説明

ポリシロキサン縮合反応物ワニスの製造方法

【課題】半導体素子に形成されたトレンチの埋め込み用途に好適なポリシロキサン縮合反応物ワニスの製造方法の提供。
【解決手段】(i)式:R1nSiX14-n{式中、nは0〜3の整数、R1は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基、X1はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である}で表されるシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物を得る工程と、(ii)該ポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを溶媒中50℃以上pH3〜7で反応させてポリシロキサン縮合反応物溶液を得る工程と、(iii)該ポリシロキサン縮合反応物溶液にアルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミド及び炭化水素系溶媒から選ばれる少なくとも1種類の沸点100℃以上200℃以下の溶媒を加えた後に、蒸留により沸点100℃以下の成分を留去する工程と、を含むポリシロキサン縮合反応物ワニスの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子に形成されたトレンチの埋め込み用途の絶縁保護膜の形成に好適なポリシロキサン縮合反応物ワニスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メモリの集積度を高めるために、メモリセルを3次元的に配置した半導体記憶装置が多数提案されている。このような半導体装置において、メモリセル及び回路素子等の間隙にあたる箇所にトレンチを形成し、トレンチ内に絶縁材料を埋め込むことにより、メモリセル間及び回路素子間等の電気的分離を行う必要がある。メモリの集積度が高まるにつれて、トレンチの開口幅が狭く、トレンチのアスペクト比(すなわち、トレンチの深さを、トレンチの開口幅で除した値)が大きくなる傾向にある。更に、3次元構造の半導体記憶装置においては、700℃以上の高温で焼成したときに、より厚膜でのクラック耐性を有することが求められる。
【0003】
このようなトレンチ埋め込みのための材料としては、高い電気絶縁性が求められるという理由でシリコン酸化物が広く好適に用いられている。
【0004】
トレンチ内にシリコン酸化物を埋め込むための手段としては、従来、CVD法により、トレンチを有するシリコン基材上にシリコン酸化物膜を形成している。しかしながら、近年半導体素子の微細化に伴い、開口幅が狭くなり、アスペクト比が大きくなる傾向がある。そのため、開口幅が0.2μm以下であり、かつアスペクト比が2以上のトレンチにCVD法によりシリコン酸化物を埋めると、トレンチの中にボイド(未充填部分)及びシーム(継ぎ目状の未充填部分)が発生し易い問題があった。
【0005】
CVD法以外の方法として、塗布法により微細溝を埋設し、酸化雰囲気下の焼成によりシリカ膜を形成する方法が知られている。この方法で用いる材料としてはポリシラザン材料、ポリシラン材料、及びシリコーン材料が知られている。
【0006】
ポリシラザン材料の中で、水素化ポリシラザンは、トレンチ埋め込み性が良く、シリコン酸化物膜への転化時の硬化収縮が少ない特長が報告されている(例えば特許文献1)。しかしながら、水素化ポリシラザンは水蒸気酸化による焼成を必要とするため、基板が酸化されやすいという問題がある。更に近年、トレンチ幅がより狭く、トレンチの深さがより深くなる傾向にあるため、埋め込み性不足の問題、及び厚膜ではクラックが生じる問題、また焼成時にアンモニアガスが発生するため危険であるといった問題があった。
【0007】
また、ポリシラン材料は、塗布したポリシラン化合物が蒸発し易く、また厚膜ではクラックが生じる問題を有していた(例えば特許文献2)。
【0008】
シリコーン材料は、塗膜焼成時に脱水、及び脱アルコール縮合反応を伴うため、得られたシリコン酸化物膜中にボイド及びクラックが発生する問題があった。また、シリコーン材料からシリコン酸化物に転化する際に大きな硬化収縮を伴うため、膜表面からトレンチの底部に向かって密度が不均一になるといった問題があった。
【0009】
シリコーン材料を用いてボイド及びクラックの発生を回避する方法として、シリカ粒子とポリシロキサン化合物とによる組成物が提案されている(例えば特許文献3)。
しかしながら、特許文献3で酸化シリコン粒子と定義されるシリカ粒子とシリコン原子バインダーと定義されるポリシロキサン化合物とは混合されているだけであるため、溶液のポットライフ(室温での保存安定性)が悪いという問題があり、また開口幅30nm以下であり、かつアスペクト比が15以上のトレンチへの埋め込み性が悪く、ボイドが発生するといった問題があった。
【0010】
シリカ粒子とポリシロキサン化合物とを縮合反応させた材料については、例えば特許文献4〜6に記載されている。しかしながら特許文献4〜6に記載される材料は層間絶縁膜用途等のために設計された材料である。トレンチへの埋め込み性は層間絶縁膜用途では求められていないため、これらの文献にトレンチへの埋め込み性についての記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−308090号公報
【特許文献2】特開2003−31568号公報
【特許文献3】特開2006−310448号公報
【特許文献4】特許第3320440号公報
【特許文献5】特許第2851915号公報
【特許文献6】特許第3163579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、焼成してシリコン酸化物としたときの硬化収縮率が小さく、クラック耐性に優れる膜を形成でき、ポットライフが長く保存安定性に優れるとともに分子量再現性に優れたポリシロキサン縮合反応物ワニスを再現性良く製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは上記目的を達成する方法を開発すべく鋭意研究を行った結果、以下に示す製造方法によれば、ポットライフが長く保存安定性に優れ、かつ分子量再現性に優れたポリシロキサン縮合反応物ワニスを製造できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の通りである。
【0014】
[1] (i)下記一般式(1):
1nSiX14-n (1)
{式中、nは、0〜3の整数であり、R1は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}で表される1種類以上のシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物を得る第一工程と、
(ii)第一工程で得られた該ポリシロキサン化合物と、シリカ粒子とを、溶媒中50℃以上、pH3から7の領域で反応させてポリシロキサン縮合反応物溶液を得る第二工程と、
