説明

ポリシロキサンで被覆された金属酸化物粒子

本発明は、新規な被覆金属酸化物粒子であって、UV−Aおよび/またはUV−Bおよび/またはUV−Cおよび/または広帯域フィルタ活性を有するポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤で被覆された金属酸化物粒子、ならびに被覆金属酸化物粒子の製造方法、ならびに特に日光の悪影響から保護するための化粧用または皮膚用の製剤へのそれらの使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、新規なUVフィルタ、作製方法、および特に日光の悪影響からヒトの皮膚および/または頭髪を保護するための製剤へのそれらの使用に関する。新規なUVフィルタは、ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤で被覆された金属酸化物粒子である。
【0002】
増え続ける日光のダメージにさらされている人々の間で、日焼け止め防護剤の需要が絶えず増大している。繰り返し日光に当たると、光老化皮膚として知られる皮膚の変化が生じ得る。光老化皮膚に見られる臨床的変化は、身体の日光に当たらない部位における通常の皮膚老化の臨床的変化とは異なる。皮膚を強い日光に当てることの有害な効果の中には、しわの増加、弾性線維症、色素変化、前癌性および癌性の皮膚病変がある。
【0003】
UV−A(320〜400nm)またはUV−B(290〜320nm)波長、UV−AおよびUV−B(290〜400nm)波長およびさらに短い波長(UV−C)の悪影響から保護するための多くの日焼け止め薬品がこれまでに開発されてきた。ごく最近では、新しい種類の日焼け止め薬品、すなわち、UV−A線およびUV−B線から皮膚を守る広帯域UV−フィルタが開発されている。これらの薬品は通常、単独かまたは互いに組み合わせるかのいずれかで、広く知られ用いられている化粧用または医薬用の調製剤に組み込まれる。
【0004】
日焼け止め剤の組成物に用いられるほとんどのUVフィルタはモノマー化合物であり、ゆえにかかる化合物は皮膚障壁に浸透できるという固有の危険性を抱えており、これは非常に好ましくない。直鎖状または環状のいずれかであり得るポリシロキサンベースのUVフィルタが、例えば、国際公開第93/04665号パンフレット、国際公開第94/06404号パンフレット、EP−A 538 431号明細書、EP−A 392 883号明細書およびEP−A 358 584号明細に記載されている。こうしたポリシロキサンでは、皮膚浸透の危険性がより低いが、ポリシロキサンを日焼け止め剤の組成物に組み込むことは、ポリシロキサンに共有結合したUV活性発色団に応じて異なる不相容性の問題のために、時として困難なことがある。
【0005】
炭素ベースの発色団とは別に、二酸化チタンまたは酸化亜鉛などの金属酸化物が日焼け止め剤に広く用いられている。これらの作用は実質的に、有害な紫外線の反射、散乱および吸収に基づくものであり、金属酸化物の一次粒径にかなり依存している。
【0006】
しかし、日焼け止め組成物への金属酸化物の組み込みは、大きな問題を引き起こし得るが、この理由は、具体的には、二酸化チタンまたは酸化亜鉛などの多くの金属酸化物は、多くの完成した製剤中で凝集する傾向にあり、これは、日焼け止め剤としてのその効力の低下を招くとともに、皮膚に塗ったときに、いわゆる「白浮き効果(whitening effect)」のために許容できない美的外観をもたらすためである。さらに、二酸化チタンまたは酸化亜鉛などの金属酸化物は、化粧用または皮膚用の製剤の他の通常の成分と組み合わせて用いる際に配合上の不相容性(formulation incompatibility)および/または他のUV−日焼け止め剤を示す。特に好ましくないのは、特に、例えば、非常に好ましくない製剤の着色をもたらすジベンゾイルメタン誘導体(例えば、4,4’−メトキシ−tert−ブチルジベンゾイルメタン)などの他のUV日焼け止め剤との不相容性である。さらに、非処理の金属酸化物は、日焼け止め剤の成分の変化をもたらすかまたは皮膚の炎症を起こし得る反応を引き起こす光触媒活性を有することが知られている。
【0007】
製剤への組み込みを容易にするため、配合上の不相容性を防止するため、および光触媒活性を低下させるために、金属酸化物の表面を変性するための種々のコーティング(例えば、シメチコーン、メチコーンおよびトリエトキシカプリリルシランおよび二酸化ケイ素など)が、例えば、EP 1 281 388号明細書およびDE 103 33 029号明細書に提案されている。特にそれらの光触媒活性に関しては、光触媒反応によって変性されない無機コーティングで金属酸化物粒子を被覆することが提案されている。か焼アルミナベースおよび他の酸化物ベースのコーティングが知られている。EP−A 988 853号明細書、EP−A 1 284 277号明細書、EP0988853号明細書、および米国特許第5,562,897号明細書には、シリカで被覆された金属酸化物粉末が開示されている。これらのコーティングにより、日焼け止め組成物中のUV吸収または散乱粒子としての金属酸化物粒子の使用に付随するいくつかの問題が解決される一方、特に、それらが吸収または散乱させるUV光の範囲に関して広い変動域を許容しながら、なおかつそれらのUV吸収粒子を化粧用または皮膚用の組成物へと組み込んだ後に生じる様々な問題を防ぐUV吸収および/または散乱粒子として改良された被覆金属酸化物粒子が依然として必要とされている。本発明のUVフィルタは先行技術のUVフィルタの欠点を示すべきではない。それらは、優れたUVフィルタ活性を有し、入手しやすく、化粧用および皮膚用組成物の他の通常の成分ならびに他のUV日焼け止め剤(例えばジベンゾイルメタン誘導体など)と相容性がある必要がある。
【0008】
これらの課題を解決するために、本発明は、被覆金属酸化物粒子の利点と炭素ベースの発色団の利点との両方を組み合わせた、粒径とは無関係に広い波長にわたって優れたUVフィルタ活性を有する新規なUVフィルタ粒子を初めて提供するものである。これらの新規なUVフィルタ粒子により、先行技術の金属酸化物粒子および先行技術の炭素ベースの発色団の欠点を回避しながら、高いSPF値を有する日焼け止め製剤を製造することが可能になる。意外なことに、本発明の被覆金属酸化物はさらに、4,4’−メトキシ−tert−ブチルジベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン誘導体を、照射による変性に対して安定化させることも分かった。かかるジベンゾイルメタン誘導体は限られた光安定性を有することが周知である
【0009】
したがって、本発明は、金属酸化物粒子と少なくとも1種のコーティングとを含む新規な被覆金属酸化物粒子であって、該少なくとも1種のコーティングがポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤を含む金属酸化物粒子を提供する。本発明はまた、これらの被覆金属酸化物粒子の製造方法も提供する。ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤は、UV−Aおよび/またはUV−Bおよび/またはUV−Cフィルタおよび/または広帯域フィルタ活性を有し、現行技術の方法によって調製可能である。本発明はまた、この方法によって得られる被覆金属酸化物粒子、それらの被覆金属酸化物粒子を含む日焼け止め組成物、ならびに化粧用および皮膚用の組成物、特に日焼け止め組成物を製造するための被覆金属酸化物粒子の使用も提供する。さらに、本発明は、照射による変性に対してジベンゾイルメタン誘導体を安定化するための方法を提供する。
【0010】
コーティングに用いられるポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤は、直鎖状または環状のいずれであってもよく、例えば、国際公開第93/04665号パンフレット、国際公開第94/06404号パンフレット、国際公開第92/20690号パンフレット、EP−A 392 883号明細書、EP 538 431号明細書、EP 358 584号明細書、国際公開第03/035 022号パンフレット、EP−A 709 080号明細書、国際公開第2004/007592号パンフレット、および国際公開第03/086340号パンフレットに記載されており、これらの文献の全ての内容は、参照により本明細書に援用される。好ましいのは、国際公開第03/035 022号パンフレット、国際公開第03/030 856号パンフレットおよびEP−A 709 080号明細書に開示されているポリシロキサン日焼け止め剤であり、これらの文献において用いられるようなポリシロキサン日焼け止め剤の定義を明示的に参照されたい。国際公開第03/035 022号パンフレット、国際公開第03/030 856号パンフレットおよびEP−A 709 080号明細書に開示された好ましいポリシロキサン日焼け止め剤はまた、本出願の好ましいポリシロキサン日焼け止め剤でもある。
【0011】
本明細書で用いられるポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤(またはポリシロキサン日焼け止め剤)という用語は、一般に、UV−Aおよび/またはUV−B放射線を吸収する少なくとも1個の基を有するシロキサン、特に、ポリシロキサンを示す。かかるシロキサン日焼け止め剤の例は、以下の一般式
【化1】


