説明

ポリシロキサン抗菌剤

【課題】ポリシロキサン抗菌剤を提供すること。
【解決手段】開示されるのは、主鎖に少なくとも3個、例えば4個ないし3000個の、Si原子を含有することを特徴とするオリゴ−又はポリシロキサンであって、またその少なくとも1つが、O原子の開結合(open bond)がオリゴ−又はポリシロキサン主鎖の他のSi原子に結合され、また前記Si原子の開結合がオリゴ−又はポリシロキサン主鎖の他のO原子か又はR’1に結合されるところの、式I
【化1】


(式中、
1及びR’1は、独立して、炭素原子数1ないし10のアルキル基を表し、
2及びR3は、独立して、炭素原子数1ないし18のアルキレン基を表し、
Xは、O、NR4、N(COR’5)、CONR’4 、OCONR’4から選択される二価
のスペーサー基を表し、
Yは、OCOR5、NHCOR5、NHR4、COOR5、CONHR4、NR’44から選
択され、
4は、少なくとも1つのアリール部分を含有する炭素原子数6ないし18の有機残基か
ら選択され、
R’4は、R4に対して定義される通りであり、又はH、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基から選択され、
5はR7−Zを表し、
R’5は、R5に対して定義される通りであり、又はH、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基から選択され、
7は、フェニレン基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基、O、NR’4によって中断され得る炭素原子数1ないし20のアルキレン基を表し、又は未置換のもしくは置換されたフェニレン基又は炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基を表し、
Zは、ハロゲン原子又はN+8910を表し、
8、R9及びR10は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、未置換の又は置換されたアリール基を表し、又はR8、R9及びR10のうちの2つは、一緒になって結合され、ピペリジン環のような4ないし6個の炭素原子からなる四級化脂肪族、置換された又は未置換のN複素環を形成し、又は全てのR8、R9及びR10は、一緒になって結合され、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4ないし7個の炭素原子からなる置換された又は未置換のN複素環系を形成する。)で表される部分に含有される。新規な化合
物は抗菌剤として効果的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のオリゴ−又はポリシロキサン抗菌剤を含有することによる抗菌性を有する材料、対応するそのような材料の製造のための使用及びプロセス、並びに新規な抗菌性化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
抗菌剤はしばしば、第四級アンモニウム化合物をベースとする。前記化合物の性質例えば効果的な及び継続する抗菌作用、基質との相溶性、基質上又は基質中での良好な持続、低毒性を改善するために、シリル基の導入を含む多くの改質が提案されている。特許文献1は、抗菌剤として、エーテル橋によって中央のケイ素原子に結合する第四級アンモニウム基を含有するトリシロキサン、第四級アンモニウム末端基を含有するオリゴシロキサンの使用を教示する。非特許文献1は、同じ目的のための類似のポリシロキサンを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
耐性の発達を含む様々な逆境に適応するための微生物の能力の観点から、新規な方法及び材料は、例えば材料上もしくは物体上又は材料中もしくは物体中の微生物の成長を阻害し又はさらに広範囲な微生物、例えばバクテリア、真菌類、酵母菌及び藻類から選択される1種以上の微生物に対して殺菌活性を示し、及び/又はさらに藻類、苔類又はシダ類のような多細胞生物の定着に悪影響を与える化合物による、表面、材料及び/又は製品の処理のために要求され、従って、天然及び/又は合成材料を用いた、プラスチックにおける、コーティングにおける、織物における、紙における、化粧品における、医薬品配合物における又は対応する容器、ホーム又はパーソナルケア用途などにおける添加剤としての、とりわけ保存における用途、及び他の対応する使用に有用である。同時に、哺乳類に対して低い毒性を示す効果的な抗菌剤に対する需要が高まっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これに関して抗菌剤として特に有利な性質を示す特定のオリゴ−又はポリシロキサンが今や見出された。従って、本発明は、バルク添加剤として又は前記オリゴ−又はポリシロキサンを用いたその表面の処理後のその表面上のいずれかに、又は両方の形態にある、特定のオリゴ−又はポリシロキサンを含有する材料に関し、前記オリゴ−又はポリシロキサンは、主鎖に少なくとも3個、例えば4個ないし3000個の、Si原子を含有することを特徴とし、及びその少なくとも1つが、O原子の開結合(open bond)がオリゴ−又はポリシロキサン主鎖の他のSi原子に結合され、また前記Si原子の開結合がオリゴ−又はポリシロキサン主鎖の他のO原子か又はR’1に結合されるところの、式I
【化1】

(式中、
1及びR’1は、独立して、炭素原子数1ないし10のアルキル基を表し、
2及びR3は、独立して、炭素原子数1ないし18のアルキレン基を表し、
Xは、O、NR4、N(COR’5)、CONR’4 、OCONR’4から選択される二価
のスペーサー基を表し、
Yは、OCOR5、NHCOR5、NHR4、COOR5、CONHR4、NR’44から選
択され、
4は、少なくとも1つのアリール部分を含有する炭素原子数6ないし18の有機残基か
ら選択され、
R’4は、R4に対して定義される通りであり、又はH、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基から選択され、
5はR7−Zを表し、
R’5は、R5に対して定義される通りであり、又はH、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基から選択され、
7は、フェニレン基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基、O、NR’4によって中断され得る炭素原子数1ないし20のアルキレン基を表し、又は未置換のもしくは置換されたフェニレン基又は炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基を表し、
Zは、ハロゲン原子又はN+8910を表し、
8、R9及びR10は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、未置換の又は置換されたアリール基を表し、又はR8、R9及びR10のうちの2つは、一緒になって結合され、ピペリジン環のような4ないし6個の炭素原子からなる四級化脂肪族、置換された又は未置換のN複素環を形成し、又は全てのR8、R9及びR10は、一緒になって結合され、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4ないし7個の炭素原子からなる置換された又は未置換のN複素環系、好ましくはピペリジン環
【化2】

のような芳香族環を形成する。)で表される部分に含有される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の化合物は、物品及び/又は材料の保護のための抗菌、防腐並びに微生物付着及び生物膜阻害効果、特に広範な(直接の)抗菌効果を兼ね備える。
【0006】
本発明の化合物におけるいずれの正電荷も、同等数の美容上又は薬学上許可され得るアニオン、例えばハロゲン化物アニオン、特に塩化物又は臭化物から選択される;硫酸又はスルホン酸、酢酸又は安息香酸のようなカルボン酸アニオン;1つ以上の荷電群を含有する化合物によって中和され、ゆえに塩の形態である。
【0007】
アニオン又は複数のアニオン(電荷中和をもたらす対イオン(複数の対イオン))は、式I、IIで表されるアンモニウム化合物の対応する実質的な中性塩を形成するために存在する−これは好ましくは実質的な電荷中和をもたらす数のアニオンが存在することを意味する。しかしながら、例えば表面上で、正味電荷が一時的とはいえ生じ得るように対イ
オンを剥ぎ取ることも可能であり得る−これは例えば用語“実質的な電荷中和をもたらす”により意味することを意図する。
【0008】
前記化合物は、抗菌剤として直接使用され得、又は変性形態(例えば他の塩として、又は置換された、エーテル化された、エステル化されたもしくは四級化された形態で)で使用され得る。
【0009】
所与の定義の文脈において、アルキル基はどれでも、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基のような枝分かれした又は枝分かれしていないアルキル基である。
【0010】
アリール部分は、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミジリウム基、トリアジニル基のような炭素原子数4ないし10のアリール基から好ましくは選択され、それらの各々は未置換又は置換され得る。
【0011】
少なくとも1つのアリール部分を含有する炭素原子数6ないし18の有機残基は、アリール基によって置換されたもしくはアリーレン基によって中断されたアリール部分又はアルキル部分から主に選択され、例はベンジル基、キシリルエチル基、フェニル−ピジミジル基、メチルピジミジル基、フェニル−メチル−ピジミジ−イル基を含む。
【0012】
アリーレン基は、1つの水素原子の引き抜きによる対応する一価のアリール基に由来する二価の残基である。
【0013】
ハロゲン原子は、主にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、特に臭素原子又は塩素原子である。
【0014】
シクロアルキル基は、例えば、主にシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基、特にシクロヘキシル基に重点を置く、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基及びシクロドデシル基を含む。
【0015】
炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基は、フェニル基によって置換されたアルキル残基を表し、典型的な例はベンジル基、フェニルエチル基、クミル基、フェニルブチル基である。
【0016】
アルキレン基又はシクロアルキレン基は、任意の位置において1つの水素原子の引き抜きによる対応する一価のアルキル基又はシクロアルキル基に由来する二価の残基であり、ゆえに、アルキリデン基又はシクロアルキリデン基をそれぞれ含む。
【0017】
フェニレン基のようないくつかのスペーサー基によって中断されたアルキレン基は、任意のC−C又はC−H単結合において中断し得、アルキレン基はフェニル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基、O、NR’4によって中断され、ゆえにフェニル基
又は炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基、O、NR’4によりエンドキャップ
された(end−capped)アルキレン基を含む。
【0018】
このように、R4の例は、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリ
ジリウム基、ピリミジリウム基、トリアジニル基であり;又は(ベンジル基のような)フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミジリウム基、トリアジニル基によって置換された炭素原子数1ないし8のアルキル基であり、各々のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミジリウム基、トリアジニル基は所望により置換され得る。例は、炭素原子数1ないし8のアルキル基及び/又はフェニル基置換された2−フェニル−4−メチルピジミジ−6−イルのようなピリミジル基
【化3】

である。
【0019】
置換基は、通常、炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基、ベンジル基から選択される。
【0020】
1又はR’1は、しばしば、炭素原子数1ないし4のアルキル基のような短鎖アルキル基、特にメチル基である。
【0021】
従って、高い殺菌及び殺真菌活性を有するオリゴ−又はポリシロキサン化合物の新しい類は、しばしば式II
【化4】