(iii)第二工程で得られたポリシロキサン縮合反応物溶液に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミド及び炭化水素系溶媒の中から選ばれる少なくとも1種類の沸点100℃以上200℃以下の溶媒を加えた後に、蒸留により沸点100℃以下の成分を留去する第三工程と、
を含む、ポリシロキサン縮合反応物ワニスの製造方法。
[2] 該第二工程において、該ポリシロキサン化合物と該シリカ粒子とをpH3.5から6.5の領域で反応させる、[1]に記載のポリシロキサン縮合反応物ワニスの製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法によれば、クラック耐性に優れる膜を形成でき、ポットライフが長く保存安定性に優れ、かつ分子量再現性に優れたポリシロキサン縮合反応物ワニスを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0017】
本発明は、(i)下記一般式(1):
nSiX14-n (1)
{式中、nは、0〜3の整数であり、R1は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}で表される1種類以上のシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物を得る第一工程と、(ii)第一工程で得られた該ポリシロキサン化合物と、シリカ粒子とを、溶媒中50℃以上、pH3から7の領域で反応させてポリシロキサン縮合反応物溶液を得る第二工程と、(iii)第二工程で得られたポリシロキサン縮合反応物溶液に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミド及び炭化水素系溶媒の中から選ばれる少なくとも1種類の沸点100℃以上200℃以下の溶媒を加えた後に、蒸留により沸点100℃以下の成分を留去する第三工程と、を含む、ポリシロキサン縮合反応物ワニスの製造方法を提供する。
【0018】
典型的な態様において、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合重合反応により得られるポリシロキサン縮合反応物ワニスは、上記一般式(1)で表される1種類以上のシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物と、シリカ粒子とを含有する縮合成分を縮合反応させて得ることができる。
【0019】
[第一工程(ポリシロキサン化合物の製造)]
(ポリシロキサン化合物)
本発明の第一工程において得られるポリシロキサン化合物は、上記一般式(1)で表されるシラン化合物に由来する。より具体的には、該ポリシロキサン化合物は、上記一般式(1)で表されるシラン化合物の重縮合物である。
【0020】
上記一般式(1)中のR1の具体例としては:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、iso−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、iso−ヘプチル、n−オクチル、iso−オクチル、t―オクチル、n−ノニル、iso−ノニル、n−デシル、iso−デシル等の非環式及び環式の脂肪族炭化水素基;ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、スチレニル等の非環式及び環式のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル等のアラルキル基;PhCH=CH−基等のアラアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;等が挙げられる。更に、R1の具体例としては水素原子が挙げられる。この中でも、焼成時のシリコン酸化物への転換の際に重量減少が少なく、収縮率が小さい縮合反応物を与えることができる点で、R1は、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくはメチル基である。
【0021】
上記一般式(1)中のX1の具体例としては、例えば:塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基;等が挙げられる。この中でも、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、及びアセトキシ基が、縮合反応の反応性が高いため好ましい。
【0022】
一般式(1)で表されるシラン化合物は、一般式(1)中のnが0である4官能シラン化合物及び一般式(1)中のnが1である3官能シラン化合物を少なくとも含有する2種類以上のシラン化合物であることが好ましい。上記ポリシロキサン化合物が、一般式(1)中のnが0である4官能シラン化合物に由来する成分を含む場合、成膜性及び基板への密着性が良好になり、一般式(1)中のnが1である3官能シラン化合物に由来する成分を含む場合、クラック耐性及びHF耐性が良好になり、更に埋め込み性が良好になる。本発明の好ましい態様においては、上記特定組成の2種類以上のシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物を用いることにより、成膜性、基板への密着性、クラック耐性及びHF耐性、更には埋め込み性が良好な縮合反応物溶液が得られる。以下に4官能シラン化合物と3官能シラン化合物とのより好ましい態様について説明する。
【0023】
本発明において使用するポリシロキサン化合物中の、下記一般式(2):
SiX24 (2)
{式中、X2は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}で表される4官能シラン化合物に由来する成分の割合は、5mol%以上40mol%以下であることが好ましい。なお上記一般式(2)中のX2の構造は上記一般式(1)中のX1の構造に対応しており、一般式(2)の構造は一般式(1)の構造の一部を表している。ポリシロキサン化合物中の、一般式(2)で表される4官能シラン化合物に由来する成分の割合が5mol%以上である場合、成膜性及び基板への密着性が良好であるため好ましく、該割合はより好ましくは10mol%以上である。一方、該割合が40mol%以下である場合、HF耐性が良好であるため好ましく、該割合はより好ましくは35mol%以下、更に好ましくは30mol%以下である。
【0024】
上記一般式(2)中のX2の具体例としては、例えば:塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基等が挙げられる。この中でも、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、及びアセトキシ基が、縮合反応の反応性が高いため好ましい。
【0025】