[式中、RおよびR’’は、C1〜10−アルキルまたはフェニルであり;
XおよびX’は、C1〜10−アルキル、フェニルまたは基Yであり;
rは、0〜150の整数であり;
sは、0〜30の整数であり;ここで、s=0のとき、XおよびX’のうちの少なくとも1つはYであり;
rおよびsの和は3以上であり;
tは、0〜10の整数であり;
vは、0〜10の整数であり;
vおよびtの和は3以上であり;
Yは、UV−AまたはUV−B−光吸収発色団であり、
好ましくは、Yは、式(a)および/または(b)
【化2】


(式中、
およびRは、C1〜6−アルキルであり;
は、水素またはC1〜6−アルキルであり;
Z’およびZ’’は独立して、水素、ヒドロキシ、C1〜6−アルキルまたはC1〜6−アルコキシであり;そして
pは、1〜6の整数である)の基;
あるいは、式(c)
【化3】


(式中、R、Rは、水素またはC1〜6−アルキルである)の基である]
によって表されるものである。
【0012】
式IaおよびIbの化合物(式中、Yは基(a)および/または(b)である)およびその調製が、例えば、EP 0 538 431 A号明細書およびEP 0 679 645 A号明細書に開示されている。式IaおよびIbの化合物(式中、Yは基(c)である)およびその調製が、例えば、EP 0 354 145号明細書、EP 0 388 218号明細書、EP 0 392 883号明細書および国際公開第94/06404号パンフレットに開示されている。v=0である化合物は好ましくなく、vは好ましくは1〜10である。
【0013】
上式(Ia)および(Ib)において、残基
【化4】


が、ポリマー中に統計的に分布され得る(好ましくは分布される)ことを理解されたい。ここで、式(Ia)または(Ib)は、ポリマーが、r個(またはt個)の残基のブロック
【化5】


およびs個、(またはv個)の残基のブロック
【化6】


を必ずしも含有するものと解釈すべきではなく、
ポリマーが、統計的に分布され得る、r個、(またはt個)の残基
【化7】


およびs個、(またはv個)の残基
【化8】


を含有するものと解釈すべきである。残基を有する発色団が統計的に分布された直鎖状ポリシロキサン化合物が好ましい。前記好ましいポリシロキサン化合物は、発色団残基(s=1)を有する少なくとも1つの単位を有し、好ましくは、sは、約2〜約10、より好ましくは統計的平均の約4の値を有する。ポリシロキサン化合物中に存在する他のシリコーン単位のrの数は、好ましくは約5〜約150、より好ましくは統計的平均の約60である。
【0014】
全シロキサン単位の20%以下、好ましくは10%未満が発色団残基を有する単位であるポリシロキサン化合物が、化粧特性に関して好ましい。
【0015】
式aの発色団残基を有するポリシロキサン単位の、式bの発色団残基を有するポリシロキサン単位に対する比率は重大ではない。前記比率は、約1:1から約19:1、好ましくは約2:1から約9:1、より好ましくは約4:1であり得る。
【0016】
本発明に使用するのに好ましいポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤は、上記の式Ia(式中、Yは式(a)および/または(b)の基であり、特に、RおよびRはエチルであり、R、Z’およびZ’’は水素であり、そしてpは1であるものである)で表されるものである。
【0017】
最も好ましいのは、式Ia(sは約4でありrは約60であり、約80%の基Yはアルキリデン構造(a)のものであり、約20%の基Yはアルキレン構造(b)のものである)で表されるポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤である。
【0018】
これらの最も好ましいポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤は、DSM(INCI名:ポリシリコーン−15)によって、パルソール(PARSOL)SLX(登録商標)の商品名で市販されており、以下の式によって表される。
【化9】


式中、R=CH(約92.1〜92.5%)であり、
R=
【化10】


であり、
そして
R=
【化11】


である。
【0019】
式IaおよびIb(式中、Yが既に定義した基(c)である)で表される化合物のうち、RおよびRが水素またはC1〜6−アルキルであるもの、特に、RがメチルでありRが水素またはメチルであるものが主な対象とされている。
【0020】
ポリシロキサン化合物Ia(式中、Yは、式aおよび/またはbの残基である)は、メチルヒドロシラン−ジメチルシロキサンコポリマーを、触媒の存在下で、対応するベンザルマロネートとヒドロシリル化することによって、EP−B 0 538 431号明細書に記載のように調製可能である。
【化12】