(式中、
mは範囲1ないし1000から選択され、また
nは範囲0ないし1000から選択され、
1、R’1、R2、R3、X及びYは、上記で定義される通りであり、また
A及びBは、独立して、式−Si(R111213)で表される基を表し、ここで各々のR11、R12、R13は、独立してR1に対して定義された通りであり、又はA及びBは、特に
n+mの合計が4ないし20の範囲からであるオリゴマー状化合物において、一緒になっ
て直接結合を形成し得る。)に従う。A及びBが一緒に直接結合である場合、結果として生じる式IIで表される化合物は環状である。
【0022】
本発明の化合物において、式−Si(R’12−O−(IIa)及び/又は−Si(R1)(R2XR3Y)−O−(IIb)で表される単位は、ランダム又はブロックで配置さ
れ得る。
【0023】
指数nは、好ましくは2ないし500、特に3ないし300の範囲である。指数mは、好ましくは1ないし1000の範囲、より好ましくは2ないし500の範囲、特に3ないし300である。
【0024】
本発明のオリゴ−又はポリシロキサンは新規な化合物であり、それらは好ましくは開鎖化合物である。特に好ましくは、A及びBはトリアルキルシリル基、特にトリメチルシリル基である。
【0025】
強調されるべき重要なことは、式I又はII
(式中、
1及びR’1は、独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、
2及びR3は、独立して、炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表し、
Xは、O、NR4、N(COR5)から選択される二価のスペーサー基を表し、
Yは、OCOR5、NHCOR5、COOR5、CONHR4、NR’44から選択され、
4は、炭素原子数4ないし10のアリール基又は炭素原子数4ないし10のアリーレン
基によって中断された炭素原子数2ないし12のアルキル基によって置換された炭素原子数4ないし10のアリール部分又は炭素原子数1ないし12のアルキル部分から選択され、
R’4は、R4に対して定義される通りであり、又はH、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基から選択され、
5はR7−Zを表し、
7は、フェニル基又は炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基、O、NR’4によって中断され得る炭素原子数2ないし20のアルキレン基を表し、又は未置換のもしくは置換されたフェニレン基又は炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基を表し、
Zは、ハロゲン原子又はN+8910を表し、
8、R9及びR10は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、未置換の又は置換されたアリール基を表し、又はR8、R9及びR10のうちの2つは、一緒になって結合され、四級化脂肪族、置換された又は未置換の4ないし6個の炭素原子からなるN複素環、例えばピペリジン環を形成し、又は全てのR8、R9及びR10は、一緒に結合され、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換された又は未置換の4ないし7個の炭素原子からなるN複素環系を形成する。)で表される化合物、
特に(式中、
4が、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミ
ジリウム基、トリアジニル基であり;又はフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミジリウム基、トリアジニル基によって置換された炭素原子数1ないし8のアルキル基;又は各々が炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基、ベンジル基によって置換された、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミジリウム基、トリアジニル基;又は各々の芳香族コアが炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基、ベンジル基によって置換された、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミジリウム基、トリアジニル基によって置換された
炭素原子数1ないし8のアルキル基から選択され、
R’4は、R4に対して定義される通りであり、又はHを表し、
7は、炭素原子数2ないし20のアルキレン基を表し、
Zはハロゲン原子又はN+8910を表し、
8、R9又はR10は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基を表し、全てのR8、R9及びR10は、一緒になって結合され、それらが結合する窒素原子と一緒になって、置換された又は未置換の4ないし7個の炭素原子からなるN複素環系を形成する。
)で表される化合物である。
【0026】
技術的に特に興味深いのは、R7がメチレン基を表すものを除く上記のような特性を有
する更なる化合物、また特にXがO及びYOCOR5を表すものである。
【0027】
Zがハロゲン原子を表す化合物が、ZがN+8910を表す四級化化合物を製造する
ための中間体として特に重要である。抗菌剤として使用するための式I又はIIで表される特に有益な基は、O又はN(COR5)を表すXによって定義され、またYはOCOR5又はNHCOR5を表し、ここでR7は炭素原子数6ないし18のアルキレン基を表し、ZはN+8910を表し、R8、R9は独立して、メチル基のような炭素原子数1ないし4
のアルキル基から選択され、及びR10は炭素原子数2ないし18のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基から選択され、又は全てのR8、R9及びR10は、一緒になって結合され、窒素原子と一緒になって、4ないし7個の炭素原子からなるN複素環系芳香族環を形成し、又は
NR4を表すX及びNHR4を表すYによって定義され、ここでR4はフェニル基、ピリジ
ル基、ピリミジル基、トリアジニル基又はフェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基によって置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、又は各々が炭素原子数1ないし4のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基、ベンジル基によって置換された、フェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基を表し、又は各々の芳香族コアが炭素原子数1ないし4のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基、ベンジル基によって置換された、フェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基によって置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、そして
最も特別にO又はN(COR5)を表すXによって定義され、またYはOCOR5又はNHCOR5を表し、ここでR7は炭素原子数8ないし14のアルキレン基を表し、ZはN+8910を表し、ここでR8、R9は、独立して、メチル基のような炭素原子数1ないし4
のアルキル基から選択され、及びR10は炭素原子数8ないし14のアルキル基、炭素原子数7ないし14のフェニルアルキル基、シクロヘキシル基から選択され、又は全てのR8
、R9及びR10は、一緒になって結合され、式
【化5】

で表される基を形成し、又は
NR4を表すX及びNHR4を表すYによって定義され、ここでR4はフェニル基、ピリミ
ジル基、又はフェニル基、ピリミジル基によって置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、又は各々が炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又はフェニル基によって置換されたフェニル基又はピリミジル基を表す。
【0028】
本発明の化合物は、好都合なことに、抽出物として例えばヒドロキシ基、アミノ基、カ
ルボキシ基、エステル基、ハロゲノ、オキシラニル基などから選択される1つ以上の官能性基を含有する生成物のような、適切に官能化されたオリゴ−又はポリシロキサンを使用して製造され得る。幅広い種類のこれらの生成物は、技術的に既知であり、多くの製品が市販されている。本発明の化合物は、例えば、式
【化6】