本発明において使用するポリシロキサン化合物中の、下記一般式(3):
2SiX33 (3)
{式中、R2は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、X3は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}で表される3官能シラン化合物に由来する成分の割合は、60mol%以上95mol%以下であることが好ましい。なお上記一般式(3)中のX3の構造は上記一般式(1)中のX1に対応しており、上記一般式(3)中のR2の構造は上記一般式(1)中のR1の一部の態様を表している。すなわち一般式(3)の構造は一般式(1)の構造の一部を表している。ポリシロキサン化合物中の、一般式(3)で表される3官能シラン化合物に由来する成分の割合が60mol%以上である場合、HF耐性及びクラック耐性が良好であるとともに埋め込み性が良好であるため好ましく、該割合はより好ましくは65mol%以上、更に好ましくは70mol%以上である。一方、該割合が95mol%以下である場合、成膜性及び基板への密着性が良好であるため好ましく、該割合はより好ましくは90mol%以下である。
【0026】
上記一般式(3)中のR2の具体例としては:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、iso−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、iso−ヘプチル、n−オクチル、iso−オクチル、t―オクチル、n−ノニル、iso−ノニル、n−デシル、iso−デシル等の非環式及び環式の脂肪族炭化水素基;ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、スチレニル等の非環式及び環式のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル等のアラルキル基;PhCH=CH−基等のアラアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;等が挙げられる。この中でも、焼成時のシリコン酸化物への転換の際に重量減少が少なく、収縮率が小さい縮合反応物を与えることができる点で、R2は、好ましくはメチル基又はエチル基であり、より好ましくはメチル基である。
【0027】
上記一般式(3)中のX3の具体例としては、例えば:塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基;等が挙げられる。この中でも、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、及びアセトキシ基が、縮合反応の反応性が高いため好ましい。
【0028】
なお、ポリシロキサン化合物の構造、特に、上記一般式(1)、(2)及び(3)でそれぞれ表される構造の存在及び含有量は、29SiNMR分析により確認できる。
【0029】
第一工程において、ポリシロキサン化合物は、例えば上記したシラン化合物を水の存在下で重縮合させる方法により製造できる。このとき、酸性雰囲気下、上記一般式(1)で表されるシラン化合物に含有されるX1の数に対して、好ましくは0.1当量以上10当量以下、より好ましくは0.4当量以上8当量以下の範囲で水を存在させて重縮合を行う。水の存在量が上記の範囲内である場合、縮合反応物溶液のポットライフを長くし、成膜後のクラック耐性を向上させることができるため好ましい。
【0030】
ポリシロキサン化合物を製造するために用いるシラン化合物が、上記一般式(1)中のX1としてハロゲン原子又はアセトキシ基を含有する場合は、縮合反応のために水を加えることによって、反応系が酸性を示すため、シラン化合物の他に酸触媒を用いても用いなくても、いずれでも構わない。一方、上記一般式(1)中のX1がアルコキシ基である場合は、酸触媒を加えることが好ましい。
【0031】
酸触媒としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。上記無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられる。上記有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸等が挙げられる。
【0032】
上記の無機酸及び有機酸は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。また使用される酸触媒の量は、ポリシロキサン化合物を製造する際の反応系のpHを1.0以上4.0以下、好ましくは2.0以上3.5以下の範囲に調整する量であることが好ましい。この場合、ポリシロキサン化合物の重量平均分子量を良好に制御できる。なお本明細書で記載するpHは、電位差滴定装置に付随したpH測定用電極等を用いて、ガラス電極内の基準水溶液との電位差を測定することにより計測できる。
【0033】
pHが1.0より低い場合は、第三工程の溶媒置換時に析出が起こり、最終的に均一なポリシロキサン縮合反応物ワニスが得られない場合があり、又はワニスの経時的な保存安定性が悪くなる(例えば保存中にゲルが生成する)という現象が起こる場合がある。また、pHが4.0よりも大きい場合は、反応速度が速いために、第一工程で目標重量平均分子量のポリシロキサン化合物を再現性よく得ることが容易ではなくなる傾向がある。
【0034】
ポリシロキサン化合物は、有機溶媒中又は水と有機溶媒との混合溶媒中で製造することができる。上記有機溶媒としては、例えばアルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素化合物類、アミド化合物類等が挙げられる。
【0035】
上記アルコール類としては、例えば:メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのモノエーテル類;等が挙げられる。
【0036】
上記エステル類としては例えば酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸ブチル、並びにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルアルキレート等が挙げられる。
【0037】
上記ケトン類としては例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等が挙げられる。
【0038】
上記エーテル類としては、上記の多価アルコールのモノエーテル類の他に、例えば:エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールの水酸基の全てをアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール等が挙げられる。
【0039】