式中、R、R、Z’およびZ’’は上記に定義した通りである。
【0021】
4−(2−プロピニルオキシ)フェニルメチレンジエチルエステルのシリル化は、ケイ素に結合した水素原子を、脂肪族不飽和を含有する基に付加するための公知の手順を用いて行われ得る。かかる反応は、一般に、白金族金属またはかかる金属の錯体によって触媒される。用いられ得る触媒の例は、炭素上に担持された白金、塩化白金酸、白金アセチルアセトネート、白金化合物と不飽和化合物(例えばオレフィンおよびジビニルジシロキサン)との錯体、ロジウムおよびパラジウム化合物の錯体、ならびに無機基材上に担持された白金化合物の錯体である。付加反応は、減圧、大気圧または加圧下で行われてもよい。反応混合物中に、溶媒(例えば、トルエンまたはキシレン)を使用可能であるが、溶媒の存在は必須ではない。高い反応温度(例えば、約50℃〜約150℃)で反応を行うことも好ましい。
【0022】
本発明の被覆金属酸化物粒子を調製するための方法は、特に制限されない。日焼け止め剤の組成物に好適であると基本的に知られている全てのタイプの金属酸化物粒子、特に、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化セリウム、およびこれらの金属酸化物の混合物の粒子を該方法に使用可能である。さらに、これらの金属酸化物と酸化アルミニウムおよび/または二酸化ケイ素との混合物が使用可能である。金属酸化物の源は特に限定されない。金属酸化物は、金属酸化物粒子を調製するための最も一般的な方法を挙げるだけでも、熱分解法、ゾル−ゲル法、研削法、プラズマ法、析出法、水熱処理または鉱業処理(mining process)あるいは上記方法の組合せによって調製可能である。二酸化チタンまたは酸化亜鉛、ならびにこれらの金属酸化物と酸化鉄、酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素との混合物が調製される。
【0023】
被覆プロセスに使用可能な金属酸化物粒子は、例えば、デグサ(Degussa)製の発熱性二酸化チタンP25として市販されているかまたは当業者に公知の方法によって調製可能であるかのいずれかである。発熱性酸化物の化学的混合物は、例えば、EP−A 850 876号明細書に記載のように調製可能である。チタン−ケイ素混合酸化物およびチタン−アルミニウム混合酸化物の例は、EP−A 609 533号明細書に開示されており、ケイ素−アルミニウム混合酸化物の例は、例えば、EP−A 1 084 617号明細書に開示されている。本発明にしたがって被覆される好ましい金属酸化物粒子に関するこれらの文献の開示は、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0024】
金属酸化物の結晶形態は、いずれの結晶型または非晶質型のものであってもよい。例えば、二酸化チタンは、非晶質型、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型またはそれらの混合のうちのいずれの型であってもよい。
【0025】
特に好ましいのは、任意には酸化鉄でドープされる、二酸化チタンまたは酸化亜鉛などの金属酸化物である。
【0026】
本発明の方法にしたがって被覆される粒子の粒径は、特に限定されない。日焼け止め剤の組成物中に組み込むのに基本的に有用な全ての粒径の粒子は、本発明の方法によるコーティング組成物で被覆され得る。
【0027】
本発明による、金属酸化物粒子を被覆するための例示的な方法は、微粉化された金属酸化物粒子を、好適な溶媒中、好ましくは水中に、分散液が通常1〜80重量%の金属酸化物粒子を含むように分散することを含む。この分散液に、乳化剤および/または可溶化剤などの表面活性成分とともにまたは表面活性成分なしで、水とアルコールとの混合物または単独のアルコール中のポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤のエマルジョンを、必要に応じて高せん断ホモジナイザーを用いてかき混ぜながら加える。好ましくは、表面活性成分が存在する。このプロセス中、ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤は、反応性の高い金属表面上に付着される。表面活性成分対ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤の比率は、好ましくは、1:10から10:1の範囲にある。該被覆方法に用いられる、表面活性成分とポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤とを含有するエマルジョンの量、およびエマルジョン中のポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤の濃度は、所望の安定効果に応じて決まる。好ましくは、エマルジョンは、1〜50%、より好ましくは10〜40%のポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤と、好ましくは1〜40%、より好ましくは10〜40%の表面活性成分とを含有する。
【0028】
最終製品中の金属酸化物粒子に対するポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤によるコーティングの比率(w/w)は、1〜20%、より好ましくは2〜10%の範囲にある。
【0029】
本明細書に記載される全てのパーセンテージおよび比率は、別段の記載があるかまたは明らかでない限り、重量基準である。
【0030】
反応生成物、すなわち被覆金属酸化物粒子は、分離され、任意に洗浄および乾燥される。反応生成物の分離は、ろ過または遠心分離などの通常の方法で行われ得る。洗浄は、水または好適な有機溶媒あるいは水と有機溶媒との混合物による洗浄であり得る。
【0031】
一般的に、該被覆方法に用いられ得る乳化剤および可溶化剤などの表面活性成分としては、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−3、オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ヘキサリシノール酸ポリグリセリル−6、オレイン酸ポリグリセリル−4、オレイン酸ポリグリセリル−4/ヤシ脂肪酸PEG−8プロピレングリコール、オレアミドDEA、ミリスチン酸TEA、ステアリン酸TEA、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、リシノール酸カリウム、ヤシ脂肪酸ナトリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ脂肪酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。他の好適な乳化剤は、リン酸セチル(アンフィソル(Amphisol)(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(アンフィソル(登録商標))、セチルリン酸カリウム(アンフィソル(登録商標)K)、オレイン酸リン酸グリセリルナトリウム(sodiumu glyceryl oleate phosphate)、水添植物性リン酸グリセリドおよびそれらの混合物などのリン酸エステルおよびそれらの塩である。さらに、1種以上の合成ポリマーが乳化剤として使用され得る。例えば、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、PEG−22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、およびそれらの混合物である。
【0032】
好ましいのは、例えば、クレモフォール(Cremophor)RH40または60などの水添ヒマシ油、トゥイーン(Tween)20またはトゥイーン80などのポリソルベート、アンフィソル、すなわちリン酸セチル(アンフィソル(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(アンフィソル(登録商標))、セチルリン酸カリウム(アンフィソル(登録商標)K)、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10〜30−アルキルアクリレートクロスポリマー、PEG−20イソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、およびそれらの混合物である。
【0033】
本発明による被覆金属酸化物粒子は、ウルマン工業化学百科辞典(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry)に開示されている方法などの公知の方法を用いて乾燥され得る。か焼、研削手順、造粒手順または好適な液体へ被覆金属酸化物粒子の分散などの他のプロセス工程が後に続いてもよい。
【0034】
被覆金属酸化物粒子の一次粒径は通常、2〜100nmの範囲、好ましくは5〜50nmの範囲にあり、二次粒径は、好ましくは0.05〜50μm、好ましくは0.1〜1μmである。
【0035】
本発明の被覆金属酸化物粒子は、上記のポリシロキサン日焼け止め剤である少なくとも1種のコーティングを含む。
【0036】
他の通常のコーティングも存在し得る。他のコーティングは、ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤によるコーティングの前、後、またはそれとともに塗布され得る。用いられ得る他のコーティングは、例えば、EP 1 281 388号明細書に挙げられており、ステアリン酸、シリコーン(トリエトキシカプリリルシランなどのシラン誘導体、またはメチコーン、ジメチコーン、シメチコーンなどのシロキサン誘導体)などの有機コーティング、ならびに/あるいはアルミナ、シリカ、二酸化ケイ素などの無機コーティング、ならびにそれらの混合物を含む。さらなるコーティングは、例えば、DE 103 33 029号明細書、EP−A 1 284 277号明細書、米国特許第5 756 788号明細書、EP−A 988 853号明細書、EP 0988 853号明細書、および米国特許第5 562 897号明細書にしたがって調製可能である。
【0037】
好ましい実施形態では、他の通常のコーティングが存在しない。
【0038】