(式中、鎖長、所望による更なる繰り返し単位、末端基、及び残基R1、R2は上記で定義される通りである。)で表される1つ以上の部分を含有するオリゴ−又はポリシロキサンから出発して製造される。反応部分X’は、例えば、塩素原子、臭素原子、無水物、アシルハロゲン化物のような脱離基又は該脱離基を含有する適する部分から選択され得、又は適するOH、NHR’4のような求核性であり得る。これは、式X”−R3−Y又はX”−R3−Y’(式中、X”は結合Xを形成する基X’に対する適する反応相手を表し、R3及びYは上記で定義される通りであり、及びY’は、例えば、四級化窒素(アンモニウム)部分へのY’の変換のための、後続反応工程においてYに変換し得る基Yへの前駆体を表す。)で表される試薬と反応し得る。
反応は、例えば、適する二官能性試薬X”−R3−Y又はX”−R3−Y’を使用して行われ得、そこではX”がY又はY’よりX’に対して高活性を有する。この種類の反応及び試薬は、技術的に幅広く知られており、例が以下のとおりである。本発明の縮合/置換反応を達成するに適する官能基の例は、これらに限定されないが、酸無水物、塩化アシル、適するハロゲン化物、アルコール又はアミノ官能基、オキシランが挙げられる。
反応及び作成(work−up)の条件は、好都合なことに、当該分野で既知の方法に従って、またはその方法と同じような方法が選択され、特に反応温度(例えば、室温と溶媒又は試薬の沸点の間、又は0と約150℃の間)、圧力(通常、大気圧で、適切な0と約10バールの間)、酸素排除(特に高い反応温度及び/又は酸素感受抽出物/試薬が使用される場合、窒素又はアルゴンのような適する不活性ガスを使用して)、溶媒(例えば、適切な沸点範囲の炭化水素、塩素化又は更に置換した炭化水素、未反応モノ−、オリゴ−又はポリシロキサンのような不活性溶媒;又は無し、特に抽出物又は試薬、例えば過剰なこれらが溶媒として使用され得る場合)、反応時間(例えば、0.5と24時間の間)、単離及び精製(溶媒又は残存抽出物/試薬の洗浄、抽出、沈殿、ろ過、蒸発/除去など)に関する。
【0029】
従って、本発明は、前の段落にて言及した1つ以上の化合物を含む組成物(以下では“本発明の組成物”と称し、また本発明に従うそのような組成物の使用をも意味する。)に関するものであって、該組成物は材料及び物品への適用に適しており、例えば材料又は物品を被覆するために、例えばそれらの製造中に材料に混合することによる材料及び物品への添加のために、及び/又は材料又は物品を含浸させるために特に適し、そこでは前記組成物は本発明の化合物を含み得、及び付加的にバインダ、溶媒、緩衝液などのような他の添加剤又はキャリア材料を含み得る。
【0030】
興味深い組成物のうち、特に抗菌性組成物、防汚組成物、コーティング組成物又は材料(コーティング)、ペイント、コーティング系、化粧品配合物(口腔製剤及び消臭剤を含む)、ホームケア組成物、医薬品組成物(口腔製剤を含む)、抗菌性製剤、洗濯用洗剤及び/又は布地(fabric)ケア組成物、布地、繊維、不織布、成形品又は吹込成形品、フィルムを言及し得、各々は、独立して好ましい態様を形成し、そして好ましくは以下
のように定義される。
【0031】
更なる態様において、本発明は1つ以上の物品及び/又は材料の保護のための抗菌、防腐及び/又は微生物付着阻害効果をもたらすために上記又は好ましくは下記で定義される本発明に従う1つ以上の化合物又は組成物の使用、特に前記物品及び/又は材料に1つ以上の前記化合物又は1つ以上の前記化合物を含む組成物を添加することを含む前記使用、特に抗菌剤としての使用に関する。前記添加は、材料に組み込むことによって(例えば、物品又は材料のような製品の製造中に混合することによって)、物品又は材料の含浸によって及び/又は例えば物品又は材料の表面への適用によって行われ得る。
【0032】
また、本発明の更なる態様は、上記で定義された1つ以上の本発明の新規の化合物の製造プロセス、及び/又は本発明に従う1つ以上の化合物を含む新規な組成物の製造プロセスに関する。
【0033】
本発明の化合物は、慣用の方法に従いアニオンをそこに添加するか、又はその中のアニオンを(他の)アニオンで置き換えることによって、例えば望ましいアニオンを有する金属もしくはアンモニウム塩の存在下での沈殿によって又はアニオン交換体を用いて、塩に変換し又はそれらの塩を異なる塩に変換し得る。
【0034】
本発明に従う組成物の製造は、1つ以上の本発明のオリゴ−又はポリシロキサン化合物、又はそれらの塩と、1つ以上の他の添加剤、例えば以下に言及されるものとを混合することを含む。本発明に含まれる化合物、化合物混合物又は組成物はまた以下“抗菌剤”としても言及し得る。
【0035】
用語“含む”が使用される場合、これは、その後に記載され又は列挙される1つの成分、複数の成分、1つの特性又は複数の特性が単一で満たし得るばかりでなく、具体的に言及されたものに加えて1つ以上の他の成分及び/又は特性(例えば他の添加剤、他の作用)が存在し得ることを意味することを意図している。これは、そのような語句の後に具体的に言及されたもの以外の他の成分又は特性は含まないことを意味し及び、従って、全ての特性及び/又は成分の列挙/説明を意図する用語“含有する”又は“から成る”とは対照的である。“含む”が使用されているところはどこでも、これは、(他の発生とは無関係に)狭義の用語“から成る”又は(プロセス又は方法の場合は)“工程を含有する”に可能であって及び好都合である場合、置き換えられ得、その結果本発明の特定の及び好ましい態様を導く。
【0036】
本発明の開示においてどこに使用されても“約”は、当業者に明らかであるように、数値からの一定の偏差が存在し得、またその対応する値が絶対的な境界を意味しないことを意図すると意味し;それは好ましくは各数値の“±20%”、より好ましくは“±10%”、更に好ましくはその“±5%”を意味し、また最も好ましくは各数値だけが前置きの“約”無しで残るように削除され得る。
【0037】
抗菌活性とは、少なくとも部分的に微生物を不活性化する(生存能力に影響を及ぼす)こと、特に抗生又は殺菌(微生物阻害、又は特に死滅)活性を意味し、特にバクテリア細胞、原虫細胞、真菌細胞及び/又は藻類細胞のような微生物、或いは多細胞微生物、に対する直接的な部分的な又は完全な阻害効果、特に実施例にて言及した微生物に対する、特に抗バクテリア又は抗真菌性をもたらす、或いは広い意味で、ウィルス又はファージに対する阻害効果をもたらす。該効果は特に微生物の代謝、構造又は増殖(例えば細胞分裂又はそれに先行する工程)への悪影響、例えば毒性効果に基づく。
【0038】
防腐活性とは、特に物品(あらゆる形態にある品物)及び/又は材料が、物品又は材料
の構造成分に対する微生物の攻撃に起因する、特にその構造成分の1つ以上の分解による、分解活性に対して保護されることを意味する。例えば、医薬品組成物又は食品保存活性の場合、特に有効(active)薬品構成要素又はビタミンのような重要な食品成分が微生物による分解に対して保護されることを意味する。
【0039】
微生物付着阻害活性は、微生物による物品又は材料のコロニー形成が、減らされ、又は完全に壊滅されることを意味し、微生物又は微生物の定着を可能にする他の材料の結合を阻害する表面構造をもたらすことのような主に単なる構造上の効果に起因する。このように、その原理は微生物の生存能力に対する効果ではなく、材料上もしくは物品上又は材料中もしくは物品中に物理的に定着するための微生物の能力に対する効果である。
【0040】
適用、適用すること、添加又は添加することなどは特にコートすること、含浸すること又は混合することを意味する。
【0041】
バルク添加は特に、既に製造された材料又は物品への適用に相当するコーティング又は含浸とは対照的に、物品の材料又は材料に、(例えば出発材料、例えば顆粒、粉末、溶液などに混合することによって)その製造の間に1つ以上の式I及び/又はIIで表される化合物を含む化合物、化合物混合物、又は化合物もしくは化合物混合物を含む組成物を混合することによる材料への添加を指す。それはまた医薬品のための材料のような粉末への添加をも含む。
【0042】
原則として、式I、IIで表される化合物等は、均一な組み込み又は混合、不均一な組み込み又は混合、完全な又は部分的な含浸及び/又は完全な又は部分的なコーティングを含む、組み込み、混合、含浸、含浸すること及び/又はコーティングによって適用し得る。
【0043】
後述で抗菌性組成物と称し得る本発明に従う組成物は、唯一の成分としてもまた存在し得る式I、IIで表される化合物に加えて、バインダ、溶媒などのような1種以上の他の添加剤を含み得る。本発明はまた、本発明に従う化合物又はそのような組成物、そのような化合物の混合物又はそれらを含む組成物の使用を含む。
【0044】
本発明はまた、(特に好ましい)抗菌、防腐及び/又は微生物付着阻害効果を達成するために、キャリア、特に有機キャリア材料(成分(A))及び本発明に従う化合物又は化合物化合物混合物(成分(B))を含む、抗菌性組成物又はそれらの使用に関する。
【0045】
本発明の抗菌性化合物を作るための適するキャリアは、固体無機キャリア(天然又は合成セラミック、金属)、水性液又は半固体キャリア(例えばo/w分散液又はエマルジョン、プロセス水、洗濯液(laundry liquor)、家庭用又は布地ケア配合物、抗菌性配合物、ペイント配合物)、有機液及び半固体キャリア(例えば、w/o分散液又はエマルジョン、抗菌性配合物、ペイント配合物を含む化粧品製剤)、固体有機キャリア(プラスチック、ゴム、成形品、吹込成形品、フィルム、繊維、布地、不織布を含む)から選択し得る。
【0046】
特に興味深いのはまた、組成物がコーティング組成物であり及び成分(a)が有機フィルム形成バインダであるところの組成物である。
【0047】
特に興味深いのは、硬化後に透明なコーティングをもたらす透明なコーティング組成物である。
【0048】
組成物、例えばコーティングは、溶媒を有する(solvent borne)か又は
水性であり得る。水性組成物は、概してより環境に優しいと考えられる。本発明に従うコーティング又は他の組成物は、例えば本発明に従う化合物とバインダの水性分散液又は水をベースとしたコーティング又はペイントである。コーティング組成物は、好ましくはコーティング材料又はペイント、特に水性コーティング材料又は水性ペイントである。
【0049】
本発明の抗菌性組成物は、例えば生物蓄積に好都合な条件にさらされる表面に適用されるコーティングとして使用される。
【0050】
本発明の抗菌性組成物は、海洋ゲル−コート(marine gel−coat)、シェラック、ワニス、ラッカー又はペイントのような完全なコーティング又はペイント配合物の不可欠な要素であり得、又は該抗菌性組成物は本発明の化合物(又は混合物)とバインダのみ、又は本発明の化合物(又は混合物)、バインダ及び1種以上の添加剤を含み得る。そのようなコーティング配合物又は用途において見られる他の添加剤が、本発明の用途においても所望による使用を見出すであろうことが予想される。
【0051】
コーティング材料の例は、ラッカー、ペイント又はワニスである。それらは他の、所望による成分に加えて有機フィルム形成バインダを常に含有する。
【0052】
好ましい有機フィルム形成バインダは、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、アクリルコポリマー樹脂、ポリビニル樹脂、フェノール樹脂、スチレン/ブタジエンコポリマー樹脂、ビニル/アクリルコポリマー樹脂、ポリエステル樹脂、UV硬化性樹脂又はアルキド樹脂、又はこれら樹脂の2種以上の混合物、又はこれらの樹脂もしくはこれらの樹脂の混合物の水性塩基性又は酸性分散液、又はこれらの樹脂もしくはこれらの樹脂の混合物の水性エマルジョンである。
【0053】
ポリ[アルコキシアルカノエート−コ−3−ヒドロキシアルケノエート(PHAE)ポ
リエステル(例えば、Geiger等,Polymer Bulletin 52,65−70(2004)参照。)のような生体適合性コーティングポリマーもまた、本発明においてバインダとしての役目を果たし得る。
【0054】
特に興味深いのは、水性コーティング組成物のための有機フィルム形成バインダ、例えばアルキド樹脂;及び例えばエポキシアクリレートをベースとしたハイブリッド系である。
【0055】
本発明の化合物のための、更なるコーティング材料、バインダ系、配合方法は、同時係属特許出願の欧州特許第06114888.8号明細書において又は国際公開第04106311号パンフレット(後半の文書に記載される安定剤成分(B)の使用に相当する;特に70頁の最後の段落から79頁3段落目までに渡る範囲参照。)において記載される通りである。
【0056】
好ましくは、成分(B)は、キャリア又は有機材料の質量に対して、0.01ないし約40%の量でキャリアに含有され;好ましくは0.01ないし20%、特に0.01ないし10%、例えば0.01ないし5%の範囲の量で有機材料に添加される。
【0057】
コーティング系は、海洋コーティング、木材コーティング、金属のための他のコーティング並びにプラスチック及びセラミックを覆うコーティングを含む。海洋コーティングの例は、不飽和ポリエステル、スチレン及び触媒を含むゲルコートである。
【0058】
コーティングは、例えばハウスペイント、又は他の装飾的もしくは保護的なペイントである。それは、セメント、コンクリート又は他の石作り(masonry)物品に適用さ
れるペイント又は他のコーティングであり得る。該コーティングは基礎又は土台に関して防水剤であり得る。
【0059】
抗菌性組成物は海洋用途及びプールエリアの近くでの使用を意図しているので、該組成物は階段、道及び手すりのためのコーティングを含む滑り止めコーティングに不可欠な要素であり得る。
【0060】
コーティング組成物は、スピンコーティング、浸漬コーティング、吹付けコーティング、ドローダウン(draw down)を含むいずれかの従来の手段によって、又はブラシ、ローラーもしくは他の塗布具によって、表面に適用される。乾燥又は硬化時間が通常必要とされる。含浸については、圧力含浸又は圧力適用無しの含浸を使用することも可能である。
【0061】
抗菌性組成物は、家具の艶出し剤のような艶出し剤、又はグリコールもしくは鉱油分散液のような分散剤又は界面活性剤配合物又は例えば木材保護、紙又は厚紙(cardboard)の保護などに使用されるような他の配合物に不可欠の要素であり得る。
【0062】
有用な界面活性剤の例は、これらに限定されないが、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオエート(PST)、ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート(PSH)、ポリオキシエチレン6トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン12トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン18トリデシルエーテル、トゥイーン(登録商標:Tween)界面活性剤、トリトン(登録商標:Triton)界面活性剤を含む、ポリオキシエチレンベースの界面活性物質、及びプルロニック(登録商標:Pluronic)及びポロキサマー(登録商標:Poloxamer)製品シリーズ(BASF社製)のようなポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーを含む。他の基質(matrix)形成成分は、デキストラン、線状PEG分子(MW500ないし5,000,000)、星形PEG分子、くし形及びデンドリマー状(dendrimeric)、ハイパーブランチPEG分子、並びに類似の線状、星、及びデンドリマーポリアミンポリマー、及び様々な炭酸、ペルフルオロ化(例えばデュポン社製、ゾニル(登録商標:Zonyl)フルオロ界面活性剤)及びシリコン化(例えば、ジメチルシロキサン−酸化エチレンブロックコポリマー)界面活性剤(本発明のもの以外)を含む。
【0063】
本発明の抗菌性組成物の幅広い適用を考慮すると、該組成物は、下記に列挙した材料のような、酸化防止剤、UV吸収剤、ベンゾフラノ−2−オン、ポリアミド安定剤、金属ステアレート、核剤、充填材、強化剤、透明剤、改質剤、酸掃去剤、潤滑剤、乳化剤、染料、顔料、分散剤、界面活性剤、蛍光増白剤、流れ調整剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、チキソトロープ剤、定着剤、光安定剤、硬化触媒、促進剤、阻害剤などのような1種以上の他の添加剤、又はそれらの混合物を含有し得る。
【0064】
1.酸化防止剤
1.1.アルキル化モノフェノール、
例えば2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール
1.2.アルキルチオメチルフェノール、
例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、
1.4.トコフェロール、
例えば、α−トコフェロール
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、
1.6.アルキリデンビスフェノール、