上記脂肪族炭化水素類としては例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。
【0040】
上記芳香族炭化水素類としては例えばベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0041】
上記アミド化合物類としては例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0042】
以上の溶媒の中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルアルキレート及びジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物系溶媒が、水と混合しやすく、第二工程で使用するシリカ粒子を分散させやすい点で好ましい。
【0043】
これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、複数種の溶媒を組み合わせて使用しても構わない。また上記溶媒を用いずにバルク中で反応を行ってもよい。好ましくは溶媒を使用した方が、反応速度の制御が容易になる。
【0044】
本発明の第一工程において、溶媒を用いる場合の反応液濃度としては、反応液全質量中の仕込みシラン化合物質量が、好ましくは5質量%以上70質量%以下、より好ましくは10質量%以上60質量%以下、更に好ましくは15質量%以上50質量%以下である。
【0045】
上記反応液濃度が5質量%より低濃度になると、反応が遅くなりすぎて実用的でない傾向がある。また、70質量%を超えると、反応速度が速すぎて、目標分子量のポリシロキサン化合物を再現性よく得ることが容易でなくなる傾向がある。
【0046】
ポリシロキサン化合物を製造する際の反応温度は特に制限は無いが、好ましくは−50℃以上200℃以下、より好ましくは0℃以上150℃以下の範囲で行う。上記の温度範囲で反応を行うことにより、ポリシロキサン化合物の分子量を容易に制御することができる。
【0047】
好ましい態様において、ポリシロキサン化合物は、アルコール水溶液中、pH1.0以上4.0以下、更に望ましくは、pH2.0以上3.5以下の酸性条件下、反応液の仕込みシラン化合物濃度5質量%〜70質量%、反応温度−50℃〜200℃で加水分解重縮合により製造できる。なお、反応時のpHは、市販のpH電極を用いて容易に測定できる。
【0048】
[第二工程(ポリシロキサン縮合反応物溶液の製造)]
(シリカ粒子)
本発明においては、シリカ粒子をポリシロキサン化合物と縮合反応させることにより、クラック耐性に優れるとともに硬化時に低収縮率である膜を形成できるポリシロキサン縮合反応物ワニスが得られる。本発明の第二工程において使用されるシリカ粒子としては、例えばヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
【0049】
上記ヒュームドシリカは、ケイ素原子を含む化合物を気相中で酸素及び水素と反応させることによって得ることができる。原料となるケイ素化合物としては、例えばハロゲン化ケイ素(例えば塩化ケイ素等)等が挙げられる。
【0050】
上記コロイダルシリカは、原料化合物を加水分解・縮合するゾルゲル法により合成することができる。コロイダルシリカの原料化合物としては、例えば、アルコキシケイ素(例えばテトラエトキシシラン等)、ハロゲン化シラン化合物(例えばジフェニルジクロロシラン等)等が挙げられる。中でも、金属、ハロゲン等の不純物は少ないことが好ましいため、アルコキシケイ素から得られたコロイダルシリカがより好ましい。
【0051】
シリカ粒子の平均一次粒子径は、1nm以上120nm以下であることが好ましく、より好ましくは40nm以下、更に好ましくは20nm以下、最も好ましくは15nm以下である。上記平均一次粒子径が1nm以上である場合、クラック耐性が良好であり好ましく、120nm以下である場合、トレンチへの埋め込み性が良好であり好ましい。
【0052】
シリカ粒子の平均二次粒子径は、2nm以上250nm以下であることが好ましく、より好ましくは80nm以下、更に好ましくは40nm以下、最も好ましくは30nm以下である。上記平均二次粒子径が2nm以上である場合、クラック耐性が良好であり好ましく、250nm以下である場合、トレンチへの埋め込み性が良好であり好ましい。
【0053】
また、シリカ粒子の平均二次粒子径は、上記の範囲内で、かつ基板に形成されたトレンチのうち、最小の開口幅の0.1〜3倍であることが、トレンチへの埋め込み性が良好である点で好ましく、上記最小の開口幅の0.1〜2倍であることが更に好ましい。
【0054】
上記平均一次粒子径は、BETの比表面積から計算で求められる値であり、上記平均二次粒子径は、動的光散乱光度計で測定される値である。
【0055】
シリカ粒子の形状は、球状、棒状、板状若しくは繊維状又はこれらの2種類以上が合体した形状であることができるが、好ましくは球状である。なお、ここでいう球状とは、真球状の他、回転楕円体、卵形等の略球状である場合も含むものである。
【0056】
シリカ粒子の比表面積は、HF耐性が良好である点で、BET比表面積が25m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは70m2/g以上、更に好ましくは140m2/g以上、最も好ましくは180m2/g以上である。上記BET比表面積は、N2分子の圧力とガス吸着量とから計算される方法で測定される値である。
【0057】
シリカ粒子としては、上記の要件に適合する限りで、制限は無く、市販品を使用することもできる。
【0058】
市販品としては、コロイダルシリカとして、例えばLEVASILシリーズ(H.C.Starck(株)製)、メタノールシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL(以上、日産化学工業(株)製)、クオートロンP Lシリーズ(扶桑化学(株)製)、OSCALシリーズ(触媒化成工業(株)製)等;粉体状のシリカ粒子として、例えばアエロジル130、同300、同380、同TT600、同OX50(以上、日本アエロジル(株)製)、シルデックスH31、同H32、同H51、同H52、同H121、同H122(以上、旭硝子(株)製)、E220A、E220(以上、日本シリカ工業(株)製)、SYLYSIA470(富士シリシア(株)製)、SGフレーク(日本板硝子(株)製)等がそれぞれ挙げられる。シリカ粒子は分散媒に分散させた形で用いることもできる。その場合の含有量は正味のシリカ粒子の質量、すなわち分散液の質量にシリカ粒子の濃度を乗じた値を用いて算出する。
【0059】
次に、本発明の第二工程における、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子の含有量比について述べる。
【0060】