金属酸化物粒子の少なくとも1種のコーティングは、上記のポリシロキサン日焼け止め剤を含む。好ましくは、コーティングのうちの少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%が、ポリシロキサン日焼け止め剤からなる。コーティングの残りの部分は、任意の他の通常の有機または無機コーティング材料、通常の添加剤または不純物からなり得る。より好ましくは、コーティングは、ポリシロキサン日焼け止め剤から本質的になり、これは、コーティングがポリシロキサン日焼け止め剤からなるが、いくらかの不純物、副生成物または添加剤を含んでいてもよいことを意味する。かかる不純物、副生成物または添加剤は、好ましくは、ポリシロキサン日焼け止めコーティングの重量を基準にして、10%以下の量、より好ましくは5%以下の量または2%以下の量で存在する。
【0039】
金属酸化物粒子は、ポリシロキサン日焼け止め剤を含む少なくとも1種のコーティングによって少なくとも部分的に覆われ、好ましくは、金属酸化物粒子の表面の少なくとも50%がこのコーティングで覆われ、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは完全な粒子がこのコーティングで覆われる。
【0040】
本発明の被覆金属酸化物粒子は、当業者に周知の方法で化粧用または皮膚用の組成物中、特に日焼け止め剤の組成物に含められ得る。日焼け止め剤組成物は、一般に、局所的な日焼け止め剤の組成物である。
【0041】
局所的な日焼け止め組成物の調製、特に、日常の化粧用の皮膚防護剤および日焼け止め製剤などの皮膚用および/または化粧用の用途のための調製に関して、本発明の被覆金属酸化物粒子は、上記製剤用に従来から使用されている助剤、例えば化粧品基剤に組み込むことができる。好都合であれば、他の従来のUV−Aおよび/またはUV−Bおよび/または広域スペクトル遮断剤も添加され得る。UV遮断剤の組合せは、相乗効果を示し得る。本発明の被覆金属酸化物粒子および他の公知のUV−遮断剤の量は重大ではない。本発明の被覆金属酸化物粒子の好適な量は、約0.01〜約50重量%、好ましくは約0.01〜25重量%(粒子の正味重量(payload)および体積分率に応じて)および約0.5〜12重量%の少なくとも1種のさらなる親水性および/または親油性のUV−AまたはUV−Bまたは広域スペクトル遮断剤である。これらのさらなる遮断剤は、好都合には、以下に挙げる化合物の中から選択されるが、それらに限定されない。
【0042】
本発明の被覆粒子と組み合わせるために考慮されるUV Bまたは広域スペクトル遮断剤、すなわち、約290〜340nmの吸収最大値を有する物質の例は、例えば、以下の有機および無機化合物である。
− 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン、パルソール(登録商標)340)、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチルなどのアクリレート;
− 4−メチルベンジリデンカンファー(パルソール(登録商標)5000)、3−ベンジリデンカンファー、メト硫酸ベンザルコニウムカンファー、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、スルホベンジリデンカンファー、スルホメチルベンジリデンカンファー、テレフタリデンジカンファースルホン酸などのカンファー誘導体;
− メトキシケイ皮酸オクチル(パルソール(登録商標)MCX)、メトキシケイ皮酸エトキシエチル、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン(パルソール(登録商標)ヒドロ)、メトキシケイ皮酸イソアミルなどのシンナメート誘導体ならびにシロキサンに結合されたケイ皮酸誘導体;
− p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N−オキシプロピレン−p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリルなどのp−アミノ安息香酸誘導体、
− ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン;
− 4−メトキシベンザルマロン酸ジ−(2−エチルヘキシル)などのベンザルマロン酸のエステル;
− 欧州特許公報EP 0895 776号明細書に記載のような2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパン二酸ジエチルエステルなどの2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパン二酸のエステル;
− 欧州特許公報EP 0358584 B1号明細書、EP 0538431 B1号明細書およびEP 0709080 A1号明細書に記載のようなベンザルマロネート基を含有するオルガノシロキサン化合物;
− ドロメトリゾールトリシロキサン(メギゾリル(Mexoryl)XL);
− 微粒子化されたTiOなどの顔料。「微粒子化された」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径を指す。TiO粒子はまた、例えば酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの金属酸化物、または例えばポリオール、メチコーン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなどの有機コーティングによって被覆され得る。かかるコーティングは、当該技術分野で周知である。
− 例えば、2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩(パルソール(登録商標)HS)などのイミダゾール誘導体。2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸の塩は、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ塩、アンモニウム塩、モルホリン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩のような第一級、第二級および第三級アミンの塩。
− サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチル、サリチル酸オクチル(ネオ・ヘリオパンOS)、サリチル酸イソオクチルまたはサリチル酸ホモメチル(ホモサレート、ヘリオパン)などのサリチレート誘導体;
− オクチルトリアジン(ユビナールT−150)、ジオクチルブタミドトリアゾン(UVアブソーブHEB)、ビスエトキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(チノソーブS)などのトリアジン誘導体;
− カプセル化されたオクチルメトキシシンナメート(エウソレックスUV−パール(Eusolex UV−pearls))などのカプセル化されたUVフィルタ。
【0043】
本発明の被覆粒子と組み合わせるために考慮される広域スペクトルまたはUV A遮断剤、すなわち、約320〜400nmの吸収最大値を有する物質の例は、例えば、以下の有機および無機化合物である。
− 4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイル−メタン(パルソール(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、イソプロピルジベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン誘導体;
− 2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−フェノール(チノソーブM)などのベンゾトリアゾール誘導体;
− 2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)(ネオ・ヘリオパン(Neoheliopan)AP)などのフェニレン−1,4−ビス−ベンズイミダゾールスルホン酸または塩;
− 欧州特許公報EP 1046391号明細書に記載のような2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステルなどのアミノ置換されたヒドロキシベンゾフェノン
− 微粒子化されたZnOまたはTiO2などの顔料。「微粒子化された」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径を指す。粒子はまた、例えば酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの他の金属酸化物、または例えばポリオール、メチコーン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなどの有機コーティングによって被覆され得る。かかるコーティングは、当該技術分野で周知である。
【0044】
ジベンゾイルメタン誘導体は限られた光安定性を有しているが、これらのUV−A遮断剤を光安定化させることが望ましいであろう。ここで、「従来のUV−A遮断剤」という用語はまた、例えば、
− 欧州特許公報EP 0 514 491 B1号明細書およびEP 0 780 119 A1号明細書に記載のような3,3−ジフェニルアクリレート誘導体;
− 米国特許第5,605,680号明細書に記載のようなベンジリデンカンファー誘導体;
− 欧州特許公報EP 0358584 B1号明細書、EP 0538431 B1号明細書およびEP 0709080 A1号明細書に記載のようなベンザルマロネート基を含有するオルガノシロキサン
によって安定化される、パルソール(登録商標)1789などのジベンゾイルメタン誘導体を指す。
【0045】
本発明の組成物は、保存料/抗酸化剤、脂肪質の物質/油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、軟化剤、乳化剤、さらなる日焼け止め剤、消泡剤、保湿剤、香料、界面活性剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性または両性ポリマーあるいはそれらの混合物、推進剤、酸性化または塩基性化剤、染料、着色剤、顔料またはナノ顔料などの通常の化粧用の助剤および添加剤、特に、紫外線を物理的に遮断することによってさらなる光防護効果を与えるのに好適なもの、あるいは、特に、日焼け止め剤/日焼け止め組成物の製造用の、化粧品に通常配合される任意の他の成分を含有することも可能である。化粧用および皮膚用の助剤および添加剤の必要な量は、所望の生成物に基づいて、この分野の当業者によって容易に選択可能であり、例として以下に示すが、これらに限定されない。