例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物
例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート
例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物
例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、
1.10.トリアジン化合物
例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、
1.11.ベンジルホスホネート
例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート
1.12.アシルアミノフェノール
例えば、4−ヒドロキシラウラニリド
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、
1.14.β−(5−第三−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価又は多価アルコールとのエステル、
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
1.19.アミン系酸化防止剤
例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン
2.UV吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン
例えば、4−ヒドロキシ誘導体、
2.3.置換された及び未置換の安息香酸のエステル
例えば、4−第三ブチル−フェニルサリチレート
2.4.アクリレート、
例えばエチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート
2.5.ニッケル化合物、
例えば2,2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体
2.6.立体障害性アミン、
例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
2.7.オキサミド、
例えば4,4'−ジオクチルオキシオキサニリド
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
3.金属奪活剤、
例えばN,N'−ジフェニルオキサミド、
4.ホスフィット及びホスホナイト、
例えばトリフェニルホスフィット、
5.ヒドロキシルアミン、
例えばN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、
6.ニトロン
例えばN−ベンジル−アルファ−フェニルニトロン、
7.チオ相乗剤、
例えばジラウリルチオジプロピオネート、
8.過酸化物捕捉剤、
例えばβ−チオジプロピオン酸のエステル
9.ポリアミド安定剤、
例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガン塩。
10.塩基性補助安定剤
例えばメラミン
11.核剤、
例えば滑石、金属酸化物のような無機物質、
12.充填材及び強化剤、
例えば炭酸カルシウム、珪酸塩
13.その他の添加剤、
例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎加工剤、帯電防止剤及び発泡剤。
14.ベンゾフラノン及びインドリノン、
例えば米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書;欧州特許出願公開第0591102号;欧州特許出願公開第1291384号明細書に開示されたもの;(国際公開第04106311号パンフレットの55ないし65頁の記載参照、また参照することによって本明細書に組み込まれる)。
【0065】
付加的な添加剤、特に安定剤は、例えば、材料又は物品の総質量に関して、0.01ないし10%、例えば0.2ないし5%の濃度で添加される。
充填材、難燃剤等のような、特定の添加剤もまた、有機ポリマー基質の質量に基づき、例えば50%まで、特に30%までのより高い荷重で使用され得る。
【0066】
成分(B)及び、必要に応じて、更なる添加剤の“バルク”ポリマー状有機材料への配合は、既知の方法、例えば成形前又は成形中に、あるいは溶解した又は分散した化合物をポリマー状有機ポリマーに適用することによって行われ、適切な場合には、その後の溶媒のゆっくりとした蒸発を伴う。成分(B)はまた、材料に、例えば5ないし50質量%の成分(B)を含有するマスターバッチもしくはコロイド状ゾル又はオルガノゾルの形態で添加し得る。
【0067】
有機キャリア材料の好ましい類は、国際公開第04106311号パンフレット(以下参照)で定められたようなポリマー、特に合成ポリマー、例えば熱可塑性ポリマーである。
ポリアミド、ポリウレタン及びポリオレフィンが特に好ましい。好ましいポリオレフィンの例は、ポリプロピレン又はポリエチレンである
【0068】
成分(B)はまた、重合前もしくは重合中に又は架橋前に添加し得る。
成分(B)は、純粋な形態で材料中に配合され得るか、ワックス、オイル又はポリマー中に封入し得る。
成分(B)はまた、材料上に粉末として吹付け又は適用し得る。
【0069】
上述のように処理された材料は、様々な形態で、例えばフィルム、繊維、リボン、成形材料、形材(profile)、コーティングとして、又はペイント、接着剤もしくはセメントのためのバインダとして使用し得る。
【0070】
本発明の抗菌性(例えば、防汚)組成物は、コーティング又はフィルム、材料に混合するための組成物、及び/又は材料及び/又は製品を含浸するための組成物であり得る。該抗菌性組成物が、例えば接着剤の使用又はカレンダー加工及び同時押出を含む溶融適用によって、表面に適用される熱可塑性フィルムである場合、バインダはフィルムの製造に使用される熱可塑性ポリマー基質である。
【0071】
抗菌性組成物が例えばコーティングである場合、それは溶液又は懸濁液、ペースト、ゲル、オイルとして適用し得、又はコーティング組成物は固体、例えば熱、UV光又は他の方法によってその後に硬化される粉末コーティングであり得る。本発明の抗菌性組成物はコーティング又はフィルムであり得るので、バインダはコーティング配合物又はフィルム製剤において使用されるあらゆるポリマーからなり得る。
【0072】
本発明の化合物の配合の更なる方法は、本明細書に示されるUV充填材に対して国際公開第04106311号パンフレット、66頁、最後の段落から69頁第2段落目を含む一節に記載されているものを含む。この一節は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0073】
化合物、又は化合物の混合物、又はそのような化合物もしくは混合物を含む組成物がコーティングとして、又はバルクで適用され得る材料の例は、特に有機材料、好ましくは合成材料であり、それは好ましくはポリマー(該ポリマーはそれらを含む又は特にそれらから成る物品の成形においても使用され得る)から作られ、例えば熱可塑性、エラストマー性、本質的に架橋されたもしくは架橋されたポリマー、又はそれらの前駆物質の混合物(例えばモノマー)、特に国際公開第04106311号パンフレットの1ないし29項に記載されるような合成材料であり、用語“合成ポリマー又はポリマー前駆物質を含む(特に合成ポリマー又はポリマー前駆物質から成る)材料”は、特にこれらの材料並びに以下に記載された及びアスタリスクの印のついた更なる材料に関する。
【0074】
30.*2種以上の上述のポリマー又はブレンドのプレポリマー状モノマー又はオリゴマ
ー。
31.*天然ゴム及び/又は好ましくは*合成ゴムの水性エマルジョン、例えば天然ラテックス又は好ましくはカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーの*ラテックス。
32.純モノマー状化合物又はそのような化合物の混合物である天然生成の及び合成*
機材料。
33. 希釈剤、反応性(例えば、架橋性)希釈剤における又は重合可能なもしくは架橋
モノマーにおける、又はそれらすべての混合物における、コロイド状ナノ粒子の安定な液体懸濁液としての、*ゾル、特に有機ゾル。
【0075】
“他のモノマー状化合物”は、非ポリマー材料に言及し得、例えば、(キャリア材料を
伴う又は伴わないで)薬剤の粉末、分散液又は溶液、もしくは他のより小さい、非ポリマーの化学的な存在物、例えば相対分子量が2000まで、好ましくは1000又はそれ以下のものである。
【0076】
コート(積層化を含む)及び/又は含浸された表面は、生物付着条件にさらされるいずれかの基材(本明細書中で用いられた材料又は製品についての他の用語)の表面である。該基材は、無機又は有機基材であり得、例えば金属又は合金をベースとしている;上述されたような熱可塑性、エラストマー状、本質的に架橋された又は架橋されたポリマー;木材又はゴムのような天然ポリマー;セラミック材料;ガラス;糸;不織布材料(例えばPP不織布のような、おむつ用のものなど);紙;皮又は他の織物(textile)(例えば綿、ウール、ラテックス及び又は合成繊維からの、例えば衣料用、工業用途用、キャンバス用など)であり得る。
【0077】
前記基材は、例えば、シリカ、二酸化シリコーン、酸化チタニウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、炭素、シリコン、様々なシリケート及びゾル−ゲル、石材(masonry)のような非金属無機表面、並びにガラス繊維及びプラスチック用材(ポリマー及びかんな屑、木粉又は他の木材粒子のブレンド)のような複合材料であり得る。
【0078】
無機又は有機基材は、例えば、金属又は合金、熱可塑性ポリマー、エラストマー状ポリマー、本質的に架橋された又は架橋されたポリマー、セラミック材料又はガラスである。
【0079】
基材は、それぞれの層において同一又は異なる成分から構成された多層物品であり得る。コートされ、積層され及び/又は含浸された表面は、既に適用されたコーティング又は積層体の露出した表面であり得る。
【0080】
コートされた(この用語は積層されることを含む)及び/又は含浸された無機又は有機基材は、あらゆる固体形態であり得る。
【0081】
例えば、ポリマー基材はフィルム、射出成形物品、押出加工物、繊維、フェルト、不織布又は織布の形態にあるプラスチックであり得る。
【0082】
例えば羽目板、看板(fascia)及びメールボックスのような耐久財の作成又は製造において使用される成形又は押出ポリマー物品は、安定剤補充のための本発明の方法により全面的に益を得る。
【0083】
本発明に従う使用又は方法により益を得るプラスチックは、これらに限定されないが、屋外用家具、ボート、羽目板、屋根材、窓ガラス(glazing)、保護フィルム、デカルコマニア、シーリング材、プラスチック用材及び繊維強化複合材のような複合材、ディスプレイに使用されるフィルムを含む機能性フィルム並びにほろのような合成繊維から作られる物品、キャンバス又は帆に使用されるような布地及び屋外用マットのようなゴム物品及びこの開示に引用される他の使用を含む耐久財又は機械部品の作成又は製造に使用されるプラスチックである。そのようなプラスチックの例は、ポリプロピレン、ポリエチレン、PVC、POM、ポリスルホン類、スチレン類、ポリアミド類、ウレタン類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、アクリル類、ブタジエン、熱可塑性ポリオレフィン類、アイオノマー類、不飽和ポリエステル並びにABS、SAN及びPC/ABSを含むポリマー樹脂のブレンドである。
【0084】
本発明はまた、本発明に従う化合物がコーティング配合物又は後で物品の表面に適用されるフィルムに配合されるところの、表面及び/又は材料の生物付着を防ぐ方法を提供する。
【0085】
本発明の抗菌性組成物の用途の例は、損傷を受け易い(vulnerable)表面、例えば船殻、船渠表面又は循環又は通過水システムにおける配管内部、雨水に曝される壁、シャワーの壁、屋根、樋、プールエリア、サウナ、地下室又はガレージのような湿潤環境に曝される床及び壁、道具箱(housing of tools)及び屋外用家具、に適用される、表面コーティング、保護ペイント、含浸組成物、他のコーティング及び積層材である。
【0086】
例えば、本発明の抗菌性組成物は、中でも、艇殻、船渠、ブイ、ドリリングプラットホーム、ヴァラストウォータータンク、機械、機械部品、レクリエーション用品、空調システム、イオン交換装置、プロセス水システム、他の工業用水システム、太陽電池装置、熱交換器、排水ポンプ、排水システム、屋根材、地下室、壁、壁面、温室、納屋、保管場所、ほろ、庭用柵材、木材保護、テント屋根材、布地、屋外用家具、ドアマット、公衆トイレ、浴室、シャワー、水泳プール、サウナ、接合材、シーリング化合物、公的輸送機関、ロッカールームなどの表面及び/又はそれらの材料中において見出される。
【0087】
プロセス水は、閉じた又は開いた循環システムにおける加熱又は冷却目的で使用されるあらゆるプロセス水流を含む。
【0088】
微生物及び生物によるコロニー形成に対して活性であるために、本発明に従う化合物又は抗菌性組成物は、もう一つの方法として又はコーティング及び/又は含浸に使用することに加えて、製品又は物品を形成するために使用される材料又は中間製品に、例えばオリゴマー−及び又はプレポリマー混合物又は溶融物(押出又は成形のための)に又は天然もしくは特に合成材料から物品を形成するために使用される成分に、又は例えばプレスボード又は擬プレスボードの製造において木材又は他のチップを接着するために使用されるにかわ又は他の接着材料に、接着剤、セメント又は他のモルタルもしくはコンクリート成分に、モルタルに、樹脂に、溶液などに混合され得る。
【0089】
本発明に従う抗菌剤は、化粧品配合物、ホームケア組成物又は医薬品組成物における抗菌剤としてもまた適し、特にそれらの抗菌又は防腐効果を利用し、さらにまた抗付着効果ゆえに、抗菌性製剤としてトータルで以下のように言及される。例えば、抗菌剤化粧用パーソナルケア用途、例えば消臭剤、皮膚、毛髪及び口腔ケア製品、及び硬い表面の洗浄及び消毒のためのホームケア用途において洗い流す製品、及び布地ケア用途、例えば液体洗剤及び柔軟剤、又は化粧品配合物もしくは医薬品組成物である。いずれの場合にも、抗菌性製剤は、本発明に従う抗菌剤に加えて、1種以上の更なる抗菌剤を含み得る。
【0090】
抗菌性製剤は、慣用の方法を使用して抗菌剤と補助剤とを物理的に混合することによって、例えば個々の成分を一緒に単に攪拌することによって、特に既知の抗菌剤の溶解性を利用することによって製造され得る。
【0091】
本発明において付加的に使用し得る更なる抗菌剤は、当業者に既知である。
【0092】
キレート剤との組み合わせもまた、本発明の抗菌剤の抗菌活性を改善し得る。
【0093】
本発明の抗菌性製剤は、さらに約0.05質量%ないし約10質量%のアニオン性界面活性剤を含み得る。
【0094】
本発明の組成物に有用なアニオン性泡立て(lathering)界面活性剤の非限定例は、The Manufacturing Confectioner Publishing Co.刊行,北米版(1990),McCutcheon’s,Deterg
ents and Emulsifiers;北米版(1992),McCutcheon’s,Functional Materials;及び1957年12月30日に発行されたLaughlin等の米国特許第3,929,678号明細書において開示され、それらの全ては参照することによって組み込まれる。
【0095】
本発明の抗菌性製剤は、更に非イオン性界面活性剤を含み得る。典型的な非イオン性界面活性剤は、酸化エチレンと、それに対し反応性の、長い疎水性鎖を有する様々な反応性水素含有化合物との縮合生成物である。
【0096】
本発明の抗菌性製剤はまた、プロトン供与剤を、最も好ましくは約1質量%ないし約5質量%、含み得る。
【0097】
本発明の抗菌性製剤に要求される低刺激性(mildness)を達成するために、皮膚に対する低刺激性を高めるための所望による原料が添加され得る。これらの原料は、カチオン性及び非イオン性ポリマー、補助界面活性剤(co−surfactant)、保湿剤並びにこれらの混合物を含む。
【0098】
他の低刺激性エンハンサー類は、親油性皮膚保湿剤が使用者の皮膚に塗られた場合、使用者に保湿のメリットを与える脂質皮膚保湿剤である。抗菌性パーソナル洗浄組成物に親油性皮膚保湿剤が使用される場合、それらは最も好ましくは組成物の約0.5質量%ないし約5質量%のレベルで用いられる。
【0099】