ポリシロキサン縮合反応物を合成するために用いる縮合成分中のポリシロキサン化合物の含有量は、ポリシロキサン化合物の縮合換算量で40質量%以上99質量%以下であるように設定することが好ましい。本明細書において、ポリシロキサン化合物の縮合換算量とは、ポリシロキサン化合物中に残存するX1(X1は、一般式(1)に関して先に定義した通りである)を、1/2個の酸素原子に置き換えて得られる量を意味する。該縮合換算量が40質量%以上である場合、成膜性及びトレンチへの埋め込み性が良好である点で好ましい。該縮合換算量はより好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上である。一方、該縮合換算量が99質量%以下である場合、低収縮率及び良好なクラック耐性が得られる点で好ましい。該縮合換算量はより好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
【0061】
ポリシロキサン縮合反応物成分中のシリカ粒子の含有量は、1質量%以上60質量%以下であることが好ましい。該含有量が1質量%以上である場合、低収縮率及び良好なクラック耐性が得られる点で好ましい。該含有量はより好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。一方、該含有量が60質量%以下である場合、成膜性及びトレンチへの埋め込み性が良好である点で好ましい。該含有量はより好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
【0062】
(シラン化合物)
本発明の第二工程において合成するポリシロキサン縮合反応物溶液の製造の際に用いる縮合成分は、上記のポリシロキサン化合物及びシリカ粒子からなることもできるし、他の成分を含むこともできる。他の成分としては、例えば上記一般式(1)で表されるシラン化合物を使用できる。この場合、例えば以下の2段階の縮合反応を採用できる。すなわち、シリカ粒子を溶媒中に分散させた分散体にポリシロキサン化合物溶液を加えて縮合反応させる方法、又はこれとは逆にポリシロキサン化合物溶液にシリカ粒子の分散体を加える方法等によって、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子とをまず縮合反応させる(第1段階)。次いで、得られた反応液に、上記一般式(1)で表されるシラン化合物を更に反応させる(第2段階)。縮合成分として使用される上記一般式(1)で表されるシラン化合物は1種類でもよいし複数種でもよい。複数種のシラン化合物を使用する場合には、例えば上記の第2段階において、1種類ずつ順次反応系中に加えてもよいし、複数種のシラン化合物を混合させてから反応系中に加えてもよい。
【0063】
第二工程において、更に反応させる縮合成分として上記一般式(1)で表されるシラン化合物を用いる場合、縮合成分中の該シラン化合物の含有量は、該シラン化合物の縮合換算量で0質量%超過40質量%以下であるように設定することが好ましい。ここで、上記シラン化合物の縮合換算量とは、一般式(1)中のX1を1/2個の酸素原子に置き換えて得られる量を意味する。該縮合換算量が0質量%超過である場合、縮合反応物溶液のポットライフが長い点で好ましい。該縮合換算量は、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.03質量%以上である。一方、該縮合換算量が40質量%以下である場合、クラック耐性が良好である点で好ましい。該縮合換算量は、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
【0064】
(溶媒)
第二工程において、ポリシロキサン縮合反応物を合成する際の溶媒としては、典型的には、有機溶媒又は水と有機溶媒との混合溶媒を使用できる。上記有機溶媒としては、例えばアルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素化合物類、アミド化合物類等が挙げられる。
【0065】
上記アルコール類としては、例えば:メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのモノエーテル類;等が挙げられる。
【0066】
上記エステル類としては例えば酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸ブチル、並びにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルアルキレート等が挙げられる。
【0067】
上記ケトン類としては例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等が挙げられる。
【0068】
上記エーテル類としては、上記の多価アルコールのモノエーテル類の他に、例えば:エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールの水酸基の全てをアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール等が挙げられる。
【0069】
上記脂肪族炭化水素類としては例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。
【0070】
上記芳香族炭化水素類としては例えばベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0071】
上記アミド化合物類としては例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0072】
以上の溶媒の中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルアルキレート及びジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物系溶媒が、水と混合しやすく、シリカ粒子を分散させやすい点で好ましい。
【0073】
本発明の第二工程におけるポリシロキサン縮合反応物溶液は、第一工程で得られた前記のポリシロキサン化合物とシリカ粒子を、溶媒中50℃以上、pH3から7の領域で反応させることにより得られる。
【0074】
第一工程で得たポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応比率(ポリシロキサン化合物については縮合換算量で計算する)としては、ポリシロキサン化合物40質量%以上99質量%以下と、シリカ粒子1質量%以上60質量%以下とを縮合反応させることが好ましく、ポリシロキサン化合物50質量%以上90質量%以下と、シリカ粒子10質量%以上50質量%以下とを縮合反応させることがより好ましい。
【0075】