【0046】
さらなる量の抗酸化剤/保存料が一般に好ましい。本発明に基づいて、化粧品に通常配合される全ての公知の抗酸化剤が使用可能である。特に好ましいのは、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)および誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンなどのペプチドおよび誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロチン(例えば、α−カロチン、β−カロチン、リコペン)および誘導体、クロロゲン酸および誘導体、リポ酸および誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−およびラウリル−、パルミトイル−;オレイル−、y−リノレイル−、コレステリル−およびグリセリルエステル)およびそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに非常に少ない適合用量(compatible dose)(例えば、pmol〜μmol/kg)でスルホキシミン化合物(ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミンなど)、さらには、(金属)−キレート剤(α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミン酸、フィチン酸、ラクトフェリンなど)、β−ヒドロキシ酸(クエン酸、乳酸、リンゴ酸など)、フミン酸、没食子酸、没食子抽出物(gallic extracts)、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(γ−リノール酸、リノール酸、オレイン酸など)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(パルミチン酸アスコルビルおよびテトライソパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビルNa、酢酸アスコルビルなど)、トコフェロールおよび誘導体(酢酸ビタミンEなど)、天然ビタミンEの混合物、ビタミンAおよび誘導体(パルミチン酸ビタミンAおよび酢酸ビタミンA)ならびに安息香酸コニフェリル、ルチン酸および誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシブチロフェノン、尿素およびその誘導体、マンノースおよび誘導体、亜鉛および誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよび誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよび誘導体(酸化スチルベン、トランス−酸化スチルベンなど)および指定の有効成分の好適な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)からなる群から選択される抗酸化剤である。1種以上の保存料/抗酸化剤が、本発明の組成物の総重量の約0.01重量%〜約10重量%の量で存在し得る。好ましくは、1種以上の保存料/抗酸化剤が、約0.1重量%〜約1重量%の量で存在し得る。
【0047】
一般的に、製剤は、乳化剤、可溶化剤などのような表面有効成分も含有する。乳化剤は、2種以上の不混和成分が均一に組み合わせられることを可能にする。さらに、乳化剤は組成物を安定化させる働きをする。O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/W型エマルジョン/マイクロエマルジョンを形成するために本発明において用いられ得る乳化剤としては、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−3、オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ヘキサリシノール酸ポリグリセリル−6、オレイン酸ポリグリセリル−4、オレイン酸ポリグリセリル−4/ヤシ脂肪酸PEG−8プロピレングリコール、オレアミドDEA、ミリスチン酸TEA、ステアリン酸TEA、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、リシノール酸カリウム、ヤシ脂肪酸ナトリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ脂肪酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。他の好適な乳化剤は、リン酸セチル(アンフィソル(Amphisol)(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(アンフィソル(登録商標))、セチルリン酸カリウム(アンフィソル(登録商標)K)、オレイン酸リン酸グリセリルナトリウム(sodiumu glyceryl oleate phosphate)、水添植物性リン酸グリセリドおよびそれらの混合物などのリン酸エステルおよびそれらの塩である。さらに、1種以上の合成ポリマーが乳化剤として使用され得る。例えば、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、PEG−22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、およびそれらの混合物である。好ましい乳化剤は、リン酸セチル(アンフィソル(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(アンフィソル(登録商標))、セチルリン酸カリウム(アンフィソル(登録商標)K)、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10〜30−アルキルアクリレートクロスポリマー、PEG−20イソステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、およびそれらの混合物である。1種以上の乳化剤が、本発明の組成物の総重量の約0.01重量%〜約20重量%の量で存在する。好ましくは、約0.1重量%〜約10重量%の乳化剤が用いられる。
【0048】
脂質相は、好都合には、以下のものから選択され得る。
鉱油および鉱ろう;
カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリドなどの油、好ましくはヒマシ油;
油またはろうおよび他の天然もしくは合成油、好ましい実施形態では、脂肪酸と、アルコール、例えば、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリンとのエステル、または脂肪アルコールと、カルボン酸もしくは脂肪酸とのエステル;
安息香酸アルキル;ならびに/あるいは
ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シクロメチコーンおよびそれらの混合物などのシリコーン油。
【0049】
本発明のエマルジョン、マイクロエマルジョン、オレオゲル、水系分散液または油系分散液の油相に組み込むことが可能な例示的な脂肪質の物質は、好都合には、3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の、直鎖または分枝鎖アルキルカルボン酸のエステル、ならびに3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の、直鎖および/または分枝鎖アルコール、ならびに3〜30個の炭素原子を有する、芳香族カルボン酸のエステルならびに飽和および/または不飽和の、直鎖または分枝鎖アルコールのエステルから選択される。かかるエステルは、好都合には、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチル、イソステアリン酸オクチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸セテアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、ヘプタン酸ステアリル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、ステアリン酸トリデシル、トリメリット酸トリデシル、ならびにかかるエステルの合成、半合成または天然混合物、例えば、ホホバ油から選択することができる。
【0050】
本発明の製剤に使用するのに好適な他の脂肪質の成分としては、レシチンおよび脂肪酸トリグリセリドなどの極性油、すなわち、8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の、直鎖または分枝鎖カルボン酸のトリグリセロールエステル[ただし、脂肪酸トリグリセリドは、好ましくは、合成、半合成または天然油(例えば、ココグリセリド、オリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ラッカセイ油、ナタネ油、スイートアーモンド油、ヤシ油、ココナツ油、ヒマシ油、水添ヒマシ油、コムギ油、ブドウ種油、マカデミアナッツ油など)から選択される];直鎖および/または分枝鎖炭化水素およびろうなどの非極性油、例えば、鉱油、ワセリン(ペトロラタム);パラフィン、スクアランおよびスクアレン、ポリオレフィン、水添ポリイソブテンおよびイソヘキサデカン(好ましいポリオレフィンは、ポリデセンである);ジカプリリルエーテルなどのジアルキルエーテル;好ましくはシクロメチコーンなどの直鎖状または環状シリコーン油(オクタメチルシクロテトラシロキサン;セチルジメチコーン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0051】
本発明の製剤に好都合に組み込むことが可能な他の脂肪質の成分は、イソエイコサン;ネオペンチルグリコールジヘプタノエート;プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート;カプリル酸/カプリン酸/ジグリセリルスクシネート;ブチレングリコールカプリレート/カプレート;乳酸C12〜13−アルキル;酒石酸ジ−C12〜13アルキル;トリイソステアリン;ジペンタエリトリチルヘキサカプリレート/ヘキサカプレート;プロピレングリコールモノイソステアレート;トリカプリリン;ジメチルイソソルビドである。特に有益なのは、安息香酸C12〜15−アルキルとイソステアリン酸2−エチルヘキシルとの混合物、安息香酸C12〜15−アルキルとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物、ならびに安息香酸C12〜15−アルキルと、イソステアリン酸2−エチルヘキシルとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物の使用である。