多種多様な脂質系材料及び材料の混合物が、本発明の抗菌性製剤における使用に適する。好ましくは、親油性皮膚調整剤は炭化水素油又はワックス、シリコーン、脂肪酸誘導体、コレステロール、コレステロール誘導体、ジ−及びトリ−グリセリド、植物油、植物油誘導体、1971年8月17日に発行されたマットソンの米国特許第3,600,186号明細書、並びに1977年1月25日に発行されたジャンダセック(Jandacek)等の米国特許第4,005,195号明細書及び第4,005,196号明細書に記載されるもの(前記文献の全てが参照することによって本明細書に組み込まれる。)のような液体非消化性油(liquid nondigestible oil)、又は1989年1月10日に発行されたジャンダセック(Jandacek)の米国特許第4,797,300号明細書;1994年4月26日に発行されたレトン(Letton)の米国特許第5,306,514号明細書、第5,306,516号明細書及び第5,306,515号明細書に記載されるもの(前記文献の全てが参照することによって本明細書に組み込まれる。)のような液体消化性又は非消化性油と固体ポリオールポリエステルとのブレンド、及びアセトグリセリドエステル、アルキルエステル、アルケニルエステル、ラノリン及びその誘導体、牛乳のトリグリセリド(milk tori−glyceride)、ワックスエステル、蜜ろう誘導体、ステロール、リン脂質及びこれらの混合物からなる群から選択される。脂肪酸、脂肪酸石けん及び水溶性ポリオールは、特に親油性皮膚保湿剤の我々の定義から除外される。
【0100】
親油性皮膚保湿剤が、本明細書の抗菌性製剤において低刺激性エンハンサーとして用いられる場合、好ましくは抗菌性製剤の約0.1質量%ないし約5質量%のレベルで安定剤も含まれ得る。本明細書で使用される安定剤は界面活性剤ではない。安定剤は、改善した貯蔵及び応力安定性をもたらす。
【0101】
本発明の抗菌性製剤は、広範囲の所望による原料を含み得る。本明細書中に参照することにより組み込まれるCTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary、第6版、1995年は、本発明の抗菌性製剤における使用に適する、スキンケア産業において通常使用される多種多様な限定されない
化粧品及び医薬品原料を記載する。機能性の種類の原料の限定されない例は、この文献の537頁に記載されている。
【0102】
これらの機能性クラスのものの例は、研磨剤、抗アクネ剤(anti−acne agent)、凝結防止剤、酸化防止剤、バインダ、生物添加剤(biological additive)、増量剤、キレート剤、化学添加剤、着色材、化粧品用収斂剤(cosmetic astringent)、化粧品用殺生剤(cosmetic biocides)、変性剤(denaturant)、薬用収斂剤(drug astringent)、乳化剤、外用鎮痛薬、フィルム形成剤、芳香成分(fragrance component)、湿潤剤、乳白剤、可塑剤、防腐剤、液体発泡剤、還元剤、皮膚漂白剤(skin bleaching agent)、皮膚調整剤(皮膚軟化剤、湿潤剤、その他のもの、及び閉鎖剤(occlusive))、皮膚保護剤、溶媒、気泡増進剤(foam booster)、ヒドロトロープ、可溶化剤、沈殿防止剤(非界面活性剤)、日焼け防止剤、紫外線吸収剤、及び粘度増加剤(水性及び非水性)を含む。当業者によく知られている、ここで有用な材料の他の機能性クラスの例は、可溶化剤、金属イオン封鎖剤、及び角質溶解剤などを含む。
【0103】
本発明の抗菌剤は、原料として多種多様な化粧品製剤に使用し得る。例えば、特に1種以上の下記製剤が考えられる:スキンケア製剤、浴用製剤(bath preparation)、化粧用パーソナルケア製剤、フットケア製剤;光保護製剤、スキンタンニング製剤(skin−tanning preparation)、脱色製剤(depigmenting preparation)、防虫剤(insect−repellent)、消臭剤、制汗剤、傷ついた(blemished)皮膚のための洗浄及びケア用調製剤、化学形態にある脱毛製剤(脱毛)、シェービング製剤、芳香製剤又は化粧用ヘアトリートメント製剤など。
【0104】
最終配合物は、多種多様な存在形態で、例えばW/O、O/W、O/W/O、 W/O/W又はPITエマルジョン及び全ての種類のミクロエマルジョンのような液体製剤の形態で、ゲル、オイル、クリーム、ミルクもしくはローション、粉末、ラッカー、タブレットもしくはメーキャップ、スティック、スプレーもしくはエアゾール、泡、又はペーストの形態で存在し得る。
【0105】
本発明の抗菌剤は、(特に本明細書において新規であると記載されるもの又はそれらの使用(の方法)に関して但し書きつきでここに定義されるもの)また口腔細菌に対して、及び歯垢防止効果、歯肉炎防止作用を改善するために、及び歯周炎(paradontitis)を減らす助けをするために使用し得る。
【0106】
活性は、2,4,4’トリクロロ2’−ヒドロキシジフェニルエーテルのような例えばクロルヘキシジン又はフェノール系物質のような他の抗菌作用剤又は歯垢防止及び歯肉炎防止作用剤との組み合わせによって改善し得る。
【0107】
単独で又は1種以上の上記抗菌剤及び歯垢防止剤と組み合わせた本発明の抗菌剤を含有する典型的な口腔製剤は、例えばマウスリンス(mouthrinse)、歯磨き粉又はゲル歯磨き剤のような半固体、チューインガム又は固体ロゼンジなどである。
【0108】
さらに、口腔組成物は、艶出剤、湿潤剤、水、天然又は合成増粘剤又はゲル化剤、エタノール又はイソプロパノールのようなアルコール、カチオン系、アニオン系又は非イオン系であり得る有機界面活性剤、香料剤、甘味剤、歯覚過敏(teeth sensitivity)を軽減するために使用される薬剤、過酸化尿素及び過酸化水素のような白色剤、安息香酸ナトリウムのような防腐剤、虫歯に対して保護するためのフッ化物イオンを放
出する物質、及び/又はクロロフィル化合物及び/又はウレア、リン酸二アンモニウム及びそれらの混合物のようなアンモニアと化合した化合物のような他の薬剤を含み得る。
【0109】
抗細菌促進剤(antibacterial enhancing agent)は、口腔組成物に含まれ得る。
【0110】
好ましくは、抗細菌促進剤は、繰り返し単位を鎖又は骨格中に含有するアニオン性ポリマーであって、前記鎖中に繰り返し単位の各々が、好ましくは、少なくとも1つの炭素原子と、好ましくは少なくとも1つの直接的に或いは間接的に垂れ下がった一価のデリバリー増強基(delivery−enhancing group)及び好ましくは少なくとも1つの直接的に或いは間接的に垂れ下がった一価のリテンション増強基(retention−enhancing group)とを含有し、好ましくは隣接して、さもなくばあまり好ましくないが原子、好ましくは炭素と結合する、アニオン性ポリマーであり得る。
【0111】
本発明の抗菌剤は、特にこれらの使用に関する但し書きを考慮のもと洗濯洗剤及び/又は布地ケア組成物を添加剤としてまた使用し得る。本発明の洗濯洗剤及び/又は布地ケア組成物は、好ましくは更にカチオン系、アニオン系及び/又は非イオン系界面活性剤、及び/又は漂白剤から選択される洗剤原料を含む。
【0112】
本発明に従う抗菌性洗濯洗剤及び/又は布地ケア組成物は、液体、ペースト、ゲル、棒(bar)、タブレット、スプレー、泡、粉末又は顆粒形態であり得る。顆粒状組成物はまた、“圧縮”形態であり得、液体組成物はまた“濃縮”形態であり得る。
【0113】
本発明の組成物は、例えば、手洗い及び機械による洗濯洗剤組成物として調合し得る。
【0114】
洗濯機による洗浄方法における使用に適する組成物として調合される場合、本発明の洗濯洗剤及び/又は布地ケア組成物は、好ましくは界面活性剤及びビルダー(builder)化合物の両方並びに付加的に有機ポリマー化合物、漂白剤、付加的な酵素、泡抑制剤(suds suppressors)、分散剤、ライム石鹸(lime−soap)分散剤、土壌懸濁液及び再付着防止剤及び腐食防止剤から好ましくは選択される1種以上の洗剤成分を含む。洗濯組成物は、また付加的な洗剤成分として柔軟剤も含有し得る。
【0115】
本発明の洗濯洗剤及び/又は布地ケア組成物は、また最も日常的に使用され、ジ−長鎖アルキル塩化アンモニウム又は硫酸メチルを有する、不水溶性第四級アンモニウム布地柔軟作用剤又は対応するアミン前駆物質を含むカチオン系布地柔軟成分を含有し得る。
【0116】
本発明の洗濯洗剤及び/又は布地ケア組成物はまた、両性、両性イオン性、及び半極性界面活性剤を含有し得る。
【0117】
洗濯洗剤及び/又は布地ケア組成物は、洗浄性能、布地ケア及び/又は衛生化の利益をもたらす1種以上の酵素をさらに含み得る。本発明に従う抗菌性洗濯洗剤組成物は、更にビルダー系を含み得る。従来のどのビルダー系でも本明細書での使用に適する。本明細書での抗菌性洗濯洗剤及び/又は布地ケア組成物は、また所望による1種以上の鉄及び/又はマンガンキレート剤を含有し得る。
【0118】
ここでの抗菌性洗濯洗剤組成物は、また水溶性メチルグリシン二酢酸(MGDA)塩(又は酸形態)を、例えばゼオライト、層状シリケートなどのような不溶性ビルダーとともに有用なキレート剤又はコビルダーとして含有し得る。
【0119】
他の所望による原料は、シリコーン及びシリカ−シリコーン混合物により例示される泡抑制剤である。
【0120】
土壌懸濁剤、汚れ剥離剤(soil−release agent)、蛍光増白剤、研磨剤、殺菌剤、曇り防止剤、着色剤、及び/又はカプセル化もしくは非カプセル化香料が用いられ得る。
【0121】
本発明の洗濯洗剤及び/又は布地ケア組成物は、分散剤をまた含有し得る:適する水溶性有機塩は、ポリカルボン酸が2個以下の炭素原子によって互いに分かれている少なくとも2個のカルボキシル基を含む、ホモ−もしくはコ−ポリマー酸又はそれらの塩である。
【0122】
本発明の洗濯洗剤及び/又は布地ケア組成物はまた、布地を着色することを含む布地洗濯作業の間に引き起こされる可溶化及び懸濁された染料の一つの布地から別の布地への染料移動を抑止するための化合物を含む。
【0123】
本発明に従う抗菌剤はまた織物に適用され得、処理は織物の染色前、染色の間又は染色後に(後処理として)行われ得る。抗菌剤の適用は、例えば、吸尽(exhaustion)プロセス、パジング、吹付けによって、及び泡適用によって行い得る。
【0124】
本発明に従う抗菌剤は、水性配合物として希釈、可溶化、乳化又は分散形態で適用され得る。
【0125】
そのような水性配合物は、付加的に少量の有機溶媒、界面活性剤、分散剤、及び/又は乳化剤を含み得る。
【0126】
パジングは、従来のパジングプロセスに従い行われ得る。例えば、織物材料は抗菌剤を含む水溶液に通され、該織物材料は規定の液体ピックアップ率まで絞られそして次に固定工程、好ましくは熱処理が行われる。
【0127】
水性液(パジング液)における本発明に従う抗菌剤の量は、通常0.001質量%ないし10質量%であり、0.01質量%ないし5質量%の抗菌剤の量
が好ましい。
【0128】
固定工程は、通常熱処理によって、例えば60ないし150℃、特に90ないし150℃の温度で行われる。
【0129】
パジングプロセスは、通常、織物材料が連続的に抗菌剤を含有する水性液を経る連続プロセスとして行われる。
【0130】
吸尽プロセスによる抗菌剤の適用は、通常、2ないし9、4ないし7のpH値、並びに50ないし100℃及び特に80ないし100℃の温度で水性液から行われる。選択される液比は、広い範囲内、例えば1:5ないし1:50、好ましくは1:5ないし1:30で変わり得る。
【0131】
抗菌剤が染浴に使用される量は、幅広い制限内で変わり得る;処理されるべき品物に基づき、0.01ないし10質量%、特に0.01ないし5質量%の量が一般的に有利であると分かった。
【0132】
吹付けは、従来の吹付けプロセスに従い行われ得る。これらのプロセスによれば、本発明に従う抗菌剤を含む水性液が織物材料上に吹付けられる。水性液中の抗菌剤の量は、通
常、水性液の質量に基づき、0.001質量%ないし10質量%、特に0.01質量%ないし10質量%である。0.1質量%ないし10質量%の抗菌剤の量が好ましい。そのような吹付けプロセスは、特に抗菌剤をカーペットのような織物材料に適用するのに適する。そのような好ましいプロセスによれば、複数の吹付けノズルが、例えばカーペットの、動く方向に対して横向きの吹付け線に配列される。抗菌剤は、吹付けノズルによって、例えば圧力の効力によって水性液として適用される。
【0133】
吹付け後、パジング工程の場合に上述したような熱処理によって遂行され得る固定工程が通常行われる。
【0134】
吹付けはまた、ソファ又は靴のような、革を含む織物材料の表面に水溶液の形態で抗菌剤を適用するために使用され得る。
【0135】
本発明に従う抗菌剤はまた、泡適用によって織物材料に適用され得る。この適用に関しては、吹付けプロセスのための上記条件及び上記に与えられた選択の全てがあてはまる。しかしながら、本発明に従う抗菌剤は、通常、付加的に泡安定剤を含有し及び他の慣用の添加剤を含み得る水性泡の形態で適用される。そのようなプロセスはまた、特にカーペットを処理するために適する。
【0136】
吸尽、パジング、吹付け又は泡適用は、染料と一緒に織物材料に抗菌剤を適用することによって(例えば染色プロセスにおいて)又は仕上げ工程のような、他の織物に関するプロセスにおいて行われ得る。染料の存在下、抗菌剤を用いた処理を行うことが好ましい。
【0137】
これらのプロセスが染料の存在無しで行われる場合、仕上げ工程で抗菌剤を適用することが好ましい。
【0138】
織物産業で通常使用される一部のポリマー状及びオリゴマー状物質の使用は、望ましい抗菌効果の持続性を更に改善するための助けとなり得る。そのような物質は、これらに限定されないが、様々な織物材料に簡単なケア及び/又は他の特性をもたらす樹脂仕上げ剤、柔軟剤、コーティング材料、固定剤及び/又は親水性及び疎水性の薬剤、難燃剤等のような他の仕上げ剤を含む。経済性及び加工利便性の観点から、抗菌処理が織物産業に見出される多くの他の異なるタイプの処理と一緒に行われることは言うまでもない。
【0139】
本発明に従う抗菌剤の適用はまた、染色プロセスにおいて行われ得る。そのようなプロセスに対して、上記条件及び選択があてはまる。適する染料は、分散染料、塩基性染料、酸性染料、直接染料又は反応性染料である。反応性染料は、特に天然ポリアミド−又はセルロース−含有織物材料に適する。直接染料は、特にセルロース−含有織物材料に適する。前記染料は、アクリドン、アゾ、アントラキノン、クマリン、ホルマザン(formazane)、メチン、ペリノン、ナフトキノン−イミン、キノフタロン、スチリル又はニトロ染料を含む、異なる染料類に属し得る。染料の混合物もまた使用され得る。
【0140】
染色プロセスにおいて抗菌剤を使用する場合、織物材料がそれらの化合物で初めに処理されそして次に染色が行われる又は、好ましくは織物材料が抗菌剤と染料で同時に処理されるという手順であり得る。しかしながら、抗菌剤の適用はまた、前もって準備された染色に引き続いてなされ得る。
【0141】
本発明に従う抗菌剤の適用を含む染色プロセスの後、織物材料は上記の熱処理のような固定工程を受けさせられ得る。
【0142】
抗菌剤で処理され得る織物材料は、例えば、天然又は合成ポリアミド(羊毛、絹、ナイ
ロンのような)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル及び全ての種類のセルロース含有織物材料、例えば綿、リネン、ジュート及び麻のような天然セルロース繊維、及びまたビスコースステープル繊維及び再生セルロース;又はポリアクリロニトリル/ポリエステル、ポリアミド/ポリエステル、ポリエステル/綿、ポリエステル/ビスコース及びポリエステル/羊毛のような上記繊維材料のブレンドを含む材料である。
【0143】
好ましい織物材料は、羊毛、合成ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びセルロース含有織物材料、好ましくは綿又は羊毛及び特に綿を含むものである。
【0144】
織物材料は、織物もしくは編物のような又は反物例えばニットグッズ(knitgoods)、不織布(nonwoven textile)、カーペット、糸及びステープルファイバーのような、異なる提示形態であり得る。不織布材料及び特にカーペットが好ましい。
【0145】
処理された布地又は本発明の化合物を含有する材料から作られた製品について、多数の最終使用物品の名を挙げ得る。例は、カーペット及びラグ、ピロケース、ベッドの裏地、ベッドのシーツ、マットレス(matrices)及びマットレス表がわ(matrices ticking)、カーテン、羽毛布団及び羽毛布団ケース、椅子張り、靴下、靴、靴インレイ(shoe inlay)、被服を含むがこれらに限定されるものではない。
【0146】
本発明の化合物の抗菌性及び(特に生物、特に微生物によるコロニー形成に関しての)抗付着性は、標準的な手順に従い、例えば実施例において言及される方法によって測定し得る。そのような試験は、本発明に従う化合物の優れたないし非常に優れた抗菌活性を示す。
【0147】
下記実施例は、例示を目的としているだけであり、またいかなる方法によっても本発明を制限するために構成されるものではない。室温(r.t.)は、20ないし25℃の範囲での温度を表現し;一晩は12ないし16時間の範囲の期間を示す。パーセンテージは、特に他の指示がない限り質量に基づく。
実施例又はそれ以外で使用される略記:
M 1リットル当たりのモル濃度
DMF ジメチルホルムアミド
MS 質量スペクトル
GC ガスクロマトグラフィ
PMMA ポリメチルメタクリレート
【0148】
製造例
抽出物
【化7】