第二工程において、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応時に反応系中に存在させる有機溶媒の種類は、使用されるシリカ粒子が分散されている分散媒によって変わる。使用されるシリカ粒子の分散媒が水系の場合は、水及び/又はアルコール系溶媒をシリカ粒子に加えて得た水系分散液をポリシロキサン化合物と反応させてもよいし、シリカ粒子の水分散液に含まれる水を一度アルコール系溶媒に置換してから、このシリカ粒子のアルコール系分散液をポリシロキサン化合物と反応させてもよい。使用できるアルコール系溶媒としては、炭素数1〜4のアルコール系溶媒が好ましく、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール等が挙げられる。これらは、水と容易に混合できるため好ましい。
【0076】
使用されるシリカ粒子の分散媒がアルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶媒である場合は、水又はアルコール、エーテル、ケトン、エステル等の溶媒を、縮合反応時に反応系中に存在させる溶媒として使用することができる。アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等が挙げられる。エーテルとしては、例えばジメトキシエタンが挙げられる。ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エステルとしては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル等が挙げられる。
【0077】
好ましい態様において、第二工程を炭素数1〜4のアルコール水溶液中で行うことができる。
【0078】
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応は、通常酸触媒の存在下で行う。酸触媒としては、第一工程においてポリシロキサン化合物の製造に用いるものとして前述したのと同じ酸触媒を挙げることができる。ポリシロキサン化合物の製造後に酸触媒を取り除く場合には、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを反応させる際に酸触媒を再度加えることが通常必要であるが、ポリシロキサン化合物の製造後に酸触媒を取り除かずそのままシリカ粒子を反応させる場合は、酸触媒を再度加えなくても、ポリシロキサン化合物を反応させる際に使用した酸触媒でポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応を行うことができる。しかし、この場合、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応時に改めて酸触媒を加えても構わない。
【0079】
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを縮合反応させる際の反応系のpHは、3.0以上7.0以下、好ましくはpH3.5以上6.5以下の範囲に調整する。pHが3.0以上であることにより、最終的に得られるポリシロキサン縮合反応物ワニスの保存安定性が良好である。また、pHが7.0以下であることにより、重合の再現性(特に分子量再現性)に優れるばかりでなく、ゲル化が進行しにくくなる。
【0080】
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応温度は、50℃以上である必要がある。該反応温度は好ましくは50℃以上200℃以下、より好ましくは50℃以上150℃以下である。反応温度が50℃以上であることは、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応の速さの観点から有利である。特に反応温度が50℃以上200℃以下である場合、縮合反応物の重量平均分子量とQ成分のシラノール基割合とを容易に制御できるため好ましい。
【0081】
本発明の第二工程における反応液濃度につき、反応液全質量中の仕込みポリシロキサン化合物質量(縮合換算量)及びシリカ粒子固形分質量の合計は、好ましくは3質量%以上50質量%以下、より好ましくは5質量%以上40質量%以下、更に好ましくは7質量%以上30質量%以下である。
【0082】
反応液濃度が3質量%より小さい場合は、反応が遅く、実用的でない傾向がある。また50質量%を超える場合、反応速度が速すぎるため、目標分子量を再現性よく製造することが容易でなくなる傾向がある。
【0083】
本発明においては、ポリシロキサン縮合反応物ワニス中のポリシロキサン縮合反応物の重量平均分子量は、1,000以上10,000以下であることが好ましく、より好ましくは1,500以上8,000以下であり、更に好ましくは2,000以上6,000以下である。該縮合反応物の重量平均分子量が1,000以上である場合、成膜性及びクラック耐性が良好であり、重量平均分子量が10,000以下である場合、トレンチ埋め込み性が良好で、縮合反応物ワニスのポットライフが長く好ましい。重量平均分子量が1,000より小さい場合、ポリシロキサン縮合反応物ワニスの粘度が高くなるため、トレンチ埋め込み性が悪くなる傾向がある。重量平均分子量10,000を超える場合も、ポリシロキサン縮合反応物ワニス粘度が高いためにトレンチ埋め込み性が悪くなる傾向がある。なお上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定され、標準ポリメチルメタクリレート換算で算出される値である。分子量の測定は、例えば東ソー製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、HLC−8220、TSKgelGMHHR−Mカラムを使用し、アセトン溶媒中、縮合反応物を1質量%溶液にして測定でき、示差屈折率計(RI)により標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量(Mw)を求めることができる。
【0084】
特に好ましい態様として、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応は、反応物濃度3質量%から50質量%、炭素数1〜4のアルコール水溶液中、pH3〜7の条件下、50℃以上の温度で行うのがよい。
【0085】
なお、ポリシロキサン縮合反応物の構造は、29SiNMR分析により確認できる。
【0086】
シリカ粒子、及び上記一般式(1)で表されるシラン化合物のうちn=0の(すなわち上記一般式(2)で表される)4官能シラン化合物に由来する4官能シロキサン成分をQ成分とすると、溶液又は固体の29SiNMR分析より、シロキサン結合数が0〜4にそれぞれ相当するQ0〜Q4成分量を求めることができる。本発明においては、29SiNMR分析における、縮合反応物中の全4官能シロキサン成分(すなわち、シロキサン結合数が0に相当する成分(Q0成分)、シロキサン結合数が1つに相当する成分(Q1成分)、シロキサン結合数が2つに相当する成分(Q2成分)、シロキサン結合数が3つに相当する成分(Q3成分)、及びシロキサン結合数が4つに相当する成分(Q4成分)の合計)のピーク強度(A)と、該縮合反応物中のシロキサン結合数4つに相当する成分(すなわちQ4成分)のピーク強度(B)との比が、{(B)/(A)}≧0.50の関係を満たすことが好ましい。上記比は、より好ましくは{(B)/(A)}≧0.6であり、更に好ましくは{(B)/(A)}≧0.7である。上記比が上記範囲内である場合、縮合反応物中の、シラノール基、アルコキシ基等の末端基が少ないため、硬化収縮率が小さく、トレンチ埋め込み性が良好で、縮合反応物溶液のポットライフが長く好ましい。なお、各Q成分のピーク強度はピーク面積から算出する。