【0052】
本発明の製剤の油性相は、蜜ろう、チャイナワックス、マルハナバチのろうおよび他の昆虫のろう、ならびにシアバターおよびカカオバターなどの天然の植物性または動物性のろうも含有することが可能である。
【0053】
皮膚の水分補給を維持したりまたは皮膚に水分補給するために保湿剤を本発明の組成物に組み込んでもよい。保護コーティングを与えることによって水が皮膚から蒸発するのを防止する保湿剤は、皮膚軟化剤と呼ばれる。さらに、皮膚軟化剤は、皮膚表面に対して軟化または鎮静効果を与え、一般に、局所的使用に安全であると考えられている。好ましい皮膚軟化剤としては、鉱油、ラノリン、ペトロラタム、カプリン酸/カプリル酸トリグリセルアルデヒド、コレステロール、ジメチコーン、シクロメチコーンなどのシリコーン、アーモンド油、ホホバ油、アボカド油、ヒマシ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ココナツ油およびブドウ種油、カカオバター、オリーブ油、アロエ抽出物、オレイン酸およびステアリン酸などの脂肪酸、セチルおよびヘキサデシル(エンジャイ(ENJAY))などの脂肪アルコール、アジピン酸ジイソプロピル、ヒドロキシ安息香酸エステル、C9〜15−アルコールの安息香酸エステル、イソノナン酸イソノニル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルおよびポリオキシプロピレンセチルエーテルなどのエーテル、および安息香酸C12〜15−アルキル、ならびにそれらの混合物が挙げられる。最も好ましい皮膚軟化剤は、ヒドロキシ安息香酸エステル、アロエベラ、安息香酸C12〜15−アルキル、およびそれらの混合物である。皮膚軟化剤は、組成物の総重量の約1重量%〜約20重量%の量で存在する。皮膚軟化剤の好ましい量は、約2重量%〜約15重量%であり、最も好ましくは約4重量%〜約10重量%である。
【0054】
水と結合し、それによって皮膚表面にそれを保持する保湿剤は、湿潤剤と呼ばれる。グリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、乳酸、ピロリドンカルボン酸、尿素、リン脂質、コラーゲン、エラスチン、セラミド、レシチンソルビトール、PEG−4、およびそれらの混合物などの好適な湿潤剤を、本発明の組成物に組み込むことができる。さらなる好適な保湿剤は、ヒアルロン酸、キトサンおよび/またはフコースに富む多糖類(例えば、ソラビア(SOLABIA)S)によってフコゲル(Fucogel)(登録商標)1000(CAS−番号178463−23−5)として入手可能)などの水溶性および/または水膨潤性/および/または水でゲル化する多糖類の群の高分子保湿剤である。1種以上の湿潤剤は、任意に、本発明の組成物の約0.5重量%〜約8重量%、好ましくは約1重量%〜約5重量%で存在する。
【0055】
本発明の組成物の水相は、アルコール、特に低級アルコール、好ましくはエタノールおよび/またはイソプロパノール、低級ジオールまたはポリオールならびにそのエーテル、好ましくはプロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル−もしくはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル−もしくはモノエチル−もしくはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル−もしくはモノエチルエーテルおよび類似製品、ポリマー、気泡安定剤;電解質、ならびに特に1種以上の増粘剤などの通常の化粧品添加剤を含有することが可能である。製品の稠度を適切にするのを助けるために本発明に製剤に用いてもよい増粘剤としては、カルボマー、二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウムおよび/またはケイ酸アルミニウム、蜜ろう、ステアリン酸、ステアリルアルコール、キサンタンガムなどの多糖類およびその誘導体、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリルアミド、アクリレートクロスポリマー、好ましくはカルボマー、例えば、単独での980、981、1382、2984、5984型のカーボポール(carbopole)(登録商標)、またはその混合物が挙げられる。例えば、乳化剤または起泡剤/気泡安定剤などの、成分を中和するために本発明の組成物に含まれてもよい好適な中和剤としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ水酸化物;ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、アミノメチルプロパノールなどの有機塩基およびそれらの混合物;アルギニンおよびリジンなどのアミノ酸、ならびに上記の任意の組合せが挙げられるがこれらに限定されない。中和剤は、本発明の組成物の約0.01重量%〜約8重量%、好ましくは、1重量%〜約5重量%の量で存在し得る。
【0056】
本発明の組成物への電解質の添加は、疎水性乳化剤の作用を変更するために必要であり得る。このため、本発明のエマルジョン/マイクロエマルジョンは、好ましくは、塩化物、硫酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩およびアルミン酸塩などの陰イオンを含むがこれらに限定されない1種または数種の塩の電解質を含有してもよい。他の好適な電解質は、乳酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩およびクエン酸塩などの、しかしこれらに限定されない有機陰イオンをベースとすることができる。陽イオンとしては、好ましくは、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリ−もしくはアルカリ土類金属、マグネシウムイオン、鉄イオンまたは亜鉛イオンが選択される。特に好ましい塩は、塩化カリウムおよび塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、ならびにそれらの混合物である。電解質は、本発明の組成物の約0.01重量%〜約8重量%の量で存在し得る。
【0057】
本発明の化粧用組成物は、ヒトの表皮または毛髪を、紫外線照射の損傷作用から光防護するための組成物、すなわち日焼け止め組成物として有用である。かかる組成物は、特に、ローション剤、濃化ローション剤、ゲル、クリーム、乳液、軟膏、散剤または固体の管状スティックの形態で提供することができ、任意に、エアロゾルとして包装することができ、ムース、フォームまたはスプレー剤の形態で提供することができる。本発明による化粧用組成物がヒトの表皮を紫外線から防護するためかまたは日焼け止め組成物として提供するときは、溶媒または脂肪質の物質中の懸濁液または分散液の形態であるか、あるいは、クリームまたは乳液などのエマルジョンまたはマイクロエマルジョン(特に、O/WまたはW/O型、O/W/OまたはW/O/W型)、小胞状分散物の形態、軟膏、ゲル、固体の管状スティックまたはエアロゾルムースの形態であり得る。エマルジョンは、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性または両性界面活性剤も含有することが可能である。
【0058】
以下の実施例は、本発明の方法および組成物をさらに説明するために与えられる。これらの実施例は、あくまで例示であり、決して本発明の範囲を限定するものではない。
【0059】
[シリカで被覆された二酸化チタンの調製]
ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤で被覆された金属酸化物のコーティングを、パーキン・エルマー・スペクトラム・ワン(Perkin Elmer Spectrum One)というFT−IR分光計を用いて、および得られた透過赤外吸収スペクトルの判定によって、FT−IR分光法によって測定した:Si−O−Siの伸縮振動に帰属されるピークが、1000〜1200cm−1で観察された。ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤の組込みが、発色団のカルボニル基に帰属されるピークが約1650〜1720cm−1にあることによって実証される。コーティングの有効性を、以下に記載される方法によって実証する。これにより、被覆されていない二酸化チタンと比較して本発明にしたがって調製された全ての試料の着色が低減されたことが示される。
【0060】
[照射の際の安定性]
非処理の二酸化チタンは、UV光で照射した際に強い黄色変化を生じる。色が濃くなるにしたがい、二酸化チタンの反応度の高さが増している。これは、表面処理の有効性についての有効な分析試験である。
【0061】
被覆されていない試料と比較した、またユビナールTiOと比較したカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド中の被覆されたTiOの10%分散液を、20μmの塗布ナイフでガラス板上に膜として塗る。その後、ヘレウス・サンテスト(Hereaus Suntest)を用いて40MED(最小紅斑量)で照射を行った。試料の色の判定を、「Methuen Handbook of Color」(A.コーナップ(Kornerup)およびJ.H.ヴァンシャー(Wanscher)、第3版、アイル・メシュエン(Eyre Methuen)、ロンドン、1984年)と比較することによって行った。さらに、試料を、非処理のTiOおよび市販されているシリコーンで被覆された二酸化チタン銘柄:ユビナール(登録商標)TiO(バスフ(BASF)製のオクチルシリル化二酸化チタン)と比較した。
【0062】
本発明の表面処理された試料は、非処理のTiOと比較して低減した着色、および市販の試料、ユビナール(登録商標)TiO(オクチルシリル化二酸化チタン)と比較して同等かまたはそれより優れた性能を示した。
【0063】
【表1】