抽出物A及びBは、統計的オーダーで繰り返し単位を含有する。抽出物Bは、およそ10:1の比であるx:yを有する、鎖において平均数250のSi原子を含有する。両方の抽出物は、ドイツ国、ワッカー(Wacker)社から市販されている。
【0149】
11−ブロモウンデカノイルクロリドの合成
11−ブロモウンデカノン酸20.0g(0.0754mol)を、DMF0.28g(0.05当量)存在下ジクロロメタン20mL中に投入した。反応混合物を還流するために加熱し、塩化チオニル10.68g(0.0905mol)を39℃で1時間40分にわたり滴下添加した。39℃で3時間後、該反応混合物を室温まで冷却し、乾燥まで蒸発し、予期された化合物7.9gを回収した。
【0150】
実施例1ないし3:
【化8】

【0151】
1.11−ブロモウンデカノイルクロリドを用いたシロキサンカルビノール(A)の官能化(ポリマーA1、R5=ブロモデシル)
抽出物A15.21g(0.01375molアルコール官能性(functionality))をトリエチルアミン5.56g(0.055mol)を用いてジクロロメタ
ン60mL中で希釈した。混合物を40℃まで加熱し、そして11−ブロモウンデカノイルクロリド15.59g(0.055mol)を40分間以上かけて滴下添加した。(発熱量(exotherm))。40℃で7時間後、該混合物を室温まで冷却し、そして水/酢酸(pH2)で3回洗浄した。有機層を乾燥まで蒸発し、27.5gのポリマーA1
を黄色油として回収した。
CD2Cl2におけるNMR:
S,0ppm,54H;m,0.4ppm,8H;m,1.2ppm,40H;m,1.3ppm,8H;m,1.5ppm,16H;m,1.75ppm,8H;t,2.2ppm,8H;m,3.3ppm,16H;t,3.5ppm,8H;t,4.05ppm,8H
【0152】
2.ポリマーA2を回収するためのN,N−ジメチルデシルアミンを用いたポリマーA1の四級化
実施例1の生成物9g(0.0043mol)及びN,N−ジメチルデシルアミン31.88g(0.1720mol)を一緒に投入し、そして72時間66℃で加熱した。冷却後、油状生成物をヘキサンで4回洗浄した。該生成物を乾燥まで蒸発し、10.95gの暗黄色油としてポリマーA2を回収した。
GC対照(control)は、4ないし5%の残存フリーアミンを示した。
CD2Cl2におけるNMR:s,0ppm,54H;m,0.4ppm,8H;t,0.8ppm,12H;m,1.25ppm,104H;m,1.5ppm,16H;m,1.65ppm,16H;m,2.2ppm,8H;s,3ppm,24H;m,3.15ppm,16H;t,3.3ppm,8H;t,3.5ppm,8H;t,4.05ppm,8H。
【0153】
3.ポリマーA3を回収するためのピリジンを用いたポリマーA1の四級化
N,N−ジメチルデシルアミンを当量のピリジンと置き換えたことを除いては、実施例2の手順を繰り返した。ポリマーA3を暗黄色油として得た。
CD2Cl2におけるNMR:
S,0ppm,54H;m,0.45ppm,8H;m,1.2ppm,40H;m,1.5ppm,16H;m,1.9ppm,8H;t,2.2ppm,8H;s,3.2ppm,8H;m,3.3ppm,8H;m,3.5ppm,8H;m,4.05,8H;m,4.5 8H;m,8,8H;f,8.5,4H;s,8.9ppm,8H。
【0154】
実施例4ないし5(n=10):
【化9】