【0087】
[第三工程(溶媒置換)]
本発明の第三工程では、ポリシロキサン縮合反応物溶液に沸点が100℃以上200℃以下の溶媒を添加した後に沸点100℃以下の低沸点成分を留去する。これによって高沸点溶媒への溶媒置換を行うことができる。沸点100℃以下の成分としては、例えば、第一工程及び/又は第二工程を、水アルコール水溶液中、又は沸点100℃以下のアルコール中等で行った場合における、水、又は沸点100℃以下のアルコール等が挙げられる。
【0088】
より具体的には、縮合反応(ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応、又は、ポリシロキサン化合物、シリカ粒子及びシラン化合物の反応)の際に水及びアルコールを使用する場合には、縮合反応後に前述のような態様で溶媒を加えた後に、蒸留等の方法によって水及び沸点100℃以下のアルコールを取り除き、縮合反応物溶液中の沸点100℃以下の成分(すなわち水及び沸点100℃以下のアルコール)の含有量を1質量%以下にすることが好ましい。添加する100℃以上200℃以下の沸点の溶媒は、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミド及び炭化水素系溶媒から選ばれる少なくとも1種類であり、エステル、エーテル、及び炭化水素系溶媒が好ましい。なお本発明の効果を損なわない範囲で第三工程において上記以外の溶媒を更に系中に添加しても構わない。
【0089】
上記沸点100℃以上200℃以下のアルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミド及び炭化水素系溶媒の具体例としては、例えばブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメトキシエーテル、プロピレングリコールモノエトキシエーテル等のアルコール系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソアミルケトン、エチルヘキシルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ―ブチロラクトン等のケトン系溶媒、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、ペンチルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル系溶媒、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0090】
本発明の第三工程においては、沸点100℃以上200℃以下の、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミド及び炭化水素系溶媒から選ばれる1種類以上の溶媒が、縮合反応物溶液に含有される溶媒全体の50質量%以上を構成することが好ましい。またこの場合、第三工程において沸点100℃以下の成分が完全には留去されず、ポリシロキサン縮合反応物ワニス中に、沸点100℃以下の溶媒が存在していても構わない。沸点が100℃以上200℃以下の、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミド及び炭化水素系溶媒から選ばれる1種類以上の溶媒が溶媒全体の50質量%以上を構成する場合、縮合反応物溶液のポットライフが長く、また成膜性が良好であるため好ましい。
【0091】
[その他の工程]
上記のような手順によってポリシロキサン縮合反応物ワニスを得た後に、イオンを除去するために精製を行ってもよい。イオンを除去する方法としては、例えばイオン交換樹脂によるイオン交換、限外ろ過、蒸留等が挙げられる。
【0092】
ポリシロキサン縮合反応物ワニスを、開口幅が狭く高アスペクト比なトレンチ内に埋め込むためには、ワニスの流動性が低いことが好ましい。本発明では、該流動性の低さを、ワニスの固形分濃度50質量%における25℃での粘度で評価する。
【0093】
本明細書において、ポリシロキサン縮合反応物ワニスの固形分濃度とは、該ワニス中に存在する、Si原子を有する化合物の濃度と定義する。該固形分濃度は、ワニスを窒素雰囲気中、600℃で焼成したときの焼成前後の重量を測定する方法で測定できる。また、25℃における粘度の値とは、E型粘度計を用い、粘度の値が安定したとき(ばらつきが2%以下)の値を意味する。本発明においては、上記ワニスの固形分濃度が50質量%のときの25℃における粘度が500mPa・s以下であることが好ましい。該粘度は、より好ましくは200mPa・s以下であり、更に好ましくは100mPa・s以下であり、特に好ましくは70mPa・s以下である。該粘度が上記の範囲である場合、トレンチへの埋め込み性が良好であり好ましい。例えば、開口幅25nm以下、アスペクト比40以上のトレンチの場合は、上記粘度が70mPa・s以下であることが好ましい。
【0094】
本発明に従って得られるポリシロキサン縮合反応物ワニスは、例えば、半導体素子に形成されたトレンチの埋め込み用途に好適に使用される。
【0095】
本発明に従って得られるポリシロキサン縮合反応物ワニスを使用して得られる絶縁膜は、液晶表示素子、集積回路素子、半導体記憶素子、固体撮像素子等の電子部品用の層間絶縁膜、素子分離膜、STI(Shallow Trench Isolation)用絶縁膜、PMD(Pre Metal Dielectric)膜、平坦化膜、表面保護膜、封止膜等に好適である。
【実施例】
【0096】
以下、実施例及び比較例により本発明の実施の形態をより詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0097】
[ポリシロキサン化合物、ポリシロキサン縮合反応物溶液及びポリシロキサン縮合反応物ワニスの評価項目]
(1) ポリシロキサン化合物及びポリシロキサン縮合反応物の重量平均分子量(Mw)測定
第一工程で得たポリシロキサン化合物の分子量測定
島津製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)SCL−1APvp、Shodex KF−804Lカラムを使用した。テトラヒドロフラン溶媒中、縮合反応物を1質量%溶液にして測定し、示差屈折率計(RI)により標準ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
第三工程後のポリシロキサン縮合反応物ワニス中のポリシロキサン縮合反応物の分子量測定