【0064】
[実施例1]
60mlの水中の40gの微粉化された二酸化チタンの分散液に、30%のポリシリコーン 15と、30%のPEG−40水添ヒマシ油と、20%の水と、20%のエタノールとの混合物4g(w/w)を加え、ウルトラ・タラックス(Ultra Turrax)T25(IKA)を用いることによって、室温で15分間均質化する。その後、分散液を遠心分離し、水相を除去した。調製物を水中の30%のエタノールの混合物を用いて洗浄して、過剰のPEG−40水添ヒマシ油を除去した。生成物を120℃で乾燥させ、微細な一次粒径を確保するまで粉砕する。
【0065】
UVフィルタとして実施例1に記載のポリシリコーン−15で被覆された異なる濃度のTiOおよび2%のパルソール(登録商標)1789を含有する、例えば実施例2に記載のO/W型エマルジョンのインビトロでのSPFの判定。
【0066】
【表2】

【0067】
[実施例2]
O/W型日焼け止め乳液
【0068】
【表3】

【0069】
[手順:]
部分A)およびB)を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、部分B)をA)にかき混ぜながら加える。攪拌しながら周囲温度に冷却して、部分C)を加える。小粒径が得られるまで均質化する。
【0070】
[実施例3]
ウォータープルーフの日焼け止め乳液
【0071】
【表4】