【0155】
4.11−ブロモウンデカノイルクロリドを用いた抽出物Bの官能化(ポリマーB1、R5=ブロモデシル)
0.01375molアルコール官能性の抽出物Aを総窒素官能性0.01375molに相当する量にある抽出物Bに置き換えたことを除いては、実施例1の手順を繰り返し、そして当量の11−ブロモウンデカノイルクロリドを使用した。ポリマーB1を黄色油として得た。
【0156】
5.ポリマーB2を回収するためのピリジンを用いたポリマーB1の四級化
抽出物ポリマーA1を抽出物として当量のポリマーB1に置き換え、またN,N−ジメチルデシルアミンを2倍当量のピリジンに置き換えたことを除いては、実施例2の手順を繰り返した。ポリマーB2を暗黄色油として得た。CD2Cl2におけるNMRは予期した構造を確認した。
【0157】
実施例6:4−クロロ−6−メチル−2−フェニルピリミジンを用いた抽出物Bの官能化
【化10】

4−クロロ−6−メチル−2−フェニルピリミジンを国際公開第2003077656号パンフレットに記載された方法に従い製造した。
4.17gの抽出物Bを、炭酸カリウム(1.27g、0.0092mol)の存在下、エタノール/水(8/12mL)中4−クロロ−6−メチル−2−フェニルピリミジン1.88g(0.0092mol)と、76℃で50時間、反応させた。24時間後、ジオキサン5mLを加え、系の溶解性を改善した。冷却後、反応混合物をジクロロメタン50mLで希釈し、水及び水酸化ナトリウムを用いてpH12及び7で3回洗浄した。有機
相を乾燥まで蒸発させ、官能化ポリシロキサン(ポリマーC2)3.9gを得た。
【0158】
実施例7:臭化ベンジルを用いた抽出物Bの官能化
【化11】

4−クロロ−6−メチル−2−フェニルピリミジンを当量の臭化ベンジルに置き換えたことを除いて、実施例6の手順を繰り返した。ポリマーC1を、暗黄色油として得た。CD2Cl2におけるNMRは予期した構造を確認した。
【0159】
実施例8ないし24のポリマー(以下の表参照)を、適切な抽出物及び試液を使用して上記実施例と同様に製造した(すなわち、A型の全てのポリマーに対して抽出物A、B型及びC型のすべてのポリマーに対して抽出物B;類似の試液が残基CORX又はXを導入するために適する)。分析番号は、更なる以下の応用例に言及する。
表1:製造例の編集
【化12】

【表1】

【化13】

【0160】
実施例31:クロロアセチルクロリドを用いた抽出物Aの官能化(ポリマーA;R5=C
2Cl)
抽出物A50.0g(0.1805molアルコール官能性)を、ジオキサン150mL中トリエチルアミン6.2g(0.1805mol)で希釈した。混合物を室温で攪拌し、そしてクロロアセチルクロリド(0.1805mol)20.4gを40分間以上かけて滴下添加した(発熱量)。10時間後、該混合物をろ過し、カリウム塩を除去し、そしてその溶液を乾燥まで蒸発した。残渣をジクロロメタン150mL中に取り出し、そし
て飽和二炭酸ナトリウムで2回洗浄した。溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、そして該溶液を乾燥まで蒸発させた。生成物の収率は黄色油として60.1gだった。
【0161】
実施例32:N,N−ジメチルデシルアミンを用いた四級化
実施例31の生成物50.0g(0.0354mol)及びN,N−ジメチルデシルアミン50.0g(0.2697mol)を一緒に投入し、そして12時間90℃で加熱した。冷却後、油状生成物をヘプタン150mLを用いて15分間還流し、そして冷却した。該ヘプタンをデカントし、そして追加のヘプタン150mLを加えた。混合物を再び15分間還流し、そして冷却した。ヘプタン中で還流するこのプロセスを、合計5回繰り返した。生成物を乾燥まで蒸発し、暗黄色油としてポリマー68.3gを回収した。
GC対照は、1%の残存フリーアミンを示した。
【0162】
応用例
A)殺菌活性
1.EN1040に準拠する抗菌活性
約107cfu/mLの細胞数を有するバクテリア懸濁液を適当な濃度の特定の物質と
接触し、そして連続攪拌下、室温での5分及び30分の培養時間後に残存細胞数を測定した。黄色ブドウ球菌をグラム+生物体として、またグラム−生物体として大腸菌を試験した。表2における結果は、水中での増殖制御との比較における対数減少(log reduction)として記載した。高い数字はより殺菌活性が活発であることを示す。
【表2】

【0163】
2.防腐負荷試験の条件下での殺菌活性
緑膿菌(P aeroginosa)及び大腸菌はグラム陰性菌、黄色ブドウ球菌はグラム陽性菌、カンジダアルビカンス(C.albican)は酵母菌及び黒色アスペルギルス(A.niger)は真菌類を表す。試験手順は、接種濃度105cfu/mL及び
培養時間48時間及び72時間で、上述の通りである。以下の表における数値は、対数減少として記載した。
【表3】

【0164】
B)抗真菌活性
殺真菌活性をEN12175に従い試験した。約106cfu/mLの胞子細胞数を有
する真菌胞子懸濁液を、適当な濃度の特定の物質と接触し、そして連続攪拌下、室温での30分及び60分の培養時間後に残存胞子細胞数を測定した。ペニシリウム ファニキュロザム(penicillium funiculosum)、黒色アスペルギルス及び黒酵母(Aureobasidium pullulan)を重要な成形歪みとして試験した。
表4における結果は、水対照と比較した各々の培養時間での対数減少を記載した(高い数字は良い殺菌活性を示す)。
【表4】

【0165】
C)抗付着性
抗付着効果を、試験される0.5%溶液中で試験体の培養によってPMMA試験体に様々な化合物を一時的に接着した後に試験した。試験を、べヒェルト(Bechert)等によるNature Med.6(No.8,2000年9月),1053頁に記載された方法と同様に行った。次に、コートされた試験体を乾燥し、そして黄色ブドウ球菌細胞の懸濁液中で振動しながら30℃で1時間培養した。洗浄後、接着した細胞を一次抗体の結合及び−夜の培養及び更なる洗浄工程後−接着したアルカリ性ホスファターゼと二次抗体との結合によって検出した。次に付着を、100%付着を示すように計算された、未処理のPMMA試験体との比較において比色分析で測定した。下記表5に纏めた結果を、プレコートされた表面への残存付着として記載した。
【表5】

【0166】
D)生物膜阻害
初期段階の生物膜形成を阻害する能力を、マイクロプレートベースのスクリーニング分析において試験した。ポリカーボネートで作られた標準的な試験体を、化合物がピン表面でフィルムを形成することを可能にするために、1/2時間0.5%の濃度で水又はエタノール中で試験されるポリマーの溶液と接触させた。次に該ピンを、層流下、室温で乾燥した。コートされたピンを、マイクロプレートにおいて細胞数104ないし105cfu/mLで黄色ブドウ球菌の細菌接種材料で接触させ、そして生物膜をプラスチック表面に24時間以上かけて形成することを可能にした。次に弱く接着した細胞を数回の濯ぎ工程で濯ぎ、次に表面上の生物膜を超音波処理によって除去した。溶出した細胞数を、従来の細胞計数技術によって測定した(希釈系及び平板計数(surface plate count);表6参照)。
【表6】

