化水素オキシ基であり、nは1〜6の整数である)
b)任意に適切な溶媒を用いてステップ(a)において調製された線状オリゴマーを除去するステップと、
c)前記溶媒が存在する場合には除去するステップと、
を具えるプロセスによって得られる、シロキサンモノマー混合物。
【請求項2】
前記環状モノマーが、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンであることを特徴とする、請求項1に記載のシロキサンモノマー混合物。
【請求項3】
前記開環触媒が、ヘテロポリ酸、過塩素酸、硫酸、塩酸、HI、HBr、HClO、HSO、HNO、HPO、パラ−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ペルフルオロアルケンスルホン酸、メチルトシレート、メチルトリフレート及びシリルエステルトリフルオロメタンスルホン酸、からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシロキサンモノマー混合物。
【請求項4】
前記開環触媒がトリフリン酸であることを特徴とする、請求項3に記載のシロキサンモノマー混合物。
【請求項5】
ステップ(a)が15℃〜50℃の温度で行われることを特徴とする、前請求項のいずれかに記載のシロキサンモノマー混合物。
【請求項6】
Xが1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基であるとき、置換基が、ハロゲン原子、ハロゲン原子含有基、酸素原子、酸素原子含有基、窒素原子、窒素原子含有基、硫黄原子、及び硫黄原子含有基、から選択される、請求項1に記載のシロキサンモノマー混合物。
【請求項7】
Xが1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基であるとき、前記ハロゲン原子含有基が、クロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル、及びノナフルオロへキシルの1つ以上から選択され、前記酸素原子含有基が、(メタ)アクリル、カルボキシル及びポリエーテルの1つ以上から選択される、請求項6に記載のシロキサンモノマー混合物。
【請求項8】
a)シロキサンモノマー及び線状オリゴマーの混合物を形成する、酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下での、以下の構造の環状モノマーの開環重合を行うステップと、
【化2】


(ここで、Xは、
(i)1〜14個の炭素原子を有する線状又は分岐アルキレン基、及び、
(ii)6〜20個の炭素原子を有する芳香族基
から選択され、各Rは同じ又は異なり、H、OH、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基又は最大18個の炭素原子を有する炭化水素オキシ基であり、nは1〜6の整数である)
b)任意に、適切な溶媒を用いてステップ(a)において調製された線状オリゴマーを除去するステップと、
c)前記溶媒が存在する場合には除去するステップと、
を具える、シロキサンモノマー混合物を得るための方法。
【請求項9】
前記環状モノマーが、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記開環触媒が、ヘテロポリ酸、過塩素酸、硫酸、塩酸、HI、HBr、HClO、HSO、HNO、HPO、パラ−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ペルフルオロアルケンスルホン酸、メチルトシレート、メチルトリフレート及びシリルエステルトリフルオロメタンスルホン酸、からなる群より選択されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記開環触媒がトリフリン酸であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(a)が15℃〜50℃の温度で行われることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
Xが1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基であるとき、置換基が、ハロゲン原子、ハロゲン原子含有基、酸素原子、酸素原子含有基、窒素原子、窒素原子含有基、硫黄原子、及び硫黄原子含有基、から選択される、請求項8に記載のシロキサンモノマー混合物。
【請求項14】
Xが1〜18個の炭素原子を有する置換炭化水素基であるとき、前記ハロゲン原子含有基が、クロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル、及びノナフルオロへキシルの1つ以上から選択され、前記酸素原子含有基が、(メタ)アクリル、カルボキシル及びポリエーテルの1つ以上から選択される、請求項13に記載のシロキサンモノマー混合物。
【請求項15】
以下の繰り返し単位を含む高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンの調製における、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシロキサンモノマー混合物の使用。
【化3】


(ここで、X、R及びnは、請求項8において定義したとおりである。)
【請求項16】
以下の繰り返し単位を含むポリシルアルキレンシロキサンポリマーを得るためのプロセスであって、
【化4】


(ここで、X、R及びnは、請求項8において定義したとおりである。)
請求項8において得られたシロキサンモノマー混合物を、上述した同様の酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下において、前記混合物の融点範囲内の温度で、開環重合するステップを具える、プロセス。
【請求項17】
以下の繰り返し単位を含む高分子量線状ポリシルアルキレンシロキサンポリマーを得るためのプロセスであって、
【化5】


(ここで、X、R及びnは、請求項8において定義したとおりである。)
a)シロキサンモノマー及び線状オリゴマーの混合物を形成する、酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下での、以下の構造の環状モノマーの開環重合を行うステップと、
【化6】


(ここで、X及びRは前述のとおりであり、nは1〜6の整数である。)
b)任意に、適切な溶媒を用いてステップ(a)において調製された線状オリゴマーを除去するステップと、
c)前記溶媒が存在する場合には除去し、シロキサンモノマー混合物を調製するステップと、
d)該シロキサンモノマー混合物を、上述した同様の酸性又は塩基性開環重合触媒の存在下で、該シロキサンモノマー混合物の融点範囲内の温度で開環重合するステップと、
を具える、プロセス。
【請求項18】
前記環状モノマーが、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−2,6−ジオキサ−1,3,5,7−テトラシラシクロオクタンであることを特徴とする、請求項16又は17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記開環触媒が、ヘテロポリ酸、過塩素酸、硫酸、塩酸、HI、HBr、HClO、HSO、HNO、HPO、パラ−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ペルフルオロアルケンスルホン酸、メチルトシレート、メチルトリフレート及びシリルエステルトリフルオロメタンスルホン酸、からなる群より選択されることを特徴とする、請求項16、17又は18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記開環触媒がトリフリン酸であることを特徴とする、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
ステップ(a)が15℃〜50℃の温度で行われることを特徴とする、請求項17〜20のいずれか1項に記載のプロセス。

【図1】
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【公表番号】特表2013−510079(P2013−510079A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535874(P2012−535874)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066661
【国際公開番号】WO2011/054830
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】