【0072】
[手順:]
部分A)およびB)を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、部分B)をA)にかき混ぜながら加える。攪拌しながら周囲温度に冷却して、部分C)を加える。小粒径が得られるまで均質化する。
【0073】
[実施例4]
乳幼児用の日焼け止め乳液
【0074】
【表5】

【0075】
[手順:]
部分A)およびB)を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、部分B)をA)にかき混ぜながら加える。攪拌しながら周囲温度に冷却して、部分C)を加える。小粒径が得られるまで均質化する。
【0076】
[実施例5]
保護効果の高い日焼け止め乳液
【0077】
【表6】

【0078】
[手順:]
部分A)およびB)を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、部分B)をA)にかき混ぜながら加える。攪拌しながら周囲温度に冷却して、部分C)およびD)を加える。小粒径が得られるまで均質化する。
【0079】
[実施例6]
ウォーターフリーの日焼け止めジェル
【0080】
【表7】

【0081】
[手順:]
部分A)およびB)を攪拌しながら混合する。均質になったら、部分C)およびD)をかき混ぜながら加える。
【0082】
[実施例7]
日焼け止めジェル
【0083】
【表8】

【0084】
[手順:]
部分A)およびB)を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、部分B)をA)にかき混ぜながら加える。攪拌しながら周囲温度に冷却して、部分C)およびD)を加える。小粒径が得られるまで均質化する。
【0085】
[実施例8]
[保護効果の高いWO型日焼け止め乳液]
【0086】
【表9】

【0087】
[手順:]
部分A)、B)およびC)を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、部分B)およびC)をA)にかき混ぜながら加える。攪拌しながら周囲温度に冷却して、部分D)およびE)を加える。小粒径が得られるまで均質化する。
【0088】
[実施例9]
[顔料を含むW/O型乳液]
【0089】
【表10】



【0090】
[手順:]
部分A)、B)およびC)を攪拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、部分B)およびC)をA)にかき混ぜながら加える。攪拌しながら周囲温度に冷却して、部分D)およびE)を加える。小粒径が得られるまで均質化する。
【0091】
[実施例10]
[ビタミンCを含む日中用保護クリーム]
【0092】
【表11】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物粒子と少なくとも1種のコーティングとを上に含む被覆金属酸化物粒子であって、
前記少なくとも1種のコーティングが、ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤を含む被覆金属酸化物粒子。
【請求項2】
前記金属酸化物が、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化鉄、酸化セリウム、上記のものの混合物、ならびに上記のものと酸化アルミニウム、および/または二酸化ケイ素との混合物の群から選択される請求項1に記載の被覆金属酸化物粒子。
【請求項3】
前記金属酸化物が、二酸化チタンまたは酸化亜鉛または酸化鉄、あるいは上記のものの混合物、あるいは上記のものと酸化アルミニウム、および/または二酸化ケイ素との混合物である請求項2に記載の被覆金属酸化物粒子。
【請求項4】
前記金属酸化物が、任意に酸化鉄でドープされた二酸化チタンである請求項3に記載の被覆金属酸化物粒子。
【請求項5】
前記ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤が、ポリシリコーン−15(パルソールSLX(登録商標))である請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆金属酸化物粒子。
【請求項6】
ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤を含む前記少なくとも1種のコーティング対前記金属酸化物粒子の比率が、1〜20重量%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の被覆金属酸化物粒子。
【請求項7】
ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤を含む前記少なくとも1種のコーティング対前記金属酸化物粒子の比率が、2〜10重量%である請求項6に記載の被覆金属酸化物粒子。
【請求項8】
前記被覆酸化物粒子の一次粒径が、2〜100nmの範囲にある請求項1〜7のいずれか一項に記載の被覆金属酸化物粒子。
【請求項9】
前記ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤を含む前記少なくとも1種のコーティングが、前記金属粒子の表面を完全に覆う請求項1〜8のいずれか一項に記載の被覆金属酸化物粒子。
【請求項10】
前記ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤を含む前記少なくとも1種のコーティングが、前記ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤から本質的になる請求項1〜9のいずれか一項に記載の被覆金属酸化物粒子。
【請求項11】
前記金属酸化物粒子が、1種のコーティングによって被覆される請求項10に記載の被覆金属酸化物粒子。
【請求項12】
金属酸化物粒子が、分散液として、前記ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤と接触される請求項1〜11のいずれか一項に記載の被覆金属酸化物粒子の製造方法。
【請求項13】
前記金属酸化物粒子が、それらを水性分散液の形態で、表面活性成分の存在下で、前記ポリシロキサンをベースとする日焼け止め剤と接触させることによって被覆される請求項12に記載の被覆金属酸化物粒子の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の被覆金属酸化物粒子を含む化粧用または皮膚用の組成物。
【請求項15】
さらに他のUV−A遮断剤および/またはUV−B遮断剤および/または広帯域遮断剤が存在する請求項14に記載の化粧用または皮膚用の組成物。
【請求項16】
0.01重量%〜25重量%の前記被覆金属酸化物粒子を含む請求項14または15に記載の化粧用または皮膚用の組成物。
【請求項17】
UVフィルタの安定化のための請求項1〜11のいずれか一項に記載の被覆金属酸化物粒子の使用。
【請求項18】
ジベンゾイルメタンまたはその誘導体の安定化のための請求項17に記載の使用。
【請求項19】
紫外線からヒトの皮膚および/または頭髪を保護するための請求項14〜16のいずれか一項に記載の化粧用または皮膚用の組成物の使用。

【公表番号】特表2008−537532(P2008−537532A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502303(P2008−502303)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002537
【国際公開番号】WO2006/100018
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】