東ソー製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)HLC−8220、TSKgelGMHHR−Mカラムを使用した。アセトン溶媒中、縮合反応物を1質量%溶液にして測定し、示差屈折率計(RI)により標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
【0098】
(2) 分子量再現性
同一条件で反応を3回実施し、各例で生成したポリシロキサン縮合反応物ワニスのGPCによる分子量測定を実施、分子量のバラツキ範囲から判定した。なおバラツキ範囲は平均値からの差異として求めた。判定基準は以下のようにした。
◎:±300、 ○:±500、 △:±700、 ×:±1000
【0099】
(3) ポリシロキサン化合物溶液及びポリシロキサン縮合反応物溶液のpH測定
第一工程で得たポリシロキサン化合物溶液及び第二工程で得たポリシロキサン縮合反応物溶液をそれぞれ40g採取し、京都電子工業社製電位差自動滴定装置AT−610のpH電極により測定し、それぞれ第一工程及び第二工程におけるpHとした。
【0100】
(4) 固形分濃度50質量%のポリシロキサン縮合反応物ワニスの粘度測定
既知濃度のポリシロキサン縮合反応物ワニスを固形分濃度50質量%までエバポレーターで濃縮し、濃縮後のポリシロキサン縮合反応物ワニスの温度が25℃以下になってから5分以内に粘度測定を行った。固形分濃度50質量%のサンプルを粘度計(東機産業(株)製 E型粘度計(RE−85R型)、コーンローター:1°34′×R24)のサンプルカップに1.1ml入れ、適切な回転数でローターを回転させた。粘度の値が安定したとき(ばらつきが2%以下となったとき)の値を求めた。
【0101】
(5) ポリシロキサン縮合反応物ワニスの保存安定性(ポットライフ)
ポリシロキサン縮合反応物溶液を室温で2週間放置した後目視でゲル化の有無を観察した。ゲル化が観察される場合をB、観察されない場合をAとした。
【0102】
[実施例1]
500mL4つ口フラスコに、メチルトリメトキシシラン(MTMS)22.2g、テトラエトキシシラン(TEOS)8.9g、及びエタノール82gを入れて攪拌して78℃に昇温、還流した。ここへ水19.2gとpH調整のため必要な適切量の硝酸を滴下してpHを2〜3の条件下、80℃で2時間反応させ、分子量が630程度のポリシロキサン化合物を得た(第一工程)。
【0103】
次に4つフラスコに還流管及び滴下ロートをセットし、再度pH調整後、エタノール75g、PL−06L(扶桑化学工業製の平均一次粒子径6nm、6.3質量%濃度の水分散シリカ粒子)92.6gの順に連続して滴下し、低下したフラスコ内温が80℃に戻ってから80℃で約4h程度還流して、ポリシロキサン縮合反応物溶液を得た(第二工程)。還流時間は目標分子量によって多少変化させた。還流後、プロピレングリコールメチルエチルアセテート(PGMEA)を300g添加し、還流管と滴下ロートを外して蒸留装置に組み替え、オイルバスを90℃まで昇温させて、蒸留ラインよりメタノール、エタノール、水、及び硝酸を留去し、ポリシロキサン縮合反応物のPGMEA溶液を得た(第三工程)。なおこの後、該縮合反応物のPGMEA溶液を濃縮し、固形分濃度20質量%のPGMEA溶液を、ポリシロキサン縮合反応物ワニスとして得た。生成したポリシロキサン縮合反応物ワニスの、上記(1)〜(5)で示される物性評価を行い、評価結果を表2に示した。
【0104】
[実施例2〜実施例10]
実施例1における反応条件のみを変更してポリシロキサン縮合反応物ワニスを得た。変更した条件は、表1にまとめて示した。評価結果は表2にまとめて示した。
いずれも分子量再現性、ワニス粘度、及びワニス保存安定性に優れていた。
【0105】
[比較例1]
実施例1において、第二工程の反応条件のpHを2にする以外は実施例1と同一の方法でポリシロキサン縮合反応物ワニスの合成を行った。結果は表2にまとめて示した。保存安定性のよいワニスが得られなかった。
【0106】
[比較例2]
実施例1において、第二工程の反応条件のpHを8にする以外は実施例1と同一の方法でポリシロキサン縮合反応物ワニスの合成を行った。結果は表2にまとめて示した。分子量の再現性が悪く、また、保存安定性のよいワニスが得られなかった。
【0107】
[比較例3]
実施例1において、第二工程の反応温度を室温(25℃)にする以外は実施例1と同一の方法でポリシロキサン縮合反応物ワニスの合成を行った。結果は表2にまとめて示した。反応速度が遅くて実用性に欠け、分子量再現性、ワニス粘度、及びワニスの保存安定性が悪く、更にワニス粘度が高かった。
【0108】
【表1】

【0109】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明のポリシロキサン縮合反応物ワニスの製造方法によれば、分子量再現性がよく、保存安定性に優れたポリシロキサン縮合反応物ワニスが得られる。該ワニスから得られる絶縁膜は、液晶表示素子、集積回路素子、半導体記憶素子、固体撮像素子等の電子部品用の層間絶縁膜、素子分離膜、STI用絶縁膜、PMD(Pre Metal Dielectric)膜、平坦化膜、表面保護膜、封止膜等として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)下記一般式(1):
1nSiX14-n (1)
{式中、nは、0〜3の整数であり、R1は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、X1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又はアセトキシ基である。}で表される1種類以上のシラン化合物に由来するポリシロキサン化合物を得る第一工程と、
(ii)第一工程で得られた該ポリシロキサン化合物と、シリカ粒子とを、溶媒中50℃以上、pH3から7の領域で反応させてポリシロキサン縮合反応物溶液を得る第二工程と、
(iii)第二工程で得られたポリシロキサン縮合反応物溶液に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、アミド及び炭化水素系溶媒の中から選ばれる少なくとも1種類の沸点100℃以上200℃以下の溶媒を加えた後に、蒸留により沸点100℃以下の成分を留去する第三工程と、
を含む、ポリシロキサン縮合反応物ワニスの製造方法。
【請求項2】
該第二工程において、該ポリシロキサン化合物と該シリカ粒子とをpH3.5から6.5の領域で反応させる、請求項1に記載のポリシロキサン縮合反応物ワニスの製造方法。

【公開番号】特開2012−136563(P2012−136563A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287897(P2010−287897)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】