【0167】
E)防腐負荷試験の条件下での殺菌活性
緑膿菌及び大腸菌はグラム陰性菌、黄色ブドウ球菌はグラム陽性菌、カンジダアルビカンスは酵母菌及び黒色アスペルギルスは真菌類を表す。試験手順は、接種濃度105cf
u/mL及び培養時間48時間及び72時間で、上述(A2)の通りである。以下表における数値は、対数減少として記載した。
【表7】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0168】
【特許文献1】国際公開第95/32977号パンフレット
【非特許文献】
【0169】
【非特許文献1】ソーヴェ(Sauvet)等,J.Appl.Pol.Sc.75,1005(2000)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)有機又は無機キャリア、及び
(B)抗菌剤として、オリゴ−又はポリシロキサン化合物、又はその塩を含有する組成物であって、
前記化合物が、主鎖に少なくとも3個、例えば4個ないし3000個の、Si原子を含有することを特徴とし、またその少なくとも1つは、O原子の開結合(open bond)がオリゴ−又はポリシロキサン主鎖の他のSi原子に結合され、及び前記Si原子の開結合がオリゴ−又はポリシロキサン主鎖の他のO原子か又はR’1に結合されるところの
、式I
【化1】

(式中、
1及びR’1は、独立して、炭素原子数1ないし10のアルキル基を表し、
2及びR3は、独立して、炭素原子数1ないし18のアルキレン基を表し、
Xは、O、NR4、N(COR’5)、CONR’4 、OCONR’4から選択される二価
のスペーサー基を表し、
Yは、OCOR5、NHCOR5、NHR4、COOR5、CONHR4、NR’44から選
択され、
4は、少なくとも1つのアリール部分を含有する炭素原子数6ないし18の有機残基か
ら選択され、
R’4は、R4に対して定義される通りであり、又はH、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基から選択され、
5はR7−Zを表し、
R’5は、R5に対して定義される通りであり、又はH、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基から選択され、
7は、フェニレン基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基、O、NR’4によって中断され得る炭素原子数1ないし20のアルキレン基を表し、又は未置換のもしくは置換されたフェニレン基又は炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基を表し、
Zは、ハロゲン原子又はN+8910を表し、
8、R9及びR10は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、未置換の又は置換されたアリール基を表し、又はR8、R9及びR10のうちの2つは、一緒になって結合され、ピペリジン環のような4ないし6個の炭素原子からなる四級化脂肪族、置換された又は未置換のN複素環を形成し、又は全てのR8、R9及びR10は、一緒になって結合され、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4ないし7個の炭素原子からなる置換された又は未置換のN複素環系を形成する。)で表される部分に含有される、組成物。
【請求項2】
前記式Iで表される部分を含有する化合物は、式II
【化2】

[式中、
mは、範囲1ないし1000から選択され、及び
nは、範囲0ないし1000から選択され、
1、R’1、R2、R3、X及びYは、請求項1において定義される通りであり、及び
A及びBは、独立して、式−Si(R111213)(式中、R11、R12、R13はそれぞれ独立してR1に対して定義される通りであり、又はA及びBは一緒になって直接結合を形
成し得る。)で表される基を表す。]でまとめられる、請求項1の組成物。
【請求項3】
前記式中、
1及びR’1は、独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、
2及びR3は、独立して、炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表し、
Xは、O、NR4、N(COR5)から選択される二価のスペーサー基を表し、
Yは、OCOR5、NHCOR5、COOR5、CONHR4、NR’44から選択され、
4は、炭素原子数4ないし10のアリール部分、もしくは炭素原子数4ないし10のア
リール基によって置換された炭素原子数1ないし12のアルキル部分もしくは炭素原子数4ないし10のアリーレン基によって中断された炭素原子数2ないし12のアルキル基から選択され、ここで各々のアリール基又はアリーレン基は未置換であるか又は置換され得、
R’4は、R4に対して定義される通りであり、又はH、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基から選択され、
5はR7−Zを表し、
7は、炭素原子数1ないし20のアルキレン基;フェニル基、炭素原子数4ないし12
のシクロアルキレン基、O、NR’4によって中断された炭素原子数1ないし20のアル
キレン基を表し、又は未置換のもしくは置換されたフェニレン基又は炭素原子数4ないし12のシクロアルキレン基を表し、
Zは、ハロゲン原子又はN+8910を表し、
8、R9及びR10は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、未置換の又は置換されたアリール基を表し、又はR8、R9及びR10のうちの2つは、一緒になって結合され、四級化脂肪族、置換された又は未置換の炭素原子数4ないし6のN複素環、例えばピペリジン環を形成し、又は全てのR8、R9及びR10は、一緒になって結合され、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4ないし7個の炭素原子からなる置換された又は未置換のN複素環系を形成する、
請求項1又は請求項2の組成物。
【請求項4】
前記式中、
1及びR’1は、独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、
2及びR3は、独立して、炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表し、
Xは、O、NR4、N(COR5)から選択される二価のスペーサー基を表し、
Yは、OCOR5、NHCOR5、COOR5、CONHR4、NR’44から選択され、
5はR7−Zを表し、
4は、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミ
ジリウム基、トリアジニル基であり;又はフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミジリウム基、トリアジニル基によって置換された炭素原子数1ないし8のアルキル基;又は各々が炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基、ベンジル基によって置換された、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミジリウム基、トリアジニル基;又は各々の芳香族コアが炭素原子数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基、ベンジル基によって置換された、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリジリウム基、ピリミジリウム基、トリアジニル基によって置換された炭素原子数1ないし8のアルキル基から選択され、
R’4は、R4に対して定義される通りであり、又はHを表し、
7は、炭素原子数2ないし20のアルキレン基を表し、
Zはハロゲン原子又はN+8910を表し、
8、R9又はR10は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基を表し、全てのR8、R9及びR10は、一緒になって結合され、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4ないし7個の炭素原子からなる置換された又は未置換のN複素環系を形成する、
請求項1又は請求項2の組成物。
【請求項5】
前記式中、
1及びR’1は、独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、
2及びR3は、独立して、炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表し、
Xは、O又はN(COR5)を表し、及び
Yは、OCOR5又はNHCOR5を表し、
7は、炭素原子数6ないし18のアルキレン基を表し、
Zはハロゲン原子又はN+8910を表し
8、R9は、独立して、メチル基のような炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、及びR10は、炭素原子数2ないし18のアルキル基、炭素原子数7ないし20のフェニルアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基から選択され、又は
全てのR8、R9及びR10は、一緒になって結合され、窒素原子と一緒になって、4ないし7個の炭素原子からなるN複素環系を形成する、又は
XはNR4を表し、及びYはNHR4を表し、ここでR4は、フェニル基、ピリジル基、ピ
リミジル基、トリアジニル基;又はフェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基によって置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;又は各々が炭素原子数1ないし4のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基、ベンジル基によって置換された、フェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基;又は各々の芳香族コアが炭素原子数1ないし4のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルフェニル基、ベンジル基によって置換された、フェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基によって置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表す、
請求項1又は請求項2の組成物。
【請求項6】
前記式中、
1及びR’1は、独立して、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、
2及びR3は、独立して、炭素原子数2ないし12のアルキレン基を表し、
Xは、O又はN(COR5)を表し、及び
Yは、OCOR5又はNHCOR5を表し、
7は、炭素原子数1ないし14のアルキレン基又は特に炭素原子数8ないし14のアル
キレン基を表し、
ZはN+8910を表し、ここで、R8、R9は、独立して、メチル基のような炭素原子
数1ないし4のアルキル基から選択され、及びR10は、炭素原子8ないし14のアルキル基、炭素原子数7ないし14のフェニルアルキル基、シクロヘキシル基から選択され、又は
全てのR8、R9及びR10は、一緒になって結合され、式
【化3】

で表される基を形成する、又は
XはNR4を表し、及びYはNHR4を表し、ここでR4は、フェニル基、ピリミジル基;
又はフェニル基、ピリミジル基によって置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;又は各々が炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又はフェニル基によって置換された、フェニル基又はピリミジル基を表す、
請求項1又は請求項2の組成物。
【請求項7】
キャリアの質量に対して、0.01ないし約40%の量で成分(B)を含有する、請求項1又は請求項2の組成物。
【請求項8】
前記キャリアが、固体無機キャリア、水性液又は半固体キャリア、有機液及び半固体キャリア、固体有機キャリアから選択される、請求項1又は請求項2の組成物。
【請求項9】
抗菌性組成物、防汚組成物、コーティング組成物又は材料、ペイント、コーティング系、化粧品配合物、ホームケア組成物、医薬品組成物、洗濯用洗剤、布地(fabric)ケア組成物、天然又は合成布地、天然又は合成繊維、不織布、成形又は吹込成形合成ポリマー品、又は合成ポリマーフィルムであり;各々所望により酸化防止剤、UV吸収剤、ベンゾフラノ−2−オン、ポリアミド安定剤、金属ステアレート、核剤、充填材、強化剤、透明剤、改質剤、酸掃去剤、潤滑剤、乳化剤、染料、顔料、分散剤、蛍光増白剤、流れ調整剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤、チキソトロープ剤、定着剤、光安定剤、硬化触媒、促進剤、阻害剤から選択される更なる成分を含有する、
請求項1又は請求項2の組成物。
【請求項10】
主鎖に少なくとも3個、例えば4個ないし3000個の、Si原子を含有し、またその少なくとも1つは、請求項1に記載の式Iで表される部分に含有されるオリゴ−又はポリシロキサン化合物。
【請求項11】
請求項1又は請求項2に記載の1つ以上のオリゴ−又はポリシロキサン化合物、2つ以上の前記化合物を含む混合物及び/又は1つ以上の前記化合物を含む組成物、及び/又はそれらの塩の使用であって、該使用が抗菌、防腐及び/又は微生物付着阻害効果をもたらすために物品及び/又は材料に、前記化合物、それらの2つ以上を含む混合物、それらの1つ以上を含む組成物、及び/又はそれらの塩を適用することを含む使用。
【請求項12】
物品及び/又は材料の中に又は表面上に保護のための抗菌、防腐及び/又は微生物付着阻害効果をもたらすプロセス又は方法であって、請求項1又は請求項2に記載されたオリゴ−又はポリシロキサン化合物を用いて、前記物品に適用すること、配合すること、及び/又は含浸することを含むプロセス又は方法。
【請求項13】
化粧品もしくは医薬品配合物、又は薬物(medicament)を製造するための、又はヒト又は動物組織における微生物成長、付着及び/又は生物膜形成の阻害のための、請求項1又は請求項2に記載のオリゴ−又はポリシロキサン化合物、2つ以上の前記化合物を含む混合物及び/又は1つ以上の前記化合物を含む組成物、及び/又はそれらの塩の使用。


【公表番号】特表2009−543893(P2009−543893A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518846(P2009−518846)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056703
【国際公開番号】WO2008/006744
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】